JPH07243903A - 非接触式振動計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の非接触式振動計１は、一端を封じた
中空の筒状ケース２と、この筒状ケース内部のケース封
止端２ａに装着された弾性体３を介して保持され筒状ケ
ース２の長手方向に変位可能な渦電流式変位計４とを具
備して成る。 【効果】 渦電流式変位計４が筒状ケース２に弾性体３
を介して保持されているため、測定対象物、例えば回転
軸５の振動がケーシング６を伝わって筒状ケース２に伝
わっても緩衝されて渦電流式変位計４には伝達されず、
渦電流式変位計４が不動点となる。よって測定対象物５
の振動を絶対振動として非接触で測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、測定対象物の振動を測
定する非接触式振動計に関する。

【０００２】

【従来の技術】渦電流式変位計は、測定対象物の表面に
渦電流を発生させ、測定対象物との空隙が変化したとき
に生じるインピーダンスの変化を変位量として検出する
ものである。

【０００３】従来、渦電流式変位計によって、タービン
やモータ等の回転軸の振動を測定する場合、図２に示す
ように、回転軸２５に非接触で対向するように、ケーシ
ング２６に渦電流式変位計２４を取り付けて振動（変
位）を測定していたが、振動は地盤を介して渦電流式変
位計２４の取付け部であるケーシング２６にも伝達され
る場合があるため、回転軸２５の絶対振動を測定したい
場合でも、測定値は、渦電流式変位計２４と回転軸２５
との間の相対振動であり、絶対振動を測定することはで
きなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、渦電流
式変位計２４により回転軸２５の振動を非接触で測定す
る従来技術では、回転軸２５の絶対振動を測定すること
ができなかった。

【０００５】そこで本発明は、測定対象物の絶対振動を
非接触で測定できる非接触式振動計を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の非接触式振動計
は、一端を封じた中空の筒状ケースと、この筒状ケース
内部のケース封止端に装着された弾性体を介して保持さ
れ筒状ケースの長手方向に変位可能な渦電流式変位計と
を具備して成る。

【０００７】

【作用】本発明の非接触式振動計においては、渦電流式
変位計が弾性体を介して保持されているため、外部から
筒状ケースに伝達された振動は緩衝され渦電流式変位計
には伝達されない（渦電流式変位計が不動点になる）。
よって、測定対象物の振動を絶対振動として非接触で測
定できる。

【０００８】

【実施例】以下、図面に示した実施例に基いて本発明を
詳細に説明する。

【０００９】本発明の一実施例の非接触式振動計を図１
に示す。図１に示すように、非接触式振動計１は、中空
な筒状ケース２の図示上側の封止端２ａの内面に装着さ
れた弾性体（例えばコイルばね）３を介して、渦電流式
変位計４がその検出端４ａを自由端として筒状ケース２
の先端（図示下端）へ向け、筒状ケース２の長手方向に
変位可能に保持された構成である。

【００１０】また、筒状ケース２の先端（図示下端）
は、弾性体３および渦電流式変位計４を組込んだ後、蓋
２ｂで封止されている。また、渦電流式変位計４からの
信号ケーブル４ｂは、筒状ケース２の封止端２ａから導
出されている。

【００１１】上記のように構成された非接触式振動計１
は、測定対象物である回転軸５に非接触で渦電流式変位
計４の検出端４ａが対向するようにケーシング６に取り
付けられている。

【００１２】この実施例の非接触式振動計１において
は、渦電流式変位計４が筒状ケース２の封止端２ａの内
面に装着された弾性体（例えばコイルばね）３を介して
保持されているため、ケーシング６の振動は弾性体３に
よって緩衝され、渦電流式変位計４は不動点となり振動
しない。よって、回転軸５と非接触式振動計１との空隙
の変化によって生じる渦電流式変位計４のインピーダン
ス変化を回転軸５の絶対振動（変位）として測定するこ
とができる。

【００１３】また、先端を蓋２ｂで封止した筒状ケース
２内に弾性体３および渦電流式変位計４が設けられてい
るため、回転軸５の周囲にある水や油の混在した気流の
影響で渦電流式変位計４が振動することがない。

【００１４】なお、本発明は図１の実施例に限るもので
はなく、次のように変形して実施することができる。

【００１５】（１）測定対象物の周囲に、水，蒸気，
油，気流等が存在しない場合は、筒状ケース２の測定対
象物への対向端は開放されていてもよい（封止する必要
はない）。

【００１６】（２）弾性体３はコイルばねに限らず、板
ばね，渦巻ばね，ゴム，スポンジ，エアダンパ，磁気な
ど特に限定しない。

【００１７】（３）弾性体の数量および取付け方向に制
限はない。

【００１８】

【発明の効果】以上詳述したように本発明の非接触式振
動計においては、筒状ケース内で渦電流式変位計が弾性
体により保持されているため、渦電流式変位計は不動点
となり、測定対象物の絶対振動を非接触で測定できる。
また、筒状ケースの測定対象物への対向端が封止されて
いるため、測定対象物の周囲に水や油の混在した気流が
存在しても、気流の影響で渦電流式変位計が振動するこ
とがなく、正確な測定が確保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の非接触式振動計の構成を示
す概略図である。

【図２】渦電流式変位計を用いた従来技術の振動測定を
示す概略図である。

【符号の説明】

１…非接触式振動計 ２…筒状ケース ２ａ…封止端 ３…弾性体 ４…渦電流式変位計 ４ａ…渦電流式変位計の検出端 ５…回転軸 ６…ケーシング ２４…渦電流式変位計

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端を封じた中空の筒状ケースと、この
   筒状ケース内部のケース封止端に装着された弾性体を介
   して保持され筒状ケースの長手方向に変位可能な渦電流
   式変位計とを具備して成る非接触式振動計。