JPH0720477U

JPH0720477U - 弁座不要の円筒形弁

Info

Publication number: JPH0720477U
Application number: JP5761393U
Authority: JP
Inventors: 三郎半田
Original assignee: 三郎半田
Priority date: 1993-09-21
Filing date: 1993-09-21
Publication date: 1995-04-11

Abstract

(57)【要約】【目的】弁の主要部をすべて円筒形とし、気密部を形
成する金属接触部を廃止し、かつ全体の構造を単純化し
て、製造が容易でしかも高精度の気密が得られるように
するとともに、従来困難であったところの、弁を取付け
たままでの弁の補修や部品の取換えが容易にできるよう
にする。【構成】弁箱を円筒形とし、内部に２組のパッキング
を間隔を取って取付け、これに端部開口と円周表面開
口、およびこれらの二つの開口を繋ぐ流路を内部に設け
た円筒状弁体を挿入し、弁体を弁箱中で左右に動かして
円周表面開口を２組のパッキングの間または外側に位置
させることによって、パッキングの間に位置させた弁箱
壁の開口と弁体の端部開口の間の流路の開閉を行なう。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製造及び補修の容易な弁に関するものであり、詳しくは弁体を円形断面の棒状のものとしてこの内部に片側端面開口から外表面開口に続く流体の通路を形成し、これを互いに離れた２組のパッキングを内面に有する円筒状の弁箱に挿入し、弁体を左右に移動させて外表面開口を２組のパッキングの間に位置させるか、またはそれらの外側に位置させることによって、流体通路を開または閉にする装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、仕切弁または玉形弁を主に使用していたが、これらはいずれも弁箱またはシートリングに形成された弁座と、弁体に形成された弁座を密着させて気密を保つものであり、密着部分の材料が両方とも金属であるために耐磨耗の高硬度の材料と精密な加工を必要とし、また形状が複雑で寸法が大きくなるため生産コストも大きく、さらに弁座が磨耗した場合の修理が困難であった。またボール弁においては金属の弁座は使用しないが、構造上から低圧ラインのみに使用が限定され、またパッキングが磨耗または破損した場合や弁体が腐食または磨耗した場合は、使用現場で修理するのは困難であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べた方法では、仕切弁または玉形弁においては金属の平面弁座を使用するために構造及び加工が複雑で気密を保つのが難しく、また寸法も大きくなり、したがって生産コストも大きく、またボール弁においては工作に特殊な設備を必要とするほか、構造上使用は低圧ラインに限られていた。また実際に弁を使用している間に、弁座やパッキングの磨耗や傷などによって規定を超える洩れが発生した場合、いずれの弁でも弁を使用位置に取付けておいたまま弁体や弁座の補修を行なうのは困難であるために新品の弁と交換しなければならない場合が多く、そのために運転を長時間停止しなければならないことは、大きい問題であった。

【０００４】本考案は、従来の技術の有するこのような問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、弁を単純で加工の容易な形状のものに変えることによって、安価で気密性の良い、かつ使用現場において、弁が取付けられたままの状態で洩れや腐食に対して、容易にパッキングや弁体の交換や補修を行なうことができる弁を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記に示す目的を達成するために、本考案における弁座不要の円筒形弁は弁箱（１）の内面を大小二つの直径の丸穴に加工し、大径部分にはパッキング（９）と（１０）およびこの二つのパッキング間の距離を保つためのスペーサ（１１）を挿入する。スペーサには弁を開いた場合に流体の通路となる穴（１２）を開ける。弁体（４）はパッキング（９）と（１０）の内面に合わせて外表面を滑らかに仕上げた硬質材の円形断面のもので、片方の端面から弁体の中間の位置まで穴（５）を開け、この穴の末端に近い位置にこれと通じる半径方向の穴（６）を開け、他端はねじ棒（７）とし、この弁体（４）を、スペーサ（１１）を挟んだパッキング（９）と（１０）に挿入し、ねじ棒（７）にボンネット（１３）のねじ部（１４）を嵌合させ、ハンドル（８）を取付け、フランジ（１５）とフランジ（３）をボルト（１７）で締めてパッキング（９）と（１０）を押える。ハンドル（８）を回して弁体（４）を移動し、穴（６）を管台（２）の位置に合わせれば、流体はスペーサ（１１）の穴（１２）を通じて流れ、また穴（６）をパッキング（９）の外側に位置させれば、流路は閉鎖されて流れが遮断される。

【０００６】さらに、弁を使用している状態で、パッキングや弁体（４）の磨耗、傷または腐食などによって規定を超える洩れが発生した場合や、その他の不都合が生じた場合には、ボルト（１７）を抜いて使用位置に固定したままの弁箱（１）からボンネット（１３）、弁体（４）、スペーサ（１１）、およびパッキング（９）と（１０）を取外して補修することができる。

【０００７】

【作用】

ハンドル（８）を回して、弁体（４）の円筒部とねじ棒（７）の角部がボンネット（１３）の内面に接触するところまで弁体（４）を移動すれば、管台（２）と穴（１２）と穴（６）が通じて流路が形成されて、流体が開口（１８）と開口（１９）の間を流れ、ハンドル（８）を回してその端面がボンネット（１３）の外面に接触して止まるところまで弁体（４）を移動すれば、穴（６）はパッキング（９）と（１０）から外れた位置となり、弁体（４）の中実円筒部とパッキング（９）と（１０）によって流路が閉鎖され流れが遮断される。

【０００８】弁を使用位置に取付けたまま弁体やパッキングの補修や交換をする場合は、弁箱（１）を使用位置に固定したままボンネット（１３）を取外し、弁体（４）、パッキング（９）と（１０）およびスペーサ（１１）を必要に応じて取外して補修することができる。補修が終了した場合は、通常の工具で容易にもとの状態に組立てることができる。

【０００９】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。図１において、弁箱（１）の内面を２段直径の丸穴に仕上げ、大径部に、十分な面積を持つ複数の穴が壁面に開いたリング状のスペーサ（１１）を挟んで２組のパッキング（９）と（１０）を挿入する。弁体はパッキングの寸法に適した直径で、かつ弁箱内面の小径部より僅かに小さい直径のものとし、表面を滑らかに仕上げ、軸方向には呼び径に合わせた穴（５）を所用の深さに開け、この穴の末端近くに、合計断面積が穴（５）の断面積に見合った複数の穴（６）を半径方向に開けたもので、これをパッキングを組付けた弁箱（１）に挿入し、ボンネット（１３）をボルト（１７）によって弁箱のフランジ（１５）に取り付け、パッキング（９）と（１０）を十分に締付けて開口（１９）とボンネット（１３）の間の、および閉じた状態における開口（１８）と開口（１９）の間の気密を保つ。図１は弁を開いた状態、図２は弁を閉じた状態を示す。

【００１０】図３は、この弁を配管中のドレン排出用に使用している状態を示す。

【００１１】図４は、配管に弁箱を固定したままで弁のボンネットを取外し、弁体、パッキングおよびスペーサを取出した状態を示す。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係わる弁座不要の円筒形弁は、従来仕切弁や玉形弁に必要とされた弁座と、そのための付属品や付属作業がなくなり、またボール弁におけるような製作のための特殊設備は不要であり、かつほとんどの部分が円形断面であるために工作が容易で気密性が高く、かつ使用中における摩耗の少ない製品を得ることができる。

【００１３】さらに、弁を使用位置に取付けたまま弁体およびパッキングを容易に取出して補修や取換えをすることができ、かつ弁体は精密な仕上げを行なわなくても互換性があるため、補修の費用と時間を減少することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の構造の断面図であり、弁が開いている
状態を示す。

【図２】本考案の構造の断面図であり、弁が閉じている
状態を示す。

【図３】本考案の弁を配管のドレン用に使用している状
態を示す。

【図４】本考案の弁を、配管中に取付けたまま分解した
状態を示す。

【符号の説明】

１弁箱２管台３フランジ４弁体５穴６穴７ねじ棒８ハンドル９パッキング１０パッキング１１スペーサ１２穴１３ボンネット１４ねじ部１５フランジ１６パッキング押え部１７ボルト１８開口１９開口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】流体の入口または出口となる管台（２）
とフランジ（３）を有する円筒状弁箱（１）の内部に、
片端に軸方向の穴（５）とこれに開口する半径方向の穴
（６）を有し、他端をねじ棒（７）としてその端部にハ
ンドル（８）を付け、外表面を滑らかに仕上げた耐蝕性
硬質材の円形断面の弁体（４）を挿入し、円筒状弁箱
（１）と弁体（４）の間に気密を保つためのパッキング
（９）と（１０）及び複数の穴（１２）を有するリング
状のスペーサ（１１）を挿入し、ねじ棒（７）と嵌合す
るねじ部（１４）、パッキング押え部（１６）およびフ
ランジ（１５）を有するボンネット（１３）を、ボルト
（１７）によって円筒状弁箱（１）のフランジ（３）に
結合させてパッキング（９）と（１０）を押さえ、ハン
ドル（８）を回して弁体（４）を移動し、穴（６）を管
台（２）の位置に合わせることによって、開口（１８）
と開口（１９）の通路が形成されて流体が流れ、弁体
（４）を移動して穴（６）をパッキング（９）から離し
た位置にすることによってこの二つの開口の通路が遮断
されるようにした弁座不要の円筒形弁。