JPH07238048A - β,γ−不飽和カルボン酸の製造法 - Google Patents
β,γ−不飽和カルボン酸の製造法Info
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- JPH07238048A JPH07238048A JP6052858A JP5285894A JPH07238048A JP H07238048 A JPH07238048 A JP H07238048A JP 6052858 A JP6052858 A JP 6052858A JP 5285894 A JP5285894 A JP 5285894A JP H07238048 A JPH07238048 A JP H07238048A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】β,γ−不飽和カルボン酸を高収率で得る製造
法を提供する。 【構成】式(1)のギ酸アリルエステル類と一酸化炭素
とを、パラジウム化合物触媒の存在下、加圧下に反応さ
せることを特徴とする式(2)のβ,γ−不飽和カルボ
ン酸の製造法。 (R1、R2、R3、R4及びR5は水素原子または置
換基を有することある炭化水素残基を表す。) (R1、R2、R3、R4及びR5は上記と同様のもの
を示す。) 【効果】β,γ−不飽和カルボン酸を高収率で得ること
ができる。
法を提供する。 【構成】式(1)のギ酸アリルエステル類と一酸化炭素
とを、パラジウム化合物触媒の存在下、加圧下に反応さ
せることを特徴とする式(2)のβ,γ−不飽和カルボ
ン酸の製造法。 (R1、R2、R3、R4及びR5は水素原子または置
換基を有することある炭化水素残基を表す。) (R1、R2、R3、R4及びR5は上記と同様のもの
を示す。) 【効果】β,γ−不飽和カルボン酸を高収率で得ること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はβ,γ−不飽和カルボン
酸の製造法に関する。
酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】後記式(4)で表されるβ,γ−不飽和
カルボン酸は香料化合物や医農薬品、またはそれらの合
成中間体として有用である。例えば、3−ブテン酸はポ
リマーの原料モノマーやγ−ブチロラクトンの合成原料
として、また、3−ヘキセン酸は2−ペンテニルペニシ
リンナトリウムの合成原料として有用である。かかる
β,γ−不飽和カルボン酸の製造法としては、例えば、
塩化シンナミルのようなハロゲン化アリル類と一酸化炭
素とを、パラジウム触媒及び塩基の存在下、常圧で反応
させる方法が知られている(J.Kijiら,ケミスト
リーレタース,1988,957〜960)。しかし、
この方法ではβ,γ−不飽和カルボン酸の収率が57%
と低いこと、塩基が当量以上必要であり経済的でないこ
と、強塩基を使用しているため原料が分解したり生成し
たβ,γ−不飽和カルボン酸がα,β−不飽和カルボン
酸に異性化してしまうことなどの欠点があった。また、
他の方法としては1,1−ジメチル−2−プロペニルア
ルコールのようなアリルアルコール類と一酸化炭素と
を、ニッケル触媒及び塩基の存在下、常圧で反応させる
方法が知られている(I.Amerら,ジャーナル モ
レキュラーキャタリシス,1989,54,L33〜L
36)。しかし、この方法でも、β,γ−不飽和カルボ
ン酸の収率が53%と低い、塩基が当量以上必要であり
経済的でない、毒性の強いニッケル触媒を多量に使用す
るため安全性に欠けるなどの欠点があった。
カルボン酸は香料化合物や医農薬品、またはそれらの合
成中間体として有用である。例えば、3−ブテン酸はポ
リマーの原料モノマーやγ−ブチロラクトンの合成原料
として、また、3−ヘキセン酸は2−ペンテニルペニシ
リンナトリウムの合成原料として有用である。かかる
β,γ−不飽和カルボン酸の製造法としては、例えば、
塩化シンナミルのようなハロゲン化アリル類と一酸化炭
素とを、パラジウム触媒及び塩基の存在下、常圧で反応
させる方法が知られている(J.Kijiら,ケミスト
リーレタース,1988,957〜960)。しかし、
この方法ではβ,γ−不飽和カルボン酸の収率が57%
と低いこと、塩基が当量以上必要であり経済的でないこ
と、強塩基を使用しているため原料が分解したり生成し
たβ,γ−不飽和カルボン酸がα,β−不飽和カルボン
酸に異性化してしまうことなどの欠点があった。また、
他の方法としては1,1−ジメチル−2−プロペニルア
ルコールのようなアリルアルコール類と一酸化炭素と
を、ニッケル触媒及び塩基の存在下、常圧で反応させる
方法が知られている(I.Amerら,ジャーナル モ
レキュラーキャタリシス,1989,54,L33〜L
36)。しかし、この方法でも、β,γ−不飽和カルボ
ン酸の収率が53%と低い、塩基が当量以上必要であり
経済的でない、毒性の強いニッケル触媒を多量に使用す
るため安全性に欠けるなどの欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解決し、β,γ−不飽和カルボン酸
を高収率で得る方法を提供することである。
る従来技術の欠点を解決し、β,γ−不飽和カルボン酸
を高収率で得る方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決する為の手段】かかる本発明の目的は、式
(3)で表されるギ酸アリルエステル類と一酸化炭素と
を、パラジウム化合物触媒の存在下、加圧下に反応て式
(4)で表されるβ,γ−不飽和カルボン酸を得ること
によって達成される。
(3)で表されるギ酸アリルエステル類と一酸化炭素と
を、パラジウム化合物触媒の存在下、加圧下に反応て式
(4)で表されるβ,γ−不飽和カルボン酸を得ること
によって達成される。
【0005】
【化3】 (R1、R2、R3、R4及びR5は水素原子または置換基
を有することある炭化水素残基を表す。)
を有することある炭化水素残基を表す。)
【化4】 (R1、R2、R3、R4及びR5は上記と同様のものを示
す。)
す。)
【0006】本発明において用いられるギ酸アリルエス
テル類は前記式(3)で示される。式中、R1、R2、R
3、R4及びR5は水素原子または置換基を有することあ
る炭化水素残基を示す。炭化水素残基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシ
ル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、
ベンジル基などのアルキル基;ビニル基、プロぺニル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、オクテ
ニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テト
ラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、
オクタデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル
基、ノナデセニル基、エイコセニル基などのアルケニル
基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニ
ル基、ヘキシニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデ
シニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、オク
タデシニル基、ヘキサデシニル基、オクタデシニル基、
ノナデシニル基、エイコシニル基などのアルキニル基;
フェニル基、トリル基などのアリール基などの炭化水素
残基が例示される。これらの炭化水素残基は反応に不活
性な置換基を有していてもよく、置換基としては、例え
ば、アミノ基、ニトロ基、エーテル基、チオエーテル基
などが挙げられる。R1、R2、R3、R4及びR5として
好適なものは水素原子、アルケニル基またはアリール基
などであり、特に好適なものは水素原子またはフェニル
基である。
テル類は前記式(3)で示される。式中、R1、R2、R
3、R4及びR5は水素原子または置換基を有することあ
る炭化水素残基を示す。炭化水素残基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシ
ル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、
ベンジル基などのアルキル基;ビニル基、プロぺニル
基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、オクテ
ニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テト
ラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、
オクタデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル
基、ノナデセニル基、エイコセニル基などのアルケニル
基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニ
ル基、ヘキシニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデ
シニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、オク
タデシニル基、ヘキサデシニル基、オクタデシニル基、
ノナデシニル基、エイコシニル基などのアルキニル基;
フェニル基、トリル基などのアリール基などの炭化水素
残基が例示される。これらの炭化水素残基は反応に不活
性な置換基を有していてもよく、置換基としては、例え
ば、アミノ基、ニトロ基、エーテル基、チオエーテル基
などが挙げられる。R1、R2、R3、R4及びR5として
好適なものは水素原子、アルケニル基またはアリール基
などであり、特に好適なものは水素原子またはフェニル
基である。
【0007】かかるギ酸アリルエステル類の合成は、例
えば、対応するアリルアルコール類とギ酸とを脱水縮合
反応させることにより得られる。本発明においては、反
応に際してパラジウム化合物触媒が用いられる。パラジ
ウム化合物触媒はパラジウムの塩または錯体であり、そ
の具体例としては酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジ
ウム、酪酸パラジウム、安息香酸パラジウム、硝酸パラ
ジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウムなどのパラジ
ウムの塩;テトラキス(トリフェニルホトリス(ジベン
ジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(トリ
ベンジリデンアセチルアセトン)三パラジウム(0)、
パラジウムアセチルアセトナート、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどパラジウム
の錯体が挙げられる。これらの中でも、0価のオレフィ
ン錯体または二価の有機化合物が好ましく、ジクロロビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが特に好まし
い。
えば、対応するアリルアルコール類とギ酸とを脱水縮合
反応させることにより得られる。本発明においては、反
応に際してパラジウム化合物触媒が用いられる。パラジ
ウム化合物触媒はパラジウムの塩または錯体であり、そ
の具体例としては酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジ
ウム、酪酸パラジウム、安息香酸パラジウム、硝酸パラ
ジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウムなどのパラジ
ウムの塩;テトラキス(トリフェニルホトリス(ジベン
ジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(トリ
ベンジリデンアセチルアセトン)三パラジウム(0)、
パラジウムアセチルアセトナート、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどパラジウム
の錯体が挙げられる。これらの中でも、0価のオレフィ
ン錯体または二価の有機化合物が好ましく、ジクロロビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが特に好まし
い。
【0008】パラジウム化合物触媒の使用量はその種類
や反応条件により適宜選択されるが、通常、ギ酸アリル
エステル類1モルに対して、通常、0.001〜1モ
ル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好まし
くは0.005〜0.1モルである。
や反応条件により適宜選択されるが、通常、ギ酸アリル
エステル類1モルに対して、通常、0.001〜1モ
ル、好ましくは0.001〜0.5モル、さらに好まし
くは0.005〜0.1モルである。
【0009】本発明では以下の配位子を併用しても良
い。配位子としては、配位原子として周期律表第V族元
素、すなわち、窒素、リン、ヒ素、アンチモンを有する
単座または多座の電子供与性化合物であり、例えば、ピ
リジン、キノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、α,α’−ジピリジン、1,1
0−フェナントロリン、N,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミンなどの含窒素化合物;トリエチル
ホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−
ドデシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−
o−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、
トリ−p−ビフェニルホスフィン、トリ−o−メトキシ
フェニルホスフィン、フェニルジフェノキシホスフィ
ン、α、β−エチレンジ(ジフェニル)ホスフィン、
α、β−エチレンジ(ジブチル)ホスフィン、α、γ−
プロピレンジ(ジフェニル)ホスフィン、トリエチルホ
スファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n
−ヘキシルホスファィト、トリフェニルホスファイト、
トリ−o−トリルホスファイト、トリフエニルチオホス
ファイトなどの含リン化合物;トリエチルヒ素、トリブ
チルヒ素、トリフェニルヒ素などの含ヒ素化合物;トリ
プロピルアンチモン、トリフェニルアンチモンなどの含
アンチモン化合物などが挙げられる。これらの中でも、
好ましいものは含リン化合物であり、特に好ましいもの
は単座の含リン化合物である。これらの配位子は上記パ
ラジウムの錯体を構成する成分として用いても良い。本
発明では配位子を適量使用することによって触媒の安定
性を向上することができる。
い。配位子としては、配位原子として周期律表第V族元
素、すなわち、窒素、リン、ヒ素、アンチモンを有する
単座または多座の電子供与性化合物であり、例えば、ピ
リジン、キノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、α,α’−ジピリジン、1,1
0−フェナントロリン、N,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミンなどの含窒素化合物;トリエチル
ホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−
ドデシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−
o−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、
トリ−p−ビフェニルホスフィン、トリ−o−メトキシ
フェニルホスフィン、フェニルジフェノキシホスフィ
ン、α、β−エチレンジ(ジフェニル)ホスフィン、
α、β−エチレンジ(ジブチル)ホスフィン、α、γ−
プロピレンジ(ジフェニル)ホスフィン、トリエチルホ
スファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−n
−ヘキシルホスファィト、トリフェニルホスファイト、
トリ−o−トリルホスファイト、トリフエニルチオホス
ファイトなどの含リン化合物;トリエチルヒ素、トリブ
チルヒ素、トリフェニルヒ素などの含ヒ素化合物;トリ
プロピルアンチモン、トリフェニルアンチモンなどの含
アンチモン化合物などが挙げられる。これらの中でも、
好ましいものは含リン化合物であり、特に好ましいもの
は単座の含リン化合物である。これらの配位子は上記パ
ラジウムの錯体を構成する成分として用いても良い。本
発明では配位子を適量使用することによって触媒の安定
性を向上することができる。
【0010】配位子の使用量はその種類によって必ずし
も一定ではないが、通常、パラジウム化合物触媒1モル
当り、1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
も一定ではないが、通常、パラジウム化合物触媒1モル
当り、1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
【0011】反応に際しては、通常、溶媒を存在させ
る。溶媒としては反応に不活性なものであれば特に限定
はされず、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、
ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エ
チルなどのエステル類;エタノール、プロパノール、タ
ーシャリーブタノール、エチレングリコールモノエチル
エーテルなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの
エーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類などが例示さ
れる。なかでも低極性の溶剤が好ましく、特にベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素類が好ましい。溶媒の使用
量は、通常、ギ酸アリルエステル類の濃度が1〜50重
量%となるような割合で使用される。
る。溶媒としては反応に不活性なものであれば特に限定
はされず、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、
ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エ
チルなどのエステル類;エタノール、プロパノール、タ
ーシャリーブタノール、エチレングリコールモノエチル
エーテルなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの
エーテル類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類などが例示さ
れる。なかでも低極性の溶剤が好ましく、特にベンゼ
ン、トルエンなどの炭化水素類が好ましい。溶媒の使用
量は、通常、ギ酸アリルエステル類の濃度が1〜50重
量%となるような割合で使用される。
【0012】一酸化炭素は通常、気体状態で反応系に供
給される。一酸化炭素の使用量はギ酸アリルエステル類
1モルに対して、通常、1〜100モル、好ましくは1
〜80モル、さらに好ましくは5〜80モルである。ギ
酸アリルエステル類と一酸化炭素との反応は加圧下に行
われる。加圧は、通常、10〜100kg/cm2、好
ましくは15〜80kg/cm2、さらに好ましくは2
0〜65kg/cm2である。
給される。一酸化炭素の使用量はギ酸アリルエステル類
1モルに対して、通常、1〜100モル、好ましくは1
〜80モル、さらに好ましくは5〜80モルである。ギ
酸アリルエステル類と一酸化炭素との反応は加圧下に行
われる。加圧は、通常、10〜100kg/cm2、好
ましくは15〜80kg/cm2、さらに好ましくは2
0〜65kg/cm2である。
【0013】反応温度は、通常、0〜100℃、好まし
くは10〜80℃である。反応時間は、通常、5〜10
0時間、好ましくは10〜100時間である。反応終了
後は反応液から触媒を除去した後、蒸留のような後処理
操作を行うことにより、β,δ−不飽和カルボン酸を得
ることができる。
くは10〜80℃である。反応時間は、通常、5〜10
0時間、好ましくは10〜100時間である。反応終了
後は反応液から触媒を除去した後、蒸留のような後処理
操作を行うことにより、β,δ−不飽和カルボン酸を得
ることができる。
【0014】以下に、本発明のβ,δ−不飽和カルボン
酸の製造法に関し好ましい態様を示す。 (1)式(3)のR1、R2、R3、R4及びR5が水素原
子、アルケニル基またはアリール基であるギ酸アリルエ
ステル類を用いる本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の
製造法。 (2)パラジウム化合物触媒が0価のオレフィン錯体ま
たは二価の有機化合物である本発明のβ,δ−不飽和カ
ルボン酸の製造法。 (3)パラジウム化合物触媒の使用量がギ酸アリルエス
テル類1モルに対して、0.001〜0.5モルである
本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造法。 (4)パラジウム化合物触媒の配位子として含リン化合
物を用いる本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造
法。 (5)炭化水素類の存在下に反応を行う本発明のβ,δ
−不飽和カルボン酸の製造法。 (6)一酸化炭素の使用量がギ酸アリルエステル類1モ
ルに対して、1〜80モルである本発明のβ,δ−不飽
和カルボン酸の製造法。 (7)15〜80kg/cm2の加圧下に反応を行う本
発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造法。 (8)反応温度が10〜80℃、反応時間が10〜10
0時間である本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造
法。
酸の製造法に関し好ましい態様を示す。 (1)式(3)のR1、R2、R3、R4及びR5が水素原
子、アルケニル基またはアリール基であるギ酸アリルエ
ステル類を用いる本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の
製造法。 (2)パラジウム化合物触媒が0価のオレフィン錯体ま
たは二価の有機化合物である本発明のβ,δ−不飽和カ
ルボン酸の製造法。 (3)パラジウム化合物触媒の使用量がギ酸アリルエス
テル類1モルに対して、0.001〜0.5モルである
本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造法。 (4)パラジウム化合物触媒の配位子として含リン化合
物を用いる本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造
法。 (5)炭化水素類の存在下に反応を行う本発明のβ,δ
−不飽和カルボン酸の製造法。 (6)一酸化炭素の使用量がギ酸アリルエステル類1モ
ルに対して、1〜80モルである本発明のβ,δ−不飽
和カルボン酸の製造法。 (7)15〜80kg/cm2の加圧下に反応を行う本
発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造法。 (8)反応温度が10〜80℃、反応時間が10〜10
0時間である本発明のβ,δ−不飽和カルボン酸の製造
法。
【0015】かくして、本発明によれば従来法に比較し
て、高収率でβ,δ−不飽和カルボン酸を得ることがで
きる。
て、高収率でβ,δ−不飽和カルボン酸を得ることがで
きる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特
に断りのないかぎり重量基準である。 実施例1 100ミリリットルのステンレスオートクレーブ反応器
にギ酸シンナミル4ミリモル、トリス(ジベンジリデン
アセトン)二パラジウム(0)0.02ミリモル、トリ
フェニルホスフィン0.08ミリモル及びトルエン10
ミリリットルを添加し、一酸化炭素約160ミリモルを
40kg/cm2の加圧下、40℃で40時間反応させ
た。反応液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、トランス−4−フェニル−3−ブテン酸が収率95
%で生成していた。
に説明する。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特
に断りのないかぎり重量基準である。 実施例1 100ミリリットルのステンレスオートクレーブ反応器
にギ酸シンナミル4ミリモル、トリス(ジベンジリデン
アセトン)二パラジウム(0)0.02ミリモル、トリ
フェニルホスフィン0.08ミリモル及びトルエン10
ミリリットルを添加し、一酸化炭素約160ミリモルを
40kg/cm2の加圧下、40℃で40時間反応させ
た。反応液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、トランス−4−フェニル−3−ブテン酸が収率95
%で生成していた。
【0017】実施例2 トリフェニルホスフィンに代えてトリシクロヘキシルホ
スフィンを用い、一酸化炭素約220ミリモルを60k
g/cm2の加圧下、60℃で15時間反応させること
以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、トランス
−4−フェニル−3−ブテン酸が収率93%で生成して
いた。
スフィンを用い、一酸化炭素約220ミリモルを60k
g/cm2の加圧下、60℃で15時間反応させること
以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、トランス
−4−フェニル−3−ブテン酸が収率93%で生成して
いた。
【0018】実施例3 100ミリリットルのステンレスオートクレーブ反応器
にギ酸シンナミル4ミリモル、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム0.02ミリモル及びトルエ
ン10ミリリットルを添加し、一酸化炭素約200ミリ
モルを60kg/cm2の加圧下、60℃で10時間反
応させたところ、トランス−4−フェニル−3−ブテン
酸が収率89%で生成していた。
にギ酸シンナミル4ミリモル、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム0.02ミリモル及びトルエ
ン10ミリリットルを添加し、一酸化炭素約200ミリ
モルを60kg/cm2の加圧下、60℃で10時間反
応させたところ、トランス−4−フェニル−3−ブテン
酸が収率89%で生成していた。
【0019】比較例1 一酸化炭素を常圧で反応させたこと以外は実施例3と同
様に反応を行ったところ、転化率は100%であった
が、トランス−4−フェニル−3−ブテン酸は全く生成
していなかった。
様に反応を行ったところ、転化率は100%であった
が、トランス−4−フェニル−3−ブテン酸は全く生成
していなかった。
【0020】実施例4 100ミリリットルのステンレスオートクレーブ反応器
にギ酸アリル4ミリモル、トリス(ジベンジリデンアセ
トン)二パラジウム0.02ミリモル、トリフェニルホ
スフィン0.08ミリモル及びトルエン10ミリリット
ルを添加し、一酸化炭素約120ミリモルを30kg/
cm2の加圧下、室温で90時間反応させた。反応液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−ブテン
酸が収率74%で生成していた。
にギ酸アリル4ミリモル、トリス(ジベンジリデンアセ
トン)二パラジウム0.02ミリモル、トリフェニルホ
スフィン0.08ミリモル及びトルエン10ミリリット
ルを添加し、一酸化炭素約120ミリモルを30kg/
cm2の加圧下、室温で90時間反応させた。反応液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−ブテン
酸が収率74%で生成していた。
【0021】実施例5 ギ酸アリルに代えて3−ホルミルオキシ1,7−オクタ
ジエンを用い、一酸化炭素圧を60kg/cm2で、6
0℃、25時間反応させること以外は実施例4に準じて
操作したところ、3,8−ノナジエン酸が収率94%で
生成していた。
ジエンを用い、一酸化炭素圧を60kg/cm2で、6
0℃、25時間反応させること以外は実施例4に準じて
操作したところ、3,8−ノナジエン酸が収率94%で
生成していた。
【0022】実施例6 ギ酸アリルに代えてギ酸オクタ−2,7−ジエニルを用
い、一酸化炭素圧を40kg/cm2で、40℃、50
時間反応させること以外は実施例4に準じて操作したと
ころ、3,8−ノナジエン酸が収率92%で生成してい
た。
い、一酸化炭素圧を40kg/cm2で、40℃、50
時間反応させること以外は実施例4に準じて操作したと
ころ、3,8−ノナジエン酸が収率92%で生成してい
た。
Claims (1)
- 【請求項1】 式(1)で表されるギ酸アリルエステル
類と一酸化炭素とを、パラジウム化合物触媒の存在下、
加圧下に反応させることを特徴とする式(2)で表され
るβ,γ−不飽和カルボン酸の製造法。 【化1】 (R1、R2、R3、R4及びR5は水素原子または置換基
を有することある炭化水素残基を表す。) 【化2】 (R1、R2、R3、R4及びR5は上記と同様のものを示
す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6052858A JPH07238048A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | β,γ−不飽和カルボン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6052858A JPH07238048A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | β,γ−不飽和カルボン酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07238048A true JPH07238048A (ja) | 1995-09-12 |
Family
ID=12926567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6052858A Pending JPH07238048A (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | β,γ−不飽和カルボン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07238048A (ja) |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP6052858A patent/JPH07238048A/ja active Pending
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