JPH07235969A - 電子電話機 - Google Patents

電子電話機

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JPH07235969A
JPH07235969A JP33935894A JP33935894A JPH07235969A JP H07235969 A JPH07235969 A JP H07235969A JP 33935894 A JP33935894 A JP 33935894A JP 33935894 A JP33935894 A JP 33935894A JP H07235969 A JPH07235969 A JP H07235969A
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signal
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Toshio Yoshida
敏夫 吉田
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道宙 宍戸
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 周囲のノイズレベルが高い場合でも十分な通
話明瞭度を得ることができる小型の電子電話機を提供す
る。 【構成】 回帰性判定回路201によって検出した送話
音響信号D1からのノイズ成分のパワーをノイズレベル
判定回路202で第1しきい値と比較し、第1しきい値
以上の場合差分回路204で送話音響信号からノイズ成
分を除去する。更に、ノイズ成分のパワーが第1しきい
値より高い第2しきい値以上に上昇すると、所望の通話
明瞭度を得るために必要な周波数範囲のレベル変更範囲
と、受話音響信号の周波数スペクトルのレベル変更量
と、受話音響信号の周波数スペクトルがノイズ成分の周
波数スペクトルのレベル以上になるレベル変更方向と、
を決定する周波数スペクトルレベル制御部301に基づ
いて受話音響信号の周波数スペクトルレベルを変更する
デジタルフィルタ303とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子電話機に係り、特に
周囲の騒音を検出して通話品質を改善する電子電話機に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の進歩に伴って移動電
話機が広く普及し、電話ボックスなどの限られた場所だ
けでなく、何処にいても手軽に電話による会話ができる
ようになった。この通話場所を選ばない点は移動電話機
の大きな特徴であるが、騒音の大きい環境下で使用され
る場合には、通話品質が劣化するという問題を含んでい
る。
【0003】特開昭63−191447号公報には、ノ
イズ抑制機能を備えた電話機が開示されている。図7に
示すように、従来の電話機には、周囲の騒音レベルを検
出するためのマイクロフォン40及び騒音検出回路30
が設けられている。騒音検出回路30は、騒音レベル信
号S20を受話回路34、フィルタ回路37及び着信回
路39へそれぞれ出力する。この騒音レベル信号S20
に従って、受話回路34及び着信回路39の利得が調整
され、更にフィルタ回路37の周波数特性が制御され
る。
【0004】線路を通して線路端子32に着呼がある
と、着信回路39は着呼信号S21を生成し、これによ
ってスピーカ31が鳴動する。着信回路39の利得は騒
音レベル信号S20によって調整されるから、着信報知
音は周囲の騒音に応じて自動的に音量調整される。
【0005】回線が設定されると、ハイブリッド回路3
3を通して受信された信号が受話回路34に入力し、受
話回路34は受話音響信号S22を受話器(即ちスピー
カ)38へ出力する。受話回路34の利得は騒音レベル
信号S20によって調整されるから、スピーカ38から
出力する受話音声は周囲の騒音レベルに応じて自動的に
音量制御される。他方、送話器(即ちマイクロフォン)
36は、送話音響信号S23をフィルタ回路37へ出力
する。フィルタ回路37はハイパスフィルタからなり、
そのカットオフ周波数が騒音レベル信号S20によって
変化する。従って、カットオフ周波数より低い騒音周波
数成分が送話音響信号S23から除去され、送話回路3
5へ出力される。送話回路35は、ハイブリッド回路3
3を通して送話信号を線路へ送出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電話機では、周囲の騒音を検出するためのマクロフ
ォンを別個に設ける必要があり、しかも騒音だけを集音
するために送話器36から離れた位置に設置する必要が
ある。このために、従来の騒音抑制システムを採用する
と、電話機の小型化及び軽量化が困難となり、特に移動
電話機にとって不都合となる。
【0007】本発明の目的は、周囲の騒音レベルが高い
場合でも、十分な通話品質を得ることができる小型の電
子電話機を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、周囲のノイズレベル
が高い場合でも、十分な通話明瞭度を得ることができる
小型の電子電話機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による電子電話機
は、送話器から出力する送話音響信号からノイズ成分を
検出するノイズ検出手段と、ノイズ成分のパワーレベル
と第1しきい値とを比較することでノイズ成分のノイズ
レベルを判定するノイズレベル判定手段と、ノイズレベ
ルが第1しきい値以上である場合に送話音響信号からノ
イズ成分を除去するノイズ除去手段と、からなることを
特徴とする。
【0010】更に、本発明による電子電話機は、ノイズ
レベルが前記第1しきい値より大きい第2しきい値以上
である場合、そのノイズレベルに基づいて、所望の通話
明瞭度を得るために必要な下限周波数以下の周波数範囲
及び必要下限周波数を超える周波数範囲の少なくとも一
方からなるレベル変更範囲と、受話音響信号の周波数ス
ペクトルのレベル変更量と、受話音響信号の周波数スペ
クトルがノイズ成分の周波数スペクトルのレベル以上に
なる受話音響信号の周波数スペクトルのレベル変更方向
と、を決定するレベル変更判定手段と、これらレベル変
更範囲、レベル変更量、及びレベル変更方向に基づいて
受話音響信号の周波数スペクトルレベルを変更する周波
数特性変更手段と、からなることを特徴とする。
【0011】
【作用】送話音響信号からノイズ成分を検出し、そのノ
イズレベルに基づいて送話音響信号からノイズ成分を除
去する。更に、ノイズレベルが高い場合には、そのノイ
ズレベルに基づいて受話音響信号の周波数スペクトルを
所定の通話明瞭度が得られるように必要下限周波数を境
にレベル調整を行う。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例である携帯電話
機を示すブロック図である。本実施例の受話部は、アン
テナ101、受信部102、デジタル信号処理装置(D
SP)103の受話部104〜107、D/A変換器1
08、音量コントローラ109、増幅器110、及びス
ピーカ111からなる。また、送話部は、マイクロフォ
ン112、増幅器113、A/D変換器114、DSP
103の送話部115〜117、及び送信部118から
なる。
【0014】本実施例の主要動作は、DSP103がメ
モリ119に格納された制御ソフトウエアを用いること
で実行される。DSP103の受話部は、チャネルデコ
ーダ104、スピーチデコーダ105、周波数特性制御
部106、及び側音除去部107からなり、送話部は騒
音除去回路115、スピーチコーダ116、及びチャネ
ルコーダ117からなる。
【0015】受信部102はアンテナ101を通して電
波を受信し、デジタル受信信号D6をチャネルデコーダ
104へ出力する。デジタル受信信号D6はチャネルデ
コーダ104によって復号化され、更にスピーチデコー
ダ105によってデジタル音響信号D7へ復号化され
る。デジタル音響信号D7は、スピーチデコーダ105
から周波数特性制御部106へ出力され、そこでデジタ
ル音響信号D7の周波数特性がノイズレベル判定信号D
2に従って変更される。周波数特性制御部106の出力
信号D8と騒音除去回路115からの側音抑制信号D3
とを入力し、側音除去部107はデジタル音響信号D8
から側音成分D3を除去し、デジタル音響信号D9をD
/A変換器108へ出力する。D/A変換器108によ
って、デジタル音響信号D9はアナログ音響信号A2に
変換され、更に音量コントローラ109及び増幅器11
0を通してスピーカ111へ出力される。
【0016】他方、送話部では、マイクロフォン112
から出力したアナログ音響信号A1が増幅器113によ
って増幅され、更にA/D変換器114によってデジタ
ル音響信号D1に変換される。このデジタル音響信号D
1を用いて、後述するように騒音除去回路115はノイ
ズレベルを判定し、更にデジタル音響信号D1からノイ
ズ成分を除去する。なお、騒音除去回路115は、周波
数特性制御部106へノイズレベル判定信号D2を、側
音除去部107へ側音信号D3を、それぞれ出力する。
ノイズ成分が除去されたデジタル音響信号D4はスピー
チコーダ116、更にチャネルコーダ117によってそ
れぞれ符号化され、その符号化信号D5は送信部118
によってアンテナ101を通して無線送信される。
【0017】騒音除去回路115 図2は、本実施例における騒音除去回路の構成を示すブ
ロック図である。同図に示すように、騒音除去回路11
5は、回帰性判定回路210、ノイズレベル判定回路2
02、バッファ203、及び制御可能な差分回路204
からなる。回帰性判定回路201は、現在の音響信号と
以前の音響信号とを比較することでデジタル音響信号D
1の繰り返しを検出する。デジタル音響信号D1に繰り
返しが発生した場合には、回帰性判定回路201はノイ
ズ検出信号をノイズレベル判定回路202へ出力する。
【0018】回帰性判定回路201からノイズ検出信号
を入力すると、ノイズレベル判定回路202は、そのと
きのデジタル音響信号D1をノイズ信号として入力し、
そのパワーレベル(以下、ノイズレベルという。)を判
定する。ここでは、ノイズレベルを小、中、大、及び非
常に大、という4段階で判定する。例えば、ノイズレベ
ル判定回路202に予め3つのしきい値を設定してお
き、ノイズパワーが低しきい値より小さい場合にはノイ
ズレベルを「小」、低しきい値以上で高しきい値より小
さい場合には「中」、高しきい値以上でレベル限度Lt
hより小さい場合には「大」、レベル限度Lth以上の
場合には「非常に大」と判定する。レベル限度Lth
は、音量コントローラ109において音声歪みが生じな
い受話音響信号の最大レベルである。このようなノイズ
レベル判定信号D2がノイズレベル判定回路202から
バッファ203、制御可能差分回路204、及び周波数
特性制御部106へそれぞれ出力される。
【0019】バッファ203は入出力制御部(図示せ
ず)によって書き込み/読み出し制御が行われるが、こ
こではノイズレベル判定信号D2が「中」、「大」又は
「非常に大」のいずれかを示すときのみデジタル音響信
号D1を格納する。言い換えれば、ノイズレベルが低し
きい値以上である場合には、バッファ203は常にノイ
ズ信号を格納し更新される。
【0020】制御可能差分回路204は、ノイズレベル
判定信号D2に従って、バッファ203に格納されたノ
イズ信号をデジタル音響信号D1から除去する。具体的
には、ノイズレベル判定信号D2が「中」、「大」ある
いは「非常に大」のいずれかである場合、デジタル音響
信号D1からノイズ信号を差し引く差分動作を行い、ノ
イズレベル判定信号D2が「小」であるときには差分動
作を行わない。制御可能差分回路204の出力信号D4
は、送話音響信号としてスピーチコーダ116へ出力さ
れ、更に側音抑制信号D3として側音除去部107へ出
力される。
【0021】周波数特性制御部106 図3は、本実施例における周波数特性制御部のブロック
図である。同図に示すように、周波数特性制御部106
は、周波数スペクトルレベル制御部301、係数制御部
302、及びデジタルフィルタ303からなる。周波数
スペクトルレベル制御部301は、騒音除去回路115
からノイズレベル判定信号D2を入力する。このノイズ
レベル判定信号D2に従って、周波数特性制御部106
は、必要下限周波数Afより低い周波数領域の受話スペ
クトルレベルを制御する制御信号SC1と、必要下限周
波数Afより高い周波数領域のスペクトルレベルを制御
する制御信号SC2とを係数制御部302へ出力する。
係数制御部302は、レベル制御信号SC1及びSC2
に従って、デジタルフィルタ303のフィルタ係数を必
要下限周波数Afを境に変化させる(図6参照)。
【0022】必要下限周波数Afは、70%以上の明瞭
度を得るために必要な周波数帯域の下限周波数であり、
本実施例ではAf=1kHzに設定されている。この必
要下限周波数Afは、多くの場合、1kHzに定めるこ
とができるが、周囲の騒音の程度や周波数特性によって
は、所定明瞭度を確保するために1kHzより高くある
いは低く設定することもあり得る。
【0023】図4は本実施例の動作を示すフローチャー
トである。回帰性判定回路201によってデジタル音響
信号D1にノイズが検出されると(S501)、ノイズ
レベル判定回路202はそのときのノイズパワーレベル
を測定し(S502)、上述したノイズレベル判定信号
D2を出力する(S503)。
【0024】ノイズレベルが「小」の時には、周波数ス
ペクトルレベル制御部301は受話音響信号D8が平坦
なスペクトルS3(図6参照)を維持するように、制御
信号SC1及びSC2を係数制御部302へ出力する
(S504)。また、制御可能差分回路204は、デジ
タル音響信号D1に対して差分動作を行わず、そのまま
スピーチコーダ116へ出力する。
【0025】ノイズレベルが「中」の時には、周波数ス
ペクトルレベル制御部301は同じく受話音響信号D8
が平坦なスペクトルS3となるようにスペクトル制御を
行うが(S505)、制御可能差分回路204はデジタ
ル音響信号D1からバッファ203に格納されたノイズ
成分を除去する差分動作を行う(S506)。
【0026】ノイズレベルが「大」あるいは「非常に
大」の時には、周波数スペクトルレベル制御部301は
後述するスペクトル制御を行い(S507)、制御可能
差分回路204はデジタル音響信号D1からバッファ2
03に格納されたノイズ成分を除去する差分動作を行う
(S508)。
【0027】次に、周波数特性制御(S507)につい
て図5を参照しながら具体的に説明する。
【0028】図5は本実施例における周波数特性制御を
示すフローチャートである。ノイズレベルが「大」と判
定された場合(S601)、周波数スペクトルレベル制
御部301は、必要下限周波数Afより低い周波数領域
(低域)において受話音響信号D7がノイズレベルより
も高いレベルとなるようにレベル上昇量を決定し(S6
02)、必要下限周波数Afより低い周波数領域におけ
るレベル上昇制御信号SC1を生成する(S603)。
この制御信号SC1に従って、係数制御部302はデジ
タルフィルタ303のフィルタ係数を変更し、必要下限
周波数Afより低い周波数領域において受話音響信号D
8のスペクトルレベルをノイズスペクトルレベルより上
昇させ、必要下限周波数Afより高い周波数領域(高
域)では変化させない(S604)。
【0029】他方、ノイズレベルが非常に大であれば
(S601)、周波数スペクトルレベル制御部301は
低域のレベル上昇では対処できないと判断し、音声基本
フォルマント領域をあきらめ、所定明瞭度を確保するた
めに必要な周波数Af以上の高域における受話音響信号
D7のレベルを上昇させる。即ち、周波数スペクトルレ
ベル制御部301は、周波数Afより高域においてノイ
ズスペクトル以上のレベルに受話スペクトルを上昇させ
るようにレベル変更量を決定する(S605)。このレ
ベル変更量は、低域における受話スペクトルレベルの低
下量としても使用される。このレベル変更量に従って、
周波数スペクトルレベル制御部301は、低域のレベル
を下降させる制御信号SC1と高域のレベルを上昇させ
る制御信号SC2とを生成し、係数制御部302へ出力
する(S606)。これに従って、係数制御部302
は、デジタルフィルタ303のフィルタ係数を変化させ
ることで受話音響信号D7の高域スペクトルレベルをノ
イズスペクトルレベル以上に上昇させ、低域スペクトル
レベルを同じレベルだけ低下させる(S607)。
【0030】このように、必要下限周波数Afより高域
において受話音響信号D7のスペクトルのレベルを上昇
させ、且つ、周波数Afより低域において下降させるこ
とで、明瞭度を確保しつつ消費電力の増加を抑制するこ
とができる。
【0031】次に、本実施例における周波数特性制御の
具体例を図6を参照しながら説明する。
【0032】図6は、ノイズレベルが「大」及び「非常
に大」の場合の本実施例における受話音響信号及びノイ
ズのスペクトル振幅分布を示すグラフである。同図にお
ける記号f1〜f5は、1/fノイズの一般的なスペク
トル分布を示し、記号f1からf5の方向へノイズレベ
ルが下降している。記号S1〜S5は受話音響信号D8
のスペクトル分布を示し、記号S3が基準となる平坦化
されたスペクトル分布であり、他の記号がスペクトル制
御された受話音響信号D8のスペクトル分布を表す。た
だし、ここでは周波数帯域幅を300Hz〜3.4kH
zとする。
【0033】本実施例の周波数特性制御は受話音響の明
瞭度を向上させるように受話音響信号D7のスペクトル
分布を調整する。従って、所定明瞭度得るための必要な
1kHz以上の高域において受話スペクトルSがノイズ
スペクトルf以上になるように、周波数特性を調整する
ことが重要である。
【0034】先ず、ノイズスペクトルがスペクトル分布
f3である場合、1kHz以下の低域がノイズスペクト
ルf3によってマスクされている。即ち、所定明瞭度に
関係する1kHz〜3.4kHzの周波数領域では、受
話スペクトルS3のレベルはノイズスペクトルf3より
高いが、300〜1kHzの周波数範囲では低くなって
いる。そのノイズスペクトルf3と受話スペクトルS3
との最大レベル差はレベル変更限度Lthより小さいか
ら、曲線S5で示すように、所定周波数帯域の最低周波
数300Hzでのノイズレベルまで、受話スペクトルS
3のレベルを上昇させる(例えば、レベル上昇量10d
B)。
【0035】このレベル上昇量に従って、周波数スペク
トルレベル制御部301はレベル制御信号SC1を係数
制御部302へ出力し、曲線S5で示す受話スペクトル
分布を得る。即ち、レベル制御信号SC1によって、3
00〜1kHzの周波数範囲での受話スペクトルは10
dB上昇してノイズスペクトル以上となり、1kHz〜
3.4kHzの高域での受話スペクトルは変化しない
(図5のS604)。
【0036】ノイズレベルが低下して曲線f4で示すノ
イズスペクトル分布になった場合には、受話スペクトル
S3の低域の一部がマスクされるだけである。従って、
周波数スペクトルレベル制御部301は、上述した制御
と同様に、最低周波数300Hzでのノイズレベルまで
受話スペクトルS3を上昇させ(例えば、レベル上昇量
5dB)、曲線S4で示す受話スペクトル分布を得る。
【0037】周囲のノイズが一定レベル以上となり、例
えばノイズスペクトルf2と受話スペクトルS3との最
大レベル差がレベル変更限度Lthを超えると、周波数
スペクトルレベル制御部301は、1kHz〜3.4k
Hzの高域における受話スペクトルを上昇させ、逆に3
00〜1kHzの低域における受話スペクトルを同じレ
ベルだけ低下させる。このレベル変更量は、高域におい
て受話スペクトルがノイズスペクトルf2以上になるよ
うに決定される。具体的には、周波数1kHzでのノイ
ズスペクトルf2と受話スペクトルS3とのレベル差が
レベル変更量として設定される。ノイズスペクトルf2
の場合ではレベル変更量は5dB程度であり、高域を5
dBだけ上昇させ、低域を5dBだけ低下させる。こう
して、受話スペクトルは、曲線S2に示すように1kH
z前後で傾斜を有するスペクトル分布となる。同様にし
て、ノイズスペクトルf1の場合は、10dB程度のレ
ベル変更量が決定され、受話スペクトルは曲線S1に示
すスペクトル分布となる(図5のS607)。
【0038】このように、記号f2及びf1に示すよう
に周囲のノイズレベルが限度を超えて高くなると、必要
下限周波数Af以下の低域成分レベルを低下させ高域成
分レベルを上昇させることで、エネルギーを明瞭度確保
に集中させることができる。従って、高ノイズの環境で
あっても、十分な明瞭度で通話でき、しかも消費電力を
抑制することができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、送話音響信号からノイズ成分を検出し、そのノイ
ズレベルがある値以上に大きい場合には、そのノイズ成
分を送話音響信号から除去し、更にノイズレベルがある
レベル限度以上の大きさである場合には、受話音響信号
の低域スペクトルレベルを減少させ、高域スペクトルレ
ベルを上昇させる。これによって、周囲の騒音レベルが
高い環境であっても、十分な明瞭度での通話が可能とな
る。また、送話音響信号からノイズを検出し、そのレベ
ルに応じて送話音響信号からノイズ成分を除去し、また
受話音響信号のスペクトル制御を行うために、別個に騒
音検出用のマイクロフォンを設置する必要が無く、電話
機を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である移動電話機の構成を示
すブロック図である。
【図2】本実施例における騒音除去回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】本実施例における周波数特性制御部の構成を示
すブロック図である。
【図4】本実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4におけるスペクトル制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図6】本実施例における受話音響信号及びノイズのス
ペクトル振幅分布を示すグラフである。
【図7】従来の電話機の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 アンテナ 102 受信部 103 DSP 104 チャネルデコーダ 105 スピーチデコーダ 106 周波数特性制御部 107 側音除去部 108 D/A変換器 109 音量コントローラ 110 増幅器 111 スピーカ 112 マイクロフォン 113 増幅器 114 A/D変換器 115 騒音除去回路 116 スピーチコーダ 117 チャネルコーダ 118 送信部 119 DSP制御ソフトウエアメモリ 201 回帰性判定回路 202 ノイズレベル判定回路 203 バッファ 204 制御可能差分回路 301 周波数スペクトルレベル制御部 302 係数制御部 303 デジタルフィルタ Lth レベル変更限度値 Af 明瞭度確保に必要な下限周波数 S1−S5 受話音響信号の周波数スペクトル分布 f1−f5 ノイズ周波数スペクトル分布

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送話音響信号を出力する送話器と受話音
    響信号を入力する受話器からなる電子電話機において、 前記送話音響信号からノイズ成分を検出するノイズ検出
    手段と、 前記ノイズ成分のパワーレベルと第1しきい値とを比較
    することで前記ノイズ成分のノイズレベルを判定するノ
    イズレベル判定手段と、 前記ノイズレベルが前記第1しきい値以上である場合に
    前記送話音響信号から前記ノイズ成分を除去するノイズ
    除去手段と、 からなることを特徴とする電子電話機。
  2. 【請求項2】 前記ノイズ検出手段は、前記送話音響信
    号の繰り返しの発生を検出する回帰性検出手段からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電子電話機。
  3. 【請求項3】 前記ノイズ除去手段は、 前記ノイズレベルが前記第1しきい値以上である場合に
    前記ノイズ成分を格納する格納手段と、 前記ノイズレベルが前記第1しきい値以上である場合
    に、前記送話音響信号から前記格納手段に格納された前
    記ノイズ成分を減算する差分手段と、 からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電子電
    話機。
  4. 【請求項4】 前記ノイズレベルが前記第1しきい値よ
    り大きい第2しきい値以上である場合、前記ノイズレベ
    ルに基づいて、所望の通話明瞭度を得るために必要な下
    限周波数以下の周波数範囲及び前記必要下限周波数を超
    える周波数範囲の少なくとも一方からなるレベル変更範
    囲と、前記受話音響信号の周波数スペクトルのレベル変
    更量と、前記受話音響信号の周波数スペクトルが前記ノ
    イズ成分の周波数スペクトルのレベル以上になる前記受
    話音響信号の周波数スペクトルのレベル変更方向と、を
    決定するレベル変更判定手段と、 前記レベル変更範囲、前記レベル変更量、及び前記レベ
    ル変更方向に基づいて、前記受話音響信号の周波数スペ
    クトルレベルを変更する周波数特性変更手段と、 を更に有することを特徴とする請求項1記載の電子電話
    機。
  5. 【請求項5】 前記周波数特性変更手段はフィルタ係数
    可変のデジタルフィルタからなり、前記レベル変更範
    囲、前記レベル変更量、及び前記レベル変更方向に基づ
    いて前記フィルタ係数が変更される、ことを特徴とする
    請求項4記載の電子電話機。
  6. 【請求項6】 前記ノイズ除去手段の出力である送話音
    響信号を側音抑制信号として使用し、前記受話音響信号
    から側音を除去する側音除去手段を更に有することを特
    徴とする請求項1又は4記載の電子電話機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008034928A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Kenwood Corp 音声入出力装置及びプログラム
US7983908B2 (en) 2006-04-19 2011-07-19 Oki Electric Industry Co., Ltd. Noise-canceling device for voice communication terminal using configurable multiple digital filters
JP2015111834A (ja) * 2009-04-28 2015-06-18 ボーズ・コーポレーションBosecorporation 音依存のanr信号処理調整
JP2017201351A (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 大井電気株式会社 無線装置

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