JPH07236606A - 食器洗浄機の食器カゴ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな食器（大皿）であっても小さな食器
（小皿）であっても安定して保持できるようにし、食器
カゴの運搬中や食器洗浄機内での洗浄中に、皿同士が接
触して破損するのを防止すること。 【構成】 大皿保持部４は、枠体２内の後部に設けられ
ており、枠体２底面から互いに向かい合うように一対の
ピン８を立設し、この一対のピン８を矢印Ｘ方向に複数
組整列させたものである。そして、この一対のピン８
は、並行に直立した両ピンを途中から末広がりになるよ
う互いに反対方向に屈曲して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食器洗浄機の食器カゴ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、所定の間隔をおいて向かい合う一
対のピンを底面から立設し、さらにこの一対のピンを所
定の間隔で複数組整列させ、互いに隣設した一対のピン
同士の間に挟むようにして食器を立設保持する食器保持
部を有する食器洗浄機の食器カゴが数多くある。

【０００３】そして、従来、一対のピンは、図１１に示
すように、並行に直立したものであった。このようなも
のにあっては、ピンの間隔を小さい食器（例えば小皿）
に合わせており、これにより、小さい食器のみならず大
きい食器（例えば大皿）も保持できる。しかし、ピンの
間隔を小皿に合わせているので、大皿を保持した場合、
皿の中心部分しか支えることができず、皿の周縁部分が
動きやすく、不安定である。このため、食器カゴの運搬
中や食器洗浄機内での洗浄中に、皿同士が接触して破損
する虞があった。

【０００４】そこで、一対のピンを末広がりになるよう
に立設し、皿が大きくなってもできるだけ皿の周縁部分
を支えられるようにしたものがあり、例えば、実開平１
−１２７５５８号公報（Ａ４７Ｌ１５／５０）に示され
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このものにあ
っては、できるだけ大皿の周縁部分を支えるためにピン
の拡がる角度を大きく取ると、ピンが垂直に立っていた
ときには支えられた小皿が支えられなくなったり、ま
た、支えられても、図１２に示すように、皿の下部しか
支えられず、上部が動きやすくなってしまったりすると
いう問題があった。

【０００６】本発明は、このような問題点を解決するも
のであり、大きな食器（大皿）であっても小さな食器
（小皿）であっても安定して保持できるようにし、接触
による食器の破損の発生を防止することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上方開口状の
箱型の枠体内で、所定の間隔をおいて向かい合う一対の
ピンを底面から立設し、さらにこの一対のピンを所定の
間隔で複数整列させ、互いに隣設した一対のピン同士の
間に挟むようにして食器を立設保持する食器保持部を有
する食器洗浄機の食器カゴにおいて、前記一対のピン
は、並行に直立した両ピンを途中から末広がりになるよ
う互いに反対方向に屈曲して形成されたことを特徴とす
るものである。

【０００８】

【作用】小さい皿に対しては、一対のピンの下部、即ち
並行に直立した部分で、この皿の周縁部を主に支えるこ
とになり、これによって上部までしっかり支えられる。
また、皿の大きさがピンの根本の間隔より大きくありさ
えすれば支えることができる。

【０００９】一方、皿がある程度大きくなると、それ以
上の皿に対しても、一対のピンの上部、即ち末広がりに
拡がった部分で周縁部分をしっかり支えることができ
る。

【００１０】よって、大きな食器（大皿）であっても小
さな食器（小皿）であっても安定して保持できる。

【００１１】

【実施例】図１３は本発明の実施例の食器カゴが収容さ
れる食器洗浄機を示している。食器カゴは、この洗浄室
５０内の両側面に設けたレール５１上に載置される。こ
の食器洗浄機では、洗浄室５０の底部に溜められた水
が、ループ状のシーズヒータ５２で加熱されると共に、
洗浄ポンプ５３にて洗浄ノズル５４へと送られ、洗浄ノ
ズル５４の上面に設けられた噴出口５５からその上方に
載置された食器カゴに向かって噴射される。こうして、
食器カゴに収納されている食器類が洗浄される。

【００１２】以下、本発明の一実施例の食器カゴについ
て詳述する。図１乃至図５において、１は本発明の実施
例の食器カゴである。この食器カゴ１は金属線材を折り
曲げ、且つ溶接などにより組み合わせて形成され、樹脂
コーティングをほどこして仕上げられている。２は箱型
に形成した枠体で、この枠体２の底面や側面は格子状の
線材で構成されている。また、この枠体２の四隅には、
食器カゴ１を前記食器洗浄機内に入れるときに前記レー
ル５１上を転がるローラ３が設けられている。

【００１３】前記枠体２内には、種々の形態の食器保持
部が設けられている。この食器保持部としては、大きく
分けて、主に大皿を保持する大皿保持部４と、箸やスプ
ーンなどを保持する小物入れ５と、茶碗やお椀、どんぶ
りなど底の深い器を保持する椀保持部６と、主に小皿を
保持する小皿保持部７とがある。

【００１４】前記大皿保持部４は、枠体２内の後部に設
けられており、枠体２底面から互いに向かい合うように
一対のピン８を立設し、この一対のピン８を矢印Ｘ方向
に複数組整列させたものである。そして、この一対のピ
ン８は、並行に直立した両ピンを途中から末広がりにな
るよう互いに反対方向に屈曲して形成されている。な
お、前記一対のピン８の直立のした部分の間隔は、小皿
も保持できるように調整されている。そして、大皿保持
部４が本発明の食器保持部に相当し、大皿保持部４の一
対のピン８が本発明の一対のピンに相当する。

【００１５】前記小物入れ５は、樹脂成型品であり、ま
た、箸やスプーンなどが倒れにくくなるように複数の部
屋に細かく仕切られている。そして、前記大皿保持部４
の中に設けられた収納部９に着脱自在に取り付けられて
いる。

【００１６】前記椀保持部６は、枠体２内の前部に設け
られており、前記枠体の底面と前面とに結合し両者間に
位置するゲート１０を作り、このゲート１０を矢印Ｘ方
向に複数組整列させたものである。このゲート１０の中
央部１０ａは、図７の如く、茶碗やお椀の形状に合わせ
て横方向に湾曲させている。

【００１７】前記小皿保持部７は、正面から見て前記枠
体２の左側部に設けられており、枠体２底面から互いに
向かい合うように一対のピン１１を立設し、この一対の
ピン１１を複数組整列させたものである。そして、この
一対のピン１１は、互いに並行に直立したピンである。
特に、この小皿保持部７の中央部には、長い一対のピン
１１ａと短い一対のピン１１ｂが交互に並べられた保持
部を有している。

【００１８】１２は前記小皿保持部７の上方に設けら
れ、グラスや湯のみなどを載せるカップ棚である。この
カップ棚１２は浅底状となっており、外側の前・後端部
は、前記枠体２の前面及び後面に設けられた一対の支持
棒１３に回転自在に支持されている。１４はこのカップ
棚１２の外側を覆う枠であり、この枠１４の前・後下端
部には、一対のストッパー１５が設けられている。

【００１９】１６は前記カップ棚１２を二分割する仕切
りである。前記カップ棚１２は、この仕切り１６によ
り、前記枠１４に囲われた第１棚１７と、枠に囲われて
いない第２棚１８に分けられる。前記第１棚１７にはグ
ラスなどの背の高いカップが載せられ、第２棚１８には
小鉢や湯のみなどの背の低いカップが載せられる。

【００２０】前記カップ棚１２は、使用しないときに
は、前記枠１４に沿って立てられ、使用時には前記スト
ッパー１５に支えられて、前記小皿保持部７の上方に設
置される。このときには、枠１４側に向かって下方にや
や傾いており、これによって、第１棚１７に載せられた
グラスなどが枠１４で支えられるように、また、第２棚
１８に載せられた小鉢などが前記仕切り１６に支えられ
るようにしている。

【００２１】なお、前記仕切り１６を高くすると、前記
第２棚１８に載せられた小鉢などをより安定して支えら
れる。しかし、仕切り１６を高くすると、前記カップ棚
１２を前記枠１４に沿って立てたときに、カップ棚１２
が枠１４にしっかりと寄りかからないうちに仕切り１６
が枠１４を構成する縦の線材１９に当ることになり、カ
ップ棚１２が内側に倒れやすくなる。これにより、下の
カゴに食器を入れる作業をしているときにカップ棚１２
が倒れてきて、作業の邪魔になる虞がある。

【００２２】一方、この場合、前記支持棒１３を枠１４
から一層離し、カップ棚１２を枠１４に向けて一層回転
できるようにすると、カップ棚１２はしっかり枠１４に
よりかかり、内側に倒れにくくなる。しかし、この場合
は、カップ棚１２の左端部が枠１４からかなり離れた状
態となる。これは、カゴの側面、即ち枠１４とカップ棚
１２との間に隙間ができることを意味し、カップ棚１２
に載せたものが落ちる虞がある。

【００２３】ここでは、前記仕切り１６に、前記枠１４
の縦の走る線材１９に対応して凹部２０を設けており、
前記カップ棚１２を枠１４に沿って立てたときに凹部２
０に前記線材１９を収容するようにしているので（図６
参照）、仕切り１６を高くしてもカップ棚１２をしっか
りと真っ直に立てることができる。

【００２４】２１は前記第１棚１７の底面から立設した
カップ保持部材で、複数の山２２が連なった波型をして
いる。このカップ保持部材２１は、前記仕切り１６の近
く、即ち第１棚１７の斜面（傾斜している底面）の上側
に設けられている。

【００２５】さて、上記構成のもと、図７及び図８にお
いて、実際に本実施例の食器カゴに食器類を収容した状
態を示す。ここでは、カップ棚１２を重ねると、カップ
棚１２の下方の小皿保持部７が見えないので、図７と図
８とに分けて示している。

【００２６】椀保持部６では、茶碗２３やお椀２４は、
椀内部にゲート１０の湾曲した中央部１０ａを入れるよ
うにして設置しており、この中央部１０ａで椀の内面を
支えるようにして固定している。

【００２７】大皿保持部４では、大皿２５は、隣設した
一対のピン８の間に挟まれると共に、図９に示すよう
に、その糸尻部２５ａを一対のピン８の間に収容するよ
うにして立設保持されており、一対のピン８の上部、即
ち末広がりに拡がった部分８ａで糸尻部２５ａの外側、
即ち皿の周縁部が支えられている。これにより、大皿２
５が安定して支えられる。

【００２８】また、この大皿保持部４に小皿２６を保持
する場合であっても、一対のピン８の下部、即ち並行に
直立した部分８ｂで、この皿の周縁部を主に支えること
になり、上部までしっかり支えられる。また、この小皿
２６の大きさがピンの根本の間隔（Ｐ）より大きくあり
さえすれば支えることができる。

【００２９】小皿保持部７の中央部では、長い一対のピ
ン１１ａと短い一対のピン１１ｂが交互に並べられてい
るので、図１０に示すように、長・短全ての一対のピン
の間で小皿２７を立設保持することもできるし、長い一
対のピン１１ａの間だけを用いてお椀２８を保持するこ
ともできる。

【００３０】カップ棚１２の第１棚１７では、グラス２
９がカップ保持部材２１の山２２の上に載せられること
に設置位置が規制されると共に、横方向に動かないよう
固定される。これにより、グラス２９同士が離して設置
され、くっつくことがない。

【００３１】従来の棚では、グラスの位置を規制するも
のがなく、隣のグラス同士がくっつくことがあり、くっ
ついた部分が洗浄されなかったり、くっついた部分に入
り込んだ水が乾かずに残ったりすることがあった。

【００３２】これに対し、本実施例のカップ棚では、グ
ラス同士が離して設置され、くっつくことがないので、
グラス全周が確実に洗浄、乾燥される。

【００３３】しかも、カップ保持部材２１は、山２２の
中腹内にさえ収まればグラスを固定できるので、口の大
きさに制約されず、種々グラスを保持できる。さらに、
カップ保持部材２１を第１棚１７の斜面の上側に設けて
いるので、グラスをさらに枠１４側へ傾けて、グラスを
確実に枠１４で支えさせることができる。（もし、斜面
の下側に設けると、せっかくカップ棚１２に傾斜をつけ
てグラスを枠１４で支えようとしているのに、グラスを
カップ保持部材２１に載せるとグラスが真っ直に立つ状
態になり不安定になる。）よって、グラスを前後にも安
定して保持することができる。

【００３４】なお、このカップ保持部材２１は、第２棚
１８にも設けるようにしてもよい。

【００３５】

【発明の効果】本発明の食器カゴの構成によれば、枠体
内の底面から立設され、食器を立設保持する一対のピン
を、並行に直立した両ピンを途中から末広がりになるよ
う互いに反対方向に屈曲して形成しているので、大きな
食器（大皿）であっても小さな食器（小皿）であっても
安定して保持できる。

【００３６】したがって、食器カゴの運搬中や食器洗浄
機内での洗浄中に、皿同士が接触して破損するのを防止
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である食器カゴの構成を示す
斜視図である。

【図２】同じく種々の食器保持部の構成を示すカップ棚
を外した食器カゴの平面図である。

【図３】同じくカップ棚の構成を示す平面図である。

【図４】同じくカップ棚の構成を示す正面図である。

【図５】同じくカップ棚の設置状態を示す食器カゴの正
面図である。

【図６】同じくカップ棚が枠に沿って立てられたとき
に、仕切りの凹部に枠の線材が収容される状態を示す図
５のＡ−Ａ断面図である。

【図７】同じく食器カゴの各食器保持部に食器が収容さ
れた状態を示す平面図である。

【図８】同じくカップ棚に食器が収容された状態を示す
平面図である。

【図９】同じく大皿保持部での食器の保持状態を示す食
器カゴの側面図である。

【図１０】同じく小皿保持部の中央部での食器の保持状
態を示す食器カゴの正面縦断面図である。

【図１１】従来の食器カゴにおける食器を保持するピン
の構成を示す図である。

【図１２】従来の他の食器カゴにおける食器を保持する
ピンの構成を示す図である。

【図１３】本発明実施例の食器カゴが収容される食器洗
浄機の構造を示す側面縦断面図である。

【符号の説明】

２ 枠体 ４ 大皿保持部（食器保持部） ８ 一対のピン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方開口状の箱型の枠体内で、所定の間
   隔をおいて向かい合う一対のピンを底面から立設し、さ
   らにこの一対のピンを所定の間隔で複数組整列させ、互
   いに隣設した一対のピン同士の間に挟むようにして食器
   を立設保持する食器保持部を有する食器洗浄機の食器カ
   ゴにおいて、前記一対のピンは、並行に直立した両ピン
   を途中から末広がりになるよう互いに反対方向に屈曲し
   て形成されたことを特徴とする食器洗浄機の食器カゴ。