JPH07242490A - 竪型多数枚液相エピタキシャル成長装置の溶液撹拌機構 - Google Patents

竪型多数枚液相エピタキシャル成長装置の溶液撹拌機構

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JPH07242490A
JPH07242490A JP3359594A JP3359594A JPH07242490A JP H07242490 A JPH07242490 A JP H07242490A JP 3359594 A JP3359594 A JP 3359594A JP 3359594 A JP3359594 A JP 3359594A JP H07242490 A JPH07242490 A JP H07242490A
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shaft
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JP3359594A
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Kazuhiro Kurata
一宏 倉田
Yuji Tomizuka
雄二 富塚
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機構の複雑化を招くことなく、溶質結晶が飽
和溶解した成長用溶液を短時間で調製する。 【構成】 撹拌板84をもつ蓋体82が嵌挿された錘り
80を、成長用溶液ホルダー30の上に配置する。錘り
80は、基板結晶列ホルダー50側の蓋体40に立設し
た半欠け軸41に噛み合う半欠け軸81を備えている。
外部からの操作で回転軸52を回転させるとき、半欠け
軸41が半欠け軸81との噛合い状態から解放され、錘
り80が重力落下する。錘り80の落下に伴って、成長
用溶液ホルダー30のが蓋体82で密閉されると共に、
溶液90に押し沈められる撹拌板84により溶液90が
撹拌される。溶質結晶91も溶液90の深部まで沈めら
れ、飽和溶解が促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、III-V族化合物半導体
等の液相エピタキシーに使用される成長装置の溶液撹拌
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】多数枚の基板結晶上に同時に液相エピタ
キシャル成長させる方法として、ほぼ垂直方向に所定間
隔で各表面を対向させて並べた基板結晶列の間隙に、高
温で飽和した或いは多少冷却して過飽和状態となった結
晶成長用溶液を満たし、この結晶成長用溶液を基板の結
晶表面に接触させ、徐冷等の温度処理によってエピタキ
シャル成長層を晶出させる方式が広く採用されている。
液相エピタキシャル結晶成長によって、各基板の結晶表
面に1層のみのエピタキシャル成長層を形成することは
比較的容易である。最も原理的なものとして、基板結晶
列に対して相対的に下方に保持した溶液中に、基板結晶
列を浸漬させて結晶成長を行わせた後、基板結晶列を溶
液から引き上げて切り離す種々の手法が開発されてい
る。たとえば、基板結晶列を偏心した回転軸で支持し、
溶液に対する基板結晶列の浸漬及び切離しを回転軸を回
転させることによって行う方法が知られている。また、
溶液をピストンで押し上げながら、上方に配置されてい
る基板結晶列に接触させる方法も知られている。
【0003】これらの方法においては、何れも重力的に
下方から基板結晶列の間隙に溶液を侵入させ、所定の結
晶が成長した後で溶液を下方に排出している。溶液の表
面には酸化皮膜や溶液中に晶出した微結晶等が浮遊して
おり、基板の浸漬や引上げ時に酸化皮膜,微結晶等が成
長層の表面に付着し易い。酸化皮膜,微結晶等の付着
は、特に第2層以降の多層成長を行う場合に正常な結晶
成長の障害となる。たとえば、酸化皮膜,微結晶等が表
面に付着した成長層に対して更に他の成長用溶液との接
触によって第2層目を結晶成長させると、酸化皮膜,微
結晶等が付着した部分からスタッキング・フォールト等
の積層欠陥が発生する。また、酸化皮膜,微結晶等の影
響が著しい場合には、この部分が未成長ピットとなる。
このような結晶欠陥を含むエピタキシャル成長結晶膜で
は、電子デバイスの形成が困難であり、仮に形成された
としても電子デバイスの性能及び信頼性が著しく悪くな
る。
【0004】更に第3層目以降の多層膜を重畳して成長
させる場合、欠陥の影響が一層拡大され、最上層の成長
膜は、ほとんど平坦性が失われたものとなる。その結
果、電子デバイスの形成工程で使用すること自体が困難
になる。このように重力的に下方から基板結晶列の間隙
に溶液を侵入させ、所定の結晶が成長した後で溶液を下
方に流し出す方式では、溶液表面に浮遊している酸化皮
膜,微結晶等の影響が避けられない。この欠点を解消す
るため、容器に収容した板結晶列の上方から溶液を供給
する方法が提案されている。本発明者等も、溶液を上方
から供給する液相エピタキシーとして、複数の溶液を順
次供給することにより多層エピタキシャル成長層を基板
結晶上に成長させる装置を特開平5−70285号公報
で紹介した。
【0005】このエピタキシャル成長装置は、図1に示
すように、竪型環状電気炉10の内部に石英反応管11
を垂直方向に配置している。石英反応管11の内部で上
方から下方に向かって、図2に示すようにキャップ2
0,成長用溶液ホルダー30,蓋体40,円柱状の基板
結晶列ホルダー50及び廃液ホルダー60が重ねられ、
廃液ホルダー60が支持用石英円筒70に固定されてい
る。石英反応管11内には、上方から高純度水素ガスが
導入される。基板結晶列ホルダー50は、複数の基板結
晶が所定間隔で並べられて収容される凹部51を上部に
開口させている。基板結晶列ホルダー50の下部から延
びた回転軸52は、廃液ホルダー60の中央に設けた貫
通孔61に差し込まれ、支持用石英円筒70側から延び
ている回転軸71に連結されている。基板結晶列ホルダ
ー50は、回転シャッターとして働く蓋体40が固定さ
れ、操作軸72から回転軸71,52を経て伝えられた
動力により溶液給排時に回転する。
【0006】蓋体40の上面には、半欠け軸41が突出
している。半欠け軸41は、成長用溶液ホルダー30に
設けられている軸受け孔31に差し込まれ、キャップ2
0の下面から突出している半欠け軸21と噛み合い可能
になっている。半欠け軸21と51とが噛み合った状態
では、蓋体20が下位に位置し、たとえば加熱操作時期
等で成長用溶液ホルダー30の上面を覆う。噛合いが解
除された状態では、蓋体20が上方に押し上げられ、図
1に示すように成長用溶液ホルダー30の上面が解放さ
れる。成長用溶液ホルダー30には、複数の溶液溜め3
2,32・・が同心円状に設けられている。各溶液溜め
32,32・・は、蓋体40の通液孔42,42・・に
対応した通液孔を底部に備えている。操作軸71からの
動力によって基板結晶列ホルダー50を回転させると
き、それぞれの溶液溜め32,32・・から複数種の溶
液が蓋体40の通液孔42,42・・を経て凹部51に
順次送り込まれ、凹部51に収容されている基板結晶の
表面に多層エピタキシャル成長層を形成する。
【0007】廃液ホルダー60も、成長用溶液ホルダー
30と同様に複数の廃液溜めを同心円状に備えており、
上面に蓋体62が固定されている。蓋体62には貫通孔
61を中心として複数の通液孔63,63・・が同心円
状に形成されており、液相エピタキシーに使用された複
数の溶液が各通液孔63,63・・を経て廃液ホルダー
60の廃液溜めに流入する。図1及び図2に示した装置
は、高純度水素ガスが導入される石英反応管11の内部
に成長用溶液ホルダー30,基板結晶列ホルダー50,
廃液ホルダー60等の主要部を収容している。多層エピ
タキシーに必要な複数溶液の供給・排出は、回転動作,
往復動作等を行う軸やロッドを外部から何本も挿入する
必要がなく、操作軸72からの動力で基板結晶列ホルダ
ー50を回転させることにより切り換えている。すなわ
ち、基板結晶列ホルダーへの溶液の給排及び蓋の開閉を
簡単な機構で行うことができるため、装置の信頼性や高
温の水素気流に対する防爆性も極めて優れ、良好な多層
エピタキシャルウエハが一度に多数枚製造される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】液相エピタキシーに使
用される溶液は、局部的な不均一性を無くすため、成長
開始に先立って高温に長時間保持される。この高温保持
は、本発明者等が提案した装置においても長時間を必要
とするものであった。たとえば、溶質として過剰量のG
aAs結晶を上層部に浮遊させた成長用溶液をホルダー
30に収容し、850℃以上の所定温度まで昇温し、4
0〜60分間保持した後、得られた飽和溶液を基板結晶
列ホルダー50に流入させる液相エピタキシーを繰り返
す実験では、基板結晶の一部が溶解して薄くなることが
一部にみられた。基板結晶の再溶解は、溶液の均質性が
悪く、特に上層部に浮遊させた溶質結晶から遠い下層部
が依然として未飽和になっており、この未飽和部分が基
板結晶に接触したときに生じる現象である。
【0009】再溶解を確実に防止するためには、溶液全
体が均質化されるように所定温度における保持時間を1
80分間以上に延長することが必要であった。しかし、
高温での長時間保持は、単に生産性を阻害するばかりで
なく、反応管11内に導入する高純度水素ガスの消費量
を増加させることにもなる。また、キャップ20が装着
されている状態であっても、溶液からのドーパントや解
離してくるAs蒸気の逸散に起因した悪影響が大きくな
る。たとえば、溶液から蒸発した成分がキャップ20の
下面や溶液溜め2,32・・の内壁に付着する量が増加
し、成長用溶液を変質させる虞れもある。従来の成長装
置における欠点を列挙すると、次の通りである。 (1) 成長前の飽和溶液の調製及び均質化に180分
もの長時間高温保持を必要とする。その結果、生産性が
低下し、水素ガスの消費量が増加する。また、溶液から
蒸発・逸散する成分が量的に増加し、特にドーパントの
濃度を変化させる。
【0010】(2) 飽和溶液の調製及び均質化に要す
る時間を通常の60分程度に短縮した場合、基板結晶の
一部が溶液の未飽和部分に接触し、再溶解して薄くな
る。その結果、平坦度の悪いエピタキシャル層が生成す
る。 (3) 上層部に飽和溶解量よりも過剰な溶質結晶を浮
遊させた静止状態にある成長用溶液は、撹拌によって組
成を短時間で均質化できる。しかし、高純度水素ガスが
流動し且つ850℃以上の高温に保たれている反応管1
1内に、外部から更に撹拌動作のための可動軸,可動ロ
ッド等を挿入する構造は採用できない。 本発明は、このような問題を解消すべく案出されたもの
であり、基板結晶列ホルダーの回転に伴って成長用溶液
ホルダー内の溶液が撹拌される機構を採用することによ
り、外部から更に撹拌動作のための可動軸,可動ロッド
等を挿入する必要なく、成長用溶液を迅速に調製及び均
質化することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の溶液撹拌機構
は、その目的を達成するため、複数枚の基板結晶を垂直
方向に所定間隔で保持収容する基板結晶列ホルダーの上
部に成長用溶液ホルダーを、下部に廃液ホルダーを設
け、これらホルダー間に設けた回転シャッター機構の回
転動作により基板結晶列ホルダー内に溶液を給排するこ
とにより基板結晶上にエピタキシャル成長させる竪型多
数枚液相エピタキシャル成長装置において、基板結晶列
ホルダーの上面を覆う回転シャッター機構としての蓋体
に立設した第1の噛合い軸と、成長用溶液ホルダーの上
面を覆い、中央部に軸受け孔が形成され、下部に撹拌板
が連結された蓋体と、前記軸受け孔に挿通される第2の
噛合い軸が下方に延びた錘りとを備え、第1の噛合い軸
は、基板結晶列ホルダーの上面を覆う蓋体が回転したと
き、第2の噛合い軸との噛合い状態から解放され、前記
錘りを重力落下させて成長用溶液ホルダー上の蓋体に衝
突させることを特徴とする。撹拌板は、複数の通液孔が
形成された平板構造を持っており、成長用溶液ホルダー
に設けた複数の溶液溜めに対応して複数に分割された状
態で、脚部を介して蓋体の下面に固定されることが好ま
しい。
【0012】
【作用】図1及び図2に示した装置では、高温で水素気
流雰囲気内にある反応系内で成長に必要な溶液の給排,
キャップ20の開閉動作等を1本の操作軸72を介して
行っている。本発明では、この機構が持つ長所を活か
し、更に撹拌機能を追加することを検討した。回転軸5
2の回転角は360度であるが、その大部分は溶液の給
排動作等に使用され、微小な回転動作のみで溶液を撹拌
することはできない。そこで、本発明では、軸の回転を
単なるトリガーとして使用し、このトリガーによって重
量物を落下させる。このときに発生する重力エネルギー
により溶液を撹拌させる。撹拌に必要な重力エネルギー
源となる重量物として、成長用溶液ホルダー30の蓋に
相当する部分を錘りとして利用する。また、落し蓋等の
撹拌子を溶液上又は溶液中に設け、錘りの落下によって
撹拌子を溶液中に押し沈める。
【0013】撹拌子及び重力エネルギー伝達機構全体の
材質は、高温のGa溶液と反応しない黒鉛質であること
が好ましい。Ga溶液に比較して十分に小さな比重をも
つ黒鉛でできた撹拌子は、溶液中で完全に底まで沈むこ
となく、溶液の表面又は上層部に浮遊している。この撹
拌子は、錘りが落下したとき溶液の深部に押し沈めら
れ、溶液に撹拌運動を与える。溶液の表面近傍に浮遊し
ている溶質結晶は、撹拌子が押し沈められる際、撹拌子
の下面に拘束されて溶液中に押し込まれるので、溶解が
促進される。撹拌子に重力エネルギーを与える錘りも、
黒鉛質が使用される。溶液を効果的に撹拌するため、重
力エネルギーが大きくなるように錘りの重量を増加させ
ることが好ましい。たとえば、錘りを厚くしたり、溶液
を汚染する虞れがないGaAs結晶等の高密度物質を錘
りに固定することにより、錘りの重量を増加させること
ができる。なお、落下させる蓋として従来使用されてい
た重量物は、単に錘りとして重力エネルギー発生源のみ
に用いる。そして、重量物の落下を受けて成長用溶液ホ
ルダーの上面部に接触する別個の蓋を、撹拌子の浮力に
よって持ち上げられた状態で、重量物の下方に配置した
構造を採用することができる。
【0014】以下、図面を参照しながら本発明を具体的
に説明する。本発明に従った溶液撹拌機構は、図3に示
すように、キャップ20に代えて錘り80を組み込んで
いる。錘り80は、キャップ20の半欠け軸21と同様
に、回転シャッターとして働く蓋体40の半欠け軸41
と噛み合う半欠け軸81を下方に延ばしている。半欠け
軸81は、蓋体82の軸受け孔87を経て成長用溶液ホ
ルダー30の軸受け孔31に挿入されており、回転軸5
2を介した基板結晶列ホルダー50及び蓋体40の一体
的な回転に応じて半欠け軸41と噛み合い又は噛合い状
態から解放される。これら半欠け軸41,81は、錘り
80を上位に保持し、また落下させる噛合い軸として働
く。図3は、半欠け軸41及び半欠け軸81が噛み合っ
ている状態を示す。すなわち、半欠け軸41の上端に半
欠け軸81の下端が接触し、錘り80は、上方に持ち上
げられた状態で支えられている。図4は、半欠け軸41
の上端面が半欠け軸81の下端面から移動して噛合い状
態が解除され、錘り80が落下した状態を示す。半欠け
軸81の中央から若干下側の位置に、錘り80の落下時
に半欠け軸81の回転を防止する突起86が形成されて
いる。
【0015】撹拌子として働く蓋体82は、複数の脚部
83が下面に固定されている。脚部83の下端に設けら
れた撹拌板84には、Ga等の融液90の通過を許容す
る複数の通液孔85が形成されている。撹拌板84は、
成長用溶液ホルダー30に収容されている溶液90によ
る浮力で支持され、溶液90の表面近傍に浮遊する。錘
り80が蓋体82に落下したとき、撹拌板84は、錘り
80の重力エネルギーによって融液90内に押し沈めら
れ、融液90を撹拌する。同時に、成長用溶液ホルダー
30の上部が蓋体82で閉じられる。撹拌板84の下降
によって溶液90内に生じた撹拌流により、溶液90の
上層部及び下層部が混じり合い、均質化される。このと
き、溶液90の表面近傍に浮遊している比重の小さな溶
質結晶91も、撹拌流によって溶液90全体に分配さ
れ、溶解が促進される。特に、撹拌板84の下面で拘束
された溶質結晶91は、溶液90の深部まで送り込まれ
るため、その溶解及び溶液90の均質化が効果的に進行
する。
【0016】溶液90としてGaを使用し、600℃を
超える付近まで昇温すると、溶液90の表面に形成され
ているGa23 膜は、Gaと反応して揮発性の酸化物
Ga2 Oとなる。揮発性酸化物Ga2 Oは、成長用融液
ホルダー30の上面開口部から雰囲気の水素気流中に排
出除去される。更に溶液90が昇温し850℃以上の所
定温度に達すると、溶質結晶91は、飽和濃度まで溶液
90中に溶け込んでいく。しかし、自然の溶け込み状態
では、溶質結晶91から遠い部分を含め、溶液90の全
体が飽和濃度に達するまでには長時間の保持が必要とな
る。そこで、外部からの操作で回転軸52を介して半欠
け軸41を所定の微小角度だけ回転させると、半欠け軸
41の上端面に接触していた半欠け軸81の下端面が移
動し、錘り80が図4に示すように落下する。錘り80
が落下する際、突起86により半欠け軸81の回転が防
止され、蓋体40側の半欠け軸41の回転により両軸4
1,81間の噛合せ機構の外れ動作が確実になる。錘り
80が落下した後、突起86は、口径の大きな軸孔部に
移動する。そのため、突起86による欠け軸81の回転
阻止機能がなくなる。
【0017】落下した錘り80は、その下面で蓋体82
を下方に押し下げ、成長用溶液ホルダー30の上面開口
部を密閉する。蓋体82の下降に伴って、撹拌板84が
溶液90の深部に押し下げられる。このとき、撹拌板8
4が急激に溶液90中を下降するため、溶液90が強い
撹拌作用を受けると共に、溶質結晶91が撹拌板84に
より更に溶液90の深部まで押し込まれ、溶液90の深
部にある未飽和溶液と接触する。このように溶液90に
与える撹拌作用及び溶質結晶91の移動によって、均一
濃度の成長用溶液が従来法に比較して極めて短時間で調
製される。溶液90を撹拌し、蓋体82により成長用溶
液ホルダー30を密閉した後、基板結晶列ホルダー30
内への溶液給排のため、更に回転軸52の回転操作によ
り半欠け軸41を回転させる。このとき、半欠け軸41
と81とが噛合い状態になっているため、半欠け軸41
の回転に伴って錘り80も回転する。錘り80は、錘り
80下面の中心軸周辺部が蓋体82上面の中央部軸孔周
辺部のみと小さな接触面積で接触した状態で摩擦するた
め、スムーズに回転する。そのため、装置全体の構成に
必要な回転シャッター機能が損なわれることなく、スム
ーズに回転シャッターが操作される。
【0018】成長用溶液ホルダー30及び基板結晶列ホ
ルダー50は、たとえば図5に示す構造をもっており、
何れも高純度黒鉛製部品が使用される。成長用溶液ホル
ダー30は、図5(a)の平面図にみられるように、中
心部に半欠け軸41,81が挿通される軸受け孔31が
形成されており、軸受け孔31を中心として4個の扇形
形状の溶液溜め32,32・・が設けられている。各溶
液溜め32,32・・の底部には、図5(b)の断面図
にみられるように給液孔33が形成されている。給液孔
33は、蓋体40と組み合わされて溶液供給シャッター
の働きをする。成長用溶液ホルダー30の外径は、下部
のやや細い小径部34で約16cmと、基板結晶列ホル
ダー50の外径より大きくなっている。小径部34に支
持用石英円筒70を嵌め込み、成長用溶液ホルダー30
を固定したとき、小径部34より小さな内径を持つ基板
結晶列ホルダー50は、支持用石英円筒70の内部で回
転可能になる。
【0019】基板結晶列ホルダー50は、外径15cm
及び高さ9cmのほぼ円柱状外観をもっている。基板結
晶列ホルダー50の凹部51には、3インチ径のGaA
s基板結晶20枚が3mm間隔でヒートシンクに密着し
て縦に並べられている。基板結晶列ホルダー50の上面
には、半欠け軸41を固定した円盤状の蓋体40が固定
されている。蓋体40は、回転軸71,52を介し外部
からの操作によって基板結晶列ホルダー50と共に回転
し、回転シャッターの回転子として働く。竪型多数枚液
相エピタキシャル成長装置に適用される撹拌機構は、た
とえば図6に示す構造を持ち、高純度黒鉛で製作され
る。蓋体82の中央に形成された軸受け孔87に、錘り
80の半欠け軸81が差し込まれる。蓋体82は、軸受
け孔87の周辺が肉厚部88になっている。蓋体82の
下面に4本の脚部83が固定され、脚部83の下端に撹
拌板84が固定されている。
【0020】半欠け軸81は、蓋体82の軸受け孔87
を貫通し、自由に回転及び上下運動できる。円盤状の錘
り80は、十分な重力エネルギーを得るため、たとえば
5cm程度に厚くする。蓋体82は、成長用溶液ホルダ
ー30の上面とほぼ同じ直径、たとえば17cm程度に
とる。錘り80が落下したとき、成長用溶液ホルダー3
0の上面に蓋体82が押し付けられ、溶液溜め32,3
2・・に収容されている溶液90からZn等の蒸発逸散
を抑制するように成長用溶液ホルダー30が密閉され
る。このとき、撹拌板84が溶液90中に押し沈められ
るため、成長用溶液ホルダー30の密閉と同時に溶液9
0が撹拌される。
【0021】撹拌板84は、4個の溶液溜め32,32
・・をもつ成長用溶液ホルダー30に対応させ、図6
(c)に示すように半欠け軸81を中心として同心円状
に配置されている。各撹拌板84は、図6(c)では溶
液溜め32,32・・の水平断面より若干小さい扇形に
なっており、それぞれが脚部83,83・・で蓋体82
に連結されている。錘り80が落下する前の蓋体82
は、溶液溜め32,32・・内の溶液90及び溶液90
の表面に浮上しようとする溶質結晶91から受ける浮力
により上方に持ち上げられている。その反作用として、
溶質結晶91は、加熱昇温の初期にも溶液90の内部に
押し沈められており、溶液90との接触面積も、また溶
質結晶91の表面近傍からの拡散速度も大きくなる。そ
の結果、高い飽和溶解速度が得られる。
【0022】
【実施例】図6に示した撹拌機構を図1,2に示した竪
型多層エピタキシャル成長装置に取り付け、次の手順で
成長実験を繰り返した。凹部51にGaAs基板結晶を
収容した基板結晶列ホルダー50の上に、図3に示すよ
うに成長用溶液ホルダー30をセットした。各溶液溜め
32,32・・のうち3個を使用し、3層エピタキシー
成長の実験を行った。金属Gaを35℃に加温して溶解
した後、溶媒としてそれぞれ1.85kgの量で各溶液
溜め32,32・にチャージした。溶質結晶91にはG
aAs結晶片を使用し、第1の溶液溜め32に0.13
kg,第2の溶液溜め32に0.06kg,第3の溶液
溜め32に0.06kgを添加した。残る1個の融液溜
め32は、本実施例では溶解原料をチャージしない空の
ままとした。
【0023】本実施例で成長させるエピタキシャル・ウ
エハを高輝度発光ダイオードの基板として使用するた
め、GaAs基板結晶の上に成長させる第1層を混晶比
x=0.35のp型,第2層を混晶比x=0.68のn
型にする必要がある。そこで、第1層用の溶液溜め32
に3.5gのAl及び4gを添加し、第2層用の溶液溜
め32に7.5gのAl及び50mgのTeを添加し
た。第3層は、その上に蒸着される電極との接触抵抗を
下げる溜めのギャップ層となることから、Alを添加す
ることなく60mgのTeだけを第3層用の溶液溜め3
2に添加した。各溶解原料をそれぞれの溶液溜め32,
32,32にチャージした成長用溶液ホルダー30の上
方に、図3に示すように撹拌板84を固定した蓋体82
及び錘り80をセットした。全体を組み立てた後、竪型
環状電気炉10に挿入し、反応管11内を純水素雰囲気
に置換した。反応管11内が完全に水素雰囲気に置換さ
れた後でも、毎分3リットル程度の水素を流し続けなが
ら昇温を開始した。
【0024】溶液90の表面にある酸化膜を揮発除去さ
せるため、650℃付近の温度に1時間保持した。その
後、更に昇温を継続し、成長操作の最高温度である89
0℃に溶液90を加熱した。溶液90は、溶質91の飽
和溶解及び溶液90全体にわたる濃度の均一化のため、
次のように890℃の温度に一定時間保持した。図3に
示した状態で成長用溶液ホルダー30が温度890℃に
達した後、このまま15分間保ち、続いて反応系外部か
ら回転軸52を所定の微小回転角だけ回転させ、図4に
示すように錘り80を落下させた。錘り80の落下で撹
拌板84による溶液90の撹拌及び溶質91の押し沈め
と蓋体82による成長用溶液ホルダー30の密閉を行っ
た後、更に25分間だけ同じ温度890℃に保持した。
成長用溶液90の全体が均一な濃度となり、溶質結晶9
1が飽和溶解するまで合計保持時間は、40+25=6
5分であった。この保持時間は、撹拌機構を備えていな
い場合の保持時間180分に比較して大幅に短縮されて
いる。
【0025】調製された成長用溶液は、徐冷されながら
エピタキシャル成長に使用される。溶液90の徐冷及び
成長のための溶液90の給排は、従来と同様な条件を採
用した。本実施例では、冷却速度1.2℃/分で成長用
溶液ホルダー30及び基板結晶列ホルダー50を含む反
応系全体冷却した。第1層を成長させるための溶液90
は、880℃に冷却されたとき基板結晶列ホルダー50
に供給され、840℃になったとき基板結晶列ホルダー
50から廃液ホルダー60に排出した。第2層用溶液9
0は、第1層用溶液90の排出と同時に基板結晶列ホル
ダー50に供給され、750℃になったとき第3層用溶
液90に切り換えられた。第3層の成長を740℃で終
了させ、溶液90を廃液ホルダー60に排出した。
【0026】第3層の成長終了後、徐冷を止め自然冷却
させた。冷却後に、エピタキシャル・ウエハを反応系か
ら取り出した。得られたエピタキシャル・ウエハを観察
したところ、GaAs基板結晶の上に厚み40μmのp
型Ga1-x Alx As層,厚み30μmのn型Ga1-x
Alx As層及び厚み3μmのn+ 型GaAs層が重畳
された3重構造のエピタキシャル成長層が形成されてい
た。各エピタキシャル成長層にドープされたキャリア濃
度も、第1層p型が1E18/cm3 ,第2n型が8E
17/cm3 ,第3層n+ 型が1E18/cm3 と、シ
ングル・ヘテロ接合型の高輝度発光ダイオード用として
設定した通りの値になっていた。最高温度での溶液保持
時間が従来の数分の一であるにも拘らず、再溶解した部
分が基板結晶や下部成長層に全く観察されなかった。こ
のことから、成長用溶液の飽和濃度は、成長前に完全且
つ均一になっていることが判る。また、成長層表面にお
ける二次元核成長ステップのパンチング模様も比較的細
かく、且つリニアーで規則的になっていることが観察さ
れた。このことから、溶液90の表面から酸化皮膜が良
好に揮発除去されていることが確認された。以上の例に
おいては、本発明者等が先に特開平3−261046号
で提案した竪型成長装置に撹拌機構を組み込んだ場合を
説明した。しかし、本発明は、これに拘束されるもので
はなく、成長用溶液ホルダーの上方に保持した錘りを回
転軸の操作によって落下させるものである限り、他の形
式の竪型成長装置に対しても同様に適用されることは勿
論である。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、基板
結晶列ホルダーの上下に成長用溶液ホルダー及び廃液ホ
ルダーを設け、基板結晶列ホルダーを回転させて溶液の
給排を切り換える竪型多数枚液相エピタキシャル成長装
置において、基板結晶列ホルダー側の噛合い軸の回転に
よって落下する錘りに成長用溶液ホルダーを覆う蓋体を
挿通させ、成長用溶液ホルダーの上部に配置している。
基板結晶列ホルダーの上面を覆う蓋体が回転したとき噛
合い状態から解放され、前記錘りを重力落下させて成長
用溶液ホルダー上の蓋体に衝突させ、蓋体に固定されて
いる撹拌板を溶液中に押し沈める。これにより、成長用
溶液ホルダーが密閉されると共に、収容されている溶液
が撹拌され、短時間で溶質結晶が飽和溶解した均質濃度
の成長用溶液が調製される。調製された成長用溶液は、
溶液未飽和部分との接触に起因して基板結晶や下層成長
層が再溶解する現象を起こすことなく、良質のエピタキ
シャル成長層を基板結晶上に成長させる。しかも、回転
シャッター機構を回転させる1本の回転軸を介して錘り
を落下させることができ、高純度水素雰囲気に維持され
た反応管内に多数の駆動軸を差し込む必要がなく、気密
性に優れた反応系が得られる。このようにして、本発明
によるとき、簡単な撹拌機構の追加によって短時間で均
一濃度の成長用溶液が調製され、エピタキシャル・ウエ
ハの生産効率が高まると共に、電力費及び高純度水素ガ
スの使用量が減少し、溶液や基板結晶のホルダー等とし
て使用される高純度黒鉛製部品の耐用寿命も長くなる。
その結果、生産コストが大幅に低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明者等が先に提案した竪型多数枚液相エ
ピタキシャル成長装置の斜視図
【図2】 同多数枚液相エピタキシャル成長装置の主要
部を示した分解図
【図3】 本発明に従った撹拌機構が上位にある状態
【図4】 同撹拌機構が溶液に押し沈められた状態
【図5】 成長用溶液ホルダーの平面図(a)及び側断
面図(b)と、基板結晶列ホルダーの側面図(c)
【図6】 撹拌機構を備えた錘りの平面図(a),一部
を断面で示した側面図(b)及び下方からみた図(c)
【符号の説明】 30:成長用溶液ホルダー 40:基板結晶列ホルダーの上面を覆う回転シャッター
機構としての蓋体 41:半欠け軸(第1の噛合い軸) 50:基板結
晶列ホルダー 60:廃液ホルダー 80:錘り 81:半欠け軸(第2の噛合い軸) 82:蓋体 84:撹拌板 87:軸受け

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の基板結晶を垂直方向に所定間隔
    で保持収容する基板結晶列ホルダーの上部に成長用溶液
    ホルダーを、下部に廃液ホルダーを設け、これらホルダ
    ー間に設けた回転シャッター機構の回転動作によって基
    板結晶列ホルダー内に溶液を給排することにより基板結
    晶上にエピタキシャル成長させる竪型多数枚液相エピタ
    キシャル成長装置において、 基板結晶列ホルダーの上面を覆う回転シャッター機構と
    しての蓋体に立設した第1の噛合い軸と、成長用溶液ホ
    ルダーの上面を覆い、中央部に軸受け孔が形成され、下
    部に撹拌板が連結された蓋体と、前記軸受け孔に挿通さ
    れる第2の噛合い軸が下方に延びた錘りとを備え、第1
    の噛合い軸は、基板結晶列ホルダーの上面を覆う蓋体が
    回転したとき、第2の噛合い軸との噛合い状態から解放
    され、前記錘りを重力落下させて成長用溶液ホルダー上
    の蓋体に衝突させることを特徴とする竪型多数枚液相エ
    ピタキシャル成長装置の溶液撹拌機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の撹拌板は、複数の通液孔
    が形成された平板構造を持っている溶液撹拌機構。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の撹拌板は、成長用溶液ホ
    ルダーに設けた複数の溶液溜めに対応して複数に分割さ
    れた状態で、脚部を介して蓋体の下面に固定されている
    溶液撹拌機構。
JP3359594A 1994-03-03 1994-03-03 竪型多数枚液相エピタキシャル成長装置の溶液撹拌機構 Withdrawn JPH07242490A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003075259A1 (en) * 2002-03-06 2003-09-12 Amusetec Co., Ltd. Portable midi converting apparatus

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