JPH07205241A - 溶融材料流動解析による成形品の品質判断方法 - Google Patents
溶融材料流動解析による成形品の品質判断方法Info
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- JPH07205241A JPH07205241A JP25010991A JP25010991A JPH07205241A JP H07205241 A JPH07205241 A JP H07205241A JP 25010991 A JP25010991 A JP 25010991A JP 25010991 A JP25010991 A JP 25010991A JP H07205241 A JPH07205241 A JP H07205241A
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- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/76—Measuring, controlling or regulating
- B29C45/7693—Measuring, controlling or regulating using rheological models of the material in the mould, e.g. finite elements method
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高品質の成形品を得る方法を提供する。
【構成】 目的とする成形品の流動解析からウエルドラ
インの流速合流角または会合角を求め,この流速合流角
または会合角と,あらかじめ求めておいたウエルドライ
ンの流速合流角または会合角とウエルド部強度との相関
因子により,成形品の品質を定量的に予測し,また,良
否を判断する。
インの流速合流角または会合角を求め,この流速合流角
または会合角と,あらかじめ求めておいたウエルドライ
ンの流速合流角または会合角とウエルド部強度との相関
因子により,成形品の品質を定量的に予測し,また,良
否を判断する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば射出成形品等の
ように溶融材料で成形した成形品について,成形時にで
きるウェルドラインの発生状態を考慮した溶融材料流動
解析によって品質を予測判断したり良否を判断する方法
に関するものである。本発明では,成形品に発生する成
形不良現象の中で特にウェルドラインの強度低下を,コ
ンピュータを使用したシミュレーションによって定量的
に予測し,成形条件,製品形状,金型設計の変更をあら
かじめ具体化することができるようにし,その結果,高
品質の成形品を得ることができるようにすることができ
る。
ように溶融材料で成形した成形品について,成形時にで
きるウェルドラインの発生状態を考慮した溶融材料流動
解析によって品質を予測判断したり良否を判断する方法
に関するものである。本発明では,成形品に発生する成
形不良現象の中で特にウェルドラインの強度低下を,コ
ンピュータを使用したシミュレーションによって定量的
に予測し,成形条件,製品形状,金型設計の変更をあら
かじめ具体化することができるようにし,その結果,高
品質の成形品を得ることができるようにすることができ
る。
【0002】
【従来の技術】現在,プラスチック分野において,その
製品開発・材料開発を進めていくうえでCAE手法は非
常に重要な位置を占めるようになっている。従来,プラ
スチックCAEといえば射出成形における金型内樹脂流
動解析がほとんどであったが,最近では射出成形品の収
縮・反り解析,成形品不良現象の特性解析,ブロー・押
出し解析への適用,さらに,成形機制御への応用という
ように,その内容も高度化・多様化している。この中で
射出成形について見ると,成形品の不良現象をCAEに
より設計の段階で予測し最適な対策を行うことは,試作
回数の低減・開発期間の短縮によるコストの低減を実現
する。射出成形における不良現象としては,外観不良・
寸法精度・強度低下等があり,これらを理論的に説明
し,CAEにより定量的に表すことができれば,成形条
件・製品形状・金型設計の変更等の対策も具体的なもの
となる。成形品の反り現象については,最近各社でCA
Eからのアプローチが進んでおり,その実用化もまもな
くであろうが,今後はこれをベースとし,他の成形不良
現象へ展開していくことが課題となってくるであろう。
製品開発・材料開発を進めていくうえでCAE手法は非
常に重要な位置を占めるようになっている。従来,プラ
スチックCAEといえば射出成形における金型内樹脂流
動解析がほとんどであったが,最近では射出成形品の収
縮・反り解析,成形品不良現象の特性解析,ブロー・押
出し解析への適用,さらに,成形機制御への応用という
ように,その内容も高度化・多様化している。この中で
射出成形について見ると,成形品の不良現象をCAEに
より設計の段階で予測し最適な対策を行うことは,試作
回数の低減・開発期間の短縮によるコストの低減を実現
する。射出成形における不良現象としては,外観不良・
寸法精度・強度低下等があり,これらを理論的に説明
し,CAEにより定量的に表すことができれば,成形条
件・製品形状・金型設計の変更等の対策も具体的なもの
となる。成形品の反り現象については,最近各社でCA
Eからのアプローチが進んでおり,その実用化もまもな
くであろうが,今後はこれをベースとし,他の成形不良
現象へ展開していくことが課題となってくるであろう。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】例えば,射出成形品
の成形不良現象に対して対策を施す場合,従来より,流
動解析の結果をノウハウにより行っていたので,充分で
はなかった。特に,不良現象の中でも著しい外観不良・
強度低下をもたらすウェルド部の特性は,その形成過程
により一様に決定することができず,ウェルド部の強度
を定量的に予測することは不可能であった。
の成形不良現象に対して対策を施す場合,従来より,流
動解析の結果をノウハウにより行っていたので,充分で
はなかった。特に,不良現象の中でも著しい外観不良・
強度低下をもたらすウェルド部の特性は,その形成過程
により一様に決定することができず,ウェルド部の強度
を定量的に予測することは不可能であった。
【0004】ウェルド部の特性を左右する最大の因子は
ライン部の溶着度であり,これは樹脂流動過程における
圧力・温度の履歴により決定される。しかし,2つの流
れが直角にぶつかり,そこで流動が停止するような完全
ぶつかりウェルドに対してこれは有効であり,これまで
も種々検討されてきたが,一般の成形品に多くみられる
ように,流れが合流した後も並走を続けるウェルドライ
ン(メルドライン)では,この他に流動と流動がぶつか
り合う幾何学的条件すなわちウェルドラインの会合角・
流速の合流角が問題になると考えられる。
ライン部の溶着度であり,これは樹脂流動過程における
圧力・温度の履歴により決定される。しかし,2つの流
れが直角にぶつかり,そこで流動が停止するような完全
ぶつかりウェルドに対してこれは有効であり,これまで
も種々検討されてきたが,一般の成形品に多くみられる
ように,流れが合流した後も並走を続けるウェルドライ
ン(メルドライン)では,この他に流動と流動がぶつか
り合う幾何学的条件すなわちウェルドラインの会合角・
流速の合流角が問題になると考えられる。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明では,
CAE解析により求められるウェルドラインの会合角あ
るいは流速の合流角から,ウェルド特性を予測し,成形
品の品質判断を行うようにした。本発明においては,成
形品形状モデルの溶融材料流動解析を行って成形品のウ
ェルドラインの流速合流角または会合角を求め,この流
速合流角または会合角と,あらかじめ求めておいたウェ
ルドラインの流速合流角または会合角とウェルド部強度
との相関因子により,成形品の品質を定量的に予測する
ようにした。
CAE解析により求められるウェルドラインの会合角あ
るいは流速の合流角から,ウェルド特性を予測し,成形
品の品質判断を行うようにした。本発明においては,成
形品形状モデルの溶融材料流動解析を行って成形品のウ
ェルドラインの流速合流角または会合角を求め,この流
速合流角または会合角と,あらかじめ求めておいたウェ
ルドラインの流速合流角または会合角とウェルド部強度
との相関因子により,成形品の品質を定量的に予測する
ようにした。
【0006】また,成形品形状モデルの溶融材料流動解
析を行って成形品のウェルドラインの流速合流角または
会合角を求め,あらかじめ求めておいたウェルドライン
の流速合流角または会合角とウェルド部強度との相関曲
線を基にして設定した合格設定流速合流角または合格設
定会合角と,前記流動解析で求めたウェルドラインの流
速合流角または会合角を比較し,流動解析で求めた流速
合流角が合格設定流動合流角よりも小さいか,流動解析
で求めた会合角が合格設定会合角よりも大きいときに合
格と判断し,流動解析で求めた流速合流角が合格設定流
動合流角よりも大きいか,流動解析で求めた会合角が合
格設定会合角よりも小さいときに不合格と判断するよう
にした。
析を行って成形品のウェルドラインの流速合流角または
会合角を求め,あらかじめ求めておいたウェルドライン
の流速合流角または会合角とウェルド部強度との相関曲
線を基にして設定した合格設定流速合流角または合格設
定会合角と,前記流動解析で求めたウェルドラインの流
速合流角または会合角を比較し,流動解析で求めた流速
合流角が合格設定流動合流角よりも小さいか,流動解析
で求めた会合角が合格設定会合角よりも大きいときに合
格と判断し,流動解析で求めた流速合流角が合格設定流
動合流角よりも大きいか,流動解析で求めた会合角が合
格設定会合角よりも小さいときに不合格と判断するよう
にした。
【0007】
【実施例】つぎに,図面に示した1実施例によって本発
明を詳細に説明する。まず,ウェルドライン会合角およ
び流速の合流角とウェルド強度との相関関係を得るため
のテストピースでの実施例を説明する。なお,ウェルド
ラインの会合角と流速合流角は,つぎのように定義され
る。
明を詳細に説明する。まず,ウェルドライン会合角およ
び流速の合流角とウェルド強度との相関関係を得るため
のテストピースでの実施例を説明する。なお,ウェルド
ラインの会合角と流速合流角は,つぎのように定義され
る。
【0008】ウェルドライン会合角は,図6に示すよう
に,例えば,ゲートとして矢印で示しているように,左
右の2つの異なる方向から溶融樹脂が便宜上波状1で示
すように流れて来て刻々と合流する場合,左右の溶融樹
脂が会合するときにできる角θを言い,この会合角θは
左右の溶融樹脂が進むにつれて大きくなる。流速合流角
は,図7に示すように,例えば矢印で示しているよう
に,左右の2つの異なる方向から溶融樹脂が便宜上波状
1で示すように流れて来て刻々と合流する場合,溶融樹
脂の2つの流れ方向によってできる角αを言い,この流
速合流角αは2つの流れ方向が一定であれば,一定の角
としてあらわれる。なお,図6,図7において,2は左
右の溶融樹脂が合流した部分に直線状にできるウェルド
ライン発生位置である。図7におけるウェルドライン発
生位置1は,左右の溶融樹脂の流速の違いによって,流
速の遅い方に傾く。会合角θと流速合流角αは一般的に
は互いに補角の関係にある。
に,例えば,ゲートとして矢印で示しているように,左
右の2つの異なる方向から溶融樹脂が便宜上波状1で示
すように流れて来て刻々と合流する場合,左右の溶融樹
脂が会合するときにできる角θを言い,この会合角θは
左右の溶融樹脂が進むにつれて大きくなる。流速合流角
は,図7に示すように,例えば矢印で示しているよう
に,左右の2つの異なる方向から溶融樹脂が便宜上波状
1で示すように流れて来て刻々と合流する場合,溶融樹
脂の2つの流れ方向によってできる角αを言い,この流
速合流角αは2つの流れ方向が一定であれば,一定の角
としてあらわれる。なお,図6,図7において,2は左
右の溶融樹脂が合流した部分に直線状にできるウェルド
ライン発生位置である。図7におけるウェルドライン発
生位置1は,左右の溶融樹脂の流速の違いによって,流
速の遅い方に傾く。会合角θと流速合流角αは一般的に
は互いに補角の関係にある。
【0009】本発明においては,図1に示すように,ウ
ェルドライン会合角θまたは流速合流角αと,ウェルド
強度との相関関係をあらかじめ得ておく。そして,成形
しようとしている成形品形状モデルの溶融樹脂流動解析
を行って成形品のウェルドライン会合角θまたは流速合
流角αを求める。そして,この求めた会合角θまたは流
速合流角αと,前記あらかじめ求めておいた相関関係か
ら,ウェルド強度,例えば,曲げ強度を求め,定量的に
予測する。勿論,前記求めた会合角θまたは流速合流角
αを,前記相関関係から設定しておいた合格設定会合角
θ1または合格設定流動合流角α1と比較し,流動解析
で求めた流速合流角αが合格設定流動合流角α1よりも
小さいか,流動解析で求めた会合角θが合格設定会合角
θ1よりも大きいときに合格と判断し,流動解析で求め
た流速合流角α1が合格設定流動合流角α1よりも大き
いか,流動解析で求めた会合角θが合格設定会合角θ1
よりも小さいときに不合格と判断するようにした。
ェルドライン会合角θまたは流速合流角αと,ウェルド
強度との相関関係をあらかじめ得ておく。そして,成形
しようとしている成形品形状モデルの溶融樹脂流動解析
を行って成形品のウェルドライン会合角θまたは流速合
流角αを求める。そして,この求めた会合角θまたは流
速合流角αと,前記あらかじめ求めておいた相関関係か
ら,ウェルド強度,例えば,曲げ強度を求め,定量的に
予測する。勿論,前記求めた会合角θまたは流速合流角
αを,前記相関関係から設定しておいた合格設定会合角
θ1または合格設定流動合流角α1と比較し,流動解析
で求めた流速合流角αが合格設定流動合流角α1よりも
小さいか,流動解析で求めた会合角θが合格設定会合角
θ1よりも大きいときに合格と判断し,流動解析で求め
た流速合流角α1が合格設定流動合流角α1よりも大き
いか,流動解析で求めた会合角θが合格設定会合角θ1
よりも小さいときに不合格と判断するようにした。
【0010】本発明において,ウェルドライン会合角θ
および流速合流角αとウェルド強度との相関関係を得る
ためのテストピースでの実施例を説明する。図4におい
て,3はテストピース品であり,横縦の寸法は図示した
とおりであり,板厚は2mmである。また,テストピー
ス品3の中央部に穴4を形成するように,金型にピンを
設けておく。なお,ゲート形状はフィルムゲートとし
た。射出に用いた材料としては,ガラス繊維30%強化
66ナイロン(宇部興産製UBEナイロン2020GC
6)である。
および流速合流角αとウェルド強度との相関関係を得る
ためのテストピースでの実施例を説明する。図4におい
て,3はテストピース品であり,横縦の寸法は図示した
とおりであり,板厚は2mmである。また,テストピー
ス品3の中央部に穴4を形成するように,金型にピンを
設けておく。なお,ゲート形状はフィルムゲートとし
た。射出に用いた材料としては,ガラス繊維30%強化
66ナイロン(宇部興産製UBEナイロン2020GC
6)である。
【0011】図4に示すテストピース品3につき,射出
率を10,50,100,150cc/secの4種
類,樹脂温度を270,285,300℃の3種類,保
圧圧力を100,400,800kg/cm2の3種類
選定し,それぞれの条件で流動解析と成形実験を行う。
なお,流動解析ソフトとしてMELTFLOW(宇部興
産製)を使用する。金型温度は80℃とした。成形によ
り得られたテストピース品3を,図5に示すように,ウ
ェルド形成開始点から5mm間隔でテストピース5を作
成し,スパン間距離20mmにて,曲げおよび引張り試
験を行う。そして,テストピース位置とウェルド強度と
の関係をプロットする。
率を10,50,100,150cc/secの4種
類,樹脂温度を270,285,300℃の3種類,保
圧圧力を100,400,800kg/cm2の3種類
選定し,それぞれの条件で流動解析と成形実験を行う。
なお,流動解析ソフトとしてMELTFLOW(宇部興
産製)を使用する。金型温度は80℃とした。成形によ
り得られたテストピース品3を,図5に示すように,ウ
ェルド形成開始点から5mm間隔でテストピース5を作
成し,スパン間距離20mmにて,曲げおよび引張り試
験を行う。そして,テストピース位置とウェルド強度と
の関係をプロットする。
【0012】一方,流動解析からは,テストピース位置
とウェルドライン会合角θおよび流速の合流角αとの関
係が算出される。以上の成形実験・強度試験と流動解析
より,例えば,図2(a)〜図2(c)に示す流速合流
角とウェルド強度,この場合は曲げ強度との相関関係が
導き出される。または,例えば,図3に示すウェルドラ
イン会合角とウェルド強度,この場合は曲げ強度との相
関関係が導き出される。図2(a)は射出率,図2
(b)は保圧圧力,図2(c)と図3は樹脂温度の影響
を示す。これらの関係を,樹脂ごとにデータベース化し
ておく。
とウェルドライン会合角θおよび流速の合流角αとの関
係が算出される。以上の成形実験・強度試験と流動解析
より,例えば,図2(a)〜図2(c)に示す流速合流
角とウェルド強度,この場合は曲げ強度との相関関係が
導き出される。または,例えば,図3に示すウェルドラ
イン会合角とウェルド強度,この場合は曲げ強度との相
関関係が導き出される。図2(a)は射出率,図2
(b)は保圧圧力,図2(c)と図3は樹脂温度の影響
を示す。これらの関係を,樹脂ごとにデータベース化し
ておく。
【0013】一方,目的とする製品の流動解析を行い,
それから算出されるウェルドラインの会合角および流速
の合流角から,ウェルド強度を定量的に予測する。その
結果,相応の対策手段が導き出される。すなわち,ウェ
ルドラインの発生位置やウェルドラインの会合角をコン
ピュータ上のシミュレーションで変更することにより,
要求される品質を満足する製品設計を行うことができ
る。また,成形条件,製品形状,金型設計の変更もあら
かじめ具体化することができる。そして,成形樹脂や成
形条件によっても異なるが,例えば,流速合流角αが2
0〜30度以下になるようにすることができる。なお,
流速合流角と曲げ強度との関係は,解析結果と測定結果
はほぼ一致する。
それから算出されるウェルドラインの会合角および流速
の合流角から,ウェルド強度を定量的に予測する。その
結果,相応の対策手段が導き出される。すなわち,ウェ
ルドラインの発生位置やウェルドラインの会合角をコン
ピュータ上のシミュレーションで変更することにより,
要求される品質を満足する製品設計を行うことができ
る。また,成形条件,製品形状,金型設計の変更もあら
かじめ具体化することができる。そして,成形樹脂や成
形条件によっても異なるが,例えば,流速合流角αが2
0〜30度以下になるようにすることができる。なお,
流速合流角と曲げ強度との関係は,解析結果と測定結果
はほぼ一致する。
【0014】図2(a)〜図2(c)および図3に示す
ように,曲げ強度については,ウェルドライン会合角お
よび流速の合流角との間に相関関係が認められる。これ
は,ウェルド形成過程において,金型に接する表層部分
においてはフローフロント到達と同時に固化が起こり,
その時点での状態が保たれるが,内部では固化すること
なく引続き流動が進むためフローフロント到達時の情報
は残されずに全体にわたってほぼ一定の状態となるため
である。すなわち,成形品断面の全範囲の状態が影響し
てくる引張り強度においては,わずかな表層付近の差は
現れにくいが,断面最外層の状態が影響してくる曲げ強
度においてはそれが顕著に現れたためであると考えられ
る。なお,引張試験においては,測定したデータの範囲
内では,引張強度はウェルドラインの会合角や流速合流
角に影響されない。
ように,曲げ強度については,ウェルドライン会合角お
よび流速の合流角との間に相関関係が認められる。これ
は,ウェルド形成過程において,金型に接する表層部分
においてはフローフロント到達と同時に固化が起こり,
その時点での状態が保たれるが,内部では固化すること
なく引続き流動が進むためフローフロント到達時の情報
は残されずに全体にわたってほぼ一定の状態となるため
である。すなわち,成形品断面の全範囲の状態が影響し
てくる引張り強度においては,わずかな表層付近の差は
現れにくいが,断面最外層の状態が影響してくる曲げ強
度においてはそれが顕著に現れたためであると考えられ
る。なお,引張試験においては,測定したデータの範囲
内では,引張強度はウェルドラインの会合角や流速合流
角に影響されない。
【0015】ウェルド強度に対するウェルドライン会合
角と流速合流角の相関度をみてみると,両者とも角度
(ウェルドライン会合角では150deg,流速の合流
角では30deg付近)までは一定の低いレベルを保
ち,その後急激に材料本来の強度まで上昇するという形
態を示しており,特に際だった有意差は認められない。
したがって,ウェルド特性を評価する場合は,ウェルド
ライン会合角・流速合流角の両因子が使用可能である。
角と流速合流角の相関度をみてみると,両者とも角度
(ウェルドライン会合角では150deg,流速の合流
角では30deg付近)までは一定の低いレベルを保
ち,その後急激に材料本来の強度まで上昇するという形
態を示しており,特に際だった有意差は認められない。
したがって,ウェルド特性を評価する場合は,ウェルド
ライン会合角・流速合流角の両因子が使用可能である。
【0016】各成形条件とウェルド強度との相関は,射
出率・樹脂温度いずれも高いレベルにあるほど曲げ強度
が高くなる傾向を示している。これは,流動時の温度・
圧力の上昇によりウェルド部の溶着度が増したためであ
ると考えられる。保圧圧力については3水準でほぼ同レ
ベルにあり,ウェルド部の曲げ強度は樹脂の流動過程で
決定されるといえる。
出率・樹脂温度いずれも高いレベルにあるほど曲げ強度
が高くなる傾向を示している。これは,流動時の温度・
圧力の上昇によりウェルド部の溶着度が増したためであ
ると考えられる。保圧圧力については3水準でほぼ同レ
ベルにあり,ウェルド部の曲げ強度は樹脂の流動過程で
決定されるといえる。
【0017】なお,以上は,ウェルドライン会合角また
は流動合流角とウェルド部の曲げ強度との間の相関関係
を主に見てきたが,CAEによりウェルド特性を評価す
る場合,入力データである成形条件に対してウエウルド
ラインの情報は,温度・圧力・流速・ウェルドライン会
合角あるいは流速の合流角という形で出力される。した
がって,会合角以外の情報も考慮しようとする場合は,
次式のようにしてウェルド特性の予測が可能である。 W= a1F(ウェルドライン会合角あるいは流速合流
角)+a2F(温度)+a3F(圧力)+a4F(流
速) ここで,Wはウェルド部の特性を示す定量値,Fは各因
子の関数,a1は係数であり,これらはあらかじめ実験
解析とCAE解析により求められる。
は流動合流角とウェルド部の曲げ強度との間の相関関係
を主に見てきたが,CAEによりウェルド特性を評価す
る場合,入力データである成形条件に対してウエウルド
ラインの情報は,温度・圧力・流速・ウェルドライン会
合角あるいは流速の合流角という形で出力される。した
がって,会合角以外の情報も考慮しようとする場合は,
次式のようにしてウェルド特性の予測が可能である。 W= a1F(ウェルドライン会合角あるいは流速合流
角)+a2F(温度)+a3F(圧力)+a4F(流
速) ここで,Wはウェルド部の特性を示す定量値,Fは各因
子の関数,a1は係数であり,これらはあらかじめ実験
解析とCAE解析により求められる。
【0018】
【発明の効果】本発明においては,特許請求の範囲に記
載したようにしたので,目的とする製品の流動解析を行
い,それから算出されるウェルドラインの会合角および
流速の合流角から,ウェルド強度を定量的に予測する。
その結果,相応の対策手段が導き出される。すなわち,
ウェルドライン発生位置やウェルドラインの会合角をコ
ンピュータ上のシミュレーションで変更することによ
り,要求される品質を満足する製品設計を行うことがで
きる。また,成形条件,製品形状,金型設計の変更もあ
らかじめ具体化することができる。また,流動解析で求
めた流速合流角や会合角の大きさによって合否を判断す
ることができる。
載したようにしたので,目的とする製品の流動解析を行
い,それから算出されるウェルドラインの会合角および
流速の合流角から,ウェルド強度を定量的に予測する。
その結果,相応の対策手段が導き出される。すなわち,
ウェルドライン発生位置やウェルドラインの会合角をコ
ンピュータ上のシミュレーションで変更することによ
り,要求される品質を満足する製品設計を行うことがで
きる。また,成形条件,製品形状,金型設計の変更もあ
らかじめ具体化することができる。また,流動解析で求
めた流速合流角や会合角の大きさによって合否を判断す
ることができる。
【図1】本発明の1実施例を示すブロック線図である。
【図2(a)〜図2(c)】流速の合流角と曲げ強度の
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
【図3】ウェルドライン会合角と曲げ強度の関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図4】本発明の1実施例として用いたテストピースの
形状を示す平面図である。
形状を示す平面図である。
【図5】テストピースによる物性測定条件を示す平面図
である。
である。
【図6】ウェルドライン会合角の定義を示す説明図であ
る。
る。
【図7】流速合流角の定義を示す説明図である。
θ ウェルドライン会合角 α 流速合流角 1 波状 2 ウェルドライン発生位置 3 テストピース品 4 穴 5 テストピース
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 溶融材料流動解析による成形品の品質
判断方法
判断方法
Claims (2)
- 【請求項1】 成形品形状モデルの溶融材料流動解析を
行って成形品のウェルドラインの流速合流角または会合
角を求め,この流速合流角または会合角と,あらかじめ
求めておいたウェルドラインの流速合流角または会合角
とウェルド部強度との相関因子により,成形品の品質を
定量的に予測するようにした溶融材料流動解析による成
形品の品質判断方法。 - 【請求項2】 成形品形状モデルの溶融材料流動解析を
行って成形品のウェルドラインの流速合流角または会合
角を求め,あらかじめ求めておいたウェルドラインの流
速合流角または会合角とウェルド部強度との相関曲線を
基にして設定した合格設定流速合流角または合格設定会
合角と,前記流動解析で求めたウェルドラインの流速合
流角または会合角を比較し,流動解析で求めた流速合流
角が合格設定流動合流角よりも小さいか,流動解析で求
めた会合角が合格設定会合角よりも大きいときに合格と
判断し,流動解析で求めた流速合流角が合格設定流動合
流角よりも大きいか,流動解析で求めた会合角が合格設
定会合角よりも小さいときに不合格と判断するようにし
た溶融材料流動解析による成形品の品質判断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3250109A JP2882122B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 溶融材料流動解析による成形品の品質判断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3250109A JP2882122B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 溶融材料流動解析による成形品の品質判断方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07205241A true JPH07205241A (ja) | 1995-08-08 |
JP2882122B2 JP2882122B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=17202961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3250109A Expired - Lifetime JP2882122B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 溶融材料流動解析による成形品の品質判断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2882122B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10128818A (ja) * | 1996-11-01 | 1998-05-19 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 成形品のウェルドライン長さ予測方法 |
JP2005169909A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-30 | Fujitsu Ten Ltd | 樹脂成形品衝撃解析方法 |
JP2005313640A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-10 | Borgwarner Inc | 改良されたファンリングの溶着線強度を有するプラスチックファン |
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FR2950660A1 (fr) * | 2009-09-29 | 2011-04-01 | Valeo Systemes Thermiques | Helice, dispositif de refroidissement moteur comprenant une telle helice, procede et moule de fabrication de ladite helice |
-
1991
- 1991-06-26 JP JP3250109A patent/JP2882122B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (10)
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EP1612023A3 (en) * | 2004-04-26 | 2006-01-18 | Borg Warner Inc. | Molded plastic fans having improved fan ring weld line strength |
US7168922B2 (en) | 2004-04-26 | 2007-01-30 | Borgwarner Inc. | Plastic fans having improved fan ring weld line strength |
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WO2011039173A3 (fr) * | 2009-09-29 | 2011-07-28 | Valeo Systemes Thermiques | Helice, dispositif de refroidissement moteur comprenant une telle helice et moule de fabrication de ladite helice |
US9790954B2 (en) | 2009-09-29 | 2017-10-17 | Valeo Systemes Thermiques | Propeller, engine cooling device comprising such a propeller, and mould for producing said propeller |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2882122B2 (ja) | 1999-04-12 |
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