JPH07237274A - 複合材料 - Google Patents

複合材料

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JPH07237274A
JPH07237274A JP5507894A JP5507894A JPH07237274A JP H07237274 A JPH07237274 A JP H07237274A JP 5507894 A JP5507894 A JP 5507894A JP 5507894 A JP5507894 A JP 5507894A JP H07237274 A JPH07237274 A JP H07237274A
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勝朗 塚本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリコーンゴム発泡体からなる樹脂層(2)
と可撓性を有してなる金属材料層(3)とが積層一体化
されている。金属材料層(3)としては鉛又はアルミニ
ウム箔等のそれぞれの単独材料からなる層、又はこれら
の混合物からなる層等が好適に使用される。また、複合
材料の一面に粘着剤層(4)、離型紙(5)を設けても
よい。さらには樹脂層(2)又は樹脂層(2)及び金属
材料層(3)とに孔部(6)を穿設してもよい。 【効果】 遮音性、吸音性など防音性能に優れるととも
に、断熱性、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐放射線性、耐
紫外線性、耐オゾン性、電気絶縁性、圧縮性、電磁波透
過性等にも優れているため、建造物における防音・断熱
材料以外にも、ガス管や給湯器、自動車のボンネット、
ディーゼル発電機、車輛の内外板等の苛酷な環境下にお
ける防音・断熱材料として、必要に応じて巻回して使用
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複合材料に係り、その
目的は遮音性、吸音性などの防音特性とともに、断熱
性、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐放射線性、耐紫外線
特性、耐オゾン性、電気絶縁性、電磁波吸収性、圧縮性
等の特性をも備え、フローリングや内壁などの建造物の
防音材料として、さらにはガス管や給湯器、自動車のボ
ンネット、車輛内外板、クラッシャー装置における鉄板
部、ディーゼル発電機や路上の自動販売機、化学工場に
おける配管ラインなど苛酷環境下における断熱材料や防
音材料、さらには電磁波材料として、必要に応じて巻回
して好適に使用することのできる複合材料の提供にあ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、室内における防音・遮音方法とし
ては、例えば鉄板、合板などの間隙にガラス綿や岩綿な
どを多層に重ねて形成した防音扉、或いは遮音材料を
壁、天井、床などに使用する構造が採用されていた。遮
音材料としては、密度の大きいものほど遮音効果、減音
度、透過損失が大とされ、具体的にはコンクリート、れ
んが、鉄板、鉛板などが有効な遮音材料とされていた。
このような遮音材料は空気伝播音の遮断に有効とされて
おり、これら単独で、或いはこれら遮音材料とともに、
室内で発生した騒音を吸収させるために、グラスウー
ル、フェルト、吸音ボード、軟質繊維板・布等の吸音材
料を併用して用いて、建造物における防音・遮音構造を
形成していた。ところが、このような遮音材料や吸音材
料を単独又は併用して使用して形成する防音・遮音構造
では、その設計に手間がかかるうえ、遮音・吸音以外に
断熱性等の機能をも付加させようとすると、新たな材料
を併用して用いなければならず、煩雑さを伴うという課
題が存在した。そこで、近年、このような防音・遮音構
造をより簡便に建造物等に取り入れるため防音・遮音性
を具備した複合材料が次々と創出されている。例えば特
開昭57−70129号公報においては、合成樹脂発泡
体中に鉛粉末、鉄粉末、銅粉末、雲母粉末またはアルミ
ニウム粉末等の一種又は二種以上の無機粉体を配合混合
した断熱、遮音性能を有するシートが開示されている。
また、特開昭54−31490号公報においては、発泡
材が分散、含有された熱可塑性ポリマー層と、この層に
接着一体化された鉛を主成分とする少なくとも一層の金
属材料層とを有してなる複合シートが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭57−70129号公報開示のシートは、合成樹脂
発泡体単独のシートに比べると良好な防音性を示すこと
はできるものの、空気伝播音の遮断に有効な無機粉末が
シート中に分散状態で含有される構成であるために、極
めて良好な防音性を発現させるには不充分であるという
課題が存在した。また、特開昭54−31490号公報
開示の技術は、金属材料層による音、光、電磁波、放射
線等の遮蔽機能と発泡層による防音機能とを併せ持った
優れた建造材料製造用複合シートではあったが、金属材
料層に積層されるポリマー層がポリ塩化ビニル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル
系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等
の熱可塑性樹脂であるため、温度変化によってポリマー
層の物性が変化したり、或いは耐熱性、耐候性、耐紫外
線性などが充分ではないという課題が存在した。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明では可撓性を有
してなる金属材料層又は膨張黒鉛シートの少なくとも一
面にシリコーン発泡体からなる樹脂層が積層されてなる
ことを特徴とする複合材料を提供することにより前記従
来の課題を悉く解消する。
【0005】
【作用】金属材料層又は膨張黒鉛シートにより空気伝播
音を有効に遮断することができる。またこの金属材料層
又は膨張黒鉛シートには可撓性が具備されているため、
ガス管等の周囲に巻回して使用することが可能となる。
また、前記空気伝播音の遮断とともに、シリコーン発泡
体からなる樹脂層により発生する騒音や振動などを吸収
することができるため、防音・遮音性が極めて良好とな
る。しかも、シリコーン発泡体は、温度変化に伴う物性
の変化が少なく、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐寒性、
耐オゾン性、耐紫外線特性、低温可撓性、電気絶縁性、
圧縮性など優れた特性を備えるとともに軽量であるため
に、室内のフローリング材料以外に車輛の内外板或いは
クラッシャー装置における鉄板用防音材料として、また
はディーゼル発電機や自動車のボンネット、給湯器、さ
らにはガス管や化学工場における配管ライン等、苛酷環
境下において、防音性や断熱性を期待して、必要に応じ
て巻回して使用することができる。さらに、複合材料の
一面に粘着剤層を設ける構成とすることにより、目的と
する使用箇所に簡便に取り付けることができる。
【0006】
【発明の構成】以下、この発明に係る複合材料の構成を
図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明の複合
材料の第一実施例を示す断面図であり、図中(1)は複
合材料、(2)はシリコーン発泡体からなる樹脂層、
(3)は可撓性を有してなる金属材料層又は膨張黒鉛シ
ートであり、図示する実施例では、可撓性を有してなる
金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)の一面にシリコー
ン発泡体からなる樹脂層(2)が積層されて複合材料
(1)が構成されている。
【0007】この発明において、樹脂層(2)を構成す
るシリコーン発泡体としては、シリコーンゴムを得る際
に発泡剤を添加することによって得られる発泡体と、シ
リコーンゴム組成物の縮合反応時に水素を遊離すること
によって得られる発泡体など、公知のシリコーン発泡体
がいずれのものでも好適に使用される。
【0008】より具体的に詳述すると、発泡剤を添加す
る製造法によって発泡体を得る場合は、シリコーンゴム
原料にベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベ
ンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2
・5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2・5−ジメチ
ルヘキサン、2・5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
2・5−ジメチルヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート
等の任意の一種又は二種以上の加硫剤、及びアゾビスイ
ソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、ベンゼンスルフォンヒドラジッド、N,N' −ジニ
トロソ−N,N' −ジメチルテレフタルアミド、p−
p' −オキシ−ビス−(ベンゼンスルフォンヒドラジッ
ド)、テレフタールアジド、アゾジカルボンアミド等任
意の発泡剤とを加え、二本ロール等の混練機にて加硫剤
の分解開始温度以下の温度域にて混練し、押し出し機に
より押し出した後、使用した加硫剤の分解温度以上に所
定時間加熱して得る方法が例示される。また、混練の際
に、粉末シリカ、珪藻土、金属炭酸塩、クレー、タル
ク、酸化チタン等の充填剤、或いは酸化防止剤、加工補
助剤等適宜任意の添加剤を加えてもよい。ここで、原料
として使用されるシリコーンゴムとしては、通常のシリ
コーンゴム製造のために用いられるポリオルガノシロキ
サンがいずれのものでも好適に使用される。具体的に
は、反復単位がジメチルシロキシ、メチルフェニルシロ
キシ、ジフェニルシロキシ、メチルビニルシロキシ、フ
ェニルビニルシロキシ、及びメチル(3・3・3−トリ
フルオロプロピル)シロキシなどの単位によって示され
る重合体、共重合体、もしくはそれらの混合物等が好適
に例示され、またこのポリオルガノシロキサンの末端単
位はトリオルガノシロキシ基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基のいずれであってもよい。トリオルガノシロキシ基
としては例えばトリメチルシロキシ、ジメチルビニルシ
ロキシ、メチルフェニルビニルシロキシ、メチルジフェ
ニルシロキシ、およびこれらの類似物などが挙げられ
る。
【0009】一方、縮合反応時に水素を遊離することに
よってシリコーン発泡体を得る場合には、Si原子に直
接結合したH原子を持つ有機Si化合物とSi原子に直
接結合したOH基を持つ有機Si化合物との脱水素反応
により得る方法が好ましく例示される。より具体的に
は、室温で硬化しうる縮合型ポリシロキサン組成物に用
いられるシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン、
アミノキシ基含有有機ケイ素化合物、ケイ素−水素結合
含有ポリオルガノシロキサンとを反応させる。まず、シ
ラノール基末端ポリジオルガノシロキサンとアミノキシ
基含有有機ケイ素化合物とを反応、縮合させると、シラ
ノール基末端ポリジオルガノシロキサンの末端のシラノ
ール基との間で脱ヒドロキシルアミン反応が行なわれ、
ポリオルガノシロキサンの架橋及び鎖延長が進行する。
この反応と同時にヒドロキルアミンが遊離され、この遊
離されたヒドロキシルアミンとケイ素−水素結合含有ポ
リオルガノシロキサンとを反応させることにより、硬化
が進行すると同時に水素ガスが発生し、この水素ガスの
起泡力によってシリコーン発泡体を得ることができる。
ここで、ケイ素−水素結合を有するケイ素原子の割合が
高く、分子中の個数の多いシロキサンを使用することに
より、高い発泡倍率のシリコーンゴムを得ることができ
る。また、この反応工程中に粉末シリカ、珪藻土、金属
炭酸塩、クレー、タルク、酸化チタン等の充填剤を適宜
任意に配合することも可能である。このように硬化反応
時に水素を放出させて得られるシリコーン発泡体は、室
温で反応が進行するとともに、他材料への接着性が発現
すること、またチューブまたはカートリッジから押し出
すだけで硬化する発泡成形品が得られることから、この
発明においては、より望ましく使用される。
【0010】以上のようなシリコーン発泡体をシート状
に成形し、樹脂層(2)が構成される。シリコーン発泡
体の発泡倍率は3〜10倍、より望ましくは4〜8倍と
されるのが好ましい。この理由は、樹脂層(2)におけ
る発泡倍率が3倍未満では、この発明の目的とする充分
な防音効果が発現されず、一方、発泡倍率が10倍を超
えるシリコーン発泡体は製造が困難であり、いずれの場
合も好ましくないからである。また、シリコーン発泡体
からなる樹脂層(2)はシート状に成形されて、後述す
る金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)に積層される。
【0011】可撓性を有してなる金属材料層(3)とし
ては、より好ましくは防音性、可撓性に富む鉛を用いる
のが望ましいが、この発明では特に限定はされず、鉛単
独からなる層以外に、アルミニウム箔単独からなる層、
或いは鉛とアルミニウム箔とのなくとも二種以上の金属
からなる合金層でもよく、可撓性を有し、且つ遮音性を
備えたものであるなら、いずれのものでも使用可能であ
る。さらに、このような金属材料層(3)中に3重量%
程度のリンを混入させておくと、若干の硬度が付与さ
れ、ガス管周囲等に巻回して使用する場合にはフィット
性が良好となるためより望ましいが特に限定はされな
い。この発明では前記シリコーン発泡体からなる樹脂層
(2)と可撓性を有してなる金属材料層(3)とを積層
一体化して複合材料とすることにより、可撓性を有しガ
ス管等の周囲に巻回して使用することができる複合材料
とすることができる。
【0012】また、この発明においては前記金属材料層
に代えて膨張黒鉛シート(3)を用いることもできる。
膨張黒鉛シート(3)としては、天然黒鉛、熱分解黒
鉛、キッシュ黒鉛等の黒鉛粉末を、濃硫酸、濃硝酸と反
応させて一端、層間化合物とした後、水洗などによって
残留分解させて残留化合物とし、これを急熱して膨張さ
せて得られる膨張可撓性黒鉛そのものをロール材等によ
り圧縮成形したシート状のものが、特に限定されること
なく好適に使用される。
【0013】以上のようなシリコーン発泡体からなる樹
脂層(2)と金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)と
は、例えばシリコーン発泡体を分散剤を用いて加熱発泡
させる場合では、金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)
の表面にシリコーン発泡体の成形材料を塗布した後、加
熱圧着して積層一体化する、或いは発泡成形後の樹脂層
(2)を金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)の表面に
接着剤等を介して積層一体化する等の任意の方法により
積層される。またシリコーン発泡体を硬化時の反応系に
より形成させる場合では、未硬化のシリコーンゴム材料
を金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)表面に押し出
し、所定形状に成形させながら硬化させて積層一体化す
ればよく、この発明ではいずれの方法をも任意に採用す
ることができる。
【0014】また、この樹脂層(2)と金属材料層又は
膨張黒鉛シート(3)とのそれぞれの積層厚としては、
特に限定はされず、使用目的等に応じて適宜任意に設定
されればよい。具体的に、室内のフローリング材料とし
て、或いはガス管等の周囲に巻回させて使用する場合に
は、金属材料層(3)を0.1〜2.0mm、シリコー
ン発泡体からなる樹脂層(2)を0.8〜2.5mm程
度とすればよく、特に限定されるものではない。さら
に、金属材料層に代えて膨張黒鉛シート(3)を使用す
る場合では、膨張黒鉛シート(3)の脆さ等を考慮し、
少なくとも0.4mm以上の厚みを有するシートを用い
るのが好ましい。従って、少なくとも0.4mmの厚み
を有する膨張黒鉛シート(3)にシリコーン発泡体より
なる樹脂層(2)を、その効果を発現することのできる
程度の厚み、具体的には0.8mm程度積層させればよ
い。
【0015】この発明においては、シリコーン発泡体か
らなる樹脂層(2)により、室内で発生した騒音等を吸
音し、且つ金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)により
空気伝播音を遮蔽する。従って、より好ましくは金属材
料層又は膨張黒鉛シート(3)の厚みに対して、シリコ
ーン発泡体からなる樹脂層(2)を5〜150倍程度の
厚みに設定して積層させるのが、防音性やシリコーン発
泡体による諸特性を発現させるためには望ましいが、特
に限定はされない。
【0016】図2はこの発明の複合材料(1)の第一実
施例における他の例を示す断面図である。この発明で
は、図2に示すように金属材料層又は膨張黒鉛シート
(3)の両面にシリコーン発泡体からなる樹脂層(2)
を積層させてもよい。またこの実施例のように、金属材
料層又は膨張黒鉛シート(3)の両面にシリコーン発泡
体からなる樹脂層(2)を積層させる場合、樹脂層
(2)の発泡倍率をそれぞれ表側と裏面側とで変化させ
る構成を採用してもよい。すなわち、金属材料層又は膨
張黒鉛シート(3)の一方の面に積層させる樹脂層
(2)の発泡倍率を3〜5倍程度、他方の面に積層させ
る樹脂層(2)の発泡倍率を5〜8倍程度とすると、よ
り吸音性、遮音性が向上するため望ましい。
【0017】さらに、この発明においては図3乃至図4
の第二実施例にて示すように金属材料層又は膨張黒鉛シ
ート(3)と樹脂層(2)との積層体からなる複合材料
の一面に粘着剤層(4)を設ける構成としてもよい。こ
こで、金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)の片面にの
み樹脂層(2)を積層させる場合、粘着剤層(4)を金
属材料層又は膨張黒鉛シート(3)、或いは樹脂層
(2)のいずれの表面に設けるかは、複合材料(1)の
使用箇所等に応じて適宜いずれかを選択すればよく、特
に限定はされないが、表面に樹脂層(2)が配設される
よう、金属材料層又は膨張黒鉛シート(3)側に粘着剤
層(4)を設ける構成とする方が、より好ましい。この
理由は、表面に樹脂層(2)が位置されることにより、
シリコーン発泡体が具備する耐熱性、耐候性、耐オゾン
性、耐紫外線性等を充分に利用することができるととも
に、室内のフローリング材料として用いた場合、室内に
おいて発生する騒音をまず樹脂層(2)により吸収する
ことができ、効率良い防音構造となるからである。
【0018】また、ここで使用される粘着剤層(4)と
しては、特に限定はされず、通常公知の感圧性接着剤が
いずれのものでも使用可能であるが、より望ましくは耐
候性、耐老化性に優れたアクリル系粘着剤が好適に使用
される。アクリル系粘着剤としては、熱可塑性アクリル
系粘着剤でも、或いは架橋型アクリル系粘着剤でも、い
ずれのものでも特に限定されることなく好適に使用され
る。また、粘着剤層(4)の表面には図示するように離
型紙(5)を付設しておき、使用時に離型紙(5)を剥
離する構成を採用すると、粘着剤層(4)の粘着力を有
効に利用することができるため、より望ましいが、この
発明において、離型紙(5)の付設は特に限定はされな
い。粘着剤層(4)は複合材料の一面の全面に設けられ
ていても、或いは部分的に設けられていてもよく、特に
限定はされない。このように複合材料(1)の一面に粘
着剤層(4)及び離型紙(5)を設ける構成としておく
と、目的とする場所に取り付ける際に、適宜任意の大き
さに切断して貼着することができるので、複合材料
(1)の取り付けを簡便に行なうことができる。
【0019】図5乃至図6はこの発明の複合材料の第三
実施例を示す断面図である。図示するように、この第四
実施例においては、複合材料(1)の樹脂層(2)に孔
部(6)が穿設されている。この発明では、このように
孔部(6)を設けることによって、複合材料全体におけ
る音の吸収性が向上するとともに、より可撓性が高くな
るため望ましい。より詳述すると、反響音の大きい部分
の吸収及びR部、凹凸部等において使用する場合には、
この第三実施例で示すように樹脂層(2)に孔部(6)
を設けておくと、音の吸収効果が大きくなり、しかもガ
ス管等の周囲に巻回させる場合に、その表面にシワが生
じず、フィット性が向上するため好ましい。また、孔部
(6)は複合材料(1)の全面積部分に設けられていて
も、或いは孔部(6)による効果を期待して、特定部分
にのみ設ける構成としてもいずれであってもよい。或い
は、図7にて示すように金属材料層又は膨張黒鉛シート
(3)の一方面に積層された樹脂総(2)にのみ孔部
(6)を設け、他方面には孔部(6)を設けない樹脂総
(2)を積層させる構成としてもよい。さらに孔部
(6)の大きさとしては、使用目的等に応じて適宜設定
すればよいが、直径1〜3mm程度の大きさとしておく
のが、良好な吸音性等を維持するためより望ましい。
【0020】
【実施例】以下、この発明に係る複合材料の効果を実施
例を挙げることにより一層明確なものとする。但し、こ
の発明は以下の実施例により何ら限定はされない。 (実施例1)シリコーン発泡体として信越シリコーン
〔商品番号:X−31−1313−2B、硬化発泡型
(室温硬化型ゴム)、発泡倍率4倍、信越化学(株)
製〕を、また金属材料層として鉛シート(500×20
00cm、厚み100μm)を用い、金属材料層の表面
にシリコーン発泡体を積層させ実施例1の複合材料とし
た(厚み4mm)。 (実施例2)前記金属材料層の厚みを200μmとした
以外は実施例1と同様の実施例2の複合材料とした(4
mm)。 (実施例3)前記実施例1と同様の鉛シートの片面に実
施例1と同様のシリコーン発泡体を積層させ、また鉛シ
ートの他方面に発泡倍率を6倍とした以外は実施例1と
同様のシリコーン発泡体を積層させて実施例3の複合材
料とした(厚み4mm)。 (実施例4)実施例3の鉛シートの厚みを200μmと
した以外は実施例3と同様にして実施例4の複合材料と
した(厚み4mm)。 (実施例5)実施例1の複合材料のうち、樹脂層に直径
1.5mmの孔部を全面に設けて実施例5の複合材料と
した(厚み4mm)。 (実施例6)実施例2の複合材料のうち、樹脂層に直径
1.5mmの孔部を全面に設けて実施例6の複合材料と
した(厚み4mm)。 (実施例7)前記実施例3の複合材料において、樹脂層
に直径1.5mmの孔部を全面に設けて実施例7の複合
材料とした(厚み4mm)。 (実施例8)前記実施例4の複合材料において、樹脂層
に直径1.5mmの孔部を全面に設けて実施例7の複合
材料とした(厚み4mm)。
【0021】(比較例1)鉛シート(500×2000
cm、厚み100μm)を比較例1の材料とした。 (比較例2)鉛シート(500×2000cm、厚み2
00μm)を比較例2の材料とした。
【0022】
【試験例】
(試験例1)前記実施例1〜8及び比較例1〜2で得ら
れた各材料を用いて、図8に示す騒音計(A)により、
それぞれの遮音特性を試験した。この結果を図9〜図1
2に示す。(尚、各実施例及び比較例の各材料を用いず
に試験したものをBlankとした。) (試験例2)前記実施例3で得られた複合材料の電磁波
吸収性を「スペクトルanalyzer シールド効果
評価機」を用いて試験した。この結果を図13に示す。
【0023】(試験例3)前記実施例1〜7で得られた
各複合材料についてフィット性、断熱性、防音
性、耐候性、電磁波吸収性、コスト性を評価し、
且つこれらの総合判定を評価した。各項目については、
以下の方法によって評価した。尚、比較例3として前記
実施例1で使用したものと同じシリコーン発泡体(厚み
4mm)を用いた。
【0024】フィット性 30°、60°、90°の部位に取り付けて(フィット
させて)、その取り付け具合の外観状態を目視により評
価した。シワ等が生じず、取り付け状態の外観が極めて
良好であるものを◎、良好であるものを〇、普通である
ものを△、シワが認められ、取り付け状態が悪いものを
×とそれぞれ評価した。断熱性 図14に示すように、300℃の熱源より30mm離し
て各複合材料を設置し、2時間後の表面温度及び裏面温
度を測定した。また、対照サンプルとして実施例の複合
材料に代えてガラスクロスについても同様に測定した。
対照サンプルのガラスクロスと比べて、2時間経過後の
表面温度の差が50℃以上であったものを◎、30〜5
0℃未満であったものを〇、10〜30℃未満であった
ものを△、10℃未満であったものを×とそれぞれ評価
した。防音性 遮音特性評価システム(騒音計:NA29、リオン
(株)製)を用いて評価した。尚、対照サンプルとして
実施例の複合材料に代えてガラスクロスについても同様
に測定した。対照サンプルのガラスクロスと比べて、測
定された音圧レベル(dB)が30以上であるものを
◎、15〜30未満であるものを〇、1〜15未満であ
るものを△、1未満であるものを×とそれぞれ評価し
た。耐候性 各複合材料について赤外線照射を単位面積当たり200
0時間行った後、それぞれの引っ張り強度を測定した
(ユングストローム試験機)。赤外線照射2000時間
後の伸び(%)と、赤外線照射前の伸び(%)との差が
20以下であるものを◎、21〜30を〇、31〜40
を△、40〜を×とそれぞれ評価した。電磁波吸収性 各複合材料についてそれぞれ電磁波吸収性を試験した。
低周波域、及び高周波域においてそれぞれ−30dBm
付近の透過が確認されたものを◎、−20〜−30dB
m未満迄の透過が確認されたものを〇、−10〜−20
dBm未満迄の透過が確認されたものを△、−10dB
mでの透過が確認されなかったものを×とそれぞれ評価
した。コスト性 各複合材料のコスト性について、極めて良好であるもの
を◎、良好であるものを〇、普通であるものを△、悪い
ものを×とそれぞれ評価した。総合判定 前記フィット性、断熱性、防音性、耐候性、電磁波吸収
性、コスト性の各評価において、◎を3点、〇を2点、
△を1点、×を0点とそれぞれ点数付けし、その合計値
を総合判定として用いた。この結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】図9〜12に示すように、実施例の複合材
料ではBlankと比べるとはるかに遮音特性が優れて
おり、且つ比較例と比べても良好な遮音特性が得られる
ことが判る。さらに、表1の結果から明らかなごとく、
実施例の複合材料では、フィット性、断熱性、防音性、
耐候性、電磁波吸収性、コスト性の各性能が良好である
ことが判る。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は可撓性を
有してなる金属材料層又は膨張黒鉛シートの少なくとも
一面にシリコーン発泡体からなる樹脂層が積層されてな
ることを特徴とする複合材料であるから、前記実施例の
結果からも明らかな如く、遮音性、吸音性などの防音特
性とともに、断熱性、耐熱性、耐候性、耐放射線性、耐
紫外線特性、耐オゾン性、電気絶縁性、電磁透過性、圧
縮性等の特性をも備え、フローリングや内壁などの建造
物の防音材料として、さらにはガス管や給湯器、自動車
のボンネント、車輛内外板、ディーゼル発電機や路上の
自動販売機など苛酷環境下における断熱材料や防音材料
として、必要に応じて巻回して好適に使用することがで
きるという優れた効果を奏する。さらに複合材料の一面
に粘着剤層を設ける構成とすると、目的とする箇所に適
宜な大きさに切断して簡便に貼着して使用することがで
きるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る複合材料の第一実施例を示す断
面図である。
【図2】この発明に係る複合材料の第一実施例の他の例
を示す断面図である。
【図3】この発明に係る複合材料の第二実施例を示す断
面図である。
【図4】この発明に係る複合材料の第二実施例の他の例
を示す断面図である。
【図5】この発明に係る複合材料の第三実施例を示す断
面図である。
【図6】この発明に係る複合材料の第三実施例の他の例
を示す断面図である。
【図7】この発明に係る複合材料の第三実施例の他の例
を示す断面図である。
【図8】試験例にて使用した騒音計を示す概略図であ
る。
【図9】実施例及び比較例の各材料の遮音特性の結果を
示す図である。
【図10】実施例及び比較例の各材料の遮音特性の結果
を示す図である。
【図11】実施例及び比較例の各材料の遮音特性の結果
を示す図である。
【図12】実施例及び比較例の各材料の遮音特性の結果
を示す図である。
【図13】実施例及び比較例の各材料の遮音特性の結果
を示す図である。
【図14】断熱性の試験方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 複合材料 2 シリコーン発泡体からなる樹脂層 3 金属材料層又は膨張黒鉛シート 4 粘着剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有してなる金属材料層又は膨張
    黒鉛シートの少なくとも一面にシリコーン発泡体からな
    る樹脂層が積層されてなることを特徴とする複合材料。
  2. 【請求項2】 前記複合材料の一面には粘着剤層が設け
    られてなることを特徴とする請求項1に記載の複合材
    料。
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