JPH07227275A - 新規なバチルス チュリンゲンシス及びそれを含有する害虫防除剤並びに植物保護法 - Google Patents

新規なバチルス チュリンゲンシス及びそれを含有する害虫防除剤並びに植物保護法

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JPH07227275A
JPH07227275A JP6020730A JP2073094A JPH07227275A JP H07227275 A JPH07227275 A JP H07227275A JP 6020730 A JP6020730 A JP 6020730A JP 2073094 A JP2073094 A JP 2073094A JP H07227275 A JPH07227275 A JP H07227275A
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JP
Japan
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strain
bacillus thuringiensis
pest
plant
present
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JP6020730A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Oyama
和彦 尾山
Keiichi Imamura
圭一 今村
Chieko Moriyama
千恵子 守山
Michiaki Iwata
道顕 岩田
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Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
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Publication date
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】微生物殺虫剤としての新規なバチルス チュリ
ンゲンシス菌株の提供を目的とした。 【構成】受託番号生命研菌寄第14032号(FERM P-
14032)、受託番号生命研菌寄第14033号(FE
RM P-14033)、受託番号生命研菌寄第14034
号(FERM P-14034)として寄託された、Btの新規
菌株R-3-6株、R-3-11株及びR-4-4株の産生するタンパク
質結晶の害虫防除有効量を鱗翅目害虫等に摂食させるこ
とによりこれらを防除する。 【効果】これらの新規菌株は、HD-1等の従来の菌株より
殺虫活性が著しく向上しており、コナガ等の鱗翅目害虫
を効果的に防除できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農耕地及び非農耕地に
おける害虫防除に有効なバチルス チュリンゲンシス
(Bacillus thuringiensis)の新菌株及びその利用法に
関する。
【0002】
【従来の技術】細菌バチルス チュリンゲンシス(Baci
llus thuringiensis、以下 Bt と略す)はグラム陽性の
悍菌で、細胞内にタンパク質を含む結晶性封入体(以下
CI と略す)を産生する。感受性のある昆虫ホストがこ
のCIを摂食すると、昆虫は数時間後に摂食行動を止めそ
の後死に至る。しかし哺乳動物や植物には毒性がない。
従って、BtあるいはBtの産生するCIは微生物農薬(Bt
剤)として非常に有用であり、実際にBtの1種又は2種以
上の菌株は長い間農業用殺虫剤特に鱗翅目用殺虫剤とし
て使用されてきた。市販品として、最も一般的に使用さ
れているBtの菌株はバチルス チュリンゲンシス セロ
バー クルスタキ HD-1(Bacillus thuringiensis sero
var. kurstaki HD-1、以下HD-1と略す)である。「Micr
obial Control of Pest and Plant Disease 1970-198
0」H.D.Burges編、Academic Press(ロンドン)発行、19
81年35-44頁。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】微生物農薬の欠点の1
つには一般に化学農薬に比べ、効果が発現するまでに時
間がかかる事が挙げられ(植物防疫 45巻,12号,498頁,1
991年)、より速効的な微生物殺虫剤の提供が求められ
ている。
【0004】また、CIの効果発現の速さに対する芽胞の
影響(L.A.Hickle編,American Chemical Society発行
Analytical Chemistry of Bacillus thuringiensis, 22
頁,1990年)はBt剤の作用を複雑にし、トランスジェニ
ック植物等におけるBtの利用を制限する要因となり得
る。従って、本発明は上記の欠点を解決するためになさ
れたものであり、速効的且つCIの効果発現に対し芽胞の
影響がないBt剤の提供を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは公知の菌株
HD-1に概ね似た菌学的性質を有するが、一連の鱗翅目害
虫に対して優れた速効的殺虫活性及び優れた殺虫活性を
有することによってHD-1と区別されるBtの新規菌株を見
いだした。
【0006】本発明は、工業技術院生命工学工業技術研
究所にそれぞれ受託番号生命研菌寄第14032号(FE
RM P-14032)、受託番号生命研菌寄第14033
号(FERM P-14033)、受託番号生命研菌寄第14
034号(FERM P-14034)として寄託された、Bt
の新規菌株R-3-6株、R-3-11株及びR-4-4株に関するもの
である。
【0007】また本発明は、前記の新規菌株R-3-6株、R
-3-11株あるいはR-4-4株によって産生されたCIを有効成
分として含有することを特徴とする新規害虫防除剤を提
供するものであり、更に、該害虫に前記の新規菌株R-3-
6株、R-3-11株あるいはR-4-4株によって産生されたCIを
摂食させることからなる昆虫の被害から植物を保護する
方法が提供される。
【0008】本発明の新規菌株R-3-6株、R-3-11株及びR
-4-4株は何れも神奈川県川崎市内で単離した。本発明の
新規菌株R-3-6株、R-3-11株及びR-4-4株は一般的な菌の
形態学的性状に於て「Microbial Contorol of Pest and
Plant Disease 1970-1980」(H.D.Burges 編, Academic P
ress発行 35-44頁, 1981年)に記載されている公知の菌
株 HD-1 に類似している。
【0009】[新規菌株R-3-6の特性] 集落形態------------Btに典型的な大集落で、表面はく
すんでいる。 増殖期の細胞形態----Btに典型的。 鞭毛の血清型--------H4a:4c(セロバー ケニヤ(serov
ar.kenyae)に分類される。) 細胞内含有物--------大型の両角錐型と小型の両角錐型
を有し、いずれも錐の先端が欠けている。また立方体型
も有している。 CIのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動-----本菌株
のCIは、130000ダルトン付近に泳動されるタンパク質と
65000ダルトン付近に泳動されるタンパク質を有してい
る。
【0010】[新規菌株R-3-11の特性] 集落形態------------Btに典型的な大集落で、表面はく
すんでいる。 増殖期の細胞形態----Btに典型的。 鞭毛の血清型--------H3a:3b:3c (セロバー クルスタ
キ(serovar.kurstaki)に分類される。) 細胞内含有物--------大型の両角錐型と小型の両角錐型
を有し、いずれも錐の先端が欠けている。また立方体型
も有している。 CIのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動-----本菌株
のCIは、130000ダルトン付近に泳動されるタンパク質と
65000ダルトン付近に泳動されるタンパク質を有してい
る。
【0011】[新規菌株R-4-4の特性] 集落形態------------Btに典型的な大集落で、表面はく
すんでいる。 増殖期の細胞形態----Btに典型的。 鞭毛の血清型--------H3a:3b:3c (セロバー クルスタ
キ(serovar.kurstaki)に分類される。) 細胞内含有物--------大型の両角錐型と小型の両角錐型
を有し、いずれも錐の先端が欠けている。また立方体型
も有している。 CIのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動-----本菌株
のCIは、130000ダルトン付近に泳動されるタンパク質と
65000ダルトン付近に泳動されるタンパク質を有してい
る。
【0012】しかしながら、上記のような類似性がある
にも関わらず、本発明の新規菌株R-3-6、R-3-11及びR-4
-4は実施例に示す通り、一連の鱗翅目害虫に対し室内お
よびポット試験に於いて市販のBt製剤及び公知のHD-1と
比べて著しく速効的且つ高い殺虫活性を示し、しかもそ
の違いは有効成分である130000ダルトンタンパク質の量
の差に因るものではないことが明らかである。又、CIの
殺虫活性は芽胞によって増強されない。
【0013】以上のような事実から本発明の菌株R-3-
6、R-3-11及びR-4-4は市販のBt製剤や公知のHD-1とは異
なるCIを産生する新規菌株であり、しかもその殺虫活性
は市販製剤や公知のHD-1に比べ速効的且つ高いことから
有用であると判断し本発明を完成するに至った。
【0014】本発明の新規菌株R-3-6、R-3-11及びR-4-4
は、通常の条件下で培養することができる。例えばグル
コース等の炭素源や大豆粉等の窒素源を含む培地で、培
養温度として20〜40℃が適当である。培養方法は好気的
条件下での通気攪拌培養で1〜4日間行なうのが望まし
い。
【0015】上記方法で得たCIが生菌を含有する場合、
必要に応じて通常用いることのできる殺菌方法を利用し
て殺菌する。例えば熱処理、超音波処理、ゴーリンホモ
ジナイザー処理、放射線照射等の物理的殺菌法、ホルマ
リン、過酸化水素、亜硫酸塩類、塩素化合物、β-プロ
ピオンラクトン、界面活性剤、エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド等の化学的殺菌法、自己溶解、ファ
ージ処理、リゾチーム処理等の生物的殺菌法等が挙げら
れる。
【0016】本発明の、害虫防除剤組成物は、新規菌株
R-3-6、R-3-11あるいはR-4-4の培養液を濃縮することに
よって、例えば遠心分離するか又は濾過し、次いで所望
の適当な配合剤を加えることによって製造することがで
きる。有用な配合剤としては、例えば界面活性剤、湿潤
剤、固体希釈剤、分散剤及び紫外線安定剤が挙げられ
る。次に、本発明のCI含有物を有効成分とする害虫防除
剤の製剤例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0017】製剤例 水和剤 本発明のCI含有物 --------------- 10% ジークライトPEP --------------- 82% (ジークライト工業(株)商品名) ゼオライト --------------- 3% (クニミネ工業(株)商品名) エマール10P --------------- 5% (花王(株)商品名) 以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。使用に際して
は、上記水和剤を500〜4000倍に希釈して散布する。
【0018】本発明の鱗翅目害虫による虫害から植物を
保護する方法は、一般に害虫が蔓延した植物に又は蔓延
しそうな植物を例えば水のような希釈剤で希釈した上記
の害虫防除剤組成物で処理することによって行なう。該
害虫防除剤の有効成分はCIである。所望ならば、該害虫
防除剤は殺虫性のCIを産生する細菌から独立して、植物
に又は植物に蔓延する害虫に施用することができる。
【0019】更に、公知の遺伝子組換え技術によってCI
中のタンパク質の遺伝子をクローニングし、該遺伝子を
大腸菌等の細菌に導入してCIに含まれるタンパク質を生
産させ、目的の鱗翅目害虫の撲滅に使用することも可能
である。
【0020】本発明の鱗翅目害虫による被害から植物を
保護する方法を実施する方法の一つは、害虫の被害に感
受性の植物がその生体内の現場でCIに含まれるタンパク
質を産生するように植物を調製することである。これは
新規菌株R-3-6、R-3-11あるいはR-4-4からCIに含まれる
タンパク質の遺伝子を公知の方法でクローニングし、植
物体内に該遺伝子の発現を起こさせるようなプロモータ
ーを該遺伝子に具備させ、次いで植物を公知の方法で形
質転換することによって行なわれる。上記の事を具現化
させるような方法は公知の文献等に詳述されている。
【0021】本発明の方法によって撲滅しうる害虫は例
えば以下に挙げた害虫である。 ハスモンヨトウ(Spodoptera litura) コナガ(Plutella xylostella) シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua) モンシロチョウ(Pieris rapae) ネッタイシマカ(Aedes aegipti)
【0022】本発明の方法は、鱗翅目害虫が蔓延しやす
い広範囲の植物を保護するのに使用することができる。
本発明の方法で保護される重要な植物の具体例は、キャ
ベツ等に代表される野菜類の他、ブロッコリー等の果菜
類、トウモロコシ、ワタ、ジャガイモ、稲及び柑橘・落
葉果樹である。又、植林地、公園及び森林等の非農耕地
の樹木等が挙げられる。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】実施例 1 本発明のバチルス チュリン
ゲンシス R-3-6、 R-3-11及びR-4-4各株の単離 神奈川県川崎市内の家屋から粘着テープを用いて塵埃を
採集し、テープに付着した塵埃を普通栄養寒天平板培地
(肉エキス 1.0%、ペプトン 1.0%、NaCl 0.5%、寒天
2.0%、pH7.2)に移して28℃で3日間培養した。得られ
たコロニーは位相差顕微鏡(1000倍)下でCI産生の有無
を観察した。CI産生の認められたコロニーは普通栄養寒
天平板に画線塗沫し28℃で4日間培養後、再びCI産生の
認められたコロニーを寒天斜面培地に移植し28℃で4日
間培養した。菌株は4℃及び−80℃で保存した。
【0025】実施例 2 CI及び芽胞の精製 本発明の菌株を滅菌水に懸濁後、普通栄養寒天平板培地
に均一に播き28℃で7日間培養した。芽胞の形成及びCI
の産生を確認後、平板培地に滅菌蒸留水を加え、遠心分
離して芽胞およびCI混合物のペレットを回収し滅菌蒸留
水で3回洗浄した。続いて、少量の滅菌蒸留水を加え懸
濁後、R.Milne(J. Invertebrate Pathol.,29巻,230-231
頁, 1977年)によるウログラフィン密度勾配(40〜70%)
法により芽胞及びCIを単離し、水で5回洗浄後芽胞はさ
らに0.05M KOHで3回洗浄した。単離した芽胞及びCIは
位相差顕微鏡下で純度99%以上であることを確認し、凍
結乾燥して殺虫試験に用いた。上記の方法で、1g(湿重
量)の芽胞及びCI混合物ペレットから35mg(乾燥重量)
のCIと100mg(乾燥重量)の芽胞を得た。
【0026】実施例 3 菌株の培養 本発明の菌株を一白金耳とり、5mlの普通栄養液体培地
を含んだ試験管に植菌し、28℃で12〜24時間往復振盪培
養した。こうして得た培養液を、普通栄養寒天平板培地
(肉エキス 1.0%、ペプトン 1.0%、NaCl 0.5%、寒天
2.0%、pH7.2、直径25cm)に塗抹し、28℃で3日間培養
した。次いで、平板に10mlの滅菌蒸留水を加えて芽胞及
びCI混合物を集め、遠心分離によって回収した。また、
別の方法として、本発明の菌株を一白金耳とり、5mlの
普通栄養液体培地を含んだ試験管に植菌後28℃で12〜24
時間往復振盪した培養液0.5mlを100mlの液体培地(肉エ
キス0.3%、グルコース0.5%、ペプトン 0.4%、NaCl 0.
1%、pH7.2、)を入れた500mlの三角フラスコに植菌し2
8℃で2日間、250rpmで回転振盪培養した。次いで遠心分
離することにより培養物を回収した。両方法の場合と
も、得られたペレットに適当量の水を加えて超音波破砕
を行ない、遠心分離後、凍結乾燥し、平板1枚当たり約
500mg、三角フラスコ1本あたり約400mgの凍結乾燥物を
取得した。得られた乾燥物を秤量し蒸留水を用いて希釈
後、各殺虫試験に用いた。対照薬剤として使用するため
に、HD-1菌株を用いて同様の乾燥物を調製した。
【0027】実施例 4 乾燥物及び市販製剤中の有効
成分量の比較 実施例 3で得られた乾燥物をS.M.Brussocksら(L.A.Hic
kle編,American Chemical Society発行 Analytical Che
mistry of Bacillus thuringiensis, 22頁,1990年)の方
法に従い水に懸濁し、超音波破砕後、0.1N NaOH(終濃
度)処理してタンパク質分解酵素を不活性化した。続い
て3M HEPESで中和し、一部を取ってSDS-ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動で泳動後、デンシトメーターでゲルを
スキャニングして130000ダルトン付近のバンドを定量化
した。スキャニングして得られたピーク面積を縦軸に、
電気泳動1レーンあたりの泳動量を横軸にとってプロッ
トした時に得られる直線の勾配を有効成分量の示標とし
た。この方法では、勾配の数値が大きくなるほど有効成
分量が多いことを示す。市販のBt製剤[トアロー水和剤C
T(東亜合成化学株式会社商品名)、バシレックス水和剤
(塩野義製薬株式会社商品名)、ダイポール水和剤(住
友化学工業株式会社商品名)及びチュリサイド水和剤
(エスディエスバイオテック社商品名)}を用いて同様
に勾配を算出した。結果を表1に示した。
【0028】
【表1】試料名 勾配* R-3-6 1.02 R-3-11 0.938 R-4-4 1.00 ダイポール水和剤 0.222 チュリサイド水和剤 0.239 トアロー水和剤CT 0.054 パシリックス水和剤 0.186HD-1 0.905 * R-4-4を1.00として表したもの
【0029】実施例 5 本発明菌株のコナガ(Plutel
la xylostela)に対する速効性試験 所定濃度に希釈した本発明菌株調製溶液(実施例 3の
方法で調製)及び市販のBt製剤薬液に展着剤を加え、キ
ャベツリーフディスクに散布し、プラスチックカップ中
で風乾後、カップ当たり10頭のコナガ2令幼虫を放虫し
た。カップに蓋をして25℃の恒温室に収容し、24時間後
の生死を判定して、プロビット法により半数致死薬量
(LD50)を、また下記の計算式により効果比を求めた。
効果比は、勾配の数値が大きいほど、有効成分重量当た
りの殺虫活性が強いことを示す。
【0030】効果比=1/(LD50)×(実施例4の勾配) 結果を表2に示した。
【0031】
【表2】 コナガに対する速効的殺虫活性 試料名 24時間後の 効果比 LD50 # R-3-6 1.14 0.86 R-3-11 1.10 0.97 R-4-4 1.20 0.83 トアロー水和剤CT >4000 <0.0046 バシレックス水和剤 32.3 0.17 HD-1 >32 <0.035 # 散布液1ml中の乾燥物の重量(μg)
【0032】実施例 6 本発明菌株のコナガ(Plutel
la xylostela)に対する殺虫試験 所定濃度に希釈した本発明菌株調製溶液(実施例 3の
方法で調製)及び市販のBt製剤薬液に展着剤を加え、キ
ャベツリーフディスクに散布し、風乾後、プラスチック
カップに入れた。この中にカップ当たり5頭のコナガ4令
幼虫を放虫後、カップに蓋をして25℃の恒温室に収容
し、2日後の生死状況を調査し死虫率(%)を算出した。
結果を表3に示した。
【0033】
【表3】 コナガに対する室内殺虫活性 試料名 濃度* 2日後の (μg/ml) 死虫率(%) R-3-6 50 100 10 86.6 R-3-11 50 100 10 80.0 R-4-4 50 100 10 73.3 ダイペル水和剤 500 40.0 チュリサイド水和剤 500 53.3 トアロー水和剤CT 500 13.3 バシレックス水和剤 500 33.3 無処理 0 * 各試料の有効成分比は表1に記載
【0034】実施例 7 本発明菌株のポット試験に於
けるコナガに対する効果 鉢植えキャベツにコナガ2齢幼虫を放虫し定着させたと
ころへ、所定濃度に希釈して展着剤を加えた本発明菌株
調製溶液(実施例 3の方法で調製)及び市販のBt製剤
薬液を、鉢あたり33ml散布した。散布前、散布3日後、
7日後及び9日後に幼虫数と蛹数を調査した。結果を表
4に示した。
【0035】
【表4】 ポット試験に於けるコナガに対する効果 試料名 濃度* 1鉢当たり幼虫数/蛹数 (μg/ml) 散布前 3日後 7日後 9日後 R-4-4 125 32/0 13/0 0/0 0/0 トアロー水和剤CT 500 39/0 37/0 7/0 0/0 バシレックス水和剤 500 30/0 15/0 2/0 2/0 無処理 32/0 59/0 42/12 24/25 * 各試料の有効成分比は表1に記載
【0036】実施例 8 CIの殺虫活性に対する芽胞の
影響 実施例 2の方法で調製したCI及び芽胞を所定濃度に希
釈し、展着剤を加え、キャベツリーフディスクに散布
し、プラスチックカップ中で風乾後、カップ当たり10頭
のコナガ2令幼虫を放虫した。カップに蓋をして25℃の
恒温室に収容し、17、24、48時間後の生死を判定し死虫
率(%)を算出した。結果を表5に示した。
【0037】
【表5】 CIの殺虫活性に対する芽胞の影響 試料名 17時間後の 24時間後の 48時間後の 死虫率(%) 死虫率(%) 死虫率(%) R-4-4(CI,1.0μg/ml) 13.3 73.3 80.0 R-4-4(CI,1.0μg/ml) 26.7 60.0 86.7 +芽胞(0.1μg/ml) R-4-4(CI,1.0μg/ml) 20.0 53.3 66.7 +芽胞(1.0μg/ml) 芽胞(1.0μg/ml) 6.7 6.7 6.7
【0038】実施例 9 CIのハスモンヨトウに対する
殺虫活性 実施例 2の方法で調製したCIを所定濃度に希釈し、展
着剤を加え、キャベツリーフディスクに散布し、プラス
チックカップ中で風乾後、カップ当たり5頭のハスモン
ヨトウ3令幼虫を放虫した。カップに蓋をして25℃の恒
温室に収容し、3日後の生死を判定し死虫率(%)を算
出した。結果を表6に示した。
【0039】
【表6】 CIのハスモンヨトウに対する殺虫活性 試料名 濃度 死虫率(%) (μg/ml) R-3-6 100 85.7 10 35.7 1 0 R-3-11 100 92.9 10 35.7 1 0 R-4-4 100 85.7 10 50.0 1 53.3 HD-1 100 92.9 10 0 1 0
【0040】実施例 10 本発明菌株のモンシロチョウ
(Pieris rapae)に対する殺虫試験 所定濃度に希釈した本発明菌株調製溶液(実施例 3の
方法で調製)に展着剤を加え、キャベツリーフディスク
に散布し、風乾後、プラスチックカップに入れた。この
中にカップ当たり5頭のモンシロチョウ3令幼虫を放虫
後、カップに蓋をして25℃の恒温室に収容し、2日後の
生死状況を調査し死虫率(%)を算出した。 結果を表
7に示した。
【0041】
【表7】 *各試料の有効成分比は表1に記載
【0042】実施例 11 本発明菌株のネッツタイシマ
カ(Aedes aegypti)に対する殺虫試験 本発明菌株調製溶液(実施例 3の方法で調製)20mlを
試験管に入れ、この中にネッタイシマカ2齢幼虫10頭を
放虫し、25℃の恒温室に収容し、24時間後の生死状況を
調査し死虫率(%)を算出した。結果を表8に示した。
【0043】
【表8】 *各試料の有効成分比は表1に記載
【0044】実施例 12 本発明菌株のカイコ(Bomb
yx mori)に対する活性 蚕用乾燥人工試料を所定濃度に希釈した本発明菌株調製
溶液(実施例 3の方法で調製)及び市販のBt製剤薬液
に浸漬後プラスチックカップに入れ、蚕3令、2日幼虫を
5頭放虫した。カップに蓋をして25℃の恒温室に収容
し、6日後の生死を判定し半数致死薬量(LD50)を算出し
た。結果を表9に示した。
【0045】
【表9】 *浸漬液1ml中の乾燥物重量(μg)、各試料の有効成分比
は表1に記載
【0046】
【発明の効果】本発明を実施することにより、従来の薬
剤に比べより効果的に害虫を撲滅することができる。本
発明の新規菌株は害虫防除剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07) (C12P 21/00 C12R 1:07) (72)発明者 岩田 道顕 横浜市港北区師岡町760 明治製菓株式会 社薬品総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工業技術院生命工学工業技術研究所に受託
    番号生命研菌寄第14032号(FERM P-14032)
    として寄託された、バチルス チュリンゲンシス(Bacil
    lus thuringiensis)の新規菌株R-3-6、並びにこの突然
    変異体。
  2. 【請求項2】工業技術院生命工学工業技術研究所に受託
    番号生命研菌寄第14033号(FERM P-14033)
    として寄託された、バチルス チュリンゲンシス(Bacil
    lus thuringiensis)の新規菌株R-3-11、並びにこの突然
    変異体。
  3. 【請求項3】工業技術院生命工学工業技術研究所に受託
    番号生命研菌寄第14034号(FERM P-14034)
    として寄託された、バチルス チュリンゲンシス(Bacil
    lus thuringiensis)の新規菌株R-4-4、並びにこの突然
    変異体。
  4. 【請求項4】請求項1、2あるいは3に記載の新規菌株
    R-3-6、R-3-11あるいはR-4-4によって産生される結晶性
    タンパク質封入体を有効成分として含有する害虫防除
    剤。
  5. 【請求項5】固体希釈剤及び/又は界面活性剤を含有す
    る請求項4に記載の害虫防除剤。
  6. 【請求項6】害虫による被害から植物を保護する方法で
    あって、該害虫に請求項1、2あるいは3に記載の新規
    菌株R-3-6、R-3-11あるいはR-4-4によって産生される結
    晶性タンパク質封入体を摂食させることからなる、害虫
    による被害から植物を保護する方法。
  7. 【請求項7】害虫の被害を受ける前に又は受けている間
    に植物に請求項4又は5の何れかに記載の害虫防除剤の
    害虫防除有効量を処理する事からなる請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】前記の結晶性タンパク質封入体に含有され
    るタンパク質が請求項1、2あるいは3に記載の新規菌
    株R-3-6、R-3-11あるいはR-4-4の何れかから誘導された
    遺伝子によって植物体内に産生されたものである請求項
    6に記載の方法。
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