JPH07241438A - 排煙脱硫方法 - Google Patents
排煙脱硫方法Info
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- JPH07241438A JPH07241438A JP6064569A JP6456994A JPH07241438A JP H07241438 A JPH07241438 A JP H07241438A JP 6064569 A JP6064569 A JP 6064569A JP 6456994 A JP6456994 A JP 6456994A JP H07241438 A JPH07241438 A JP H07241438A
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- agent
- exhaust gas
- desulfurization
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ダクトインジェクション方式の半乾式排煙脱
硫方法において、脱硫剤の前処理として、調湿すること
により脱硫剤表面を適度に濡らして反応性をよくし、か
つ、脱硫剤を篩にかけて細かいものを用いることにより
凝集をなくし分散性を良くする。このように前処理した
脱硫剤を排ガスダクト内へ噴霧することにより、脱硫性
能が大幅に向上する。 【構成】 CaO、Ca(OH)2 、MgO、Mg(O
H)2 などのアルカリ土類金属化合物を脱硫剤として燃
焼炉10の後流側の排ガスダクト12内に投入し、さら
に、その後流に設置された脱硫反応塔14内で排ガス中
に水を噴霧して硫黄酸化物を除去するダクトインジェク
ション方式の排煙脱硫方法において、脱硫剤に水及びス
チームの少なくとも一方を加えて脱硫剤の含水率を0.
1〜7wt%の範囲に調湿した後、この調湿脱硫剤を粒径
1000μm 以下のものと粒径1000μm を超えるも
のとに分級し、粒径1000μm 以下の脱硫剤を排ガス
ダクト12内へ投入する。
硫方法において、脱硫剤の前処理として、調湿すること
により脱硫剤表面を適度に濡らして反応性をよくし、か
つ、脱硫剤を篩にかけて細かいものを用いることにより
凝集をなくし分散性を良くする。このように前処理した
脱硫剤を排ガスダクト内へ噴霧することにより、脱硫性
能が大幅に向上する。 【構成】 CaO、Ca(OH)2 、MgO、Mg(O
H)2 などのアルカリ土類金属化合物を脱硫剤として燃
焼炉10の後流側の排ガスダクト12内に投入し、さら
に、その後流に設置された脱硫反応塔14内で排ガス中
に水を噴霧して硫黄酸化物を除去するダクトインジェク
ション方式の排煙脱硫方法において、脱硫剤に水及びス
チームの少なくとも一方を加えて脱硫剤の含水率を0.
1〜7wt%の範囲に調湿した後、この調湿脱硫剤を粒径
1000μm 以下のものと粒径1000μm を超えるも
のとに分級し、粒径1000μm 以下の脱硫剤を排ガス
ダクト12内へ投入する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ土類金属化合
物を脱硫剤として燃焼炉の後流側ダクト中に投入し、さ
らにその後流に設置した脱硫反応塔内で水を噴霧して硫
黄酸化物を効率よく除去するダクトインジェクション方
式の排煙脱硫方法に関するものである。
物を脱硫剤として燃焼炉の後流側ダクト中に投入し、さ
らにその後流に設置した脱硫反応塔内で水を噴霧して硫
黄酸化物を効率よく除去するダクトインジェクション方
式の排煙脱硫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所における石炭焚ボイラ、流動
層ボイラなどからの排ガス中には、硫黄化合物などの酸
性有害物質が含まれており、酸性雨等の原因物質とされ
ている。その処理法として、湿式法あるいは炉内へ脱硫
剤を投入して2段脱硫を行う半乾式法等があるが、湿式
法は高脱硫性能は達成できるものの、設備費、運転費が
高く、一方、半乾式2段脱硫法は設備が簡易であるもの
の、脱硫性能が低く、また、炉内へ脱硫剤を投入するた
め、ボイラへ悪影響を与える可能性がある。そこで、ボ
イラへ脱硫剤を投入せずに、その後流側ダクトへ脱硫剤
として消石灰又は生石灰を投入し、2段脱硫の2段目の
みで脱硫を行うダクトインジェクション方式の開発が行
われているが、1段のみの脱硫のため2段脱硫に比べ、
性能が低い欠点がある。
層ボイラなどからの排ガス中には、硫黄化合物などの酸
性有害物質が含まれており、酸性雨等の原因物質とされ
ている。その処理法として、湿式法あるいは炉内へ脱硫
剤を投入して2段脱硫を行う半乾式法等があるが、湿式
法は高脱硫性能は達成できるものの、設備費、運転費が
高く、一方、半乾式2段脱硫法は設備が簡易であるもの
の、脱硫性能が低く、また、炉内へ脱硫剤を投入するた
め、ボイラへ悪影響を与える可能性がある。そこで、ボ
イラへ脱硫剤を投入せずに、その後流側ダクトへ脱硫剤
として消石灰又は生石灰を投入し、2段脱硫の2段目の
みで脱硫を行うダクトインジェクション方式の開発が行
われているが、1段のみの脱硫のため2段脱硫に比べ、
性能が低い欠点がある。
【0003】特開平4−45826号公報には、排ガス
ダクトにCaO又はCa(OH)2を脱硫剤として投入
した後、水を噴霧して脱硫する方法が記載されている。
また、特開平4−193325号公報には、電気集じん
機で回収したフライアッシュをスラリー化して煙道に噴
霧して燃焼ガスを脱硫する方法が記載されている。さら
に、特開平4−135618号公報には、脱硫剤の前処
理として、脱硫剤に水を添加し、その後、加熱して脱硫
剤中の水分を0.1〜10wt%にしてからダクトへ噴霧
する脱硫方法が記載されている。
ダクトにCaO又はCa(OH)2を脱硫剤として投入
した後、水を噴霧して脱硫する方法が記載されている。
また、特開平4−193325号公報には、電気集じん
機で回収したフライアッシュをスラリー化して煙道に噴
霧して燃焼ガスを脱硫する方法が記載されている。さら
に、特開平4−135618号公報には、脱硫剤の前処
理として、脱硫剤に水を添加し、その後、加熱して脱硫
剤中の水分を0.1〜10wt%にしてからダクトへ噴霧
する脱硫方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平4−45
826号公報に記載された脱硫方法では、脱硫剤をドラ
イ状態のまま投入するため、脱硫剤の反応性が乏しく、
脱硫性能が悪いという問題がある。特開平4−1933
25号公報に記載された脱硫方法では、煙道に噴霧され
る脱硫剤の水分が高すぎるため、脱硫剤の凝集が起こ
り、分散性が悪くなる。特開平4−135618号公報
に記載された脱硫方法は、脱硫剤の水分が0.1〜10
wt%に調湿されているので、上記特開平4−45826
号公報記載の方法に比べて、反応性がよくなり、また、
上記特開平4−193325号公報記載の方法に比べ分
散性が良くなるが、脱硫剤の粒径が大きい場合には、粉
体表面積が小さくなり、それほど反応性が改善されない
という問題がある。
826号公報に記載された脱硫方法では、脱硫剤をドラ
イ状態のまま投入するため、脱硫剤の反応性が乏しく、
脱硫性能が悪いという問題がある。特開平4−1933
25号公報に記載された脱硫方法では、煙道に噴霧され
る脱硫剤の水分が高すぎるため、脱硫剤の凝集が起こ
り、分散性が悪くなる。特開平4−135618号公報
に記載された脱硫方法は、脱硫剤の水分が0.1〜10
wt%に調湿されているので、上記特開平4−45826
号公報記載の方法に比べて、反応性がよくなり、また、
上記特開平4−193325号公報記載の方法に比べ分
散性が良くなるが、脱硫剤の粒径が大きい場合には、粉
体表面積が小さくなり、それほど反応性が改善されない
という問題がある。
【0005】本発明は、上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、脱硫剤に分級処理及び調湿処理、
又は調湿処理及び分級処理の前処理を施してから、排ガ
スダクトへ投入することにより、性能向上を図ることが
できるダクトインジェクション方式の排煙脱硫方法を提
供することにある。
で、本発明の目的は、脱硫剤に分級処理及び調湿処理、
又は調湿処理及び分級処理の前処理を施してから、排ガ
スダクトへ投入することにより、性能向上を図ることが
できるダクトインジェクション方式の排煙脱硫方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の排煙脱硫方法は、図1に示すよ
うに、アルカリ土類金属化合物を脱硫剤として燃焼炉1
0の後流側の排ガスダクト12内に投入し、さらに、そ
の後流に設置された脱硫反応塔14内で排ガス中に水を
噴霧して硫黄酸化物を除去するダクトインジェクション
方式の排煙脱硫方法において、脱硫剤に水及びスチーム
の少なくとも一方を加えて脱硫剤の含水率を0.1〜7
wt%の範囲に調湿した後、この調湿脱硫剤を粒径100
0μm 以下のものと粒径1000μm を超えるものとに
分級し、粒径1000μm 以下の脱硫剤を排ガスダクト
内へ投入することを特徴としている。
成するために、本発明の排煙脱硫方法は、図1に示すよ
うに、アルカリ土類金属化合物を脱硫剤として燃焼炉1
0の後流側の排ガスダクト12内に投入し、さらに、そ
の後流に設置された脱硫反応塔14内で排ガス中に水を
噴霧して硫黄酸化物を除去するダクトインジェクション
方式の排煙脱硫方法において、脱硫剤に水及びスチーム
の少なくとも一方を加えて脱硫剤の含水率を0.1〜7
wt%の範囲に調湿した後、この調湿脱硫剤を粒径100
0μm 以下のものと粒径1000μm を超えるものとに
分級し、粒径1000μm 以下の脱硫剤を排ガスダクト
内へ投入することを特徴としている。
【0007】本発明において、脱硫剤としてのアルカリ
土類金属化合物としては、CaO、Ca(OH)2 、M
gO、Mg(OH)2 などが用いられる。また、燃焼炉
10としては、石炭、重油、原油、廃棄物などを燃料と
するボイラ、流動層ボイラなどの燃焼炉が用いられる。
図1において、脱硫剤は脱硫剤ホッパ16を経て調湿器
18に導入され、ここで水又はスチームが加えられて、
脱硫剤の含水率が0.1〜7wt%、望ましくは0.5〜
5wt%に調湿される。調湿は、水分を添加する工程だけ
でも良いが、水分を余分に添加した後、加熱又は乾燥す
る工程を加えてもよい。乾燥は、熱風又は排ガスによる
乾燥、天日乾燥などが採用される。脱硫剤の含水率がこ
の範囲未満の場合は、脱硫剤表面が調湿されていないた
めに反応性が乏しくなり、脱硫性能が低下する傾向があ
り、一方、この範囲を超える場合は、脱硫剤同士の凝集
が起こり、分散性が悪くなって脱硫性能が低下する傾向
がある。
土類金属化合物としては、CaO、Ca(OH)2 、M
gO、Mg(OH)2 などが用いられる。また、燃焼炉
10としては、石炭、重油、原油、廃棄物などを燃料と
するボイラ、流動層ボイラなどの燃焼炉が用いられる。
図1において、脱硫剤は脱硫剤ホッパ16を経て調湿器
18に導入され、ここで水又はスチームが加えられて、
脱硫剤の含水率が0.1〜7wt%、望ましくは0.5〜
5wt%に調湿される。調湿は、水分を添加する工程だけ
でも良いが、水分を余分に添加した後、加熱又は乾燥す
る工程を加えてもよい。乾燥は、熱風又は排ガスによる
乾燥、天日乾燥などが採用される。脱硫剤の含水率がこ
の範囲未満の場合は、脱硫剤表面が調湿されていないた
めに反応性が乏しくなり、脱硫性能が低下する傾向があ
り、一方、この範囲を超える場合は、脱硫剤同士の凝集
が起こり、分散性が悪くなって脱硫性能が低下する傾向
がある。
【0008】調湿された脱硫剤は簡易篩、振動篩などの
分級機20に導入されて粒径1000μm 以下、望まし
くは700μm 以下、さらに望ましくは500μm 以下
のものと粒径1000μm を超えるもの、望ましくは7
00μm を超えるもの、さらに望ましくは500μm を
超えるものとに分級し、粒径1000μm 以下、望まし
くは700μm 以下、さらに望ましくは500μm 以下
の脱硫剤を排ガスダクト12内へ供給する。22は脱硫
剤搬送用ブロワ、23は水スプレーノズル、24は煙突
である。排ガスダクト12へ供給する脱硫剤の粒径が上
記の値を超える場合は、脱硫剤比表面積が小さく、ま
た、ガス中における分散性が良くないために脱硫性能が
低下する。
分級機20に導入されて粒径1000μm 以下、望まし
くは700μm 以下、さらに望ましくは500μm 以下
のものと粒径1000μm を超えるもの、望ましくは7
00μm を超えるもの、さらに望ましくは500μm を
超えるものとに分級し、粒径1000μm 以下、望まし
くは700μm 以下、さらに望ましくは500μm 以下
の脱硫剤を排ガスダクト12内へ供給する。22は脱硫
剤搬送用ブロワ、23は水スプレーノズル、24は煙突
である。排ガスダクト12へ供給する脱硫剤の粒径が上
記の値を超える場合は、脱硫剤比表面積が小さく、ま
た、ガス中における分散性が良くないために脱硫性能が
低下する。
【0009】図2は、本発明の方法を実施する装置の他
の実施例を示している。本実施例は、脱硫剤を分級機2
0で分級した後、調湿器18で調湿するものである。す
なわち、脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒径1
000μm を超えるものとに分級した後、粒径1000
μm 以下の脱硫剤に水及びスチームの少なくとも一方を
加えて脱硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調湿
し、この調湿脱硫剤を排ガスダクト12内へ投入する。
他の構成及び作用は図1の場合と同様である。
の実施例を示している。本実施例は、脱硫剤を分級機2
0で分級した後、調湿器18で調湿するものである。す
なわち、脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒径1
000μm を超えるものとに分級した後、粒径1000
μm 以下の脱硫剤に水及びスチームの少なくとも一方を
加えて脱硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調湿
し、この調湿脱硫剤を排ガスダクト12内へ投入する。
他の構成及び作用は図1の場合と同様である。
【0010】図3は、本発明の方法を実施する装置の他
の実施例を示している。本実施例は、脱硫剤が7wt%を
超える多量の水分を含んでいる場合に、脱硫剤を乾燥器
26で乾燥させて調湿した後、分級機20で分級するも
のである。すなわち、水分を含む脱硫剤に熱風及び排ガ
スの少なくとも一方を接触させるか、又は天日乾燥によ
り脱硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調湿した
後、この調湿脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒
径1000μm を超えるものとに分級し、粒径1000
μm 以下の脱硫剤を排ガスダクト12内へ投入する。他
の構成及び作用は図1の場合と同様である。
の実施例を示している。本実施例は、脱硫剤が7wt%を
超える多量の水分を含んでいる場合に、脱硫剤を乾燥器
26で乾燥させて調湿した後、分級機20で分級するも
のである。すなわち、水分を含む脱硫剤に熱風及び排ガ
スの少なくとも一方を接触させるか、又は天日乾燥によ
り脱硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調湿した
後、この調湿脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒
径1000μm を超えるものとに分級し、粒径1000
μm 以下の脱硫剤を排ガスダクト12内へ投入する。他
の構成及び作用は図1の場合と同様である。
【0011】図4は、本発明の方法を実施する装置のさ
らに他の実施例を示している。本実施例は、脱硫剤が7
wt%を超える多量の水分を含んでいる場合に、脱硫剤を
分級機20で分級した後、乾燥器26で乾燥させて調湿
するものである。すなわち、水分を含む脱硫剤を粒径1
000μm 以下のものと粒径1000μm を超えるもの
とに分級した後、粒径1000μm 以下の脱硫剤に熱風
及び排ガスの少なくとも一方を接触させるか、又は天日
乾燥により脱硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調
湿し、この調湿脱硫剤を排ガスダクト12内へ投入す
る。他の構成及び作用は図1の場合と同様である。
らに他の実施例を示している。本実施例は、脱硫剤が7
wt%を超える多量の水分を含んでいる場合に、脱硫剤を
分級機20で分級した後、乾燥器26で乾燥させて調湿
するものである。すなわち、水分を含む脱硫剤を粒径1
000μm 以下のものと粒径1000μm を超えるもの
とに分級した後、粒径1000μm 以下の脱硫剤に熱風
及び排ガスの少なくとも一方を接触させるか、又は天日
乾燥により脱硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調
湿し、この調湿脱硫剤を排ガスダクト12内へ投入す
る。他の構成及び作用は図1の場合と同様である。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。種々の含水率及び粒径の脱硫剤(Ca(O
H)2 )を用いて、ダクトインジェクション方式による
脱硫性能試験を行った。試験装置フローは図1に示すと
おりである。図1において、石炭焚ボイラからの排ガス
は、煙道(排ガスダクト12)を経て脱硫反応塔14に
導かれ、その後、煙突24より排出される。脱硫剤(C
a(OH)2 )は、搬送用ブロワ22にて、ボイラと脱
硫反応塔14との間の煙道に噴霧され排ガスと混合され
る。さらに脱硫反応塔14内で水をスプレーすることに
より、排ガスの温度が下げられ、硫黄酸化物が除去され
る。なお、脱硫反応塔14内での水の噴霧量は、反応塔
出口温度によって制御される。
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。種々の含水率及び粒径の脱硫剤(Ca(O
H)2 )を用いて、ダクトインジェクション方式による
脱硫性能試験を行った。試験装置フローは図1に示すと
おりである。図1において、石炭焚ボイラからの排ガス
は、煙道(排ガスダクト12)を経て脱硫反応塔14に
導かれ、その後、煙突24より排出される。脱硫剤(C
a(OH)2 )は、搬送用ブロワ22にて、ボイラと脱
硫反応塔14との間の煙道に噴霧され排ガスと混合され
る。さらに脱硫反応塔14内で水をスプレーすることに
より、排ガスの温度が下げられ、硫黄酸化物が除去され
る。なお、脱硫反応塔14内での水の噴霧量は、反応塔
出口温度によって制御される。
【0013】このような装置を用いて脱硫性能試験を行
った。脱硫剤(Ca(OH)2 )は、水添加、天日乾燥
及び簡易篩にて様々な含水率及び粒径に調整されたもの
を使用し、排ガス中に含まれるSO2 に対しモル比で2
倍の脱硫剤が煙道内に噴霧された。図5は、反応塔出口
温度60℃のときの脱硫率と脱硫剤含水率及び脱硫剤粒
径の関係を示したグラフである。
った。脱硫剤(Ca(OH)2 )は、水添加、天日乾燥
及び簡易篩にて様々な含水率及び粒径に調整されたもの
を使用し、排ガス中に含まれるSO2 に対しモル比で2
倍の脱硫剤が煙道内に噴霧された。図5は、反応塔出口
温度60℃のときの脱硫率と脱硫剤含水率及び脱硫剤粒
径の関係を示したグラフである。
【0014】図5から、脱硫剤含水率0.1〜7wt%、
とくに、0.5〜5wt%で、かつ、粒径500μm 以下
に調整した脱硫剤を用いた場合に、高脱硫性能が得られ
ることがわかる。この理由として、含水率の低い脱硫剤
は、脱硫剤表面が調湿されていないために反応性が乏し
くなり、含水率の高い脱硫剤は、脱硫剤同士の凝集が起
こり、分散性が悪くなって脱硫性能が低下するものと考
えられる。また、粒径の大きな脱硫剤は、比表面積が小
さく、かつ、ガス中での分散が悪いため、脱硫性能が低
下すると考えられる。脱硫反応塔14内での脱硫反応は
次のものがある。 SO2 +H2 O→H2 SO3 Ca(OH)2 +H2 SO3 →CaSO3 ・1/2H2
O+3/2H2 O Ca(OH)2 +H2 SO3 +1/2O2 →CaSO4
・2H2 O また、粒径1000μm 以下に調整した脱硫剤につい
て、同様の試験を行ったところ、脱硫率は若干低下する
ものの、含水率0.1〜7wt%で良好な結果が得られ
た。
とくに、0.5〜5wt%で、かつ、粒径500μm 以下
に調整した脱硫剤を用いた場合に、高脱硫性能が得られ
ることがわかる。この理由として、含水率の低い脱硫剤
は、脱硫剤表面が調湿されていないために反応性が乏し
くなり、含水率の高い脱硫剤は、脱硫剤同士の凝集が起
こり、分散性が悪くなって脱硫性能が低下するものと考
えられる。また、粒径の大きな脱硫剤は、比表面積が小
さく、かつ、ガス中での分散が悪いため、脱硫性能が低
下すると考えられる。脱硫反応塔14内での脱硫反応は
次のものがある。 SO2 +H2 O→H2 SO3 Ca(OH)2 +H2 SO3 →CaSO3 ・1/2H2
O+3/2H2 O Ca(OH)2 +H2 SO3 +1/2O2 →CaSO4
・2H2 O また、粒径1000μm 以下に調整した脱硫剤につい
て、同様の試験を行ったところ、脱硫率は若干低下する
ものの、含水率0.1〜7wt%で良好な結果が得られ
た。
【0015】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 半乾式排煙脱硫方法(ダクトインジェクション
方式)において脱硫剤であるCa(OH)2 、CaO、
Mg(OH)2 又はMgOなどの前処理として、脱硫剤
含水率を0.1〜7wt%に調湿することにより、脱硫剤
表面が適度に濡れて反応性がよくなり、かつ、その脱硫
剤を篩にかけ、粒径を1000μm 以下にすることによ
り、脱硫剤の凝集がなくなり分散性がよくなる。これら
の処理を実施してから脱硫剤を排ガスダクト内へ噴霧す
ることにより、従来のダクトインジェクション方式より
も、脱硫性能が大幅に向上する。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 半乾式排煙脱硫方法(ダクトインジェクション
方式)において脱硫剤であるCa(OH)2 、CaO、
Mg(OH)2 又はMgOなどの前処理として、脱硫剤
含水率を0.1〜7wt%に調湿することにより、脱硫剤
表面が適度に濡れて反応性がよくなり、かつ、その脱硫
剤を篩にかけ、粒径を1000μm 以下にすることによ
り、脱硫剤の凝集がなくなり分散性がよくなる。これら
の処理を実施してから脱硫剤を排ガスダクト内へ噴霧す
ることにより、従来のダクトインジェクション方式より
も、脱硫性能が大幅に向上する。
【図1】本発明の排煙脱硫方法を実施する装置の一例を
示すフローシートである。
示すフローシートである。
【図2】本発明の排煙脱硫方法を実施する装置の他の例
を示すフローシートである。
を示すフローシートである。
【図3】本発明の排煙脱硫方法を実施する装置の他の例
を示すフローシートである。
を示すフローシートである。
【図4】本発明の排煙脱硫方法を実施する装置のさらに
他の例を示すフローシートである。
他の例を示すフローシートである。
【図5】脱硫剤粒径500μm 以下、1000μm 以
下、及び脱硫剤粒径500〜1500μm における脱硫
剤含水率と脱硫率との関係を示すグラフである。
下、及び脱硫剤粒径500〜1500μm における脱硫
剤含水率と脱硫率との関係を示すグラフである。
10 燃焼炉 12 排ガスダクト 14 脱硫反応塔 16 脱硫剤ホッパ 18 調湿器 20 分級機 22 脱硫剤搬送用ブロワ 23 水スプレーノズル 24 煙突 26 乾燥器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23J 15/00 6908−3K F23J 15/00 B (72)発明者 丸井 和人 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 丸岡 博行 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 アルカリ土類金属化合物を脱硫剤として
燃焼炉の後流側の排ガスダクト内に投入し、さらに、そ
の後流に設置された脱硫反応塔内で排ガス中に水を噴霧
して硫黄酸化物を除去するダクトインジェクション方式
の排煙脱硫方法において、 脱硫剤に水及びスチームの少なくとも一方を加えて脱硫
剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調湿した後、この
調湿脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒径100
0μm を超えるものとに分級し、粒径1000μm 以下
の脱硫剤を排ガスダクト内へ投入することを特徴とする
排煙脱硫方法。 - 【請求項2】 アルカリ土類金属化合物を脱硫剤として
燃焼炉の後流側の排ガスダクト内に投入し、さらに、そ
の後流に設置された脱硫反応塔内で排ガス中に水を噴霧
して硫黄酸化物を除去するダクトインジェクション方式
の排煙脱硫方法において、 脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒径1000μ
m を超えるものとに分級した後、粒径1000μm 以下
の脱硫剤に水及びスチームの少なくとも一方を加えて脱
硫剤の含水率を0.1〜7wt%の範囲に調湿し、この調
湿脱硫剤を排ガスダクト内へ投入することを特徴とする
排煙脱硫方法。 - 【請求項3】 アルカリ土類金属化合物を脱硫剤として
燃焼炉の後流側の排ガスダクト内に投入し、さらに、そ
の後流に設置された脱硫反応塔内で排ガス中に水を噴霧
して硫黄酸化物を除去するダクトインジェクション方式
の排煙脱硫方法において、 水分を含む脱硫剤に熱風及び排ガスの少なくとも一方を
接触させるか、又は天日乾燥により脱硫剤の含水率を
0.1〜7wt%の範囲に調湿した後、この調湿脱硫剤を
粒径1000μm 以下のものと粒径1000μm を超え
るものとに分級し、粒径1000μm 以下の脱硫剤を排
ガスダクト内へ投入することを特徴とする排煙脱硫方
法。 - 【請求項4】 アルカリ土類金属化合物を脱硫剤として
燃焼炉の後流側の排ガスダクト内に投入し、さらに、そ
の後流に設置された脱硫反応塔内で排ガス中に水を噴霧
して硫黄酸化物を除去するダクトインジェクション方式
の排煙脱硫方法において、 水分を含む脱硫剤を粒径1000μm 以下のものと粒径
1000μm を超えるものとに分級した後、粒径100
0μm 以下の脱硫剤に熱風及び排ガスの少なくとも一方
を接触させるか、又は天日乾燥により脱硫剤の含水率を
0.1〜7wt%の範囲に調湿し、この調湿脱硫剤を排ガ
スダクト内へ投入することを特徴とする排煙脱硫方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6064569A JPH07241438A (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 排煙脱硫方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6064569A JPH07241438A (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 排煙脱硫方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07241438A true JPH07241438A (ja) | 1995-09-19 |
Family
ID=13261998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6064569A Pending JPH07241438A (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 排煙脱硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07241438A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007098187A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Dowa Holdings Co Ltd | 廃棄物処理システム及び排ガス処理方法 |
-
1994
- 1994-03-07 JP JP6064569A patent/JPH07241438A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007098187A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Dowa Holdings Co Ltd | 廃棄物処理システム及び排ガス処理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20060804 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061214 |