JPH07207231A - 射出成形用プライマー組成物 - Google Patents
射出成形用プライマー組成物Info
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- JPH07207231A JPH07207231A JP588894A JP588894A JPH07207231A JP H07207231 A JPH07207231 A JP H07207231A JP 588894 A JP588894 A JP 588894A JP 588894 A JP588894 A JP 588894A JP H07207231 A JPH07207231 A JP H07207231A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (メタ)アクリロイル基含有シラン化合物;
ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;または上記2
者の代わりに、その反応生成物;アルケニル基含有有機
ケイ素化合物;チタン酸エステル、その部分加水分解縮
合物、チタンキレート化合物、アルミニウムアルコキシ
ド、アルミニウムキレート化合物および鉄の有機酸塩の
1種または2種以上;エポキシ化合物;白金系、パラジ
ウム系またはロジウム系触媒;および有機溶媒を含む射
出成形用プライマー組成物。 【効果】 低温、短時間の加熱により、付加反応型液状
シリコーンゴムとプラスチックとの一体射出成形(プラ
スチック被覆電線の埋込みを含む)において、優れた接
着性を付与するプライマー組成物が得られる。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;または上記2
者の代わりに、その反応生成物;アルケニル基含有有機
ケイ素化合物;チタン酸エステル、その部分加水分解縮
合物、チタンキレート化合物、アルミニウムアルコキシ
ド、アルミニウムキレート化合物および鉄の有機酸塩の
1種または2種以上;エポキシ化合物;白金系、パラジ
ウム系またはロジウム系触媒;および有機溶媒を含む射
出成形用プライマー組成物。 【効果】 低温、短時間の加熱により、付加反応型液状
シリコーンゴムとプラスチックとの一体射出成形(プラ
スチック被覆電線の埋込みを含む)において、優れた接
着性を付与するプライマー組成物が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形用のプライマ
ー組成物に関し、さらに詳しくは、加熱によって硬化す
る付加反応型液状シリコーンゴムを用いて、射出成形に
より、とくにプラスチック類との一体成形品を製造する
際に用いられるプライマー組成物に関する。
ー組成物に関し、さらに詳しくは、加熱によって硬化す
る付加反応型液状シリコーンゴムを用いて、射出成形に
より、とくにプラスチック類との一体成形品を製造する
際に用いられるプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】付加反応型液状シリコーンゴムは、未硬
化の状態で流動性に富み、加熱により短時間で硬化する
うえ、硬化して耐熱性、耐寒性、難燃性、低圧縮永久ひ
ずみ、熱伝導性、電気的性質などに優れたシリコーンゴ
ム成形品を与えることから、その特徴を生かして、硬化
反応を伴う射出成形の材料として広く用いられている。
とくに、硬化が速いことと、連続供給が可能なことか
ら、大幅な成形サイクルの短縮と作業時間の削減が可能
であり、一般に150〜230℃の射出成形温度によ
り、O−リング、ガスケット、パッキン、ゴムソケット
などとして用いられている。
化の状態で流動性に富み、加熱により短時間で硬化する
うえ、硬化して耐熱性、耐寒性、難燃性、低圧縮永久ひ
ずみ、熱伝導性、電気的性質などに優れたシリコーンゴ
ム成形品を与えることから、その特徴を生かして、硬化
反応を伴う射出成形の材料として広く用いられている。
とくに、硬化が速いことと、連続供給が可能なことか
ら、大幅な成形サイクルの短縮と作業時間の削減が可能
であり、一般に150〜230℃の射出成形温度によ
り、O−リング、ガスケット、パッキン、ゴムソケット
などとして用いられている。
【0003】一方、近年では、アセンブリー工程を合理
化するために、低圧成形の可能な付加反応型液状シリコ
ーンゴムと各種のプラスチック材料、ガラス、金属など
とのインサート成形、一体成形が注目を浴び、たとえば
プラスチック基板にシリコーンゴムパッキンをセットす
る形で該シリコーンゴムを射出成形したり、電線を埋め
込んだシリコーンゴム成形品を射出成形で作製するなど
の成形法が行われている。とくに家電製品その他の分野
では、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂のような熱可
塑性樹脂で被覆された電線を埋め込んだシリコーンゴム
成形品を、射出成形によって製造することが行われてい
る。このような樹脂を含むインサート成形や一体成形を
行う場合、用いられる樹脂のガラス転移温度や熱変形温
度による制約のために、80〜130℃という低温で射
出成形を行う必要が生じている。
化するために、低圧成形の可能な付加反応型液状シリコ
ーンゴムと各種のプラスチック材料、ガラス、金属など
とのインサート成形、一体成形が注目を浴び、たとえば
プラスチック基板にシリコーンゴムパッキンをセットす
る形で該シリコーンゴムを射出成形したり、電線を埋め
込んだシリコーンゴム成形品を射出成形で作製するなど
の成形法が行われている。とくに家電製品その他の分野
では、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂のような熱可
塑性樹脂で被覆された電線を埋め込んだシリコーンゴム
成形品を、射出成形によって製造することが行われてい
る。このような樹脂を含むインサート成形や一体成形を
行う場合、用いられる樹脂のガラス転移温度や熱変形温
度による制約のために、80〜130℃という低温で射
出成形を行う必要が生じている。
【0004】一般に、付加反応型液状シリコーンゴム
は、プラスチックをはじめとする各種材料との接着性が
乏しい。そのため、インサート成形や一体成形を行う場
合には、接着性を付与された付加反応型液状シリコーン
ゴムを用いるか、その対象となるプラスチックなどにあ
らかじめプライマー処理を施してから、射出成形を行う
ことが必要である。
は、プラスチックをはじめとする各種材料との接着性が
乏しい。そのため、インサート成形や一体成形を行う場
合には、接着性を付与された付加反応型液状シリコーン
ゴムを用いるか、その対象となるプラスチックなどにあ
らかじめプライマー処理を施してから、射出成形を行う
ことが必要である。
【0005】付加反応型シリコーンゴムに接着性を付与
するには、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基のよう
な炭素官能性基を分子中に有するシランやシロキサンを
添加する方法;上記の炭素官能性基の少なくとも1種
か、トリアルコキシシリル基とエステル結合を含む側鎖
を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を有する環
状シロキサンを添加する方法;およびベースポリマーで
あるアルケニル基含有ポリジオルガノシロキサンに、上
記のような炭素官能性基、またはトリアルコキシシリル
基とエステル結合とを含む側鎖を導入する方法が挙げら
れる。
するには、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基のよう
な炭素官能性基を分子中に有するシランやシロキサンを
添加する方法;上記の炭素官能性基の少なくとも1種
か、トリアルコキシシリル基とエステル結合を含む側鎖
を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を有する環
状シロキサンを添加する方法;およびベースポリマーで
あるアルケニル基含有ポリジオルガノシロキサンに、上
記のような炭素官能性基、またはトリアルコキシシリル
基とエステル結合とを含む側鎖を導入する方法が挙げら
れる。
【0006】しかし、このようにして接着性を付与され
た付加反応型液状シリコーンゴムを用いて射出成形を行
うと、硬化の際に金型に接着するという作業上の問題が
ある。また、このような接着性シリコーンゴムをプライ
マーとして用いることも可能であるが、一般のプライマ
ーとしては見掛粘度が高くて取扱いにくく、薄くて均一
なプライマー層が得にくいほか、対象物の種類が限定さ
れるので、前述のような低い射出成形温度で、短時間に
広範囲のプラスチックに対する優れた接着性を得るもの
は見出されていない。
た付加反応型液状シリコーンゴムを用いて射出成形を行
うと、硬化の際に金型に接着するという作業上の問題が
ある。また、このような接着性シリコーンゴムをプライ
マーとして用いることも可能であるが、一般のプライマ
ーとしては見掛粘度が高くて取扱いにくく、薄くて均一
なプライマー層が得にくいほか、対象物の種類が限定さ
れるので、前述のような低い射出成形温度で、短時間に
広範囲のプラスチックに対する優れた接着性を得るもの
は見出されていない。
【0007】一方、付加反応型液状シリコーンゴムを硬
化させる際に用いられるプライマーとしては、各種の提
案がなされている。
化させる際に用いられるプライマーとしては、各種の提
案がなされている。
【0008】たとえば、特開昭52−32030号公報
には、チタン酸エステルまたはその部分加水分解縮合
物、エポキシ基含有有機ケイ素化合物、脂肪族不飽和結
合含有有機ケイ素化合物、白金または白金化合物、エポ
キシ樹脂のような有機溶媒に可溶な重合体および有機溶
媒からなるプライマー組成物が開示されている。
には、チタン酸エステルまたはその部分加水分解縮合
物、エポキシ基含有有機ケイ素化合物、脂肪族不飽和結
合含有有機ケイ素化合物、白金または白金化合物、エポ
キシ樹脂のような有機溶媒に可溶な重合体および有機溶
媒からなるプライマー組成物が開示されている。
【0009】特開昭54−3127号公報には、エポキ
シ基含有有機ケイ素化合物、脂肪族不飽和基含有有機ケ
イ素化合物、酢酸ビニル系重合体、白金または白金化合
物およびエステル系有機溶媒からなるプライマー組成物
が開示されている。
シ基含有有機ケイ素化合物、脂肪族不飽和基含有有機ケ
イ素化合物、酢酸ビニル系重合体、白金または白金化合
物およびエステル系有機溶媒からなるプライマー組成物
が開示されている。
【0010】特開昭56−103264号公報には、炭
素官能性基とアルコキシ基とを有する有機ケイ素化合
物、有機チタン化合物、およびSi−H結合を有する有
機ケイ素化合物、たとえばポリメチルハイドロジェンシ
ロキサンを含むプライマー組成物が開示されている。
素官能性基とアルコキシ基とを有する有機ケイ素化合
物、有機チタン化合物、およびSi−H結合を有する有
機ケイ素化合物、たとえばポリメチルハイドロジェンシ
ロキサンを含むプライマー組成物が開示されている。
【0011】特開昭60−233153号公報には、1
個のエポキシ基含有基と2個のアルコキシ基とが結合し
たケイ素原子を有し、かつ別のケイ素原子に結合した低
級アルケニル基もしくは水素原子を有する有機ケイ素化
合物、またはシラノール基とケイ素原子に結合した低級
アルケニル基もしくは水素原子を有する有機ケイ素化合
物とエポキシ基含有トリアルコキシシランとの混合物;
ケイ素原子に結合した水素原子または脂肪族不飽和結合
を有するトリアルコキシシランまたはその部分加水分解
縮合物;およびチタン酸エステルもしくはチタンキレー
ト化合物を含むプライマー組成物が開示されている。
個のエポキシ基含有基と2個のアルコキシ基とが結合し
たケイ素原子を有し、かつ別のケイ素原子に結合した低
級アルケニル基もしくは水素原子を有する有機ケイ素化
合物、またはシラノール基とケイ素原子に結合した低級
アルケニル基もしくは水素原子を有する有機ケイ素化合
物とエポキシ基含有トリアルコキシシランとの混合物;
ケイ素原子に結合した水素原子または脂肪族不飽和結合
を有するトリアルコキシシランまたはその部分加水分解
縮合物;およびチタン酸エステルもしくはチタンキレー
ト化合物を含むプライマー組成物が開示されている。
【0012】特開昭62−158746号公報には、
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリロイル基
含有シランとの共重合体;チタン酸エステル、チタンキ
レート化合物、アルミニウムアルコキシド、アルミニウ
ムキレート化合物または鉄の有機酸塩;アルケニル基含
有有機ケイ素化合物;白金などの貴金属系触媒;および
有機溶媒からなることを特徴とするプライマー組成物が
開示されている。
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリロイル基
含有シランとの共重合体;チタン酸エステル、チタンキ
レート化合物、アルミニウムアルコキシド、アルミニウ
ムキレート化合物または鉄の有機酸塩;アルケニル基含
有有機ケイ素化合物;白金などの貴金属系触媒;および
有機溶媒からなることを特徴とするプライマー組成物が
開示されている。
【0013】しかし、前処理においてもプライマー層の
形成に高温加熱を伴わず、しかも前述のような80〜1
30℃という低温と短い成形サイクルによる射出成形に
用いるという条件下では、広範囲のプラスチック、とく
に電線被覆用のポリエチレンおよびポリ塩化ビニル樹脂
に対して優れた接着性を発現しうる、付加反応型液状シ
リコーンゴム用のプライマーは見出されていない。
形成に高温加熱を伴わず、しかも前述のような80〜1
30℃という低温と短い成形サイクルによる射出成形に
用いるという条件下では、広範囲のプラスチック、とく
に電線被覆用のポリエチレンおよびポリ塩化ビニル樹脂
に対して優れた接着性を発現しうる、付加反応型液状シ
リコーンゴム用のプライマーは見出されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一体
成形に用いる被着体への前処理および射出成形のいずれ
においても、高温または長時間の加熱を必要とせず、広
範囲のプラスチック、とくに電線被覆用のポリエチレン
およびポリ塩化ビニル樹脂に対して優れた接着性を発現
しうる、付加反応型液状シリコーンゴムの接着に用いら
れる射出成形用プライマー組成物を提供することであ
る。
成形に用いる被着体への前処理および射出成形のいずれ
においても、高温または長時間の加熱を必要とせず、広
範囲のプラスチック、とくに電線被覆用のポリエチレン
およびポリ塩化ビニル樹脂に対して優れた接着性を発現
しうる、付加反応型液状シリコーンゴムの接着に用いら
れる射出成形用プライマー組成物を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の目的
を達成するために研究を重ねた結果、後述の組成による
プライマーが、低温、短時間の加熱によって、射出成形
による一体成形の際に良好な接着性を発現しうることを
見出して、本発明を完成するに至った。
を達成するために研究を重ねた結果、後述の組成による
プライマーが、低温、短時間の加熱によって、射出成形
による一体成形の際に良好な接着性を発現しうることを
見出して、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明の射出成形用プライマー
組成物は、 (A)(1)(イ)一般式:
組成物は、 (A)(1)(イ)一般式:
【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し;R2 は
置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Q1 は炭
素数1〜6の2価の炭化水素基を表す)で示される(メ
タ)アクリロイル基含有シラン化合物;および (ロ)一般式:R3 aHb SiO(4-a-b)/2 (式中、R3
は置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは
0、1または2であり;bは1または2であり;a+b
は1、2または3である)で示される単位を分子中に少
なくとも1個有し、かつケイ素原子に結合した水素原子
を分子中に少なくとも2個有するポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン;および/または (2)(イ)と(ロ)の反応生成物; (B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子中に少
なくとも1個有する、分子量5,000以下の有機ケイ
素化合物; (C)チタン酸エステル、その部分加水分解縮合物、チ
タンキレート化合物、アルミニウムアルコキシド、その
部分加水分解縮合物、アルミニウムキレート化合物およ
び鉄の有機酸塩の1種または2種以上の化合物; (D)エポキシ化合物; (E)白金系、パラジウム系またはロジウム系触媒、
(イ)成分に対して、白金、パラジウムまたはロジウム
原子に換算して0.1〜10,000ppm となる量;な
らびに (F)有機溶媒;を含むことを特徴とする。
置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Q1 は炭
素数1〜6の2価の炭化水素基を表す)で示される(メ
タ)アクリロイル基含有シラン化合物;および (ロ)一般式:R3 aHb SiO(4-a-b)/2 (式中、R3
は置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは
0、1または2であり;bは1または2であり;a+b
は1、2または3である)で示される単位を分子中に少
なくとも1個有し、かつケイ素原子に結合した水素原子
を分子中に少なくとも2個有するポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン;および/または (2)(イ)と(ロ)の反応生成物; (B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子中に少
なくとも1個有する、分子量5,000以下の有機ケイ
素化合物; (C)チタン酸エステル、その部分加水分解縮合物、チ
タンキレート化合物、アルミニウムアルコキシド、その
部分加水分解縮合物、アルミニウムキレート化合物およ
び鉄の有機酸塩の1種または2種以上の化合物; (D)エポキシ化合物; (E)白金系、パラジウム系またはロジウム系触媒、
(イ)成分に対して、白金、パラジウムまたはロジウム
原子に換算して0.1〜10,000ppm となる量;な
らびに (F)有機溶媒;を含むことを特徴とする。
【0017】本発明において、(A)としては、下記
(1)、(2)のいずれかを用いることができ、(1)
と(2)を併用しても差支えない。 (1)(イ)(メタ)アクリロイル基含有化合物および
(ロ)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン; (2)上記(イ)と(ロ)の反応生成物。
(1)、(2)のいずれかを用いることができ、(1)
と(2)を併用しても差支えない。 (1)(イ)(メタ)アクリロイル基含有化合物および
(ロ)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン; (2)上記(イ)と(ロ)の反応生成物。
【0018】本発明で用いられる(イ)成分の(メタ)
アクリロイル基含有シラン化合物は、本発明のプライマ
ー組成物にプラスチックに対する接着性を付与する成分
であり、一般式:
アクリロイル基含有シラン化合物は、本発明のプライマ
ー組成物にプラスチックに対する接着性を付与する成分
であり、一般式:
【化3】 (式中、R1 、R2 およびQ1 は前述のとおり)で示さ
れ、ケイ素原子から単数または複数の炭素原子を介して
結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有す
るアルコキシシランであり、プラスチックに対して低温
における接着性が優れていることからメタクリロイル基
が好ましい。Q1 は該(メタ)アクリロイル基とケイ素
原子とを炭素鎖で結ぶ基であり、メチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン、1,3−ブチレン、ペンタメチレ
ンおよびヘキサメチレンのようなアルキレン基;および
1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレンの
ような環状炭化水素基が挙げられる。このようなQ1 の
うち、安定で、合成が容易であり、取扱いやすいことか
ら、トリメチレン基が好ましい。R2 としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの
ようなアルキル基;プロペニルのようなアルケニル基;
および2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−
ブトキシエチルのようなアルコキシ置換アルキル基など
が挙げられるが、合成が容易なことと、プライマーとし
て用いたときの効果から、メチル、エチル、プロピルの
ような低級アルキル基および2−メトキシエチル基が好
ましく、メチル基がとくに好ましい。
れ、ケイ素原子から単数または複数の炭素原子を介して
結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有す
るアルコキシシランであり、プラスチックに対して低温
における接着性が優れていることからメタクリロイル基
が好ましい。Q1 は該(メタ)アクリロイル基とケイ素
原子とを炭素鎖で結ぶ基であり、メチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン、1,3−ブチレン、ペンタメチレ
ンおよびヘキサメチレンのようなアルキレン基;および
1,4−シクロヘキサンジイル、1,4−フェニレンの
ような環状炭化水素基が挙げられる。このようなQ1 の
うち、安定で、合成が容易であり、取扱いやすいことか
ら、トリメチレン基が好ましい。R2 としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの
ようなアルキル基;プロペニルのようなアルケニル基;
および2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−
ブトキシエチルのようなアルコキシ置換アルキル基など
が挙げられるが、合成が容易なことと、プライマーとし
て用いたときの効果から、メチル、エチル、プロピルの
ような低級アルキル基および2−メトキシエチル基が好
ましく、メチル基がとくに好ましい。
【0019】このような(イ)成分としては、3−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシランなどが挙げられる。
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシランなどが挙げられる。
【0020】本発明で、(イ)成分と併用することによ
り(1)を構成し、または(イ)成分と反応して(2)
を形成するのに用いられる(ロ)成分のポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンは、シリコーンゴムとプライマ
ー層との間の接着性に寄与する成分である。また、とく
に被着体がポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂などの軟
質プラスチックである場合に、従来のプライマーを用い
ては接着しなかったのが、(ロ)成分の存在がそれらの
樹脂に対する接着性を向上させる点で有効である。ケイ
素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有する
ものであれば、その分子構造にとくに制限はなく、従来
公知の直鎖状、環状および分岐状のものを任意に用いる
ことができるが、合成の容易なことから、直鎖状のも
の、またはR3 2HSiO1/2 単位およびSiO2 単位か
らなり、もしくは必要に応じてさらにR3 3SiO1/2 単
位またはR3 2SiO単位を含む分岐状のものが好ましい
(式中、R3 は前述のとおり)。R3 および他のシロキ
サン単位のケイ素原子に結合した有機基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、ドデシルなどのアルキル基;および
フェニルなどのアリール基が挙げられるが、プライマー
に必要な耐熱性を与えることからメチル基またはフェニ
ル基が好ましく、合成の容易なことからメチル基がとく
に好ましい。
り(1)を構成し、または(イ)成分と反応して(2)
を形成するのに用いられる(ロ)成分のポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンは、シリコーンゴムとプライマ
ー層との間の接着性に寄与する成分である。また、とく
に被着体がポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂などの軟
質プラスチックである場合に、従来のプライマーを用い
ては接着しなかったのが、(ロ)成分の存在がそれらの
樹脂に対する接着性を向上させる点で有効である。ケイ
素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有する
ものであれば、その分子構造にとくに制限はなく、従来
公知の直鎖状、環状および分岐状のものを任意に用いる
ことができるが、合成の容易なことから、直鎖状のも
の、またはR3 2HSiO1/2 単位およびSiO2 単位か
らなり、もしくは必要に応じてさらにR3 3SiO1/2 単
位またはR3 2SiO単位を含む分岐状のものが好ましい
(式中、R3 は前述のとおり)。R3 および他のシロキ
サン単位のケイ素原子に結合した有機基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、ドデシルなどのアルキル基;および
フェニルなどのアリール基が挙げられるが、プライマー
に必要な耐熱性を与えることからメチル基またはフェニ
ル基が好ましく、合成の容易なことからメチル基がとく
に好ましい。
【0021】(ロ)成分の配合量は、(イ)成分100
重量部に対して5〜500重量部が好ましく、さらに好
ましくは10〜50重量部である。5重量部未満では、
シリコーンゴム成形体と硬化プライマー層との間の接着
性が弱く、500重量部を越えると、硬化プライマー層
の機械的強度が低くなり、接着性も不安定になるからで
ある。
重量部に対して5〜500重量部が好ましく、さらに好
ましくは10〜50重量部である。5重量部未満では、
シリコーンゴム成形体と硬化プライマー層との間の接着
性が弱く、500重量部を越えると、硬化プライマー層
の機械的強度が低くなり、接着性も不安定になるからで
ある。
【0022】本発明においては、(A)として(1)上
記の(イ)成分と(ロ)成分を併用する代わりに、
(2)(イ)成分と(ロ)成分をあらかじめ反応させた
ものを用いてもよい。反応は、本発明に後述の(E)成
分として用いるのと同様の白金系、パラジウム系または
ロジウム系触媒の存在下に、(イ)成分と(ロ)成分を
混合した後、1〜2時間、50〜100℃に保つことに
よって進行する。このときの配合比は、前述の(1)の
場合と同様、(イ)成分100重量部に対して、(ロ)
成分5〜500重量部が好ましく、10〜50重量部が
さらに好ましい。また、(A)として(1)、すなわち
(イ)成分と(ロ)成分をそれぞれ用いた本発明の組成
物を、(E)成分の存在下に混合する間に、(2)であ
る該(イ)成分と(ロ)成分の反応生成物を形成するこ
とがある。
記の(イ)成分と(ロ)成分を併用する代わりに、
(2)(イ)成分と(ロ)成分をあらかじめ反応させた
ものを用いてもよい。反応は、本発明に後述の(E)成
分として用いるのと同様の白金系、パラジウム系または
ロジウム系触媒の存在下に、(イ)成分と(ロ)成分を
混合した後、1〜2時間、50〜100℃に保つことに
よって進行する。このときの配合比は、前述の(1)の
場合と同様、(イ)成分100重量部に対して、(ロ)
成分5〜500重量部が好ましく、10〜50重量部が
さらに好ましい。また、(A)として(1)、すなわち
(イ)成分と(ロ)成分をそれぞれ用いた本発明の組成
物を、(E)成分の存在下に混合する間に、(2)であ
る該(イ)成分と(ロ)成分の反応生成物を形成するこ
とがある。
【0023】本発明に用いられる(B)成分のケイ素原
子に結合したアルケニル基を分子中に少なくとも1個有
する有機ケイ素化合物は、本発明のプライマー組成物に
保存安定性を付与するものであり、アルケニル基として
はビニル、アリルなどが例示されるが、合成の容易なこ
とからビニル基が好ましい。ケイ素原子に結合した他の
有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなど
のアルキル基;フェニルなどのアリール基;クロロメチ
ルのような1価の置換炭化水素基が例示され、合成のし
やすさからメチル基およびフェニル基が好ましく、メチ
ル基がとくに好ましい。また、分子中にメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、
2−エトキシエトキシ、2−ブトキシエトキシのような
置換または非置換のアルコキシ基;アセトキシのような
アシロキシ基など、任意のケイ素官能基が存在していて
もよい。
子に結合したアルケニル基を分子中に少なくとも1個有
する有機ケイ素化合物は、本発明のプライマー組成物に
保存安定性を付与するものであり、アルケニル基として
はビニル、アリルなどが例示されるが、合成の容易なこ
とからビニル基が好ましい。ケイ素原子に結合した他の
有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなど
のアルキル基;フェニルなどのアリール基;クロロメチ
ルのような1価の置換炭化水素基が例示され、合成のし
やすさからメチル基およびフェニル基が好ましく、メチ
ル基がとくに好ましい。また、分子中にメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、
2−エトキシエトキシ、2−ブトキシエトキシのような
置換または非置換のアルコキシ基;アセトキシのような
アシロキシ基など、任意のケイ素官能基が存在していて
もよい。
【0024】このような(B)成分は、シラン類でもシ
ロキサン類でもよく、系の粘度が低く、取扱いが容易で
あり、被着体の表面に薄くて均一なプライマー層を容易
に形成できることと、保存安定性への効果とから、その
分子量は5,000以下であり、1,000以下が好ま
しく、450以下がとくに好ましい。シラン類として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
ビニルトリアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシ
シラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジメチルビニ
ルメトキシシランなどが挙げられる。シロキサン類とし
ては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニ
ルジシロキサン、α,ω−ジビニルテトラ(ジメチルシ
ロキサン)、および上記の分子量範囲のα,ω−ジビニ
ルポリ(ジメチルシロキサン)のような鎖状シロキサ
ン;ならびに1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リビニルシクロトリシロキサンおよび1,3,5,7−
テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテ
トラシロキサンのような環状シロキサンが挙げられる。
ロキサン類でもよく、系の粘度が低く、取扱いが容易で
あり、被着体の表面に薄くて均一なプライマー層を容易
に形成できることと、保存安定性への効果とから、その
分子量は5,000以下であり、1,000以下が好ま
しく、450以下がとくに好ましい。シラン類として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
ビニルトリアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシ
シラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジメチルビニ
ルメトキシシランなどが挙げられる。シロキサン類とし
ては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニ
ルジシロキサン、α,ω−ジビニルテトラ(ジメチルシ
ロキサン)、および上記の分子量範囲のα,ω−ジビニ
ルポリ(ジメチルシロキサン)のような鎖状シロキサ
ン;ならびに1,3,5−トリメチル−1,3,5−ト
リビニルシクロトリシロキサンおよび1,3,5,7−
テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテ
トラシロキサンのような環状シロキサンが挙げられる。
【0025】(B)成分の配合量は、(イ)成分
((A)の一部または全部として(2)、すなわち
(イ)成分と(ロ)成分の反応生成物を用いる場合は、
該反応生成物中の(イ)成分に相当する部分を含む、以
下同様)100重量部に対して5〜500重量部が好ま
しく、さらに好ましくは50〜200重量部である。5
重量部未満では保存安定性が悪く、500重量部を越え
ると接着性が低下する。
((A)の一部または全部として(2)、すなわち
(イ)成分と(ロ)成分の反応生成物を用いる場合は、
該反応生成物中の(イ)成分に相当する部分を含む、以
下同様)100重量部に対して5〜500重量部が好ま
しく、さらに好ましくは50〜200重量部である。5
重量部未満では保存安定性が悪く、500重量部を越え
ると接着性が低下する。
【0026】本発明に用いられる(C)成分は、本発明
のプライマー組成物を、ケイ素官能性基の縮合反応によ
って比較的低温、短時間の加熱によって硬化させ、プラ
イマー層を形成させるとともに接着性を発現させるのに
寄与する成分である。(C)成分は、チタン酸エステ
ル、その部分加水分解縮合物、チタンキレート化合物、
アルミニウムアルコキシド、その部分加水分解縮合物、
アルミニウムキレート化合物および鉄の有機酸塩から選
ばれ、1種でも、2種以上を併用しても差支えない。
のプライマー組成物を、ケイ素官能性基の縮合反応によ
って比較的低温、短時間の加熱によって硬化させ、プラ
イマー層を形成させるとともに接着性を発現させるのに
寄与する成分である。(C)成分は、チタン酸エステ
ル、その部分加水分解縮合物、チタンキレート化合物、
アルミニウムアルコキシド、その部分加水分解縮合物、
アルミニウムキレート化合物および鉄の有機酸塩から選
ばれ、1種でも、2種以上を併用しても差支えない。
【0027】このような(C)成分としては、チタン酸
テトラ−n−プロピル、チタン酸テトライソプロピル、
チタン酸テトラ−n−ブチル、チタン酸テトライソブチ
ル、チタン酸テトラ−sec −ブチル、チタン酸テトラ
(2−エチルヘキシル)などのチタン酸エステルおよび
それらの部分加水分解縮合物;ジイソプロピルビス(ア
セチルアセトナト)チタン、1,3−プロパンジオキシ
ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビ
ス(エチルアセトアセタト)チタン、1,3−プロパン
ジオキシビス(エチルアセトアセタト)チタン、トリス
(エチルアセトアセタト)チタンなどのチタンキレート
化合物;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムト
リ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキ
シド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウ
ムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ−sec −ブト
キシドなどのアルミニウムアルコキシドおよびそれらの
部分加水分解縮合物;ジイソプロピルアセチルアセトナ
トアルミニウム、ジイソプロピルアルミニウムエチルア
セトアセタート、ジ−n−ブチルアルミニウムエチルア
セトアセタート、トリス(エチルアセトアセタト)アル
ミニウムなどのアルミニウムキレート化合物;ならびに
オクタン酸鉄、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸鉄
などの鉄の有機酸塩が挙げられる。(C)成分として
は、プライマーを調製しやすく、配合後の安定性に優れ
ていることから、チタン酸エステルおよびその部分加水
分解縮合物が好ましい。
テトラ−n−プロピル、チタン酸テトライソプロピル、
チタン酸テトラ−n−ブチル、チタン酸テトライソブチ
ル、チタン酸テトラ−sec −ブチル、チタン酸テトラ
(2−エチルヘキシル)などのチタン酸エステルおよび
それらの部分加水分解縮合物;ジイソプロピルビス(ア
セチルアセトナト)チタン、1,3−プロパンジオキシ
ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビ
ス(エチルアセトアセタト)チタン、1,3−プロパン
ジオキシビス(エチルアセトアセタト)チタン、トリス
(エチルアセトアセタト)チタンなどのチタンキレート
化合物;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムト
リ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキ
シド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウ
ムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ−sec −ブト
キシドなどのアルミニウムアルコキシドおよびそれらの
部分加水分解縮合物;ジイソプロピルアセチルアセトナ
トアルミニウム、ジイソプロピルアルミニウムエチルア
セトアセタート、ジ−n−ブチルアルミニウムエチルア
セトアセタート、トリス(エチルアセトアセタト)アル
ミニウムなどのアルミニウムキレート化合物;ならびに
オクタン酸鉄、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸鉄
などの鉄の有機酸塩が挙げられる。(C)成分として
は、プライマーを調製しやすく、配合後の安定性に優れ
ていることから、チタン酸エステルおよびその部分加水
分解縮合物が好ましい。
【0028】(C)成分の配合量は、(イ)成分100
重量部に対して0.01〜500重量部が好ましく、さ
らに好ましくは0.5〜200重量部である。0.01
重量%未満では低温における加熱で満足しうる硬化皮膜
を形成できないので、接着性が劣る。また500重量部
を越えると硬化が遅くなって作業性が悪く、また組成物
の貯蔵安定性を損ねる。なお、透明性を必要とするポリ
カーボネート、ナイロン樹脂、アクリル樹脂などに本発
明のプライマー組成物を使用する際には、白化による透
明性の阻害を防ぐために、有機溶媒を除く該組成物に対
する(C)成分の量が、0.5重量%以下であることが
好ましい。
重量部に対して0.01〜500重量部が好ましく、さ
らに好ましくは0.5〜200重量部である。0.01
重量%未満では低温における加熱で満足しうる硬化皮膜
を形成できないので、接着性が劣る。また500重量部
を越えると硬化が遅くなって作業性が悪く、また組成物
の貯蔵安定性を損ねる。なお、透明性を必要とするポリ
カーボネート、ナイロン樹脂、アクリル樹脂などに本発
明のプライマー組成物を使用する際には、白化による透
明性の阻害を防ぐために、有機溶媒を除く該組成物に対
する(C)成分の量が、0.5重量%以下であることが
好ましい。
【0029】本発明に用いられる(D)成分のエポキシ
化合物は、(イ)成分と同様、本発明のプライマー組成
物にプラスチックに対する接着性を付与する成分であ
り、とくにポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂のような
軟質プラスチックに対する接着力を高め、均一な接着を
もたらす効果がある。(D)成分としては、1分子中に
少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であればど
のようなものでもよい。このような化合物としては、3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,
4−シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−
(3,4−シクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシ
ランのようなエポキシ基含有アルコキシシランのほか;
アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、メタクリル酸グリシジル、ビニルシクロへキセンオ
キシドのようなその他のエポキシ化合物が例示され、刺
激性の少ないことから、エポキシ基含有アルコキシシラ
ンが好ましい。
化合物は、(イ)成分と同様、本発明のプライマー組成
物にプラスチックに対する接着性を付与する成分であ
り、とくにポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂のような
軟質プラスチックに対する接着力を高め、均一な接着を
もたらす効果がある。(D)成分としては、1分子中に
少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であればど
のようなものでもよい。このような化合物としては、3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,
4−シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−
(3,4−シクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシ
ランのようなエポキシ基含有アルコキシシランのほか;
アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、メタクリル酸グリシジル、ビニルシクロへキセンオ
キシドのようなその他のエポキシ化合物が例示され、刺
激性の少ないことから、エポキシ基含有アルコキシシラ
ンが好ましい。
【0030】(D)成分の配合量は、(イ)成分100
重量部に対して5〜500重量部が好ましく、さらに好
ましくは30〜200重量部である。5重量部未満、ま
たは500重量部を越えると、プライマーの接着性が低
下する。
重量部に対して5〜500重量部が好ましく、さらに好
ましくは30〜200重量部である。5重量部未満、ま
たは500重量部を越えると、プライマーの接着性が低
下する。
【0031】本発明に用いられる(E)成分は、(ロ)
成分と(イ)成分および(B)成分とを反応させてプラ
イマー被膜を形成させるのに寄与する触媒であり、白金
系、パラジウム系またはロジウム系の金属または化合物
である。白金などの金属としては、アルミナもしくはシ
リカのような担体に担持させた形;ならびに白金黒、パ
ラジウム黒、ロジウム黒のような粉末、およびそれらと
トリフェニルホスフィンとの混合物が挙げられる。白金
化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、
白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ケトン錯体、塩化
白金酸とアルコール、たとえば2−エチルヘキシルアル
コールより得られる錯体が挙げられ;パラジウム化合物
およびロジウム化合物としては、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウムおよびテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)ロジウムのような錯体が挙げられ
る。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても差
支えない。(E)成分としては、容易に合成でき、保存
も容易なことから白金化合物が好ましく、塩化白金酸の
アルコール溶液および白金−ビニルシロキサン錯体がと
くに好ましい。
成分と(イ)成分および(B)成分とを反応させてプラ
イマー被膜を形成させるのに寄与する触媒であり、白金
系、パラジウム系またはロジウム系の金属または化合物
である。白金などの金属としては、アルミナもしくはシ
リカのような担体に担持させた形;ならびに白金黒、パ
ラジウム黒、ロジウム黒のような粉末、およびそれらと
トリフェニルホスフィンとの混合物が挙げられる。白金
化合物としては、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、
白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ケトン錯体、塩化
白金酸とアルコール、たとえば2−エチルヘキシルアル
コールより得られる錯体が挙げられ;パラジウム化合物
およびロジウム化合物としては、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウムおよびテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)ロジウムのような錯体が挙げられ
る。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても差
支えない。(E)成分としては、容易に合成でき、保存
も容易なことから白金化合物が好ましく、塩化白金酸の
アルコール溶液および白金−ビニルシロキサン錯体がと
くに好ましい。
【0032】(E)成分の配合量は触媒量であり、これ
は通常、(イ)成分に対し、(E)成分中に含まれる金
属原子として0.1〜10,000重量ppm に相当す
る。好ましくは1.0〜5,000重量ppm である。
0.1重量ppm 未満では硬化速度が遅く、接着が不均一
である。10,000重量ppm を越えて用いてもそれに
見合う効果はなく、一般にこのような貴金属ないしその
化合物は高価なため、経済的に不利である。
は通常、(イ)成分に対し、(E)成分中に含まれる金
属原子として0.1〜10,000重量ppm に相当す
る。好ましくは1.0〜5,000重量ppm である。
0.1重量ppm 未満では硬化速度が遅く、接着が不均一
である。10,000重量ppm を越えて用いてもそれに
見合う効果はなく、一般にこのような貴金属ないしその
化合物は高価なため、経済的に不利である。
【0033】本発明に用いられる(F)成分は、本発明
のプライマー組成物を均一に溶解させて、作業性よく、
均一で薄いプライマー層を形成するのに寄与する成分で
ある。(F)成分としては、(A)〜(E)成分を均一
に溶解させ、被着体に対する濡れ性が良く、しかも被着
体を溶解したり、被着体に損傷を与えたりせず、かつ適
度の揮発性を有するものが選ばれる。
のプライマー組成物を均一に溶解させて、作業性よく、
均一で薄いプライマー層を形成するのに寄与する成分で
ある。(F)成分としては、(A)〜(E)成分を均一
に溶解させ、被着体に対する濡れ性が良く、しかも被着
体を溶解したり、被着体に損傷を与えたりせず、かつ適
度の揮発性を有するものが選ばれる。
【0034】このような(F)成分としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコールなどのアルコール類;2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール
などのエーテルアルコール類;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;お
よび酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエス
テル類が挙げられる。
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコールなどのアルコール類;2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール
などのエーテルアルコール類;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;お
よび酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエス
テル類が挙げられる。
【0035】(F)成分の配合量は、(A)〜(E)成
分の合計量100重量部に対して250〜3,500重
量部が好ましい。250重量部未満では、接着面におけ
るプライマー層が厚くなって接着性が悪くなり、3,5
00重量部を越えると、被着体への濡れ性が悪くなっ
て、均一な接着性が得られない。
分の合計量100重量部に対して250〜3,500重
量部が好ましい。250重量部未満では、接着面におけ
るプライマー層が厚くなって接着性が悪くなり、3,5
00重量部を越えると、被着体への濡れ性が悪くなっ
て、均一な接着性が得られない。
【0036】本発明のプライマー組成物は、原則とし
て、(A)成分として(1)を用いる場合、(イ)、
(B)、(D)、(E)および一部の(F)成分を均一
に混合して一方の容器に、また(ロ)、(C)および残
余の(F)成分を均一に混合して別の容器に保存してお
き、使用直前に両者を混合して使用することが好まし
い。しかし、(A)〜(F)の全成分を均一に混合し、
30℃以下の低温で保存しても差支えない。また、反応
抑制剤として、3−メチル−1−ブチン−3−オールの
ようなアセチレンアルコール類を添加すれば、全成分を
混合して長期間保存することが可能であり、使用の際
に、溶媒とともに該反応抑制剤を揮散させて、硬化した
プライマー層が得られる。また、(A)成分として
(2)、すなわち(イ)と(ロ)の反応生成物を用いる
と、前述のように構成成分を2個の容器に分けて保存す
る必要がなく、(A)〜(F)の全成分を均一に混合し
て、単一の容器中で長期間保存することが可能な点で、
好ましい。
て、(A)成分として(1)を用いる場合、(イ)、
(B)、(D)、(E)および一部の(F)成分を均一
に混合して一方の容器に、また(ロ)、(C)および残
余の(F)成分を均一に混合して別の容器に保存してお
き、使用直前に両者を混合して使用することが好まし
い。しかし、(A)〜(F)の全成分を均一に混合し、
30℃以下の低温で保存しても差支えない。また、反応
抑制剤として、3−メチル−1−ブチン−3−オールの
ようなアセチレンアルコール類を添加すれば、全成分を
混合して長期間保存することが可能であり、使用の際
に、溶媒とともに該反応抑制剤を揮散させて、硬化した
プライマー層が得られる。また、(A)成分として
(2)、すなわち(イ)と(ロ)の反応生成物を用いる
と、前述のように構成成分を2個の容器に分けて保存す
る必要がなく、(A)〜(F)の全成分を均一に混合し
て、単一の容器中で長期間保存することが可能な点で、
好ましい。
【0037】本発明のプライマー組成物は、はけ塗り、
浸漬など、任意の方法で被着体に塗布し、常温で放置す
ることによって、硬化したプライマー層を形成できる。
その上に、未硬化のシリコーンゴム組成物を射出成形し
て硬化させることにより、インサート成形品や一体成形
品が得られる。
浸漬など、任意の方法で被着体に塗布し、常温で放置す
ることによって、硬化したプライマー層を形成できる。
その上に、未硬化のシリコーンゴム組成物を射出成形し
て硬化させることにより、インサート成形品や一体成形
品が得られる。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、高温または長時間の加
熱を必要とせず、射出成形用の付加反応型液状シリコー
ンゴムと、広範囲のプラスチック、とくに電線被覆に用
いられるポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂などに対し
て優れた接着性を発現しうるプライマー組成物が得られ
る。本発明のプライマー組成物を、射出成形による付加
反応型液状シリコーンゴムと各種プラスチック成形品と
の一体成形、ポリエチレン被覆電線やポリ塩化ビニル被
覆電線を埋め込んだインサート成形の際に、対象となる
該プラスチック成形品や被覆電線に塗布して乾燥させて
プライマー層とし、ついでシリコーンゴムを射出成形し
て硬化させると、良好な接着性を比較的低温、短時間の
加熱で発現する。また、保存安定性に優れ、高温、低温
または高湿度の条件で保存した後も接着性を発現する。
そのうえ、本発明のプライマー組成物は、塗布後の接着
性の持続性に優れている。すなわち、該プライマー組成
物をプラスチック被覆電線などに塗布した後、数日間放
置した後に未硬化のシリコーンゴムを射出成形しても、
良好な接着性を示す。
熱を必要とせず、射出成形用の付加反応型液状シリコー
ンゴムと、広範囲のプラスチック、とくに電線被覆に用
いられるポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂などに対し
て優れた接着性を発現しうるプライマー組成物が得られ
る。本発明のプライマー組成物を、射出成形による付加
反応型液状シリコーンゴムと各種プラスチック成形品と
の一体成形、ポリエチレン被覆電線やポリ塩化ビニル被
覆電線を埋め込んだインサート成形の際に、対象となる
該プラスチック成形品や被覆電線に塗布して乾燥させて
プライマー層とし、ついでシリコーンゴムを射出成形し
て硬化させると、良好な接着性を比較的低温、短時間の
加熱で発現する。また、保存安定性に優れ、高温、低温
または高湿度の条件で保存した後も接着性を発現する。
そのうえ、本発明のプライマー組成物は、塗布後の接着
性の持続性に優れている。すなわち、該プライマー組成
物をプラスチック被覆電線などに塗布した後、数日間放
置した後に未硬化のシリコーンゴムを射出成形しても、
良好な接着性を示す。
【0039】したがって、本発明のプライマー組成物を
用いて、低い前処理温度および射出成形温度、ならびに
短い射出成形サイクルによって、プラスチックと一体成
形したシリコーンゴム部品や、電線を埋め込んだシリコ
ーンゴム部品が得られる。また、このようなシリコーン
ゴム部品の製造方法の合理化ができる。
用いて、低い前処理温度および射出成形温度、ならびに
短い射出成形サイクルによって、プラスチックと一体成
形したシリコーンゴム部品や、電線を埋め込んだシリコ
ーンゴム部品が得られる。また、このようなシリコーン
ゴム部品の製造方法の合理化ができる。
【0040】一方、本発明のプライマー組成物は、ガラ
スや金属に対しても優れた接着性を示し、これらを用い
るシリコーンゴム一体成形品の製造にも有用である。
スや金属に対しても優れた接着性を示し、これらを用い
るシリコーンゴム一体成形品の製造にも有用である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
さらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によ
って制限されるものではない。以下の実施例および比較
例において、部はすべて重量部を表す。
さらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によ
って制限されるものではない。以下の実施例および比較
例において、部はすべて重量部を表す。
【0042】実施例1〜3、比較例1〜5 表1に示す配合比により、前記の成分(イ)、(ロ)お
よび(B)〜(F)を配合した実施例1〜3のプライマ
ー組成物を調製した。すなわち、トルエンとイソプロピ
ルアルコールの混合溶媒に、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ポ
リメチルハイドロジェンシロキサン、チタン酸テトラ−
n−ブチルおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを溶解させ、均一になるまで混合した。ここに
用いたポリメチルハイドロジェンシロキサンは、末端が
トリメチルシロキシ基で閉塞され、70モル%のメチル
ハイドロジェンシロキシ単位と30モル%のジメチルシ
ロキシ単位からなり、25℃における粘度が20cSt の
直鎖状ポリメチルハイドロジェンシロキサンである。つ
いで、2重量%の白金原子を含む塩化白金酸イソプロピ
ルアルコール溶液を添加し、均一になるまで混合して、
プライマー組成物試料とした。
よび(B)〜(F)を配合した実施例1〜3のプライマ
ー組成物を調製した。すなわち、トルエンとイソプロピ
ルアルコールの混合溶媒に、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ポ
リメチルハイドロジェンシロキサン、チタン酸テトラ−
n−ブチルおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランを溶解させ、均一になるまで混合した。ここに
用いたポリメチルハイドロジェンシロキサンは、末端が
トリメチルシロキシ基で閉塞され、70モル%のメチル
ハイドロジェンシロキシ単位と30モル%のジメチルシ
ロキシ単位からなり、25℃における粘度が20cSt の
直鎖状ポリメチルハイドロジェンシロキサンである。つ
いで、2重量%の白金原子を含む塩化白金酸イソプロピ
ルアルコール溶液を添加し、均一になるまで混合して、
プライマー組成物試料とした。
【0043】上記に準じて、比較のために、(イ)、
(ロ)、または(B)〜(D)のうちいずれか1種の成
分を配合しない比較例1〜5のプライマー組成物を調製
した。なお、(ロ)成分を配合しない比較例3において
は、(E)成分も配合しなかった。
(ロ)、または(B)〜(D)のうちいずれか1種の成
分を配合しない比較例1〜5のプライマー組成物を調製
した。なお、(ロ)成分を配合しない比較例3において
は、(E)成分も配合しなかった。
【0044】
【表1】
【0045】これらの実施例および比較例で得られたプ
ライマー試料について、次の試験例1〜6によって試験
片を作成し、接着性の評価を行った。
ライマー試料について、次の試験例1〜6によって試験
片を作成し、接着性の評価を行った。
【0046】試験例1 ポリ塩化ビニル被覆銅線に、実施例1〜3および比較例
1〜5によって調製した試料をそれぞれ塗布し、常温で
30分間放置して乾燥させた。このポリ塩化ビニル被覆
銅線を射出成形の型にセットして、それを埋め込むよう
に、付加反応型液状シリコーンゴムTLM1405、T
LM1025およびTLM1515(いずれも東芝シリ
コーン(株)商品名)を用いてインサート射出成形を行
った。なお、これらの液状シリコーンゴムは、いずれも
未硬化の状態では、構成成分を2個の容器に分けて貯蔵
されるものである。2個の容器の内容を射出成形機のそ
れぞれの原料槽に仕込み、ミキシングノズルに供給し、
そこで均一に混合して、130℃、60秒サイクルの条
件で射出して硬化させた。このようにして作製した電線
埋込みシリコーンゴム射出成形品を、室温に戻し、被覆
電線とシリコーンゴムとの間を手ではがして、その接着
性を調べた。その結果2を表2に示す。
1〜5によって調製した試料をそれぞれ塗布し、常温で
30分間放置して乾燥させた。このポリ塩化ビニル被覆
銅線を射出成形の型にセットして、それを埋め込むよう
に、付加反応型液状シリコーンゴムTLM1405、T
LM1025およびTLM1515(いずれも東芝シリ
コーン(株)商品名)を用いてインサート射出成形を行
った。なお、これらの液状シリコーンゴムは、いずれも
未硬化の状態では、構成成分を2個の容器に分けて貯蔵
されるものである。2個の容器の内容を射出成形機のそ
れぞれの原料槽に仕込み、ミキシングノズルに供給し、
そこで均一に混合して、130℃、60秒サイクルの条
件で射出して硬化させた。このようにして作製した電線
埋込みシリコーンゴム射出成形品を、室温に戻し、被覆
電線とシリコーンゴムとの間を手ではがして、その接着
性を調べた。その結果2を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】試験例2 プライマー組成物の保存安定性を評価した。すなわち、
実施例1〜3および比較例1〜5によって調製した各試
料を、それぞれ密栓して3日〜1年保存したものについ
て、付加反応型液状シリコーンゴムとしてTLM140
5を用い、試験例1と同様にしてポリ塩化ビニル被覆銅
線を埋込んだシリコーンゴム射出成形品を作製し、試験
例1と同様の方法によって接着性を調べた。その結果を
表3に示す。
実施例1〜3および比較例1〜5によって調製した各試
料を、それぞれ密栓して3日〜1年保存したものについ
て、付加反応型液状シリコーンゴムとしてTLM140
5を用い、試験例1と同様にしてポリ塩化ビニル被覆銅
線を埋込んだシリコーンゴム射出成形品を作製し、試験
例1と同様の方法によって接着性を調べた。その結果を
表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】試験例3〜5 付加反応型液状シリコーンゴムとしてTLM1405を
用い、試験例1と同様にして電線埋込みシリコーンゴム
射出成形品を作製し、表4に示すそれぞれの条件で放置
したのち、試験例1と同様にして試験片の接着性を調べ
ることにより、プライマーの耐熱性(試験例3)、耐寒
性(試験例4)および耐湿性(試験例5)を評価した。
その結果を表4に示す。
用い、試験例1と同様にして電線埋込みシリコーンゴム
射出成形品を作製し、表4に示すそれぞれの条件で放置
したのち、試験例1と同様にして試験片の接着性を調べ
ることにより、プライマーの耐熱性(試験例3)、耐寒
性(試験例4)および耐湿性(試験例5)を評価した。
その結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】表2〜4から明らかなように、本発明のプ
ライマー組成物は、低温、短時間の射出成形条件で用い
て、付加反応型液状シリコーンゴムとポリ塩化ビニル被
覆銅線との間に優れた接着性を示し、保存安定性、耐熱
性、耐寒性および耐湿性に優れている。
ライマー組成物は、低温、短時間の射出成形条件で用い
て、付加反応型液状シリコーンゴムとポリ塩化ビニル被
覆銅線との間に優れた接着性を示し、保存安定性、耐熱
性、耐寒性および耐湿性に優れている。
【0053】試験例6 プライマー組成物の塗布後の接着力の持続性を評価し
た。すなわち、実施例1〜3および比較例1〜5によっ
て調製した各試料を、それぞれポリ塩化ビニル被覆銅線
に塗布して1日〜30日放置したものを供試体とし、付
加反応型液状シリコーンゴムとしてTLM1405を用
い、試験例1と同様にしてポリ塩化ビニル被覆銅線を埋
込んだシリコーンゴム射出成形品を作製して、試験例1
と同様の方法によって接着性を測定した。その結果を表
5に示す。
た。すなわち、実施例1〜3および比較例1〜5によっ
て調製した各試料を、それぞれポリ塩化ビニル被覆銅線
に塗布して1日〜30日放置したものを供試体とし、付
加反応型液状シリコーンゴムとしてTLM1405を用
い、試験例1と同様にしてポリ塩化ビニル被覆銅線を埋
込んだシリコーンゴム射出成形品を作製して、試験例1
と同様の方法によって接着性を測定した。その結果を表
5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】実施例4〜6、比較例6〜8 表6に示す配合比により、前記の成分(イ)と(ロ)と
の反応生成物および(B)〜(F)を配合した実施例4
〜6のプライマー組成物を調製した。すなわち、3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、
実施例1〜3に用いたのと同様のポリメチルハイドロジ
ェンシロキサン1.0部とを混合し、これに2重量%の
白金原子を含む塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液
0.2部を添加して、温度50〜60℃で2時間反応さ
せて、反応生成物A−1を得た。同じ原料から、配合量
を変えた以外は同様にして、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン2.0部とポリメチルハイドロジ
ェンシロキサン1.0部から反応生成物A−2を、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5部と
ポリメチルハイドロジェンシロキサン0.5部から反応
生成物A−3をそれぞれ得た。このA−1〜A−3を、
トルエンとイソプロピルアルコールの混合溶媒にそれぞ
れ溶解させ、さらにビニルトリエトキシシラン、チタン
酸テトラ−n−ブチルおよび3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランを溶解させ、均一になるまで混合し
た。ついで、2重量%の白金原子を含む塩化白金酸イソ
プロピルアルコール溶液を添加し、均一になるまで混合
して、プライマー組成物試料とした。
の反応生成物および(B)〜(F)を配合した実施例4
〜6のプライマー組成物を調製した。すなわち、3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、
実施例1〜3に用いたのと同様のポリメチルハイドロジ
ェンシロキサン1.0部とを混合し、これに2重量%の
白金原子を含む塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液
0.2部を添加して、温度50〜60℃で2時間反応さ
せて、反応生成物A−1を得た。同じ原料から、配合量
を変えた以外は同様にして、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン2.0部とポリメチルハイドロジ
ェンシロキサン1.0部から反応生成物A−2を、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5部と
ポリメチルハイドロジェンシロキサン0.5部から反応
生成物A−3をそれぞれ得た。このA−1〜A−3を、
トルエンとイソプロピルアルコールの混合溶媒にそれぞ
れ溶解させ、さらにビニルトリエトキシシラン、チタン
酸テトラ−n−ブチルおよび3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランを溶解させ、均一になるまで混合し
た。ついで、2重量%の白金原子を含む塩化白金酸イソ
プロピルアルコール溶液を添加し、均一になるまで混合
して、プライマー組成物試料とした。
【0056】上記に準じて、比較のために、(B)〜
(D)のいずれか1種を配合しない比較例6〜9のプラ
イマー組成物を調製した。
(D)のいずれか1種を配合しない比較例6〜9のプラ
イマー組成物を調製した。
【0057】
【表6】
【0058】これらの実施例および比較例で得られたプ
ライマー試料について、次の試験例7〜12によって試
験片を作成し、接着性の評価を行った。その結果を表7
〜10に示す。
ライマー試料について、次の試験例7〜12によって試
験片を作成し、接着性の評価を行った。その結果を表7
〜10に示す。
【0059】試験例7〜12 それぞれ試験例1〜6と同様の電線埋込みシリコーンゴ
ム射出成形品を作製し、試験例1〜6と同様の方法によ
って、プライマー組成物の接着性(試験例7、表7)、
保存安定性(試験例8、表8)、耐熱性(試験例9)、
耐寒性(試験例10)、耐湿性(試験例11、以上表
9)および塗布後の接着力の持続性(試験例12、表1
0)を評価した。
ム射出成形品を作製し、試験例1〜6と同様の方法によ
って、プライマー組成物の接着性(試験例7、表7)、
保存安定性(試験例8、表8)、耐熱性(試験例9)、
耐寒性(試験例10)、耐湿性(試験例11、以上表
9)および塗布後の接着力の持続性(試験例12、表1
0)を評価した。
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【表9】
【0063】
【表10】
【0064】本発明のプライマー組成物は、接着性をは
じめ、プライマーに必要な各種の性質が優れている。と
くに、表5および表10から明らかなように、本発明の
プライマー組成物は、被着体に塗布後、長期間放置した
後に塗布表面に射出成形を行う際にも、良好な接着性を
持続しているので、工程管理の自由度を増し、工程の合
理化に寄与する。
じめ、プライマーに必要な各種の性質が優れている。と
くに、表5および表10から明らかなように、本発明の
プライマー組成物は、被着体に塗布後、長期間放置した
後に塗布表面に射出成形を行う際にも、良好な接着性を
持続しているので、工程管理の自由度を増し、工程の合
理化に寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 183/05 PMT
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)(1)(イ)一般式: 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し;R2 は
置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Q1 は炭
素数1〜6の2価の炭化水素基を表す)で示される(メ
タ)アクリロイル基含有シラン化合物;および (ロ)一般式:R3 aHb SiO(4-a-b)/2 (式中、R3
は置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;aは
0、1または2であり;bは1または2であり;a+b
は1、2または3である)で示される単位を分子中に少
なくとも1個有し、かつケイ素原子に結合した水素原子
を分子中に少なくとも2個有するポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン;および/または (2)(イ)と(ロ)の反応生成物; (B)ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子中に少
なくとも1個有する、分子量5,000以下の有機ケイ
素化合物; (C)チタン酸エステル、その部分加水分解縮合物、チ
タンキレート化合物、アルミニウムアルコキシド、その
部分加水分解縮合物、アルミニウムキレート化合物およ
び鉄の有機酸塩の1種または2種以上の化合物; (D)エポキシ化合物; (E)白金系、パラジウム系またはロジウム系触媒、
(イ)成分に対して、白金、パラジウムまたはロジウム
原子に換算して0.1〜10,000ppm となる量;な
らびに (F)有機溶媒;を含むことを特徴とする射出成形用プ
ライマー組成物。 - 【請求項2】 (A)が(2)である請求項1記載の射
出成形用プライマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP588894A JPH07207231A (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | 射出成形用プライマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP588894A JPH07207231A (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | 射出成形用プライマー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07207231A true JPH07207231A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11623439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP588894A Withdrawn JPH07207231A (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | 射出成形用プライマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07207231A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10506144A (ja) * | 1994-09-27 | 1998-06-16 | メタルゲゼルシャフト・アクチエンゲゼルシャフト | ケイ素含有基体を処理するための混合物 |
JPH11106661A (ja) * | 1997-10-02 | 1999-04-20 | Toshiba Silicone Co Ltd | 接着性ポリオルガノシロキサン組成物 |
JP2008179694A (ja) * | 2007-01-24 | 2008-08-07 | Momentive Performance Materials Japan Kk | プライマー組成物及びそれを用いた光半導体装置 |
JP2010116490A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Toppan Printing Co Ltd | 塗布用アンカーコート剤 |
JP2012092167A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 剥離紙又は剥離フィルム用下塗りシリコーンエマルジョン組成物、並びに処理紙又は処理フィルム |
JP2013244652A (ja) * | 2012-05-25 | 2013-12-09 | Toa Tec Kk | シリコーンゴムとポリプロピレンとから成る成型体、及びその成型体の製造方法、並びにシリコーンゴムとポリプロピレンとから成る食器具の製造方法 |
-
1994
- 1994-01-24 JP JP588894A patent/JPH07207231A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10506144A (ja) * | 1994-09-27 | 1998-06-16 | メタルゲゼルシャフト・アクチエンゲゼルシャフト | ケイ素含有基体を処理するための混合物 |
JPH11106661A (ja) * | 1997-10-02 | 1999-04-20 | Toshiba Silicone Co Ltd | 接着性ポリオルガノシロキサン組成物 |
JP2008179694A (ja) * | 2007-01-24 | 2008-08-07 | Momentive Performance Materials Japan Kk | プライマー組成物及びそれを用いた光半導体装置 |
JP2010116490A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Toppan Printing Co Ltd | 塗布用アンカーコート剤 |
JP2012092167A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | 剥離紙又は剥離フィルム用下塗りシリコーンエマルジョン組成物、並びに処理紙又は処理フィルム |
JP2013244652A (ja) * | 2012-05-25 | 2013-12-09 | Toa Tec Kk | シリコーンゴムとポリプロピレンとから成る成型体、及びその成型体の製造方法、並びにシリコーンゴムとポリプロピレンとから成る食器具の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010403 |