JPH0721006U - 真空採血管用ホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長さの異なる採血管を使用して連続採血する
際に、採血管の支持が十分に行え、また、採血終了後に
真空採血管用ホルダーから真空採血管を取り出し易い真
空採血管用ホルダーを提供する。 【構成】 一端２が開放され、他端３が閉塞された円筒
体の、該他端３の壁面に該壁を貫通する採血針取り付け
口４が設けられた円筒体であって、該円筒体の側壁５に
切り欠き６が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、真空採血管を用いて採血する際に、真空採血管を保持するための真 空採血管用ホルダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、臨床検査において血液検査の重要度は益々高まってきている。臨床検査 に供される血液を採血する方法は、従来の注射器を使用する常圧採血法から真空 採血管を使用する真空採血法に変わってきている。真空採血法は、図７に示すよ うに、管体２１と栓体２２とからなり内部が減圧にされた真空採血管２０と、ハ ブ３１の両端に中空の針３２および３３を有し、針３３には一端が閉塞された鞘 状の弾性体３４（通常は、ゴム製の鞘状体が使用される）を具備した採血針３０ と、下端が開放した筒状のホルダー本体１１とその上方先端部にあって採血針の ハブを螺合するための螺合部１２からなる真空採血管用ホルダー１０とを使用し て行われる（例えば、特公平３−１６１３４号公報参照）。

【０００３】 採血に際しては、真空採血管用ホルダー１０の螺合部１２に採血針３０のハブ ３１を螺合した後、真空採血管２０を真空採血管用ホルダー１０に挿入し、採血 針３０の針３３を真空採血管２０の栓体２２に圧入し、針３３で鞘状の弾性体３ ４を刺し貫ぬかせた後、なおも圧入し、針３３が真空採血管２０の栓体２２を刺 し貫かない程度に止める。 次に、採血針３０の針３２を血管へ穿刺した後、真空採血管２０の栓体２２を 針３３で刺し貫ぬくことにより、血管内と減圧にされた真空採血管内とを直結さ せ、真空採血管内に血液を吸引する。血管内と減圧にされた真空採血管内とが等 しい圧力になったところで血液の吸引は終わる。

【０００４】 次いで、真空採血管２０を真空採血管用ホルダー１０から後退させ、針３３を 栓体２２から抜く。このとき、針３３に具備された鞘状の弾性体３４が弾性的に 復元して針３３で刺し貫ぬかれた穴を閉塞するので、血液が針３３を通って外部 に洩れ出ることはない。さらに、続けて採血したければ、別の真空採血管を真空 採血管用ホルダー１０内に挿入し、針３３を真空採血管に圧入させて、鞘状の弾 性体３４および栓体を刺し貫ぬかせればよい。

【０００５】 ところで、真空採血管には、長さが約１００ｍｍのものと約７５ｍｍのものが 一般に使用されているが、従来の真空採血管用ホルダーとしては、長さが約５５ ｍｍのものだけが一般に使用されている。そのため、約７５ｍｍの長さの真空採 血管を使用するときは、真空採血管用ホルダーの開口端から真空採血管が外部に 出ている部分（約２０ｍｍとなる）が少ないので、採血終了後に真空採血管用ホ ルダーから真空採血管を取り出し難いという問題点があった。

【０００６】 このため、ニプロ社の真空採血システムでは従来の真空採血管用ホルダーより 長さの短い真空採血管用ホルダーを使用することによってこの問題を解決してい る（ニプロ社カタログＢ８−１０００，１９９２／７ ＡＤＭ参照）。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のように、従来より長さの短い真空採血管用ホルダーを使 用すると、長さ７５ｍｍの真空採血管には適するが長さ１００ｍｍの真空採血管 では、真空採血管用ホルダーの支持が十分でなくなり、真空採血管の位置が所定 の位置に固定できず、採血がスムーズに行えないと言う問題点があった（例えば 、図８のように、真空採血管に採血針が直角に入らない）。 真空採血管の長さに合わせて、真空採血管用ホルダーの長さを変えることも考 えられるが、従来技術の説明の項で述べたように、通常、真空採血は同一の真空 採血管用ホルダーを使用して、真空採血管の方だけを取り替えて多量の採血を行 うので不都合である。従って、長さ７５ｍｍの真空採血管と長さ１００ｍｍの真 空採血管を使用して、連続採血することは、難しかった。

【０００８】 本考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は長さの異なる 採血管を使用して連続採血する際に、採血管の支持が十分に行え、また、採血終 了後に真空採血管用ホルダーから真空採血管を取り出し易い真空採血管用ホルダ ーを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の真空採血管用ホルダーは、一端が開放され、他端が閉塞された円筒体 の、該他端の壁面に該壁を貫通する採血針取り付け口が設けられた円筒体であっ て、該円筒体の側壁に切り欠きが設けられてなることを特徴とする。

【００１０】 本考案の真空採血管用ホルダーの材質は、特には限定されないが、加工のし易 さ、廃棄のし易さの点で、合成樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリ アセタール等の熱可塑性樹脂が挙げられる。

【００１１】

【作用】

本考案の真空採血管用ホルダーは、長さの長い方の採血管および長さの短い方 の採血管の両方を十分支持できる長さに製造しておけば、連続採血する際に両方 の採血管を十分支持できると共に、長さの短い方の採血管の採血終了後には、円 筒体の側壁に設けられた切り欠き部分に指などをいれて、該採血管を容易に取り 出すことができる。

【００１２】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面を参照して説明する。 図１は、本考案の真空採血管用ホルダー１の一例を示す斜視図であり、図２は 、その使用状態を示す斜視図である。真空採血管用ホルダー１は、一端２が開放 され、他端３が閉塞された円筒体の、該他端３の壁面に該壁を貫通する採血針取 り付け口４が設けられた円筒体であって、該円筒体の側壁５に切り欠き６が設け られている。上記採血針取り付け口４の内面には、採血針が取り付け易いように 、ネジ山（図示せず）が設けられるのが好ましい。上記円筒体の開放された方の 端部の外周面には、取扱い易くするために、フランジ７が設けられているのが好 ましい。 上記円筒体は、長さの長い方の採血管および長さの短い方の採血管の両方を十 分支持できる長さにされている。

【００１３】 切り欠き６の形状は、図３のような曲線状のものでもよいし、図４のような真 空採血管用ホルダー１の軸に対して平行でなくてもよい。

【００１４】 切り欠き６の数は、図５のように２ケ、図６のように３ケなどにみられるよう に複数個設けられてもよい。 図５のように、左右対称に切り欠きが設けられると、採血管の取り出しに特に 便利である。

【００１５】 切り欠き６の大きさは、採血管の取り出しが容易に行えると共に、真空採血管 用ホルダーとしての剛性等の強度を極度に低下させないような大きさであれば、 特に限定されないが、切り欠き６の該ホルダーの周方向の幅としては、５ｍｍ〜 該ホルダーの直径、該ホルダーの軸方向の長さとしては、１０ｍｍ〜該ホルダの 長さ、の範囲がそれぞれ好ましい。さらに、具体的には、通常、よく使用されて いる直径約２０ｍｍ、長さ約５５ｍｍの真空採血管用ホルダーであれば、切り欠 き６の大きさは、該ホルダーの周方向の幅としては、５ｍｍ〜２０ｍｍ、該ホル ダーの軸方向の長さとしては、１０ｍｍ〜５５ｍｍの範囲がそれぞれ好ましい。

【００１６】 本考案の真空採血管用ホルダーの使用法は、長さの短い採血管の採血終了後に 、円筒体の側壁５に設けられた切り欠き６部分に指などをいれて、該採血管を取 り出すことの他は、従来技術の項で述べた方法と同様の方法で使用される。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の真空採血管用ホルダーの構成は上記のとおりであり、長さの異なる採 血管を使用して連続採血する際に、両方の採血管を十分支持できると共に、長さ の短い方の採血管の採血終了後には、円筒体の側壁に設けられた切り欠き部分に 指などをいれて、該採血管を真空採血管用ホルダーから容易に取り出すことがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の真空採血管用ホルダーの一例
を示す斜視図である。

【図２】図２は、本考案の真空採血管用ホルダーの使用
状態を示す斜視図である。

【図３】図３は、本考案の真空採血管用ホルダーの一例
を示す斜視図である。

【図４】図４は、本考案の真空採血管用ホルダーの一例
を示す斜視図である。

【図５】図４は、本考案の真空採血管用ホルダーの一例
を示す斜視図である。

【図６】図６は、本考案の真空採血管用ホルダーの一例
を示す斜視図である。

【図７】図７は、従来の真空採血管用ホルダーを使用し
て、真空採血するときの状態を説明する説明図である。

【図８】図８は、長さの長い真空採血管を使用し、長さ
の短い真空採血管用ホルダーを使って、真空採血をする
ときの状態を説明する説明図である。

【符号の説明】

１、１０ 真空採血管用ホルダー ２ 一端 ３ 他端 ４ 採血針取り付け口 ５ 側壁 ６ 切り欠き ７ フランジ １１ ホルダー本体 １２ 螺合部 ２０ 真空採血管 ２１ 管体 ２２ 栓体 ３０ 採血針 ３１ ハブ ３２ 針 ３３ 針 ３４ 鞘状の弾性体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が開放され、他端が閉塞された円筒
   体の、該他端の壁面に該壁を貫通する採血針取り付け口
   が設けられた円筒体であって、該円筒体の側壁に切り欠
   きが設けられてなることを特徴とする真空採血管用ホル
   ダー。