JPH07230892A - 蛍光分析用x線管及びその製造方法 - Google Patents

蛍光分析用x線管及びその製造方法

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JPH07230892A
JPH07230892A JP29711794A JP29711794A JPH07230892A JP H07230892 A JPH07230892 A JP H07230892A JP 29711794 A JP29711794 A JP 29711794A JP 29711794 A JP29711794 A JP 29711794A JP H07230892 A JPH07230892 A JP H07230892A
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rays
ray
vacuum envelope
ray tube
target
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JP29711794A
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Susumu Saito
晋 斎藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、不純X線が少なく分析精度の良
い蛍光分析用X線管及びその製造方法を提供することを
目的とする。 【構成】 この発明の蛍光分析用X線管及びその製造方
法は、真空外囲器1にX線発生用のロジウム製ターゲッ
ト3に対向してX線放射窓2が拡散接合により設けら
れ、更に真空外囲器のうちX線放射窓の近傍付近は、少
なくとも内面に銀被膜11が形成されてなり、上記の目
的を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は蛍光分析用X線管及び
その製造方法に係わり、特にそのX線放射窓付近の真空
外囲器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、蛍光X線分析に使用される蛍光
分析用X線管のX線放射窓付近は、従来、図2に示すよ
うに構成され、図中の符号1は真空外囲器、2はX線放
射窓、3はX線発生用ターゲット、4はターゲット支持
体、5はウェネルト電極、6は陰極フィラメント、7は
電子、8はX線である。この場合、真空外囲器1は熱伝
導率の良い金属材料例えば銅,鉄,ステンレスなどから
なり、この従来例の場合は鉄材にニッケル被膜が付着さ
れている。又、X線放射窓2はベリリウムからなり、タ
ーゲット3はロジウム(Rh)からなっている。
【0003】動作時には、陰極フィラメント6から発生
した電子7を陰極フィラメント6−ターゲット3間に印
加した電圧により加速し、ターゲット3に衝突させる。
このターゲット3より発生したX線8を、X線放射窓2
より取り出して被分析物質に照射し、そこより発生する
蛍光X線により物質の分析を行う。
【0004】このような蛍光分析用X線管から発生する
X線8の波長は、ターゲット3の材質と印加する高電圧
により決まり、蛍光分析を行うためには、高純度なター
ゲットの材質つまりロジウムの特性X線を必要とする。
しかしながら、ターゲット3から発生されたX線8によ
って、真空外囲器1の内面が励起され、2次X線が発生
する。又、被分析物質からの蛍光X線によっても、真空
外囲器1の外面が励起され、この外面からも2次X線が
発生する。これらターゲット3以外から発生された2次
X線は、ロジウム特性X線に対して不純X線となり、分
析精度の低下につながる。図2に示す構造で上記の不純
X線とされるのは、鉄,ニッケルなどの特性X線であ
る。
【0005】従来、この不純X線を低減させる方法とし
て、図3に示すようにX線放射窓2近傍の真空外囲器1
の内外面に、ロジウム被膜9を形成した構造も採られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、分析精度向上要
求に従って、より高純度のX線源が必要とされている。
そのためには、分析精度低下につながる不純X線を低減
させる必要がある。又、真空外囲器からの不純X線を低
減させるために、図3に示すような構造では、ロジウム
被膜9は大変高価な上、必要とするロジウムの膜厚を形
成すると、下地である真空外囲器1の材質(銅、鉄、ス
テンレス等)との熱膨脹率の差により、ロジウム被膜9
に割れ・剥がれを生じ易く、容易に形成することは出来
ない。この発明は、以上のような不都合を解消したもの
で、不純X線が少なく分析精度の良い蛍光分析用X線管
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、真空外囲器
にX線発生用のロジウム(Rh)製ターゲットに対向し
てX線放射窓が設けられ、更に真空外囲器のうちX線放
射窓の近傍付近は、少なくとも内面に銀被膜が形成され
てなる蛍光分析用X線管である。
【0008】又、この発明は、真空外囲器にX線発生用
のロジウム製ターゲットに対向して開口部を設け、この
開口部付近に少なくとも内面に銀被膜を形成し、更に開
口部にベリリウム製X線放射窓を接合する蛍光分析用X
線管の製造方法において、X線放射窓を拡散接合により
開口部に気密封止する蛍光分析用X線管の製造方法であ
る。
【0009】
【作用】この発明によれば、真空外囲器より発生される
不純X線を約50%以上減衰することが出来る。又、従
来の真空外囲器内外面にロジウム被膜を形成する場合に
比べ、銀被膜は容易に厚膜が形成出来、価格も安価なの
で、不純X線の少ない蛍光分析用X線管を容易且つ低価
格で提供出来る。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の一実施例
を詳細に説明する。この発明の蛍光分析用X線管におけ
るX線放射窓の近傍付近は、図1に示すように構成さ
れ、従来例(図2)と同一箇所は同一符号で表わす。即
ち、例えば鉄製の真空外囲器1の先端には、軸心に沿っ
て開口部1aが穿たれ、この開口部1aに例えばベリリ
ウム製のX線放射窓2が拡散接合により気密封止されて
いる。拡散接合については、更に詳しく後述する。この
X線放射窓2に所定間隔で対向するように、真空外囲器
1内にはロジウム(Rh)製のX線発生用ターゲット3
が軸心に沿って配設され、有底円筒状の銅製のターゲッ
ト支持体4により保持されている。このターゲット支持
体4の外側には、円筒状のウェネルト電極5が配設さ
れ、その端部外周にリング状陰極フィラメント6が配設
されている。ターゲット3,ウェネルト電極5,および
陰極フィラメント6は、いずれも同心円状になってい
る。
【0011】そして、図1の拡大図からも明らかなよう
に、真空外囲器1のうちX線放射窓2の近傍付近は、内
外両面にそれぞれニッケル被膜10を介して銀被膜11
が形成されている。この場合、ニッケル被膜10の厚さ
は3〜10μm、銀被膜11の厚さは5μm以上に設定
されている。
【0012】ここで、真空外囲器1の開口部1aにベリ
リウム製のX線放射窓2を拡散接合により気密封止する
方法について述べる。図4に示すように、X線放射窓2
の上下に板状ろう材12,13を設けたものを開口部1
aに設置し、押さえリング14を介してセラミックス製
治具15で押さえる。そして、1×10-5〜1×10-6
Torrの真空度で約600℃まで加熱した後、セラミ
ックス製治具15に圧力をかけ板状ろう材12,13を
介して固相接合する。一般に1×10-5〜1×10-6
orrの銀の蒸気圧は650〜750℃前後であるた
め、蒸気化してX線放射窓2に影響を来たすことはな
い。又、X線放射窓2を拡散接合した結果、銀被膜11
によるX線放射窓2への蒸着等の不具合は起こっていな
い。
【0013】さて動作時には、ターゲット3から発生さ
れたX線8は、X線放射窓2から管外に放射される。こ
の時、既述のようにX線8によって真空外囲器1の内面
から、銀の特性X線,又は下地の鉄材,ニッケル被膜1
0の鉄,ニッケル等特性X線が励起され発生される。更
に、被分析物質よりの蛍光X線によっても真空外囲器1
の外面から同様に銀,鉄,ニッケルの特性X線が発生さ
れる。銀被膜11の下地である鉄材,ニッケル被膜10
から発生される鉄,ニッケル等の不純X線は、厚さ5μ
m以上の銀被膜11によって吸収減衰される。この吸収
率は、計算上厚さ5μmの銀被膜11では鉄特性X線で
約80%、ニッケル特性X線で約50%以上である、次
に、発生された銀の特性X線について述べる。通常、ロ
ジウム製のターゲットからは、特性X線としてK線,L
線等の他、ロジウムによるバックグランド線(散乱X
線)が発生される。このバックグランド線は、ロジウム
の特性X線のうち、最強度を持つKα1線の波長をほぼ
中心に、長短両波長側にわたり連続スペクトル的に発生
され、その強度はKα線,Kβ線等、強度の高い特性X
線の近傍ほど高い(コンプトン散乱X線)。銀はロジウ
ムに対し原子番号が近く(ロジウム:45,銀:4
7)、そのため特性X線の波長も近い所に存在する。例
えばKα1線では、ロジウム:0.61オングストロー
ム、銀:0.56オングストロームである。そのため、
銀の特性X線波長は、ロジウムの特性X線の各コンプト
ン散乱X線域と重なることになる。通常、この実施例の
ような構造である蛍光分析用X線管の真空外囲器1より
発生される銀の特性X線の強度は、銀被膜11が薄いこ
とにより、同波長のロジウムのコンプトン散乱X線の強
度より低いため、不純X線として検出されることはな
く、実際の分析に影響を来たすことはない。
【0014】この実施例で、真空外囲器1の材質を鉄、
その外面に中間層としてニッケル被膜10を介し、銀被
膜11を厚さ約10μm形成したものによって不純X線
強度を測定した結果、鉄,ニッケルの不純X線強度は、
銀被膜11のない構造のものに比べ双方とも約60%の
減衰が確認された。又、銀の不純X線は検出されていな
い。
【0015】(変形例)上記実施例では、真空外囲器1
のうちX線放射窓2の近傍内外面にそれぞれ銀被膜11
を形成したが、内面のみに銀被膜11を形成した場合も
同様な効果が得られる。又、上記実施例において、更に
銀被膜11の厚さを増すことによって、下地である真空
外囲器1の材質より発生される不純X線を低減すること
が出来る。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、真空外囲器のうちX
線放射窓の近傍付近は、少なくとも内面に銀被膜が形成
されているので、真空外囲器より発生される不純X線は
吸収減衰され、銀の不純X線はターゲット材によるバッ
クグランド線により殆ど検出されない。この結果、従来
の構造に比べ、不純X線が少なく分析精度の良い蛍光分
析用X線管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る蛍光分析用X線管を
示す縦断面図。
【図2】従来の蛍光分析用X線管を示す縦断面図。
【図3】従来の別の蛍光分析用X線管を示す縦断面図。
【図4】この発明の一実施例に係る蛍光分析用X線管の
製造方法を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…真空外囲器、2…X線放射窓、3…X線発生用ター
ゲット、4…ターゲット支持体、5…ウェネルト電極、
6…陰極フィラメント、7…電子、8…X線、10…ニ
ッケル被膜、11…銀被膜、12,13…ろう材、14
…押さえリング、15…治具。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空外囲器にX線発生用のロジウム製タ
    ーゲットに対向してX線放射窓が設けられてなる蛍光分
    析用X線管において、 上記真空外囲器のうち上記X線放射窓の近傍付近は、少
    なくとも内面に銀被膜が形成されてなることを特徴とす
    る蛍光分析用X線管。
  2. 【請求項2】 真空外囲器にX線発生用のロジウム製タ
    ーゲットに対向して開口部を設け、この開口部付近に少
    なくとも内面に銀被膜を形成し、更に上記開口部にベリ
    リウム製X線放射窓を接合する蛍光分析用X線管の製造
    方法において、 上記X線放射窓を拡散接合により上記開口部に気密封止
    することを特徴とする蛍光分析用X線管の製造方法。
JP29711794A 1993-12-20 1994-11-30 蛍光分析用x線管及びその製造方法 Pending JPH07230892A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999040606A1 (fr) * 1998-02-06 1999-08-12 Hamamatsu Photonics K.K. Tube a rayons x, generateur de rayons x, et systeme d'analyse
US7260181B2 (en) 2003-05-30 2007-08-21 Koninklijke Philips Electronics, N.V. Enhanced electron backscattering in x-ray tubes

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