JPH0721953A - 電子線源及びそれを用いた電子線応用装置と電子装置 - Google Patents

電子線源及びそれを用いた電子線応用装置と電子装置

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JPH0721953A
JPH0721953A JP16162193A JP16162193A JPH0721953A JP H0721953 A JPH0721953 A JP H0721953A JP 16162193 A JP16162193 A JP 16162193A JP 16162193 A JP16162193 A JP 16162193A JP H0721953 A JPH0721953 A JP H0721953A
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electron
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energy
needle
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Taku Oshima
卓 大嶋
Katsuhiro Kuroda
勝広 黒田
Mitsuhiro Mori
光廣 森
Kiyokazu Nakagawa
清和 中川
Tomoyoshi Mishima
友義 三島
Takeyuki Hiruma
健之 比留間
Masakuni Okamoto
政邦 岡本
Masanobu Miyao
正信 宮尾
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Hitachi Ltd
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    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
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    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement or ion-optical arrangement
    • H01J37/06Electron sources; Electron guns
    • H01J37/073Electron guns using field emission, photo emission, or secondary emission electron sources

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  • Analytical Chemistry (AREA)
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】エネルギー幅の狭い電子線を発生する電子線源
を提供する。 【構成】導電体の針11の表面に膜厚が電子波の浸透長
程度以下のバリア層12と量子井戸層13を備え、対向
する電極に対し負の電圧を印加して電子線を発生する電
子線源。 【効果】極めてエネルギー幅の狭い電子線を放出する電
子線源が得られ、高分解能の電子顕微鏡や高性能の電子
分光装置、電子線回折装置を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子線源及び電子線応用
装置に係わり、特に電子顕微鏡の高分解能化や、エネル
ギー分析による材料評価を行う分析装置に好適な、極単
色電子線源及びそれを用いた電子線応用装置と電子装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の狭ネルギー幅を有する電子線源と
して一般に広く使用されているものとしては、電界放出
型電子銃があり、この原理について記載されたものとし
ては、例えば、日本学術振興会第132委員会編、電子
・イオンビームハンドブック第2版(昭和61年日刊工
業新聞社)、145〜151ページ、がある。この電子
線源においては、タングステン(W)陰極の先端を10
0nm径程度に鋭く尖らせることによって先端部分に電
界を集中させ、その結果、先端部分から真空中に電界放
出される電子を用いている。
【0003】また、単色化した電子線を用いる分析装置
等においては、狭エネルギー幅の電子線を得るために、
従来の電子線源から発生させた電子線をエネルギーアナ
ライザに通し、磁界や電界によってエネルギー分散さ
せ、スリット等によってその内の極く一部を取り出して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】W内部の電子と真空中
の自由電子との間には仕事関数と呼ばれるポテンシャル
エネルギー差があり、常温ではW内部の電子は外に出る
ことはない。従来例においては、高電界をかけることに
よって真空準位を曲げ、図2(a)のような薄い三角形
のポテンシャル障壁とすると、W中の電子の一部はこの
ポテンシャル障壁をトンネル効果によって透過し、真空
中に放出される。この場合の電子線のエネルギー分布
は、W内部の電子のエネルギー分布とポテンシャル障壁
の透過率との積となり、図2(b)に示される分布とな
る。この結果、放出される電子のエネルギー半値幅は室
温で0.26eV程度となる。温度を下げれば電子のフ
ェルミ分布が急峻となるために高エネルギー側の拡がり
は小さくなるが、絶対零度においても半値幅は0.2e
V程度である。これは、ピークより低エネルギー側の拡
がりがポテンシャル障壁の透過率で決まっており、この
透過率は低温にしても変化しないことに起因している。
従って、従来例ではこれ以上の単色化は望めず、顕微鏡
の分解能の大幅な向上は望めないという問題があった。
【0005】また、単色化した電子線を用いる分析装置
等においては、電子光学系にエネルギーアナライザを用
いるために、電子線量が減少する、装置の小型化が難し
い、等の問題があった。特に高分解能の電子エネルギー
損失分光(EELS)装置の場合、数十meV程度以下
のエネルギー幅の電子線を得るために高分解能のエネル
ギーアナライザを用いており、電子線量が大きく減少す
る結果、測定には長時間を要していた。またこの場合、
高分解能のエネルギーアナライザの組み立て、位置合わ
せ、電子線の調整等のために多くの労力を必要とすると
いう問題があった。さらに、この場合、アナライザの焦
点距離を長くとるとアナライザが大きくなるために試料
や電子線源等の配置の自由度が少なく、装置の小型化が
困難で他の装置と組み合せて多機能化することが困難で
ある等の問題があった。
【0006】本発明の主眼は、上記の問題を解決し、新
しい原理により、エネルギー幅の狭い電子線を発生する
電子線源を提供すること、及び単色化した電子線を用い
た高性能の電子線応用装置と電子装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】エネルギー分布の狭い電
子線源を形成するためには、固体中にある電子のうち特
定のエネルギー準位の電子のみを選択的に取り出すよう
にすればよい。この選択の幅が狭ければ狭いほどエネル
ギー幅の小さな電子線を得ることができる。
【0008】また、単色化した電子線を用いる高性能、
多機能の装置を形成するためには、エネルギーの分布の
狭い電子線源を用いれば良い。これにより使用上の制約
の多い高分解能のエネルギーアナライザを不用とするこ
とができる。
【0009】
【作用】上記の、固体中にある電子のうち特定のエネル
ギー準位の電子のみを選択的に取り出す手段を達成する
ために、電子が放出される経路中に、電子に対するエネ
ルギー障壁層2個とその二重障壁に囲まれてできた量子
井戸層を形成し、この二重障壁構造による共鳴トンネル
現象を利用する。すなわち、量子井戸内の量子準位に一
致したエネルギーの電子がこの二重障壁層に入射する
と、きわめて高い確率で透過する。この共鳴条件は量子
準位にしたがいとびとびに存在し、しかも透過確率の高
いエネルギー帯域は極めて狭い、いわば、電子波干渉フ
ィルターとなる。ここで、完全に透過確率が1となる共
鳴条件とするには、量子井戸を中心に対称な構造とすれ
ばよく、特に、二つの障壁はバリア高さ、電子の有効質
量、厚さ共に同一にすれば実現できる。これに関して、
従来の金属/絶縁体/金属(MIM)構造の陰極の代わ
りに半導体/絶縁体/半導体(SIS)多層構造として
共鳴トンネル現象を用いるというアイディアが、、武
内、御子柴共編「トンネル現象の物理と応用」 培風館
(1987年)刊の中の横尾、小野著「第6章トンネル
エミッションの課題」の88〜90ページに記載されて
いる。しかしながら、具体的な構造及び電圧印加方法は
記載されていない。従来のMIM構造にSIS多層膜を
用いて二重障壁構造を形成する例として容易に類推され
るものを図12(a)に示す。MIM陰極では、基板と
上部電極の間に電圧をかけ基板の電子をトンネル効果に
よって上部電極を引き出す。そして、この電位差が仕事
関数よりも大きくなると、引き出された電子は容易に真
空中に放出される。ところが、このような条件を達成し
た場合、図12(b)に示されるように、絶縁体中は高
電界となるために、二重障壁のエネルギー構造が対称で
なくなり、完全に透過確率が1となる共鳴条件は得られ
ない。また、上部電極付近ではホットエレクトロンと呼
ばれる運動エネルギーが大きな電子となり、固体中で散
乱によってエネルギーを失い易く、放出電子のエネルギ
ー分布を広げるという問題がある。
【0010】本発明においては、この共鳴トンネル現象
を電子線源に応用するために、固体と真空との間に二重
障壁構造を設ける。図3(a)に示すように高電界下で
の真空準位より形成される三角形のポテンシャル障壁3
1を二重障壁の一つとし、もう一つの障壁を電子線源内
部に形成した薄膜12とする。量子井戸は薄膜13であ
る。この電子線源の場合、障壁の一方が真空でもう一方
が固体であり二つの障壁が同じ材料となることはないた
め、理想的な共鳴条件は得られないが、それに近い条件
は選ぶことができる。
【0011】一つのポテンシャル障壁に対する電子の透
過率DはWKB近似を用いて次のように書ける。
【0012】 D=exp{−2∫k(x)dx} (式1) ここでxは位置を表わす変数、積分はバリア層の膜厚全
体にわたる定積分、k(x)は次式で表わされる。
【0013】 k(x)=〔√{2m(V(x)−E)}〕2π/h (式2) ここでmは電子の有効質量、V(x)はバリア高さ、E
は電子のエネルギー、hはプランク定数である。
【0014】このk(x)の逆数は電子波がバリア内に
浸透する長さに対応しており、Dの値は膜厚が薄くかつ
その浸透長が長いほうが大きくなる。そして、理想的な
共鳴状態に近い条件を得るにはDの値が両方の障壁で同
程度で、かつ100分の1オーダーより大きくすること
が望ましい。この条件は、真空中にできるポテンシャル
障壁31に関しては外部からの電界で制御することによ
って達成される。また、電子線源中に設けられたバリア
層12に関しては、電子の有効質量m、バリア高さV、
電子エネルギーE、で決まる浸透長に対して、膜厚を同
程度以下にすることで条件を達成することができる。す
なわち、本発明の目的であるエネルギー幅の極めて小さ
な単色の電子線源を提供することができる。以上説明し
たように本発明では、固体と真空の間で共鳴トンネル現
象を起こすため、図12に示した例と異なり、電子が固
体中で大きな運動エネルギーを持つことが無く、散乱に
よるエネルギー分布の拡がりが無いという利点がある。
【0015】エネルギー分布の極めて狭い電子線源を用
いることにより、従来の電子線単色化装置で用いていた
高分解能のエネルギーアナライザが不用となり、より簡
便な構造で、かつ電子線量が減少することなしに試料表
面に到達するため、短時間で測定できる分析装置を提供
することができる。
【0016】以下に実施例を用いて本発明の詳細な説明
を行なう。
【0017】
【実施例】
(実施例1)図1に本発明の実施例の1つを示す。試料
として(111)方向にのびたn+型GaAs単結晶の
針11を第1の材料として用い、分子線エピタキシー
(MBE)法により、この先端付近に1.4nmの単結
晶AlAs膜12を第2の材料とし、さらにその上に7
nmの単結晶GaAs膜13を第3の材料として成長さ
せる。この結果、図1bに示されるエネルギー構造が形
成される。これを真空装置に導入し、540℃5分間の
加熱により表面を清浄化した後、対向する陽極に対して
先端付近の電界が10V/nm程度になるまで負の電圧
をかけると、図3aに示される構造となり、トンネル放
出する電子が増加する。しかも、電子の透過率は図3b
に示されるようなエネルギー依存性を持つため、極めて
エネルギー幅の狭い電子線が得られる。室温において
は、熱エネルギーの26meV程度の幅となる。さら
に、この電子線源にクライオスタットを装着することに
よって、液体窒素温度(77K)で7meV、液体ヘリ
ウム温度(4K)で1meV程度のエネルギー幅の電子
線が得られる。
【0018】本実施例においては、外側の第3の材料で
あるGaAs量子井戸層13は不純物ドーピングを施し
てはいないが、表面準位の存在によって動作条件が不安
定になる場合は、GaAs量子井戸層13内にn型不純
物であるSiを1平方センチメートル当り10の12乗
個程度ドーピングすると、表面の電位を固定し、安定し
た動作が得られるという利点がある。
【0019】なお、本実施例においては、電子線源の母
材11の第1の材料、バリア層12の第2の材料、量子
井戸層13の第3の材料としてそれぞれn+型GaA
s、1.4nmのAlAs、7nmのGaAsを用いて
いるが、この他にもn+型GaAs、AlGaAs、G
aAsの組み合せ、あるいは他のIII−V族化合物半導
体、例えばInGaAsP混晶等の格子不整合系の組み
合せ、あるいはII−VI族化合物半導体、例えばn+型Z
nSe、ZnS、ZnSeの組み合せ、あるいはIV族半
導体、例えばn+型Ge、Si−Ge,Geの組み合せ
を用いても、バリア層と量子井戸層の厚みを各材料の有
効質量、電子ポテンシャルによって調節すれば、同様の
物性を持つ材料の組み合せであるから同様の効果が得ら
れる。なお、Geのような間接遷移型の半導体の場合、
有効質量の小さい方位を電子の走行方向に選ぶとより効
果的である。また、電子の走行方向を表面の材料の仕事
関数の小さい結晶方位に選ぶと、拡がり角が小さく収束
性の良い電子線が得られ、電子顕微鏡等に応用する際の
高分解能化に有利となる。
【0020】また、本実施例においては、材料の組み合
せとして半導体を用いたが、電子線源の母材として第1
の材料を金属、半金属等を用いると電子密度が半導体よ
りも高いためにより電流量の多い電子線源が得られる。
例えば、単結晶NiAlを用いると、この上に第2、第
3の材料としてn+型GaAs、AlGaAs、GaA
s系が単結晶成長でき、単結晶CoSi2を用いるとS
i、Ge系が単結晶成長できる。また、バリア層として
第2の材料に1nm程度以下の絶縁体を用いても実施例
と同様の効果が得られる。例えば、単結晶CaF2はS
i及びGaAsと組み合せて、また、単結晶Al23
Siと組み合せて、単結晶成長可能であり、この場合半
導体に比べて耐熱性が高く、大きな電流密度でも動作す
るという利点がある。したがって、これらの金属と絶縁
体と半導体を組み合せて用いるとより一層効果的であ
る。
【0021】なおここでは、結晶成長方法としてMBE
法を用いたが、この他にMOCVD(有機金属気相成
長)法やCVD(気相成長)法等、単結晶薄膜を成長で
きる方法であれば同様の効果が得られる。
【0022】また、本実施例においては、材料として単
結晶を用いたが、1nm程度以下の非晶質を用いても同
様の効果があり、この場合、既存の針状W電子線源上に
プラズマCVD法や低温蒸着法等により簡便に形成でき
るという利点がある。非晶質材料として例えば、a−S
i、a−Si−C、a−Si−N、a−Si−Ge等の
IV族系あるいはS−Se−Te系のカルコゲン等の組み
合せが用いられる。
【0023】また、本実施例においては、一組のバリア
層と量子井戸層を用いたが、複数組形成しても同様の効
果がある。その場合、外側のバリア層と量子井戸層の材
料を内側のものよりも電子ポテンシャルの高いすなわち
仕事関数の小さいものにすると、より低い引き出し電圧
で電子線を得ることができるという利点がある。また、
外側のバリア層と量子井戸層で形成される電子波干渉フ
ィルターに対して、内側の量子井戸層にできる極めてエ
ネルギー幅の狭い状態密度のピークエネルギーを電圧印
加等により一致させると、いっそうエネルギー幅が狭
く、かつ大電流の電子線が得られるという利点がある。
【0024】本実施例においては、先端を針状にして電
界集中させ、真空中に薄いポテンシャル障壁31を形成
しているが、刃状にしても同様の効果があり、その場合
線状の電子線源が得られる。また、先端を尖らせずと
も、引き出し電極を十分に近付け、所望の領域に必要な
電界を与えれば同様の効果がある。
【0025】(実施例2)本発明の電子線源を分析装置
に応用した一実施例を図4に示す。
【0026】加速レンズ43の第1陽極431に印加さ
れた電圧V1(約2.5kV)により、電子線源41か
ら電子線42が放出される。次に第2陽極432に電圧
0(=100V)を印加し、所望の加速電圧の電子線
を得る。加速レンズ43を通過した電子線42はコンデ
ンサレンズ44や対物レンズ45により細く絞られて、
試料47を照射する。このとき発生する2次電子480
を2次電子検出器48で検出し、その検出信号強度を、
電子線42を試料47の表面上で2次元的に走査する偏
向器46の偏向信号と同期してCRT上に表示すれば、
SEM像が得られる。本実施例では、試料47から反射
して出てくる反射電子490をエネルギー分析できるよ
うに静電型のエネルギー分析器49を配置した。これ
は、試料47で電子線42が損失したエネルギーを測定
することにより、試料47の表面状態を知るためであ
る。例えば、損失エネルギー数eVから数百meVの範
囲で表面化学種の電子状態を知ることができ、さらに損
失エネルギー数十meVの領域で表面化学種の振動状態
を知ることができる。これにより、例えば、試料表面第
1層の元素や吸着分子の種類や吸着状態の分析が局所的
に行なえるという利点がある。また、従来の高分解能の
エネルギーアナライザを用いた単色電子線装置に比べ
て、簡便な構造で、かつ電子線量が減少することなしに
試料表面に到達するため、短時間で測定できるという利
点がある。
【0027】本実施例においては、電子線42のエネル
ギー幅は約25meVと小さいために、加速電圧V0
100Vと低くても、色収差を小さくおさえることがで
き、試料47上で電子線42を約20nmに絞ることが
できた。すなわち、従来の電界放出型電子線源ではこの
ような加速電圧では約0.1μm程度であることから判
断しても、本発明の電子線源は高空間分解能化に適した
電子線源であることが分かる。一方、エネルギー分析に
関しても、エネルギー幅が約25meVと小さかったた
めに、約30meVまでの損失エネルギーを正確に測定
することができた。この分析を従来の電界放出型電子線
源で行なうと、約0.5eVの損失エネルギーまでしか
測定できなかったことから、本発明の電子線源は、この
ような分析装置において高エネルギー分解能化に極めて
有効であることが分かる。
【0028】なお、試料47とエネルギー分析器49の
回転機構を付加し、電子の入射角を変化させて測定すれ
ば、特定の化学結合の向きをも知ることができる。ま
た、エネルギー分析器49の入口に電子レンズを付加
し、より広範囲からの電子を測定する配置にすれば、表
面化学状態の2次元像を得ることができる。
【0029】以上、本電子線源の一利用装置例を示し
た。本実施例において、レンズや偏向器の数や配置は本
実施例に限らず、また分析器も静電型に限らず、本発明
を実施できることはいうまでもない。
【0030】なお、本実施例においては、単色性の良い
電子線源の利点に着目して高分解能走査電子顕微鏡と電
子分光装置とを組み合せた構成としたが、単独で用いて
もそれぞれ有用であることはいうまでもない。電子分光
装置として用いる場合、電子線源と試料との間にエネル
ギー分析器を入れるとさらに高エネルギー分解能の分析
装置が得られる。また、本実施例においては、単色性の
良い電子線源を高空間分解と高エネルギー分解のために
用いたが、高干渉性に着目し、例えば、反射電子線回折
装置に応用すると原子列の間隔の精密測定が行なえると
いう利点もある。
【0031】また、本実施例において走査電子顕微鏡を
例にとり、電子線のエネルギー幅が狭いと、加速電圧が
低くても色収差を小さくおさえることができ、試料上で
電子線を絞ることができる事を示したが、この電子銃を
半導体生産工程で用いられている電子線描画装置に応用
しても有用である。電子線描画法においては、基板表面
に塗布した有機物のレジスト膜に電子線を照射し、局部
的にレジスト膜を化学変化させて微細パターンを形成す
る。従来の電子線源では、色収差を小さくし電子線を絞
るために数k〜数十keV以上の加速電圧を必要として
いた。この高速電子が、基板中で多量の二次電子を発生
しレジスト膜を化学変化させ、出来上がるレジストのパ
ターンが電子線径よりも太くなるため、微細化には限界
があった。また、高速電子はレジスト材料に対して散乱
断面積が小さいため、高速で描画するために電子線源の
放射角電流密度にして約1mA/sr程度の大電流密度
を必要としており、電子線源の不安定化や劣化を招くと
いう問題があった。本発明による電子線源を用いれば、
低加速電圧化することができるため、これらの問題は、
容易に解決される。特に、加速電圧数eV〜数十eVの
領域で用いると、レジスト材料の化学結合に直接作用す
るため散乱断面積が極めて大きくなり、放射角電流密度
が極めて低くても高速で描画することができるという利
点がある。さらに、二次電子の発生がほとんど抑えられ
るために、より微細なパターンを形成することができる
という利点がある。
【0032】(実施例3)図5に本発明の実施例の1つ
を示す。第1の材料であるn+型GaAs(111)B
面基板51上に、MBE法によって第2の材料の1.4
nmのAlAs層52と第3の材料の7nmのGaAs
層53を単結晶成長する(図5a)。次に200nmの
SiO2層54をCVD法により堆積する(図5b)。
表面の所望の領域に直径100μm程度のホトレジスト
膜55を形成する(図5c)。ホトレジスト膜55をマ
スクとしてHF−NH4OF混合水溶液によりSiO2
54をエッチングする(図5d)。成形されたSiO2
層54をマスクとして、60℃に保ったH2SO4−H2
2混合水溶液中でGaAs層53、AlAs層52、
n+型GaAs(100)基板51をエッチングする。
この液はGaAsを等方的にエッチングするため、基板
を下方向にエッチングすると同時にSiO2層下のGa
Asを横方向にエッチングし、適当な時間でエッチング
を停止すると先端にGaAs/AlAs薄膜のついた針
状の構造が得られる(図5e)。この後、超音波洗浄な
どによって、上部に残ったSiO2層54を除去し、実
施例1と同様の構造の電子線源が得られる。本実施例に
よれば、一度に多数の電子線源が再現性良く得られると
いう利点がある。
【0033】これを単独で用いる場合には基板51裏面
を薄く削り、Au−Ge−Ni膜等のオーミック接触層
と、ハンダ、Au等の接着層を形成した後、一個ずつ切
り離し、金属台に加熱接着する。
【0034】本実施例においては材料の例としてGaA
sとAlAsを用いたが、同様の工程を行なえば、実施
例1で示したような他の材料系を用いても同様の効果が
ある。
【0035】(実施例4)図6に本発明の実施例の1つ
を示す。n+型GaAs(111)基板51上に、2μ
mのSiO2層54と500nmのW層60をCVD法
で堆積する(図6a)。次に直径2μm程度の穴を開け
たホトレジスト膜をマスクとしてNH40H−H22
溶液によりW層60に穴を開け、さらに、HF−NH4
OF混合水溶液によりSiO2層54をエッチングす
る。このとき、エッチング時間を長くとりW層60より
大きな穴とする(図6b)。ホトレジスト膜を除去、洗
浄後、超高真空中に導入し、540℃5分程度の加熱で
GaAs基板表面を清浄化し、基板温度を450℃程度
に保ちNiAlを0.1nm/sec程度の速度で1.
5μm程度蒸着する。この結果、W層上に多結晶NiA
l膜62が、GaAs基板51上に円錐状の単結晶Ni
Al 61が第1の材料として形成される(図6c)。
さらに続けて1.4nmAlAs−7nmGaAs多層
膜を第2の材料、第3の材料として蒸着し、単結晶Ni
Al 61表面を単結晶AlAs−GaAs多層膜63
で覆う(図6d)。他の領域は多結晶体64となる。こ
の結果、実施例1と同様の構造の電子線源が得られる。
本実施例によれば、一度に多数の電子線源が再現性良く
得られるという利点がある。また、W層60を電子引き
出し電極として使用すると、陰極と陽極が1μm程度と
近いため、小さな引き出し電圧で単色電子線が得られ、
しかも小型の単色電子線源装置が得られるという利点が
ある。
【0036】本実施例においては材料の例としてNiA
l、GaAs、AlAsを用いたが、同様の工程を行な
えば、実施例1で示したような他の材料系を用いても同
様の効果がある。
【0037】また、本実施例で用いた形成工程以外の方
法を用いても同様の構造が得られれば、同様の効果があ
る。
【0038】なお、本実施例の、基板上に多数形成され
た電子線源を用いると、単色電子線のマルチビームが得
られ、電子線描画装置の高スループット化、CRTディ
スプレーの高速化あるいは高精細化あるいは小型化等に
効果がある。
【0039】(実施例5)図7に本発明の実施例の一つ
を示す。
【0040】W針71は、W単結晶線をKOH水溶液中
で電解エッチして得られる。このW針71を走査トンネ
ル顕微鏡の探針とし、Au基板73に対して1nm程度
の距離に近付け、針に−7V〜−15Vのパルスを加え
る。これにより、図7(a)に示されるようにW針先端
の極めて狭い領域に1原子層程度のAuの吸着層72が
形成される。次に、このW針71を第1の材料として反
応容器中に入れ、400℃〜500℃に加熱し、トリメ
チルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(T
MG),アルシン(AsH3)をそれぞれ流量10の−
6乗モル/秒程度導入すると、Auの吸着層72がある
部分にのみ2nmのAl0.4Ga0.6As膜74が第2の
材料として成長する。続いて、TMGとAsH3を導入
し、8nmのGaAs膜75を第3の材料として成長さ
せ、図7(b)の構造を得た。この針を陰極として用い
ると、針先端の極めて狭い領域のみから電子線を得るこ
とができ、単色化のみならず線源の高輝度化が達成され
た。従って、本実施例を用いることによって電子顕微鏡
のさらなる高分解能化が達成される。
【0041】なお、本実施例においてはエッチングによ
り形成されたW針の上に半導体を成長しているが、一度
高真空中で1000℃程度以上の加熱をする等の工程に
よって先端に結晶学的に安定な面を形成してから半導体
を成長させると、トンネル効果の条件をそろえることに
なり、いっそう効果的である。
【0042】また、本実施例においてはバリア層と量子
井戸層の例として、Au吸着層があると選択的に成長す
るようなガスソースによるAlGaAs−GaAs系を
用いたが、同様の構造が得られれば、実施例1で示した
各種の材料系を用いても同様の効果がある。
【0043】また、本実施例においはバリア層と量子井
戸層を針先端に選択的に成長させるための例として、走
査トンネル顕微鏡によって先端に付けたAuによるサー
ファクタント(界面活性剤)効果を用いたが、同様の効
果を示す他の材料を用いても良く、さらに、走査トンネ
ル顕微鏡によらずとも、W針に電圧をかけ先端の高電界
で材料ガスを解離させる等の方法によってW針先端に選
択的に成長させれば本実施例と同様の効果がある。
【0044】(実施例6)図8に本発明を表面分析装置
に応用した一実施例を示す。
【0045】超高真空中におかれた試料47表面に電子
銃84からの電子線42が照射され、試料47から反射
して出てくる反射電子490を静電型のエネルギー分析
器49により電子線42が損失したエネルギーを測定す
る。電子銃84においては、単色性の良い電子線源82
と加速レンズ43によって発生した電子線42とを静電
型電子レンズ81によって試料表面上に収束させ、静電
型偏向器83によって収束する位置を調整する。これに
より、試料の表面状態を知ることができる。実施例2に
おいては、単色化電子線源を用いることにより走査型電
子顕微鏡に同様の表面分析機能が付加できることを示し
た。本実施例では、高分解能のエネルギーアナライザ無
しでも単色化電子線が得られることにより、極めて小型
の電子銃で表面分析が行なえるため、超高真空中で試料
の表面状態を問題とする装置、例えば、分子線エピタキ
シー(MBE)装置内に表面モニター装置として備え付
けられるという利点がある。なお、単色性の良い電子線
源82としては、必要とする情報に応じたエネルギー幅
のものを用いる。例えば、表面の元素を知りたければ、
損失エネルギー数eVから数百meVの範囲であるか
ら、針状のWの電界放出型電子線源を用いれば良く、さ
らに詳しく、吸着分子の種類や吸着状態等を知りたい場
合には、損失エネルギーは数十meVの領域であるか
ら、実施例1で示したような共鳴トンネル効果を用いた
電子線源を用いれば良い。
【0046】本実施例では、電子線42が損失したエネ
ルギーを測定する手段として静電型のエネルギー分析器
49を用いているが、他の手段を用いても良く、ショッ
トキダイオード型エネルギー分析器等を用いるといっそ
う小型化可能である。
【0047】また、高精度の測定をする場合、共鳴トン
ネル効果を用いた電子線源を応用して、図9に示される
ようなエネルギー分析器を用いると小型化が可能とな
る。このエネルギー分析器は、電子線源41と第1陽極
431第2陽極432及び静電型電子レンズ81によっ
て構成され、試料47表面で反射した電子490は静電
型電子レンズ81によって収束され、電子線源41に到
達する。電子線源41と第1陽極431に印加された一
定電圧(約2.5kV)により、図3に示されるような
共鳴トンネル効果による電子波干渉フィルターが形成さ
れているが、電子波干渉フィルターは、電子の運動方向
に依存せずに機能する。この場合、真空中から固体中に
入る電子も量子井戸(図3中13)内の量子準位に一致
した電子のみが許される。従って、電子線源41の電位
を、反射した電子490エネルギーの近傍で掃引し、電
流変化を測定することによって、反射した電子490の
エネルギー分布を高精度で測定することができる。な
お、電子線源41の量子井戸幅は、実施例1のものより
も狭くする、例えば、実施例1で7nmであったGaA
s層を4nmとすると、量子井戸内の量子準位のエネル
ギーが上がり、電子線源41からの電子放出を抑えて、
入射する電子を測定できるため、効果的である。
【0048】なお、上記の電子波干渉フィルターを応用
したエネルギー分析器は、図8に示した単色化電子銃と
同じ構造となっていることに着目すると、両者を直接対
向させ図10のような電子線の共鳴器を形成することが
できる。この場合、両電子線源の電位を調整して放出電
子エネルギーを一致させると、損失の無い場合には両者
間の電流が0になり、真空中に電子の定在波を容易に形
成することができる。
【0049】(実施例7)本発明の電子線源を分析装置
に応用した一実施例を図11に示す。
【0050】実施例1と同様に第1の材料として(11
1)方向にのびたn+型GaAs単結晶の針11を用
い、分子線エピタキシー(MBE)法により、この先端
付近に第2の材料として1.4nmの単結晶AlAs膜
12を、さらにその上に第3の材料として2nmの単結
晶GaAs膜13を成長したものを、走査トンネル顕微
鏡の探針として用いる。1nm程度の距離に近付ける
と、図11(b)に示されるようなエネルギー準位が形
成される。ここで電圧を掃引すると、試料110表面の
エネルギー準位とGaAs膜13中の量子準位14とが
一致する所で共鳴トンネル効果により、電子の透過率が
大きくなり、電流が増加するために、表面の電子状態を
知ることができる。実施例2及び実施例6で示した反射
電子のエネルギー損失分光と同様に、表面の元素の種
類、吸着分子の種類や吸着状態等を知ることができる。
また、探針を基板に対して負電位にすると、試料110
表面のエネルギー準位中、電子の空席のある準位が測定
され、正電位にすると電子の存在する準位が測定される
ため、表面電位や表面のバンド構造等を知ることができ
る。さらに、走査トンネル顕微鏡は横方向の空間分解能
が極めて高いため、組み合せて測定することにより、個
々の原子、分子を直接測定することができるという利点
がある。
【0051】本実施例では、走査トンネル顕微鏡を用い
たが、表面近傍に針を近付ける方法であれば、この他に
も原子間力顕微鏡等を用いても同様の効果がある。
【0052】
【発明の効果】以上実施例を用いて説明してきたよう
に、本発明を用いることによって、極めてエネルギー幅
の狭い電子線を放出する電子線源が得られる。この結
果、高分解能の電子顕微鏡や高性能の電子分光装置、電
子線回折装置および電子装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構造(a)とエネルギー構
造(b)を示す図。
【図2】従来例のエネルギー構造(a)と放出電子のエ
ネルギー分布の説明(b)を示す図。
【図3】本発明の実施例1の動作原理の説明(a)と放
出電子のエネルギー分布の説明(b)を示す図。
【図4】本発明の実施例2の構造を示す図。
【図5】本発明の実施例3の形成工程図。
【図6】本発明の実施例4の形成工程図。
【図7】本発明の実施例5の形成工程図。
【図8】本発明の実施例6の構造を示す図。
【図9】本発明の実施例6の構造を示す図。
【図10】本発明の実施例6の構造を示す図。
【図11】本発明の実施例7の構造(a)とエネルギー
構造(b)を示す図。
【図12】従来のMIM構造にSIS多層膜を用いて二
重障壁構造を形成する例として容易に類推される構造
の、電圧を印加していないときのエネルギー構造(a)
と、電圧印加時のエネルギー構造(b)を示す図。
【符号の説明】
11 第1の材料 12 第2の材料によるバリア層 13 第3の材料による量子井戸層 14 量子井戸層中の量子準位 31 真空準位より形成される三角形のポテンシャル
障壁 41 本発明による電子線源 42 電子線 43 加速レンズ 44 コンデンサレンズ 45 対物レンズ 46 偏向器 48 2次電子検出器 49 エネルギー分析器 51 n+型GaAs(100)基板 52 AlAs層 53 GaAs層 54 SiO2層 60 W層 61 円錐状の単結晶NiAl 63 単結晶AlAs−GaAs多層膜 71 W針 72 Auの吸着層 74 Al0.4Ga0.6As膜 75 GaAs膜 81 静電型電子レンズ 82 単色性の良い電子線源 83 静電型偏向器 84 単色電子銃 110 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 清和 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 三島 友義 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 比留間 健之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 岡本 政邦 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 宮尾 正信 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電体である第1の材料の表面に、少なく
    とも一組の、第3の材料よりなる量子井戸層と、上記導
    電体と上記量子井戸層との間に第2の材料よりなる電子
    に対する障壁層とが存在し、該障壁層の厚さが電子波の
    浸透長程度以下の構造を有し、対向する電極である陽極
    に対して負の電圧を印加し、陰極として電子線を放出さ
    せることを特徴とする電子線源。
  2. 【請求項2】上記陰極の構造を針状に形成し、該陰極の
    電子を放出する先端部分の構造が、導電体である上記第
    1の材料の表面に、少なくとも一組の上記第2の材料と
    上記第3の材料とが順に積層被覆され、上記第1の材料
    はフェルミ準位付近に状態密度を有する材料であり、上
    記第2の材料は上記第1の材料に接したときに上記第1
    の材料のフェルミ準位に対して±30meV以内に電子
    の準位を有しない材料であり、かつ膜厚が電子波の浸透
    長程度以下であり、上記第3の材料は上記第2の材料に
    接したときに上記第2の材料の電子が入っていない最低
    の準位よりも30meV以上も低いエネルギーのところ
    に伝導電子の準位を有する材料であり、かつ膜厚が伝導
    電子のド・ブロイ波長程度である構造であることを特徴
    とする請求項1に記載の電子線源。
  3. 【請求項3】上記導電体である第1の材料の表面に、上
    記第2及び第3の材料を順に積層被覆する構造が二組以
    上存在する系において、2組目以降の上記積層被覆構造
    を構成する材料のうち、少なくとも1種類が1組目と異
    なることを特徴とする請求項1または2に記載の電子線
    源。
  4. 【請求項4】上記電子線源を構成する第1、第2および
    第3の材料の全てがそれぞれ半導体の単結晶であり、上
    記第2の材料の結晶は母材である上記第1の材料の結晶
    の上にエピタクシャル成長し、さらに、上記第3の材料
    の結晶は上記第2の材料の結晶の上にエピタクシャル成
    長したものであることを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の電子線源。
  5. 【請求項5】上記導電体である第1の材料は単結晶の金
    属または半金属であり、上記第2の材料の結晶は母材で
    ある上記第1の材料の結晶の上にエピタクシャル成長
    し、さらに、上記第3の材料の結晶は上記第2の材料の
    結晶の上にエピタクシャル成長したものであることを特
    徴とする請求項1、2または3に記載の電子線源。
  6. 【請求項6】上記電子線源を構成する第1、第2及び第
    3の材料のうち、少なくとも1つの材料は非晶質体、あ
    るいは微結晶体であることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3に記載の電子線源。
  7. 【請求項7】上記請求項1から6までに記載された電子
    線源のうちの少なくとも1種類の電子線源が、複数個、
    同一基板上に形成され、該複数個の電子線源に対応する
    陽極も同一基板上に形成されたことを特徴とする電子線
    源。
  8. 【請求項8】上記第2及び第3の材料を基板である上記
    第1の材料上に積層被覆し、その後、溶液、ガス、プラ
    ズマなどを用いてエッチングにより、全体構造を針状に
    形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6または7に記載の電子線源。
  9. 【請求項9】針状に形成された上記第1の材料の上に、
    上記第2及び第3の材料よりなる薄膜を層状に形成した
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または
    7に記載の電子線源。
  10. 【請求項10】上記第2及び第3の材料として、GaA
    s−AlAs系などのIII−V族の化合物半導体の組み
    合せを用いたことを特徴とする請求項1、2、3、4ま
    たは5に記載の電子線源。
  11. 【請求項11】上記半導体として、GaAsと、Alx
    Ga(1-x)Asのxが0.4以下の混晶系などの直接遷
    移型材料とを用いたことを特徴とする請求項10に記載
    の電子線源。
  12. 【請求項12】上記請求項1から11までに記載された
    電子線源のうちの少なくとも1種の電子線源を電子線源
    として用いたことを特徴とする電子線応用装置。
  13. 【請求項13】上記電子線源と、電子レンズ、偏向器な
    どよりなる電子光学系と、さらに、電子線エネルギー分
    析器とにより構成され、試料表面に上記電子線源より放
    出された電子線を照射し、上記試料表面から反射してく
    る電子を上記電子線エネルギー分析器によりエネルギー
    分析することを特徴とする請求項12に記載の電子線応
    用装置。
  14. 【請求項14】上記請求項1から7までと請求項10及
    び11とに記載の電子線源のうちの少なくとも1つと同
    一の構造と、外部より飛来する電子線を上記構造内の上
    記量子井戸層及び上記第2の材料よりなる積層被覆層に
    収束、照射する手段とを有し、上記構造の電位を変える
    ことにより、上記電子線のうちの特定のエネルギーを有
    する電子のみを上記構造内に吸収して計測することを特
    徴とする電子線応用装置。
  15. 【請求項15】上記請求項1から7までと請求項10及
    び11とに記載の電子線源のうちの少なくとも1つと同
    一の構成で、かつ、先端径が500nm以下の針状構造
    をなし、該針状構造の先端を試料表面の10nm以下に
    近付ける手段を有し、該試料表面に対して上記針状構造
    の電位を変化させる手段と、上記針状構造に流れる電流
    変化を測定する手段とを有することを特徴とする電子装
    置。
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