JPH0721410B2 - デイジタル標高デ−タからの水系図作成方式 - Google Patents

デイジタル標高デ−タからの水系図作成方式

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JPH0721410B2
JPH0721410B2 JP60095915A JP9591585A JPH0721410B2 JP H0721410 B2 JPH0721410 B2 JP H0721410B2 JP 60095915 A JP60095915 A JP 60095915A JP 9591585 A JP9591585 A JP 9591585A JP H0721410 B2 JPH0721410 B2 JP H0721410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は水系図すなわち地形の谷筋を表わす図の作成方
式に係り、特にディジタル標高データを利用しての水系
図自動作成方式に関する。
〔発明の背景〕
従来、第1図の様に水系図14は人間13が地図11、航空写
真12等から水系と思われる部分を判読し、それをトレー
スすることにより作成していたため、作成には多大な時
間と手間がかかった。
なお従来の人手による水系の抽出については日本写真測
量学会編の「空中写真の判読と利用」(鹿島出版会 昭
和57月1月)のp.48〜49に記載されている。
〔発明の目的〕 本発明の目的は、従来例の欠点を改善し既存のディジタ
ル標高データから水系図を自動作成する方式を提供する
ことにある。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するために本発明においては、ディジタ
ル標高データにおいて各点を始点として最急降下方向に
流路をたどる。この処理をディジタル標高データの全点
につき行ない得られる流路の重ね合わせにより水系図を
作成する。地形の凹部(谷)では、両側の斜面からの流
路が合流するはずであるから、谷の点ほど得られた水系
図においては大きな値を持つ。また、水系の支流に比べ
本流上の点の方がより大きな値を持つと考えられるの
で、この水系図をしきい値により2値化(一般には多値
化)することにより微弱な支流や雑音と考えられる点の
みを除去することが可能となる。
〔発明の実施例〕
まず本発明の原理を説明する。第1番目に、第2図のス
テップ21において、ディジタル標高データ(標高を格納
した2次元配列)の各点についてその点の周り8方向の
うち最急降下方向を求め、この方向を格納した2次元配
列(最急降下方向マップと呼ぶことにする)を作成す
る。水は第3図に示す様に、等高線31にたいし最急降下
方向32に沿って流れると考える。8方向は第4図の様に
反時計回りに定義する。方向1,3,5,7については隣点の
高さb,自分自身の高さaとした時、傾きgは により求め、方向2,4,6,8についてはgは により求める。そして8方向のgのうち負で最小のもの
を与える方向(1〜8)を格納する。また最小のgが正
の時にはこの点からは水は流れ出さない。この場合には
最急降下方向マップに0(最急降下方向なし、水溜りを
意味する)をセットする。この点は流路の終点である。
最小のgが0の場合にはその点へ水が流れて来た方向に
よっては傾きが0でも流れることがあり得るということ
で保留を示す数値9を格納する。
第2番目に、第2図のステップ22において、先ほど求め
た最急降下方向マップを用いて各点に落した水が何処ま
で流れてゆくかその流路を追跡することにより水系図を
作成する。その処理手順を示すフローチャートを第5図
に示す。また第6図には動作の例を示す。第6図に示す
様に、まず始点63の最急降下方向マップ62の値を参照し
ながら(処理53)、その値の示す方向の隣点へ移動し
(処理59)、水系図62のこの点の値を1だけ増加させる
(処理510)。今度はこの点の最急降下方向マップ61の
値を参照し次の移動方向を決定する。この手順を進むこ
とが出来なくなるまでくり返すことにより1本の流路の
追跡を終了する(終点64)。追跡が終了するのは、第6
図で示した様にその点において最急降下方向マップの値
が0の場合(第6図(a),処理54)あるいは値が9
で、かつ進行方向前方の勾配が0でない場合(第6図
(b)処理57)である。全点を始点として得た流路を足
し合わせたものが求める水系図である。
流路の連続性向上のための第5図の処理54,57にたいす
る工夫について次に述べる。第7図(a)において点A7
1から流れて来た水は点B72を経て点C73で止まってしま
う。しかし、水がほんの少し高い障壁(点D74)を越え
られれば、さらに先まで可能性がある。そこで流路が行
き止まりになるとそこに水が溜ってゆくというアナロジ
ーにより流路の終点では第7図(b)に示すように、デ
ィジタル標高データの値(高さ)をある一定値△だけ増
加させる。点C73の高さを△だけ増加させ、点Cを含む
3×3の点について最急降下方向マップの値を更新す
る。この後再び点Aの方から水が流れて来て、同図
(b)の様に再び点Cで止まったとする。この時、第7
図(c)のように再び止C73の高さを△だけ増加させ
る。この結果、同図(c)の様な高さ分布になったなら
ば、次に点A71の方から水が流れて来た時は点Cを越え
て点D74の方までも水は流れることが出来る様になり、
以後も水の流れやすい流路となる。この、流路終点にお
ける高さ修正処理によって少々の水溜りは通過でき流路
の連続性は向上する。また、第8図の様に障壁を避けて
流れる可能性も生ずる。
次に第5図の処理56について行なった勾配が0(最急降
下方向マップの値が9)の点における流路の形成による
連続性向上の工夫について述べる。第9図(a)は側面
図,(b)は平面図において点B92からC93,D94,E95にか
けて勾配は0だが、点A91から点Bに流れて来た勢いで
勾配が0になってもそのまま進行方向前方へ流れてゆく
と考える。前方といっても多少の方向転換を許容する様
に第10図に示す様に前方101,右45゜前方102,左45゜前方
103の3方向へ流れてよいものとする。これにより流路
の連続性を向上させる。しかし、平野部などでは同じ高
さの点が大量に連続していると考えられ、勾配0の点を
いつまでも進んでゆくと地形の凹部でない場所に流路を
作成する結果となる可能性があり信頼度が落ちる。また
第11図の様に無限ループ(分岐によるループではない)
を描いてしまう可能性もある。そこで、最急降下方向マ
ップの値が9の点を連続してある回数以上進んだ場合に
は強制的に流路追跡を打ち切ることにする。
以上が最急降下方向マップからの水系図作成処理であ
る。
ここまでの処理で得られる水系図は濃淡画像であり、明
るい部分が水系の本流,暗い部分が支流と考えられる。
最終的な水系図を得るため、第3番目に、第2図のステ
ップ23において、2値化を行なう。2値化する際のしき
い値の選択により本流を含むどの程度の詳しさの水系図
を作成するかをコントロールすることが出来る。また、
ディジタル標高データの値(高さ)が一定値未満の点に
ついて水系図をクリアすることにより雑音が多くを占め
る平野部の水系図をクリアする。
第12図に本発明の実施例の全体構成を示す。まずディジ
タル標高データファイル123から水系図を作成したい領
域のディジタル標高データがディジタル標高データ入力
部124により読み出されメモリ125に格納される。このデ
ィジタル標高データは最急降下方向マップ作成部126に
入力され、作成される最急降下方向マップはメモリ127
に格納される。メモリ127の内容は水系図作成部128に読
み出され第5図に示した処理により2値化前の水系図が
作成されメモリ129に出力される。このメモリ129の内容
は2値化部1210により2値化され最終結果である雑音除
去のなされた2値の水系図は画像ディスプレイ1211に表
示される。
なお、ディジタル標高データ更新部1212では、水系図作
成部128の実行中に追跡した流路の終点のディジタル標
高データの値の更新を行なう。また、この更新直後この
点を中心とした3×3の点について最急降下方向マップ
の値も更新されたメモリ127に書き込まれる。
全処理のコントロールを行なう制御部122では、コンソ
ール121からの起動命令を受けて実行を開始する。また
コンソール121からは処理を行ないたい領域の位置、2
値化のためのしきい値も入力される。
以上の様に本実施例によればディジタル標高データから
の水系図作成を精度よく行なうことが可能であり、また
対話的に2値化のしきい値を決定することにより水系図
の詳しさを調節できるという効果がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ディジタル標高データを用いて2値画
像としての水系図を作成する際、水系図はいったん濃淡
画像として得られるので、これを2値化する際のしきい
値の選び方により微弱な支流や平野部の雑音を除去する
程度をコントロールすることが出来、最終的な水系図の
詳しさを変化させることが可能になるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来法による水系図作成手順を示す図,第2図
は本発明による水系図作成処理の概略フローチャート,
第3図は等高線と最急降下方向の関係図,第4図は8方
向の定義を示す図,第5図は最急降下方向マップからの
水系図作成処理のフローチャート,第6図は第5図の処
理の動作例を示す図,第7図はディジタル標高データの
側面図であり標高データ更新による流路連続性向上の例
を示す図,第8図はその平面図,第9図は勾配0の点で
の流路の連続性向上の例を示し、(a)は側面図、
(b)は平面図,第10図は勾配0の点の許される進行方
向を示す図,第11図は無限ループの例を示す図,第12図
は本発明の実施例の全体構成を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地図上をメッシュ状に切った各格子点での
    標高を格納した2次元配列として与えられるディジタル
    標高データから対応する地域の水系図すなわち谷筋を示
    す図を作成する際に、ディジタル標高データの各点を始
    点として最急降下方向をたどることで得られる流路を重
    ね合わせた濃淡画像として水系図を作成することを特徴
    とするディジタル標高データからの水系図作成方式。
  2. 【請求項2】上記ディジタル標高データの各点を始点と
    た流路を算出する際、勾配が0の流路の存在を許容し、
    追跡した流路の終点においてディジタル標高データの値
    を一定値だけ増加させることを特徴とする第1項のディ
    ジタル標高データからの水系図作成方式。
  3. 【請求項3】上記濃淡画像は所定のしきい値により2値
    化されることを特徴とする第1項のディジタル標高デー
    タからの水系図作成方式。
JP60095915A 1985-05-08 1985-05-08 デイジタル標高デ−タからの水系図作成方式 Expired - Lifetime JPH0721410B2 (ja)

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