JPH0723133Y2 - 気動工具用２方向切換弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、気動工具に供給される圧縮エアを制御する気
動工具用２方向切換弁に関する。

（従来の技術） 例えば、成形品のゲートを切断するためのエアニッパ等
の気動工具において、初期に供給される圧縮エアで気動
工具本体を所定方向に移動させ、その後所定時間遅延し
て供給された圧縮エアでカッタを作動させて所定位置で
ゲートを切断させるべくエアを制御する気動工具用の２
方向切断弁があった。例えば、特開昭59−144802号公報
に示される如くである。

（考案が解決しようとする課題） 特開昭59−144802号公報に開示に２方向切換弁の構造に
よれば、気動工具本体を所定方向に移動させるメイン流
路が、弁本体の給気口からピストン内を径方向に通って
第１送気口に至る流路とされ、カッタを作動させるサブ
流路が、給気口からピストン内を軸方向に通って第２送
気口に至る流路とされ、圧縮エア非供給時はピストン内
の軸方向通路はバネによって押圧されたボールによって
遮断されており、サブ流路は遮断されている。そして圧
縮エアを供給すれば、メイン流路を通じて第１送気口か
ら圧縮エアが気動工具側に供給されると共に、メイン流
路から分岐したエアによりピストンが戻しバネに抗して
移動される。このピストンの移動によってボールがバネ
に抗して押動され、サブ流路が開通し、ここに所定時間
遅延して第２送気口から圧縮エアが気動工具側に供給さ
れるよう構成されている。

しかしながら、上記構造によれば、ピストン内にボール
やボールを付勢するバネを組込む必要があり、部品点数
が多く構造が複雑となる問題がある。

そこで、本考案は上記問題点に鑑み、部品点数を削減し
て構造の簡素化を図った気動工具用２方向切換弁を提供
することを目的とする。

（課題を解決するための手段） その技術的手段は、弁本体１内に給気口20から第１送気
口15に至るメイン流路24と、給気口20から第２送気口５
に至るサブ流路25とが設けられ、メイン流路24から分岐
された圧縮エアにより一端側を押圧され、戻しバネ９に
抗してシリンダ室２の他端側にピストン３を移動させて
サブ流路25を開通させ、給気口20に供給された圧縮エア
を第１送気口15から供給すると共に、所定時間遅延させ
て第２送気口５から供給する気動工具用２方向切換弁に
おいて、メイン流路24は給気口20からシリンダ室２内周
面に形成された周方向の凹溝19を通じて第１送気口15に
至る流路とされ、サブ流路25は給気口20から、ピストン
３の前記他端側移動により凹溝19と連通するピストン３
に形成された連通孔11及びピストン３内通路８を通じて
第２送気口５に至る流路とされ、ピストン３の戻しバネ
９による戻り位置で、凹溝19と連通孔11とが非連通状態
とされてなる点にある。

（作用） 本考案によれば、圧縮エアの非供給状態にあっては、戻
しバネ９によりピストン３は戻り位置に保持され、サブ
流路25を構成する凹溝19と連通孔11とが非連通状態とさ
れ、サブ流路25は遮断状とされている。

圧縮エアが給気口20から供給されると、メイン流路24を
通じて第１送気口15から気動工具の所定流路に圧縮エア
が供給される。この際に、圧縮エアの一部がメイン流路
24から分岐され、戻しバネ９に抗してシリンダ室２の他
端側にピストン３を移動させる。

この移動によって凹溝19と連通孔11とが連通状態とな
り、サブ流路25が開通され、ここに、第１送気口15から
の圧縮エア供給より所定時間遅延して、第２送気口５か
ら気動工具の別の流路に圧縮エアが供給される。

そしてピストン３はサブ流路25を開閉する弁機能を兼ね
ている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明すると、第１
図乃至第10図において、１は弁本体で、直方体状に構成
されている。弁本体１内には長手方向にシリンダ室２が
形成され、シリンダ室２内にはピストン３が移動自在で
装着されている。４はシリンダ室２一端側を閉塞すべく
螺着された蓋体であり、シリンダ室２の他端側には、第
２送気口５を有する連通プラグ６がシリンダ室２内に突
出状として螺合装着されている。ピストン３は他端側端
面より、大径孔部７及び小径孔部８（通路）が順次形成
され、小径孔部８内に連通プラグ６の突出部が嵌脱自在
に構成されている。そして大径孔部７とシリンダ室２他
端面との間にコイル状の戻しバネ９が装着され、ピスト
ン３を一端側即ち、蓋体４側に戻すよう付勢している。
また連通プラグ６には小径孔部８と第２送気口５とを連
通させる連通路10が軸方向に形成されている。小径孔部
８の底部側には径方向の連通孔11が内外連通状に形成さ
れており、連通孔11と対応するピストン３外周面には周
方向の外周凹溝12が形成されている。

シリンダ室２の上方に位置した弁本体１にはシリンダ室
２の軸心と平行な分岐路13が形成され、分岐路13の一端
側、即ち蓋体４側にはエア流量を調整可能な流量調整部
14が設けられ、他端側は第１送気口15とされている。蓋
体４のシリンダ室２側は小径に形成され、シリンダ室２
に連通する連通室16とされ、流量調整部14側と連通され
ている。流量調整部14は先端方向に漸次径小となるテー
パ部17を有する絞り弁18が分岐路13に進退自在に螺合さ
れてなり、螺退させることによって連通室16に供給され
る流量が大となるよう構成されている。

第１図に示される如くピストン３の戻り位置で、大径孔
部７と対応するシリンダ室２内周面には、周方向環状の
内周凹溝19が形成され、内周凹溝19と弁本体１下部一側
に形成された給気口20とが第１連通路21で連通され、内
周凹溝19と分岐路13とが第２連通路22で連通されてい
る。

そして、給気口20から、第１連通路21、内周凹溝19、第
２連通路22、分岐路13を通じて第１送気口15に至るメイ
ン流路24が構成され、第９図及び第10図に示される如
く、ピストン３がシリンダ室２の他端側に移動した状態
にあっては、給気口20から、第１連通路21、内周凹溝1
9、外周凹溝12、連通孔11、小径孔部８、連通路10を通
じて第２送気口５に至るサブ流路25が構成されている。

また給気口20、第１送気口15、第２送気口５には配管接
続用の雌ネジが形成されている。さらにシリンダ室２の
他端側、即ち連通プラグ６側には弁本体１の外部に連通
する開放孔26が形成されている。また気密性を保持すべ
く、適所にＯリング27が装着されている。

本考案の実施例は以上のように構成されており、エアコ
ンプレッサ等の圧縮エア供給源から供給された圧縮エア
は、最初は給気口20からメイン流路24を通じて第１送気
口15から気動工具の所定流路に供給される。

このメイン流路24に供給されたエアは分岐路13で、一部
分が流量調整部14を通じて連通室16内に流入し、ピスト
ン３を戻しバネ９に抗して他端側に移動され、第９図及
び第10図に示される位置に移動する。この移動によって
内周凹溝19と外周凹溝12とが連通され、ここにサブ流路
25が開通状となり、給気口20に供給されたエアは第２送
気口５から気動工具の別の流路に供給され、この供給は
第１送気口15側への供給に比較して所定時間遅延される
ことになる。

この遅延時間は絞り弁18の進退調整によって調整自在で
ある。

（考案の効果） 本考案によれば、弁本体内に給気口から第１送気口に至
るメイン流路と、給気口から第２送気口に至るサブ流路
とが設けられ、メイン流路から分岐された圧縮エアによ
り一端側を押圧され、戻しバネに抗してシリンダ室の他
端側にピストンを移動させてサブ流路を開通させ、給気
口に供給された圧縮エアを第１送気口から供給すると共
に、所定時間遅延させて第２送気口から供給する気動工
具用２方向切換弁において、メイン流路は給気口からシ
リンダ室内周面に形成された周方向の凹溝を通じて第１
送気口に至る流路とされ、サブ流路は給気口から、ピス
トンの前記他端側移動により凹溝と連通するピストンに
形成された連通孔及びピストン内通路を通じて第２送気
口に至る流路とされ、ピストンの戻しバネによる戻り位
置で、凹溝と連通孔とが非連通状態とされてなるもので
あり、ピストンがサブ流路を遮断する弁機能を兼ねた構
成とされ、従来の如く、弁用のボールやボール付勢用の
バネ等が不要となり、部品点数が削減でき、構造の簡素
化が図れ、従って故障個所が減少し、故障が有効に防止
できる。またボール用の弁座等の精密な加工も不要とな
り、コスト低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は断面側面図、第
２図は第１図II−II線矢視図、第３図は第１図III−III
線矢視図、第４図は第１図IV−IV線断面矢視図、第５図
は第１図Ｖ−Ｖ線断面矢視図、第６図は第１図VI−VI線
断面矢視図、第７図は第１図VII−VII線断面矢視図、第
８図はピストンの半断面側面図、第９図はサブ流路開通
状態の断面側面図、第10図は第９図Ｘ−Ｘ線断面矢視図
である。 １……弁本体、２……シリンダ室、３……ピストン、５
……第２送気口、８……小径孔部、９……戻しバネ、11
……連通孔、15……第１送気口、19……内周凹溝、20…
…給気口、24……メイン流路、25……サブ流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】弁本体（１）内に給気口（20）から第１送
   気口（15）に至るメイン流路（24）と、給気口（20）か
   ら第２送気口（５）に至るサブ流路（25）とが設けら
   れ、メイン流路（24）から分岐された圧縮エアにより一
   端側を押圧され、戻しバネ（９）に抗してシリンダ室
   （２）の他端側にピストン（３）を移動させてサブ流路
   （25）を開通させ、給気口（20）に供給された圧縮エア
   を第１送気口（15）から供給すると共に、所定時間遅延
   させて第２送気口（５）から供給する気動工具用２方向
   切換弁において、メイン流路（24）は給気口（20）から
   シリンダ室（２）内周面に形成された周方向の凹溝（1
   9）を通じて第１送気口（15）に至る流路とされ、サブ
   流路（25）は給気口（20）から、ピストン（３）の前記
   他端側移動により凹溝（19）と連通するピストン（３）
   に形成された連通孔（11）及びピストン（３）内通路
   （８）を通じて第２送気口（５）に至る流路とされ、ピ
   ストン（３）の戻しバネ（９）による戻り位置で、凹溝
   （19）と連通孔（11）とが非連通状態とされてなること
   を特徴とする気動工具用２方向切換弁。