JPH072107B2 - バイオリアクタ−エレメントおよびその製造法 - Google Patents

バイオリアクタ−エレメントおよびその製造法

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JPH072107B2
JPH072107B2 JP61040646A JP4064686A JPH072107B2 JP H072107 B2 JPH072107 B2 JP H072107B2 JP 61040646 A JP61040646 A JP 61040646A JP 4064686 A JP4064686 A JP 4064686A JP H072107 B2 JPH072107 B2 JP H072107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生化学反応に使用される酵素を含む微生物を
固定化してなるバイオリアクターエレメントおよびその
製造法に関する。
〔従来技術〕
この種のバイオリアクターエレメントを用いた生化学反
応は有機合成、食品工業、分析化学等広い分野で利用さ
れており、またバイオリアクターエレメントを構成する
エレメント基体に酵素を含む微生物(以下にこれを単に
微生物ということがある)を固定化する手段としては各
種の方法が知られている。
各種の固定化手段の1つとしてエレメント基体に微生物
を物理的に吸着させる物理吸着法があるが、かかる方法
においては微生物とエレメント基体の相互作用が弱いた
め反応中微生物がエレメント基体から遊離し易いという
難点がある。また、他の固定化手段として、水に不溶性
のビーズ状,ペレット状の各種のエレメント基体に微生
物を共有結合させる共有結合法、グルタルアルデヒド,
ビスジアゾベンジジン等2個以上の官能基を持つ架橋剤
を用いてエレメント基体に微生物を架橋する架橋法、イ
オン結合によりエレメント基体に微生物を結合するイオ
ン結合法等があるが、これらの方法においては固定化に
よって微生物の性質が変化しその活性低下が大きいとい
う難点がある。さらにまた、他の固定手段として、寒
天,カラギーナン等の高分子のゲル格子の中に微生物を
包み込むか半透膜性の高分子皮膜で微生物を被覆する包
括性等があるが、かかる方法においては包括調整時微生
物の活性が低下する難点があり、またゲル表面において
のみ活性を示すにすぎないため単位菌体量当たりの活性
が低いという難点がある。
本出願人はこれらの問題に対処すべく、特願昭58-15032
2号(特開昭60-43382号)出願にて上記した包括法の難
点を解消するためのバイオリアクターエレメントを提案
しており、また昭和60年12月6日付特許出願(発明の名
称:バイオリアクターエレメントおよびその製造法)に
て上記した物理吸着法の難点を解消するためのバイオリ
アクターエレメントを提案している。しかして、これら
のバイオリアクターエレメントにおいてはエレメント基
体としていずれもセラミックハニカム構造体を採用し、
かかる構造体の特性を有効に利用して微生物の固定の増
強と微生物に対する反応液の接触の増大を図るものであ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、これらのバイオリアクターエレメントにおい
ては、反応液が同エレメントを構成するハニカム構造体
の隔壁に沿って流入し生成液として流出するため、同構
造体の隔壁の壁面にて増殖した微生物や同隔壁内からわ
ずかに脱離した微生物が生成液中に懸濁状態で混在する
ので、その後の微生物分離工程は不可欠のものである。
また、これらのバイオリアクターエレメントにおいて
も、反応液を固定化微生物の多くのものに短時間に効率
よく接触させることができず、反応効率の点で改良する
余地がある。
従って、本発明の目的は、生成液中に微生物が混在する
ことがなくて微生物の分離工程を省略でき、かつ反応液
が極めて多くの固定化微生物にしかも短時間に効果的に
接触し得て反応効率の高いバイオリアクターエレメント
およびその製造法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はかかる目的を達成すべくなされたもので、その
第1の発明は、多数の細孔内に酵素を含む微生物が固定
され液体透過能を有する微生物固定化層と、微生物懸濁
液中の液体のみを透過する選択的透過能を有する微生物
分離層とを一体的に備えたバイオリアクターエレメント
であり、前記微生物固定化層を微生物分離層とが無機質
材料で構成され、かつ微生物固定化層が微生物の大きさ
と同等〜40倍の平均孔径の多数の細孔を備えていること
を特徴とするバイオリアクターエレメントにある。
また、本発明の第2の発明は当該バイオリアクターエレ
メントを製造する方法であり、酵素を含む微生物を栄養
素を含む水溶液に懸濁させてなる微生物懸濁液中に、同
微生物を固定化し得る細孔を有しかつ液体透過能を有す
る第1層と前記懸濁液中の液体のみを透過する選択的透
過能を有する第2層とを一体的に備えたエレメント基体
を浸漬し、減圧脱気により前記第1層の細孔内の気体を
前記懸濁液と置換し、しかる後前記第1層の細孔内の微
生物を培養、増殖して同細孔内に固定化させることを特
徴とするものである。
しかして、本発明において、エレメント基体とは微生物
を固定化する以前のバイオリアクターエレメント構成部
材を意味し、かかるエレメント基体は第1図に示すよう
に、微生物Mが固定化されて微生物固定化層となる第1
層E1とそれ自体で微生物分離層となる第2層E2とを一体
的に具備している。
エレメント基体はアルミナ,シリカ,シリカーアルミ
ナ,ジルコニア,多孔質ガラス,カーボン等通常セラミ
ックの構成材料である無機質材料からなるもので、板
状,パイプ状,ハニカム状等反応容器との関連で適宜の
形状に形成される。エレメント基体の第1層E1は微生物
固定化層になることから、微生物Mを固定するための多
数の細孔E3を備えていることが肝要であり、かつ微生物
固定化層には反応液を透過して反応を生じさせることか
ら、液体透過能を有することが肝要である。また、多数
の細孔E3の平均孔径は固定化すべき微生物Mの大きさに
関連し、同微生物Mの大きさと同等乃至40倍であること
が好ましい。孔径が微生物Mの大きさより小さいと微生
物Mが侵入し難く、また孔径が40倍を越えると細孔E3内
にて培養されて増殖した微生物が脱離し易い。なお、多
数の細孔E3はその全てが液体透過能を有する必要はない
が、多くのものは液体透過能を有することが必要であ
る。従って、細孔E3の多くのものは第1層E1の両面に開
口する連通孔であり、残りの一部のものは第1層E1のい
ずれか一方の面にのみ開口する非連通孔であってもよ
い。本発明において、空隙率とは第1層E1における連通
孔、非連通孔の全てを含む細孔E3の空隙に基づく割合
で、同空隙率は微生物Mの固定化量に大きく関係し30%
〜80%、好ましくは40%〜70%である。空隙率が30%に
満たない場合は微生物の固定化量が不足し、かつ80%を
越えると固定化層としての強度上の問題が生じる。ま
た、エレメント基体の第2層E2はそれ自体で微生物分離
層であり、微生物固定化層を透過した生成液中に懸濁す
る微生物Mを分離すべく機能させることから、その細孔
E4は微生物Mの大きさより小さく0.01μ以上の平均孔径
でかつ液体透過能を備えていることが好ましい。より好
ましくは、細孔E4の孔径は微生物Mの大きさの0.5倍〜
0.1倍の大きさである。孔径0.01μ未満となると、微生
物分離層における流通抵抗が大きくなり、反応液の供給
圧力を大きくする必要がある。また、第2層E2(微生物
分離層)の厚さは0.01μ〜1000μであり、好ましくは0.
1μ〜100μである。第2層E2の厚さが0.01μ未満の場合
には同層における細孔E4の孔径の調整が難しく、かつ10
00μを越えると同層における生成液の透過時の圧力損失
が大きくなる。本発明に係るバイオリアクターエレメン
トの各層は、かかるエレメント基体の各層E1,E2の構造
的特徴をそのまま備えている。
かかるエレメント基体において、第1層E1は通常のセラ
ミック多孔質体の形成条件と同様の条件にて形成しかつ
焼成、熱処理して得られ、また第2層E2は第1層E1の一
側面、内周面または外周面、内壁面または外壁面等にゾ
ルーゲル法によるゲル膜の付着、微粉末の高圧圧着、多
孔質ガラスの付着等の手段にて形成される。なお、各層
E1,E2における細孔E3,E4の平均孔径、空隙率等は用いる
材料の組成、同材料の粉砕等機械的処理条件、熱処理条
件、焼成条件その他分相処理条件等を適宜選択すること
により所望の値に調整し得る。
本発明において、固定化に用いる微生物Mは特に限定さ
れないが例えば細菌類,放射菌類、カビ類,酵母菌類等
があり、また酵素としてはグルコアミラーゼ,アミノア
シダーゼ,グルコースイソメラーゼ,β−ガラクトシダ
ーゼ,セルラーゼ,インベルターゼ,アスパラギナー
ゼ,アスパルターゼ,カタラーゼ,プロテアーゼ,リパ
ーゼ,リシンデカルボキシラーゼ,ヘキソキナーゼ,ト
リプトファンシンターゼ,グリセロールデヒドロゲナー
ゼ等が挙げられる。なお、上記した各微生物の大きさは
細菌類が0.1μ〜50μ(一般細菌0.5μ〜1μ),カビ類
2μ〜10μ、酵母菌類5μ〜10μである。本発明におい
ては、これらの酵素のいずれかを含む微生物Mを栄養素
を含む水溶液に懸濁させて微生物懸濁液を調整し、同懸
濁液に上記したエレメント基体を浸漬する。次いで、こ
の状態において減圧脱気によりエレメント基体の第1層
E1の細孔E3内の気体を微生物懸濁液と置換し、しかる後
第1層E1の細孔E3内の微生物Mを培養,増殖させて同細
孔E3内に固定化する。これにより、エレメント基体の第
1層E1は微生物固定化層となり、微生物固定化層と第2
層E2である微生物分離層とを一体的に備えたバイオリア
クターエレメントが得られる。
〔発明の作用・効果〕
本発明に係るバイオリアクターエレメントを用いた生化
学反応においては、反応液を第1図の矢印で示すように
当該バイオリアクターエレメントの微生物固定化層側か
ら微生物分離層側へ透過し、この間に微生物Mによる生
化学反応を生じさせて目的物を含む生成液を得る。
しかして、かかる生成液はすでに微生物分離層を透過し
ているため遊離した微生物Mを含まず、従って従来のご
とき微生物の分離工程は全く不要で目的の生成液の生産
効率を高め、かつ分離工程の省略により反応装置のスペ
ースを狭くし得るとともに装置のコストの低減を図るこ
とができる。
また、反応液は微生物固定化層を透過させるものである
から、反応液が微生物固定化層に沿って流動する場合に
比し、極めて多くの固定化微生物に短時間に効率よく接
触させることができ、短時間における反応効率を著しく
向上させることができる。従って、当該バイオリアクタ
ーエレメントを従来のバイオリアクターエレメントと直
列的に併用し、或る程度生化学反応が生じている反応液
を当該バイオリアクターエレメントに透過すれば、同反
応液はこの透過時点でいっきに反応が進行し、目的とす
る生成液の生産効率を一層高めることができる。
さらにまた、本発明に係るバイオリアクターエレメント
においては、微生物固定化層の細孔の平均孔径を特定し
ているので、微生物の固定化を架橋剤による架橋反応等
の化学的手段を用いることなく物理的手段で行うことが
でき、固定化が容易でかつ架橋剤を使用することによる
微生物に変質等の悪影響を及ぼすことがない。その上、
微生物固定化層および微生物分離層共にセラミック質等
の無機質材料で構成しているため、微生物固定化層の細
孔を微生物固定化に適した孔径でかつ孔径分布の狭い良
好な細孔に設定することができ、また微生物分離層の細
孔を微生物分離に適した孔径でかつ孔径分布の狭い良好
な細孔に設定することができ、微生物を強固に固定化す
ることができるとともに、反応液の濾過精度を向上させ
ることができる。
〔実施例および比較例〕
(1)エレメント基体の作製 各隔壁が第1層および第2層の2層構造からなる17種類
のハニカム状エレメント基体a1〜a17を下記の方法によ
り作製するとともに、各隔壁がコージェライトからなる
単層構造のハニカム状エレメント基体b1,b2(外径5cm,
長さ30cm,セル開口長1mm)およびb3(外径6cm,長さ10c
m,セル開口長1mm)を従来公知の方法で作製した。
また、外周が第1層で内周が第2層の内外2層構造から
なるパイプ状エレメント基体a18を下記の方法により作
製した。
(1a)コージェライトからなる第1層の単層構造のハニ
カム構造体(外径5cm,長さ15cm,セル開口長1mm)を従来
公知の方法で各種類作製し、各ハニカム構造体の所定の
各貫通孔の上下両開口をテープ等を貼着して閉鎖する。
一方、平均粒径1μのα−アルミナ粉末を湿式粉砕して
担持スラリーとなし、同スラリー中に上記各ハニカム構
造体を浸漬して同スラリーを担持させ、乾燥後500℃で
約3時間焼成して第1層と第2層一体のハニカム状エレ
メント基体a1〜a17を得た。
(1b)コージェライトからなる第1層の単層構造のパイ
プ構造体(外径12mm,内径6mm,長さ10cm)を従来公知の
方法で作製し、同構造体の外周面にテープ等を貼着して
同外周面を被覆する。かかる構造体を上記(1a)項に示
した担持スラリーと同様のスラリーに浸漬して同スラリ
ーを担持させ、乾燥後500℃で約3時間焼成して、内周
に第2層を一体的に備えたパイプ状エレメント基体a18
を得た。
(2)微生物の固定化 (2a)アルコール発酵酵母サッカロミセス・セルビシエ
(大きさ約5μ)を培養液(酵母エキス0.15%,NH4Cl
0.25%,K2HPO40.55%, MgSO4・7H2O0.025%,NaCl0.1%,CaCl20.001%,クエ
ン酸0.3%・・・全て重量%)にpH5.4で10ケ/ml懸濁さ
せる。かかる酵母懸濁液にハニカム状エレメント基体a1
〜a17,b1,b2を浸漬し、アスピレーターを用いて15分間
真空脱気しながらエレメント基体a1〜a17,b1,b2の細孔
内に懸濁液を侵入させる。この場合、各エレメント基体
a1〜a17においては第2層により包囲された長手方向の
貫通孔に懸濁液が流入しないように一方の開口端を閉塞
した。次いで、これらの各エレメント基体a1〜a17,b1,b
2を30℃の恒温槽中にセットし、細孔内に侵入した酵母
を3日間浸盪培養して酵母を増殖させた。これにより、
各エレメント基体a1〜a17,b1,b2には酵母が固定化さ
れ、各バイオリアクターエレメントA1〜A17,B1,B2とな
る。各バイオリアクターエレメントA1〜A17,B1,B2の構
成を第1表に示す。
(2b)酢酸菌アセトバクターアセチ(大きさ約1μ)を
前培養倍地C(1中グリコース10g,ポリペプトン10g,
酵母エキス10g,エタノール20ml,氷酢酸10g)に10ケ/ml
懸濁させる。この懸濁液にハニカム状エレメント基体b3
を浸漬するとともに、パイプ状エレメント基体a18をそ
の内孔内に懸濁液が流入しないように一方の開口端を閉
塞して同懸濁液に浸漬し、この状態で30℃,pH3.3で4日
間静置して酢酸菌を静置培養する。次いで、これらのエ
レメント基体a18,b3を前培養培地Cと同じ成分の前培養
培地に移し、ここで各エレメント基体a18,b3内の酢酸菌
を30℃,pH3.3で36時間浸盪培養した。これにより、各エ
レメント基体a18,b3に酢酸菌が固定化されたバイオリア
クターエレメントA18,B3が作製される。各バイオリアク
ターエレメントA18,B3の構成を第2表に示す。
(2c)上記酢酸菌を3重量%アルギン酸ソーダを用いて
従来法により3mm径のビーズに包括固定化し、ビーズ状
のバイオリアクターエレメントB4を作製した。
(3)反応装置 (3a)第1反応装置10は第2図に示すように内外両筒1
1,12を備え、内筒11内にはハニカム状のバイオリアクタ
ーエレメントが上下2段に収納されている。上段のエレ
メント13は各バイオリアクターエレメントA1〜A17の1
つであり、また下段のエレメント14はバイオリアクター
エレメントB2と同様のものである。上段エレメント13は
第2図〜第5図に示すように、微生物固定化層13aの隔
壁の所定の部位に微生物分離層13bを備えていて、固定
化層13aにて包囲された多数の第1貫通孔13cが反応液の
流通路となり、かつ分離層13bにて包囲された多数の第
2貫通孔13dが生成液の流通路となっている。かかる上
段エレメント13においては、各第2貫通孔13dの下端が
第4図に示す塗り潰し部のように密閉されているととも
に、それらの上端が各第1貫通孔13cよりも上方へ所定
長突出し、筒状蓋体15の底部を液密的に貫通して同蓋体
15内にて開口している。蓋体15はその頂部の略中央に生
成液の排出導管15aを備えるとともに、その両側に真空
ポンプに接続される負圧導管15bおよび圧縮ポンプに接
続される正圧導管15cを備え、内筒11の上端との間に所
定の間隙を保っている。内筒11および蓋体15はかかる状
態にて外筒12内にこれと同心的に配置されており、外筒
12の上端から蓋体15が気密的に突出している。外筒12の
底部には反応液の供給管12aが接続されていて、同供給
管12aから供給された反応液は先づ下段エレメント14の
各貫通孔をそれらの隔壁に沿って流動し、この間第1段
の反応を生ずる。次いで、反応液は上段エレメント13の
各第1貫通孔13cから固定化層13aおよび分離層13bを透
過して各第2貫通孔13dに流入し、この間第2段の反応
を生じて各第2貫通孔13dを経て排出導管15aから流出す
る。各第1貫通孔13cに流入した反応液の一部および反
応により生じたガス成分は、内筒11と蓋体15間の間隙か
ら両筒11,12間の環状通路Pに流出し、反応液の一部は
下段エレメント14の下端側へ還流する。なお、外筒12は
図示しない保温手段にて所望温度に保温される構成にな
っており、後述の反応試験においては約30℃に保温され
た。
一方、外筒12の頂部外側には排気管12bが設けられてい
る。排気管12bは環状通路Pに連通していて、その内端
側にフロート16aと電磁弁16bが配設されている。フロー
ト16aは電磁弁16bのソレノイド16cと電源16d間に介装さ
れたスイッチ16eを開閉制御するもので、外筒12内の液
面が所定高さ以上の場合フロート16aは上動してスイッ
チ16eを開き、液面が所定高さ未満の場合フロート16aは
下動してスイッチ16eを閉じる。これにより、外筒12内
にて生成ガスが増大してそのガス圧にて液面が所定高さ
未満に下降するとスイッチ16eが閉じ、電磁弁16bのソレ
ノイド16cに通電されて電磁弁16bが開く。この結果、外
筒12内の生成ガスが電磁弁16bを通して排出され、その
後外筒12内の液面が上昇してスイッチ16eが開き、ソレ
ノイド16cへの通電が停止されて電磁弁16bが閉じる。
(3b)第2反応装置20は第7図〜第9図に示すように、
上段エレメント23が本発明に係るバイオリアクターエレ
メントA18の集合体でありかつ下段エレメント24がバイ
オリアクターエレメントB3であり、これらの点で第1反
応装置10と相違する。上段エレメント23はエレメントA1
8の多数本を円柱状に集合させてなり、内筒21における
下段エレメント24の上方の部位に収納されてそれらの上
端部が蓋体25の底部を液密的に貫通し、それらの貫通孔
23aが蓋体25の内部にて開口している。かかる上段エレ
メント23においては各エレメントA18間の間隙が反応液
の流通路23bとなっており、各流通路23bは内筒21の上端
にて開口し環状通路Pに連通している。なお、各貫通孔
23aの下端は第9図に示す塗り潰し部のように密封さ
れ、かつ外筒22は図示しない保温手段にて所望温度に保
温される構成となっている。
従って、かかる第2反応装置20においては、供給管22a
から供給された反応液は先づ下段エレメント24の各貫通
孔をそれらの隔壁に沿って流動し、この間第1段の反応
を生ずる。次いで、反応液は上段エレメント23の各流通
路23bから各エレメントA18の外周の固定化層23cおよび
内層の分離層23dを透過して各貫通孔23aに流入し、この
間第2段の反応を生じて各貫通孔23aを経て排出導管25a
から流出する。なお、かかる第2反応装置20においても
排気管22bにフロート26aおよび電磁弁26bを備えてい
て、生成ガスの排気等については第1反応装置10と同様
になされる。また、その他の構成については第1反応装
置10と同様であって同装置10と同様に機能するものであ
り、同装置10の構成部材に対応する部材については20番
台の類似の符号を付してその説明を省略する。
(4)反応試験 (4a)上段エレメント13として各バイオリアクターエレ
メントA1〜A17を採用するとともに、下段エレメント14
としてバイオリアクターエレメントB2を採用してなる第
1反応装置10を用いて、pH5.4に調製された20重量%の
グリコース溶液を反応液とするエタノール生成反応試験
を行った。本試験においては温度30℃,グリコース溶液
の供給速度を40ml/hrとし、反応開始後定常状態にある1
5日後における装置10の排出導管15aから排出された反応
生成液中のエタノール濃度および微生物(遊離菌体)濃
度を測定した。また、本試験においては、1日に数回2
秒1回間正圧導管15cを通して装置10内に正圧を付与
し、各エレメントA1〜A17の分離層13bの上流側に詰った
菌体を固定化層13a側へ流出させた。得られた結果を第
1表の試験番号1〜17の欄に示す。これらの試験におい
ては、負圧導管15bを通して蓋体15内に負圧を供給して
同蓋体15内を減圧している。
なお、第1反応装置10において、上下両段エレメント1
3,14に換えてこれらエレメント13,14のトータル長さと
同長のバイオリアクターエレメントB1,B2をそれぞれ単
独で採用し、当該装置を用いて上記エタノール生成試験
を行った。得られた結果を第1表の試験番号18,19の欄
に示す。
(4b)上段エレメント23としてバイオリアクターエレメ
ントA18を多数集合させてなるエレメントを採用すると
ともに、下段エレメント24としてバイオリアクターエレ
メントB3を採用してなる第2反応装置20を用いて、酢酸
発酵試験を行った。本試験においては、(2b)項に示し
た前培養培地Cの組成と同じ組成の反応液を温度30℃,p
h3.3,供給速度50ml/hrとし、かつ反応液の供給の際同時
に空気を250ml/minの速度で供給した。反応開始から15
日後の定常状態にある排出導管25aから排出された反応
生成液中の酢酸濃度および微生物(遊離菌体)濃度を測
定した。得られた結果を第2表の試験番号20の欄に示
す。
なお、第2反応装置20において、上下両段エレメント2
3,24に換えてビーズ状のバイオリアクターエレメントB4
を採用し、同エレメントB4を両段エレメント23,24に相
当する量内筒21内に充填して上記酢酸発酵試験を行っ
た。得られた結果を第2表の試験番号21の欄に示す。
上記両表に示す孔径の測定は公知の水銀圧入法により行
っている。
(5)考察 第1表に示す試験番号1〜12の試験結果と試験番号18,1
9の試験結果とを比較すると、前者においてはエタノー
ル生成量が多く、従って反応効率が高いとともに遊離菌
体が皆無である。このことは、前者において使用した本
発明に係るエレメントA1〜A12が寄与していることを示
している。また、試験番号13〜17を参照すると、本発明
に係るエレメントにおいては固定化層の孔径,空隙率等
が反応効率に大きく影響し、かつ分離層の孔径が遊離菌
体の分離効率に大きく影響していることがわかる。さら
に、本発明に係るバイオリアクターエレメイトと従来の
バイオリアクターエレメントとを直列的に併用した意義
は、これら両エレメントの長さの比率を変えた試験結果
(試験番号1,11,12,19等)から明らかであり、本反応試
験に関しては両エレメントの長さを15cmにした場合にエ
タノール生成量が最も高い。
一方、第2表の試験結果を参照すれば、本発明に係るエ
レメントA18は従来の包括法に基づくビーズ状エレメン
トB4に比し反応効率に優れ、かつほぼ完全な遊離菌体の
分離能を有していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るエレメントを超拡大した模型的部
分断面図、第2図は同エレメントを採用した第1反応装
置の一部を切欠いた概略斜視図、第3図は第2図の矢印
III−III方向の断面図、第4図は第2図の矢印IV−IV方
向の断面図、第5図は第3図の矢印V部分の拡大図、第
6図は電磁弁の電気回路,第7図は本発明に係るエレメ
ントを採用した第2反応装置の一部を切欠いた概略斜視
図、第8図は第7図の矢印VIII−VIII方向の断面図、第
9図は第7図の矢印IX−IX方向の断面図である。 符号の説明 10,20……反応装置、11,21……内筒、12,22……外筒,1
3,23……上段エレメント、13a,23c……固定化層、13b,2
3d……分離層、14,24……下段エレメント、15,25……蓋
体、16a,26a……フロート、16b,26b……電磁弁、E1……
第1層、E2……第2層、E3,E4……細孔、M……微生
物。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の細孔内に酵素を含む微生物が固定さ
    れ液体透過能を有する微生物固定化層と、微生物懸濁液
    中の液体のみを透過する選択的透過能を有する微生物分
    離層とを一体的に備えたバイオリアクターエレメントで
    あり、前記微生物固定化層と微生物分離層とが無機質材
    料で構成され、かつ微生物固定化層が微生物の大きさと
    同等乃至40倍の平均孔径の多数の細孔を備えていること
    を特徴とするバイオリアクターエレメント。
  2. 【請求項2】微生物固定化層の空隙率が30〜80%である
    特許請求の範囲第1項に記載のバイオリアクターエレメ
    ント。
  3. 【請求項3】微生物分離層が微生物の大きさより小さく
    0.01μ以上の平均細孔径の多数の細孔を備えている特許
    請求の範囲第1項または第2項に記載のバイオリアクタ
    ーエレメント。
  4. 【請求項4】微生物分離層の厚みが0.01〜1000μである
    特許請求の範囲第1項,第2項または第3項に記載のバ
    イオリアクターエレメント。
  5. 【請求項5】酵素を含む微生物を栄養素を含む水溶液に
    懸濁させてなる微生物懸濁液中に、同微生物を固定化し
    得る細孔を有しかつ液体透過能を有する第1層と前記懸
    濁液中の液体のみを透過する選択的透過能を有する第2
    層とを一体的に備えたエレメント基体を浸漬し、減圧脱
    気により前記第1層の細孔内の気体を前記懸濁液と置換
    し、しかる後前記第1層の細孔内の微生物を培養、増殖
    して同細孔内に固定化させることを特徴とする微生物固
    定化層と微生物分離層を一体的に備えてなるバイオリア
    クターエレメントの製造方法。
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