JPH07220923A - 複合磁性体基板とその製造方法 - Google Patents

複合磁性体基板とその製造方法

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JPH07220923A
JPH07220923A JP30105194A JP30105194A JPH07220923A JP H07220923 A JPH07220923 A JP H07220923A JP 30105194 A JP30105194 A JP 30105194A JP 30105194 A JP30105194 A JP 30105194A JP H07220923 A JPH07220923 A JP H07220923A
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magnetic substrate
magnetic
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composite magnetic
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JP30105194A
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Kazuo Eda
和生 江田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/26Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by the substrate or intermediate layers
    • H01F10/30Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by the substrate or intermediate layers characterised by the composition of the intermediate layers, e.g. seed, buffer, template, diffusion preventing, cap layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/08Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
    • H01F10/10Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
    • H01F10/18Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being compounds
    • H01F10/20Ferrites
    • H01F10/24Garnets
    • H01F10/245Modifications for enhancing interaction with electromagnetic wave energy

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板組合せの自由度が大きく、高精度微細加
工が可能で、熱的、機械的、化学的に安定な複合磁性体
基板を提供する。 【構成】 磁性体基板と、該磁性体基板に水素結合及び
共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって直接接
合されている保持基板とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合磁性体基板及びそ
の製造方法に関する。特に、磁性体基板と保持基板とが
直接接合によって接合された複合磁性体基板及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性体を利用したデバイスとして、磁気
光学効果を利用して光を決められた方向にのみ通過させ
る光アイソレータや、磁性体中を伝播する静磁波を利用
した各種静磁波デバイスなどがある。これらの素子にお
いては、磁性体は、他の基板に積層された磁性体基板
や、他の基板上に形成された薄膜として用いられること
が多い。本明細書では、基板とその基板に積層された磁
性体基板または磁性体膜とからなる基板全体を複合磁性
体基板と呼ぶ。
【0003】例えば、特開平2−232606号公報
は、ガーネット単結晶基板上に、中間層としてのガーネ
ット系薄膜、および磁気光学材料からなる導波路層とな
るガーネット系薄膜を有する薄膜導波型光アイソレータ
を開示している。この構造は、液相エピタキシャル法を
用いて形成されている。
【0004】従来の光アイソレータ201の構造を図1
に示す。図1において、基板101は、例えば、GGG
(ガドリニウムーガリウムーガーネット)単結晶基板で
ある。中間層104は液相エピタキシャル法により形成
される。中間層104の材料としては、例えば、YIG
(イットリウムーアイアン(鉄)ーガーネット)系が用
いられる。光導波路層102は、中間層104の上に、
液相エピタキシャル法により形成される。光導波路層1
02の材料としては、YIG系の材料が用いられる。光
導波路層102の上には、上部層103が形成されてい
る。上部層103の材料としては、例えばZnOが用い
られる。上部層103は必ずしも必要がなく、光導波路
層102の上面が露出された構造であってもよい。
【0005】光導波路層102の屈折率よりも小さい屈
折率を有する中間層104を設けることによって、光は
光導波路層102に閉じこめられる。また、光導波路層
102は、磁気光学効果を有するYIG系材料であるの
で、光アイソレータとして機能する。
【0006】また、静磁波デバイスについては、例え
ば、ジェイ.キャステラ(ジャーナル・アプライド・フ
ィジックス 55(6) 2506頁−2511頁、1
984年)(J.Castera (J. Appl. Phys. 55(6) p.p.2
506-2511, 1984))は、静磁波デバイスの製造方法や各
種デバイスの応用例を開示している。静磁波デバイスの
材料や製造方法としては、GGG基板上にYIGの薄膜
を、液相エピタキシャル法によって形成する方法が述べ
られている。また、応用デバイスとしては、フィルタ、
発振子、遅延線などが述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術には、以下
のような課題がある。各種エピタキシャル成長法による
複合磁性体基板を形成する方法では、基板の格子定数に
合った膜しか形成できないため、材料の組合せが限られ
ている。また形成できる膜の結晶方位についても、基板
の結晶方位に依存するため、好ましい結晶方位の膜を得
ようとしても制約があり自由に形成することはできな
い。また、液相エピタキシャル成長、化学気相エピタキ
シャル成長、分子線エピタキシャル成長など各種のエピ
タキシャル成長技術があるが、いずれを用いてもバルク
単結晶の特性よりも優れた磁性体膜を得ることは困難で
あった。
【0008】異なる材料からなる基板を積層するのに、
各種接着剤を用いて固定する方法があるが、従来の接着
剤を用いた接着方法では、接着界面層の厚み精度が十分
でないとか、耐熱性、機械的な安定性、化学的な安定
性、信頼性が十分でないなどの課題がある。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、基板組合せの自由度
が大きく、高精度微細加工が可能で、熱的、機械的、化
学的に安定な複合磁性体基板の構造とその製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複合磁性体基板
は、磁性体基板と、該磁性体基板に、水素結合及び共有
結合のうちの少なくとも一方の結合によって直接接合さ
れている保持基板と、を備え、それによって上記目的が
達成される。
【0011】ある実施例では、直接接合されている前記
磁性体基板と前記保持基板との接合界面層の厚みが、2
0nm以下である。
【0012】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料は、単結晶である。
【0013】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料は、ガーネットである。
【0014】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料は、イットリウムー鉄ーガーネットを主成分とす
る。
【0015】また、ある実施例では、前記保持基板の材
料は、半導体材料である。
【0016】また、ある実施例では、前記半導体材料
は、珪素である。
【0017】また、ある実施例では、前記半導体材料
は、III−V族半導体材料である。
【0018】また、ある実施例では、前記保持基板の材
料はガラスである。
【0019】また、ある実施例では、前記ガラスの熱膨
張率は、前記磁性体基板の熱膨張率と実質的に同じであ
る。
【0020】また、ある実施例では、前記保持基板は、
電気光学効果を有する透光性基板である。
【0021】また、ある実施例では、前記保持基板の材
料は、磁性体である。
【0022】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料と前記保持基板の材料とが同一材料である。
【0023】また、ある実施例では、磁性体基板と、保
持基板とを有し、該磁性体基板及び該保持基板の少なく
とも一方の基板は、表面に無機薄膜層を有し、該磁性体
基板と該保持基板とは、該無機薄膜層を介して、水素結
合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって
直接接合されている。
【0024】また、ある実施例では、直接接合されてい
る前記磁性体基板と前記保持基板との接合界面層の厚み
が、20nm以下である。
【0025】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料は、単結晶である。
【0026】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料は、ガーネットである。
【0027】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料は、イットリウムー鉄ーガーネットを主成分とす
る。
【0028】また、ある実施例では、前記保持基板の材
料は、半導体材料である。
【0029】また、ある実施例では、前記半導体材料
は、珪素である。
【0030】また、ある実施例では、前記半導体材料
は、III−V族半導体材料である。
【0031】また、ある実施例では、前記保持基板の材
料はガラスである。
【0032】また、ある実施例では、前記ガラスの熱膨
張率は、前記磁性体基板の熱膨張率と実質的に同じであ
る。
【0033】また、ある実施例では、前記保持基板は、
電気光学効果を有する透光性基板である。
【0034】また、ある実施例では、前記保持基板の材
料は、磁性体である。
【0035】また、ある実施例では、前記磁性体基板の
材料と前記保持基板の材料とが同一材料である。
【0036】また、ある実施例では、前記無機薄膜層の
材料は、珪素及び珪素化合物から選ばれる。
【0037】また、ある実施例では、前記珪素化合物
は、酸化珪素または窒化珪素である。
【0038】また、本願発明の磁性体基板および保持基
板を有する複合磁性体基板の製造方法は、該磁性体基板
および該保持基板の接合予定部表面を清浄にする工程
と、該清浄にされた表面を親水化する工程と、該親水化
された表面を重ね合わせて、磁性体基板と前記保持基板
とを直接接合によって接合する工程とを包含し、それに
よって、上記目的が達成される。
【0039】また、本発明の磁性体基板および保持基板
を有する複合磁性体基板の製造方法は、該磁性体基板お
よび該保持基板の、少なくとも一方の接合予定部表面
に、無機薄膜層を形成する工程と、該無機薄膜層の表面
および無機薄膜層が形成されていない接合予定部表面を
清浄にする工程と、該清浄にされた無機薄膜層の表面及
び接合予定表面を親水化処理する工程と、該親水化され
た表面を重ね合わせて、磁性体基板と前記保持基板とを
直接接合によって接合する工程とを包含し、それによっ
て、上記目的が達成される。
【0040】ある実施例では、前記無機薄膜層の材料
は、珪素及び珪素化合物から選ばれる。
【0041】また、本発明の静磁波デバイスは、磁性体
基板と、該磁性体基板に水素結合及び共有結合のうちの
少なくとも一方の結合によって直接接合されている保持
基板とを備える複合磁性体基板を有し、該磁性体基板上
に、磁性体基板に静磁波を励振させる電極を有し、それ
によって、上記目的が達成される。
【0042】また、本発明の静磁波デバイスは、磁性体
基板と保持基板とを備え、該磁性体基板及び該保持基板
の少なくとも一方の基板は表面に無機薄膜層を有し、該
磁性体基板と該保持基板とは、該無機薄膜層を介して、
水素結合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合に
よって直接接合されている複合磁性体基板を有し、該磁
性体基板上に、磁性体基板に静磁波を励振させる電極を
有し、それによって、上記目的が達成される。
【0043】また、本発明の磁気デバイスは、磁性体基
板と、該磁性体基板に水素結合及び共有結合のうちの少
なくとも一方の結合によって直接接合されている保持基
板とを備える複合磁性体基板を有し、該磁性体基板は磁
気光学効果を有し、該磁性体基板に光導波路が形成さて
おり、それによって、上記目的が達成される。
【0044】また、本発明の磁気デバイスは、磁性体基
板と、該磁性体基板に水素結合及び共有結合のうちの少
なくとも一方の結合によって直接接合されている保持基
板とを備える複合磁性体基板を有し、該磁性体基板は磁
気光学効果を有し、該磁性体基板は光アイソレータの機
能を有し、それによって、上記目的が達成される。
【0045】また、本発明の磁気デバイスは、磁性体基
板と保持基板とを備え、該磁性体基板及び該保持基板の
少なくとも一方の基板は表面に無機薄膜層を有し、該磁
性体基板と該保持基板とは、該無機薄膜層を介して、水
素結合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によ
って直接接合されている複合磁性体基板を有し、該磁性
体基板は磁気光学効果を有し、該磁性体基板は光アイソ
レータの機能を有し、それによって、上記目的が達成さ
れる。
【0046】また、本発明の磁気デバイスは、磁性体基
板と、該磁性体基板に水素結合及び共有結合のうちの少
なくとも一方の結合によって直接接合されている保持基
板とを備える複合磁性体基板を有し、該保持基板は電気
光学効果を有する透光性基板であって、前記透光性基板
に光デバイスが形成されており、それによって、上記目
的が達成される。
【0047】また、本発明の磁気デバイスは、磁性体基
板と保持基板とを備え、該磁性体基板及び該保持基板の
少なくとも一方の基板は表面に無機薄膜層を有し、該磁
性体基板と該保持基板とは、該無機薄膜層を介して、水
素結合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によ
って直接接合されている複合磁性体基板を有し、該保持
基板は電気光学効果を有する透光性基板であって、前記
透光性基板に光デバイスが形成されており、それによっ
て、上記目的が達成される。
【0048】また、本発明の集積化磁気デバイスは、磁
性体基板と、該磁性体基板に水素結合及び共有結合のう
ちの少なくとも一方の結合によって直接接合されている
保持基板とを備える複合磁性体基板を有し、該保持基板
の材料は半導体材料であって、該保持基板に電子素子及
び光素子から選ばれる少なくとも1つの素子が形成され
ており、それによって、上記目的が達成される。
【0049】また、本発明の集積化磁気デバイスは、磁
性体基板と保持基板とを備え、該磁性体基板及び該保持
基板の少なくとも一方の基板は表面に無機薄膜層を有
し、該磁性体基板と該保持基板とは、該無機薄膜層を介
して、水素結合及び共有結合のうちの少なくとも一方の
結合によって直接接合されている複合磁性体基板を有
し、該保持基板の材料は半導体材料であって、該保持基
板に電子素子及び光素子から選ばれる少なくとも1つの
素子が形成されており、それによって、上記目的が達成
される。
【0050】
【作用】本発明の複合磁性体基板は、磁性体基板と保持
基板とが直接接合によって接合されている。直接接合と
は接着剤などの他の材料を用いずに、水素結合または共
有結合により、基板に形成される結合を直接接合と呼
ぶ。直接接合は以下のようにして形成される。接合され
る磁性体基板及び保持基板の少なくとも1つの基板の表
面を親水化処理し、基板表面に水酸基を導入する。充分
な水酸基を有する表面同士を重ね合わせると、水酸基間
または吸着した水分子を介した水素結合によって、2つ
の基板が接合される。接合された基板に熱処理を施すこ
とによって、接合界面から水分子や水素が離脱し、水素
結合は共有結合に移行する。その結果、接合強は上昇す
る。このように直接接合を用いることによって、接着剤
などを用いずに、2つの基板を接合することができる。
【0051】種々の材料からなる基板を直接接合によっ
て、接合することができる。基板の表面に水酸基が導入
される材料であればよい。また、材料の性質によって
は、イオン結合が直接接合に寄与することもある。
【0052】強固な直接接合を形成するために熱処理を
施す場合には、接合する材料の熱膨張率、大きさ等を考
慮して、熱処理温度を設定することによって、種々の材
料からなる基板を用いて信頼性に優れた接合を形成する
ことができる。
【0053】また、接合する基板の少なくとも一方の基
板の表面に、珪素を含む膜を形成した後、直接接合する
こともできる。珪素含む膜は、表面に水酸基が導入され
やすく、また、熱処理によって共有結合を形成しやすい
という作用を有している。
【0054】直接接合を用いて2つの基板を接合するこ
とによって、従来必要であった接着剤を用いる必要が無
くなる。また、薄膜技術のように基板との整合性による
材料の選択についての制限も無い。さらに、薄膜では得
られない優れたバルク材料の特性を利用することが可能
となる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0056】(実施例1)第1の実施例による複合磁性
体基板202の断面を図2に示す。本実施例の複合磁性
体基板202は、保持基板1と磁性体基板2とを有す
る。保持基板1と磁性体基板2とは、直接接合によって
接合されている。
【0057】本願明細書において、接着剤を用いずに水
素結合または共有結合によって形成される接合を「直接
接合」と呼ぶ。直接接合においては、水素結合と共有結
合が混在することもある。また、基板の材料の性質によ
って、イオン結合が接合に寄与することもある。直接接
合によって接合された基板は原子レベルで接合されてお
り、水素、酸素、基板構成元素以外の特別な元素は、接
合界面に介在しない。
【0058】図3を参照しながら直接接合について説明
する。まず、基板表面を極めて清浄にし、表面を親水化
処理して純水に浸すと、基板表面には多数の水分子や水
酸基が吸着される。水酸基は酸素と水素からなる。この
状態で基板同士を重ね合わせると、水分子、水酸基など
をを介して水素結合により、基板同士の初期の接合が行
われる。この様子を図3(a)に示す。図では非常に代
表的な場合を模式的に表わしたものである。
【0059】接合された基板をこの状態で加熱していく
と、次第に接合界面から脱水または水素の離脱が起こ
り、接合は強化される。この接合強度の上昇は、直接接
合に支配的な接合が、水分子を介した水素結合から、水
分子を介さない水酸基同士の水素結合へと移行すること
による。この様子を図3(b)に示す。これも代表例を
模式的に表わしたものである。この状態は、200−5
00℃の温度で熱処理を施した場合に多く見られる。
【0060】熱処理温度を更に上げると、水酸基の縮合
や水素の離脱がさらに進行し、酸素を介した共有結合
が、直接接合の主となる。その結果、接合強度は更に上
昇する。この様子を図3(c)に示す。また、界面に珪
素がある場合は、珪素も共有結合の形成を促進し、接合
強度は上昇する。図3(a)〜3(c)は、いずれの図
においても代表的な場合を模式的に表わしたものであ
り、詳細は、基板の構成元素や表面状態の影響を受け
る。
【0061】有機物他の接着剤を用いた接合と、本実施
例で説明した直接接合との違い、及び、複合磁性体基板
を直接接合によって製造することによって得られる効果
について述べる。
【0062】接着剤を用いて接合した場合は、必ず接合
界面に接着剤の層が残る。接着剤の層の厚さは通常数μ
m程度になる。本実施例では親水化処理により付着した
水酸基層の厚みが、通常1分子層程度であることから、
直接接合によって接合された基板間の距離は、数分子層
から数原子層の程度となると考えられる。直接接合によ
って接合された界面をTEM(透過電子顕微鏡)で観察
した結果、直接接合の界面層の厚みは通常約10nmあ
るいはそれ以下であった。TEMで観察された界面層
は、基板表面の水酸基層と、直接接合に関与し、バルク
とはことなる状態にある基板構成原子層とを含むと考え
られる。本明細書においては、接合界面に形成されるバ
ルク状態と異なる状態にある層を界面層と呼ぶ。このよ
うに、直接接合によると、20nm以下の界面層の厚み
で接合ができる。従って、直接接合後の基板の上下面の
平行度は極めて良好なものとなる。接着剤を用いた場合
は、有機系であれ、ガラスやセメントのような無機系で
あれ、接着剤層の厚みを原子オーダーで制御することは
従来の技術ではできない。
【0063】上述したように、本実施例で述べた複合磁
性体基板は、高い平行度を有するので、複合磁性体基板
表面の微細加工を高精度で行うことが可能になる。例え
ば静磁波デバイスを作る場合、磁性体基板表面に微細な
櫛形電極を形成する必要がある。櫛形電極の幅はサブミ
クロンの精度が要求される。櫛形電極の形成は電極を真
空蒸着などにより形成し、ホトリソグラフィーを用いて
マスクを形成し、エッチング加工により形成するのが通
常の方法である。サブミクロンのホトリソグラフィーを
行う場合、基板の上下面の平行度が十分でないと露光の
精度が十分とれず、良好な加工精度は得られない。
【0064】また、湿式エッチング工程やドライエッチ
ング工程などの微細加工工程においては、エッチング剤
としての酸や各種ガスにさらされたり、高温にさらされ
る場合がある。各種接着剤を用いて接合された複合磁性
体基板は、その接着剤の化学的耐性および熱的安定性に
問題がある。一方、本実施例による直接接合によって得
られた複合磁性体基板は、接合のために他の材料を用い
ないので、複合磁性体の化学的耐性及び耐熱性は、複合
磁性体基板を構成する基板材料の化学的耐性及び耐熱性
によってきまる。複合磁性体基板に用いられる基板材料
は、一般に接着剤よりも優れた化学的耐性や耐熱性を有
しているので、上記の微細加工工程において、基板材料
の劣化は起こらない。
【0065】接着剤、とくに有機系のものは、高温まで
安定な状態で保つことが困難である。基板の接合に接着
剤を用いると、複合磁性体基板を用いた素子を製造する
途中で行われる半田付け、半田リフロー(230℃程
度)などの加熱工程で、接着剤が熱劣化し素子の特性が
変化するという問題がある。また、基板表面の特性を利
用する磁気デバイス、例えば静磁波デバイスなどでは、
加熱工程で接着剤から発生したガスによって、デバイス
特性が劣化するという問題がある。
【0066】本実施例の直接接合の強度は、200℃、
1時間程度の熱処理で、容易に数10Kg/cm2の強
度が得られる。さらに、上述のようにデバイスの製造過
程において、半田リフロー(230℃程度)を経る場合
には、直接接合の熱処理温度を230℃以上で行うこと
によって、信頼性の高い接合を得ることができる。直接
接合には、接着剤を用いないので、直接接合の熱処理温
度は、複合磁性体基板を構成する基板材料の耐熱性にの
み依存する。複合磁性体基板に用いられる基板材料は優
れた耐熱性を有するので、デバイス製造過程の加熱工程
の温度で劣化することはない。従って、直接接合の熱処
理を加熱工程の温度で行うことによって、信頼性の高い
接合を形成することができる。また、直接接合の界面に
は、他の材料が存在していないので、デバイスの製造過
程の加熱工程で、デバイス特性に悪影響を与えるような
ガスの発生がない。本実施例の直接接合は、複合磁性体
基板の用途によっては、熱処理を行わなくても、十分実
用に耐える接合強度を有する。
【0067】また、本実施例の直接接合では、エピタキ
シャル成長のように保持基板と磁性体基板との組合せに
制限がないので、異なる元素、結晶構造、結晶方位、格
子定数からなる材料の組合せが可能となる。その結果、
複合磁性体基板を構成する基板材料の組合せの自由度が
きわめて大きくなる。
【0068】(実施例2)直接接合された複合磁性体基
板は、種々のデバイスに用いられる。本実施例では、複
合磁性体基板を用いて光アイソレータレータを作製す
る。
【0069】図4に示した光アイソレータ203は、磁
性体基板であるガドリニウムーガリウムーガーネット
(GGG)単結晶からなる保持基板1と、磁性体基板と
して、イットリウム−鉄−ガーネット(YIG)基板2
を有している。GGG基板1とYIG基板2は、直接接
合によって接合されている。フェリ磁性体であるYIG
は、透光性を有するとともに、大きなファラデー効果を
有する。従って、YIG基板204を光導波路とし、光
導波路に対して光の入射側に偏光子(不図示)が、光の
出射側に検光子(不図示)が、それぞれ設けられた複合
磁性体基板は、光アイソレータ203として機能する。
【0070】複合磁性体基板と外部磁場を利用した光ア
イソレータ204の構成を図5に示す。偏光子52を透
過した直線偏光は、YIG基板2中を伝播する。YIG
基板2には、永久磁石6から外部磁場が印加されてい
る。YIG基板2を伝播する直線偏光の偏光面が、YI
G基板2を通過する間にファラデー効果によって、45
度回転するように、YIG基板の長さ及び外部磁場強度
が調整されている。偏光面が45度回転された光を透過
するように、検光子54は、その偏光軸は、偏光子52
の偏光軸と45度の角度をなすように設けられている。
検光子54を透過した後反射された光は、YIG基板2
を通過する際に、その偏光面は再び45度回転され、偏
光子52の偏光軸と直交する。従って、反射光は、偏光
子52を透過することができないので、光アイソレータ
204は、図中の矢印の方向にのみ光を透過する。光の
伝播方向と平行な方向に外部磁場を印加することによっ
て、コットンームートン効果を利用をした光アイソレー
タを構成することもできる。また、外部磁場を与える方
法は、公知の方法を広く利用することができる。
【0071】図4、または図5の構成において、YIG
基板2の厚みを、シングルモード伝搬に適した値、例え
ば5μm程度に設定することにより、YIGの屈折率
(2.22)はGGGの屈折率よりも高いので、光はY
IG基板2の中に閉じこめられる。YIG基板2は、い
わゆるスラブ型光導波路として機能する。
【0072】本発明による複合磁性体基板を用いて、他
の光アイソレータを構成することができる。図6に、チ
ャンネル型光導波路型光アイソレータ205を示す(偏
光子及び検光子は不図示)。チャンネル型光導波路型光
アイソレータ205は、直接接合されたGGG保持基板
1とYIG磁性体基板2とを有する。YIG磁性体基板
2の一部に肉厚部3が形成されている。このような構成
とすることにより、光は肉厚部3に閉じこめられ、肉厚
部3は、チャンネル型光導波路として機能する。
【0073】(実施例3)本実施例では、複合磁性体基
板を用いて、静磁波デバイスを作製する。図7に示す静
磁波デバイス206は、保持基板としてのGGG単結晶
基板1と磁性体基板としてのYIG単結晶基板2とを有
している。GGG基板1とYIG基板2とは、実施例1
で述べた直接接合により接合されている。YIG基板2
の上には、高周波電界を印加するための櫛形電極4、5
が形成されている。櫛形電極4、5の上部には、YIG
基板2に磁場外部磁場を加えるための磁石6が設けられ
ている。YIG基板2に、磁場を加えた状態で、櫛形電
極4、5によって高周波電界を印加すると、YIG基板
2に静磁波が励振され、YIG基板2中を静磁波が伝搬
する。静磁波は圧電基板上の表面弾性波と類似の性質が
あるので、静磁波デバイスは表面弾性波素子と同じよう
に、フィルタや共振子として使用することができる。
【0074】本実施例の静磁波デバイス206に用いら
れている複合磁性体基板は、直接接合によって接合され
ているので、複合磁性体基板の表面は非常に高い平行度
を有している。従って、YIG基板2の表面に櫛形電極
4、5をサブミクロンの精度で微細加工することが可能
になる。櫛形電極4、5の加工精度はデバイス特性(例
えば、共振周波数、損失)に大きく影響するので、本実
施例の静磁波デバイス206は、高いデバイス特性を有
する。また、本実施例の静磁波デバイス206は接着剤
を用いていないので、耐熱性などの信頼性においても優
れている。
【0075】(実施例4)本発明の他の複合磁性体基板
207の構造を図8に示す。本実施例においては、保持
基板として、ガラス基板11を用いる。磁性体基板に
は、YIG単結晶基板2を用いる。ガラス基板11とY
IG基板2とは、実施例1で述べたと同様、直接接合に
よって接合されている。ガラス基板11の材料に石英ガ
ラスを用いた場合、石英ガラスの屈折率は約1.5で、
YIGの屈折率より小さいので、YIG基板2に光を閉
じこめることができる。従って、複合磁性体基板207
に、実施例2と同様に、偏光子と検光子(不図示)を設
けることにより、光アイソレータを得ることができる。
また、実施例3の図7の構成とすることにより、静磁波
デバイスを得ることができる。
【0076】(実施例5)本発明の他の複合磁性体基板
208の構造を図9に示す。本実施例においては、保持
基板として、半導体基板21を用いる。半導体基板21
の材料としては、例えばSiを用いる。磁性体基板に
は、YIG単結晶基板2を用いる。Si基板21とYI
G基板2は、実施例1で述べたと同様、直接接合によっ
て接合されている。複合磁性体基板208を用いて、実
施例3の図7の構成とすることにより静磁波デバイスを
得ることができる。
【0077】本実施例の応用例として、図10に磁気デ
バイスと電子素子とを集積化した集積化磁気デバイス2
09の構成を示す。集積化磁気デバイス209の静磁波
デバイす部は、Si基板21、YIG基板2、櫛形電極
4、5、永久磁石6を有し、実施例3の静磁波デバイス
と同様に機能する。集積化磁気デバイス209は、さら
に、Si基板21上に電子回路部22を有する。櫛形電
極4、5に高周波電界を印加する電子回路を電子回路部
22に形成し、櫛形電極4、5と電気的に接続すること
によって、磁気デバイスと電子素子とを一体に集積化す
ることができる。電子回路部22と櫛形電極4、5との
電気的な接続(不図示)は、種々の方法によって行え
る。例えば、ボンディングワイヤーを用いることもでき
る。また、YIG基板2にスルーホールを形成し、Si
基板21上に形成した配線を介して接続することもでき
る。
【0078】また、Si基板21上の電子回路部22に
発振回路を形成し、YIG基板2上に共振素子を形成す
ることにより、共振素子の共振周波数で発振する発振器
を構成することができる。このように、半導体基板と磁
性体基板とを直接接合して得られる複合磁性体基板を用
いることによって、磁気デバイスと電子素子を一体に集
積した集積化磁気デバイスを形成することが可能とな
る。
【0079】(実施例6)本実施例では、半導体基板に
GaAsやInPなどのIII−V族化合物半導体基板2
3を用い、III−V族化合物半導体基板23に半導体レ
ーザーやホトダイオードなどの光素子と電子素子を形成
し、磁気デバイスと一体化する。図11の集積化磁気デ
バイス210は、III−V族半導体基板23とYIG基
板2とを有する。III−V族半導体基板23とYIG基
板2とは、直接接合によって接合されている。YIG基
板2に偏光子及び検光子(不図示)を設けることによっ
て、実施例2と同様に光アイソレータ部26を構成す
る。なお、光素子として直線偏光を出射する半導体レー
ザを用いれば偏光子を省略することができる。III−V
族半導体基板23上には、電子回路部及び光素子部が形
成される。本実施例においては、光素子部に半導体レー
ザ25を形成し、電子回路部に半導体レーザ駆動回路2
4を形成する(電気的接続は不図示)。
【0080】半導体レーザ駆動回路24によって制御さ
れる半導体レーザ25から出射された光は、空間を伝播
し、光アイソレータ部26に導かれる。光アイソレータ
部26を透過した光は、外部に出射され、光ファイバー
41などに導かれる。半導体レーザ25から出射された
光は、光アイソレータ部26を介して、外部に出射され
るので、反射光が半導体レーザ25に戻り、レーザ発振
に悪影響を及ぼすことがない。光は、図中の矢印の方向
にのみ伝播する。このように、光素子、電子素子と磁気
デバイスとを一体に集積化することによって、デバイス
を小型化でき、光学的アラインメントを容易にできるな
どの利点がある。
【0081】さらに、半導体レーザ25と光アイソレー
タ部26との光結合損失を低減するために、半導体レー
ザ25と光アイソレータ部26とを近接して配置した
り、半導体レーザ25と光アイソレータ部26との間に
屈折率を整合させるための層を設けることもできる。ま
た、光アイソレータ部26にリッジ型光導波路を形成す
ることによって、光の閉じこめ効率を向上することがで
きる。
【0082】(実施例7)本発明のさらに他の複合磁性
体基板211の構造を図12に示す。複合磁性体基板2
11は、保持基板としての電気光学効果を有する透光性
基板31と、磁性体単結晶基板としてYIG基板2とを
有している。電気光学効果を有する透光性基板31とY
IG基板2とは、実施例1で述べたと同様、直接接合に
よって接合されている。電気光学効果を有する透光性基
板31の材料としては、例えばニオブ酸リチウムやタン
タル酸リチウムを用いることができる。
【0083】保持基板にニオブ酸リチウムなどの電気光
学効果を有する透光性基板31を用いた場合も、透光性
基板31の材料にYIG磁性体基板2の屈折率より小さ
い屈折率を有する材料を用い、実施例2と同様に偏光子
と検光子とを設けることにより、光アイソレータを形成
することができる。
【0084】この場合、透光性基板31に各種光素子を
形成できるので、各種光素子と光アイソレータを一体に
集積化することができる。
【0085】本実施例の光素子と磁気デバイスとを一体
に形成した集積化磁気デバイス212を図13に示す。
図13において、電気光学効果を有する透光性基板31
の上部には、光導波路層32が形成されている。光導波
路層32の一部に磁性体基板2が直接接合によって接合
されている。光導波路層32は、光変調器、光スイッチ
などの光素子33と、磁性体基板2の光導波路の結合部
7と光学的に結合される光結合部34とを有する。光結
合の方法は種々の方法がある。例えば、光方向性結合器
を結合部7と光結合部34とに形成することによって、
磁性体基板2の導波路と光導波路層32とを光学的に結
合することができる。
【0086】このような構成とすることにより、各種光
素子の集積化ができる。例えば、光変調器と光アイソレ
ータを一体にしたデバイスが構成できる。また、実施例
3の図7の構成とすることにより静磁波デバイスとして
用いることができる。
【0087】(実施例8)本発明のさらに他の複合磁性
体基板213の構造を図14に示す。図14において、
1は保持基板で例えば磁性体であるGGG単結晶基板、
2はYIGの磁性体単結晶基板、8は、保持基板1と磁
性体基板2の間に形成された無機薄膜層で、たとえば珪
素または珪素化合物層である。無機薄膜層8は、磁性体
基板2に、真空蒸着、スパッタリング、化学気相成長法
(CVD)などにより形成、付着されている。磁性体基
板2と保持基板1とは、無機薄膜層8と保持基板1との
界面で、実施例1で述べた直接接合により接合されてい
る。
【0088】無機薄膜層8の材料と厚みを適当に設定す
ることにより、実施例2あるいは実施例3で述べたと同
様のデバイスを構成することができる。例えば、酸化珪
素または窒化珪素を用いて厚みを0.1から5μm程度
のなかで適当に選ぶことにより、酸化珪素および窒化珪
素の屈折率は1.4から1.5程度なので実施例2で述
べたと同様に、図15に示す光アイソレータ214を形
成することができる。この場合、無機薄膜層8の膜厚を
伝搬させる光の波長以上にしておけば、保持基板1の屈
折率が磁性体基板2の屈折率より大きくても、磁性体基
板2に光導波路を形成することが可能となり、無機薄膜
層8を用いない場合よりもさらに材料組合せの自由度が
増す。
【0089】真空蒸着、スパッタリング、化学気相成長
法などにより無機薄膜層8を形成した場合、その膜厚を
精度よく制御することが可能なので、ホトリソグラフィ
ーにおいて、基板上下両面の平行度が重要な静磁波デバ
イスについても、実施例3と同様に、図16に示す静磁
波デバイス215を形成することができる。
【0090】(実施例9)本発明のさらに他の複合磁性
体基板216の構造を図17に示す。図17において、
11はガラスからなる保持基板、2はYIGの磁性体単
結晶基板、8は無機薄膜層で、例えば珪素または酸化珪
素や窒化珪素などの珪素化合物ある。無機薄膜層8は実
施例8と同様、真空蒸着、スパッタリング、化学気相成
長法などにより、磁性体基板2に形成されており、磁性
体基板2と保持基板11とは、無機薄膜層8と保持基板
1との界面で、実施例1と同様、直接接合によって接合
されている。
【0091】ガラス基板に石英ガラスを用いた場合も、
実施例8と同様の構成にすることにより、やはり光アイ
ソレータまたは静磁波デバイスとして用いることができ
る。
【0092】(実施例10)本発明のさらに他の複合磁
性体基板217の構造を図18に示す。図18におい
て、21は半導体からなる保持基板で、たとえばSi、
2はYIGの磁性体単結晶基板、8は無機薄膜層で、例
えば珪素または酸化珪素や窒化珪素などの珪素化合物で
ある。無機薄膜層8は実施例8と同様、真空蒸着、スパ
ッタリング、化学気相成長法などにより、磁性体基板2
に形成されており、磁性体基板2と保持基板21とは、
無機薄膜層8と保持基板1との界面で、実施例1と同
様、直接接合されている。
【0093】保持基板に半導体を用いた場合も、実施例
8と同様の構成にすることにより、光アイソレータや静
磁波デバイスとして用いることができる。
【0094】また保持基板に半導体基板を用いることに
より、実施例5で示したと同様の集積化磁気デバイスを
形成することができる。
【0095】(実施例11)本実施例では、半導体基板
にGaAsやInPなどのIII−V族化合物半導体基板
23を用い、半導体基板21に半導体レーザーやホトダ
イオードなどの光素子と電子素子とを形成し、磁気デバ
イスと一体化する。本実施例の集積化磁気デバイス21
8をその斜視図である図19(a)及び、図19(a)
のX−X’断面図である図19(b)を参照しながら説
明する。
【0096】集積化磁気デバイス218は、III−V族
半導体基板23とYIG基板2とを有する。本実施例で
は、III−V族半導体基板23とYIG基板2とは、そ
れらの基板の間に形成された無機薄膜層8を介して、直
接接合によって接合されている。III−V族半導体基板
23上には、電子回路部24が形成され、III−V族半
導体基板23内に半導体レーザー25’及び光導波路部
27が形成される。電子回路部24には、半導体レーザ
ー駆動回路を形成する(電気的接続は不図示)。
【0097】YIG基板2は、光結合部28とアイソレ
ータ部26とを有している。半導体レーザー25’が直
線偏光を出射し、YIG基板2の出射側端面に検光子
(不図示)を設けることによって、アイソレータ部26
は、アイソレータとして機能する。なお、が直線偏光を
出射しない半導体レーザー25’を用いる場合には、半
導体レーザー25’の出射面か光結合部28までの光路
に、偏光子を形成すればよい。
【0098】本実施例の光結合部28の動作を図19
(b)を参照しながら説明する。III−V族半導体基板
23に設けられた光導波路部27と、光導波路として機
能するYIG基板2との間に、それぞれの屈折率よりも
低い屈折率を有する薄膜層8を設けることによって、光
結合を行うことができる。薄膜層8の厚さは、ミクロン
オーダ以下である。光導波路部27を伝播する光は、あ
る距離を伝播すると、YIG基板側の光結合部28に導
かれる。この光結合の原理は、同一平面内の光導波路を
結合する光導波路型方向性結合器の動作原理と同じであ
る。III−V族半導体であるGaAsやInP及び磁性
体であるYIGの屈折率は、2以上であり、無機薄膜層
8の材料である酸化珪素などの屈折率は、1.7以下で
あるので、上述の方向性結合器を形成することができ
る。
【0099】従って、半導体レーザー駆動回路24によ
って制御される半導体レーザー25’から出射された光
は、図中の矢印で示したように、光導波路部27を伝播
し、光結合部28においてYIG基板側に導かれる。そ
の後、光アイソレータ部26を透過した光は、外部に出
射され、光ファイバー41などに導かれる。
【0100】本実施例では、半導体レーザー25’、駆
動回路24と光アイソレータ部26とを集積化した例を
示したが、半導体レーザー25’に代えて発光ダイオー
ドを、駆動回路24に代えて増幅回路を形成することも
できる。これらの素子を複数形成することもできる。ま
た、光結合方法は上述の方法に限られず、種々の方法を
適用することができる。
【0101】このように、電子素子、光素子と磁気デバ
イスとを一体に集積化することによって、デバイスを小
型化でき、光学的アラインメントを容易にできるなどの
利点がある。
【0102】(実施例12)本発明のさらに他の複合磁
性体基板219の構造を図20に示す。図20におい
て、31は電気光学効果を有する透光性基板からなる保
持基板で、透光性基板として例えばニオブ酸リチウムま
たはタンタル酸リチウム基板、2はYIGの磁性体単結
晶基板、8は無機薄膜層で、例えば珪素または酸化珪素
や窒化珪素などの珪素化合物ある。無機薄膜層8は実施
例8と同様、真空蒸着、スパッタリング、化学気相成長
法などにより、磁性体基板2に形成されており、磁性体
基板2と保持基板31とは、無機薄膜層8と保持基板1
との界面で、実施例1と同様に、直接接合によって接合
されている。
【0103】保持基板が透光性基板の場合も、実施例7
と同様の構成にすることにより、光アイソレータや静磁
波デバイスとして用いることができる。
【0104】また電気光学効果を有する透光性基板を用
いることにより、実施例7で示したと同様の集積化磁気
デバイスを形成することができる。
【0105】(実施例13)実施例1の図2に示した複
合磁性体基板202の製造方法の例を、図21のフロー
チャートを参照しながら説明する。
【0106】保持基板及び磁性体基板表面を研磨により
平坦化し、さらに表面が鏡面状態になるまで研磨する。
次に接合予定部表面を、洗剤、各種溶剤により極めて清
浄にする(S1)。その後、それぞれの表面を60℃−
70℃のアンモニア−過酸化水素系溶液により、親水化
処理する(S2)。その後親水化処理された表面を純水
で十分洗浄する。親水化処理された2つの表面を一様に
重ね合わせることにより、容易に接合が得られる(S
3)。この状態で熱処理を行うことにより接合強度が強
化される(S4)。100℃から800℃の温度で熱処
理を行うと、その接合は更に強化される。用途に応じ
て、熱処理温度を設定すればよい。また、熱処理工程を
省略することもできる。
【0107】熱処理温度が高い場合、保持基板と磁性体
基板の熱膨張率の差が大きいと、接合界面に大きな熱応
力が発生する。この熱応力を低減するために、基板の形
状、寸法などを適当に設定する必要がある。高温で熱処
理する場合ほど、磁性体基板の厚みを薄く、また面積を
小さくすることによって、熱応力を低減することができ
るので、接合界面の剥離や破損なく接合強度を向上する
ことができる。熱処理による接合強度向上の効果は、例
えば、200℃で、1時間程度保持するだけで、接合強
度は数倍に上がり、数10Kg/cm2の強度が得られ
る。また、熱処理温度は、保持基板と磁性体基板が変質
する温度以下であれば良い。
【0108】上述したように、親水化処理方法、熱処理
温度、接合する基板の熱膨張率、接合する基板のサイズ
を適当に設定することよって、種々の材料からなる基板
を直接接合によって接合することができる。また、親水
化処理の方法は、上述した方法に限られず、基板表面に
水酸基を導入する公知の方法を適用できる。
【0109】磁性体基板として、ガーネット(一般式
3512 で示される)、例えば、YIGやBi(ビ
スマス)で一部置換したもの、希土類元素で一部置換し
たもの、またはフェライト(一般式 MO・Fe23
で示され、MはMn,Fe,Co,Ni,Zn,Mgな
ど)を用い、保持基板に磁性体として、ガーネット結
晶、例えば、GGGあるいはそれらの構成元素に一部を
他の元素に置換したものや、上述のフェライト、または
石英ガラス、ほう珪酸ガラスなどのガラス、または半導
体であるSi、およびGaAsやInPなどのIII−V
族化合物半導体、または電気光学効果を有する透光性基
板であるニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどを
用いた場合に、上述の製造方法により、良好な直接接合
を行うことができる。
【0110】磁性体基板と保持基板と同一の材料もしく
はほぼ同じ熱膨張率を有する基板同士を用いた場合は、
より高温での熱処理が可能であり、接合強度のより強固
なものが得られる。保持基板にガラスを用いた場合、熱
膨張率を広範囲に変えることが可能なため、用いる磁性
体基板に合わせた熱膨張率のガラスを保持基板として用
いることが可能である。
【0111】直接接合に用いる基板は、基板表面の凹凸
が、直接接合の歩留まりに影響を与えるため、平坦で清
浄な表面の得易い単結晶基板が好ましい。
【0112】本製造方法で得られた接合界面は、接着剤
を用いずに原子オーダーの接合が得られるため、熱的変
化や機械的振動にたいして安定な複合磁性体基板が得ら
れる。
【0113】(実施例14)実施例8の図14に示した
複合磁性体基板213の製造方法の例を、図22のフロ
ーチャートを参照しながら説明する。
【0114】保持基板及び磁性体基板表面を研磨により
平坦化し、さらに表面が鏡面状態になるまで研磨する。
次に接合する基板の少なくとも一方の面に、無機薄膜層
を、スパッタリング、真空蒸着、化学気相成長法などに
より形成する(S11)。無機薄膜層としては珪素もし
くは珪素化合物が好ましく、珪素は多結晶でも非晶質で
もよい。珪素化合物としては、酸化珪素、窒化珪素など
が好ましい。次に接合予定部表面、無機薄膜層を形成し
た基板についてはその無機薄膜層表面を、洗剤、各種溶
剤により極めて清浄にする(S12)。それぞれの接合
予定部表面を、60℃−70℃のアンモニア−過酸化水
素系溶液により、親水化処理する(S13)。その後、
その表面を純水で十分洗浄する。親水化処理された2つ
の表面を一様に重ね合わせることにより、実施例13と
同様、容易に接合が得られる(S14)。この状態で熱
処理を行うことにより接合強度が強化される(S1
5)。この状態で熱処理を行うことにより接合強度が強
化される。100℃から800℃の温度で熱処理を行う
と、その接合は更に強化される。熱処理の効果は実施例
13とほぼ同様であり、200℃で、1時間程度保持す
るだけでも接合強度は数倍に上がり、数10Kg/平方
cmの強度が得られる。
【0115】また、熱処理温度は、保持基板と磁性体基
板と無機薄膜層が変質する温度以下であればよい。
【0116】実施例8においては無機薄膜層を磁性体基
板に形成した例を説明したが、保持基板に無機薄膜層を
形成しても、同様にして直接接合できる。また、両基板
の表面に無機絶縁層を形成しても、同様にして直接接合
できる。得られた複合磁性体基板の機能、性能として
は、いずれの場合もほぼ同様のものが得られる。
【0117】また直接接合は、高温の熱処理では、共有
結合が支配的となるため、無機絶縁層に珪素を含むもの
が、共有結合を形成しやすく、接合強度の高いものを得
易い。
【0118】磁性体基板としては、実施例11と同様、
ガーネット(一般式 A3512で示される)で、例え
ば、YIGやBi(ビスマス)で一部置換したもの、希
土類元素で一部置換したもの、またはフェライト(一般
式 MO・Fe23 で示され、MはMn,Fe,C
o,Ni,Zn,Mgなど)を用い、保持基板の場合に
も実施例11と同様、磁性体として、ガーネット結晶、
例えば、GGGあるいはそれらの構成元素に一部を他の
元素に置換したものや、上述のフェライト、または石英
ガラス、ほう珪酸ガラスなどのガラス、または半導体で
あるSi、およびGaAsやInPなどのIII−V族化
合物半導体、または電気光学効果を有する透光性基板で
あるニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどを用い
た場合に、上述の製造方法により、良好な直接接合を行
うことができる。
【0119】磁性体基板と保持基板に同一材料もしくは
ほぼ同じ熱膨張率を有する基板同士を用いた場合は、よ
り高温での熱処理が可能であり、接合強度のより強固な
ものが得られる。保持基板にガラスを用いた場合、熱膨
張率を広範囲に変えることが可能なため、用いる磁性体
基板に合わせた熱膨張率のガラスを保持基板として用い
ることが可能である。
【0120】直接接合に用いる基板は、基板表面の凹凸
が、直接接合の歩留まりに影響を与えるため、平坦で清
浄な表面の得易い単結晶基板が好ましい。
【0121】また実施例13の製造方法に比べて、無機
薄膜層が直接接合の界面に発生する応力のバッファー層
の役目を果たすので、磁性体基板と保持基板の熱膨張率
の差やサイズに対する制約が少し緩和される。そのため
接合熱処理をより高温で行うことができ、接合強度の高
いものが得られる。また、接合界面に多少のゴミがあっ
ても、熱処理により直接接合が強化される過程で、無機
薄膜層に取り込まれるため、製造上歩留まりが上がると
いう効果がある。上述した効果は、酸化珪素膜のように
磁性体単結晶基板より剛性の低い材料を用いた場合に、
顕著である。
【0122】本製造方法で得られた接合界面は、実施例
13と同様、接着剤を用いずに原子オーダーの接合が得
られるため、熱的変化や機械的振動に対して安定な複合
磁性体基板が得られる。
【0123】本実施例では、複合磁性体基板の特定のデ
バイスへの応用例を示したが、これらに限定されるもの
ではなく、磁気ヘッドなど他のデバイスへも応用するこ
とができる。
【0124】
【発明の効果】本発明では、有機物などの接着剤を用い
ずに複合磁性体基板を形成することができることから、
基板上下の平行度が良く、基板表面の高精度微細加工が
可能である。また、直接接合された複合磁性体基板は、
熱的、機械的及び化学的に安定である。さらに、保持基
板と磁性体基板の組合せの自由度が大きいことから、用
途に適した構成の基板を形成できる。その結果、光アイ
ソレータ、静磁波デバイスなどの磁性体応用デバイスの
設計自由度が大幅に増す。また、磁気デバイスと電子素
子、光素子とを集積化した集積化磁気デバイスを得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光アイソレータの構造を示す図である。
【図2】実施例1の複合磁性体基板の断面図である。
【図3】直接接合の原理を模式的に表す図である。
【図4】実施例2の光アイソレータの構造を示す図であ
る。
【図5】実施例2の他の光アイソレータの構造を示す図
である。
【図6】実施例2の他の光アイソレータの構造を示す図
である。
【図7】実施例3の静磁波デバイスの構造を示す図であ
る。
【図8】実施例4の複合磁性体基板の断面図である。
【図9】実施例5の複合磁性体基板の断面図である。
【図10】実施例5の集積化磁気デバイスの構造を示す
図である。
【図11】実施例6の集積化磁気デバイスの構造を示す
図である。
【図12】実施例7の複合磁性体基板の構成を示す図で
ある。
【図13】実施例7の集積化磁気デバイスの構造を示す
図である。
【図14】実施例8の複合磁性体基板の断面図である。
【図15】実施例8の光アイソレータの構造を示す図で
ある。
【図16】実施例8の静磁波デバイスの構造を示す図で
ある。
【図17】実施例9の複合磁性体基板の構造を示す図で
ある。
【図18】実施例10の複合磁性体基板の構造を示す図
である。
【図19】実施例11の集積化磁気デバイスの構造を示
す図である。
【図20】実施例12は、複合磁性体基板の断面図であ
る。
【図21】図2に示した複合磁性体基板202の製造工
程を示すフローチャートである。
【図22】図14に示した複合磁性体基板213の製造
工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 保持基板 2 磁性体基板 202 複合磁性体基板

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体基板と、 該磁性体基板に、水素結合及び共有結合のうちの少なく
    とも一方の結合によって直接接合されている保持基板
    と、 を備える複合磁性体基板。
  2. 【請求項2】 直接接合されている前記磁性体基板と前
    記保持基板との接合界面層の厚みが、20nm以下であ
    る請求項1記載の複合磁性体基板。
  3. 【請求項3】 前記磁性体基板の材料は、単結晶である
    請求項1記載の複合磁性体基板。
  4. 【請求項4】 前記磁性体基板の材料は、ガーネットで
    ある請求項1記載の複合磁性体基板。
  5. 【請求項5】 前記磁性体基板の材料は、イットリウム
    ー鉄ーガーネットを主成分とする請求項4記載の複合磁
    性体基板。
  6. 【請求項6】 前記保持基板の材料は、半導体材料であ
    る請求項1記載の複合磁性体基板。
  7. 【請求項7】 前記半導体材料は、珪素である請求項6
    記載の複合磁性体基板。
  8. 【請求項8】 前記半導体材料は、III−V族半導体材
    料である請求項6記載の複合磁性体基板。
  9. 【請求項9】 前記保持基板の材料はガラスである請求
    項1記載の複合磁性体基板。
  10. 【請求項10】 前記ガラスの熱膨張率は、前記磁性体
    基板の熱膨張率と実質的に同じである請求項9記載の複
    合磁性体基板。
  11. 【請求項11】 前記保持基板は、電気光学効果を有す
    る透光性基板である請求項1記載の複合磁性体基板。
  12. 【請求項12】 前記保持基板の材料は、磁性体である
    請求項1記載の複合磁性体基板。
  13. 【請求項13】 前記磁性体基板の材料と前記保持基板
    の材料とが同一材料である請求項1記載の複合磁性体基
    板。
  14. 【請求項14】 磁性体基板と、保持基板とを有し、 該磁性体基板及び該保持基板の少なくとも一方の基板
    は、表面に無機薄膜層を有し、 該磁性体基板と該保持基板とは、該無機薄膜層を介し
    て、水素結合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結
    合によって直接接合されている複合磁性体基板。
  15. 【請求項15】 直接接合されている前記磁性体基板と
    前記保持基板との接合界面層の厚みが、20nm以下で
    ある請求項14記載の複合磁性体基板。
  16. 【請求項16】 前記磁性体基板の材料は、単結晶であ
    る請求項14記載の複合磁性体基板。
  17. 【請求項17】 前記磁性体基板の材料は、ガーネット
    である請求項14記載の複合磁性体基板。
  18. 【請求項18】 前記磁性体基板の材料は、イットリウ
    ムー鉄ーガーネットを主成分とする請求項17記載の複
    合磁性体基板。
  19. 【請求項19】 前記保持基板の材料は、半導体材料で
    ある請求項14記載の複合磁性体基板。
  20. 【請求項20】 前記半導体材料は、珪素である請求項
    19記載の複合磁性体基板。
  21. 【請求項21】 前記半導体材料は、III−V族半導体
    材料である請求項20記載の複合磁性体基板。
  22. 【請求項22】 前記保持基板の材料はガラスである請
    求項14記載の複合磁性体基板。
  23. 【請求項23】 前記ガラスの熱膨張率は、前記磁性体
    基板の熱膨張率と実質的に同じである請求項22記載の
    複合磁性体基板。
  24. 【請求項24】 前記保持基板は、電気光学効果を有す
    る透光性基板である請求項14記載の複合磁性体基板。
  25. 【請求項25】 前記保持基板の材料は、磁性体である
    請求項14記載の複合磁性体基板。
  26. 【請求項26】 前記磁性体基板の材料と前記保持基板
    の材料とが同一材料である請求項14記載の複合磁性体
    基板。
  27. 【請求項27】 前記無機薄膜層の材料は、珪素及び珪
    素化合物から選ばれる請求項14記載の複合磁性体基
    板。
  28. 【請求項28】 前記珪素化合物は、酸化珪素または窒
    化珪素である請求項27記載の複合磁性体基板。
  29. 【請求項29】 磁性体基板および保持基板を有する複
    合磁性体基板の製造方法であって、 該磁性体基板および該保持基板の接合予定部表面を清浄
    にする工程と、 該清浄にされた表面を親水化する工程と、 該親水化された表面を重ね合わせて、磁性体基板と前記
    保持基板とを直接接合によって接合する工程と、 を包含する複合磁性体基板の製造方法。
  30. 【請求項30】 磁性体基板および保持基板を有する複
    合磁性体基板の製造方法であって、 該磁性体基板および該保持基板の、少なくとも一方の接
    合予定部表面に、無機薄膜層を形成する工程と、 該無機薄膜層の表面および無機薄膜層が形成されていな
    い接合予定部表面を清浄にする工程と、 該清浄にされた無機薄膜層の表面及び接合予定表面を親
    水化処理する工程と、 該親水化された表面を重ね合わせて、磁性体基板と前記
    保持基板とを直接接合によって接合する工程と、 を包含する複合磁性体基板の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記無機薄膜層の材料は、珪素及び珪
    素化合物から選ばれる請求項30記載の複合磁性体基板
    の製造方法。
  32. 【請求項32】 磁性体基板と、該磁性体基板に水素結
    合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって
    直接接合されている保持基板とを備える複合磁性体基板
    を有し、 該磁性体基板上に、磁性体基板に静磁波を励振させる電
    極を有する静磁波デバイス。
  33. 【請求項33】 磁性体基板と保持基板とを備え、該磁
    性体基板及び該保持基板の少なくとも一方の基板は表面
    に無機薄膜層を有し、該磁性体基板と該保持基板とは、
    該無機薄膜層を介して、水素結合及び共有結合のうちの
    少なくとも一方の結合によって直接接合されている複合
    磁性体基板を有し、 該磁性体基板上に、磁性体基板に静磁波を励振させる電
    極を有する静磁波デバイス。
  34. 【請求項34】 磁性体基板と、該磁性体基板に水素結
    合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって
    直接接合されている保持基板とを備える複合磁性体基板
    を有し、 該磁性体基板は磁気光学効果を有し、該磁性体基板に光
    導波路が形成された磁気デバイス。
  35. 【請求項35】 磁性体基板と、該磁性体基板に水素結
    合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって
    直接接合されている保持基板とを備える複合磁性体基板
    を有し、 該磁性体基板は磁気光学効果を有し、該磁性体基板は光
    アイソレータの機能を有する磁気デバイス。
  36. 【請求項36】 磁性体基板と保持基板とを備え、該磁
    性体基板及び該保持基板の少なくとも一方の基板は表面
    に無機薄膜層を有し、該磁性体基板と該保持基板とは、
    該無機薄膜層を介して、水素結合及び共有結合のうちの
    少なくとも一方の結合によって直接接合されている複合
    磁性体基板を有し、 該磁性体基板は磁気光学効果を有し、該磁性体基板は光
    アイソレータの機能を有する磁気デバイス。
  37. 【請求項37】 磁性体基板と、該磁性体基板に水素結
    合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって
    直接接合されている保持基板とを備える複合磁性体基板
    を有し、 該保持基板は電気光学効果を有する透光性基板であっ
    て、前記透光性基板に光デバイスが形成されている磁気
    デバイス。
  38. 【請求項38】 磁性体基板と保持基板とを備え、該磁
    性体基板及び該保持基板の少なくとも一方の基板は表面
    に無機薄膜層を有し、該磁性体基板と該保持基板とは、
    該無機薄膜層を介して、水素結合及び共有結合のうちの
    少なくとも一方の結合によって直接接合されている複合
    磁性体基板を有し、 該保持基板は電気光学効果を有する透光性基板であっ
    て、前記透光性基板に光デバイスが形成されている磁気
    デバイス。
  39. 【請求項39】 磁性体基板と、該磁性体基板に水素結
    合及び共有結合のうちの少なくとも一方の結合によって
    直接接合されている保持基板とを備える複合磁性体基板
    を有し、 該保持基板の材料は半導体材料であって、該保持基板に
    電子素子及び光素子から選ばれる少なくとも1つの素子
    が形成されている集積化磁気デバイス。
  40. 【請求項40】 磁性体基板と保持基板とを備え、該磁
    性体基板及び該保持基板の少なくとも一方の基板は表面
    に無機薄膜層を有し、該磁性体基板と該保持基板とは、
    該無機薄膜層を介して、水素結合及び共有結合のうちの
    少なくとも一方の結合によって直接接合されている複合
    磁性体基板を有し、 該保持基板の材料は半導体材料であって、該保持基板に
    電子素子及び光素子から選ばれる少なくとも1つの素子
    が形成されている集積化磁気デバイス。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6806990B2 (en) 2001-11-22 2004-10-19 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Optical device and method for producing optical device
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