JPH07211357A - 電解液流通型2次電池 - Google Patents

電解液流通型2次電池

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JPH07211357A
JPH07211357A JP6003000A JP300094A JPH07211357A JP H07211357 A JPH07211357 A JP H07211357A JP 6003000 A JP6003000 A JP 6003000A JP 300094 A JP300094 A JP 300094A JP H07211357 A JPH07211357 A JP H07211357A
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JP
Japan
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positive electrode
secondary battery
electrolyte
negative electrode
redox flow
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JP6003000A
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Inventor
Takefumi Itou
岳文 伊藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充放電操作を繰返し行なっても、電池容量が
低下しにくい電解液流通型2次電池を提供する。 【構成】 流通型電解セル2と、流通型電解セル2に電
解液を流通循環させる電解液流通循環手段8、9、1
0、11、12、13と、流通循環されている電解液の
光学的特性を光学的に検出する検出手段21a、21b
と、流通型電解セル2に用いられている電解液の時間変
換に対する光学特性を予め記憶する記憶する記憶手段3
3と、記憶手段33に記憶された時間変化に対する光学
特性と、検出手段21a、21bにより検出された光学
特性とを比較する比較手段34と、比較手段34の比較
出力信号に応答して、流通型電解セル2の充放電操作を
切換える制御手段35、SW1 、SW2 とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解液流通型2次電池に
関し、特に充放電操作を繰返し行なっても電池容量が低
下しにくい電解液流通型2次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】我国の電力需要の伸びは、年とともに増
大し続けているが、電力需要の変動も産業構造の高度化
と国民生活水準の向上を反映して、年々、著しくなる傾
向にある。
【0003】たとえば、夏季における昼間の電力需要量
を100とすると明け方のそれは30以下となっている
状況である。
【0004】一方、電力の供給面から見ると、出力変動
が望ましくない原子力発電や、大規模火力発電の割合も
増加する傾向にあるため、電力を貯蔵する設備の必要性
が高まっている。
【0005】現在の電力貯蔵は、揚水発電によって行な
われているが、その立地に限りがあることから、新しい
電力貯蔵技術、中でも、技術的、経済的に実現の可能性
が高いとされている2次電池が盛んに研究されており、
中でも、レドックスフロー型2次電池が特に注目されて
いる。
【0006】次に、レドックスフロー型2次電池の構造
と動作原理を以下に説明する。図7は、レドックスフロ
ー型2次電池の1具体例を概略的に示す構成図である。
【0007】図7を参照して、このレドックスフロー型
2次電池101は、流通型電解セル(電池反応セル)1
02、正極液タンク103、および、負極液タンク10
4を備える。
【0008】流通型電解セル(電池反応セル)102内
は、たとえば、イオン交換膜等からなる隔膜105によ
り仕切られており、一方側が正極セル102a、他方側
が負極セル102bを構成する。
【0009】正極セル102a内には、正極106が収
容され、また、負極セル102b内には負極107が収
容される。
【0010】正極セル102aと正極液タンク103と
は、正極電解液を正極液タンク103から正極セル10
2aに供給する正極液供給用管路108と、正極電解液
を正極セル102aから正極液タンク103に回収する
正極液回収用管路109とにより連結される。
【0011】また、正極液供給用管路108には、正極
電解液の流通循環手段として、ポンプ110が設けられ
ており、正極セル102aと正極液タンク103との間
において、正極電解液が流通循環できるようになってい
る。
【0012】他方、負極セル102bと負極液タンク1
04とは、負極電解液を負極液タンク104から負極セ
ル102bに供給する負極液供給用管路111と、負極
電解液を負極セル102bから負極液タンク104に回
収する負極液回収用管路112とにより連結される。
【0013】また、負極液供給用管路111には、負極
電解液の流通循環手段として、ポンプ113が設けられ
ており、負極セル102bと負極液タンク104との間
において、負極電解液が流通循環できるようになってい
る。
【0014】正極液タンク103内には、正極電解液が
蓄えられており、また、負極液タンク104内には、負
極電解液が蓄えられる。
【0015】正極電解液としては、たとえば、鉄イオン
のような原子価の変化するイオンの水溶液が用いられ、
また、負極電解液としては、たとえば、クロムイオンの
ような原子価の変化するイオンの水溶液が用いられる。
【0016】たとえば、そのような正極電解液として
は、鉄の溶解度、充放電反応速度等の特性から、正極活
物質Fe3+/Fe2+を含む塩酸水溶液が用いられる。
【0017】また、負極電解液としては、クロムの溶解
度、充放電反応速度等の特性から、負極活物質Cr2+
Cr3+を含む塩酸水溶液が用いられる。
【0018】このような電解液を用いたレドックスフロ
ー型2次電池は、鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドッ
クスフロー型2次電池と呼ばれている。
【0019】このような電解液を用いたレドックスフロ
ー型2次電池101を用いて、充電時においては、負極
液タンク104に蓄えられたCr3+イオンを含む塩酸水
溶液が、ポンプ113により、負極セル102bに送ら
れ、負極107において電子を受取り、Cr2+イオンに
還元されて、負極液タンク104に回収される。
【0020】他方、正極液タンク103に蓄えられたF
2+イオンを含む塩酸水溶液が、ポンプ110により、
正極セル102aに送られ、正極106において外部回
路に電子を放出して、Fe3+に酸化され、正極液タンク
103に回収される。
【0021】また、放電時においては、負極液タンク1
04に蓄えられたCr2+イオンを含む塩酸水溶液が、ポ
ンプ113により、負極セル102bに送られ、負極1
07において外部回路に電子を放出して、Cr3+イオン
に酸化され、負極液タンク104に回収される。
【0022】他方、正極液タンク103に蓄えられたF
3+イオンを含む塩酸水溶液は、ポンプ110により、
正極セル102aに送られ、正極106において外部回
路から電子を受取り、Fe2+に還元され、正極液タンク
103に回収される。
【0023】このようなレドックスフロー型2次電池に
おいては、正極106および負極107における充放電
反応は、下記の式のようになる。
【0024】
【化1】
【0025】夜間になって余ってきた電力は、交直変換
装置151を通じて、交直変換した後、レドックスフロ
ー型2次電池に充電され、上記(1)(2)式の充電方
向の反応によって、Fe3+/Cr2+の形で貯蔵される。
【0026】また、昼間に電力が足りなくなってくる
と、上記(1)(2)式の放電方向の反応によって、放
電させ、交直変換装置151で直交変換後、電力系統へ
供給される。
【0027】これが、レドックスフロー型2次電池を用
いた電力貯蔵システムである。次に、従来のレドックス
フロー型2次電池の充放電操作について、さらに詳しく
説明する。
【0028】図8は、実用レベルのレドックスフロー型
2次電池を概略的に示す構成図である。
【0029】図8を参照して、このレドックスフロー型
2次電池201は、以下の点を除けば、図7に示すレド
ックスフロー型2次電池101と同様であるので、相当
する部材については、相当する参照符号を付して、その
説明を省略する。
【0030】このレドックスフロー型2次電池201
は、以下の点で、図7に示すレドックスフロー型2次電
池101と異なっている。
【0031】すなわち、このレドックスフロー型2次電
池201では、実用レベルの電圧を得るため、図7に示
す流通型電解セル(電池反応セル)102のような単セ
ルを、複数個直列に接続した電池セルスタック202が
用いられる。
【0032】なお、電池セルスタック202を構成する
複数の流通型電解セル(電池反応セル)のそれぞれの構
成は、基本的には、図7に示す電池反応セル102と同
様であり、以下に説明するモニター用電池反応セル21
2の構成と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0033】このレドックスフロー型2次電池201に
は、電池セルスタック202の端子電圧を測定するモニ
ター用の電池反応セル212が設けられる。
【0034】モニター用の電池反応セル212には、電
圧計213と、スイッチ手段214とを備える、回路2
15が接続される。
【0035】次に、モニター用の電池反応セル212の
構造について説明する。図8を参照して、図8には、説
明を容易とするため、モニター用の電池反応セル212
の構造が、概略的に、分解斜視図として示されている。
【0036】モニター用の電池反応セル212は、図
中、左から、双極板213、負極217、隔膜215、
正極216および双極板218の構成要素が、積層され
てなる。
【0037】双極板213、218には、それぞれ、双
極板フレーム213f、218fが設けられ、正極21
6には、正極用フレーム216fが設けられ、負極21
7には、負極用フレーム217fが設けられる。
【0038】双極板フレーム213f、218f、正極
用フレーム216f、負極用フレーム217fおよび隔
膜215のそれぞれには、4つの穴hが設けられる。
【0039】双極板フレーム213f、218f、正極
用フレーム216f、隔膜215、負極用フレーム21
7fのそれぞれに設けられた、4つの穴hは、双極板2
13、負極217、隔膜215、正極216、双極板2
18が、順次この順に積層されることにより、モニター
用の電池反応セル212の内部に正極電解液または負極
電解液を流通循環するための配管の役目をする、正極液
供給用マニホールドMps、正極液回収用マニホールド
Mpw、負極液供給用マニホールドMns、負極液回収
用マニホールドMnwを形成する。
【0040】正極用フレーム216fには、正極液供給
用スリット216aが設けられており、正極液供給用マ
ニホールドMps内の正極電解液が、正極216へ供給
されるようになっている。
【0041】また、正極用フレーム216fには、正極
液回収用スリット216bが設けられており、正極21
6へ供給された正極電解液が、正極液回収用マニホール
ドMpw内に回収できるようになっている。
【0042】また、負極用フレーム217fには、負極
液回収用スリット217aが設けられており、負極液供
給用マニホールドMns内の負極電解液が、負極217
へ供給されるようになっている。
【0043】また、負極用フレーム217fには、負極
液回収用スリット217aが設けられており、負極21
7へ供給された負極電解液が、負極液回収用マニホール
ドMnw内に回収できるようになっている。
【0044】また、モニター用電池反応セル212に
は、モニター用の電池反応セル212の端子電圧を測定
するための、正極用端子P212 と、負極用端子N212
設けられる。
【0045】そして、正極用端子P212 は、回路215
の一方端215aに接続され、負極用端子N212 は、回
路215の他方端215bに接続される。
【0046】スイッチ手段214を、ONの状態にする
と、モニター用の電池反応セル212の端子電圧が、電
圧計213により測定できるようになっている。
【0047】レドックスフロー型2次電池201は、ス
イッチ手段241を介して、交直変換装置151に接続
される。
【0048】交直変換装置151は、交直変換装置部1
51aと、直交変換装置部151bとを備える。
【0049】交直変換装置部151aは、発電所等の外
部電源に接続される。また、交直変換装置部151a
は、外部電源から供給され、交直変換された電力を取出
すための正極側端子P151aと負極側端子N151aとを備え
る。
【0050】他方、直交変換装置部151bは、需要家
等の外部負荷回路に接続される。また、直交変換装置部
151bは、レドックスフロー型2次電池201から放
電される電力を入力するための正極側端子P151bと負極
側端子N151bとを備える。
【0051】スイッチ手段241は、2個のスイッチ素
子SW101 、SW102 を含む。スイッチ素子SW
101 は、電子セルスタック202の一方端の正極(図示
せず)に接続され、また、スイッチ素子SW102 は、電
池セルスタック202の他方端の負極(図示せず)に接
続される。
【0052】スイッチ素子SW101 は、あるときは、正
極側端子P151aに電気的に接続され、あるときには、正
極側端子P151bに電気的に接続され、またあるときに
は、正極側端子P151aと正極側端子P151bの双方に電気
的に非接続の状態にされるようになっている。
【0053】また、スイッチ素子SW102 は、あるとき
は、負極側端子N151aに電気的に接続され、あるときに
は、負極側端子N151bに電気的に接続され、またあると
きには、負極側端子N151aと負極側端子N151bの双方に
電気的に非接続の状態にされるようになっている。
【0054】充電を行なう際には、スイッチ素子SW
101 と正極側端子P151aとを電気的に接続状態にし、ス
イッチ素子SW102 と負極側端子N151aとを電気的に接
続状態にする。また、放電を行なう際には、スイッチ素
子SW101 と正極側端子P151bとを電気的に接続状態に
し、スイッチ素子SW102 と負極側端子N151bとを電気
的に接続状態にする。
【0055】次に、従来のレドックスフロー型2次電池
201の運転方法について、説明する。
【0056】従来、このようなレドックスフロー型2次
電池201の運転方法としては、モニター用の電池反応
セル212の端子電圧を測定しながら、充放電操作を繰
返し行なう運転方法が専ら行なわれている。
【0057】図9は、レドックスフロー型2次電池20
1の一例として、鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドッ
クスフロー型2次電池を用いた場合の充放電特性を示す
図である。
【0058】より詳しくは、図9は、鉄(Fe)−クロ
ム(Cr)系レドックスフロー型2次電池のモニター用
の電池反応セル212の端子電圧と時間との相関関係を
示す充放電曲線図である。
【0059】なお、図9中、太い実線Fで示す曲線は、
鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドックスフロー型2次
電池の開路電圧を示しており、細い実線Gで示す曲線
は、鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドックスフロー型
2次電池のモニター用の電池反応セル212の端子電圧
を示している。
【0060】従来は、充電時においては、正極電解液お
よび負極電解液の送液量を一定にし、また、一定の充電
電力で、充電するという充電操作が行なわれている。
【0061】このような、充電方法に従って、充電を続
けていくと、充電末期に、端子電圧が急激に上昇し、レ
ドックスフロー型2次電池201の充電効率等が低下す
る。
【0062】このため、従来は、レドックスフロー型2
次電池201の充電効率等を考慮して、予め充電終了電
圧を定め(このような、「充電終了電圧」を、本明細書
では、「定格充電終了電圧」という)、定格充電終了電
圧(図9中、Vcthで示される電圧)に達した時点
で、充電操作を終了していた。
【0063】たとえば、図9に示すような充放電特性を
示す、鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドックスフロー
型2次電池では、定格充電終了電圧Vcthは、1.2
Vとされる。
【0064】また、従来は、放電時においても、正極電
解液および負極電解液の送液量を一定にし、また、一定
の放電電力で、放電するという放電操作が行なわれてい
る。
【0065】このような放電方法に従って、放電を続け
ていくと、放電末期に、端子電圧が急激に低下し、レド
ックスフロー型2次電池201の内部抵抗が増加し、放
電効率等が低下する。
【0066】このため、従来は、レドックスフロー型2
次電池201の放電効率等を考慮して、予め放電終了電
圧を定め(このような、「放電終了電圧」を、本明細書
では「定格放電終了電圧」という)、定格放電終了電圧
(図9中、Vdthで示される電圧)に達した時点で、
放電操作を終了していた。
【0067】たとえば、図9に示すような充放電特性を
示す、鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドックスフロー
型2次電池では、定格放電終了電圧Vdthは、0.8
Vとされる。
【0068】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のレド
ックスフロー型2次電池にあっては、上記した従来の運
転方法に従って、充放電操作を繰返し行なうと、充放電
操作を繰返すにつれ、レドックスフロー型2次電池の電
池容量が、次第に低下してくるという問題があった。
【0069】この原因は、従来のレドックスフロー型2
次電池201では、モニター用の電池反応セル212の
端子電圧に基づいて、充電操作を終了させているからで
ある。
【0070】図10を参照して、図10(a)は、レド
ックスフロー型2次電池として、鉄(Fe)−クロム
(Cr)系レドックスフロー型2次電池を用いて、レド
ックスフロー型2次電池201のモニター用の電池反応
セル212の端子電圧と時間との相関関係を模式的に示
す充放電曲線を示す図であり、図10(b)は、図10
(a)に示すレドックスフロー型2次電池201の、正
極電解液中に含まれる高原子価状態の正極活物質イオン
(Fe3+)と、低原子価状態の正極活物質イオン(Fe
2+)との組成比(Fe3+/Fe2+)と時間との相関関係
を模式的に示す充放電曲線を示す図である。
【0071】図10(a)を参照して、図10(a)に
示す充放電曲線では、充電末期(図10(a)中、R1
で示される領域)において、端子電圧が特異的に変化
(上昇)する。
【0072】これは、モニター用の電池反応セル212
を構成する、負極217、正極216のそれぞれにおい
て、化1に示す充放電反応以外の副反応が生じたためで
ある。
【0073】より具体的には、モニター用の電池反応セ
ル212を構成する、負極217上で、水素(H2 )ガ
スが発生したり、正極216上で、酸素(O2 )ガスが
発生したりするという副反応が生じたためである。
【0074】なお、モニター用の電池反応セル212に
おいて生じる現象と同様の現象は、電池セルスタック2
02を構成する複数の流通型電解セル(電池反応セル)
の正極(図示せず)および/または負極(図示せず)の
それぞれにおいても生じている。
【0075】このような副反応を生じると、酸化還元ペ
ア(Cr3+/Fe2+またはCr2+/Fe3+)の絶対量が
減少し、充放電操作を繰返すうちに、レドックスフロー
型2次電池201の電池容量が低下する。
【0076】他方、モニター用の電池反応セル212を
構成する、負極217、正極216のそれぞれにおい
て、化1に示す充放電反応が正常に行なわれている状態
(図10(a)中、R2 、R3 で示される領域)におい
ては、端子電圧は、概ね一定である。
【0077】上記したように、従来のレドックスフロー
型2次電池201では、モニター用の電池反応セル21
2の端子電圧に基づいて、上記した副反応が生じた後
(図10(a)中、T1 で示される時期)において、事
後的に、充電操作を終了していたため、充放電操作を繰
返すうちに、レドックスフロー型2次電池201の電池
容量が低下してくる。
【0078】また、従来のレドックスフロー型2次電池
にあっては、上記した従来の運転方法に従って、放電操
作を行なうと、放電末期(図10(a)中、R4 で示さ
れる領域)において、需要家等の電力系統に供給する放
電電力が低下するという問題があった。
【0079】この原因は、従来のレドックスフロー型2
次電池201では、モニター用の電池反応セル212の
端子電圧に基づいて、端子電圧が低下した後(図10
(a)中、T2 で示される時期)において、事後的に、
放電操作を終了させているからである。
【0080】他方、図10(b)を参照して、化1より
明らかなように、理論的には、モニター用の電池反応セ
ル212の端子電圧が、概ね一定の状態の領域(図10
(b)中、R2 、R3 で示される領域)においても、正
極活物質の組成比(Fe3+/Fe2+)は、経時的に、刻
々と変化する。
【0081】したがって、理論的には、正極電解液の高
原子価状態の正極活物質イオン(Fe3+)の濃度や、低
原子価状態の正極活物質イオン(Fe2+)の濃度を、測
定すれば、上記した副反応がレドックスフロー型2次電
池201において生じる前に、事前(図10(b)中、
3 で示される時期)に、充電操作を終了したり、レド
ックスフロー型2次電池201の放電電力が低下する前
に、事前(図10(b)中、T4 で示される時期)に、
放電操作を終了させることができる。
【0082】しかしながら、レドックスフロー型2次電
池201から、正極電解液を取出し、正極電解液中に含
まれる、高原子価状態の正極活物質(Fe3+)の濃度
や、低原子価状態の正極活物質イオン(Fe2+)の濃度
を、試薬などを用いて、定量的に分析する方法では、操
作が煩雑であり、また、そのような濃度分析にも時間が
かかるため、かえって、充電操作の終了のタイミング
や、放電操作の終了のタイミングを失することとなり、
好ましくない。
【0083】また、正極電解液の分析後の廃液処理の問
題も生じる。なお、図10(b)では、正極電解液を中
心にして説明したが、負極電解液についても、同様のこ
とがいえる。
【0084】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、簡単な構成で、充放電操作
を繰返し行なっても電池容量が低下しにくく、また、放
電末期において、放電電力が低下しにくい電解液流通型
2次電池を提供することを目的とする。
【0085】
【課題を解決するための手段】本発明に従う電解液流通
型2次電池は、流通型電解セルと、流通型電解セルに電
解液を流通循環させる電解液流通循環手段と、流通循環
されている電解液の光学的特性を光学的に検出する検出
手段と、流通型電解セルに用いられている電解液の時間
変化に対する光学特性を予め記憶する記憶手段と、記憶
手段に記憶された時間変化に対する光学特性と、検出手
段により検出された光学特性とを比較する比較手段と、
比較手段の比較出力信号に応答して、流通型電解セルを
充電状態から放電状態に制御する、または放電状態から
充電状態に制御する制御手段とを備える。
【0086】
【作用】本発明に従う電解液流通型2次電池は、以下の
構成を備える。
【0087】(1) 流通型電解セルを備える。 (2) 流通型電解セルに電解液を流通循環させる電解
液流通循環手段を備える。
【0088】(3) 流通循環されている電解液の光学
的特性を光学的に検出する検出手段を備える。
【0089】(4) 流通型電解セルに用いられている
電解液の時間変化に対する光学特性を予め記憶する記憶
手段を備える。
【0090】(5) 記憶手段に記憶された時間変化に
対する光学特性と、検出手段により検出された光学特性
とを比較する比較手段を備える。
【0091】(6) 比較手段の比較出力信号に応答し
て、流通型電解セルを充電状態から放電状態に制御す
る、または放電状態から充電状態に制御する制御手段を
備える。
【0092】本発明に従う電解液流通型2次電池は、流
通循環されている電解液の光学的特性を光学的に検出す
る検出手段により、流通循環されている電解液の光学的
特性を光学的に検出することができる。
【0093】検出手段により検出される、流通循環され
ている電解液の光学的特性は、電解液中に含まれる、高
原子価状態の活物質イオンと低原子価状態の活物質イオ
ンとの組成比により、固有の形状を示す。
【0094】したがって、本発明に従う電解液流通型2
次電池では、流通循環されている電解液の、高原子価状
態の活物質イオンと低原子価状態の活物質イオンとの組
成比を、経時的に知ることができる。
【0095】また、本発明に従う電解液流通型2次電池
は、記憶手段に、予め流通電解セルに用いられる電解液
の時間変化に対する光学特性が記憶されているので、比
較手段を用いて、記憶手段に記憶された時間変化に対す
る光学特性と、検出手段により検出された光学特性とを
比較することにより、高原子価状態の活物質イオンと低
原子価状態の活物質イオンとの組成比により、流通型電
解セルを充電状態から放電状態に制御したり、または、
放電状態から充電状態に制御したりすることができる。
【0096】すなわち、本発明に従う電解液流通型2次
電池では、実質的に、電解液中の含まれる高原子価状態
の活物質イオンと、低原子価状態の活物質イオンとの組
成比を基準として、流通型電解セルの充電操作を終了さ
せたり、放電操作を終了させたりすることができる。
【0097】このため、本発明に従う電解液流通型2次
電池では、充電操作を、電解液流通型2次電池におい
て、副反応が生じる前に、終了させることができるの
で、電解液流通型2次電池の電池容量が低下しにくい。
【0098】また、本発明に従う電解液流通型2次電池
では、放電操作を、放電電力が低下する前に、事前に終
了させることができるので、安定した電力供給が可能と
なる。
【0099】
【実施例】以下、好適な実施例を用いて、本発明につい
て説明するが、本発明は、以下の実施例によって、何ら
限定されることはない。
【0100】図1は、本発明に従う電解液流通型2次電
池を概略的に示す構成図である。より具体的には、図1
は本発明に従う電解液流通型2次電池の1具体例として
のレドックスフロー型2次電池を概略的に示す構成図で
ある。
【0101】図1を参照して、このレドックスフロー型
2次電池1は、以下の点を除けば、図8に示すレドック
スフロー型2次電池201と同様の構成である。
【0102】すなわち、レドックスフロー型2次電池1
において、図8に示すレドックスフロー型2次電池20
1の、流通型電解セル(電池セルスタック)202が流
通型電解セル(電池セルスタック)2に、正極液タンク
103が正極液タンク3に、負極液タンク104が負極
液タンク4に、正極液供給用管路108が正極液供給用
管路8に、正極液回収用管路109が正極液回収用管路
9に、負極液供給用管路111が負極液供給用管路11
に、負極液回収用管路112が負極液回収用管路12
に、ポンプ110、113がポンプ10、13に、それ
ぞれ相当する。なお、図1では、説明を容易とするた
め、流通型電解セルを単セルとして示す。すなわち、図
1および図7を参照して、レドックスフロー型2次電池
1において、図7に示すレドックスフロー型2次電池1
01の、隔膜105が隔膜5に、正極セル102aが正
極セル2aに、負極セル102bが負極セル2bに、正
極106が正極6に、負極107が負極7に、それぞれ
相当する。
【0103】正極液タンク3内には、正極電解液が貯蔵
されており、また、負極液タンク4内には、負極電解液
が貯蔵される。
【0104】正極電解液としては、たとえば、正極活物
質Fe3+/Fe2+を含む塩酸水溶液が用いられ、負極電
解液としては、たとえば、負極活物質Cr2+/Cr3+
含む塩酸水溶液が用いられる。
【0105】このレドックスフロー型2次電池1は、図
8に示すレドックスフロー型2次電池201と、以下の
点において、特に異なっている。
【0106】レドックスフロー型2次電池1は、さら
に、流通循環している正極電解液および負極電解液の少
なくとも一方の電解液の光学的特性を光学的に検出する
検出手段(電解液モニター装置)21a、21bと、演
算処理装置31とを含む。
【0107】電解液の光学的特性を光学的に検出する検
出手段(電解液モニター装置)21a、21bのそれぞ
れは、演算処理装置31に接続される。
【0108】図2は、電解液の光学的特性を光学的に検
出する検出手段21a、21bを概略的に示す構成図で
ある。
【0109】図2を参照して、図2(a)は、電解液の
光学的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニタ
ー装置)21aを概略的に示す構成図であり、図2
(b)は、電解液の光学的特性を光学的に検出する検出
手段(電解液モニター装置)21bを概略的に示す構成
図である。
【0110】図2(a)を参照して、この電解液の光学
的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニター装
置)21aは、導管22と、導管22の一部に設けられ
た測定部23と、光源24と、光センサ25と、分光分
析装置26とを含む。
【0111】導管22の一方端22aと他方端22bと
は、正極液供給用管路8に連結されており、正極液供給
用管路8内を流通循環する正極電解液の一部が、一方端
22aから、導管22内に取出され、導管22内に取出
された正極電解液は、測定部23を通過した後、再び、
他方端22bを通って、正極液供給用管路8内に戻され
るようになっている。
【0112】光源24は、たとえば、可視光線L24を照
射できるようになっている。光測定部23は、測定部2
3内を流通循環する正極電解液の電解液の光学的特性を
光学的に測定する部位である。
【0113】測定部23を構成する材料としては、光透
過性材料、より特定的には、測定部23を構成する材料
自体が可視光領域における光の吸収の小さい材料であれ
ば、種々の材料を用いることができる。
【0114】そのような材料としては、たとえば、石英
ガラス等を挙げることができる。光源24と光センサ2
5とは、測定部23を挟むように対向配置される。
【0115】したがって、光源24から測定部23に対
して照射された光L24は、測定部24内の正極電解液を
通過した後、光センサ25に到達する。
【0116】光センサ25は、測定部24を通過してき
た光の強度を測定し、分光分析装置26に伝える。
【0117】分光分析装置26は、正極電解液を通過し
てきた光を波長ごとに分解した後、波長と、波長に対す
る光の強さとの相関関係を示す、光の吸収スペクトルを
測定する。
【0118】分光分析装置26の測定した情報は、A/
D変換装置30によりアナログ信号からデジタル信号に
変換された後、演算処理装置31に入力される。
【0119】他方、図2(b)を参照して、この電解液
の光学的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニ
ター装置)21bの構成は、負極液供給用管路11側に
設けられ、負極電解液を通過してきた光を波長ごとに分
解し、波長と波長に対する光の吸収の強さとの相関関係
を示す光の吸収スペクトルを測定できるようになってい
る以外は、図2(a)に示す電解液の光学的特性を光学
的に検出する検出手段(電解液モニター装置)21aと
同様であるので、相当する部材については、相当する参
照符号を付して、その説明を省略する。
【0120】図1を再び参照して、レドックスフロー型
2次電池1は、スイッチ手段41を介して、交直変換装
置51に接続される。
【0121】交直変換装置51の構成は、図8に示す交
直変換装置151と同様である。すなわち、交直変換装
置51は、交直変換装置部51aと、直交変換装置部5
1bとを備える。
【0122】交直変換装置部51aは、発電所等の外部
電源に接続される。また、交直変換装置部51aは、外
部電源から供給され、交直変換された電力を取出すため
の正極側端子P51a と、負極側端子N51a とを備える。
【0123】他方、直交変換装置51bは、需要家等の
外部負荷回路に接続される。また、直交変換装置部51
bは、レドックスフロー型2次電池1から放電される電
力を入力するための正極側端子P51b と、負極側端子N
51b とを備える。
【0124】スイッチ手段41は、2個のスイッチ素子
SW1 、SW2 を含む。スイッチ素子SW1 は、流通型
電解セル(電池セルスタック)2の正極6に接続され、
また、スイッチ素子SW2 は、流通型電解セル(電池セ
ルスタック)2の負極7に接続される。
【0125】スイッチ素子SW1 は、あるときは、正極
側端子P51a に電気的に接続され、あるときには、正極
側端子P51b に電気的に接続され、またあるときには、
正極側端子P51a と正極側端子P51b の双方に電気的に
非接続の状態にされるようになっている。
【0126】また、スイッチ素子SW2 は、あるとき
は、負極側端子N51a に電気的に接続され、あるときに
は、負極側端子N51b に電気的に接続され、またあると
きには、負極側端子N51a と負極側端子N51b の双方に
電気的に非接続の状態にされるようになっている。
【0127】スイッチ素子SW1 、SW2 は、たとえ
ば、電磁スイッチから構成される。スイッチ素子SW1
と、スイッチ素子SW2 のそれぞれは、演算処理装置3
1に接続される。
【0128】電解液の光学的特性を光学的に検出する検
出手段(電解液モニター装置)21a、21bの少なく
とも一方が検出した信号(電解液の光学特性に関する信
号)は、A/D変換装置30へ送られ、アナログ信号か
らデジタル信号へ変換されて、演算処理装置31へ入力
される。
【0129】演算処理装置31は、電解液の光学的特性
を光学的に検出する検出手段(電解液モニター装置)2
1a、21bの少なくとも一方が検知した情報に基づい
て、スイッチ素子SW1 に対し、スイッチ素子SW1
正極側端子P51a とを電気的に接続状態にする信号、ま
たはスイッチ素子SW1 と正極側端子P51b とを電気的
に接続状態にする信号を出力する。
【0130】また、演算処理装置31は、電解液の光学
的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニター装
置)21a、21bの少なくとも一方が検知した情報に
基づいて、スイッチ素子SW2 に対し、スイッチ素子S
2 と負極側端子N51a とを電気的に接続状態にする信
号、またはスイッチ素子SW2 と負極側端子N51b とを
電気的に接続状態にする信号を出力する。
【0131】また、演算処理装置31には、外部入力手
段(たとえば、キーボード等)亜図示せず)が接続され
ており、レドックスフロー型2次電池1の操作者が、自
己の判断に基づいて外部入力手段(たとえば、キーボー
ド等)に対し、スイッチ素子SW1 を、正極側端子P
51a と正極側端子P51b の双方に電気的に非接続の状態
にする信号を入力したり、スイッチ素子SW2 を、負極
端子N51a と負極側端子N51b の双方に電気的に非接続
の状態にする信号を入力できるようになっている。
【0132】そして、演算処理装置31は、外部入力手
段(たとえば、キーボード等)(図示せず)から入力さ
れる信号に基づいて、スイッチ素子SW1 に対し、スイ
ッチ素子SW1 を正極側端子P51a と正極側端子P51b
の双方に電気的に非接続状態にする信号を出力したり、
スイッチ素子SW2 に対し、スイッチ素子SW2 を負極
側端子N51a と負極側端子N51b の双方に電気的に非接
続状態にする信号を出力する。
【0133】そして、スイッチ素子SW1 は、演算処理
装置31の信号に応答して、正極側端子P51a に電気的
に接続されたり、正極側端子P51b に電気的に接続され
たり、また、正極側端子P51a と正極側端子P51b に双
方に電気的に非接続の状態にされるようになっている。
【0134】また、スイッチ素子SW2 は、演算処理装
置31の信号に応答して、負極側端子N51a に電気的に
接続されたり、負極側端子N51b に電気的に接続された
り、また、負極側端子N51a と負極側端子N51b に双方
に電気的に非接続の状態にされるようになっている。
【0135】次に、演算処理装置31の構成およびレド
ックスフロー型2次電池1の充放電操作について、さら
に詳しく説明する。
【0136】図1を再び参照して、演算処理装置31
は、表示部32と、記憶手段33と、比較部34と、制
御信号発令手段35とを含む。
【0137】図1および図2を参照して、表示部32に
は、電解液の光学的特性を光学的に検出する検出手段
(電解液モニター装置)21a、21bの少なくとも一
方が検出した信号(電解液の光学特性、すなわち、電解
液の吸収スペクトル図)が表示される。
【0138】より詳しくは、表示部32には、電解液の
光学的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニタ
ー装置)21aを構成する分光分析装置26が検出した
信号(正極電解液の光学特性、すなわち、正極電解液の
吸収スペクトル図)、および/または、電解液の光学的
特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニター装
置)21bの構成する分光分析装置26が検出した信号
(負極電解液の光学特性、すなわち、負極電解液の吸収
スペクトル図)が表示される。
【0139】また、記憶手段33には、流通型電解セル
(電池セルスタック)2に用いられている電解液の時間
変化に対する光学特性が予め記憶されている。
【0140】より詳しくは、記憶手段33には、このレ
ドックスフロー型2次電池1について、モニター用の電
池反応セル(図示せず)を用い、従来の、モニター用の
電池反応セル(図示せず)の端子電圧を測定しながら充
放電操作を行なった際における電解液の光学的特性を光
学的に検出する検出手段(電解液モニター装置)21a
を構成する分光分析装置26が、経時的に検出した信号
(正極電解液の時間変化に対する光学特性等)、および
/または、電解液の光学的特性を光学的に検出する検出
手段(電解液モニター装置)21bを構成する分光分析
装置26が、経時的に検出した信号(負極電解液の時間
変化に対する光学特性等)が、予め記憶されている。
【0141】そして、記憶手段33には、記憶手段33
に記憶された、流通型電解セル(電池反応セル)2に用
いられている電解液の時間変化に対する光学特性の中か
ら、充電終了時における電解液の光学的特性と、放電終
了時における光学的特性が選択されている。
【0142】より詳しくは、記憶手段33には、記憶手
段33に記憶された、レドックスフロー型2次電池1に
ついて、モニター用の電池反応セル(図示せず)を用
い、従来の、モニター用の電池反応セル(図示せず)の
端子電圧を測定しながら充放電操作を行なうことにより
得られた、電解液の光学的特性を光学的に検出する検出
手段(電解液モニター装置)21aを構成する分光分析
装置26が、経時的に検出した信号(正極電解液の時間
変化に対する光学特性、すなわち、時間変化に対する正
極電解液の吸収スペクトル図)の中から、充電終了時に
おける正極電解液の光学的特性と、放電終了時における
正極電解液の光学的特性が選択されている。
【0143】および/または、記憶手段33には、記憶
手段33に記憶された、レドックスフロー型2次電池1
について、モニター用の電池反応セル(図示せず)を用
い、従来の、モニター用の電池反応セル(図示せず)の
端子電圧を測定しながら充放電操作を行なうことにより
得られた、電解液の光学的特性を光学的に検出する検出
手段(電解液モニター装置)21bを構成する分光分析
装置26が、経時的に検出した信号(負極電解液の時間
変化に対する光学特性、すなわち、時間変化に対する負
極電解液の吸収スペクトル図)の中から、充電終了時に
おける光学的特性と、放電終了時における負極電解液の
光学的特性が選択されている。
【0144】なお、充電終了時における正極電解液の光
学的特性、放電終了時における正極電解液の光学的特
性、および/または、充電終了時における負極電解液の
光学的特性、放電終了時における充電終了時における正
極電解液の光学的特性の選択のしかたについては、後述
するので、ここでの説明は省略する。図3は、電解液の
光学的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニタ
ー装置)21aを構成する分光分析装置26が検出し
た、正極電解液の吸収スペクトル図と、電解液の光学的
特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニター装
置)21bを構成する分光分析装置26が検出した、負
極電解液の吸収スペクトル図である。
【0145】図3を参照して、実線Aで示す曲線は、あ
る正極活物質(a)イオンを含む電解液の吸収スペクト
ル図であり、波長λa に吸収のピークを有する。
【0146】他方、破線Bで示す曲線は、ある負極活物
質(b)イオンを含む電解液の吸収スペクトル図であ
り、波長λb およびλc に吸収のピークを有する。
【0147】そして、実線Aで示す曲線、破線Bで示す
曲線は、レドックスフロー型2次電池1を用い、充放電
操作を行なうと、経時的に変化する。
【0148】以下、説明を容易とするため、電解液の光
学的特性を光学的に検出する検出手段(電解液モニター
装置)21aを用い、電解液の光学的特性を光学的に検
出する検出手段(電解液モニター装置)21aを構成す
る分光分析装置26が検出した信号(正極電解液の光学
特性、すなわち、正極電解液の吸収スペクトル図)に基
づいて、レドックスフロー型2次電池1の充放電操作を
行なう方法について説明する。
【0149】図4は、正極活物質(a)イオンとして、
鉄(Fe)イオン、すなわちFe2+と、Fe3+とを含む
塩酸水溶液(正極電解液)の吸収スペクトルを示す図で
ある。
【0150】図4を参照して、実線Cで示す曲線は、F
2+の濃度[Fe2+]が、Fe3+の濃度[Fe3+]に比
べ、高濃度([Fe2+]>[Fe3+])の状態における
吸収スペクトル図であり、これは、正極電解液が、概ね
放電状態、または、放電末期における吸収スペクトルに
相当するものである。
【0151】他方、一点鎖線Dで示す曲線は、Fe3+
濃度[Fe3+]が、Fe2+の濃度[Fe2+]に比べ、高
濃度([Fe3+]>[Fe2+])の状態における吸収ス
ペクトル図を示しており、これは、正極電解液が、概ね
充電状態、または、放電末期における吸収スペクトルに
相当するものである。
【0152】また、破線Eで示す曲線は、Fe3+の濃度
[Fe3+]が、Fe2+の濃度[Fe 2+]とが、概ね同濃
度([Fe2+]≒[Fe2+])の状態における吸収スペ
クトル図を示しており、これは、正極電解液が、充電状
態の途中、または、放電状態の途中における吸収スペク
トルに相当するものである。
【0153】図4に示す吸収スペクトル図(実線Cで示
す曲線、一点鎖線Dで示す曲線および破線Eで示す曲
線)は、いずれも、図4より明らかなように、波長約3
350Åに吸収ピークを有し、該ピークは、電解液中に
含まれる、Fe2+の濃度[Fe 2+]とFe3+の濃度[F
3+]の変化に依存して、変化する。
【0154】図5は、レドックスフロー型2次電池1
の、時間変化に対する充放電曲線を示す図である。
【0155】図5を参照して、図5(a)は、レドック
スフロー型2次電池1のモニター用の電池反応セル(図
示せず)の端子電圧と時間との相関関係を示す充放電曲
線であり、図5(b)は、レドックスフロー型2次電池
1の正極電解液の光の吸収スペクトルの波長約3350
Åのピークと時間との相関関係を示す充放電曲線であ
る。
【0156】図5(a)を参照して、図5(a)に示す
充放電曲線では、充電末期(図5(a)中、R1 で示さ
れる領域)において、モニター用の電池反応セル(図示
せず)の端子電圧が、特異的に変化(上昇)している。
【0157】また、充電途中(図5(a)中、R2 で示
される領域)、放電途中(図5(a)中、R3 で示され
る領域)では、モニター用の電池反応セル(図示せず)
の端子電圧が、概ね一定の状態にある。
【0158】また、放電末期(図5(a)中、R4 で示
される領域)において、モニター用の電池反応セル(図
示せず)の端子電圧が、特異的に変化(低下)してい
る。
【0159】他方、図5(b)を参照して、レドックス
フロー型2次電池1の正極電解液の吸収スペクトルの波
長約3350Åのピークは、モニター用の電池反応セル
(図示せず)の端子電圧が、概ね一定の状態の領域(図
5(b)中、R2 、R3 で示される領域)においても、
経時的に、刻々と変化する。
【0160】したがって、レドックスフロー型2次電池
1の正極電解液の吸収スペクトルの波長約3350Åの
ピークを、経時的に測定すれば、レドックスフロー型2
次電池1において、副反応が生じる前に、事前に、充電
操作を終了したり、レドックスフロー型2次電池1の放
電電力が低下する前に、事前に、放電操作を終了させる
ことができる。
【0161】より具体的には、電解液の光の吸収の強さ
を、経時的に測定すれば、図5(a)の充放電曲線と図
5(b)に示す充放電曲線とを比較することにより、従
来のモニター用の電池反応セルの端子電圧を測定する方
法では、特定するのが困難であった、適正な充電操作の
終了時点(図5(b)中、T3 で示される時期)や、適
正な放電操作の終了時点(図5(b)中、T4 で示され
る時期)を、容易に特定することができる。
【0162】より詳しくは、適正な充電操作の終了時点
(図5(b)中、T3 で示される時期)および適正な放
電操作の終了時点(図5(b)中、T4 で示される時
期)は、たとえば、以下の方法により選択される。
【0163】まず、レドックスフロー型2次電池1につ
いて、モニター用の電池反応セル(図示せず)の端子電
圧を測定しながら、充放電操作を行ない、図5(a)の
ような、時間と端子電圧との相関関係を示す充放電曲線
図を作成する。
【0164】また、上記充放電操作に併行して、電解液
モニター装置21aを用い、流通型電解セル(電池反応
セル)2へ、流通循環される正極電解液の時間変化に対
する光学特性図(たとえば図5(b)のような図)を作
成する。
【0165】次に、上記操作により作成された、時間と
端子電圧との相関関係を示す充放電曲線図と、正極電解
液の時間変化に対する光学特性図とを、比較して、適正
な充電操作の終了時点(図5(b)中、T3 で示される
時期)と、当該終了時点における光の吸収の強さIct
hと、適正な放電操作の終了時点(図5(a)中、T 5
で示される時期)における光の吸収の強さIdthとを
求める。
【0166】次に、レドックスフロー型2次電池1につ
いて、適正な放電操作の終了時点(図5(b)中、T3
で示される時期)まで充電を行なった後、レドックスフ
ロー型2次電池1について、放電操作を、上記により特
定した光の吸収の強さIdthになるまで行ない、適正
な放電操作の終了時点(図5(b)中、T4 で示される
時期)を求める。
【0167】次に、レドックスフロー型2次電池1の運
転方法の1具体例について説明する。
【0168】なお、以下の説明では、説明を容易とする
ため、演算処理装置31の記憶手段33に、電解液の時
間変化に対する光学特性として、図5(b)に示す充放
電曲線が、予め記憶されている例について説明する。
【0169】図6は、レドックスフロー型2次電池1を
運転する方法として、演算処理装置31に記憶された運
転プログラムを概略的に示すフローチャート図である。
【0170】図6を参照して、まず、ステップ61にお
いて、電解液モニター装置21aにより、正極電解液の
光学的特性を光学的に検出する操作が開始される。
【0171】より具体的には、図2(a)を再び参照し
て、電解液モニター装置21aが動作状態にされ、測定
部23に光L24が照射される。
【0172】次に、図1を再び参照して、ポンプ10を
駆動状態にし、正極電解液(Fe3+とFe2+とを含む塩
酸水溶液)を、流通型電解セル(電池反応セル)2を構
成する正極セル2aと正極液タンク3との間で流通循環
する。
【0173】また、ポンプ13を駆動状態にし、負極電
解液(Cr2+とCr3+とを含む塩酸水溶液)を、流通型
電解セル(電池反応セル)2を構成する負極セル2bと
負極液タンク4との間で流通循環する。
【0174】図2を再び参照して、測定部23および測
定部23内を流通循環する正極電解液を通過(透過)し
た光L24は、光センサ25および分光分析装置26によ
り、波長と光の吸収の強さとの相関関係を示す吸収スペ
クトル図にされる。
【0175】そして、波長と光の吸収の強さとの相関関
係を示す吸収スペクトル図は、演算処理装置31の表示
部32に表示され、波長約3350Åにおける、光の吸
収の強さが測定され、測定値Imとして特定される。
【0176】次に、ステップ62において、レドックス
フロー型2次電池1が充電状態にあるか否かが判断され
る。
【0177】レドックスフロー型2次電池1が、充電状
態にあるか、または放電状態にあるかの判断は、たとえ
ば、以下のようにしてなされる。
【0178】演算処理装置31を構成する記憶手段33
には、予め記憶された、図5(b)に示す充放電曲線か
ら、適正な充電操作の終了時点(図5(b)中、T3
占めされる時期)における、波長3350Åにおける、
光の吸収の強さの値が、しきい値数値(Icth)とし
て特定されている。
【0179】記憶手段33に記憶された、上記しきい値
数値(Icth)は、比較部34に記憶された、下記の
数式に入力されている。
【0180】
【数1】
【0181】次に、表示部32において特定された測定
値Imが、上記数1に入力され、α 3350が算出される。
【0182】そして、α3350が、波長3350Åのα
3350として許容される値として、予め入力されている、
しきい値α3350thと比較される。
【0183】そして、α3350≦α3350thの関係にあれ
ば、レドックスフロー型2次電池1が充電状態にあると
判断され、α3350>α3350thの関係にあれば、レドック
スフロー型2次電池1が放電状態にあると判断される。
【0184】ステップ62において、レドックスフロー
型2次電池1が放電状態にあると判断された場合は、ス
テップ63において、充電操作を行なうか否かが判断さ
れる。
【0185】他方、ステップ62において、レドックス
フロー型2次電池1が充電状態にあると判断された場合
は、ステップ66において、放電操作を行なうか否かが
判断される。
【0186】なお、ステップ66における放電操作を行
なうか否かは判断については、後述するので、ここでの
説明は省略する。
【0187】ステップ63において、充電操作を行なう
か否かの判断は、たとえば、電力需要の状況に基づいて
行なわれる。
【0188】たとえば、電力が余っていると判断される
場合には、そのような余剰電力を用いて、充電操作が行
なわれる。
【0189】ステップ63において、充電操作を行なう
ことを決定した場合は、ステップ64において、レドッ
クスフロー型2次電池1について、充電操作が行なわれ
る。
【0190】この場合、演算処理装置31に接続して設
けられた外部入力手段(たとえば、キーボード等)(図
示せず)から充電操作を行なう信号が入力される。
【0191】演算処理装置31に入力された充電操作を
行なう信号は、図1を再び参照して、制御信号発令手段
35に送られる。
【0192】そして、制御信号発令手段35は、スイッ
チ手段41に対し、スイッチ素子SW1 と正極側端子P
51a とを電気的に接続状態にする信号と、スイッチ素子
SW 2 と負極側端子N51a とを電気的に接続状態にする
信号とを発令する。
【0193】演算処理装置31から出力された、上記発
令信号は、それぞれ、D/A変換装置(図示せず)によ
り、デジタル信号からアナログ信号に変換された後、ス
イッチ素子SW1 、SW2 に到達する。
【0194】そして、スイッチ素子SW1 は、演算処理
装置31の信号に応答して、正極側端子P51a に電気的
に接続され、また、スイッチ素子SW2 は、演算処理装
置31の信号に応答して、負極側端子N51a に電気的に
接続される。
【0195】なお、ステップ63において、充電操作を
行なわないことを決定した場合は、充電操作は行なわれ
ない。
【0196】この場合、演算処理装置31に接続して設
けられた外部入力手段(たとえば、キーボード等)(図
示せず)から、充電操作を行なわない信号が入力され
る。
【0197】演算処理装置31に入力された、充電操作
を行なわない信号は、図1を再び参照して、制御信号発
令手段35に送られる。
【0198】そして、制御信号発令手段35は、スイッ
チ手段41に対し、スイッチ素子SW1 を正極側端子P
51a と正極側端子P51b の双方に対して、電気的に非接
続の状態にする信号、および/またはスイッチ素子SW
2 を負極側端子N51a と負極側端子N51b の双方に対し
て、電気的に非接続の状態にする信号を発令する。
【0199】演算処理装置31から出力された上記発令
信号は、それぞれ、D/A変換装置(図示せず)によ
り、デジタル信号からアナログ信号に変換された後、ス
イッチ素子SW1 、SW2 に到達する。
【0200】そして、スイッチ素子SW1 は、演算処理
装置31の信号に応答して、正極側端子P51a および正
極側端子P51b の双方に対して、電気的に非接続の状態
にされる。
【0201】または、スイッチ素子SW2 は、演算処理
装置31の信号に応答して、負極側端子N51a および負
極側端子N51b の双方に対して、電気的に非接続の状態
にされる。
【0202】または、スイッチ素子SW1 は、演算処理
装置31の信号に応答して、正極側端子P51a および正
極側端子P51b の双方に対して、電気的に非接続の状態
にされ、かつ、スイッチ素子SW2 は、演算処理装置3
1の信号に応答して、負極側端子N51a および負極側端
子N51b の双方に対して、電気的に非接続の状態にされ
る。
【0203】また、ポンプ10、13が停止状態にさ
れ、電解液モニター装置21aが停止状態にされる。
【0204】ステップ64において、充電操作を行なっ
た場合には、ステップ65において、充電操作を終了す
るか否かが判断される。
【0205】レドックスフロー型2次電池1の充電操作
を終了するか、または、継続するかの判断は、たとえ
ば、以下のようにしてなされる。
【0206】すなわち、レドックスフロー型2次電池1
の充電操作を終了するか否かの判断は、ステップ62と
同様の方法により行なわれる。
【0207】より具体的には、充電操作の間、表示部3
2で特定される測定値Imと、記憶手段33に記憶され
た、しきい値数値Icthとが、比較部34において、
比較される。
【0208】比較部34では、上記した数1に、測定値
Imが入力され、α3350が算出され、そして、α
3350が、α3350の許容される値として、予め入力されて
いる、しきい値α3350thと比較される。
【0209】そして、α3350≦α3350thとなった時点
で、制御信号発令手段35に、充電操作を終了する信号
が送られる。
【0210】なお、ステップ65において、充電操作を
終了する際の動作は、ステップ63において、充電操作
を行なわないと決定した場合の動作と同様であるので、
その説明を省略する。
【0211】他方、α3350>α3350thの関係にある間
は、引続き、充電操作が行なわれる。ステップ65にお
いて、充電操作を終了した場合は、ステップ66におい
て、放電操作を行なうか否かが判断される。
【0212】ステップ66において、放電操作を行なう
か否かの判断は、たとえば、電力需要の状況に基づいて
行なわれる。
【0213】たとえば、外部電力系統において、電力が
不足していると判断される場合には、放電操作が行なわ
れる。
【0214】ステップ66において、放電操作を行なう
ことを決定した場合は、ステップ67において、レドッ
クスフロー型2次電池1について、放電操作が行なわれ
る。
【0215】この場合、演算処理装置31に接続して設
けられた外部入力手段(たとえば、キーボード等)(図
示せず)から放電操作を行なう信号が入力される。
【0216】演算処理装置31に入力された放電操作を
行なう信号は、図1を再び参照して、制御信号発令手段
35に送られる。
【0217】そして、制御信号発令手段35は、スイッ
チ手段41に対し、スイッチ素子SW1 と正極側端子P
51b とを電気的に接続する信号と、スイッチ素子SW2
と負極側端子N51b とを電気的に接続状態にする信号と
を発令する。
【0218】演算処理装置31から出力された、上記発
令信号は、それぞれ、D/A変換装置(図示せず)によ
り、デジタル信号からアナログ信号に変換された後、ス
イッチ素子SW1 、SW2 に到達する。
【0219】そして、スイッチ素子SW1 は、演算処理
装置31の信号に応答して、正極側端子P51b に電気的
に接続され、また、スイッチ素子SW2 は、演算処理装
置31の信号に応答して、負極側端子N51b に電気的に
接続される。
【0220】なお、ステップ66において、放電操作を
行なわないことを決定した場合の、放電操作を行なわな
い操作は、ステップ63において、充電操作を行なわな
いことを決定した場合の充電操作を行なわない操作と同
様であるので、その説明を省略する。
【0221】ステップ67において、放電操作を行なっ
た場合には、ステップ68において、放電操作を終了す
るか否かが判断される。
【0222】レドックスフロー型2次電池1の放電操作
を終了するか、または、継続するかの判断は、たとえ
ば、以下のようにしてなされる。
【0223】演算処理装置31を構成する記憶手段33
には、予め記憶された、図5(b)に示す充放電曲線か
ら、適正な放電操作の終了時点(図5(b)中、T4
示される時期)における、波長3350Åにおける、光
の吸収の強さの値が、しきい値数値Idthとして特定
されている。
【0224】記憶手段33に記憶された、上記しきい値
数値Idthは、比較部34に記憶された、下記の数式
に入力されている。
【0225】
【数2】
【0226】次に、表示部32において特定された、測
定値Imが、上記数2に入力され、β3350が算出され
る。
【0227】そして、β3350が、波長3350Åのβ
3350として許容される値として、予め入力されているし
きい値β3350thと比較される。
【0228】そして、β3350≦β3350thとなった時点
で、制御信号発令手段35に、放電操作を終了する信号
が送られる。
【0229】なお、ステップ68において、放電操作を
終了する際の動作は、ステップ63において、充電操作
を行なわないと決定した場合の動作と同様であるので、
その説明を省略する。
【0230】他方、β3350>β3350thの関係にある間
は、引続き、放電操作が行なわれる。ステップ68にお
いて、放電操作を終了した場合は、ステップ63におい
て、再び、充電操作を行なうか否かが判断される。
【0231】以下、レドックスフロー型2次電池1につ
いて、充放電操作を繰返す間、ステップ63〜ステップ
68の工程が繰返し行なわれる。
【0232】なお、上記実施例では、演算処理装置31
の記憶手段33に、電解液の時間変化に対する光学特性
として、図5(b)に示す充放電曲線が予め記憶され、
正極電解液(Fe3+とFe2+とを含む塩酸水溶液)の、
充放電操作の際の、光の吸収のピーク波長3350Åの
光の吸収の強さに基づいて、レドックスフロー型2次電
池1の充放電操作を切換える例を示したが、本実施例
は、本発明を説明するために用いたものであって、本発
明は、上記した実施例によって、何ら限定されるもので
はない。
【0233】たとえば、演算処理装置31の記憶手段3
3に、予め、電解液の時間変化に対する光学特性とし
て、正極電解液の時間変化に対する吸収スペクトル図を
記憶させておき、該吸収スペクトル図のパターンに基づ
いて、レドックスフロー型2次電池1の充放電操作を切
換えてもよい。
【0234】より具体的には、レドックスフロー型2次
電池1のモニター用の電池反応セル(図示せず)の端子
電圧と時間との相関関係を示す充放電曲線(たとえば、
図5(a)に示す充放電曲線)と、時間変化に対し、刻
々と変化する、光の波長と光の吸収の強さとの相関関係
を示す曲線(たとえば、図4に示す曲線)とを比較する
ことにより、適正な充電終了時(図5(b)中、T3
示す時期)の吸収スペクトル図、および、適正な放電終
了時(図5(b)中、T4 で示す時期)における吸収ス
ペクトル図とを選択し、この2枚の吸収スペクトルパタ
ーンに基づいて、レドックスフロー型2次電池1の充放
電操作を切換えてもよい。
【0235】また、上記実施例では、電解液モニター装
置21aを用い、正極電解液の光学的特性を測定しなが
ら、レドックスフロー型2次電池1について、充放電操
作を切換える例について説明したが、電解液モニター装
置21bを用い、負極電解液の光学的特性を測定しなが
ら、レドックスフロー型2次電池1について、充放電操
作の切換えを行なっても、実施例と同様の効果を奏す
る。
【0236】なお、電解液モニター装置21bを用い
て、負極電解液の光学的特性を測定しながら、レドック
スフロー型2次電池1の充放電操作を切換える例につい
ては、実施例と同様の議論が適用されるので、その説明
を省略する。
【0237】また、上記した実施例では、本発明に従う
電解液流通型2次電池の例として、鉄(Fe)−クロム
(Cr)系レドックスフロー型2次電池を例にとって説
明したが、本発明に従う電解液流通型2次電池は、正極
活物質として、Cr6+/Cr 3+、Mn3+/Mn2+、V5+
/V4+、また、負極活物質として、Ti3+/Ti4+、S
2+/Sn4+、V2+/V3+などを用いる、種々の電解液
流通型2次電池にも適用可能であることを付記してお
く。
【0238】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に従
う電解液流通型2次電池は、上記した構成を有する結
果、以下の効果を奏する。
【0239】(1) 本発明に従う電解液流通型2次電
池は、充電操作を、流通型電解セルを構成する正極およ
び/または負極上において、副反応が生じる前に終了さ
せることができるので、充放電操作を繰返し行なって
も、電池容量が低下しにくい。
【0240】(2) 本発明に従う電解液流通型2次電
池は、放電操作を、流通型電解セルの端子電圧が低下す
る前に、終了させることができるので、放電時におい
て、電力系統に安定した電力供給を行なうことができ
る。
【0241】また、本発明に従う電解液流通型2次電池
では、流通型電解セルに流通循環されている電解液の光
学的特性を、検出する手段として、光を用いた結果、電
解液の組成を非接触的に分析することができる。
【0242】その結果、測定対象の電解液に何ら悪影響
を及ぼさず、また、分析に際し、正極電解液や負極電解
液を試料として取出す必要もなく、煩雑な操作を必要と
しない。
【0243】のみならず、分析後に試料の廃液を生じる
こともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う電解液流通型2次電池を概略的に
示す構成図である。
【図2】電解液の光学的特性を光学的に検出する検出手
段を概略的に示す構成図である。
【図3】電解液の光学的特性を光学的に検出する検出手
段が測定した、正極電解液と負極電解液との吸収スペク
トル図である。
【図4】正極電解液(a)イオンとして、鉄(Feイオ
ン、すなわち、Fe2+とFe3+)とを含む塩酸水溶液の
吸収スペクトルを示す図である。
【図5】本発明に従うレドックスフロー型2次電池の充
放電曲線を示す図である。
【図6】本発明に従うレドックスフロー型2次電池を運
転する方法として、演算処理装置に記憶された運転プロ
グラムを概略的に示すフローチャート図である。
【図7】レドックスフロー型2次電池の1具体例を概略
的に示す構成図である。
【図8】実用レベルのレドックスフロー型2次電池を概
略的に示す構成図である。
【図9】鉄(Fe)−クロム(Cr)系レドックスフロ
ー型2次電池の充放電特性を示す図である。
【図10】レドックスフロー型2次電池の充放電曲線を
模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 電解液流通型2次電池(レドックスフロー型2次電
池) 2 流通型電解セル(電池反応セル)または電池セルス
タック 3 正極液タンク 4 負極液タンク 5 隔膜 6 正極 7 負極 8 正極液供給用管路 9 正極液回収用管路 10、13 ポンプ 11 負極液供給用管路 12 負極液回収用管路 21a、21b 電解液モニター装置 22 導管 22a 一方端 22b 他方端 23 測定部 24 光源 25 光センサ 26 分光分析装置 31 演算処理装置 32 表示部 33 記憶手段 34 比較部 35 制御信号発令手段 41 スイッチ手段 51 交直変換装置 51a 交直変換装置部 51b 直交変換装置部 P51a 、P51b 正極側端子 N51a 、N51b 負極側端子 SW1 、SW2 スイッチ手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流通型電解セルと、 前記流通型電解セルに電解液を流通循環させる電解液流
    通循環手段と、 前記流通循環されている電解液の光学的特性を光学的に
    検出する検出手段と、 前記流通型電解セルに用いられている電解液の時間変化
    に対する光学特性を予め記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された時間変化に対する光学特性
    と、前記検出手段により検出された光学特性とを比較す
    る比較手段と、 前記比較手段の比較出力信号に応答して、前記流通型電
    解セルを充電状態から放電状態に制御する、または放電
    状態から充電状態に制御する制御手段とを備える、電解
    液流通型2次電池。
JP6003000A 1994-01-17 1994-01-17 電解液流通型2次電池 Withdrawn JPH07211357A (ja)

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