JPH07217861A - バルブ付ガバナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 設置性および維持管理性に優れ、小型で低コ
ストのバルブ付ガバナを提供する。 【構成】 バルブ付ガバナ１は、１次側２と２次側３と
の間に介在され、ガス流路に連通可能なトンネル状の通
路部１０とガス流路を遮断する遮断部とが切換え可能に
設けられるボール弁４と、通路部１０内に収納され、ガ
スの整圧を行うガバナ本体５と、ガス流路の１次側２お
よび２次側３に接続される接続口６および７が形成さ
れ、さらにガバナ本体５の取出口が形成され、内部にボ
ール弁４を回転可能に保持するケーシング９と、リスト
リクタ２１と、パイロット弁２３となどを備えて構成さ
れる。ガバナ本体５の補修の際は、ボール弁４を閉弁状
態に切換えると通路部１０が取出口方向を向くようにな
るので、取出口に取付けられている蓋を外すことによっ
てガバナ本体５を取出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、都市ガス供給管路など
の気体供給管路に介在されて供給側２次圧力を整圧する
ガバナに関し、特にバルブ付ガバナに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、都市ガスの供給管路には複数
のガバナが設けられている。ガバナは、都市ガスが上流
側から供給されてくるときの１次圧をより低い圧力であ
る２次圧にまで降下させて下流側に供給する。下流側に
供給する都市ガスの流量が変動しても２次圧が変動しな
いように整圧することがガバナを使用する目的である。

【０００３】図５にガスの供給管路４０に介在される従
来のガバナ系統４１の構成を示す。ガバナ系統４１に含
まれるガバナ４２は、法律で３年に１度の分解整備が義
務付けられているために、ガバナ４２の上流側４３に入
バルブ４４が設けられ、ガバナ４２の下流側４５には出
バルブ４６が設けられて、ガバナ４２が供給管路４０か
ら脱着可能になっている。また、入バルブ４４の下流側
４５には、上流側４３または下流側４５の圧力が規定圧
力の範囲を外れると、これを検知して供給管路４０を遮
断する緊急遮断弁４７が設けられる。

【０００４】このようにして構成される従来のガバナ系
統４１は、緊急遮断弁４７、入バルブ４４、ガバナ４２
および出バルブ４６は別々の機器であって、それらをボ
ルト接合などを用いて直列に接続することで構成され、
供給設備として機能している。ガバナ４２の定期点検な
どの際には、入バルブ４４および出バルブ４６を閉めて
からボルト接合されているガバナ４２を供給管路４０か
ら取外したり、内部機器だけを取出したりしてガバナ４
２の分解整備を行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来のガバナ系
統４１では、入バルブ４４、ガバナ４２および出バルブ
４６が別個の機器であるために、ガバナ系統４１の重量
および寸法が大きく、配管も複雑になる。このために、
狭い場所などへの設置性が悪く、コストも高くなる。ま
た、ガバナ４２の定期点検などの際には、入バルブ４４
および出バルブ４６を閉めてから供給管路４０にボルト
接合されているガバナ４２を取外したり、ガバナ４２の
上部ボンネットのボルトを外して内部機器を取出したり
する必要があり、ガバナ４２の維持管理性が悪い。

【０００６】本発明の目的は、設置性および維持管理性
に優れ、小型で低コストのバルブ付ガバナを提供するこ
とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、ガス流路に挿
入され、ガス流路を閉塞するための遮断部と、ガス流路
に連通可能な通路部とが切換え可能に形成される閉子
と、閉子の前記通路部内に収納され、ガス流路の下流側
の圧力を整圧するために開閉制御される弁手段と、ガス
流路の下流側の圧力に応答して、前記弁手段を開閉制御
する制御手段とを含むことを特徴とするバルブ付ガバナ
である。

【０００８】また本発明は、前記閉子には弁手段を収納
した通路部が切換え可能に複数設けられ、ガス流路に連
通していない通路部のうちの少なくとも１つは外部から
補修可能であることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明に従えば、ガス流路に介在され、下流側
の圧力を整圧するバルブ付ガバナは、遮断部と通路部と
が切換え可能に形成される閉子と、通路部内に収納され
る弁手段と、制御手段とを備えて構成される。閉子はガ
ス流路に挿入されており、遮断部が流路に介在されると
ガス流路が閉鎖され、通路部がガス流路に介在された状
態では、制御手段によって弁手段が開閉制御されて下流
側の圧力が整圧される。制御手段は、ガス流路の下流側
と連通しており、下流側の圧力に応答して弁手段の制御
を行う。

【００１０】したがって、ガスの流路に挿入され、遮断
部と通路部とから成る閉子の通路部には、弁手段が備え
られるために、ガス流路を遮断するための閉子と、整圧
のための弁手段とを一体にして構成することができる。
閉子と弁手段とを一体にすることによって、バルブ付ガ
バナの構成を簡単に、かつ小型にすることができる。

【００１１】また本発明に従えば、閉子には弁手段を収
納した通路部が切換え可能に複数設けられ、ガス流路に
連通していない通路部のうちの少なくとも１つは、外部
から補修可能となっている。したがって、分解整備など
のために弁手段を取外す際、閉子を切換えることによっ
て、バルブ付ガバナ全体を流路から取外すことなく、外
部から弁手段のみを取出すことができ、維持管理性を向
上することができる。また、閉子には複数の通路部が設
けられるために、１つの弁手段が故障しても、閉子を他
の通路部へ切換えることによって、常に安定したガスの
供給を行うことができる。

【００１２】

【実施例】図１は、本発明の一実施例のバルブ付ガバナ
１の構成を示す断面図である。図２は、図１における断
面と直角に交わる断面から見たときのバルブ付ガバナ１
の構成を示す断面図である。なお、図１では図２に示さ
れるバルブ駆動部１２が省略されており、図２では図１
に示されるリストリクタ２１およびパイロット弁２３が
省略されている。バルブ付ガバナ１は、都市ガスの供給
管路に介在され、都市ガスが上流側である１次側２から
供給されてくるときの１次圧Ｐ１をより低い圧力である
２次圧Ｐ２まで降下させて下流側である２次側３に供給
する。

【００１３】バルブ付ガバナ１は、１次側２と２次側３
との間に介在されるボール弁４を含む。また、ガバナ本
体５は、ボール弁４内部に備えられる。ガス流路の１次
側２および２次側３に接続される接続口６および７が形
成され、さらにガバナ本体５を外部へ取出すための取出
口８が形成され、内部にボール弁４を回転可能に保持す
るケーシング９などもバルブ付ガバナ１に含まれる。取
出口８の内径Ｄは、ガバナ本体５の取出しが容易なよう
に、ガバナ本体５の外径よりも充分に大きく設定され
る。取出口８には取出蓋１９が着脱可能に取付けられ
る。ボール弁４には、１次側２および２次側３に連通可
能に設けられ、内部にガバナ本体５を着脱可能に保持す
るトンネル状の通路部１０と、１次側２と２次側３とを
遮断する遮断部１１とが切換え可能に設けられる。通路
部１０と遮断部１１との切換え操作は、後述するように
バルブ駆動部１２によって行われる。

【００１４】１次側２に気密に連通するようにして設け
られる管路２０は、絞りであるリストリクタ２１を介し
て、中間圧管路２２の一端に接続される。中間圧管路２
２の他端は、パイロット弁２３に接続され、さらにパイ
ロット弁２３は、２次側３と気密に連通する管路２０ａ
に接続される。

【００１５】ガバナ本体５は、絞り部材１３と、絞り部
材１３との間に隙間１４を生じ、隙間１４を開閉する整
圧弁１５と、整圧弁１５を保持する保持部材１７と、絞
り部材１３、整圧弁１５および保持部材１７を保持する
ケーシング１８とを備えて構成される。１次側２と２次
側３とは隙間１４を介してのみ連通する。保持部材１７
と整圧弁１５との間には圧力調整室１６が１次側２およ
び２次側３から気密に遮断されて設けられる。また、ガ
バナ本体５の１次側２にゴミなどを除去するためのフィ
ルタを取付けるようにしてもよい。

【００１６】圧力調整室１６は、保持部材１７に設けら
れる駆動圧力である中間圧Ｐ３の取入口２８、およびボ
ール弁４内に設けられる部屋を介して中間圧管路２２と
気密に連通しており、これによって整圧弁１５には、中
間圧Ｐ３が印加される。整圧弁１５は、両側の圧力であ
る１次圧Ｐ１と中間圧Ｐ３との圧力差、および１次圧Ｐ
２と中間圧Ｐ３との圧力差によって隙間１４の開閉を行
う。

【００１７】バルブ付ガバナ１におけるガバナ本体５の
整圧動作は以下に述べるようにして行われる。２次圧Ｐ
２が正常な圧力値である場合は、圧力調整室１６に与え
られる中間圧Ｐ３は１次圧Ｐ１になっているために、ゴ
ムスリーブ弁である整圧弁１５は絞り部材１３に密着し
た状態となっており、隙間１４は閉ざされている。２次
圧Ｐ２が低下してきて、パイロット弁２３の作動に伴っ
て中間圧Ｐ３が低下すると、圧力差（Ｐ１−Ｐ３）が大
きくなり、かつ圧力差（Ｐ２−Ｐ３）が小さくなるため
に、図１に示すような隙間１４が生じ、隙間１４を介し
て１次側２から２次側３へガスが流れる。その結果、２
次圧Ｐ２が上昇して正常な圧力値にまで戻り、これによ
って整圧弁１５が元の閉弁状態に復する。

【００１８】バルブ付ガバナ１の定期点検などの際のガ
バナ本体５の取出し操作は次のようにして行われる。バ
ルブ駆動部１２に備えられ、ボール弁４に接続されるシ
ャフトをハンドルなどによって回転させ、ボール弁４を
図１に示す開弁状態から閉弁状態に切換える。このと
き、１次側２と２次側３とはボール弁４の遮断部１１に
よって遮断されて、通路部１０はケーシング９に設けら
れる取出口８方向を向いており、取出蓋１９を取外すこ
とによってガバナ本体５を取出すことができる。

【００１９】バルブ付ガバナ１などの異常によって１次
圧Ｐ１または２次圧Ｐ２が規定圧力の範囲を外れると、
緊急遮断機能が起動される。バルブ駆動部１２は、管路
２０および２０ａなどを介して圧力の異常を検知し、内
蔵小型ボンベなどからの二酸化炭素ガスの噴出圧力など
によってシャフトを回し、ボール弁４を開弁状態から閉
弁状態に切換える。

【００２０】バルブ付ガバナ１によれば、１次側２と２
次側３とに連通可能な通路部１０と、１次側２と２次側
３とを遮断する遮断部１１とが切換え可能に設けられる
ボール弁４の通路部１０内に、ガバナ本体５が備えられ
る。したがって、従来ではガバナの上流側と下流側とに
入バルブと出バルブとを設ける必要があったけれども、
本実施例ではガバナと入バルブおよび出バルブとを一体
にして構成することができ、バルブ付ガバナ１の構成の
簡単化および小型化を実現することができる。さらに前
述のように緊急遮断機能を設けておけば、緊急遮断弁も
一体に含むガバナを実現することができる。

【００２１】またバルブ付ガバナ１によれば、ケーシン
グ９にはガバナ本体５の取出口８が設けられるために、
ボール弁４を閉弁状態にし、取出蓋１９を取外すことに
よってガバナ本体５を取出すことができる。したがっ
て、定期点検などの際のガバナ本体５の整備作業を簡便
に行うことができる。

【００２２】図３は、本発明の他の実施例のバルブ付ガ
バナに備えられる閉子２９の構成を示す斜視図である。
図３において、図１に示されるバルブ付ガバナ１と対応
する部分には同一の参照符号を用いる。本実施例におい
て特徴とする点は、閉子２９がゲート型閉子である点で
ある。閉子２９は、直方体などの形状を有し、１次側お
よび２次側に連通するトンネル状の通路部１０ａと、１
次側と２次側とを遮断する遮断部１１ａとが切換え可能
に設けられる閉子本体３０と、通路部１０ａに収納され
るガバナ本体５とを含む。閉子本体３０の厚みＬは、通
路部１０ａを形成するために充分な厚みに設定される。

【００２３】閉子２９は、図示しないケーシングに備え
られて、通路部１０ａまたは遮断部１１ａをガス流路に
介在させてガスの整圧作動または遮断をそれぞれ行う。
ガバナ本体５は、閉子２９をスライドさせて閉弁状態に
し、ケーシングに設けられる取出口から取出すことがで
きる。

【００２４】図４は、本発明のさらに他の実施例のバル
ブ付ガバナ１ａの概略的な構成を示す断面図であり、図
３と対応する部分には同一の参照符号を付す。バルブ付
ガバナ１ａにおいて特徴とする点は、ゲート型の閉子２
９に、複数の通路部１０ａが設けられる点である。図４
では通路部１０ａは遮断部１１ａの両側に２つ設けられ
ている。各通路部１０ａにはそれぞれガバナ本体５が備
えられており、閉子２９を操作することによって、どの
通路部１０ａをガス流路３１に接続するかを選択するこ
とができる。

【００２５】また、閉子２９が備えられるケーシング９
ａには、ガバナ本体５の取出口８ａが少なくとも１つ、
図４では２つ設けられており、閉子２９をスライド操作
することによってガバナ本体５を取出すことができる。
図４では、閉子２９は、閉弁状態となっており、ガバナ
本体５を取出口８ａから取出し可能な状態となってい
る。ケーシング９ａと閉子２９との間には封止部材３２
が設けられ、１次側２ａと２次側３ａとが気密に遮断ま
たは連通するようになっている。さらにケーシング９ａ
には、ガバナ本体５を取出す際にガバナ本体５内に残留
するガスを抜くためのガスパージ３３が取付けられてい
る。

【００２６】本実施例のバルブ付ガバナ１ａによれば、
閉子２９には複数の通路部１０ａが設けられるので、１
つのガバナ本体５が補修中であっても他のガバナ本体５
によってガスの整圧を行うこともできる。そのような使
い方によれば、常に安定したガスの供給を行うことがで
きる。

【００２７】なお、第２および第３実施例では、直方体
などの形状の閉子本体３０に通路部１０ａおよび遮断部
１１ａを設け、閉子２９をスライドさせて通路部１０ａ
と遮断部１１ａとを切換えるようにしているけれども、
閉子本体３０の形状をたとえば円盤状の形状とし、角度
を変えて通路部１０ａと遮断部１１ａとを設け、閉子２
９を回転させることによって通路部１０ａと遮断部１１
ａとを切換えるようにしてもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガス流路
を閉塞するための遮断部と、ガス流路に連通可能な通路
部とが切換え可能に形成される閉子の通路部内には、整
圧のための弁手段が収納される。これによって、バルブ
とガバナとを一体にして構成することができる。バルブ
とガバナを一体にすることによって、装置の構成を簡単
かつ小型にし、設置性の向上および低コスト化を図るこ
とができる。

【００２９】また本発明によれば、閉子には通路部が切
換え可能に複数設けられ、ガス流路に連通していない通
路部のうちの少なくとも１つは、外部から補修可能とな
っている。したがって、ガバナの定期点検などの際に
は、従来ではガバナの両側に設けられる入バルブおよび
出バルブを閉めてから管路にボルト接合されているガバ
ナを取外す必要があったけれども、本発明によれば、閉
子を切換えることによってガバナ本体である弁手段のみ
を取出すことができ、維持管理性を向上することができ
る。

【００３０】また、閉子には複数の通路部が設けられる
ために、１つの弁手段が補修中であっても、閉子を切換
えて他の弁手段によってガスの整圧を行うことができ、
常に安定したガスの供給を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のバルブ付ガバナ１の構成を
示す断面図である。

【図２】図１における断面と直角に交わる断面から見た
ときのバルブ付ガバナ１の構成を示す断面図である。

【図３】本発明の他の実施例のバルブ付ガバナに備えら
れる閉子２９の構成を示す斜視図である。

【図４】本発明のさらに他の実施例のバルブ付ガバナ１
ａの概略的な構成を示す断面図である。

【図５】従来のガバナ系統の構成を示す。

【符号の説明】

１，１ａ バルブ付ガバナ ２，２ａ １次側 ３，３ａ ２次側 ４ ボール弁 ５ ガバナ本体 ６，７ 接続口 ８，８ａ 取出口 ９，９ａ ケーシング １０，１０ａ 通路部 １１，１１ａ 遮断部 １２ バルブ駆動部 １３ 絞り部材 １５ 整圧弁 １９ 取出蓋 ２１ リストリクタ ２３ パイロット弁 ２９ 閉子 ３０ 閉子本体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス流路に挿入され、ガス流路を閉塞す
   るための遮断部と、ガス流路に連通可能な通路部とが切
   換え可能に形成される閉子と、 閉子の前記通路部内に収納され、ガス流路の下流側の圧
   力を整圧するために開閉制御される弁手段と、 ガス流路の下流側の圧力に応答して、前記弁手段を開閉
   制御する制御手段とを含むことを特徴とするバルブ付ガ
   バナ。
2. 【請求項２】 前記閉子には弁手段を収納した通路部が
   切換え可能に複数設けられ、ガス流路に連通していない
   通路部のうちの少なくとも１つは外部から補修可能であ
   ることを特徴とする請求項１記載のバルブ付ガバナ。