JPH07236988A - レーザ切断方法 - Google Patents

レーザ切断方法

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JPH07236988A
JPH07236988A JP6030705A JP3070594A JPH07236988A JP H07236988 A JPH07236988 A JP H07236988A JP 6030705 A JP6030705 A JP 6030705A JP 3070594 A JP3070594 A JP 3070594A JP H07236988 A JPH07236988 A JP H07236988A
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cutting
laser beam
laser
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cutting method
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Takayuki Yuyama
崇之 湯山
Yoshimizu Takeno
祥瑞 竹野
Masaharu Moriyasu
雅治 森安
Masaru Kaneoka
優 金岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加工物2にレーザビーム1を照射し該レー
ザビームのエネルギで該被加工物を切断するレーザ切断
方法において、コーナ部の溶損を防止し、加工時間を短
縮し、高品質の切断加工ができるようにする。 【構成】 切断加工中に前記レーザビーム1が予め指定
したビーム到達位置Aに達したら該レーザビームをそれ
までの切断加工軌跡2aに沿って予め設定した位置Bま
で後退させる第1の工程と、前記レーザビーム1を前記
後退位置Bから前記切断加工軌跡に沿って切断進行方向
を変更する位置Cまで前進させ該位置で切断進行方向を
変更する第2の工程とを、前記被加工物2と前記レーザ
ビーム1とを相対的に移動させて順次実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被加工物にレーザビ
ームを照射し該レーザビームのエネルギで該被加工物を
切断するレーザ切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のレーザ切断方法として
は、例えば、第1に特開平2−303695号公報に示
されるように、コーナ部のエッジ先端部で被加工物の温
度を下げるため、一旦レーザビームの照射を停止してガ
スや液体などにより冷却し、再度、同位置からレーザビ
ームを照射して加工を再開するもの、あるいは第2に特
開平4−237582号公報に示されるように、被加工
物の蓄熱の影響を避けて切断加工するため、コーナ近傍
で加工条件を変更するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ切断方法
は上記のように構成されているので、前記第1のレーザ
切断方法では若干溶損は抑制されるが、それは薄板(軟
綱、SS400の場合なら約4.5mm以下)の場合で
あり、それよりも厚い板では殆ど効果がない。つまり、
冷却によりワーク温度を下げることはできても、コーナ
立ち上がり時には速度が0から立ち上がることになりレ
ーザビームの移動速度が非常に不安定になる。そのた
め、レーザビーム出力とレーザビーム移動速度の釣合い
がとりきれない範囲が存在し、その結果ワークに対して
過剰入熱、あるいは入熱不足を招く。そのため、切り出
し時に板下部において異常燃焼や、燃焼不足が起き、溶
損が生じるという問題点があった。
【0004】図31は前記第2のレーザ切断方法の説明
図であり、この図31において、2は被加工物、2aは
切断溝、矢印21は切断進行方向、PWは低周波パルス
による切断領域、CWは連続波あるい高周波パルスによ
る切断領域である。このレーザ切断方法には、図31
(a)に示すように、コーナ手前数ミリ手前で加工条件
を変更し、そのまま変更した加工条件でコーナ部を切断
し、コーナ部を数ミリ通過後、再び加工条件を変更しコ
ーナ部切断以前の加工条件に戻す方法と、図31(b)
に示すように、コーナ部のエッジ先端で加工条件を変更
し、そのまま変更した加工条件でコーナ部を切断し、コ
ーナ部を数ミリ通過後、再び加工条件を変更しコーナ部
切断以前の加工条件に戻す方法とがある。
【0005】この二通りの方法での変更した加工条件と
は、例えば、コーナ近傍を切断する加工条件は低周波の
パルス条件である。そのため、コーナ部前後の高速の加
工条件(例えば、連続波出力、高周波パルス出力)によ
る切断面の状態と、低周波のパルス時の切断面の状態は
異なる。特に、低周波のパルスによって切断した面は表
面に赤錆が生じる。このような切断面の状態の変化によ
り、加工品質が若干低下する。また、加工条件を変更す
るときには切換地点の近傍で、傷、条痕の乱れ、溶け落
ちなどの不良が発生し易く、その回避が問題となる。ま
た、低周波パルス加工条件は非常に低速であるため、加
工時間が増すなどの問題点があった。
【0006】請求項1の発明は、上記のような問題点を
解消するためになされたもので、コーナ部の溶損を防止
することを目的とする。
【0007】請求項2の発明は、コーナ部を精度よく切
断加工することを目的とする。
【0008】請求項3の発明は、板厚が厚くなってもコ
ーナ部の溶損を防止することを目的とする。
【0009】請求項4の発明は、加工時間を短縮するこ
とを目的とする。
【0010】請求項5、6の発明は厚板のコーナ部切断
を安定にすることを目的とする。
【0011】請求項7の発明は、簡便に強制冷却を可能
とすることを目的とする。
【0012】請求項8の発明は、冷却効果の効率を上げ
ることを目的とする。
【0013】請求項9の発明は、板厚が厚くなった場合
でも、加工条件を短縮することを目的とする。
【0014】請求項10の発明は、加工時間を短縮する
ことを目的とする。
【0015】請求項11、12の発明は、鋭角コーナ部
でも溶損が生じないようにすることを目的とする。
【0016】請求項13の発明は、被加工物の品種、板
厚に左右されることなく、切断精度よく、高品質の切断
加工ができるようにすることを目的とする。
【0017】請求項14の発明は、鋭角コーナ部でも溶
損が生じないようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るレーザ切断方法は、コーナ切断時にコーナ部のプログ
ラム上で指定する位置まで到達したら、それまで切断を
行ったのと同経路を後退し、その経路上のプログラム上
で指定する位置まで達したら、再びその経路を前進し、
コーナ切断を行うものである。
【0019】請求項2記載の発明に係るレーザ切断方法
は、最初にプログラムで指定する後退を開始する位置
を、切断速度の立ち下がりに要する距離分コーナより手
前に設定したものである。
【0020】請求項3記載の発明に係るレーザ切断方法
は、最初に切断するときのビーム到達位置で一時停止し
てビームを照射するものであり、請求項4記載の発明に
係るレーザ切断方法は、上記ビーム照射時間を規定した
ものである。
【0021】請求項5記載の発明に係るレーザ切断方法
は、レーザ照射を停止した状態で、レーザ照射ノズルの
移動を停止し、冷却時間をとるものである
【0022】請求項6記載の発明に係るレーザ切断方法
は、切断開始時から切断終了時に至る全工程の間にビー
ム照射を中断した状態で、レーザ照射ノズルと被加工物
の相対移動中、気体あるいは液体を吹き付けることによ
って、最初に切断した切断溝周辺を冷却するものであ
る。
【0023】請求項7記載の発明に係るレーザ切断方法
は、冷却のための気体をレーザ加工に使われているアシ
ストガスを、レーザ照射を停止した状態で、レーザ照射
ノズルと被加工物の相対移動中、切断溝周辺に吹き付け
るものである。
【0024】請求項8記載の発明に係るレーザ切断方法
は、レーザ照射ノズルの移動を停止し、アシストガスを
吹き付ける位置を請求項1の第1の工程での切断溝の先
端に規定したものであり、請求項9記載の発明に係るレ
ーザ切断方法は、上記吹き付け時間を規定したものであ
る。
【0025】請求項10記載の発明に係るレーザ切断方
法は、請求項1〜9記載の発明に基づく第1の工程にお
ける必要な後退距離の設定を被加工物の材質、板厚、及
び加工形状によって、任意に設定できるようにするもの
である。
【0026】請求項11記載の発明に係るレーザ切断方
法は、鈍角に切断進行方向を変更した後に直角に切断進
行方向を変更するか、直角に切断進行方向を変更した後
に鈍角に切断進行方向を変更して、鋭角のコーナ部を切
断加工するものである。
【0027】請求項12記載の発明に係るレーザ切断方
法は、ビーム軸がコーナ部に到達したら、それまでの切
断経路を後退し、再び上記切断経路に沿って上記コーナ
部に前進し、その鋭角なコーナ部を直角と鈍角に分けて
切断加工するものである。
【0028】請求項13記載の発明に係るレーザ切断方
法は、被加工物とレーザビームとの相対移動によるレー
ザビーム移動速度の立ち上がり及び立ち下がりに要する
時間を、前記被加工物の材質、板厚、コーナ角度によっ
て変更するものである。
【0029】請求項14記載の発明に係るレーザ切断方
法は、コーナ手前までの切断進行方向の延長上に切断溝
幅以上の広さを持つような空間、またはコーナ立ち上が
りの切断進行方向の逆方向の延長上に切断溝幅以上の広
さを持つような空間を設けたものである。
【0030】
【作用】請求項1記載の発明におけるレーザ切断方法
は、一旦形成した切断溝に沿ってビームを後退、前進移
動させることにより、通常のコーナ手前を切断した後、
連続してコーナ立ち上がりを切断する場合と異なり、切
断前面の遅れによるコーナ部の溶損が発生しなくなる。
また、再度前進する際の距離を十分に取ることで、ビー
ム移動速度が設定値に達し、切り出し時に過剰入熱や入
熱不足になることがなくなる。
【0031】請求項2記載の発明におけるレーザ切断方
法は、最初に後退を開始する位置を、切断速度の立ち下
がりに要する距離分コーナより手前に設定したことによ
り、コーナの外側部分も良好に精度よく切断加工するこ
とができる。
【0032】請求項3記載の発明におけるレーザ切断方
法は、一時停止し、請求項4記載の発明では、この停止
時間を規定してビーム照射を続けることにより、被加工
物が厚くても良好な切断面が得られる。
【0033】請求項5記載の発明におけるレーザ切断方
法は、レーザ照射を停止し、レーザ照射ノズルと被加工
物の相対速度を停止して冷却時間をとることにより、被
加工物が厚くてもコーナの溶損を防止できる。
【0034】請求項6記載の発明におけるレーザ切断方
法は、後退しコーナを切断するまでの過程で、一時ビー
ム照射を中断して、ビーム移動軌跡上を気体あるいは液
体で冷却することにより、コーナの切断を安定にでき
る。
【0035】請求項7記載の発明におけるレーザ切断方
法は、アシストガスを切断溝周辺に吹き付けることによ
り、簡便に強制冷却が可能である。
【0036】請求項8記載の発明におけるレーザ切断方
法は、アシストガスを吹き付ける場所を指定したことに
より、冷却効果の効率が上がる。
【0037】請求項9記載の発明におけるレーザ切断方
法は、アシストガスの吹き付け時間を規定したことによ
り、冷却時間を効率よく設定でき、加工時間を短縮でき
る。
【0038】請求項10記載の発明におけるレーザ切断
方法は、最低限必要な後退量を加工条件や被加工物形状
によって設定することにより、加工時間を短縮できる。
【0039】請求項11、12記載の発明におけるレー
ザ切断方法は、鋭角を直角と鈍角に分けて切断加工する
ことにより、鋭角コーナを精度よく切断することができ
る。
【0040】請求項13記載の発明におけるレーザ切断
方法は、レーザビームと被加工物の相対移動速度の立ち
上がり、立ち下がりに要する時間を、加工条件によって
設定することにより、常に精度よく切断加工できる。
【0041】請求項14記載の発明におけるレーザ切断
方法は、切断進行方向の延長上に切断溝幅以上の空間を
設けたことにより、鋭角コーナでも溶損なく、精度よく
切断加工できる。
【0042】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明に係るレーザ切断方法を実施する
装置の概要図を示すもので、図1において、1はレーザ
ビーム、2は被加工物、3はレーザビーム1を反射する
ミラー、4はレーザビーム1を集光する加工レンズ、5
は加工レンズ4を収納し先端部のノズル5aから冷却媒
体としての気体または液体6を噴出する加工ヘッド、7
は被加工物2を載置し直交軸X,Y,Z方向に移動可能
な加工テーブル、8は演算制御手段としてのCPU8a
を有するNC装置、9はNC装置8から指示信号を受け
て加工テーブル7を直交軸方向に駆動するサーボ制御回
路、10はレーザビーム1を発生するレーザ発振器であ
る。
【0043】そして、この発明におけるレーザ切断方法
を実施するため演算、制御は上記CPU8aによって行
うもので、その基本的な処理としては、図2(a)に示
すステップST2−1〜ST2−4のレーザビーム移動
開始時のプログラムMP−1、図2(b)に示すステッ
プST2−5〜ST2−8のレーザビーム移動停止時の
プログラムMP−2、図2(c)に示すステップST2
−9〜ST2−14のコーナでの切断進行方向変更時の
プログラムMP−3を行う。
【0044】また、補助的な処理として、図3(a)に
示すステップST3−1〜ST3−4のレーザビームオ
フ時のプログラムSP−1、図3(b)に示すステップ
ST3−5〜ST3−8のレーザビームオン時のプログ
ラムSP−2、図3(c)に示すステップST3−9〜
ST3−12のアシストガス圧変更時のプログラムSP
−3、図3(d)に示すステップST3−13,14の
任意の時間保持するプログラムSP−4、図3(e)に
示すステップST3−15,16のレーザビーム移動停
止時にインポジション状態とするプログラムSP−5を
行う。
【0045】その他、演算処理として、図4(a)に示
す時間tでの速度Fsの立ち下がり時に進む距離を計算
する計算プログラムCP−1、図4(b)に示す前記C
P−1で求めた距離分、移動距離を短くする計算プログ
ラムCP−2、図4(c)に示すコーナでのレーザビー
ム移動距離Lの計算プログラムCP−3を行う。
【0046】そして、以上の基本的な処理MP−1〜M
P−3、補助的な処理SP−1〜SP−5、演算プログ
ラムCP−1〜CP−3を組合わせて、この発明のレー
ザ切断方法を実行する。従って、各請求項に対応するフ
ローチャートに記載されたMP−1,SP−1,CP−
1等は上記の各処理を示している。
【0047】図5は請求項1記載の発明の一実施例によ
るレーザビーム切断方法を示す模式図であり、図5にお
いて、2aは切断溝、Aは予めプログラムで指定した切
断方向変更位置、Bは後退時、再前進を開始する位置、
Rは実際に切断方向の変更が開始される位置である。
【0048】そして、図5(1)は切断中の状態を、図
5(2)はレーザビーム1が予めプログラムで指定した
位置Aに達した状態を、図5(3)はレーザビーム1に
より形成された切断溝2a中を同一経路に沿ってレーザ
ビーム1が後退している状態を、図5(4)は予めプロ
グラム指定された位置Aによって決まる位置Bまで後退
した状態を示す。この位置Aから位置Bまでの後退は加
工速度でも早送り速度でもどちらの速度で後退してもか
まわない。以上(1)〜(4)までの加工状態が第1の
工程である。図5(5)は先程と同一経路を再度前進し
ている状態を、図5(6)は切断進行方向の変更が実際
に始まる位置Rにレーザビーム1が達した状態を、図5
(7)は切断進行方向の変更を終え、コーナ部分をレー
ザビーム1が立ち上がっている状態を示す。以上の
(5)〜(7)までの加工状態が第2の工程である。上
記の動作順序を示すフローチャートを図6に示す。
【0049】本実施例1のレーザ切断方法により溶損を
抑制できる理由は、一つには、図5中の位置Aにレーザ
ビーム1が達する時、ビーム移動速度は少し手前から減
速して停止するため、一時的に入熱が増し切断前面の遅
れが解消される。さらに、一旦後退し再び前進しビーム
移動速度が設定速度に達することでコーナでの経路が滑
らかになり、溶融物の流れが途切れなくなるためと、従
来例と違って速度が0にはならず、コーナ立ち上がり時
に過剰入熱にならないためである。実際にコーナ部分の
溶損量を測定には、実体顕微鏡を用いて、溶け落ち量が
1mmまでを良好とした。
【0050】上記実施例1のレーザ切断方法とコーナで
冷却する従来のレーザ切断方法により、それぞれサンプ
ルを50個切断したとき、不良発生率は従来の方法では
40%であったのに対し実施例1の方法では2%であ
り、不良発生率が大きく改善された。
【0051】このとき、被加工物として軟鋼(SS40
0)を用い、板厚は6mmで、切断対象のコーナの角度
は90度であった。また、CO2 レーザの出力は1.3
kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス
(ガス圧1.0kg/cm2 )を用い、加工速度1.5
mm/minで加工を行った。また、この時図1におけ
る位置A,B間の距離(後退距離)を10mmとし、数
値制御装置で位置Aがエッジ部になるように設定したと
ころ、実際には位置Aより500μm手前から方向変化
した。
【0052】実施例2.図7は請求項2記載の発明の一
実施例によるレーザ切断方法を示す模式図であり、図8
は動作順序を示すフローチャートである。
【0053】前記実施例1では、図5(7)に示すよう
に、最初に形成された切断溝先端の手前からコーナが形
成されるようになる。本実施例2はこのようなことを防
ぐために、図7に示すように予めレーザビーム移動速度
を立ち下がりに必要な距離lを求めておき、その距離l
を希望するコーナ位置Aより手前に設定する。なお、図
7において、1−1は実際に方向変更が開始される時の
レーザビーム位置、2−1は最初に形成した切断溝先端
を示す。
【0054】具体的に例を挙げれば、実施例1で述べた
位置Aから実際の方向変化開始地点までの距離lは、テ
ーブル速度の減速開始から立ち下がり完了までに要する
距離と一致するので、実施例1に基づいて、数値制御装
置で設定する位置Aを実施例1の時よりも0.5mm
(500μm)手前にした。このような操作によってコ
ーナの外側部分も良好な状態に切断加工することができ
た。
【0055】なお、この操作をすることをオーバシュー
トさせるということとし、この操作する距離lをオーバ
シュート量ということとする。オーバシュート量は図7
に示すように、レーザビーム移動速度とレーザビーム移
動速度の減速開始から立ち下がり完了までに要する時間
によって決定される。
【0056】実施例3.前記のようなレーザビーム移動
速度の立ち下がり時の一時的な入熱過多による効果で切
断前面の遅れ解消はある程度までの板厚まで達成され
る。しかし、厚板ではこの速度変化の時間だけでは切断
前面の遅れが解消しきれない(切断前面2−1の遅れは
板厚6mmで約0.6mm、板厚9mmで約0.9m
m、板厚12mmで約1.3mmといった具合に板が厚
くなるほど大きくなる)。そのため、予め指定した位置
(図5で言えば位置A)まで確実に移動し、レーザビー
ム照射によって遅れを解消しなければ、ビームが再び同
経路を移動してコーナを切断する際に、解消しきれない
遅れにより溶損が発生する。
【0057】以上のようなことを解消するために、請求
項3記載の発明は、図9のフローチャートに示す動作順
序によりレーザビーム1が予め指定した位置に達した時
点で確実に減速停止し、レーザビームを照射後に次の移
動を行う工程を設けたのものである。図5中における予
め指定した位置Aまで確実にビームが移動してから停止
し、レーザビーム照射後次の移動に移っている場合と、
減速停止をする指令がプログラム上で指定されていない
場合のコーナでの不良発生率を50個のサンプルで比較
すると、本実施例3の方法の場合4%であるのに対し、
後者の方法では28%であった。
【0058】ただし、被加工物2として軟鋼(SS40
0)を用い、板厚は9mmで、切断対象のコーナの角度
は90度であった。また、CO2 レーザの出力は1.2
kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス
(ガス圧1.0kg/cm2 )を用い、加工速度1.0
mm/minで加工を行った。また、オーバシュート量
は300μm、後退距離は10mmであった。
【0059】実施例4.図10は請求項4記載の発明の
一実施例によるレーザ切断方法の動作順序を示すフロー
チャート、図11、12は本実施例による切断特性図で
ある。前記のように、被加工物2の板厚が厚くなるほど
切断前面4aの遅れを解消しにくく、溶損を抑制するの
が困難である。そのため、さらに積極的に切断前面の遅
れを解消するために、図5の位置Aでレーザビーム1を
照射したままの状態で予め指定した時間停止する。図1
1は被加工物2として軟鋼(SS400)の板厚12m
m、16mm、19mm、25mmの場合の停止時間と
切断前面上部と下部の差(遅れ)について示したもので
ある。
【0060】板厚12mm(図11中、丸印)ではCO
2 レーザの出力に1.4kWの連続波(CW)、アシス
トガスとして酸素ガス(0.6kg/cm2 )を用い、
加工速度0.8m/minで加工を行った。板厚16m
m(図11中、四角印)ではCO2 レーザの出力に2.
2kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス
(0.5kg/cm2 )を用い、加工速度0.8m/m
inで加工を行った。板厚19mm(図11中、三角
印)ではCO2 レーザの出力に2.5kWの連続波(C
W)、アシストガスとして酸素ガス(0.4kg/cm
2 )を用い、加工速度0.7m/minで加工を行っ
た。板厚25mm(図11中、×印)ではCO2 レーザ
の出力に3.0kWの連続波(CW)、アシストガスと
して酸素ガス(0.7kg/cm2 )を用い加工速度
0.65m/minで加工を行った。
【0061】さらに、軟鋼(SS400)の板厚12m
mについて、図11中の各停止時間で、実際に上記加工
条件で、実施例1のレーザ切断方法に従って加工した場
合のコーナ部での溶損量の変化を図12に示す。その結
果、長い時間レーザビーム1を照射し、切断前面2−1
の遅れを減らせば溶け落ち量が減少した。また、ある程
度の時間照射すると、遅れ量の減少は進まなくなった。
以上の結果、レーザビーム1の照射時間は10秒以下で
十分である。この12mmでのオーバシュート量は25
0μm、後退距離は10mmであった。
【0062】実施例5.図13は請求項5、6、7記載
の発明の一実施例によるレーザ切断方法の動作順序を示
すフローチャート、図14、15は本実施例5による切
断特性図である。前記のように、被加工物2の板厚が増
すほど切断前面2−1の遅れを解消するためにレーザビ
ーム1の照射状態で停止し続ける時間が長くなるわけで
あるが、停止時間が長いと、被加工物2が過剰に加熱さ
れ、溶損が抑制できなくなった。
【0063】図14は被加工物2として軟鋼(SS40
0)の板厚16mm、CO2 レーザの出力に2.2kW
の連続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス(ガス
圧0.5kg/cm2 )を用い、加工速度0.8m/m
inで、オーバシュート量を250μm、後退距離を1
0mmで加工を行った場合を例とり、停止時間と溶損量
について示したものである。
【0064】そこで、停止してレーザビームをある時間
照射した後、レーザビーム照射加工ヘッド5の移動中に
図16に示すような噴出装置11でArガスなどを吹き
付けて被加工物2を冷却した。これにより、板厚の厚い
被加工物2でも溶損を抑制できた。
【0065】被加工物2として軟鋼(SS400)の板
厚16mm、19mmについて、冷却した場合のコーナ
の不良発生率は16mmで2%、19mmで4%であ
り、冷却しないで同じ時間レーザビームを照射した場合
は16mmで42%、19mmで56%であった。
【0066】ただし、サンプル数は50個で、板厚16
mmではCO2 レーザの出力に2.2kWの連続波(C
W)、アシストガスとして酸素ガス(ガス圧0.5kg
/cm2 )を用い、加工速度0.8m/minで、オー
バシュート量は250μm、後退距離は10mmで加工
を行った。板厚19mmではCO2 レーザの出力に2.
5kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス
(ガス圧0.4kg/cm2 )を用い、加工速度0.7
m/minで、オーバシュート量は220μm、後退距
離は10mmで加工を行った。
【0067】レーザビームを照射して停止する時間は1
6mmで4秒、19mmで5秒であった。また、全く停
止しない場合の不良発生率は94%であった。この場
合、ガスではなく、水などの液体を利用して冷却した場
合でも同様な効果が得られた。ただし、液体の場合、冷
却後乾燥させるといった二次作業が必要である。
【0068】前記のような冷却方法としてレーザビーム
を止めた後、N2 やO2 などのアシストガスを加工ヘッ
ド5の先端ノズル5aから噴出しながら該レーザビーム
照射加工ヘッド5を移動した場合にも十分な冷却効果が
得られた。また、アシストガス圧を加工時より大きくす
るとさらに冷却作用が増した。
【0069】図15は板厚16mmで冷却時のアシスト
ガス圧を変化させた(丸印は1kg/cm2 、四角印は
kg/cm2 、三角印は3kg/cm2 )場合のコーナ
部分の溶損量の変化について示したもので、アシストガ
スとしてよく用いられるN2やO2 などならば、Arに
比べて安価であり、液体と違って冷却後乾燥させるよう
な二次作業も必要でなく、さらに切断時と同システムで
噴出可能であるため簡便である。
【0070】実施例6.図17は請求項8、9記載の発
明の一実施例によるレーザ切断方法の動作順序を示すフ
ローチャート、図18、19は本実施例6による切断特
性図である。前記はレーザビーム照射加工ヘッド5の移
動中に冷却する方法であったが、レーザビーム照射加工
ヘッド5の移動停止状態でアシストガスをある時間噴出
しても冷却効果はある。図18では停止位置と溶損量の
変化を示したもので、被加工物として軟鋼(SS40
0)の板厚19mmについて、CO2 レーザの出力に
2.5kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素
ガス(ガス圧0.4kg/cm2 )を用い、加工速度
0.7m/minで、オーバシュート量は220μm、
後退距離は10mmで加工を行った。なお、停止時のガ
ス圧は1.0kg/cm2)で停止時間は3秒である。
【0071】図18中でA、Bは図5中での位置A、B
に対応しており、またHとは図5での位置A、Bの中間
である。このように、停止して冷却しても、移動しなが
ら冷却する場合と同様に冷却効果が得られるが、特に位
置Aで冷却すると冷却効果が高いことが分かった(ビー
ム照射時間は5秒)。
【0072】また、図19に被加工物として軟鋼(SS
400)、板厚19mm、25mmを用いて、図5中の
位置Aでの冷却時間と溶損発生率についてアシストガス
圧を変化させて(丸印は1kg/cm2 、四角印は2k
g/cm2 、三角印は3kg/cm2 )調べた(ビーム
照射時間は5秒)。これからアシストガス圧を高くすれ
ば、不良率は短時間で低減するが、ある程度時間をかけ
れば、それほど高圧にしなくても不良率は改善されるこ
とが分かった。ガスの消費量を減らすためにも低圧で少
し長めに冷却時間をとった方がよいといえる。この結果
から、アシストガス圧が加工条件として設定しているよ
うな低圧であっても、冷却時間は10秒以内でよいこと
が分かった。
【0073】なお、このときの加工条件はCO2 レーザ
の出力に2.5kWの連続波(CW)、アシストガスと
して酸素ガス(ガス圧0.4kg/cm2 )を用い、加
工速度0.7m/minで、オーバシュート量は220
μm、後退距離は10mmで加工を行った。板厚25m
mではCO2 レーザの出力に3.0kWの連続波(C
W)、アシストガスとして酸素ガス(0.7kg/cm
2 )を用い、加工速度0.65m/minで、オーバシ
ュート量は210μm、後退距離は10mmで加工を行
った。
【0074】実施例7.図20は請求項10記載の発明
の一実施例によるレーザ切断方法を示す切断特性図であ
る。加工時間を短縮するためには、今まで述べてきたデ
ータを基に、後退距離を適正値にする必要がある。この
距離を決定する要因は、レーザビームがエッジ部に到達
するときにレーザビーム移動速度が定常状態に達してい
ることである。そのため、レーザビーム移動速度の立ち
上がりに要する距離を予め考慮して後退距離を設定する
必要がある。この距離は、定常状態のレーザビーム移動
速度と速度0から立ち上がり完了までにかかる時間によ
って決定され、この場合は以下のような式をもとに決ま
る 。 Fa=F{1−EXP(−t/λ)} Fa:時間tでの速度 F:数値制御で設定したビーム移動速度 t:立ち上がり開始からの時間 λ:速度の時定数 上式を積分する。すなわち、図20中の斜線部の面積を
求めることで立ち上がりに要する距離が求められる。厚
板では今まで述べてきたように低速で加工しているが、
薄板では高速で加工する。
【0075】実際に軟鋼SPCCの1.0mmと、SS
400の25mmと、アルミニウムの1.0mmについ
てそれぞれの実用されている最高速を例にとり、上式か
ら立ち上がりに要する距離を求めると、SPCCの1.
0mmで約1.7mm、SS400の25mmで約0.
2mm、アルミニウムの1.0mmで約0.7mmであ
った。これらの値から後退距離を設定することで、それ
ぞれの被加工物がコーナの溶け落ちもなく、精度よく、
高速で切断加工できた。このことから後退距離は被加工
物の材質、板厚、及び加工形状によって決まる。ただ
し、SPCCの1.0mmのときの加工速度は5.0m
m/min、SS400の25mmのときの加工速度は
0.65m/min、アルミニウムの1.0mmのとき
の加工速度は2.0mm/minであった。
【0076】実施例8.鋭角切断における溶損発生原因
の一つにコーナ部分立ち上がり時に新たに切り出すとき
に、熱源は図21に矢印Gで示すように鋭角側に進行す
るような挙動を示す。このために切り出し時の溶湯は鋭
角のエッジ部に向かって流れる。これによりエッジ部分
で溶け落ちが発生する。請求項11ではこの点に着目
し、鋭角を直角と鈍角の集合体として捉えることで、熱
源の挙動に伴う溶湯の流れの方向を制御する。
【0077】図22は請求項11記載の発明の一実施例
によるレーザ切断方法の動作順序を示すフローチャート
図、図23はそのレーザ切断方法を示す模式図である。
鈍角から鋭角(または鋭角から鈍角)に移行する際にレ
ーザビームが移動する距離は長すぎるとエッジがなくな
り、短すぎると従来のレーザ切断方法による鋭角コーナ
切断と同様になり、溶損が発生する。そのため、適正な
長さを切断溝幅と角度から計算する必要があった。
【0078】この直角から鈍角(または鈍角から直角)
に移行する際に、直角部分の切断には前記実施例1,2
に説明した請求項1,2記載の発明のレーザビーム切断
方法に従って切断を行った。この実施例によるレーザ切
断方法の動作順序を示すフローチャートを図24に、レ
ーザ切断方法の模式図を図25にそれぞれ示す。このレ
ーザ切断方法とコーナを冷却する従来のレーザ切断方法
での不良発生率をサンプル数50個で比較すると、本実
施例の方法では6%であるのに対し、従来の方法では7
0%であった。
【0079】ただし、被加工物2として軟鋼(SS40
0)を用い、板厚は9mmで、切断対象のコーナの角度
は60度であった。また、CO2 レーザの出力は1.2
kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス
(ガス圧1.0kg/cm2 )を用い、加工速度1.0
mm/minで加工を行い、また、オーバシュート量は
300μm、後退距離は10mmであった。
【0080】また、上記図25に基づいて、60度の場
合の直角から鋭角(または鈍角から直角)に移行する際
に、レーザビームが移動する距離Lを計算すると、切断
溝幅は0.56mmであったので、図中のr=0.28
mmとなり、レーザビームが移動する距離Lは0.35
mmであった。
【0081】実施例9.図26は請求項13記載の発明
の一実施例によるレーザ切断方法の動作順序を示すフロ
ーチャート、図27は本実施例9による特性図である。
レーザビーム移動速度の立ち上がり、立ち下がりに要す
る時間を変更することで、図26に示すようにコーナ切
断時の加工経路が滑らかになり、溶損が発生しなくなっ
た。コーナ部分は直角ではなくなるが、実用上、厚板で
はそれほどの精度が必要とされないので十分である。
【0082】しかし、この変更したレーザビーム移動速
度の立ち上がり、立ち下がりで実際に同一テーブルに厚
板と薄板を載せ、両方の板を続けて加工したところ、薄
板の径の小さい穴を加工すると非常にいびつになり、真
円度が著しく低下した。このようなことを防ぐために厚
板と薄板でのレーザビーム移動速度の立ち上がり、立ち
下がり時間を別々に設定可能にしたところ、厚板のコー
ナ部の溶損もなくなり、また薄板の小穴加工も十分な精
度が得られた。
【0083】実施例10.図28は請求項14記載の発
明の一実施例によるレーザ切断方法の動作順序を示すフ
ローチャート、図29は本実施例10のレーザ切断方法
を示す模式図であり、図示のような2パターンの加工経
路で加工した。この場合の不良発生率は図28(a)で
6%、図28(b)で6%であった。これに対し、従来
の場合のエッジを冷却する方法では、不良発生率は74
%であった。
【0084】ただし、サンプル数は50個で被加工物と
して軟鋼(SS400)の板厚12mmを使い、コーナ
角度45度とし、CO2 レーザの出力に1.4kWの連
続波(CW)、アシストガスとして酸素ガス(0.6k
g/cm2 )を用い、加工速度0.8m/minで加工
を行った。また、図29(a),(b)での延長した切
断溝2aの長さは5mmである。
【0085】実施例11.図30は請求項14記載の発
明の他の実施例によるレーザ切断方法を示す模式図であ
り、図示のような加工経路で加工する。これは前記実施
例10の2つの溶湯の逃げ道を複合しており、符号12
で示す部分が切り落とされる。これで、被加工物として
軟鋼(SS400)の板厚16mmのコーナ角度45度
の切断を行い、サンプル数は50個で不良発生率を調べ
たところ6%であった。かなり厚い被加工物に対しても
効果があった。
【0086】ただし、加工条件はCO2 レーザの出力に
2.2kWの連続波(CW)、アシストガスとして酸素
ガス(ガス圧0.5kg/cm2 )を用い、加工速度
0.8m/minで加工を行った。
【0087】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、一旦形成した切断溝に沿ってレーザビームを後
退、前進移動させるように構成したので、通常のコーナ
手前を切断した後、連続してコーナ立ち上がりを切断す
る場合と異なり、切断前面の遅れによるコーナ部の溶損
が発生しなくなる。また再度前進する際の距離を十分と
ることで、ビーム移動速度が設定値に達し、切り出し時
に過剰入熱や入熱不足になることがなくなる。
【0088】請求項2記載の発明によれば、最初に後退
を開始する位置を、切断速度の立ち下がりに要する距離
分コーナより手前に設定するように構成したので、コー
ナの外側部分も良好に精度よく切断加工することができ
る。
【0089】請求項3記載の発明によれば、一時停止し
てレーザビーム照射を続け、請求項4記載の発明によれ
ば、この停止時間を規定するように構成したので、被加
工物が厚くても良好な切断面が得られる。
【0090】請求項5記載の発明によれば、レーザ照射
を停止し、レーザ照射ノズルと被加工物の相対移動を停
止して冷却時間をとることにより、被加工物が厚くても
コーナの溶損を防止できる。
【0091】請求項6記載の発明によれば、後退しコー
ナを切断するまでの過程で、一時レーザビーム照射を中
断して、レーザビーム移動軌跡上を気体あるいは液体で
冷却するように構成したので、コーナの切断を安定に行
うことができる。
【0092】請求項7記載の発明によれば、アシストガ
スを切断溝周辺に吹き付けるように構成したので、簡便
に強制冷却が可能である。
【0093】請求項8記載の発明によれば、アシストガ
スを吹き付ける場所を指定するように構成したので、冷
却効果の効率が上がる。
【0094】請求項9記載の発明によれば、アシストガ
スの吹き付け時間を規定するように構成したので、冷却
時間を効率よく設定でき、加工時間を短縮できる。
【0095】請求項10記載の発明によれば、最低必要
な後退量を加工条件や被加工物形状によって設定するよ
うに構成したので、加工時間を短縮できる。
【0096】請求項11、12記載の発明によれば、鋭
角を直角と鈍角に分けて切断加工するように構成したの
で、鋭角コーナを精度よく切断することができる。
【0097】請求項13記載の発明によれば、レーザビ
ームと被加工物の相対移動速度の立ち上がり、立ち下が
りに要する時間を、加工条件によって設定するように構
成したので、常に精度よく切断加工できる。
【0098】請求項14記載の発明によれば、切断進行
方向の延長上に切断溝幅以上の空間を設けたことによ
り、鋭角コーナでも溶損なく、精度よく切断加工でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ切断方法を実施する装置の概要図であ
る。
【図2】この発明におけるレーザ切断方法を実施するた
めCPUによって行う基本的な処理を示すフローチャー
トである。
【図3】この発明におけるレーザ切断方法を実施するた
めCPUによって行う補助的な処理を示すフローチャー
トである。
【図4】この発明におけるレーザ切断方法を実施するた
めCPUによって行う演算処理を示すフローチャートで
ある。
【図5】請求項1記載の発明の一実施例によるレーザ切
断方法を示す模式図である。
【図6】請求項1記載の発明の一実施例の動作順序を示
すフローチャートである。
【図7】請求項2記載の発明の一実施例によるレーザ切
断方法を示す模式図である。
【図8】請求項2記載の発明の一実施例の動作順序を示
すフローチャートである。
【図9】請求項3記載の発明の一実施例の動作順序を示
すフローチャートである。
【図10】請求項4記載の発明の一実施例の動作順序を
示すフローチャートである。
【図11】請求項4記載の発明の一実施例による切断特
性図である。
【図12】請求項4記載の発明の一実施例による他の切
断特性図である。
【図13】請求項5、6、7記載の発明の一実施例の動
作順序を示すフローチャートである。
【図14】請求項5、6、7記載の発明の一実施例によ
る切断特性図である。
【図15】請求項5、6、7記載の発明の一実施例によ
る他の切断特性図である。る。
【図16】請求項5、6、7記載の発明の一実施例にお
ける冷却ガス噴出装置を示す斜視図である。
【図17】請求項8、9記載の発明の一実施例の動作順
序を示すフローチャートである。
【図18】請求項8、9記載の発明の一実施例による切
断特性図である。
【図19】請求項8、9記載の発明の一実施例による他
の切断特性図である。
【図20】請求項10記載の発明の一実施例による切断
特性図である。
【図21】鋭角切断における溶損発生原因の説明図であ
る。
【図22】請求項11記載の発明の一実施例の動作順序
を示すフローチャートである。
【図23】請求項11記載の発明の一実施によるレーザ
切断方法を示す模式図である。
【図24】請求項12記載の発明の一実施例の動作順序
を示すフローチャートである。
【図25】請求項12記載の発明の一実施によるレーザ
切断方法を示す模式図である。
【図26】請求項13記載の発明の一実施例の動作順序
を示すフローチャートである。
【図27】請求項13記載の発明の一実施例による特性
図である。
【図28】請求項14記載の発明の一実施例の動作順序
を示すフローチャートである。
【図29】請求項14記載の発明の一実施によるレーザ
切断方法を示す模式図である。
【図30】請求項14記載の発明の一実施によるレーザ
切断方法を示す他の模式図である。
【図31】従来のレーザ切断方法を示す他の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 レーザビーム 2 被加工物 2a 切断溝(切断加工軌跡) 6 気体または液体(冷却媒体) A ビーム到達位置 B 予め設定した位置 C 変更する位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金岡 優 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物にレーザビームを照射し該レー
    ザビームのエネルギで該被加工物を切断するレーザ切断
    方法において、切断加工中に前記レーザビームが予め指
    定したビーム到達位置に達したら該レーザビームをそれ
    までの切断加工軌跡に沿って予め設定した位置まで後退
    させる第1の工程と、前記レーザビームを前記後退位置
    から前記切断加工軌跡に沿って切断進行方向を変更する
    位置まで前進させ該位置で切断進行方向を変更する第2
    の工程とを、前記被加工物と前記レーザビームを相対的
    に移動させて順次実行することを特徴とするレーザ切断
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ビーム到達位置を所定距離だけ、切
    断条件によって所望のコーナ位置より手前に設定したこ
    とを特徴とする請求項1記載のレーザ切断方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザビームが前記ビーム到達位置
    に達した時点で該レーザビームの移動を停止しビーム照
    射する第3の工程を実行することを特徴とする請求項1
    記載のレーザ切断方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程を10秒以下に設定した
    ことを特徴とする請求項3記載のレーザ切断方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程の開始時から切断進行方
    向の変更終了時に至る間の時点において、予め設定した
    時間、前記レーザビームの移動と照射を中断した後、再
    び前記レーザビームの移動と照射とを再開することを特
    徴とする請求項1記載のレーザ切断方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程の開始時から切断進行方
    向の変更終了時に至る間、あるいはその一部の期間、前
    記レーザビームの照射を中断し該中断期間に移動する該
    レーザビームに沿う前記切断加工軌跡上に冷却媒体を吹
    き付けることを特徴とする請求項1記載のレーザ切断方
    法。
  7. 【請求項7】 前記冷却媒体がアシストガスであること
    を特徴とする請求項6記載のレーザ切断方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザビームの移動と照射を中断す
    る位置を前記ビーム到達位置に設定したことを特徴とす
    る請求項6記載のレーザ切断方法。
  9. 【請求項9】 前記レーザビームの移動と照射を中断す
    る時間を、前記被加工物の材質、板厚、切断形状によっ
    て10秒以下に設定したことを特徴とする請求項6記載
    のレーザ切断方法。
  10. 【請求項10】 前記ビーム到達位置からの後退距離
    を、前記被工物の材質、板厚、切断形状によって設定す
    ることを特徴とする請求項1記載のレーザ切断方法。
  11. 【請求項11】 被加工物にレーザビームを照射し該レ
    ーザビームのエネルギで該被加工物を切断するレーザ切
    断方法において、鈍角に切断進行方向を変更した後に直
    角に切断進行方向を変更するか、直角に切断進行方向を
    変更した後に鈍角に切断進行方向を変更して、鋭角のコ
    ーナ部を切断加工することを特徴とするレーザ切断方
    法。
  12. 【請求項12】 被加工物にレーザビームを照射し該レ
    ーザビームのエネルギで該被加工物を切断するレーザ切
    断方法において、切断加工中に前記レーザビームが予め
    指定したビーム到達位置に達したら該レーザビームをそ
    れまでの切断加工軌跡に沿って予め設定した位置まで後
    退させる第1の工程と、前記レーザビームを前記後退位
    置から前記切断加工軌跡に沿って切断進行方向を変更す
    る位置まで前進させ該位置で切断進行方向を変更する第
    2の工程とを、前記被加工物と前記レーザビームを相対
    的に移動させて順次実行し、前記切断進行方向の変更位
    置では、鈍角に切断進行方向を変更した後に直角に切断
    進行方向を変更するか、直角に切断進行方向を変更した
    後に鈍角に切断進行方向を変更して、鋭角のコーナ部を
    切断加工することを特徴とするレーザ切断方法。
  13. 【請求項13】 被加工物にレーザビームを照射し該レ
    ーザビームのエネルギで該被加工物を切断するレーザ切
    断方法において、前記被加工物と前記レーザビームとの
    相対移動によるレーザビーム移動速度の立ち上がり及び
    立ち下がりに要する時間を、前記被加工物の材質、板
    厚、コーナ角度によって変更することを特徴とするレー
    ザ切断方法。
  14. 【請求項14】 被加工物にレーザビームを照射し該レ
    ーザビームのエネルギで該被加工物を切断するレーザ切
    断方法において、コーナ手前までの切断溝の進行方向延
    長線上に切断溝幅以上の広さの空間を設けるか、または
    コーナ立ち上がりの切断溝の進行方向の逆方向の延長線
    上に切断溝幅以上の広さの空間を設け、コーナ部を切断
    加工することを特徴とするレーザ切断方法。
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