JPH07215296A - 翼の撓み振動低減装置 - Google Patents
翼の撓み振動低減装置Info
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- JPH07215296A JPH07215296A JP1343694A JP1343694A JPH07215296A JP H07215296 A JPH07215296 A JP H07215296A JP 1343694 A JP1343694 A JP 1343694A JP 1343694 A JP1343694 A JP 1343694A JP H07215296 A JPH07215296 A JP H07215296A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、変動する空気圧によって生じる、
翼の撓み振動を低減する翼の撓み振動低減装置に関す
る。翼、特に、ヘリコプタのメインロータブレードの場
合、飛行形態が多様にわたり、また、特定の飛行形態に
おいても回転によって、ブレードの位置する方位角によ
って遭遇する条件が異なり、構造的に撓み振動を低減さ
せることは困難であった。 【構成】 本発明は、翼のスパン方向に質量の大きい流
体を流すことにより、翼の慣性力を増大させ、撓みを抑
制して、撓み振動を低減するようにしたものである。こ
れにより、遭遇する条件が多様なヘリコプタのメインロ
ータブレードにおいても、撓み振動を低減することが可
能になる。
翼の撓み振動を低減する翼の撓み振動低減装置に関す
る。翼、特に、ヘリコプタのメインロータブレードの場
合、飛行形態が多様にわたり、また、特定の飛行形態に
おいても回転によって、ブレードの位置する方位角によ
って遭遇する条件が異なり、構造的に撓み振動を低減さ
せることは困難であった。 【構成】 本発明は、翼のスパン方向に質量の大きい流
体を流すことにより、翼の慣性力を増大させ、撓みを抑
制して、撓み振動を低減するようにしたものである。こ
れにより、遭遇する条件が多様なヘリコプタのメインロ
ータブレードにおいても、撓み振動を低減することが可
能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飛行中の翼の撓みによ
り、翼に発生する振動を抑制する翼の撓み振動低減装置
に関する。
り、翼に発生する振動を抑制する翼の撓み振動低減装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機が対気速度を有して飛行する場
合、迎角等の変動に伴い、翼に作用する空気力の変動に
よって翼が撓み振動をすることがある。固定翼機の場合
における、バフェット、フラッタのほか、ヘリコプタの
メイン・ロータ・ブレード(以下ブレードという)の回
転による、相対速度の周期的変動、および迎角変化に伴
う撓み振動が良く知られている。固定翼機の場合、この
ような、たわみ振動は飛行を不能にする致命的な結果を
招くこともあり、また飛行形態がきわめて単純であるこ
とから、飛行形態に合せ、設計段階から翼の剛性、質量
分布等を入念に定め、翼構造を決定して、撓み振動を低
減することが行われている。しかし、ヘリコプタの場
合、翼であるブレードの遭遇する条件が多様で、全ての
条件において、振動を低減するのが困難で、致命的な結
果を招来しないように設計するだけであり、騒音および
機体振動の一因となっている、ブレードの振動を低減す
る方策が講じられていないのが現状である。
合、迎角等の変動に伴い、翼に作用する空気力の変動に
よって翼が撓み振動をすることがある。固定翼機の場合
における、バフェット、フラッタのほか、ヘリコプタの
メイン・ロータ・ブレード(以下ブレードという)の回
転による、相対速度の周期的変動、および迎角変化に伴
う撓み振動が良く知られている。固定翼機の場合、この
ような、たわみ振動は飛行を不能にする致命的な結果を
招くこともあり、また飛行形態がきわめて単純であるこ
とから、飛行形態に合せ、設計段階から翼の剛性、質量
分布等を入念に定め、翼構造を決定して、撓み振動を低
減することが行われている。しかし、ヘリコプタの場
合、翼であるブレードの遭遇する条件が多様で、全ての
条件において、振動を低減するのが困難で、致命的な結
果を招来しないように設計するだけであり、騒音および
機体振動の一因となっている、ブレードの振動を低減す
る方策が講じられていないのが現状である。
【0003】すなわち、ヘリコプタにおいては、前進飛
行時には、前進側ブレードの対気速度と後退側ブレード
の対気速度には、最大で機体の飛行速度の2倍の速度差
が発生し、しかも、最大の速度差が機体飛行方向の両側
部で生じるため、姿勢保持のためには、後退側ブレード
の発生する揚力を前進側ブレードの発生する揚力を同じ
にする必要があり、ブレードの対気に対する迎角を変え
る必要がある。このため、同一飛行速度における同一ブ
レードにおいても、ブレードに作用する空気力はその位
置(方位角)により異る。さらに、ヘリコプタにおいて
は、飛行速度が零のホバリング時から200ktを越す
前進飛行時まで飛行速度が多様であり、また、飛行形態
もホバリング、前進飛行ばかりでなく、後退、バンク、
上昇、下降飛行と多岐にわたっており、これらの全て条
件で、ブレードの撓みによる振動をブレード構造の設計
で低減するのは困難である。
行時には、前進側ブレードの対気速度と後退側ブレード
の対気速度には、最大で機体の飛行速度の2倍の速度差
が発生し、しかも、最大の速度差が機体飛行方向の両側
部で生じるため、姿勢保持のためには、後退側ブレード
の発生する揚力を前進側ブレードの発生する揚力を同じ
にする必要があり、ブレードの対気に対する迎角を変え
る必要がある。このため、同一飛行速度における同一ブ
レードにおいても、ブレードに作用する空気力はその位
置(方位角)により異る。さらに、ヘリコプタにおいて
は、飛行速度が零のホバリング時から200ktを越す
前進飛行時まで飛行速度が多様であり、また、飛行形態
もホバリング、前進飛行ばかりでなく、後退、バンク、
上昇、下降飛行と多岐にわたっており、これらの全て条
件で、ブレードの撓みによる振動をブレード構造の設計
で低減するのは困難である。
【0004】このことは、一例として示す、シコルスキ
ー(SIKORSKY)社製のヘリコプタH−34の、
飛行速度112ktにおけるブレード80%位置におけ
る、方位角0〜360°での曲げモーメント(撓み量)
を示す、図20からも理解できよう。この様に、飛行形
態、若しくは一飛行形態におけるブレードの方位角の違
いに伴い変動する撓みによって生じる振動を低減するの
は、ヘリコプタにおいては困難であり、振動低減対策が
講じられてないのが現状である。
ー(SIKORSKY)社製のヘリコプタH−34の、
飛行速度112ktにおけるブレード80%位置におけ
る、方位角0〜360°での曲げモーメント(撓み量)
を示す、図20からも理解できよう。この様に、飛行形
態、若しくは一飛行形態におけるブレードの方位角の違
いに伴い変動する撓みによって生じる振動を低減するの
は、ヘリコプタにおいては困難であり、振動低減対策が
講じられてないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、本発明は、
予め撓みが予測される翼に、若しくは翼に撓みが発生し
ていることを検知して当該翼に、質量を持つ流体を流す
ことにより、翼の撓みを抑制し、振動を低減できる翼の
撓み振動低減装置を提供することを課題とする。
予め撓みが予測される翼に、若しくは翼に撓みが発生し
ていることを検知して当該翼に、質量を持つ流体を流す
ことにより、翼の撓みを抑制し、振動を低減できる翼の
撓み振動低減装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の翼の
撓み振動低減装置は次の手段とした。 (1)機体に設置された圧縮機等で高圧にされ、翼の内
部を通過させることによって、翼の慣性力を増加させる
ことのできる、空気、水、排気ガス等、の高圧流体を供
給する高圧流体供給装置を設けた。 (2)翼の内部を、スパン(翼幅)方向貫通し、高圧流
体供給装置から供給される高圧流体を通過させ、翼端か
ら噴出させ、通過時に翼の慣性力を増加させる流体導管
を設けた。 (3)高圧流体供給装置と流体導管とを連結し、高圧流
体供給装置からの高圧流体を流体導管に流入させる流体
案内管を設けた。 (4)流体案内管の途中に介装され、予め定められた飛
行形態において撓みの発生が予測される翼の流体導管
に、撓み発生時周期的に高圧流体を供給するバルブを設
けた。
撓み振動低減装置は次の手段とした。 (1)機体に設置された圧縮機等で高圧にされ、翼の内
部を通過させることによって、翼の慣性力を増加させる
ことのできる、空気、水、排気ガス等、の高圧流体を供
給する高圧流体供給装置を設けた。 (2)翼の内部を、スパン(翼幅)方向貫通し、高圧流
体供給装置から供給される高圧流体を通過させ、翼端か
ら噴出させ、通過時に翼の慣性力を増加させる流体導管
を設けた。 (3)高圧流体供給装置と流体導管とを連結し、高圧流
体供給装置からの高圧流体を流体導管に流入させる流体
案内管を設けた。 (4)流体案内管の途中に介装され、予め定められた飛
行形態において撓みの発生が予測される翼の流体導管
に、撓み発生時周期的に高圧流体を供給するバルブを設
けた。
【0007】また、他の本発明の翼の撓み振動低減装置
は、上記(1)〜(3)に加え、次の手段とした。 (5)翼に装着され、翼の撓みを検出する撓み検出器を
設けた。 (6)流体案内管の途中に介装され、撓み検出器からの
翼の撓み振動発生の信号を受け、撓み振動が発生した当
該翼の流体導管に、高圧流体供給装置からの高圧流体を
供給するバルブを設けた。
は、上記(1)〜(3)に加え、次の手段とした。 (5)翼に装着され、翼の撓みを検出する撓み検出器を
設けた。 (6)流体案内管の途中に介装され、撓み検出器からの
翼の撓み振動発生の信号を受け、撓み振動が発生した当
該翼の流体導管に、高圧流体供給装置からの高圧流体を
供給するバルブを設けた。
【0008】
【作用】本発明の翼の撓み振動低減装置は、撓み振動の
発生が予測される翼、若しくは撓み振動が発生している
翼の内部に、質量の大きい流体を撓みが発生すると同時
に流すことにより、翼の慣性力を増加させて、撓み量を
抑制して、撓み振動を低減することができる。
発生が予測される翼、若しくは撓み振動が発生している
翼の内部に、質量の大きい流体を撓みが発生すると同時
に流すことにより、翼の慣性力を増加させて、撓み量を
抑制して、撓み振動を低減することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の翼の撓み振動低減装置の実施
例を、図面に基づき説明する。実施例は、何れも本発明
をヘリコプタのブレードの撓み振動低減に適用したもの
を示す。
例を、図面に基づき説明する。実施例は、何れも本発明
をヘリコプタのブレードの撓み振動低減に適用したもの
を示す。
【0010】図1〜図5は本発明の第一実施例を示す図
である。図1,図2において、1は翼としてのブレー
ド、2はブレード1内部をスパン(翼幅)方向に貫通さ
せてあけられた流体導管、3は流体導管2へ高圧流体を
導入する流体注入口、4はブレード1の先端5に設けら
れた流体導管からの高圧流体を外部へ噴出する流体噴出
口、6はブレード1の基端が固着されたロータヘッド、
7は上端がロータヘッド6に固着され、ロータヘッド
6、ブレード1と共に回転するロータシャフト、8はロ
ータシャフト7の下端に同軸状に配設され機体に固定さ
れた固定シャフト、9はロータシャフト7と固定シャフ
ト8の間に介装され、バルブを構成するシール装置、1
0は固定側の流体案内管、11はロータシャフト7、お
よびロータヘッド6に穿設された回転側の流体案内管、
12は図示しない圧縮機等の高圧流体供給源からの高圧
流体を移送する高圧流体管、13は高圧流体管12から
の高圧流体を選択した流体案内管10に供給し、シール
装置11とともにバルブを構成する電磁バルブである。
である。図1,図2において、1は翼としてのブレー
ド、2はブレード1内部をスパン(翼幅)方向に貫通さ
せてあけられた流体導管、3は流体導管2へ高圧流体を
導入する流体注入口、4はブレード1の先端5に設けら
れた流体導管からの高圧流体を外部へ噴出する流体噴出
口、6はブレード1の基端が固着されたロータヘッド、
7は上端がロータヘッド6に固着され、ロータヘッド
6、ブレード1と共に回転するロータシャフト、8はロ
ータシャフト7の下端に同軸状に配設され機体に固定さ
れた固定シャフト、9はロータシャフト7と固定シャフ
ト8の間に介装され、バルブを構成するシール装置、1
0は固定側の流体案内管、11はロータシャフト7、お
よびロータヘッド6に穿設された回転側の流体案内管、
12は図示しない圧縮機等の高圧流体供給源からの高圧
流体を移送する高圧流体管、13は高圧流体管12から
の高圧流体を選択した流体案内管10に供給し、シール
装置11とともにバルブを構成する電磁バルブである。
【0011】シール装置9は、図3に示すように、固定
シャフト8の上端に形成された、図3(A)で示すシー
ル面14と、ロータシャフト7の下端に形成された、図
3(B)で示すシール面15とからなる。シール面14
には、一端部がそれぞれ電磁バルブ13に設けられた、
制御弁13a〜13dに連結され、固定シャフト8に穿
設された貫通孔を経由して導通する、流体案内管10の
他端が開口している。即ち、開口は、高圧流体供給装置
からの高圧流体を分岐するとともに、噴出タイミングを
制御する、電磁バルブ13内の制御弁13aに連結する
流体案内管10の開口14a、制御弁13bに連結する
開口14b、制御弁13cに連結する14c、および制
御弁13dに連結する14dからなる。一方、シール面
15には、ブレード1の流体導管2の流体注入口3に一
端が連結され、ロータヘッド6およびロータシャフト7
内に穿設した孔で形成される、回転側の流体案内管11
の他端が開口する。即ち、ブレード1a(の流体導管2
a)に導通する開口15a、ブレード1bに導通する開
口15b、ブレード1cに導通する開口15c、および
ブレード1dに導通する開口15dが、それぞれシール
面15に開口する。シール面14,15は、それぞれ対
向して配置され、接触面から高圧流体が漏れないよう
に、また開口で連通する流体案内管10,11以外の流
体案内管10,11に、高圧流体の流通が生じないよう
に、シール材が配設されている。
シャフト8の上端に形成された、図3(A)で示すシー
ル面14と、ロータシャフト7の下端に形成された、図
3(B)で示すシール面15とからなる。シール面14
には、一端部がそれぞれ電磁バルブ13に設けられた、
制御弁13a〜13dに連結され、固定シャフト8に穿
設された貫通孔を経由して導通する、流体案内管10の
他端が開口している。即ち、開口は、高圧流体供給装置
からの高圧流体を分岐するとともに、噴出タイミングを
制御する、電磁バルブ13内の制御弁13aに連結する
流体案内管10の開口14a、制御弁13bに連結する
開口14b、制御弁13cに連結する14c、および制
御弁13dに連結する14dからなる。一方、シール面
15には、ブレード1の流体導管2の流体注入口3に一
端が連結され、ロータヘッド6およびロータシャフト7
内に穿設した孔で形成される、回転側の流体案内管11
の他端が開口する。即ち、ブレード1a(の流体導管2
a)に導通する開口15a、ブレード1bに導通する開
口15b、ブレード1cに導通する開口15c、および
ブレード1dに導通する開口15dが、それぞれシール
面15に開口する。シール面14,15は、それぞれ対
向して配置され、接触面から高圧流体が漏れないよう
に、また開口で連通する流体案内管10,11以外の流
体案内管10,11に、高圧流体の流通が生じないよう
に、シール材が配設されている。
【0012】本実施例は、上述の様に構成されているの
で、高圧流体を各流体案内管10に分岐するとともに、
高圧流体の噴出するタイミングを制御する電磁バルブ1
3と、高圧流体の供給先を制御するシール装置11の組
合せからなる、バルブの制御によって種々の高圧流体の
ブレード1からの噴出、言葉を代えれば、ブレード1に
生じる種々の撓み振動の低減が可能となる。
で、高圧流体を各流体案内管10に分岐するとともに、
高圧流体の噴出するタイミングを制御する電磁バルブ1
3と、高圧流体の供給先を制御するシール装置11の組
合せからなる、バルブの制御によって種々の高圧流体の
ブレード1からの噴出、言葉を代えれば、ブレード1に
生じる種々の撓み振動の低減が可能となる。
【0013】まず、電磁バルブ内の制御弁13a〜13
dの全てを開放すると各ブレード1a〜1cの先端から
は、図4に示すような高圧流体が噴出する。これによ
り、全てのブレード1の慣性力を増大させ、全てのブレ
ード1に生じる撓み振動を一斉に低減できる。
dの全てを開放すると各ブレード1a〜1cの先端から
は、図4に示すような高圧流体が噴出する。これによ
り、全てのブレード1の慣性力を増大させ、全てのブレ
ード1に生じる撓み振動を一斉に低減できる。
【0014】一方、弁13a〜13dのうちの1つ、例
えば、ヘリコプタが図3の矢印方向に飛行しているとし
て、開口14aにのみ高圧流体を流すべく、弁13aを
開放すると、ブレード1の回転によ開口14aに連通す
る開口15a〜15dと導通したブレード1a〜1d、
即ち、飛行方向に向って右側に到来したブレード1a〜
1dにのみ高圧流体が供給され当該ブレードの慣性力を
増加させ、撓みを抑制することができる。
えば、ヘリコプタが図3の矢印方向に飛行しているとし
て、開口14aにのみ高圧流体を流すべく、弁13aを
開放すると、ブレード1の回転によ開口14aに連通す
る開口15a〜15dと導通したブレード1a〜1d、
即ち、飛行方向に向って右側に到来したブレード1a〜
1dにのみ高圧流体が供給され当該ブレードの慣性力を
増加させ、撓みを抑制することができる。
【0015】また、撓み振動低減制御の観点から、ある
特定のブレード1が特定の方位角に来た時のみ、高速流
体を流せるようにできれば好ましいが、これは特定のバ
ルブをブレード1の回転周期に合せて開閉することによ
って行うことが出来る。即ち、開口15a〜15dが導
通するブレード1a〜1dの回転周期は、機体に備え付
けられている計器により知ることができるので、例え
ば、特定のブレード1aに高圧流体を噴出させたい方位
角、例えば速度が最も遅くなり、分担する揚力を保持す
るために、ブレード1aの迎角を最も大きくする必要の
ある開口14cの方位角に高圧流体を噴出させる場合
は、ブレード1a、に連通する開口15aが開口14c
と連通し始めるとき、電磁バルブ13の弁13cを開放
することによって、目的を達成することができる。
特定のブレード1が特定の方位角に来た時のみ、高速流
体を流せるようにできれば好ましいが、これは特定のバ
ルブをブレード1の回転周期に合せて開閉することによ
って行うことが出来る。即ち、開口15a〜15dが導
通するブレード1a〜1dの回転周期は、機体に備え付
けられている計器により知ることができるので、例え
ば、特定のブレード1aに高圧流体を噴出させたい方位
角、例えば速度が最も遅くなり、分担する揚力を保持す
るために、ブレード1aの迎角を最も大きくする必要の
ある開口14cの方位角に高圧流体を噴出させる場合
は、ブレード1a、に連通する開口15aが開口14c
と連通し始めるとき、電磁バルブ13の弁13cを開放
することによって、目的を達成することができる。
【0016】さらに、ブレード1の個々の特性から、特
定ブレード1aのみ全方位角にわたり高圧流体を噴出さ
せる必要がある場合は、ブレード1の回転速度は同様に
既知であるので、ブレード1aの回転、即ち開口15a
の回転に追従させて、開口15aが開口14aと連通す
るときは弁13aを開放し、14bと連通する方位角に
ある場合は弁13bを開放するように、電磁バルブ13
の制御弁13a〜13dを順次作動させることにより、
目的を達成することができる。図5に、上述した本実施
例の高圧流体噴出の制御ブロックを示す。
定ブレード1aのみ全方位角にわたり高圧流体を噴出さ
せる必要がある場合は、ブレード1の回転速度は同様に
既知であるので、ブレード1aの回転、即ち開口15a
の回転に追従させて、開口15aが開口14aと連通す
るときは弁13aを開放し、14bと連通する方位角に
ある場合は弁13bを開放するように、電磁バルブ13
の制御弁13a〜13dを順次作動させることにより、
目的を達成することができる。図5に、上述した本実施
例の高圧流体噴出の制御ブロックを示す。
【0017】次に、図6は本発明の第二実施例を示す図
である。この実施例においては、第一実施例における固
定シャフト8は設けられてなく、ロータシャフト7に穿
設された流体案内管14の下端は、高圧流体管12の先
端が挿入され、相対的な動きを許容するシールドパイプ
構造にしている。また、ロータシャフト7を貫通した流
体案内管14は、ロータヘッド6に穿設された孔を通っ
て、各ブレード1の流体注入口3に連通する。ロータヘ
ッド6に穿設された流体案内管14には、バルブとして
の電磁バルブ18が設けられており、電磁バルブ18に
は各々のブレード1の流体注入口3を流体案内管14に
連通する制御弁18a〜18dを具えている。また、ロ
ータシャフト7の外周には電磁バルブ18制御用の電磁
バルブ電極16が配設されている。機体側からの電磁バ
ルブ18を制御する電気信号は導電性のブラシ等を介し
て、電磁バルブ電極16に伝達され電線17によって電
磁バルブ18へ伝えられ、電磁バルブ18の制御弁18
a〜18dによって、制御を行うブレード1の流体注入
口3と流体案内管14との高圧流体の導通、遮断が行わ
れる。
である。この実施例においては、第一実施例における固
定シャフト8は設けられてなく、ロータシャフト7に穿
設された流体案内管14の下端は、高圧流体管12の先
端が挿入され、相対的な動きを許容するシールドパイプ
構造にしている。また、ロータシャフト7を貫通した流
体案内管14は、ロータヘッド6に穿設された孔を通っ
て、各ブレード1の流体注入口3に連通する。ロータヘ
ッド6に穿設された流体案内管14には、バルブとして
の電磁バルブ18が設けられており、電磁バルブ18に
は各々のブレード1の流体注入口3を流体案内管14に
連通する制御弁18a〜18dを具えている。また、ロ
ータシャフト7の外周には電磁バルブ18制御用の電磁
バルブ電極16が配設されている。機体側からの電磁バ
ルブ18を制御する電気信号は導電性のブラシ等を介し
て、電磁バルブ電極16に伝達され電線17によって電
磁バルブ18へ伝えられ、電磁バルブ18の制御弁18
a〜18dによって、制御を行うブレード1の流体注入
口3と流体案内管14との高圧流体の導通、遮断が行わ
れる。
【0018】本実施例は電磁バルブ18がロータヘッド
6内に配置され、電磁バルブ18が各々のブレード1の
流体導管4に連結しているだけであるので、高圧流体の
噴出制御は第一実施例に比べ比較的容易である。即ち、
高圧流体を噴出させたいブレードを制御する電磁バルブ
18の制御弁18a〜18dを作動させる電磁バルブ電
極16のみに電気を流すだけで、特定のブレード1a〜
1dに特定の時間だけ高圧流体を流すことができる。第
一実施例で示した、ブレード1aへの高圧流体を制御す
る電磁バルブ15aを作動させる電磁バルブ電極を16
a、ブレード1bの電磁バルブ電極を16b、ブレード
1cの電磁バルブ電極を16c、およびブレード1dの
電磁バルブ電極を16dとした場合、図7(A)に示す
ような通電を行うことによって、各ブレード1a〜1d
から高圧流体の噴出を、図7(B)に示すように行うこ
とができる。即ち、第一実施例の場合、特定のブレード
1aから高圧流体を流しぱなしにする場合、電磁バルブ
13の制御弁13a〜13dを順次切り換えるスイッチ
ング操作が必要であるのに対して、本実施例において
は、これが不要となる。
6内に配置され、電磁バルブ18が各々のブレード1の
流体導管4に連結しているだけであるので、高圧流体の
噴出制御は第一実施例に比べ比較的容易である。即ち、
高圧流体を噴出させたいブレードを制御する電磁バルブ
18の制御弁18a〜18dを作動させる電磁バルブ電
極16のみに電気を流すだけで、特定のブレード1a〜
1dに特定の時間だけ高圧流体を流すことができる。第
一実施例で示した、ブレード1aへの高圧流体を制御す
る電磁バルブ15aを作動させる電磁バルブ電極を16
a、ブレード1bの電磁バルブ電極を16b、ブレード
1cの電磁バルブ電極を16c、およびブレード1dの
電磁バルブ電極を16dとした場合、図7(A)に示す
ような通電を行うことによって、各ブレード1a〜1d
から高圧流体の噴出を、図7(B)に示すように行うこ
とができる。即ち、第一実施例の場合、特定のブレード
1aから高圧流体を流しぱなしにする場合、電磁バルブ
13の制御弁13a〜13dを順次切り換えるスイッチ
ング操作が必要であるのに対して、本実施例において
は、これが不要となる。
【0019】次に、図8は本発明の第三実施例を示す図
である。本実施例においては、ブレード1の撓み検知の
ため、各ブレード1の上下面に歪ゲージ21、及び22
を貼り付け、歪ゲージ21,22からの電線はブレード
1、及びロータシャフト7の内部を通って、ロータシャ
フト7に設けた歪ゲージ電極23に接続させている点が
第二実施例と異る。機体側に設置された制御装置が、歪
ゲージ電極23から得られた、各ブレードの撓みが許容
値以上であることを検知すると、電磁バルブ電極17を
通して第二実施例と同様に、それぞれのブレード1a〜
1dに高圧流体を供給する電磁バルブ18の制御弁18
a〜18dを開けて、高圧流体を撓みが発生したブレー
ド1へ噴出させる。これにより撓みが小さくなり、ブレ
ード1の撓みが許容値以下になると制御装置が電磁バル
ブ18を閉じる信号を送り高圧流体の噴出を止める。本
実施例における制御ブロックを図9に示す。
である。本実施例においては、ブレード1の撓み検知の
ため、各ブレード1の上下面に歪ゲージ21、及び22
を貼り付け、歪ゲージ21,22からの電線はブレード
1、及びロータシャフト7の内部を通って、ロータシャ
フト7に設けた歪ゲージ電極23に接続させている点が
第二実施例と異る。機体側に設置された制御装置が、歪
ゲージ電極23から得られた、各ブレードの撓みが許容
値以上であることを検知すると、電磁バルブ電極17を
通して第二実施例と同様に、それぞれのブレード1a〜
1dに高圧流体を供給する電磁バルブ18の制御弁18
a〜18dを開けて、高圧流体を撓みが発生したブレー
ド1へ噴出させる。これにより撓みが小さくなり、ブレ
ード1の撓みが許容値以下になると制御装置が電磁バル
ブ18を閉じる信号を送り高圧流体の噴出を止める。本
実施例における制御ブロックを図9に示す。
【0020】上記した実施例は、何れもヘリコプタのブ
レードの撓み振動低減に適用したものを示したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、固定翼機の
翼にも適用できるものである。また、バルブが電磁バル
ブ18だけからなる実施例に、撓み検出器を設けたもの
を示したが、第一実施例のバルブがシール装置および電
磁バルブの組合からなるものに、撓み検出器を設けて制
御するようにしても良いものである。
レードの撓み振動低減に適用したものを示したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、固定翼機の
翼にも適用できるものである。また、バルブが電磁バル
ブ18だけからなる実施例に、撓み検出器を設けたもの
を示したが、第一実施例のバルブがシール装置および電
磁バルブの組合からなるものに、撓み検出器を設けて制
御するようにしても良いものである。
【0021】なお、本実施例で示すように翼先端から高
圧流体を噴出させることによって、翼先端に生じる失速
を防止できることは既知のことであるが、この翼先端の
失速を防止することによっても、翼の振動低減には効果
があり、ブレードの性能向上に寄与するものであること
を併せ述べておく。
圧流体を噴出させることによって、翼先端に生じる失速
を防止できることは既知のことであるが、この翼先端の
失速を防止することによっても、翼の振動低減には効果
があり、ブレードの性能向上に寄与するものであること
を併せ述べておく。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の翼の撓み振
動低減装置によれば、特許請求の範囲に示す構成によ
り、 (1)撓み振動の発生が予測される翼、若しくは撓み振
動が発生している翼を適宜選択して、また当該翼の位置
(方位角)を指定して、翼の内部に質量の大きい高圧流
体を、撓みが発生する時に合せて流すことにより、翼の
慣性力を増加させ、撓み量を抑制し振動を低減すること
ができる。これにより機体の振動及び騒音レベルを低減
することができる。 (2)さらに、翼の先端から高圧流体を噴出することに
より、翼端失速が低減され、ブレードの性能向上すると
いう、付加的な効果も得られる。
動低減装置によれば、特許請求の範囲に示す構成によ
り、 (1)撓み振動の発生が予測される翼、若しくは撓み振
動が発生している翼を適宜選択して、また当該翼の位置
(方位角)を指定して、翼の内部に質量の大きい高圧流
体を、撓みが発生する時に合せて流すことにより、翼の
慣性力を増加させ、撓み量を抑制し振動を低減すること
ができる。これにより機体の振動及び騒音レベルを低減
することができる。 (2)さらに、翼の先端から高圧流体を噴出することに
より、翼端失速が低減され、ブレードの性能向上すると
いう、付加的な効果も得られる。
【図1】本発明の翼の撓み振動低減装置の第一実施例を
示す斜視図、
示す斜視図、
【図2】図1のブレードを示す平面図、
【図3】図1のシール装置を示す平面図、
【図4】図1の電磁バルブを全て開放したときの、特定
ブレードにおける流体噴出を示す図、
ブレードにおける流体噴出を示す図、
【図5】図1の実施例の制御を示す図で、図5(A)は
制御ブロック図、図5(B)は図5(A)の弁の開閉タ
イミングテーブル、
制御ブロック図、図5(B)は図5(A)の弁の開閉タ
イミングテーブル、
【図6】本発明の第二実施例を示す斜視図、
【図7】図6の電磁バルブの開閉タイミングを示す図
で、図6(A)は電磁バルブ電極の通電タイミングテー
ブル、図6(B)は各ブレードからの高圧流体の噴出タ
イミングテーブル、
で、図6(A)は電磁バルブ電極の通電タイミングテー
ブル、図6(B)は各ブレードからの高圧流体の噴出タ
イミングテーブル、
【図8】本発明の第三実施例を示す斜視図、
【図9】図8の制御ブロック図である。
【図10】ブレードの一周期における曲げモーメントの
一例を示す図である。
一例を示す図である。
1 翼としてのブレード 2 流体導管 3 流体注入口 4 流体噴出口 5 ブレード先端 6 ロータヘッド 7 ロータシャフト 8 固定シャフト 9 バルブを構成するシール装置 10,11 流体案内管 12 高圧流体管 13 バルブを構成する電磁バルブ 14 シール面 14a〜14d 開口 15 シール面 15a〜15d 開口 16 電磁バルブ電極 17 電磁バルブ用電線 18 電磁バルブ 21,22 歪ゲージ 23 歪ゲージ電極
Claims (2)
- 【請求項1】 飛行中の翼の撓みにより生じる振動を抑
制する装置において、機体側に設けた高圧流体供給装置
と、前記翼内をスパン方向に貫通し先端から高圧流体を
外部へ噴出する流体導管と、前記高圧流体供給装置およ
び前記流体導管と連通する流体案内管と、前記流体案内
管に介装され前記機体の予め定められた飛行形態で撓み
振動が発生する前記翼の前記流体導管に高圧流体を供給
するバルブとからなることを特徴とする翼の撓み振動低
減装置。 - 【請求項2】 飛行中の翼の撓みにより生じる振動を抑
制する装置において、機体側に設けた高圧流体供給装置
と、前記翼内をスパン方向に貫通し先端から高圧流体を
外部へ噴出する流体導管と、前記高圧流体供給装置およ
び前記流体導管と連通する流体案内管と、前記翼の撓み
を検出する撓み検出器と、前記流体案内管に介装され前
記撓み検出器からの信号により前記翼の前記流体導管に
高圧流体を供給するバルブとからなることを特徴とする
翼の撓み振動低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1343694A JPH07215296A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 翼の撓み振動低減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1343694A JPH07215296A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 翼の撓み振動低減装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07215296A true JPH07215296A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=11833086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1343694A Withdrawn JPH07215296A (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | 翼の撓み振動低減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07215296A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016079743A1 (en) * | 2014-11-20 | 2016-05-26 | Technion Research & Development Foundation Limited | Solid-liquid composite structures |
-
1994
- 1994-02-07 JP JP1343694A patent/JPH07215296A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016079743A1 (en) * | 2014-11-20 | 2016-05-26 | Technion Research & Development Foundation Limited | Solid-liquid composite structures |
US10450051B2 (en) | 2014-11-20 | 2019-10-22 | Technion Research & Development Foundation Limited | Solid-liquid composite structures |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010508 |