JPH0724372B2 - プッシュプル分布増幅器 - Google Patents

プッシュプル分布増幅器

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JPH0724372B2
JPH0724372B2 JP1503071A JP50307189A JPH0724372B2 JP H0724372 B2 JPH0724372 B2 JP H0724372B2 JP 1503071 A JP1503071 A JP 1503071A JP 50307189 A JP50307189 A JP 50307189A JP H0724372 B2 JPH0724372 B2 JP H0724372B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
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    • H03F3/60Amplifiers in which coupling networks have distributed constants, e.g. with waveguide resonators
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の分野 本発明は、線形電子増幅器システムに関する。より具体
的には、一つまたは複数個の分布増幅器の組合せに於い
て高効率、低ひずみ、そして高出力を実現するためのシ
ステムに関する。
II 発明の背景 電子増幅器が使用される場面の多くに於いて、増幅器は
広帯域、高出力、低い信号歪みであることが要求され
る。例えば低レベルの無線周波信号が分布型の広帯域線
形増幅器によって増幅される無線伝送の分野におけるよ
うにである。増幅された信号は次に、空中放射のためア
ンテナに送られる。こうした電子機器の増幅器にあっ
て、そこから得ることができる出力は、所望の到達領域
を実現するのに十分なものでなければならない。さら
に、入力信号のスペクトル成分は増幅過程で変化を受け
ないように低歪みであることが要求される。しかし、所
望の広帯域と出力を供給できる典型的な増幅器の機器構
成、例えば分布増幅器のようなものでも、問題があるほ
どの歪みを出すものとなっている。
分布増幅器は、真空管とかソリッドステートデバイスの
ような多数の独立の増幅手段から成る増幅器システムで
ある。各増幅手段の入力端子は、入力ラインに接続さ
れ、またそれに対応して、各増幅手段の出力端子は出力
ラインに接続されている。
こうした分布型増幅器システムの入力線路と出力線路
は、個々の増幅手段のキャパシタンスおよびインダクタ
ンスという寄生リアクタンス成分[parasitic reactive
elements]を両線路の集中定数の一部として利用する
集中定数伝送線路となるよう設計されている。集中定数
伝送線路については当業者間に周知であるし、例えばRo
bertsに付与された米国特許第2018320号「Radio Freque
ncy Transmission Line」にも記載されている。増幅器
に適用された集中定数伝送線路については、例えばKobb
eらに付与された米国特許第2930986号「Distributed Am
plifier」に記載されている。分布増幅器においては、
連続する各増幅手段への各入力信号は入力線路の遅れの
分遅れるが、出力線路の遅れもこの入力線路の遅れと同
一になるように設計されている。こうした機器構成は、
同位相の出力信号を別の増幅手段の出力信号と共に各増
幅手段に供給することになり、それによって負荷に最高
出力信号を供給することになる。つまり個々の増幅手段
をまとめることは並列的に行われる。しかも、もしこれ
らの増幅手段が単に並列に接続されているに過ぎないか
ら、寄生成分(通常は入力と出力の各キャパシタンス)
は、1個の増幅手段から得られる帯域幅を著しく減少さ
せる形で並列に接続される。個々の増幅手段を分布増幅
器の機器構成中に配置することによって、それら増幅手
段の寄生成分の効果は重畳されることがなく、また1個
の増幅手段の帯域幅は完結した分布増幅器システムでも
そのまま保持される。
従来の基本的分布増幅器において、各増幅手段の作動位
相は出力に関して同一である。換言すれば増幅器システ
ムの出力端子における順方向の信号は、各増幅手段の出
力における順方向信号の積重ねである。通常、増幅手段
は、静止の動作点に対して非対称な出力信号を出す。例
えば正の出力信号成分は負の出力信号成分よりいくぶん
低くなる。この非対称性は、真空管のような増幅手段の
A級動作において普通のことであり、また増幅手段が入
力信号を完全な1周期に亙って増幅するものではないAB
級、B級およびC級の各級動作の非常に際立った特徴と
なっている。そしてこのような非対称性が、従来の基本
的分布増幅器の出力信号に歪みをもたらすのである。
分布増幅器システムにおける歪みは、その元々の特徴で
ある所の個々の増幅手段の並行動作に起因する。プッシ
ュプル機器構成における1対の増幅器の動作が信号歪み
を低減させることは周知の技術である。プッシュプルの
分布増幅器システムが、Sosinに付与された“WIDE BAND
AMPLIFIERS"というタイトルの米国特許第4,337,439号
に記載されている。Sosinの分布増幅器システムは標準
のプッシュプル形式で連結された2つの独立した分布増
幅器で構成されている、即ち、2個の実質的に同じ増幅
器がタップ付変成器を使ってそれら増幅器の入力におい
て相互に連結され、またそれらの出力において第2のタ
ップ付変成器で相互連結されているものである。各増幅
器は、本来の負荷とこれに並列接続された相手増幅器出
力インピーダンスという二つのものを同時に駆動しなけ
ればならない。この普通のプッシュプル機器構成は、相
手増幅器による相当な負荷を各増幅器にもたらすもので
あり、本来の負荷へ供給できる電力を減殺させてしまっ
ている。さらに、Sosinの技術で必要とされているタッ
プ付変成器は、広帯域性を持たせようとすれば効率のよ
いものを製作することができず、したがって多大な損失
と周波数制限をもたらす。したがってSosinの技術によ
る機器構成は、基本的な分布増幅器の機器構成に対して
厳しい帯域制限を与えるものとなっている。広帯域機能
と負荷への最大電力供給機能は、分布増幅器の主要な特
徴なので、帯域幅と負荷への供給電力を必然的に減殺す
る機器構成は好ましくない。
本発明は、上述したSosinその他の従来技術のようなプ
ッシュプル分布増幅器とは大いに異なる。本発明は相手
増幅器という負荷を除去し、かつ、プッシュプル運転に
必要な所望の反転手段を広帯域動作に合うように製作
し、設置することを容易に可能にする。
別のプッシュプル増幅器の従来例が、Wengenrothの“Pu
sh−Pull Distributed Amplifier"と題する米国特許第
3,571,742号に記載されている。このWengenrothの増幅
器は、分布増幅器の入力と出力の各集中定数伝送線路に
相互に連結されたいくつかの実質的に標準型のプッシュ
プル増幅器で構成されている。こうしたWengenrothの機
器構成中にある各々の増幅段の2個の独立した増幅手段
は、中央タップ付誘導巻線によってそれらの入力端で相
互に接続されている。この中央タップ付巻線は、実際に
はオートトランス(単巻変圧器)として機能し、信号は
巻回数の半分のところに印加され、全巻回数の所から取
出される。このオートトランスの動作、すなわち、各々
の独立した増幅器の2つの個々の増幅手段に対して、同
じ大きさで位相の異なる入力信号を与えるという動作
は、標準プッシュプル増幅器では一般的なことである。
同様にこのWengenrothの機器構成中の各独立増幅器の2
個の増幅手段の出力は、中央タップ付巻線に接続されて
いるが、これもまたオートトランスとして機能してい
る。こうしてWengenrothの機器構成中の各独立増幅段
は、大略、標準プッシュプル増幅器となっている。即ち
2個の実質的に類似な増幅手段がタップ付変成器を使っ
て入力で連結され、また第2タップ付変成器を使ってそ
の出力において連結されている。Wengenrothのこの機器
構成の欠点は、寄生成分、特に、各増幅器段を構成する
2つの独立の増幅手段の入力と出力のキャパシタンス
が、実質的には並列に接続されており、これがため、そ
の帯域幅が単一増幅手段で得られるものよりも縮小され
たものとなってしまうことである。もう一つの欠点は、
入力と出力の各タップ付誘導巻線によるオートトランス
の機器構成が、そのオートトランスによって誘起される
追加的寄生成分のために、電気的な対称性が保てない回
路構成となってしまうことである。したがって、2個の
独立した増幅手段の2つの入力端子を駆動するソース側
のインピーダンスは同じでなく、同様にこれら増幅手段
の2つの出力端子に現れるインピーダンスも同一ではな
い。かかる非対称性は周波数に対する機能を低下させる
もので、分布増幅器システムの帯域許容量を縮小させる
ことになる。さらにWenngenrothの増幅器システムの欠
点として、所望のタップ付誘起巻線が広帯域機能を持つ
ように製作することができないことがある。例えば、50
Ωとか100Ωという精確な広帯域の特性インピーダンス
を持つものとしては製作することができない。というの
はかかるインピーダンスは分布増幅器システム全体の入
力線路と出力線路の双方に負荷を課すからである。この
ような負荷は、分布増幅器機器構成の作動に必要とされ
る集中定数入力線路および出力線路の低損失、広帯域機
能の実現を不可能にする。さらに別の欠点は、入力用、
出力用各タップ付誘導巻線が各々の増幅器段で要求され
ることである。これらタップ付誘導巻線の物理的サイズ
と回路中に要求される位置は、帯域幅ならびに段の総計
を厳しく制限する重畳的な寄生成分(キャパシタンスと
インダクタンス)をもたらす。分布増幅器の機器構成の
原理的利点は、単一の増幅器から得ることができる帯域
幅を保持しつつ、各単一段よりも高い出力を出す多数の
独立した増幅器段を効果的に使用できることにある。し
たがって、Wengenrothの開示する機器構成は、実現され
るべき分布増幅器の原理的価値を持ってはいないのであ
る。
本発明は、改良されたプッシュプル増幅器システムを提
供するもので、個々の増幅手段が2個もしくはそれ以上
の群に分割されたものである。各群内の増幅手段は同じ
位相で動作し、増幅手段の各群は、それら各群の出力信
号を同じ位相で精確に重畳するために必要とされる信号
反転手段と共に、180度反対の位相で動作する。必要な
信号反転を得るために本発明が用いる手段は、分布増幅
器の入力、出力各伝送線路の特性インピーダンスと帯域
特性の双方に精確にマッチするように、きわめて正確に
低損失に、かつ広帯域特性で製作することができる。信
号反転手段の1例は、それが組込まれる伝送線路にマッ
チするインピーダンスを有する高品質の伝送線路を巻回
して製作された変成器である。
本発明は上述のWengenrothの従来技術の分布増幅器とは
本質的に異なるものである。Wengenrothによれば、複数
の標準型プッシュプル増幅器が、分布増幅機器構成の個
別の増幅素子として使用されている。したがってWengen
rothによれば、プッシュプル動作が分布増幅器の個々の
増幅手段各々において行われる。これと対照的に、1以
上の分布増幅器で機器構成される本発明では、複数の独
立した分布増幅器が、本発明原理によりプッシュプル動
作をするように結合されたものとなっている。
本発明は単一の分布増幅器にも適用され得る。たった2
個の増幅手段を持ち、かつ本発明に従って構成された単
一分布増幅器の機器構成を、Wengenrothの個々の増幅器
段と対比すると、Wengenrothの個々の段は、電気的には
上述したようにいくつかの欠点がある標準的プッシュプ
ル機器構成を成すものであるのに対し、たった2個の独
立した増幅手段からなる単一分布増幅器で構成されてい
る本発明は、基本的な分布増幅器の電気的特性を十分に
保持したものとなっている。したがって本発明は、増幅
手段と信号反転手段双方の寄生成分を、非常に精確に設
定され適切に終端されていて、非常に広い帯域幅特性を
維持する分布増幅器の伝送線路構成中に組み込むと共
に、プッシュプル動作をも提供するものとなっている。
このようにWengenrothに比し、2個だけの増幅手段から
成る分布増幅器へ適用した本発明は、プッシュプル動作
というさらなる利点をもたらしつつ、分布増幅器のあら
ゆる利点をも維持したものとなっている。
この改良された機器構成は、従来技術の機器構成が本来
持っていた出力や帯域幅を犠牲にすることなく、分布増
幅器におけるプッシュプル動作を可能にする。さらに、
実際に組まれる多数の増幅手段、および基本的分布増幅
器の周波数特性は、本発明の改良された機器構成を使用
したからといって犠牲にされることがない。この点は分
布増幅器の実用化に際して十分な福音となる。ここに実
現されたような分布増幅器の出力端子における同じ位相
での出力信号の精確な重畳を伴う各増幅装置群の対称の
位相での増幅動作は、少ないひずみで高出力を出す高効
率な、新規のプッシュプル構造を提供する。さらに本発
明はその独特なプッシュプル構造ゆえに、従来技術につ
いて述べたとき指摘したように、相手増幅器による負荷
によって従来では失っていた電力の一部を、本来の負荷
に供給することが可能である。したがって本発明は分布
増幅器からの電力の取り出しに関し、二つもの新たな効
用をもたらす。さらに出力容量を増大させることによっ
て、本発明はどんな出力電力に対しても従来より低い歪
みしか出さない。すなわち増幅器がその最高出力容量で
駆動されたら歪みが増加することは周知の事実である
が、本発明の増幅器は、どんな出力電力としても、同様
な数の増幅手段で構成された従来技術の増幅器よりも、
その最高能力に対して低い電力レベルで動作するので、
本発明は従来より低い歪みしか出さないのである。さら
に、どんな所望の最高出力電力にとっても、本発明の増
幅器の消費電力は、従来技術において必要とされている
増幅器の消費電力に対して半分以下の大きさに縮小され
ている。したがって本発明では入力無信号時の消費電力
が同じ最高出力を出すことができる従来技術の増幅器に
おけるよりも低減されている。本発明のこの無信号時の
低減された消費電力は、したがって向上された効率をも
たらす。本発明はまた、増幅器の製作費と消費電力とが
直接関係している為に、同じ最高出力の増幅器であれば
従来技術のものに比しコスト的に節減されたものを提供
する。
発明の要旨 したがって本発明の目的は、非対称になっている出力信
号強度を補正するプッシュプル分布増幅器システムを提
供することにある。
また、従来のプッシュプル分布増幅器システムに発生し
ていた負荷と出力インピーダンスとの並列接続に起因す
る電力損失を低減することにある。
また通常のプッシュプル分布増幅器システムで必要とさ
れる結合素子の為に生ずる電力損失と周波数帯域幅に対
する制限を低減することにある。
また単一分布増幅器においてもプッシュプル動作を提供
することにある。
また2個以上の分布増幅器によるプッシュプル結合を提
供することにある。
さらにまた、新規なプッシュプル分布増幅器配列によっ
て、改良された歪み特性、高効率、高出力電力を提供す
ることにある。
本発明の追加的な目的、利点は、さらに部分的に以下の
詳細な説明中に挙げられるであろうし、あるいはそこで
の記載から自ずと明らかであろう。本発明の目的、利点
は、請求の範囲中に記載された方法、装置によって実現
することができる。
本発明は、分布増幅器の個々の増幅手段の新規なプッシ
ュプル配列によって上記の目的を達成する。
特にこれら目的を成就するために、本発明は次のものを
有するプッシュプル分布増幅器を提供する。即ち、2個
以上の増幅手段を含む分布増幅器と、隣接する少なくと
も1対の増幅手段の間の入力線路に接続され、入力信号
に対し対称な位相で動作する1もしくは2個以上の増幅
手段に対して入力信号を供給する信号反転手段と、出力
線路に於てある位相の信号とこれに対称な位相の信号成
分とを合成するために少なくとも1対の隣接する増幅手
段の間の出力回線に接続された信号反転手段と、入力回
線と出力回線双方に所望の遅延を与えるため必要に応じ
て入力線路・出力線路中に接続される信号遅延手段と、
である。本発明はA級,AB級、B級およびC級のいずれ
の級にも適用でき、あらゆる級が従来技術に比し改良さ
れた動作を行う。
明細書の一部を成す添付の図面は、現在好ましい本発明
の具体例についてのもので、詳細な記述と相俟って本発
明の原理を説明するのに参照されるものである。
図面の簡単な説明 第1図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムを示
す概略図。
第2図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムの1
変形例で、2つの独立した入力線路を使用しているもの
の概略図。
第3図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムの1
変形例で、2個の分布増幅器を使用しているものの概略
図。
第4図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムの1
変形例で、2個の独立した分布増幅器で2つの入力線路
を使用しているものの概略図。
第5図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムの1
変形例で、各々が独立した入力線路の付いた複数の独立
型分布増幅器を使用しているものの概略図。
第6図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムの1
変形例で、2つの複合型入力線路が付いた複数の独立型
分布増幅器の概略図。
第7図は本発明のプッシュプル分布増幅器システムの1
変形例で、複数個の分布増幅器を交差接続入力方式で使
用しているものの概略図。
第8図は第1図の回路構成におけるプッシュプル動作
と、それによる波形歪の解消状態を示す概略図である。
好ましい実施例の説明 以下に本発明の現時点における好ましい実施例につき詳
細に述べるが、それは第1図に図示されている。本発明
増幅器の目的は、増幅器入力10に入力される電気信号を
増幅し、その増幅された信号を出力端子12へ送り、次い
でそれに接続されている負荷14へ送ることにある。負荷
14は信号電力を送りたい所望の機器なら何でもよい。負
荷14のインピーダンスは抵抗性、複合性、その他何でも
よい。権利範囲を制限するものではないが負荷の典型例
として、所定地域輻射用アンテナ、磁気共鳴断層撮影用
の結合装置、誘導加熱システムのインダクションコイル
等がある。基本増幅器システムは分布型で、複数の増幅
手段16、18を有している。これら増幅手段16、18の各々
は独立した装置で、その例はこの技術分野でよく知られ
ており、例えば真空管とか、電界効果トランジスタある
いはバイポーラトランジスタのようなソリッドステート
デバイスなどがある。各増幅手段16、18は、それぞれが
独立して本質的に完結した増幅器を成すように複数の部
品で構成されている。例えば、大略従来例通りの多段真
空管増幅器を形成するように回路中に組込まれた数個の
真空管から成る増幅器は、独立した増幅手段16、18とし
て本発明において応用されるものである。また増幅手段
16、18各々は、他の全ての増幅手段16、18に対して特異
的で非依存性のものとなっている。増幅手段16、18は全
部同一型のものでよく、各々相異する型でもよく、ある
いはこれらの結合型でもよい。しかし少なくとも1個の
増幅手段16および少なくとも1個の増幅手段18が本発明
の増幅器システム中に含まれていなければならない。
本発明は低電力用、高電力用の両者に適用可能である。
例えば、広帯域特性を保持しつつ単一電界効果トランジ
スタのそれに比しより多くの出力電力を供給するため、
多数の小信号の電界効果トランジスタを使用することが
可能である。同様に広帯域特性を保持しつつ単一真空管
のそれに比し高い出力電力を供給する多数の高電力真空
管を使用することもできる。本発明はまた、ミリワット
単位の送信電力から大きなキロワット数の送信電力に至
るまで等しく効果的に利用することができる。さらに本
発明は独立した増幅手段16、18のどんな動作級にでも適
用することができる。例えばそうした独立増幅手段はA
級、AB級、B級およびC級で動作させることができる。
帯域幅は、個々の増幅手段16、18は主として遮断周波数
のような特性によって決定される。数百メガヘルツを超
える帯域幅でも適切な増幅手段16、18を使用すれば得る
ことができるのであって、例えば広帯域電界効果トラン
ジスタとか広帯域真空管である。
コンデンサ20は、各増幅手段16、18の寄生入力キャパシ
タンスである。コンデンサ22は各増幅手段16、18の寄生
出力キャピャシタンスである。しかし増幅手段16、18は
同一型である必要はなく、また入力寄生キャパシタンス
20は同一型の必要はない。同様に出力寄生キャパシタン
ス22も同一型である必要はない。分布増幅器技術におい
て一般的なように、入力伝送線路24および出力伝送線路
26は、集中定数伝送線路構造中にある増幅手段16、18の
寄生成分20、22を組み込む形で構築されており、このよ
うな集中定数伝送線路は当業者間に周知であり、これら
は所定帯域用の同軸ケーブルのような「分布」定数伝送
線路に類似の機能を提供する電子回路内に含まれる増幅
手段16、18の出力キャパシタンスのような個々の「集
中」定数の組合せを含んでいる。集中定数伝送線路の動
作は当技術分野に周知であるから、基本的な集中定数伝
送線路の作動に関しては詳述しない。入力線路24は、信
号反転変成器32によって互いに接続された2つの伝送線
路セグメント28、30から成る。出力線路26は信号反転変
成器38で互いに接続された2つの伝送線路セグメント3
4、36から成る。集中定数伝送線路構造では一般的なよ
うに、入力線路24中の整合回路40と出力線路26中の整合
回路42は、伝送線路セグメント28、30、34、36の端部で
インピーダンス整合を行っている。整合回路40、42は誘
導性、容量性、抵抗性の各素子を含んでおり、集中定数
伝送線路の端部での広帯域インピーダンス整合を実現し
ている。しかし増幅手段16、18は同一型である必要はな
く、整合回路40も同一である必要がなく、また同様に整
合回路42も同一の必要はない。信号反転変成器32、38
は、所望の信号遅延と帯域幅を確保するように構成され
ている。ある長さの伝送線路、例えば同軸ケーブルや平
行ワイヤ伝送線路のような伝送線路のある長さのものか
ら成り、それぞれの導体がコアの周りを一巻きするよう
に形成されている伝送線路反転器は、広帯域特性を実現
する信号反転変成器32、38についての一つの適切な構成
例である。信号反転変成器32、38は、精確に限定され整
合されたインピーダンス特性と、非常に低損失の広帯域
特性を確保するように製作設置することができる。した
がって信号反転変成器32、38の入力および出力伝送線路
24、26への各々の挿入は帯域幅を挟めたり、基本分布増
幅器の利用可能な出力電力を低下させることがない。も
っとも、超広帯域の動作が要求されていない場合は、コ
ア周囲に形成された1次、2次巻線から成る従来の反転
変成器を、信号反転変成器32、38として使用することが
できる。
分布増幅器は、増幅手段が入力と出力の伝送線路24、26
に沿って各々分布されているから、そのように命名され
ている。分布増幅器の動作原理は当業者間に周知なの
で、基本分布増幅器の動作につき詳述しない。ここに述
べられたように、分布増幅器は、それらの入力端が入力
線路に、また出力端が出力線路に接続された複数の増幅
手段で構成されるものであり、分布増幅器の正しい動作
のため必要とされる入力、出力線路のための広帯域伝送
線路構造を提供するために、増幅手段、整合素子、遅延
素子、終端素子および接続素子の寄生成分を活用して入
力、出力線路が構成されている。
信号反転変成器32は、隣接するどれか1対の増幅手段1
6、18間の入力線路24中に接続される。同様に信号反転
変成器38は、どれか隣接する1対の増幅手段16、18間の
出力線路26中に接続される。信号反転変成器32、38は、
一般に同じ1対の増幅手段16、18間に接続されるが、本
発明を実施する際に明確にされる具体的用途に於いて必
要とされる機能を提供するための互いに特性の違う増幅
手段16、18間に接続することもできる。これら特性の違
う増幅装置16、18間での信号反転変成器32、38の配置場
所の調整は、増幅された信号の所望の選択的歪み(補
正)を与えるための実際的な手段となる。このような補
正は、ある程度の非対称性を持つ入力信号を増幅するよ
うな場合に有効である。本発明増幅器システムの利得特
性においてこのような制御された非対称性を起こすた
め、信号反転変成器32は入力線路24中に設けられ、信号
反転変成器38は出力線路26中に設けられる。この制御さ
れた非対称性は、入力信号の非対称性を補償するように
もたらされ、そうすることによって負荷14に送られる出
力信号中のひずみが最小にされる。多数の増幅手段16、
18が本発明で用いられることがあるので、また、1個ま
たは2個以上の信号反転変成器32および1個または2個
以上の信号反転変成器38が用いられることがあるので、
本発明はそのような選択したひずみの精確な制御をする
ことができる。信号反転変成器32、38が同じ1対の増幅
手段16、18間に接続されるとき、増幅手段16の個数は、
増幅手段18の個数に等しくても異なっていてもよい。正
の入力信号成分と負の入力信号成分が実質的に等しく増
幅される平衡動作は、信号反転変成器32、38が同じ一対
の増幅手段16、18間に接続され、増幅手段16の個数が増
幅手段18の個数に等しいときに得られる。
分布増幅器の分野で一般的なように、入力端子10に印加
された入力信号は、入力線路セグメント28に接続されて
いる各増幅装置16へ次々と順繰りに供給されながら入力
線路セグメント28上に伝播してゆく。この入力信号は信
号反転変成器32で反転される。信号反転変成器32を入力
線路24中に持っていることは、分布増幅器の技術分野に
新規なことである。反転された入力信号は、入力線路セ
グメント30に印加され、入力線路セグメント30に接続さ
れた各増幅装置18に次々と順繰りに供給される。そして
最後に入力信号は、分布増幅器分野で一般的なように、
入力線路24中の妨害的信号反射を防止するため、入力線
路の終端抵抗44へと送られる。入力線路24は伝送線路と
して作動するように設計されており、終端抵抗44は、広
帯域機能を実現するこの入力線路24を適切に終端させ
る。例えば入力線路24の特性インピーダンスが50Ωな
ら、これに整合する終端抵抗44の値は50Ωである。例え
ばある周波数で利得ピークを示すような特定動作をさせ
るため、線路に整合しない終端インピーダンス値を選択
することもできる。
出力線路セグメント34に接続された増幅手段16の各出力
信号は、その出力線路セグメント34上で単一の合成信号
を形成するように同一位相で重畳される。出力線路セグ
メント34上の合成信号の1部分は、信号反転変成器38に
印加される。その信号は、信号反転変成器38で反転さ
れ、それから出力線路セグメント36経由で出力端子12お
よびそれに付けられた負荷14へ伝播して行く。出力線路
セグメント36は、出力線路セグメント34からの信号成分
に対し単純な伝送線路として機能する。信号反転変成器
38が出力線路26中にあるということは、分布増幅器の分
野で新規なことである。出力線路26は、分布増幅器の分
野で一般的なように、出力線路26上の合成信号の1部分
による妨害的信号反射を防止するため、逆終端46によっ
て逆に終端される。終端抵抗46の出力線路26に対する終
端作用は、上述した入力線路24に対する終端44の終端作
用と同様である。出力線路セグメント34に供給された各
増幅手段16の合成信号の1部分は、出力線路逆終端46に
送られる。
出力線路セグメント36に接続されている増幅手段18の出
力信号は、出力線路セグメント36上で単一の合成信号を
形成するように同一位相で重畳される。出力線路セグメ
ント36上で合成された信号の1部分は、出力コネクタ12
とそれに接続された負荷14に印加される。出力線路セグ
メント36上の合成信号の1部分は、信号反転変成器38と
出力線路セグメント34経由で出力線路逆終端46に送られ
る。信号反転変成器38と出力線路セグメント34は、逆終
端46に送られる出力線路セグメント36からの信号成分に
対し単純な伝送経路として機能する。
入力線路24上の信号反転変成器32の入力信号反転動作
は、出力線路セグメント34に供給された各増幅手段16の
出力信号成分に対して反対位相になるように、線路セグ
メント36に供給された各増幅手段18の出力信号成分を反
転させる。したがって、出力線路セグメント34の信号が
出力線路26上の信号反転変成器38で反転されたとき、一
つは出力線路セグメント36から、またもう一つは出力線
路セグメント34から信号反転変成器38によって反転され
て出力端子12に供給された出力信号の2つの成分は、同
じ位相で重なり合い負荷14に対して最大の合成出力信号
を供給するよう。
増幅手段18に印加される入力信号は、増幅手段16に印加
される入力信号に対して反転されている。したがって増
幅手段18は増幅手段16とは反対の位相で動作する。例え
ば増幅手段18が出力線路セグメント36に電流を流すよう
に駆動されたら、増幅手段16は線路セグメント34から電
流を取り込むように駆動される。こうして出力線路セグ
メント36に正の駆動をもたらすように駆動されている増
幅手段18からのもの、および出力線路セグメント34へ負
の駆動をもたらすよう駆動されている増幅手段16からの
ものが、正の駆動出力として負荷14へ供給される。信号
反転変成器38は、出力端子12に於いて同一位相で重畳さ
れるよう出力線路セグメント34と36とに逆位相の信号を
供給する。したがって出力端子12に接続された負荷14は
プッシュプル方式で駆動される。
プッシュプル動作により波形歪が解消される例を第8図
に示す。回路構成は第1図と全く同じである。ここでは
増幅手段16及び18が曲線CAのような増幅特性を有し、ま
た入力信号は三角波であったとする。
増幅手段16は、プッシュプル動作に於ける二系統の増幅
段のうち同相の入力信号を増幅する側の役割を担う。こ
こには入力された三角波TWがその侭印加される。出力波
形は符号OWのようになる。特性曲線CAがカーブしている
ので、プラス側で間延び、マイナス側で寸詰まりという
波形になる。
増幅手段18は、プッシュプル動作に於ける二系統の増幅
段のうち反転した入力信号を増幅する側の役割を担う。
ここには、反転された三角波TNWが印加される。
出力波形は符号NOWのようになる。波形は歪は出力OWと
同様であるが、この出力OWが正の半波から始まるのに対
して、出力NOWは負の半波から始まる(位相が反対)。
もっとも出力OWは信号反転変成器38で反転される。従っ
て反転後の増幅器16の出力ROWは負の半波から始まり、
増幅手段18の出力NOWと同一位相となる。
負荷14にはこの二種類の出力ROW、NOWが重ねて供給され
る。位相は同一であるが、波形の歪は反対である。一方
の出力ROWがプラス側で寸詰まり、マイナス側で間延び
となっているのに対し、他方の出力NOWは反対側で寸詰
まり、間延 これらが重畳されると、夫々の寸詰まり、間延びが打ち
消される。負荷14に供給される合成出力SWは、歪の無い
三角波となり、入力信号TWを忠実に再生したものとな
る。
本発明を適用できる実施例は種々あり、本発明はそれら
実施例の全部を本発明の権利範囲内のものと意図する。
以下にはこれら実施例のほんのいくつかについて述べ
る。本発明は多数の独立した増幅手段16、18の使用がで
きるので、入力線路24と出力線路26への増幅手段16、18
の接続態様の選択は具体的装置での作動を最上なものと
するように行われる。例えば第1図の実施例は、入力線
路セグメント28へ全増幅手段16の入力を接続し、入力線
路セグメント30へ全増幅手段18の入力を接続したものを
示している。これとは反対に、1もしくは2以上の増幅
手段16の入力が入力線路セグメント30に接続されてもよ
い。同様に、1もしくは2以上の増幅手段18の入力が入
力線路セグメント28の方に接続されてもよい。また同様
に、1もしくは2以上の増幅手段16および18の出力が出
力経路セグメント34、36に交差接続されてもよい。この
ような1もしくは2以上の増幅手段16、18の入力と出力
の交差接続は、増幅された信号について所望の上述した
選択的ひずみを与えるであろう。
要するに、第1図の実施例は、単一の信号反転変成器32
と単一の信号反転変成器38とが、入力線路24と出力線路
26の各々に配置されている場合を示している。あるいは
こうしないで、第1図において、複数の増幅手段16、18
間に接続される複数回路の信号反転変成器32を入力線路
24に置くことによっても、本質的に同様な動作を得るこ
とができる。(複数回路の信号反転変成器とは、信号反
転用巻線複数組が1個の部品としてまとめられているも
のをいう)。複数回路の信号反転変成器38を、出力線路
26側において、複数の増幅手段16、18間に接続するよう
にしてもよい。信号反転変成器32の回路上の位置付けな
らびに個数は、信号反転変成器38の回路上の位置付け、
個数に通常等しくされる。しかし信号反転変成器32、38
の回路上の位置付けと個数は、上述した入力信号の非対
称性の補正のように、本発明を実施する際に明確になる
具体的用途に於いて必要とされる特性を実現するために
なら等しくしなくてもよい。信号反転変成器32、38は精
確なインピーダンス特性と低損失広帯域作動性のものが
製造できるから、複数回路の信号反転変成器を用いても
基本分布増幅器の広帯域特性を犠牲にするようなことは
ないであろう。しかし信号反転変成器32、38はある程度
の損失を示すから、数個の信号反転変成器の使用は、単
一の信号反転変成器32、38を使用したときより、負荷へ
供給可能な出力電力を減少させてしまうであろう。
第1図の実施例を数個の独立した入力線路を持つものに
変更することは、当業者に容易にできることである。追
加する入力線路の数は、増幅手段16、18の全個数と等し
い。各入力線路は1つの入力信号を要求する。この要求
された入力信号は数個の異なる手段で供給することがで
きる。例えば、所望位相、所望信号反転性の複数出力を
持った適当なプリアンプが、要求された複数入力信号を
供給するのに利用できる。あるいは、所望の信号反転や
信号遅延を提供する入力信号反転変成器や入力信号遅延
回路を備えた適当な信号分配器を用いることによって、
単一の入力信号から所望数の入力信号を得ることができ
る。2つの独立入力線路を有する本発明の1実施例が第
2図に示してある。第2図において、入力信号は2つの
入力端子50、52に現れる。これら2つの入力信号は、発
明実施の際明確になる具体的用途に於いて必要とされる
特性を実現するために、等しいものにしても異なるもの
にしてもよい。入力端子50に現れる入力信号は、例えば
適切な長さの同軸ケーブルのような信号遅延手段54に介
して入力線路セグメント28に供給され、各増幅手段16に
順に供給される。入力線路セグメント28は、増幅手段16
に入力信号を供給する完結独立した入力線路を形成する
ために順終端56によって順方向に終端される。入力端子
52に現れる入力信号は、信号反転変成器32と信号遅延手
段58を介して回線セグメント30に供給され、各増幅手段
18へと順に供給される。入力線路セグメント30は、増幅
手段18に入力信号を供給する第2の完結した独立の入力
線路を形成するために終端抵抗44によって順方向に終端
されている。信号遅延手段54、58は、出力端子12とそれ
に接続された負荷14に於いて出力信号成分の適切な同位
相での重畳を行うため、固有的な信号遅延を補償する。
入力信号反転変成器32は、上述したように増幅手段16、
18のプッシュプル動作を実現させるため、増幅手段18に
供給される入力信号の信号反転を行う。出力信号反転変
成器38は、上述したように出力端子12に於ける出力線路
セグメント34、36からの出力信号の同一位相での重畳を
可能にする。複数入力線路を持つ分布増幅器の基本的動
作は、当業者間に周知である。本発明による改良点は、
本発明が複数入力線路を持つ分布増幅器のプッシュプル
動作を提供することである。プッシュプル動作は、複数
入力線路を持つ従来技術の分布増幅器によるよりも改良
されたひずみ率、より高い効率、より高い出力電力をも
たらす。第2図の増幅器実施例の動作は、上述した第1
図の増幅器実施例の動作と大略同一である。
要するに、第2図の実施例は出力線路26中に単一の信号
反転変成器38を持つものである。そうしないで複数回路
の信号反転変成器38をいくつかの増幅手段16、18間に接
続された出力線路26に配置してもよい。さらに、複数入
力線路を有する本発明の実施例は、その1または2以上
の複数入力線路に1または2以上の信号反転変成器32を
含んでいてもよい。
第2図の実施例は、信号遅延器54、58と信号反転変成器
32とを増幅器システムの構成要素として取り込んだもの
である。この機器構成において要求される個々の入力信
号の各々は、通常、位相、遅延および振幅が類似してい
る。もっとも本発明実施の際明確になる具体的用途に於
いては、所望の機能実現のためいくつかの入力信号の位
相等が異にされることがある。全入力を単純に並列接続
することで同じ内容の複数の入力信号が1つの信号源か
ら供給できる。複数入力信号ならびに複数入力に必要と
される信号遅延と相対信号反転が、上述のその他のいろ
いろな手段から得ることができる。第2図に示されたよ
うな2つの入力線路を有する実施例に対して所望の信号
反転と信号遅延とを供給する別の例は、逆位相で一定の
信号遅延を持つ2つの信号の出力が可能なプリアンプで
ある。信号反転変成器32と信号遅延器54、58は削除され
るが第2図の実施例に大略類似する実施例に、このプリ
アンプを使用し得る。
第1図の実施例が数個の独立した分布増幅器を持つもの
に構成できることは当業者に明らかである。2つの独立
した大略類似する分布増幅器を有する本発明の1機器構
成を第3図に示す。第3図において、増幅器60は分布増
幅器で、例えば同軸コネクタのような接続手段62が付い
ていて、通常はここに入力回線終端が接続されている
が、この実施例では削除されている。これ以外は特に変
形されていないものである。増幅器64は接続手段66が付
いた分布増幅器で、通常はここに出力回線逆終端が接続
されているが、この実施例では削除されている。これ以
外は特に変形されていないものである。
出力信号反転変成器38は増幅器60の出力端子68と増幅器
64の接続手段66との間に接続されている。出力線路70、
信号反転変成器38、出力線路72から成る結合構成は、第
1図に見るように、上述した出力線路セグメント34、信
号反転変成器38、および出力線路セグメント36で形成さ
れた伝送線路に実質的に同一の複合出力線路を構成して
いる。ここに述べられた複合出力線路は、1または2以
上の終端素子が省略され、1つの継続的で実質上完結し
た集中定数伝送線路を形成するように互いに接続され
た、2以上の独立した集中定数伝送線路から成る大略完
結した集中定数伝送線路であると理解されたい。
第3図において、入力線路信号反転変成器32は増幅器64
の入力端子74と増幅器60の接続手段62間に接続されてい
る。入力線路76、信号反転変成器32および入力線路78か
ら成る結合構成は、第1図に示すように、上述の入力線
路セグメント28、信号反転変成器32および入力線路セグ
メント30で形成された伝送線路に実質的に同一な複合入
力線路を形成している。
したがって第3図の実施例の増幅器の電気的構成は、物
理的構成は異なるが第1図の実施例に実質的に同一なも
のとなっている。電気的構成が同一なので、第3図実施
例の増幅器の動作は第1図の実施例について述べた上記
の所と同一である。
要するに、第3図の実施例はたった2つの独立した分布
増幅器を有するものである。あるいは2つ以上の分布増
幅器が組み込まれ、1または2以上の信号反転変成器32
と1または2以上の信号反転変成器38を含むものでもよ
い。
したがって複数個の分布増幅器が独立した各入力信号と
組み合わされてもよい。第4図は、2つの独立した分布
増幅器60、64と独立した入力とを持つ本発明の機器構成
を示す。その電気的特性は、第2図に関して述べた所と
同一である。第4図の実施例は、信号反転変成器32と信
号遅延手段54、58とを増幅器システムの構成要素に取り
込んでいる。あるいは複数の入力信号と、複数入力と共
に要求される必要な相対的信号反転と信号遅延とが、上
記したいろいろなその他の方法で供給できる。
本発明は数個の独立した分布増幅器を利用することを可
能にするから、それら独立した分布増幅器の種々の接続
形態が、発明実施の際明確にされる具体的用途について
の最適化をもたらす。かかる具体的用途の例としては、
上述(第16頁第4行〜第8行)の選択ひずみがある。第
5図は、それぞれに独立の入力線路がある数個の独立分
布増幅器から成る本発明の分布増幅器システムである。
分布増幅器80は、先に述べたような実質的に標準型の分
布増幅器である。増幅器64は、同様に接続手段66が付加
され、通常はそこに接続されている出力逆終端が除去さ
れているが、ほかには特に変形されていない分布増幅器
である。独立の分布増幅器64、80の出力線路は、上述し
たと同様に単一の複合出力線路を形成するように接続さ
れている。出力信号反転変成器38は、2つの隣接する独
立の分布増幅器64、80の間の複合出力線路中に接続され
ている。要するに、第5図のものは1つだけの信号反転
変成器38を持つが、そうではなくて1以上の信号反転変
成器38が隣接する分布増幅器64、80間に追加的に接続さ
れていてもよい。単一の反転変成器38が使用されるとき
は、隣接するどの1対の独立分布増幅器64、80間にも設
けることができる。増幅器システムの最適な動作のため
の所望の入力信号反転と遅延を提供するために、入力信
号反転変成器32と信号遅延手段54、58とが、第5図の実
施例には含まれている。上述したと同様に個々の入力を
全部まとめて並列に接続することによって、1つの信号
源から複数個の入力信号を供給することができる。上述
したと同様に、信号反転変成器32と信号遅延手段54、58
とを削除した上で複数の適合する信号の出力が可能な前
置増幅器のような他の手段を用いることによっても、所
望の入力信号反転と遅延とを供給することができる。第
5図の実施例の動作は、上述の第4図の動作と実質的に
同一である。
さらに、本発明が複数の独立の分布増幅器で機器構成さ
れたときは、入力線路は1または2以上の複合入力線路
を形成するように接続されてもよい。数個の独立した分
布増幅器と2つの複合入力線路とで構成された本発明の
実施例が、第6図に示される。第6図において、分布増
幅器60は、接続手段62の追加、入力線路終端の除去の点
で変形された分布増幅器である。分布増幅器64は、上述
したと同様に接続手段66が挿入され、出力線路逆終端が
除去された点で変形されている分布増幅器である。分布
増幅器82は接続手段62が追加され、そこに通常接続され
る入力線路終端が除去され、接続手段66が追加され、か
つ、そこに通常接続される出力線路逆終端が除去された
分布増幅器である。独立した分布増幅器60、64、82の出
力線路は、上述のように単一の複合出力線路を形成する
ように接続されている。独立の分布増幅器の入力線路
は、2つの複合入力線路84と86を形成するように接続さ
れている。上述したように増幅器システムの最適な動作
にとって必要な所望の入力信号反転と遅延を供給するた
めに、入力信号反転変成器32と遅延器54、58が第6図の
実施例に含まれている。あるいは複数の入力信号を供給
する所の上述の何らかの手段が用いられてもよい。第6
図の実施例の動作は、上述の第4図実施例の動作と実質
的に同様である。要するに単一の出力信号反転変成器38
が第6図の実施例で示されている。単一の反転変成器38
が使用されるときは、隣接する独立の分布増幅器60、6
4、82のいずれか1対のものの間に設けることができ
る。あるいは1以上の信号反転変成器38が隣接する分布
増幅器60、64、82間に追加的に接続されてもよい。
さらに、本発明が複数の独立した分布増幅器で機器構成
されるときは、それら個々の増幅器は交差接続形式で接
続されてもよい。数個の独立した分布増幅器を有し、入
力が交差接続された本発明の実施例が、第7図に示され
ている。第7図において、独立の分布増幅器60、64、82
は実質的に標準型の分布増幅器だが、上述したと同様の
変形を受けている。独立の分布増幅器の出力線路は、上
述したと同様に単一の複合出力線路を形成するように接
続されている。独立の分布増幅器の入力線路は、2つの
独立した複合入力線路88、90を形成するように接続され
ている。複合入力線路88、90の各々は、反転変成器38の
一側上で数個の独立した分布増幅器を、また、反転変成
器38の他の側で少なくとも1つの独立した分布増幅器を
接続している。上述したように、このような交差接続
は、本発明の実施に当たって明確にされる具体的用途の
増幅器システムにおいて、そのひずみ特性を精確に制御
する手段を提供するものである。単一の信号反転変成器
38が組み込まれるときは、独立した分布増幅器60、64、
82の隣接するいずれか1対の間に接続される。さらに1
以上の信号反転変成器38が含まれてもよく、また同様に
2以上の独立した複合入力線路が使用されてもよい。所
望の複数入力信号は上述したように種々の方法で供給す
ることができる。第7図の実施例の動作は上述の交差接
続された第4図の動作と実質的に同様である。
フロントページの続き (72)発明者 コラー、デービッド、シー. アメリカ合衆国、ニューメキシコ州 87108、アルバカー キー、サウスイース ト、アイドルウィルド レイン 4522 (56)参考文献 特開 昭61−140211(JP,A) 特開 昭63−59108(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.少なくとも1つの入力線路と、 b.1つの出力線路と、 c.少なくとも2つの増幅手段と、 d.出力信号反転手段と、 e.上記増幅手段に入力信号を印加する手段と、を有し、 各々の入力線路と出力線路との間には少なくとも一つの
    上記増幅手段が接続され、 少なくとも1対の増幅手段間の出力線路には上記出力信
    号反転手段が接続され、 上記入力信号を印加する手段が、上記1対の増幅手段の
    一つに入力信号を、また他の一つに上記入力信号の反転
    信号を、それぞれ印加することを特徴とするプッシュプ
    ル分布増幅器。
  2. 【請求項2】上記入力信号を印加する手段が、少なくと
    も1対の増幅手段の間の入力線路に接続されている反転
    手段をさらに備えることを特徴とする請求項1のプッシ
    ュプル分布増幅器。
  3. 【請求項3】上記入力信号を印加する手段が、対をなす
    各入力線路中の1入力線路に接続されている反転手段を
    有することを特徴とする請求項1のプッシュプル分布増
    幅器。
  4. 【請求項4】上記入力信号を印加する手段が、少なくと
    も1つの入力線路中に反転手段と信号遅延手段とを有す
    ることを特徴とする請求項1のプッシュプル分布増幅
    器。
  5. 【請求項5】出力信号反転手段と入力信号を印加する手
    段との各々が、 信号反転変成器を有することを特徴とする請求項1のプ
    ッシュプル分布増幅器。
  6. 【請求項6】上記入力信号を印加する手段が、所望の位
    相とそれを反転した位相という複数の信号を出力する前
    置増幅器を有することを特徴とする請求項1のプッシュ
    プル分布増幅器。
  7. 【請求項7】上記入力信号を印加する手段が、単一の信
    号から所望数の入力信号を作り出す複数の信号反転変成
    器を持つ信号分割器を備えたことを特徴とする請求項1
    のプッシュプル分布増幅器。
  8. 【請求項8】上記増幅手段が偶数個あり、1対の入力線
    路の各1がこれら偶数個の増幅手段の半数に接続され、
    出力信号反転手段のその両側に等数の増幅手段が存在す
    るように出力信号反転手段が出力線路に接続されている
    ことを特徴とする請求項1のプッシュプル分配増幅器。
JP1503071A 1988-03-23 1989-02-09 プッシュプル分布増幅器 Expired - Lifetime JPH0724372B2 (ja)

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