JPH0720886B2 - タンパク質と抗腫瘍剤との複合体 - Google Patents

タンパク質と抗腫瘍剤との複合体

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JPH0720886B2
JPH0720886B2 JP58502693A JP50269383A JPH0720886B2 JP H0720886 B2 JPH0720886 B2 JP H0720886B2 JP 58502693 A JP58502693 A JP 58502693A JP 50269383 A JP50269383 A JP 50269383A JP H0720886 B2 JPH0720886 B2 JP H0720886B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、タンパク質と抗腫瘍剤との複合体、特にト
ランスフェリンまたはセルロプラスミンと抗腫瘍剤との
複合体に関する。また、本発明はそのような複合体の調
整法に関する。
トランスフェリンは、人の血漿を含む血漿中に存在し
て、鉄分の輸送に重要な働きをするタンパク質である。
赤血球の発生におけるヘマ合成でのトランスフェリンの
役目は広く研究されてきた。そしてトランスフェリン受
容体の存在が示された。
セルロプラスミンは血漿中に存在する銅の結合した糖タ
ンパク質である。変成セルロプラスミンはトランスフェ
リン受容体に適合できうることが示唆されてきた。
最近、トランスフェリンの受容体が腫瘍細胞の表面に存
在することが示された。乳癌治療への研究に、細胞毒性
剤で標識付けしたトランスフェリンの使用を介して取り
掛けれることが示唆された(Faulk et al,The Lance
w,August23,1980,page392参照)。
腫瘍特効薬を製造する望ましい方法は、腫瘍と協同する
表面抗原に対する抗体にダウノマイシン,アドリアマイ
シンおよびメトトレキセートのような細胞増殖抑制薬を
結合することを含んでいた。悪性の細胞を殺すそれら複
合体の能力は今までのところでは限定されてきた。これ
とは別のさらに最近の方法は、細胞増殖抑制薬の代りに
トキシンを抗体に結合させる方法であった。
FaulkおよびGalbraith(Proc.Rog.Soc.(B)204:83−97,1
979)による腫瘍細胞の表面上のトランスフェリン受容
体の同定に続いて、TrowbridgeおよびDomirgo(Natur,
Vol.294,page171,1981)は人の細胞のトランスフェ
リン受容体に対するモノクロナル抗体を得て、それらの
抗体をリシンまたはジフテリア・トキシン亜単位に結合
させた。彼等は試験管内における人の腫瘍細胞の成長が
そのような複合体によって明確に抑制されることを発見
した。しかしながら、生体内における抗体とトキシンと
の複合体の効果を試験する実験において、彼等は抗トラ
ンスフェリン受容体抗体のみがヌードマウスにおける人
の黒色腫の成長を抑制することを発見した。実際に、彼
等はその複合体がヌードマウスにおけるM21黒色腫細胞
の成長抑制に変性抗体よりも有効であるという証拠を見
出せなかった。すなわち、抗体−トキシン複合体のリシ
ンA成分の細胞増殖抑制性は生体内では証明されなかっ
た。
TrowbridgeおよびDomirgoの結果と対照して驚くべきこ
とに、抗腫瘍剤がトランスフェリンまたはセルロプラス
ミンと結合すると、タンパク質成分がそのトランスフェ
リン受容体に対する親和性を保持するのみならず、その
上、抗腫瘍剤がその抗腫瘍特性を保つことが発見され
た。
本発明により、トランスフェリンまたはセルロプラスミ
ンと抗腫瘍剤との複合体(又は共役体)が提供される。
この抗腫瘍剤はアドリアマイシン,メトトレキセート,
ビンクリスチン,ダウノマイシン,6−メルカプトプリ
ン,シトシン,アラビノシッド,またはシクロホスファ
ミドが望ましい。抗腫瘍剤がアドリアマイシンであっ
て、これと結合するタンパク質がアポトランスフェリン
であることがさらに望ましい。
トランスフェリンまたはセルロプラスミンは抗腫瘍剤に
グリタルアルデヒドによって結合されることが特に望ま
しい。
処理することが望ましい腫瘍細胞の表面上のトランスフ
ェリン受容体に結合できるトランスフェリンまたはセル
ロプラスミンは全て使用可能であるけれども、人のトラ
ンスフェリンまたはセルロプラスミンが望ましい。
トランスフェリンまたはセルロプラスミンの複合体は、
凝集したトランスフェリンまたはセルロプラスミン分子
および(または)グルタルアルデヒドによって橋かけさ
れたトランスフェリンまたはセルロプラスミン分子のフ
ラグメントからなる複合体から分離されることが望まし
い。そのような凝集体および(または)フラグメント
は、例えばゲル濾過クロマトグラフィーによって所望の
複合体から分離することができる。
また、本発明により、腫瘍の治療用に前述のトランスフ
ェリンまたはセルロプラスミンの複合体が提供される。
さらに本発明により、鉄分を有するトランスフェリン、
およびトランスフェリンまたはセルロプラスミンと抗腫
瘍剤との複合体からなる腫瘍治療用試薬キットが提供さ
れる。トランスフェリン受容体を有する患者の正常細胞
は、複合体の投与前にこれらの受容体を鉄分を有するト
ランスフェリンで飽和させることによって複合体の作用
に対して保護される。
また本発明は、腫瘍細胞の部分に、トランスフェリンと
多数の異なる抗腫瘍剤との複合体を別個に投与すること
からなる抗腫瘍剤に対する腫瘍細胞の感受性を決定する
方法を提供する。そのような多数の異なる複合体からな
る試薬キットがこのために提供される。
本発明の複合体は腫瘍細胞に極めて迅速に吸収されるこ
とがわかった。これは、患者からの除去後大体数時間以
内で、腫瘍細胞をトランスフェリンまたはセルロプラス
ミンと種々の抗腫瘍剤との複合体の範囲に対して試験で
きることを意味する。そのような方法は、腫瘍細胞の単
離後できるだけ速く決定する必要のある患者に対して最
も効果的である化学療法を可能にする。
以下に、本発明によるトランスフェリンおよびセルロプ
ラスミンの複合体およびその製造法を、例として、添付
図面を参照して説明する。
第1a図は生来のトランスフェリンのゲル濾過クロマトグ
ラフィーの結果を示す、第1b図はトランスフェリン対照
の同様のゲル濾過クロマトグラフィーの結果を示す、第
1c図は本発明によるトランスフェリンとアドリアマイシ
ンとの複合体の同様のゲル濾過クロマトグラフィーの結
果を示す。第2図は腫瘍細胞に及ぼす種々の量の複合体
の効果を示すグラフ、第3図は複合体によるH−チミ
ジン摂取抑制の時間経過を示す。
実施例1 細胞 HL−60(急性骨髄性白血病)およびDaudi(バーキット
リンパ腫)の細胞が、L−グルタミン,25mM HEPES(Gi
bco European,Glasgow,Scoltand),50mcg/mlゲンタ
マイシンと共に、10%の胎児子ウシの血清(Sera−Lad
Ltd,Crawley Down,Sussex,England)を補給したRPMI
−1640媒質(この混合体を以下完全媒質と呼ぶ)中で37
℃の温度において懸濁成長された。人の静脈血液を酸性
クエン酸塩ブドウ糖溶液中に収集した。そして末梢血液
単核細胞(PBM)を、Isolymph(Gallard−Schlesinger
Chemical Mfg.Corp.,Carle Place,New York,USA)を
使用して静脈血液試から分離した。
複合体の調製 10mgの人のトランスフェリン(Trf)[西ドイツ,Marbu
rg,Behringwerke AGより入手、99%鉄フリー]または
セルロプラスミン(Cer)[Pegandier,Z.らによりClin.
Chem.Acta30,387−394,(1970),に開示のように調
製]と,0.1Mリン酸塩緩衝化食塩水(PBS,PH=7.0)1ml
中に0.3mgの塩酸アドリアマイシン(Adr)[イタリー,
Milan,Farmitalia社]とを含有する溶液に0.25%グル
タルアルデヒド[英国,Poole,BDH Chemical社]の水溶
液0.5mlを室温でゆっくり混合しなながら滴状添加し
た。暗所そして室温で2時間培養後,1Mのエタノールア
ミン[Poole,Sigma Sigma Londen Chemical社]0.5ml
を添加して、4℃で1晩培養した。その混合体を次に10
00gで15分間遠心分離し、上澄み液を収集し、0.15MのPB
S(PH=7.2)中で平衝状態のSepharose CL−6B[スウー
デン,Uppsala,Pharmacia Fine Chemicals社]のカラ
ム(2cm×20cm)を介してクロマトグラフにより分析し
た。タンパク質およびアドリアマイシンは、それらがカ
ラムから出る際に、TrfまたはCerおよびAdrに対してそ
れぞれOD280とOD495における分光測光による示度によっ
て同定された。分光測光で明らかにされた分画1.2mlを
プールし、ガンマ・セール1000照射炉(カナダの原子
力)内での照射によって殺菌して、使用するまで4℃の
暗所に貯蔵した。
TrfおよびAdrの免疫細胞学および螢光定位 細胞(1×10個)は100μlのAdr,TrfまたはTrf−Ad
rの複合体と4℃で20分間,または37℃で3時間反応さ
せ、ハンクの平衝塩溶液(HBSS,Gibco Europe)中4℃
で2回洗浄し、ヤギ抗−人Trf[Atlantir Antibodies,
Maine米国]のイソチオシアン酸フルオレセイン複合体
の1:20の希釈液100μlと反応させた。この抗体は人のT
rfにさらす前のDaudiまたはHL−60の細胞とは反応しな
かった。抗−Trfの培養に続いて、それらの細胞は4℃
のHBSS中で3回洗浄し、50%グリセロール/PBS中に懸濁
させ、ガラス・スライド上に取り付けてHBO50なる水銀
ランプを装着したツアイス万能顕微鏡で上からの照明に
よって検査した。この顕微鏡はTrfおよびAdrの分析に3
種類の光学系を備えていた。
(a)FITCで標識化された抗−Trfは、FT510なる色光束
分解器と、BP520−560なるバリセー・フィルターを備え
た青色干渉フィルター(BP455−490)を使用することに
よって同定することができた;(b)AdrはFT580なる色光
束分解器とLP590なるバリセーフィルターを備えた緑色
干渉フィルター(BP546/7)を使用して同定された;そ
して、(c)抗−TrfおよびAdrはBP455−490なる干渉フィ
ルター、ET510なる色光束分解器およびLP510なるバリセ
ーフィルターを使用して同時に同定することができた。
細胞の増殖及び生存能力の測定 直径の抑制効力検定用には、細胞(0.5×10)は100μ
lの無菌のTrf−Adrまたは1μgのAdrを含むCer−Adr
複合体、または完全媒質で温度37℃で5%CO2-空気の中
に3時間培養し、続いて完全媒質中で4℃において2回
洗浄し(1回の洗浄に7分間)、400gで遠心分離した。
競合抑制効力検定用には、細胞(0.5×10)は4℃に
おいて100μlのTrf(1mg/ml)と共に、又は単独で30
分間培養し、続いてTrf−Adr,Cer−Adr又はPBSで4℃
において30分間培養した。それらは次に4℃で2回洗浄
し、さらに37℃で2時間培養した。細胞増殖の定量化に
は、洗浄細胞のペレットに300μlの完全媒質を添加
し、細胞を平底マクロタイター・プレートにおける100
μlアリコートとして(その各くぼみには100μlの完
全媒質と25μlの2μCi(キュリー)のH−チミジン
[2C−i/mmole,Radiochemical Centre,Amersham,Buc
hs,England]が予め充てんされた。)3通りに再懸濁
そして分布された。それらのプレートは次に5%CO2-
気中で37℃において16時間倍養された、そして細胞はMA
SHIIなる多重採取器[microbiologicol Associates,Wa
lkersville,Md.,USA]のガラス繊維フィルター上に採
取された。DNAに結合されたH−チミジンの量はLKB12
16Rackbeta IIなる液体シンチレーション計数器で測定
し、1分当りのカウント数として表示された。細胞の生
存能力および数の定量的測定も全ての実験において行な
われた。
Trf,Trf−Adr複合体及びAdrのクロマトグラフ特性 複合体の調製において、生来のTrf(PBSに5mg/mlの1
ml)は分画22と30の間(分画数26にピークをもつ)のセ
ファロースCL−6Bなるカラムから一様に出ることがわか
った(第1a図)。しかしながら、Adrのない場合に複合
過程を通して運ばれたTrfが同じカラムでクロマトグラ
フィーにより分析されたとき、より複雑な形状が得られ
た(第1b図)。高分子のピークが、オークターロニー試
験および免疫電気泳動法のゲルにおける抗−Trf抗体に
よって、生来のTrfと同じ場所、すなわち分画数20〜26
(第1b図のB)の間で出た試料のように沈降したが、後
に現われるピーク(第1b図のC)はゲル中の抗−Trfに
よって沈降されなかった。従って「A」はTrfの凝集
体,「B」はクロマトグラフィーおよび抗原的に生来の
Trf、そして「C」はTrfのフラグメントであると考えら
れる。Trf−Adrの複合体はカラムを通されたとき、OD
280のトレースは対照試料に類似したが、OD495における
読み値は両方のピークAとB(第1c図)におけるAdrを
示し、一方Adrの存在しない場合のOD495にはなにも検出
されなかった。従って、ピークBを次の実験におけるTr
f−Adrの複合体として使用した。Adrは分子量579を有
し、セファロースCL−6Bの分子量範囲内ではクロマトグ
ラフィーにより分析できないことに留意する必要があ
る。
形質膜上のTrfの免疫学的同定及び核におけるAdrの螢光
定位 Trf,AdrおよびTrf−Adrの複合体の形質膜受容体との結
合能力及び核のDNAとの挿入能力を研究した。これは、
異なる2つの操作によって行なった、すなわち第1は前
記の試薬と共にTrf受容体−陽性細胞を4℃で20分間培
養する、そして第2の操作は同一試薬と共に細胞を37℃
で3時間培養した。これらの実験にはDaudiおよびHL−6
0の細胞を使用したが、その理由はそれらの形質膜がTrf
用受容体を有し、かつPBMがTrf受容体−陰性細胞に使用
されたことが前に報告されていたからである。HL−60ま
たはDaudiの細胞はAdrの不在下の結合およびクロマトグ
ラフィーを介して運ばれたTrf,またはTrf−Adrの複合
体と共に4℃で20分間培養されたとき、均一に点在し螢
光模様が、人のTrfに対するFITCで識別した抗体との培
養後にそれらの形質膜に同定することができた。これに
対して、TrfまたはTrf−Adrの複合体を見出すのは僅か
8%のPBMであった、そしてPBM,HL−60またはDaudiの細
胞はいずれもAdr単独での培養後にFITC抗−Trfと反応し
なかった(第1表)。しかしながら、Adrを含まないPB
M,HL−60またはDaudiの細胞の4℃における20分間の培
養はそれらの核の赤色螢光をもたらした、その結果はTr
fまたはTrf−Adrの複合体と目的の細胞のいずれかとの
4℃における20分間の培養によって得られなかった。
これらの実験は同じ細胞、同じ試薬を使用するが、培養
時間を3時間にし、温度を37℃に変えたとき、それらの
結果は異なった。最初の場合には、TrfまたはTrf−Adr
複合体とHL−60またはDaudiの細胞との培養後の免疫螢
光の模様はもはや均一でなくて、形質膜上に螢光斑の島
の房状に現われた。これらの培養時間および温度条件の
変化に供う最も著しい差異は、Trf−Adrの複合体で得ら
れたものがAdrに対して核に同定できたことであった。
細胞のH−チミジン吸収及び生存能力に及ぼすTrf−A
dr複合体の効果 AdrはDNAの塩基対の間に挿入されることによってDNA合
成の抑制および最終的細胞死をもたらす作用をすると考
えられるので、H−チミジン吸収の抑制並びにトリパ
ン青の排除をそれぞれ細胞の増殖および生存能力の目安
に選んだ。DaudiおよびHL−60の細胞でのTrf−Adr複合
体の37℃における3時間の培養、続く2回の洗浄そして
トリチウム化チミジン中の16時間の培養期間は、細胞の
増殖および生存能力の減少に著しい効果を有したが、PB
Mを同じ条件下で試験した場合にチミジンの導入および
生存能力に対する効果は最低であった(第2表)。Trf
の対照はDaudiおよびHL−60の細胞の適度な抑制とPBM増
殖の増加を示したが、Trf−Adr複合体は30の実験におい
て終始一貫して両方の細胞系の90%以上の抑制を記録し
た。PBMの死に関して、DaudiおよびHL−60の細胞とは異
なり、極めて少数のPBMがそれらの核にAdrを含むことが
わかったが、これは試験管内における操作の結果として
細胞が死んだことを示すものと考えるべきである。
Trf−Adr複合体による細胞増殖の特殊な抑制の別の証拠
を提供するために、Cer−Adr複合体をTrfに対するタン
パク質対照として使用した。Cerの選択は、人のアルブ
ミン,Gcおよびα胎児タンパク質のような他のタンパク
質はTrfと免疫学的に交差反応性であるがCerと交差反応
性でないという観察に基いた。Cer−Adr複合体は試験管
内の目標の細胞を殺すことがわかったけれども、Trf−A
drまたはCer−Adr複合体がTrfと置換が許されるときに
は、Trf−Adr複合体はCer−Adr複合体の2倍の効果があ
った(第3表)。これらの結果は、変性されたCerはTrf
受容体に嵌合できるという示唆を確実にするが、それら
はさらにTrf−Adr複合体がTrf受容体に対してCer−Adr
複合体より高親和性を示す。成長媒質における生来のTr
fだけでは、試験および対照実験が等量のTrfを含んだか
ら、これらの結果に対して全く責任をもつことができな
かった(第3表) Trf−Adr複合体による細胞殺しにおける投与量及び時間
的変数 Trf−Adr複合体は順次希釈してH−チミジンの摂取を
抑制するそれらの能力の終点を試験した。これらの実験
結果は、HL−60の増殖が検定の前培養工程における最初
の3時間に使用されるTrf−Adr複合体の量に直接関係す
ることを示した(第3図)。細胞増殖の抑制の試験管内
検定は時間を変え複合体の量を一定にして実験した前培
養工程を採用したけれども、複合体の結合は迅速であっ
て、30分の前培養時間で平坦域に達した。
白血病患者細胞のH−チミジン摂取の効果 第2表に関して説明した方法に類似した方法を用いて、
急性骨髄性白血病(AML)または急性リンパ白血病(AL
L)で様々に苦しむ6人の患者から採取した白血病患者
の細胞によるH−チミジン摂取に及ぼすTrf−Adrの影
響を研究した。それらの結果を第4表に示す。それぞれ
の場合に顕著な抑制が認められた。
正常人及び患者からのPBMによるTrf結合 実験は、多くの健康な人々並びにリンパ腫や骨髄腫にか
かっている人々、或いは急性骨髄性白血病、急性リンパ
性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、又は慢性リンパ
性白血病(CLL)に苦しむ多くの患者から採取した細胞
のトランスフェリンを結合する能力を試験するために行
なった。これらの患者のある人々は緩解(R)であり、
他の患者は緩解でなかった(NR)。これらの実験におい
て用いられた方法は、一般に第1表に関して説明したも
のであった。それらの結果を第5表に要約する。
AML患者の末梢血液におけるTrf−Adr治療効果の生体内
実験 生理食塩水中の複合体の形で静脈経路によって投与され
た1mgのTrf−Adrで治療された多数の患者に及ぼす効果
を第6表に要約する。患者番号1,4および5は第4表に
かける患者と同一であった。芽球および多形核好中球
(PMN)の計数に及ぼすこの投与の効果が示されてい
る。
実施例2 本実施例は抗腫瘍剤として、前記したビンクリスチンと
はビンカアルカロイドとして同一種類のビンブラスチン
を用いた例である。
複合体の調整 コハク酸の4−デアセチルビンブラスチンモノエステル
がメチレン塩化物6ml中で溶解され、50μlのN−メチ
ルモリフホリン(NMM)が添加された。生成混合物が撹
拌され、水浴内で0℃に冷却された。イソブチルクロロ
フォルムメート(50μl)が添加され、生成混合物が約
15分間、0℃で撹拌された。N−ヒドロキシコハクアミ
ド(50mg)が添加され、その混合物が温水浴で約20分
間、温められた。その反応混合物が黄褐色残分になるま
で蒸発された。
人のトランスフェリン1グラムが約20mlの水に溶解され
た。ビンカを含有する残分が約3mlのダイオキシン中で
溶解され、生成溶液が上記トランスフェリン溶液に添加
された。トランスフェリン溶液のpH(約8.5)はビンカ
溶液の添加によって約6.5に低下され、溶液は濁った。
その反応混合物は撹拌され、0.5N水酸化ナトリウムの添
加によってpHは9.0に調整され、その後、約10mlの水が
加えられた。その混合物は約20分間の撹拌により澄ん
だ。撹拌は室温で約2時間続けられた(最初pH7.4)。
次にその混合物は、約12,000〜14,000の分子量カットオ
フを有する透析バッグに移された。透析は、脱イオン水
1リットルによる冷却をしながら毎日水を交換して9日
間続けられた。その生成物は冷凍乾燥により回収され、
半分のトランスフェリンに対し約20ビンカ分のモルベー
スの平均比率を有する750mgの複合体が得られた。
生物活性度 ビンカ−トランスフェリン複合体のP1534Jリンパ細胞白
血病菌(固形状)に対する活性度について試験が行われ
た。その固形白血病は1973年Jackson Laboratory(Bar
Harbor,Maine)から得た。腫瘍は動物から離れ、無菌技
術により四角の1〜3mm片に分離された。腫瘍片はAntib
iotic Medium 1 及びBrain Heart Infusion(Difc
o:Detroit,Mich.)を用いて無菌性について検査した。
マウスの毛が剃られ、皮下層に直角方向に腫瘍片が埋込
まれた。塩水中の試験化合物一服が投与された。食物と
水が適当に与えられた。全動物の体重が最初から最後ま
で計られた。10日乃至12日に、全腫瘍の二方向(幅及び
長さ)がバーニア カリパスで計られた。腫瘍の重量は
以下の式を用いて計算された。
腫瘍成長の禁止が最大の許容投与で25%以上であれば、
その化合物は活性であると考える。結果は以下の表7に
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/44 C07K 14/79 8318−4H 8314−4C A61K 37/50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合体がトランスフェリンおよびセルロプ
    ラスミンから選んだタンパク質と、抗腫瘍剤との複合体
    であることを特徴とするタンパク質と細胞毒剤との複合
    体。
  2. 【請求項2】前記タンパク質がグリタルアルデヒドによ
    って抗腫瘍剤に結合されることを特徴とする請求の範囲
    第1項に記載の複合体。
  3. 【請求項3】前記抗腫瘍剤が、アドリアマイシン,ダウ
    ノマイシン,メトトレキセート,ビンクリスチン,6−メ
    ルカプトプリン,シトシン・アラビノシッド,およびシ
    クロホスファミドから選択されることを特徴とする請求
    の範囲第1項または第2項に記載の複合体。
  4. 【請求項4】前記抗腫瘍剤がアドリアマイシンであり、
    複合タンパク質がアポトランスフェリンであることを特
    徴とする請求の範囲第3項に記載の複合体。
  5. 【請求項5】トランスフェリンおよびセルロプラスミン
    から選んだタンパク質を抗腫瘍剤と結合させ、得られた
    生来のトランスフェリンまたはセルロプラスミンの複合
    体を凝集タンバク質分子またはタンパク質分子のフラグ
    メントから分離することを特徴とするタンパク質と細胞
    毒剤との複合体の生成方法。
  6. 【請求項6】前記複合体がゲル濾過クロマトグラフィー
    によって分離されることを特徴とする請求の範囲第7項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】タンパク質が、グリタルアルデヒドの存在
    下で抗腫瘍剤と結合されることを特徴とする請求の範囲
    第7項または第8項に記載の方法。
  8. 【請求項8】抗腫瘍剤がアドリアマイシン,ダウノマイ
    シン,メトトレキセート,ビンクリスチン,6−メルカプ
    トプリン,シトシン・アラビノシッド,およびシクロホ
    スファミドから選択されることを特徴とする請求の範囲
    第7項または第9項に記載の方法。
JP58502693A 1983-08-10 1983-08-10 タンパク質と抗腫瘍剤との複合体 Expired - Lifetime JPH0720886B2 (ja)

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PCT/GB1983/000200 WO1985000812A1 (en) 1982-02-25 1983-08-10 Conjugates of proteins with anti-tumour agents

Publications (2)

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JPS60501951A JPS60501951A (ja) 1985-11-14
JPH0720886B2 true JPH0720886B2 (ja) 1995-03-08

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ID=10535933

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58502693A Expired - Lifetime JPH0720886B2 (ja) 1983-08-10 1983-08-10 タンパク質と抗腫瘍剤との複合体

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