JPH07202907A - Atmネットワークにおける誤り制御装置 - Google Patents

Atmネットワークにおける誤り制御装置

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JPH07202907A
JPH07202907A JP35097393A JP35097393A JPH07202907A JP H07202907 A JPH07202907 A JP H07202907A JP 35097393 A JP35097393 A JP 35097393A JP 35097393 A JP35097393 A JP 35097393A JP H07202907 A JPH07202907 A JP H07202907A
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JP
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cell
erasure
error correction
symbol
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JP35097393A
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Keiji Tsunoda
啓治 角田
Takeshi Saito
健 斉藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AALタイプ1として受信したセルの誤り訂
正を行う際に、送信側で従来と同じリード・ソロモン符
号化を用いた場合に受信側で消失誤り訂正に対する計算
量あるいは計算時間を少なくしたATMネットワークに
おける誤り制御装置を提供する。 【構成】 リード・ソロモン符号化した情報がATMネ
ットワークを介してセルの形で伝送されてきた受信信号
に対して誤り制御を行うATMネットワークにおける誤
り制御装置であって、シーケンス番号検査部101によ
って受信信号中のセルの消失を検出し、セルの消失が検
出された受信信号に対して消失シンボル誤り訂正部10
4で消失誤り訂正を施し、消失誤り訂正より訂正できな
い受信信号に対して、一般誤り訂正部107でリード・
ソロモン復号法による一般誤り訂正を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報をセルの形で伝送
するATMネットワークにおいて、ビット誤りやセル廃
棄等によって受信側で情報が正しく受信されなかった場
合にその情報を受信側で再生するための誤り制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、次世代の高速かつ広帯域のネット
ワークに対するニーズ予測から、ATM(Asynchronous
Transfer Mode:非同期転送モード)技術を利用したネッ
トワークの研究が盛に行われている。これは、様々な長
さのメッセージをセル(以下、ATMセルともいう)と
呼ばれる固定長のパケットに分割して送受信するもので
ある。このATM技術は、画像、音声および各種のデー
タといった異なる種類のメディアを一元的に処理できる
ため、マルチメディア通信への適用が期待されている。
【0003】ATM技術で必須の重要な処理の一つとし
て、メッセージをATMセルの形に分割したり、あるい
はATMセルから元のメッセージを復元したりするセル
化/デセル化がある。ネットワーク内はATMセルの形
で通信が行われるため、このセル化/デセル化の処理は
通常、ネットワークを使って通信している端末において
行われる。
【0004】セルに宛先情報を付加してそれを目的地ま
で伝送する処理は、ATMレイヤにおいて行われる。こ
れに対し、上述のセル化/デセル化のような、ATMレ
イヤのセルと上位レイヤメッセージとの整合をとる処理
を担当するのが、AAL(ATMアダプテーションレイ
ヤ)である。
【0005】ATMネットワークを用いて送受信を行う
場合の送信側から受信側への情報の流れは、以下の通り
である。
【0006】送信側端末での上位レイヤのメッセージは
小さい単位に分けられ、それはAALにおいて最終的に
48バイト単位のメッセージに直される。セルは5バイ
トのヘッダと48バイトのペイロードに分かれており、
その下層のATMレイヤにおいて、上位レイヤメッセー
ジの識別のために、VPI(Virtual Path Identifier:
バーチャルパス識別子)、VCI(Virtual Channel Ide
ntifier:バーチャルチャネル識別子)と呼ばれる識別子
がメッセージ単位に付加され、ATMネットワーク内を
伝送される。
【0007】受信側端末に到着したセルは、そのヘッダ
に書かれているVPI,VCI番号の同じものが順に集
められる。そして、AALにおいてそれらのセルを組み
立てて元の上位レイヤメッセージに直す。
【0008】このとき送信されたセルデータに対して、
伝送路上ではビット誤りが発生し、また中継ノードでは
セルの廃棄や誤配送が発生する。この結果、誤りが付加
されたり、セル単位で抜けのあるデータが受信端末に到
着することになる。ATMネットワーク自体は、このよ
うな情報のビット誤りやセルの廃棄、誤配送等に対し
て、それを訂正したり、あるいは再送制御を行ったりす
る機能を有しない。従って、受信側端末において受信し
たセルを上位レイヤのメッセージに直す際に、必要に応
じて再送要求、あるいは誤り訂正/検出を行わなければ
ならない。
【0009】誤り訂正を行う場合には、誤りのパターン
がビット誤りあるいはセル単位の消失誤りであることか
ら、上位レイヤよりもAALにおいて行う方が効率的で
あると考えられる。以下、従来のAALにおける誤り訂
正/検出方法について説明する。
【0010】従来のAALにおける誤り訂正方式として
は、ITU−T勧告I.363にあるように、AALタ
イプ1における方法が書かれている。この方式の概略を
図2に示す。
【0011】AALタイプ1の送信側では、まず元の上
位レイヤメッセージ201を幾つかの情報シンボル20
2に分割してリード・ソロモン符号化を行い、検査シン
ボル203を付加する。次に、こうして符号化されたシ
ンボルがそれぞれ別のATMセル204のペイロード部
分に入るようにマッピングする。ATMセルのペイロー
ドにはシーケンス番号が書かれていて、そのシーケンス
番号順にセルが送信される。
【0012】一方、受信側では到着したセルがシーケン
ス番号順に並べられる。シーケンス番号の連続していな
い所のセル205は、途中で廃棄等により消失したとみ
なされる。また、受信したセルの中には伝送路でビット
誤りの付加されたセル206も発生し得る。受信側で
は、これらのセルからシンボルを抜き出してリード・ソ
ロモン符号による復号化を行い、ビット誤りの付加され
たシンボルの訂正や、消失したシンボルの再生を行っ
て、元の上位レイヤメッセージ211を復元する。
【0013】上述の操作において、リード・ソロモン符
号の符号化は以下の通りである。まず1シンボルのビッ
ト数をmとし、m次の原始多項式F(X)を選ぶ。この
原始多項式の根をαとすると、F(α)=0である。こ
のようなαあるいはそのべき乗を用いて、1シンボル長
がmビットで符号長nシンボル、情報長(n−k)シン
ボルの(n,n−k)リード・ソロモン符号が構成でき
る。残りのkシンボルが検査シンボルである。nの標準
の値はバイナリ符号の場合、n=2m-1 であるが、符号
語を短縮することも可能である。シンボルの種類は1シ
ンボルがmビットなので2m 種類あり、2進表示でmビ
ットの00…0から11…1に対応している。
【0014】次に、リード・ソロモン符号の生成多項式
を考える。これは、αの連続したべき乗数を検査シンボ
ル分、すなわちk個根に持つことにより生成できる。こ
れにより、生成多項式は連続する最初の根をαb とする
と G(X)=(X−αb )(X−αb+1 )…(X−αb+k-1 ) (1) のようになる。
【0015】ここで、情報シンボル列Mが M=(cn-1 ,cn-2 ,…,ck+1 ,ck ) (2) であるとすると、これを多項式表現したM(X)は M(X)=cn-1 n-k-1 +cn-2 n-k-2 +…ck ) (3) となり、符号語の多項式表現はQ(X)を(k−1)次
以下の多項式として C(X)=Xk M(X)+Q(X) (4) によって表現される。後はC(X)が生成多項式G
(X)で割り切れるようにQ(X)の係数を決めればよ
い。すなわちG(X)がαb ,αb+1 ,…,αb+k-1
根に持つことから、 C(αb )=C(αb+1 )=…=C(αb+k-1 )=0 (5) となるようにすればよい。その結果、 C=(cn-1 ,cn-2 ,…,c0 ) (6) と符号化される。ci (i=0〜n−1)は、情報シン
ボルと検査シンボルを併せたシンボルを示している。
【0016】次に、復号化について説明する。上述の操
作におけるリード・ソロモン符号の復号化において、伝
送中のビット誤りはシンボル中のランダム誤り、また1
セルの廃棄は符号の1シンボルの消失誤りとみなすこと
ができる。これらの誤りを訂正する一般的な復号法につ
いては、例えば今井秀樹著、“符号理論”(電子情報通
信学会)等に記されている。以下に、上述の符号を参照
にしながらその手順を簡単に記す。
【0017】まず、一般的なランダム誤り訂正法の手順
は、以下の(ステップ1)〜(ステップ6)からなる。
このランダム誤り訂正法によると、検査シンボル数kに
対し、2t≦kとなるtシンボルまで訂正できる。
【0018】(ステップ1)まず受信した符号語Cに対
し、シンドロームの計算を行う。シンドロームの計算と
は、受信した符号に対して、符号化に用いた生成多項式
G(X)によるわり算を行うことである。すなわち、受
信した符号語の多項式表現をC′(X)とすると、 S0 =C′(αb ) S1 =C′(αb+1 ) Sk-1 =C′(αb+k-1 ) (7) のように符号語に生成多項式G(X)の根をそれぞれ代
入して計算する。これらSi (i=0〜(k−1))を
シンドロームと呼ぶ。
【0019】(ステップ2)シンドロームの値が零にな
る場合、すなわち割り切れる場合は誤りなしと判定す
る。上述した通り、生成多項式G(X)の連続したk個
の根が符号語の多項式表現C(X)の根でもあるように
符号化されているので、受信した符号が正しければ、k
個のシンドロームSi (i=0〜(k−1))値が全て
零となるはずである。
【0020】(ステップ3)シンドロームの値で零にな
らないものがある場合には、シンドローム結果から誤り
位置多項式を作成する。誤り位置多項式σ(z)とは、
受信された符号語の多項式表現において誤りの存在する
シンボル位置に相当するXの次数がjであったとする
と、σ(α-j)=0となるような多項式のことである。
シンドローム多項式S(z)を S(z)=S0 +S1 z+…+Sk-1 k-1 (8) とすると、 σ(z)S(z)=ω(z)modzk (9) の関係が成立する。但し、σ(z)とω(z)は互いに
素である。このような式を満たすσ(z)およびω
(z)を例えばピーターソン法、ユークリッド法等の公
知の手法で求める。ここではその詳細は省略するが、い
ずれにしても複雑な手法をとる。
【0021】(ステップ4)ステップ3によってσ
(z)が求められるので、チェーンサーチを用いて誤り
位置多項式を解き、誤り位置に関する情報を得る。チェ
ーンサーチとは、誤り位置多項式に考えられる全ての
根、すなわち0およびαi (i=0〜(n−1))を代
入して、σ(z)の値が0になるところを探す方法であ
る。
【0022】(ステップ5)ステップ4により求められ
た誤り位置多項式の根を用いて、誤りの値を求める。求
め方は例えば誤り位置多項式σ(z)の導関数をσ′
(z)として e=−ω(z)/σ′(z) (10) に、ステップ4で求めた誤り位置多項式の根を順に代入
していけばよい。
【0023】(ステップ6)該当する部分の誤り訂正を
行う。但し、誤り位置多項式を作成できなかったり、誤
り位置多項式が重根を持ったりするときには、訂正でき
ないと判定される。
【0024】次に、消失誤りとランダム誤りが混在して
いる場合の誤り訂正方法を記す。誤り訂正能力は、ラン
ダム誤りがtシンボル、消失誤りがhシンボルあったと
すると、 2t+h≦k (11) の範囲である。
【0025】(ステップ1)ランダム誤りが混ざってい
る場合は、明らかに誤り訂正を試みなければならない。
従って、消失したシンボルにまず何かの値を仮に代入し
ておき、前述した場合と同様に受信した符号語Cに対
し、シンドロームの計算を行いSi (i=0〜(k−
1))を求める。
【0026】(ステップ2)消失誤りが含まれる場合
は、まずこの状態でシンドロームの値が零になることは
ありえない。従って誤り訂正をする必要がある。
【0027】(ステップ3)シンドローム結果から誤り
位置多項式を作成する。いま消失誤りに関しては誤り位
置がわかっているので、その誤り位置をji (i=1〜
h)とすると、シンドローム多項式S(z)を S(z)=S0 +S1 z+…+Sk-1 k-1 (12) とし、また消失誤り位置多項式を λ(z)=(1−αj1z)(1−αj2z)…(1−αjhz) (13) として、 σ(z)=λ(z)S(z)=ω(z)modzk (14) の関係が成立する。但し、σ(z)とω(z)は互いに
素である。このような式を満たすσ(z)およびω
(z)を求める。
【0028】(ステップ4)ステップ3によってσ
(z)が求められるので、チェーンサーチを用いて誤り
位置多項式を解き、誤り位置に関する情報を得る。
【0029】(ステップ5)ステップ4により求められ
た誤り位置多項式の根を用いて、誤りの値を求める。そ
の求め方は、例えば誤り位置多項式σ(z)の導関数を
σ′(z),λ(z)の導関数をλ′(z)として e=−ω(z)/(σ′(z)λ(z)) (15) に誤り位置多項式の根を、また e=−ω(z)/(σ(z)λ′(z)) (16) に消失誤り位置多項式の根を順に代入していけばよい。
【0030】(ステップ6)該当する部分の誤り訂正を
行う。但し、誤り位置多項式を作成できなかったり、誤
り位置多項式が重根を持ったりするときには、訂正でき
ないと判定される。
【0031】従来のAALタイプ1におけるリード・ソ
ロモン復号は、消失誤り、すなわちセル消失が発生した
かどうかによって、上記の復号手順を選択して用いるこ
とによって実現していた。これら2つの方式を併せて、
一般誤り訂正方式と呼ぶことにする。しかし、これらの
手順ではいずれもステップ3での誤り位置多項式の作成
とステップ4でのチェーンサーチの計算量が多く、これ
までのAALタイプ1の誤り時の受信処理には時間がか
かってしまう、という問題があった。
【0032】ここで上述の2種類の誤りについて考える
と、ランダム誤りは受信信号のどこに隠れているかわか
らないため、誤り位置多項式を用いて誤り位置を求めて
からでなければ訂正できない。しかし、消失誤りはシー
ケンス番号によってどこのシンボルが消失したかを知る
ことができるため、チェーンサーチの必要はない。従っ
て、もし消失誤りだけを訂正するのであれば、ランダム
誤りのない仮定での誤り訂正手段を用いて、復号手順を
かなり簡素化できることになる。
【0033】具体的には、消失誤りのみの訂正には、以
下のような単純な手順を用いるだけで可能である。この
手段を消失誤りシンボル訂正法と呼ぶことにする。
【0034】(ステップ1)消失したシンボルにまず何
らかの値を仮に代入しておいて、前述した場合と同様に
受信した符号語Cに対してシンドロームの計算を行い、
i(i=0〜(k−1))を求める。
【0035】(ステップ2)消失誤りが含まれる場合は
まずこの状態でシンドロームの値が零になることはあり
えない。従って誤り訂正をする必要がある。
【0036】(ステップ3)シンドローム結果から誤り
位置多項式を作成する。消失誤りに関しては誤り位置が
わかっているので、その誤り位置をji =(i=1〜
h)とすると、シンドローム多項式S(z)を S(z)=S0 +S1 z+…+Sk-1 k-1 (17) とし、また消失誤り位置多項式を λ(z)=(1−α-j1 )(1−α-j2 )…(1−α-jh ) (18) として、 σ(z)=λ(z)S(z)=ω(z)modzk (19) の関係が成立する。但し、λ(z)とS(z)は互いに
素である。このような式を満たすω(z)は、他のλ
(z)とS(z)が既知なので、複雑な計算をしなくも
すぐに求められる。
【0037】(ステップ4)消失誤りのみなので、チェ
ーンサーチをせずとも誤り位置に関する情報を既に得て
いる。
【0038】(ステップ5)求められた誤り位置多項式
の根を用いて、誤りの値を求める。求め方は例えばλ
(z)の導関数をλ′(z)として e=−ω(z)/λ′(z) (20) に消失誤り位置多項式の根を順に代入していけばよい。
【0039】(ステップ6)該当する部分の誤り訂正を
行う。但し、誤り位置多項式を作成できなかったり、誤
り位置多項式が重根を持ったりするときには、訂正でき
ないと判定される。
【0040】一方、ATMネットワークの特徴を考える
と、ランダム誤りは主として伝送路のビット誤りが原因
で発生する。この伝送路誤りは昨今の光ファイバ等の技
術革新によって、1キロメートル伝送の際のビット誤り
率が10-10 あるいはそれ以下程度にまで減少してい
る。一方、消失誤りは主として交換ノードにおけるバッ
ファ溢れ、輻輳による過大な遅延等を原因として発生す
る。これらはATMネットワークの特性や運用状況によ
り、かなり高い確率で発生する可能性がある。よって、
一般に消失誤りの方がランダム誤りよりも発生確率が高
く、しかも、消失誤り発生時にランダム誤りが同時に発
生する確率はかなり低いといえる。従って、消失誤りが
発生した場合には多くの場合、その誤りだけを訂正すれ
ば済むはずである。
【0041】しかし、一般に行われている従来の復号法
では、消失誤り発生時においてもランダム誤りが同時に
発生している確率が零でないという理由のみで、必ずラ
ンダム誤りも想定した一般誤り訂正法を行っていた。従
って上述したような、誤り位置多項式の生成およびチェ
ーンサーチを必ず行わなければならず、復号手順に極め
て手数がかかってしまうという問題点があった。
【0042】続いて、別のAAL方式であるAALタイ
プ3/4について述べる。この方式においても、AAL
タイプ1と同様にAALレベルで誤り訂正を行う方式が
考えられるが、これまでは誤り訂正を行う方式として、
AALタイプ1には規格があるものの、他のAALタイ
プに対してそのような方式を実現するための手段はこれ
まで考えられていなかった。特にAALタイプ3/4
は、セル単位にシーケンス番号がついているプロトコル
であるため、AALタイプ1と同様の方法で、リード・
ソロモン符号を用いて誤り訂正することも充分実現可能
である。しかしながら、これまでそのような議論はなさ
れていなかった。
【0043】また、AALタイプ3/4はセル毎に誤り
検出のためのCRC(Cyclic Redundancy Check) 符号が
付加されており、これを用いてかなり高い確率で伝送路
中のビット誤りを検出することはできる。しかし、これ
までにCRCを用いてセル単位のビット誤りを訂正する
手段は議論されていない。さらに、このCRCの結果を
有効に利用した誤り訂正の手法もこれまで議論されてい
ない。すなわち従来では、CRCによって誤りを検出し
ても、その結果をそのまま上位レイヤに上げるといった
非効率な方法でのみ、誤り制御が実現されていた。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のAALタイプ1における受信信号のリード・ソロモン
符号の復号法においては、セル廃棄による消失誤りと、
伝送路のビット誤りによるランダム誤りが常に同時に発
生していると仮定して、常に両方とも訂正しようとする
余り、復号時に消失誤りが発見された場合には、必ずラ
ンダム誤りも含まれる可能性を考慮した複雑な訂正アル
ゴリズムを実行していた。このため、単に消失誤りのみ
を訂正すればよいような簡単な場合にも、訂正に余分な
計算量を必要とするという問題があった。このような消
失誤りのみが発生するケースは、全体の誤り発生の場合
に対して充分多いと考えられるため、この問題は大きな
スループットの低下を招く原因となる。
【0045】また、従来のAALタイプ3/4において
は、AALタイプ1と同様のシーケンス番号を有してい
るため、タイプ1と同様にセルの誤り訂正を行うことが
可能であるにも関わらず、従来このタイプについてセル
の誤り訂正を行うことが議論されていない。さらに、A
ALタイプ3/4にはセル単位にCRC符号が付加され
ているが、これをセルの誤り訂正に有効に利用すること
もこれまで議論されておらず、従来は単なるセルの誤り
検出手段としてのみしかCRC符号は機能していなかっ
た。
【0046】本発明の第1の目的は、例えばAALタイ
プ1として受信したセルの誤り訂正を行う際に、送信側
で従来と同じリード・ソロモン符号化を用いた場合に受
信側で消失誤り訂正に対する計算量あるいは計算時間を
少なくしたATMネットワークにおける誤り制御装置を
提供することである。
【0047】また、本発明の第2の目的は、例えばAA
Lタイプ3/4として受信したセルに対して、セル単位
のCRCを有効に活用して従来のAALタイプ1で提供
されるような誤り訂正方式に比べてより簡単にセルの誤
り訂正を行うことができるATMネットワークにおける
誤り制御装置を提供することである。
【0048】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め、第1の発明ではセルに消失があって受信できなかっ
た場合、まずランダム誤りがないものとして消失シンボ
ル誤り訂正を試み、その結果もし訂正できなかった場合
には、初めてリード・ソロモン復号法による誤り訂正を
行う。
【0049】すなわち、第1の発明によるATMネット
ワークにおける誤り制御装置は、リード・ソロモン符号
化した情報がATMネットワークを介してATMセルの
形で伝送されてきた受信信号に対して誤り制御を行うA
TMネットワークにおける誤り制御装置であって、受信
信号中のATMセルの消失を検出するATMセル消失検
出手段と、このATMセル消失検出手段によりATMセ
ルの消失が検出された受信信号に対して消失誤り訂正を
施す第1の誤り訂正手段と、この第1の誤り訂正手段に
より訂正できない受信信号に対してリード・ソロモン復
号法による誤り訂正を施す第2の誤り訂正手段とを具備
することを特徴とする。
【0050】また、第2の目的を達成するため、第2の
発明では受信したセル単位に誤り検出を行って、その結
果誤りの発見されたATMセルおよび消失によって受信
できなかったATMセルを併せて消失シンボル誤り訂正
を行う。
【0051】すなわち、第2の発明によるATMネット
ワークにおける誤り制御装置は、リード・ソロモン符号
化した情報がATMネットワークを介してATMセルの
形で伝送されてきた受信信号に対して誤り制御を行うA
TMネットワークにおける誤り制御装置であって、受信
信号中のATMセルの消失を検出するATMセル消失検
出手段と、受信信号に対してATMセル単位に誤り検出
を施す誤り検出手段と、この誤り検出手段により誤りが
検出されたATMセルと前記ATMセル消失検出手段に
より消失が検出されたATMセルに対して消失誤り訂正
を施す誤り訂正手段とを具備することを特徴とする。
【0052】
【作用】第1の発明においては、AALタイプ1におい
てATMセルの消失が発生した場合には、その消失した
ATMセルに対してシンボルの消失誤りのみが発生した
ものとして、消失誤り訂正を行うことにより、計算量お
よび計算時間が大きく削減される。
【0053】すなわち、ATMネットワークでは、通
常、伝送路におけるビット誤りの確率は極めて微小であ
るため、消失誤り訂正によって訂正できないケースは極
めて希である。そこで、消失誤り訂正では訂正できない
状態が発生した場合は、受信信号にランダム誤りと消失
誤りが混在していると判断し、従来行われていたような
リード・ソロモン復号法を用いて、同じ受信信号に対し
て改めて誤り訂正を試みる。この場合、誤り訂正を2回
行うことになるが、消失誤り訂正の計算量は少ないた
め、この操作によって従来よりも増加する計算量は僅か
である。従って、全体としてのスループットは本発明に
より大きく向上することになる。
【0054】第2の発明においては、例えばAALタイ
プ3/4において誤り検出されたATMセルを消失セル
とみなすことにより、他の消失セルと一緒に消失誤り訂
正を行う。従って、誤り訂正としては消失誤り訂正のみ
を行えばよく、非常に簡単となる。さらに、CRCによ
る誤り検出を採用すれば、その誤り検出能力が高く、セ
ル単位のランダム誤りをほぼ確実に検出できるため、消
失誤り訂正のみによって、消失誤りはいうまでもなく、
ランダム誤りについても確実に誤り訂正を行うことがで
きる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0056】図1は、本発明の一実施例に係るATMネ
ットワークの受信側に設けられる誤り制御装置の構成を
示すブロック図である。
【0057】図1に示す誤り制御装置には、AALタイ
プ1におけるリード・ソロモン符号を用いて符号化した
情報が図示しないATMネットワークを介してセルの形
で伝送されてきた受信信号が入力される。この受信信号
は同じVPI,VCIを持つセルが順に集められて、ヘ
ッダ部が除去された後、シーケンス番号検査部101に
入力される。シーケンス番号検査部101では、受信信
号のセルについてシーケンス番号のチェックを行い、シ
ーケンス番号の合わない事態が発生した場合はセルの消
失があったとみなして、仮セルを作成すると共に、消失
誤りを検出したこととその誤り検出位置をシンドローム
計算部103に対して通知する。なお、仮セルのペイロ
ード部は予め定めた任意のパターンでよい。
【0058】シーケンス番号検査部101で、シーケン
ス番号検査の終わった受信信号は、シーケンス番号が外
された後、符号化された単位毎にシーケンス番号順にバ
ッファ102に蓄積される。これと同時に、シンドロー
ム計算部103で受信信号に対してシンドローム計算が
行われる。計算したシンドロームの結果がすべて零であ
れば、誤りがないものとしてバッファ102に蓄積され
た受信信号のセルペイロードは順に出力される。
【0059】一方、シンドローム計算結果に1つでも零
でないものがある場合は、その受信信号のセルペイロー
ドに対して誤り訂正が行われる。このとき、シーケンス
番号検査部101においてセルの消失が検出された場
合、受信信号は消失シンボル誤り訂正部104に入力さ
れる。セルの消失がない場合は、受信信号はランダム誤
りのみ、あるいはランダム誤りと消失誤りの混在した誤
りを訂正するための一般誤り訂正部107に入る。但
し、消失誤りの生じたシンボルの数が訂正可能なシンボ
ル数を越えることがあれば、明らかに訂正ができないの
で、訂正不能であることを図示しない管理系に通知して
処理を終了する。
【0060】消失シンボル誤り訂正部104は、誤り値
計算部105と訂正可能/不可能検証部106により構
成され、シンドローム計算部103からシンドロームの
値と消失した位置に対応する生成多項式の根のべき乗の
値を受け取って、それらからまず誤り値計算部105に
より誤り値を計算する。消失位置に対する根のべき乗の
計算は、予めテーブルに書いておく方法が一般的である
が、シンドローム計算部103においてシンドロームの
計算と同時に行う方法でもよい。
【0061】訂正可能/不可能検証部106では、誤り
値計算部105で検出された誤り値によって誤りを正し
く訂正できるか、すなわちシンドローム計算部103で
計算されたシンドロームが零になるかどうかを確認す
る。ここで、シンドロームが零というになることは誤り
が訂正できるということであるため、訂正可能/不可能
検証部106はそのときの誤り値を誤り訂正部112に
送る。訂正可能/不可能検証部106は訂正できないこ
とが分かった場合には、誤り訂正能力上、もしまだラン
ダム誤りを訂正できる余力があれば、一般誤り訂正部1
07にその旨を通知し、その余力がない場合は訂正不能
であることを前記管理系に通知して、処理を終了する。
【0062】一般誤り訂正部107は、誤り位置多項式
作成部108とチェーンサーチ部109と誤り値計算1
10および訂正可能/不可能検証部111により構成さ
れ、シンドローム計算部103からシンドロームの値
と、消失位置に対応する生成多項式の根のべき乗の値を
受け取り、それを基にまず誤り位置多項式生成部108
で誤り位置多項式を作成する。誤り位置多項式の作成に
は、一般にユークリッド法等が用いられる。誤り位置多
項式が作成されると、チェーンサーチ部109を用い
て、その多項式に対する考えられる根を順に代入してい
くことにより、その多項式の根を求める。そしてその根
を元にして、消失誤り訂正の場合と同様に誤り値計算部
110で誤り値を計算し、またそれにより正しく訂正で
きるかを訂正可能/不可能検証部111によりチェック
する。訂正可能/不可能検証部111は、正しく訂正で
きることが分かればその旨を誤り訂正部112に通知す
る。また、もし訂正できなければ、訂正不能であること
を管理系に通知して、処理を終了する。誤り訂正部11
2は、訂正可能/不可能検証部111から正しく訂正で
きる旨の通知を受けると、バッファ102の出力に対し
て排他的論理和を行って誤り訂正を行う。
【0063】なお、消失シンボル誤り訂正部104と一
般誤り訂正部107には同じ処理が含まれる。具体的に
は、誤り値計算部105および110、訂正可能/不可
能検証部106および111の処理である。これらの部
分は、ほとんど同じ処理を行うため、ハードウェア回路
もしくはプログラムを共有することによって実現するこ
とが可能である。
【0064】本発明と従来方式とでは、シンドローム計
算後の論理的な流れに違いがあるので、それを図によっ
て示す。図3は従来の訂正シーケンス、図4は本発明の
訂正シーケンスである。いずれも検査シンボル数をkと
して考えている。
【0065】従来では、図3のように、まずシンドロー
ム計算301を行い、その結果がすべて零であれば、誤
りなしとして終了する。シンドロームの値に零でないも
のがあるとき、消失誤りシンボル数を見て、それがkよ
り大きければ、これは明らかに訂正能力を越えているの
で訂正不能となる。0を含むそれ以下の消失誤りシンボ
ル数の場合はすべて、一般のリード・ソロモン符号にお
ける誤り訂正304を行う。その結果として訂正可能で
あれば誤り訂正し、不可能であれば訂正不能となる。
【0066】本発明は図1においても説明したように、
図4のようなシーケンスをとる。まず、シンドローム計
算401を行い、値が全て零であれば誤り無しとして終
了する。シンドロームに零でないものがあるとき、消失
誤りシンボル数がkより大きければ、訂正不能となる。
ここまでは従来と同じである。
【0067】しかしここで、消失誤りシンボルが1以上
k以下であるときは、消失シンボル誤り訂正405を行
う。そしてその結果訂正可能であれば、そのまま誤り訂
正を実行する。また、消失誤り訂正で訂正不可能なこと
がわかった場合に、消失シンボル数がk−1以上であれ
ば、明らかに訂正不能である。しかしそれがk−1未満
であれば、消失シンボル誤りと共に含まれることの予想
されるランダム誤りが訂正できる可能性が残る。そこ
で、そのような場合および消失誤りのなかった場合に
は、一般誤り訂正により訂正を試みる。一般誤り訂正4
08によっても訂正できなかった場合は、訂正不能とな
る。
【0068】上述の操作を具体的な符号について見るこ
とにする。ここでは、分かりやすい例として1シンボル
のビット数が3であるようなリード・ソロモン符号を考
えることにする。復号化の説明を行う前に、前提として
の符号を紹介する。
【0069】まず、原始多項式X3 +X+1=0の根を
αとする。すなわち、α3 +α+1=0である。このよ
うなαに対して、1シンボル長が3ビットで符号長7シ
ンボル、情報長4シンボルの(7,4)リード・ソロモ
ン符号が構成できる。残りの3シンボルが検査シンボル
である。シンボルの種類は1シンボルが3ビットなので
8種類(0,1,α,α2 ,α3 ,α4 ,α5 ,α6
であり、それぞれ2進表示で(000,001,01
0,100,011,110,111,101)に対応
している。
【0070】次に、(7,4)リード・ソロモン符号の
生成多項式を考える。これはαの連続したべき乗数を検
査シンボル分、すなわち3つ用いることにより生成でき
る。ここでは、簡単のためα,α2 ,α3 を用いて、生
成多項式が G(X)=(X−α)(X−α2 )(X−α3 ) (21) であるとする。
【0071】ここで、4つの情報シンボル列Mを例えば M=(α,α3 ,1,α4 )=(010,011,001,110) (22) であるすると、これを多項式表現したM(X)は M(X)=αX3 ,α3 2 +X+α4 (23) となり、符号語の多項式表現はQ(X)を2次以下の多
項式として C(X)=X3 M(X)+Q(X) (24) で表現される。後は符号語C(X)が生成多項式G
(X)で割り切れるようにQ(X)の係数を決めればよ
い。すなわち、 Q(X)=pX2 +qX+r (25) とおくと、 C(X)=αX6 +α3 5 +X4 +α4 3 +pX2 +qX+r (26) となるので、G(X)がα,α2 ,α3 を根に持つこと
から、 C(α)=C(α2 )=C(α3 )=0 (27) となるように、p,q,rを決めればよい。その結果、 C=(α,α3 ,1,α4 ,α5 ,0,α6 ) =(010,011,001,110,111,000,101) (28) と符号化される。
【0072】続いて、復号化の処理を説明する。上述の
(7,4)リード・ソロモン符号をシンボル単位に別々
のセルに入れて送信し、それを受信した後の符号語の多
項式表現をC′(X)とする。シンドローム計算は、S
0 =C′(α),S1 =C′(α2 ),S2 =C′(α
3 )によって求められる。これらSi (i=0〜2)は
上述したようにシンドロームと呼ばれる。
【0073】ここで上述の符号語Cを送信し、以下の符
号語C1 を受信したとする。
【0074】 C1 =(α,α3 ,1,α2 ,α5 ,0,α6 ) =(010,011,001,100,111,000,101) (29) シンドロームの計算は、C1 を多項式表現した C1 (X)=αX6 +α3 5 +X4 +α2 3 +α5
2 +α6 にG(X)の根を代入すればよい。すると、 S0 =C′(α)=α4 =(110) S1 =C′(α2 )=1=(001) S2 =C′(α3 )=α3 =(011) (30) となる。この場合は消失誤りがないので、従来例、本発
明の実施例とも一般の誤り訂正を行う。このような簡単
な符号の場合には、誤り位置多項式は容易に求められる
のであるが、ここではユークリッド法を用いることにす
る。
【0075】ユークリッド法は、式(9)を満たすよう
なσ(z),ω(z)を求めるものである。その原理は
省略するが、具体的には式(9)においてR0 (z)=
k,R1 (z)=S(z)、またはB0 (z)=0,
1 (z)=1とおく。そして、任意のiに対しRi-1
(z)をRi (z)で割った商をQi+1 (z)、剰余を
i+1 (z)としたときに、 Bi+1 (z)=Bi-1 (z)−Qi+1 (z)Bi (z) (31) が成り立つようにする。Ri (z)の次数が(k−1)
/2より小さくなったとき、 σ=Bi (z)/Bi (0) ω=Ri (z)/Bi (0) (32) となる。
【0076】上記の例では、まず R1 (z)=S(z)=S0 +S1 z+S2 2 =α4 +z+α3 2 (33) であり、またk=3から、R0 (z)=z3 となる。こ
こで、 R0 (z)=(α4 z+α)R1 z+α5 (34) よりR2 (z)=α5 であり、また B2 (z)=0−1・(α4 z+α) =−(α4 z+α) (35) ここでR2 (z)は0次であり、(3−1)/2=1よ
り小さいので、求めるiは2であり、 σ(z)=B2 (z)/B2 (0) =α3 z+1 ω(z)=R2 (z)/B2 (0) =−α4 (36) となる。この例では比較的単純に求められたが、kが大
きくなるほど、計算は複雑になる。
【0077】ここで、σ(z)に考えられるn個の根を
全て代入してそれが零になるかを調べる、チェーンサー
チを行う。この場合、式(36)は一次式であり、また
n=7なので、簡単に求められ、z=α4 が根になる。
従って、1/α4 =α3 より、最後から4番目のシンボ
ルに誤りがあることが分かる。
【0078】よって、式(10)に対して式(36)の
値を代入して、 σ′(z)=α3 e=−ω(α3 )/σ′(α3 ) =−(−α4 )/α3 =α (37) となり、訂正する値はαとなる。すなわち、この場合は
3 の項にαを足せばよいことになる。この結果をシン
ドロームに反映させると、 S0 +α(α)3 =0 S1 +α(α2 3 =0 S2 +α(α3 3 =0 (38) により訂正が正しいことが分かる。よって、C1 にαを
排他的論理和して C=(α,α3 ,1,α2 +α,α5 ,0,α6 ) =(010,011,001,110,111,000,101) =(α,α3 ,1,α4 ,α5 ,0,α6 ) (39) のように訂正される。
【0079】以上のように、一般誤り訂正は非常に複雑
であるが、これを消失誤りにするとかなり単純にでき
る。以下では同じ符号について、シンボル誤りが発生し
た場合の消失シンボル誤り訂正について述べる。
【0080】1シンボル消失の場合には、消失位置はわ
かっているので、それをαP の項とし、その誤り値をe
P とする。すると、以下の3つの多項式ができる。
【0081】 eP αP =S0 P α2P=S1 P α3P=S2 (40) これから、 eP =S0 α-P (41) により誤りの値が求められる。
【0082】ここで、この訂正値が正しいことの判定を
行う必要がある。求められるeP の値がみな一致すれ
ば、誤りは1つであると判断され、もし一致しなけれ
ば、ランダム誤りが混ざっているとみなされる。すなわ
ち、 S2 =αP 1 =α2P0 (42) まとめると、上式を満たしていれば、誤りは1箇所と判
断でき、その時に消失誤りが1つあれば、当然そこが誤
っていると判断されざるを得ない。この時、再確認の必
要はない。
【0083】例えば、4番目のシンボルが消失し、 C2 =(α,α3 ,1,*,α5 ,0,α6 ) =(010,011,001,***,111,000,101) (43) のような符号語を受信したとする。この消失したところ
を仮に000とおく。すると、シンドロームはC2 の多
項式表現を用いて S0 =C2 (α)=1 S1 =C2 (α2 )=α3 2 =C2 (α3 )=α6 (44) となる。とりあえずは消失誤りのみであると考えると、
3次の項であるから、求めるシンボル値は、 e3 =1・α-3=α4 (45) となる。これは S2 =α3 1 =α6 0 (46) により、訂正可能と判断される。
【0084】次に、2シンボル消失の場合を考える。1
シンボル誤りの場合と同様にそれぞれ次数P,Qの項で
消失したと考えると、 eP αP +eQ αQ =S0 P α2P+eQ α2Q=S1 P α3P+eQ α3Q=S2 (47) という関係が得られる。この式から S0 α2Q+S2 =eP αP (α2P+α2Q) S0 αQ +S1 =eP αP (αP +αQ ) S0 α2P+S2 =eQ αQ (α2P+α2Q) S0 αP +S1 =eQ αQ (αP +αQ ) (48) が導かれ、これよりeP およびeQ を求めることができ
る。それぞれについて求めるための式が2つあるが、こ
れらによって求められる値が一致すれば誤りは2つであ
ると判断され、そうでなければ訂正不能と判断される。
すなわち2シンボルの消失誤りである必要十分条件は、 S0 α2Q+S2 =(S0 αQ +S1 )(αP +αQ ) S2 =S0 αP αQ +S1 (αP +αQ ) (49) を満たすことである。
【0085】例えば、3,4番目のシンボルが消失し、 C3 =(α,α3 ,*,*,α5 ,0,α6 ) =(010,011,***,***,111,000,101) (50) のような符号語を受信したとする。これらの消失したシ
ンボルを仮に000とおく。すると、シンドロームはC
3 の多項式表現を用いて S0 =C3 (α)=α5 1 =C3 (α2 )=1 S2 =C3 (α3 )=α (51) となる。とりあえずは消失誤りのみであると考えて、
P,Qはそれぞれ4次、3次の項であるから、求めるシ
ンボル値e3 ,e4 は式(48)の2番目と4番目を用
いて S0 α3 +S1 =e4 α4 (α4 +α3 ) S0 α4 +S1 =e3 α3 (α4 +α3 ) ∴e4 =(α5 α3 +1)α-4α-6=1 ∴e3 =(α5 α4 +1)α-3α-6=α4 (52) となる。これは S0 α6 +S2 =α11+α =α2 =α3 α6 =(S0 α3 +S1 )(α4 +α3 ) S0 α4 α3 +S1 (α4 +α3 )=α5 α6 =α =S2 (53) により、訂正可能と判断される。
【0086】続いて3シンボル消失の場合を考える。こ
れも上記2つの場合と同様に以下のような式の関係があ
る。次数P,Q,Rの所で消失誤りが発生したとする。
【0087】 eP αP +eQ αQ +eR αR =S0 P α2P+eQ α2Q+eR α2R=S1 P α3P+eQ α3Q+eR α3R=S2 (54) これらの式からeQ を消失すると、 S0 α2Q+S2 =eP αP (α2P+α2Q)+eR αR (α2Q+α2R) S0 αQ +S1 =eP αP (αP +αQ )+eR αR (αQ +αR ) (55) の2つの式が得られる。
【0088】さらにこれからeR を消去して式変形を行
うと、 (S0 α2Q+S2 )(αQ +αR )+(S0 αQ +S1 )(α2Q+α2R) =eP αP {(α2P+α2Q)(αQ +αR ) +(αP +αQ )(α2Q+α2R)}S2 (αQ +αR ) +S1 (α2Q+α2R)+S0 αQ αR (αQ +αR ) =eP αP {(αP +αQ 2 (αQ +αR ) +(αP +αQ )(αQ +αR 2 }S2 +S1 (αQ +αR ) +S0 αQ αR =eP αP (αP +αQ )(αP +αR ) ∴ep ={S2 +S1 (αQ +αR )+S0 αQ αR } /αP (αP +αQ )(αP +αR ) (56) のようにしてeP の値を求めることができる。他の2つ
も同様に求めることができ、 eQ ={S2 +S1 (αP +αR )+S0 αP αR } /αQ (αP +αQ )(αQ +αR ) eR ={S2 +S1 (αP +αQ )+S0 αP αQ } /αR (αQ +αR )(αP +αR ) (57) となる。この場合は、シンドロームの式の数と未知数の
数が一致しているため、値は一意に決まり、従って訂正
可能/不可能の判断を行う必要はない。
【0089】例えば上記の符号語で、3,4,5シンボ
ル目が消失したとすると、受信符号部C4 は以下のよう
になる。
【0090】 C=(α,α3 ,*,*,*,0,α6 ) =(010,011,***,***,***,000,101) (58) のような符号語を受信したとする。これらの消失したシ
ンボルを仮に000とおく。すると、シンドロームはC
3 の多項式表現を用いて S0 =C4 (α)=α4 1 =C4 (α2 )=α6 2 =C4 (α3 )=α2 (59) となる。P,Q,Rはそれぞれ4次、3次、2次の項で
あるから、求めるシンボル値e2 ,e3 ,e4 は式(5
6)および(57)を用いて e4 ={S2 +S1 (α3 +α2 )+S0 α3 α2 } /α4 (α4 +α3 )(α4 +α2 ) =(α2 +α6 α5 +α4 α5 )/α4 α6 =1 e3 ={S2 +S1 (α4 +α2 )+S0 α4 α2 } /α3 (α4 +α3 )(α3 +α2 ) =(α2 +α6 α+α4 α6 )/α3 α6 α5 =α4 2 ={S2 +S1 (α4 +α3 )+S0 α4 α3 } /α2 (α3 +α2 )(α4 +α2 ) =(α2 +α6 α6 +α4 ・1)/α2 α5 α =α5 (60) のようにして値を復元できる。
【0091】以上のような消失シンボル誤り訂正におい
て、αP (0≦P≦n−1)といったべき乗の値は、計
算の手間を省くために一般的にはテーブルに書いておく
ことが多い。しかしながら、そのようなテーブルを持つ
ことができない場合には、シンドローム計算部において
消失誤りであることがわかった時点で値(この場合は
α)をセットし、その後シンドロームの計算を1シンボ
ルに対して行う度に、このαの値を1回ずつ掛けていく
ことによって、シンドローム計算が終了すると同時にα
P の値もできあがっていることになる。
【0092】また、一旦αP の値ができあがると、それ
を利用して、消失シンボル誤り訂正法においては、四則
演算を2進数に展開することによって容易に実行でき
る。そのため、ハードウェア上でも簡単に構成すること
ができる。例えば上記の例では1シンボルが3ビットで
あるので、2つのシンボルαA ,αB の和は、 αA +αB =(a1 ,a2 ,a3 )+(b1 ,b2 ,b3 ) =a1 1 +a1 3 +a2 2 +a3 1 , a1 (b1 +b2 )+a2 (b1 +b3 )+a3 2 , a1 2 +a2 1 +a3 3 (62) となり、論理積と排他的論理和の組み合わせで実現でき
る。さらに除算は割る方の値の逆数を掛けることになる
が、その逆数計算は論理和を*で表すと、 α-A=(a1 ,a2 ,a3 -1 =(a1 (a3 +1)*a2 (a3 +1)*a3 (a1 +1)(a2 +1), (a1 (a3 +1)*a1 (a2 +1)*a2 3 (a1 +1), (a2 (a1 +1)*a2 3 )*a1 (a2 +1)(a3 +1), (63) のように表される。
【0093】2信号入力の論理積、論理和、排他的論理
和をそれぞれハードウェア論理で1ステップで行うとみ
なすと、式(61)の加算は1ステップ、式(62)の
乗算には並列計算により4ステップかかることになる。
具体的に式(62)の第2項は、1ステップ目に(b1
+b2 )と(b1 +b3 )とa3 2 を計算し、2ステ
ップ目にはa1 (b1 +b2 )、a2 (b1 +b3 )を
計算し、3ステップ目にはa1 (b1 +b2 )+a
2 (b1 +b3 )、4ステップ目には(a1 (b1+b
2 )+a2 (b1 +b3 ))+a3 2 と計算できる。
また式(63)の計算も4ステップである。
【0094】これらの値を用いると、図1の誤り訂正部
をハードウェア回路にて実現した場合の処理量の見積が
行える。
【0095】まず1シンボル誤り訂正でも、誤り値計算
部105において、式(41)を用いて、α-Pの計算に
4ステップ、S0 α-Pの乗算に4ステップで計8ステッ
プを要する。また、訂正可能/不可能判定部106で
は、式(42)を変形して、 S2 =αP 1 1 =αP 0 (64) とすると、2つの式それぞれの右辺の計算は4ステップ
で済み、後はそれの比較を行うのみである。
【0096】2シンボル誤り訂正では、eP のみについ
て考えることにする。誤り値計算部105において、式
(48)を用いると、 eP =(S0 αQ +S1 )/αP (αP +αQ ) (65) が導かれ、これより分子はS0 αQ の計算が4ステッ
プ、(S0 αQ +S1 )が5ステップを要する。分母は
αP +αQ が1ステップ、αP (αP +αQ )が5ステ
ップ、(αP (αP +αQ ))-1が9ステップであり、
分母と分子の計算からeP の計算には結局13ステップ
を要する。eQ もハードウェア的には同じステップ数で
あるが、通常は並列計算を行うため、処理時間は増えな
い。
【0097】また、訂正可能/不可能判定部106は式
(49)により、誤り値eP ,eQを求めずに判定でき
るため、誤り値計算と並列に行うことが可能である。式
(49)の最初の式において左辺のS0 α2Q+S2 は1
3ステップ、右辺(S0 αQ+S1 ),(αP +αQ
がそれぞれ5ステップ、1ステップであり、並列に行う
と、(S0 αQ +S1 ),(αP +αQ )は9ステップ
で計算できる。また、後者の式においてS0 αP αQ
8ステップ、S1 (αP +αQ )は5ステップであり、
0 αP αQ +S1 (αP +αQ )が9ステップで計算
できることが分かる。後はそれぞれの式の比較を行うの
みである。
【0098】最後に最も複雑な3シンボル誤り訂正の場
合についてみる。どの誤り値も同じような形なので、こ
こでは、eP のみについてみることにする。誤り値計算
部105において、式(56)から分子はS1 (αQ
αR )で5ステップ、S2 +S1 (αQ +αR )で6ス
テップ、S0 αQ αR で12ステップなので、(S2
1 (αQ +αR ))+S0 αQ αR では、13ステッ
プを要する。一方、分母はαP +αQ ,αP +αR がそ
れぞれ1ステップなので、並列計算をしたとして、αP
(αP +αQ )(αP +αR )にはやはり13ステップ
かかることから、合計21ステップを要することが分か
る。この場合は訂正可能/不可能訂正検証部106での
処理は不要である。
【0099】このように消失シンボル誤り訂正法の場合
には、処理量が充分小さいことが分かる。
【0100】一方、一般誤り訂正法の場合には、上記と
ほぼ同じ処理量を有する誤り値計算部110および訂正
可能/不可能検証部111に加えて、誤り位置を見つけ
るための誤り位置多項式作成部108およびチェーンサ
ーチ部109の処理が余分にかかる。
【0101】例えばチェーンサーチ部109において、
式(36)のような最も簡単なσ(z)の場合を考え
る。これは一次式であるが故に簡単に解くことが可能で
あるが、実際には σ(z)=α3 z+1 (66) のzにαのべき乗を順にかけていって値が零になるとこ
ろをさがさなければならない。すなわち、まず σ(z)=α3 α+1 (67) を計算し、それが零あるかどうかを確認する必要があ
る。この場合、式(67)の右辺の計算には5ステップ
を要する。そして比較を行う必要がある。そしてこれを
αの全てのべき乗について行うため、この場合であると
7通りであり、合わせて35ステップを必要とする。こ
の値は、消失シンボル誤り訂正部104における最大ス
テップ数21の既に1.5倍以上であり、いかにこれら
の計算に時間がかかるかが分かる。当然のことながら並
列処理を行うとステップ数を削減できるが、並列処理が
可能であるのは、上記のようなシンボル数が8という小
さい数に限られている場合であって、後述の実際的な運
用例のようにシンボル数が28といった数になってくる
と、並列化を行うには限界が生じてしまう。従って現実
問題として、通常はチェーンサーチにおいて並列処理を
用いることは少なく、結果としてステップ数を消費する
ことになる。
【0102】このように、消費シンボル誤り訂正は瞬時
に訂正値を求めることができ、従って従来の一般誤り訂
正を常に用いる方式に比べてハードウェア的には計算時
間、ソフトウェア的には計算量を大幅に削減できるとい
う特長を有する。そしてその効果は、符号長が長い場合
に特に大きい。
【0103】次に、ATMセルを意識した誤り訂正の例
を示す。図5は、AALタイプ1における符号化方式の
一例である。元のデータは124バイトの情報シンボル
501の列を縦に47個並べてある。これの各列に対
し、1シンボルを1バイトとして、(128,124)
のリード・ソロモン符号化を行い、4オクテットの検査
シンボル502を付加する。これによって47個の符号
ができあがる。そして、128*47のデータ列をバイ
ト単位に縦に区切って、47バイト単位のデータに分割
し、その47バイトのデータフィールド505に1バイ
トのシーケンス番号フィールド504をつけてATMセ
ルのペイロードとする。これによって、128個のセル
が生成される。
【0104】セルを送信すると、送信側と全く同じ規則
によってセルのペイロード部分をそれぞれのシンボルに
割り付ける。このように符号化を横方向に行い、セル化
をシンボル単位に縦方向に行うことによって、同じ符号
語に属するシンボルを別々のセルに挿入できることにな
る。従って、受信時にもし1セルのセル消失があったと
すると、総計47シンボルが失われるが、1つの符号語
に消失シンボルが均等分散されるようなセル化を行って
いるため、この実施例の場合では、1符号語につき1シ
ンボルのみの消失が発生することになる。検査シンボル
数が4なので、4セル消失までを容易に訂正することが
できる。
【0105】本実施例における生成多項式は G(X)=(X−α120 )(X−α121 )(X−α122 )(X−α123 ) (68) であり、αは8次の原始多項式の根であるとする。従っ
て最小距離が5シンボルになり、一般にはランダム誤り
の2シンボル訂正、ランダム誤りの1シンボルと2シン
ボルの消失誤りの訂正、4シンボルの消失誤り訂正のい
ずれかが可能である。
【0106】以下、先の実施例に習って復号処理を説明
する。符号語を(C127 ,C126 ,…,C0 )とする
と、それを多項式表現でC(X)として表すことができ
る。
【0107】 C(X)=(C127 127 +C126 126 +…C1 X+C0 ) (69) このとき、 C(α123 )=C(α122 )=C(α121 )=C(α120 )=0(70) という関係がある。
【0108】リード・ソロモン符号の定義から、シンド
ローム計算のための行列が次のように表される。
【0109】
【数1】 受信信号のそれぞれのシンドロームは、Hに従って計算
することができる。すなわち、受信符号語をR=(R
127 ,R126 ,…、R0 )とすると、 R・HT =[S0 1 2 3 ] (72) により、シンドローム計算ができる。ただしHT は行列
Hの転置行列である。
【0110】もしRi =Ci (i=0〜127)ならば
これらのシンドローム値は全て0であり、誤りなしとな
るが、違う場合にはその誤りの部分の値が残る。
【0111】以下では実施例1の場合と同様に、消失シ
ンボル誤りに対する訂正方法を述べる。
【0112】まず1セルの消失、すなわち1シンボル消
失誤りが(128−i)番目のシンボルに発生したと
き、各々のシンボル値は S0 =ei α120i1 =ei α121i2 =ei α122i3 =ei α123i (73) であり、従って ei =S0 /α120i (74) によって誤りの値ei を求める。このとき S2 /S1 =(ei α122i/ei α121i)=αi =S3 /S2 =S1 /S0 (75) の関係がS1 (i=0〜3)で成立することを確認し、
もし成立しないときは、ランダム誤りがあると考えて、
一般誤り訂正を行う。この場合は検査シンボルが4であ
ることから、誤り位置多項式は2次式となる。
【0113】次に、2セルの消失、すなわち2シンボル
消失誤りが(128−i)番目と(128−j)番目の
シンボルに発生したとき、各々のシンドローム値は S0 =ei α120i+ej α120j1 =ei α121i+ej α121j2 =ei α122i+ej α122j3 =ei α123i+ej α123j (76) であり、上の2式のみを用いて ei =(S1 +S0 αj )/α120i(αj +αi ) ej =(S1 +S0 αi )/α120j(αj +αi ) (77) により求められる。またこの訂正が正しいがどうかは、
例えば S0 2 +S1 2 =(ei α120i+ej α120j)(ei α122i+ej α122j) +(ei α121i+ej α121j2 =ei j α120i+120j (α2i+α2j) S0 3 +S1 2 =ei j α120i+120j (α3i+α3j+αi+2j+α2i+j) S1 3 +S2 2 =ei j α120i+120j (αi+3j+α3i+j) ∴(S0 2 +S1 2 )αi+j =S1 3 +S2 2 ∴(S0 2 +S1 2 )(αi +αj )=S0 3 +S1 2 (78) の関係がSi (i=0〜3)で成立することを確認する
とよい。もし成立しないときは、ランダム誤りがあると
考えて、一般誤り訂正を行う。この場合は検査シンボル
が4であることから、誤り位置多項式は3次式となる。
【0114】次に3セルの消失、すなわち3シンボル消
失誤りが(128−i)番目と(128−j)番目と
(128−h)番目のシンボルに発生したときを考え
る。このとき各々のシンドローム値は S0 =ei α120i+ej α120j+eh α120h1 =ei α121i+ej α121j+eh α121h2 =ei α122i+ej α122j+eh α122h3 =ei α123i+ej α123j+eh α123h (79) であり、上の3式のみを用いて ei ={S2 +(αj +αh )S1 +αj+h 0 } /α120i(αj +αi )(αi +αh ) ej ={S2 +(αi +αh )S1 +αj+h 0 } /α120j(αj +αi )(αi +αh ) eh ={S2 +(αi +αi )S1 +αj+h 0 } /α120j(αh +αi )(αj +αh ) (80) により求められる。またこの訂正が正しいかどうかは、
誤りの値を求めた後に例えば式(79)から S3 =ei α120i(αi 3 +ej α120j(αj 3 +eh α120h(αh 3 (81) に実際に代入し、合うことを確認すれば判明する。式
(81)が不成立の場合には、訂正不可能となる。
【0115】最後に、4セルの消失、すなわち4シンボ
ル消失誤りが(128−i)番目と(128−j)番目
と(128−h)番目と(128−g)番目のシンボル
に発生したときを考える。このとき各々のシンドローム
値は S0 =ei α120i+ej α120j+eh α120h+eg α120g1 =ei α121i+ej α121j+eh α121h+eg α121g2 =ei α122i+ej α122j+eh α122h+eg α122g3 =ei α123i+ej α123j+eh α123h+eg α123g (82) となり、これら4式から ei ={S3 +(αj +αh +αg )S2 +(αj+h +αj+g +αh+g )S1 +αj+h+g 0 } /α120i(αj +αi )(αi +αh )(αi +αg ) ej ={S3 +(αi +αh +αg )S2 +(αi+h +αi+g +αh+g )S1 +αi+h+g 0 } /α120j(αj +αi )(αj +αh )(αj +αg ) eh ={S3 +(αi +αj +αg )S2 +(αi+j +αi+g +αj+g )S1 +αi+h+g 0 } /α120h(αh +αi )(αj +αh )(αh +αg ) eg ={S3 +(αi +αj +αh )S2 +(αi+j +αi+h +αi+h )S1 +αi+j+h 0 } /α120g(αg +αi )(αj +αg )(αh +αg ) (83) のようにして値が求められる。
【0116】この実施例ではαi のテーブルを持つ必要
があるが、そのテーブルさえあればα120iの計算はビッ
ト単位の排他的論理和のみで比較的簡単に計算できるた
め、必ずしもα120i用のテーブルを持たなくともよい。
また、式(81)にあるようにα123iの計算はα120i
利用して行うことができるため、それ専用のテーブルは
必要ではない。
【0117】以上述べてきたように、AALタイプ1に
ついて、セル消失が発生した場合には消失誤りのみが発
生したと仮定して、誤り訂正を行うことにより、ATM
ネットワークに適した効率的なデータの復元が可能とな
る。
【0118】次に、第2の発明に係る実施例を説明す
る。AALタイプ3/4に関しては、これまで受信側で
のセル単位の誤り訂正は考慮されていなかったが、セル
のペイロードにあるCRCフィールドを有効に活用する
ことによって、先の第1の発明に係る実施例においてA
ALタイプ1に適用したものと同じような消失シンボル
誤り訂正による効率的な訂正方法を用いることができ
る。
【0119】図6は、AALタイプ3/4に対してリー
ド・ソロモン符号を適用し、誤り訂正を行うことができ
るようにした場合の基本シーケンスである。
【0120】まず上位レイヤメッセージ601をいくつ
かの情報シンボル602に分割し、それらの情報シンボ
ル602に対し、リード・ソロモン符号化を行って検査
シンボル603を付加する。そしてその符号化されたシ
ンボルがそれぞれ別のATMセル604のペイロード部
分に入るようにマッピングする。ATMセルのペイロー
ドにはシーケンス番号606が書かれており、そのペイ
ロード全体に対してCRCによる符号化を行い、値をC
RCフィールド605に書く。そしてシーケンス番号順
にセルを送信する。
【0121】受信側では、シーケンス番号順に到着した
セルが並べられる。番号の連続していない所のセルは伝
送途中で廃棄等により消失したものとみなされる。また
受信したセルの中には、伝送路でビット誤りの付加され
たものもある。このビット誤りの付加されたセル608
は、CRC復号を行い、セルのペイロード部分にあるビ
ット誤りを検出する。この操作により、消失セル607
のシンボルおよびビット誤りによる誤りシンボルの位置
が明確になるので、これらをあわせて一種の消失シンボ
ル誤りとみなすことができる。
【0122】そこで、これらの消失シンボル誤りに対し
て、リード・ソロモン復号化を行う。この復号は消失シ
ンボル誤り訂正のみを行えばよいので、AALタイプ1
で適用したものと同様の手順で容易に復号が可能であ
る。そうして訂正されたシンボルの情報部を並べて上位
レイヤへ渡す。
【0123】以上の操作により、伝送中のランダム誤り
およびセル廃棄等による消失誤りを共に消失誤りとして
処理でき、誤り位置多項式の生成およびチェンサーチの
必要のない単純な誤り訂正が確実に行える。
【0124】図7に、AALタイプ3/4に対する第1
の発明に係る実施例における受信側の誤り制御装置のブ
ロック図を示す。
【0125】図7に示す誤り制御装置には、AALタイ
プ3/4におけるリード・ソロモン符号を用いて符号化
した情報をATMセル化して図示しないATMネットワ
ークを介して伝送されてきた受信信号が入力される。こ
の受信信号中のセルは同じVPI,VCI、場合によっ
てはセルのペイロード中にあるMID(Message IDentif
ication)フィールド別の順に集められて、ヘッダ部が除
かれた後、リアセンブリ処理部701に入力される。こ
のリアセンブリ処理部701では、まずシーケンス番号
検査部702によってシーケンス番号のチェックが行わ
れる。シーケンス番号のつながらないものが発生した場
合には、消失誤りが発生したと判断される。また、CR
Cによる誤り検出部703によって、セルのペイロード
全体に対するCRCによりビット誤りが含まれるかどう
かが判定される。これらの誤り情報は、シンドローム計
算部705に通知される。そして、消失セルに対しては
ダミーのデータを作成した後で、またCRCによって誤
り検出されたデータは、そのままの状態で出力される。
【0126】リアセンブリ処理部701から出力された
データは、バッファ704に蓄積される一方、シンドロ
ーム計算部705に入力され、シンドロームの計算が行
われる。ここでは、予めCRCによってセルペイロード
単位に誤り検査を行っているため、リアセンブリ処理部
701からの誤り情報のない場合は、シンドロームの値
はまず確実に零になる。そうならないことが万一あった
場合には、訂正不可能として図示しない管理系に通知
し、処理を終了する。逆に、リアセンブリ処理部701
から誤り通知のあった場合は、多くの場合、シンドロー
ムは零にはならない。もし零になったとすれば、それは
ダミーのデータが偶然元のデータに一致していたことを
意味する。
【0127】シンドロームが零でない場合は、そのシン
ドローム値を消失シンボル誤り訂正部706に入力す
る。この消失シンボル誤り訂正部706では、誤り値計
算部707でシンドローム値と誤りの発生位置から直ち
に誤り値を計算する。もし、その誤りが訂正能力を越え
るものであれば、訂正可能/不可能検証部708が訂正
不可能と判断して、前記管理系にその旨を通知し、処理
を終了する。また、訂正可能/不可能検証部708が訂
正可能と判断した場合には、バッファ704からデータ
を読み出す際に誤り生成部709において排他的論理和
により誤り訂正を行う。訂正されたデータは上位レイヤ
に渡される。
【0128】このように、従来ではAALタイプ1にの
み誤り訂正を行うことが考えられていたが、AAL3/
4に対しても誤り訂正の概念を入れることによって、セ
ル単位のCRCを有効に活用した、効率的な誤り訂正を
行うことが可能である。
【0129】CRCに用いる符号としては、例えばIT
U−T標準I.363においては、X10+X9 +X5
4 +X+1を用いることになっている。この多項式を
用いてCRC符号化を行うと、セルペイロード中の任意
の3ビットまでの誤り検出が可能であり、またそれ以上
の誤りがあったとしても、任意のビット誤りに対し、そ
の誤りを見逃す確率は1/1010である。よって、極め
て高い誤り検出能力を有することが分かり、これをリー
ド・ソロモン符号を用いた誤り訂正と組み合わせて用い
ることにより、消失誤りシンボル訂正法以外の誤り訂正
法を行わなければならない可能性は、極めて小さくなる
といえる。
【0130】ここで問題となるのは、消失誤りの判定基
準である。例えば、ITU−T標準I.363における
AALタイプ1仕様の場合には、シーケンス番号フィー
ルドには専用の誤り訂正/検出符号が付けられているた
め、これを用いることによりシーケンス番号の保護が行
えた。従って、消失誤りの判定はシーケンス番号フィー
ルドのみによって行うことが可能であった。
【0131】しかしながら、ITU−T標準I.363
におけるAALタイプ3/4仕様の場合には、CRCは
シーケンス番号を含むペイロード全てに対して掛けられ
ているため、誤りが検出された場合にその誤りがシーケ
ンス番号にあるのか、それ以外の部分にあるのかは判定
できない。従ってこの場合には、シーケンス番号の並び
が正しいかどうか、とそのシーケンス番号に対するCR
Cが正しいかどうか、ということからどのシーケンス番
号のセル消失セルであるかを総合的に判断する必要があ
るかもしれない。
【0132】次に、上記の誤り訂正を実際的に適用した
場合の実施例を図8に示す。
【0133】図8は図5と同様の符号化方式の一例であ
る。元のデータは124バイト長であり、これを縦に4
4個並べる。これらの各列に対し1シンボルを1バイト
として(128,124)のリード・ソロモン符号化を
行う。これら44個の符号語をバイト単位に区切って縦
に、すなわち44バイトのデータ805として抽出し、
それに2バイトのSAR(Segment And Reassembly)ヘッ
ダ804と2バイトのSARトレイラ806を付けて4
8バイトのセルペイロードとする。SARヘッダ804
にはメッセージの先頭、途中、最後を示すフラグとシー
ケンス番号とMIDが書かれており、またSARトレイ
ラ806にはこのペイロードに含まれる情報の長さを示
すフィールドとCRCフィールドを含む。そしてセルの
ペイロードに対して10ビットのCRC符号化を行った
後、5バイトのセルヘッダ803をつけてATMセルが
送信される。1ブロックで128セルができあがる。
【0134】受信側では到着したセルにCRCによる誤
り検査を行った後、送信側と同じ規則でブロックにマッ
ピングされる。このように符号化を横方向、セル化をシ
ンボル単位に縦方向に行うことにより、シンボルが別々
のセルに入るため、1セルの消失は各符号語にとっては
1シンボルの消失にしかならない。これにより検査シン
ボル数が4なので通常4セルまでの消失を訂正できる。
【0135】本実施例における生成多項式は図5になら
って G(X)=(X−α120 )(X−α121 )(X−α122 )(X−α123 ) (84) であるとする。αは8次の原始多項式の根である。
【0136】この例での復号処理は、以下の通りであ
る。符号語を(C127 ,C126 ,…,C0 )とすると、
それを多項式表現でC(X)として表すことができる。
【0137】 C(X)=C127 127 +C126 126 +…+C1 X+C0 (85) このとき C(α123 )=C(α122 )=C(α121 )=C(α120 )=0(86) という関係がある。受信符号語をR=(R127
126 ,…,R0 )と、この多項式表現をR(X)とす
ると、各シンドロームは S0 =R(α120 ) S1 =R(α121 ) S2 =R(α122 ) S3 =R(α123 ) (87) により求められる。
【0138】今、リアセンブリ処理部701においてC
RC誤りセルとシーケンス番号誤りセルの合計数が4以
下であるとき、これらは通常の消失シンボル誤り訂正と
して処理することができる。4シンボルまでの消失シン
ボル誤りに対する訂正方法は基本的にAALタイプ1の
実施例、式(73)〜(83)における消失シンボル誤
り訂正と全く同じであるため、ここでは1つの例、すな
わち消失セルが1つ、CRC誤りが1つという場合のみ
を紹介する。他は同様に行うことができる。
【0139】セル消失による誤りが(128−i)番目
のシンボル、そしてCRC誤りが(128−j)番目の
シンボルに発生したとき、各々のシンドローム値は S0 =ei α120i+ej α120j1 =ei α121i+ej α121j2 =ei α122i+ej α122j3 =ei α123i+ej α123j (88) である。
【0140】上の2式のみを用いて ei =(S1 +S0 αj )/α120i(αj +αi ) ej =(S1 +S0 αi )/α120j(αj +αi ) (89) により求められる。
【0141】ej に関してはランダム誤りの発生する割
合を考えた場合に、44個の符号語においてすべてのe
j が非零となることはまれであり、むしろほとんどの場
合にはej は零となるであろう。この訂正が正しいかど
うかは、式(88)を変形して例えば (S0 2 +S1 2 )αi+j =S1 3 +S2 2 (S0 2 +S1 2 )(αi +αj )=S0 3 +S1 2 (90) の関係がSi (i=0〜3)で成立することを確認する
とよい。もし成立しないときは、訂正不能であるとみな
される。
【0142】このように、従来の例えばAALタイプ1
のような誤り訂正方法において、検査シンボル数kに対
して消失誤りシンボル数h、ランダム誤りシンボル数t
として、 2t+h≦k (91) の訂正能力しか持つことができないのに対し、本実施例
においては、ランダム誤りシンボルの位置をCRCによ
って発見できることにより、 t+h≦k (92) の訂正能力を持つことができるようになる。しかも、訂
正には全て消失シンボル誤り訂正法を用いることができ
るため、処理の計算量が少なくて済む。
【0143】続いて、1セルの消失が1シンボルの消失
誤りとならないような実施例を図9に示す。これは、図
8と同様のAALタイプ3/4におけるリード・ソロモ
ン符号のセル化の様子を表したものである。データは、
1列について82バイトのものを8列並べる。これらを
列毎にリード・ソロモン符号化する。この例では1シン
ボルを8ビットとして、6シンボルの検査シンボル90
2を付加し、(88,82)リード・ソロモン符号を8
つ作る。
【0144】ここで、左から縦の8つのシンボルのうち
1つずつを何からの規則に従って順に抜き出す。例えば
図9では最も左の8シンボルの中から上から2番目のも
のを[1]として、その次の8シンボルについては右上
の[2]を、そしてその次は最も下の[3]を、という
ように斜めに抜き出す。このようにして8つの符号語か
らなるべく均等なシンボル数だけを抜くようにする。こ
のようにして一番右まで88個のシンボルを抜くと、そ
れを44シンボルずつに分けて、それぞれにSARヘッ
ダ904とSARトレイラ906をつけ、そしてATM
セル化する。同じシンボルを2回読み出さないように工
夫することによって、この1図面から丁度16個のセル
を作成できる。
【0145】セルを受信すると、まずCRCによる誤り
検出を行い、その上で送信側と全く同じ規則によってセ
ルのペイロード部分をそれぞれのシンボルに割り付け
る。このときもし1セルのセル消失があったとすると、
総計44シンボルが失われるが、8つの符号語に消失シ
ンボルが均等分散されるようなセル化を行っているた
め、1符号語につき、5シンボルまたは6シンボルの消
失が発生することになる。検査シンボル数が6なので、
結局16セルに対して1セルのセル消失誤りを訂正する
ことができる。従って、16セル中の1セルのCRC誤
りをも、消失シンボル誤り訂正によって容易に訂正可能
である。
【0146】ここでこのうちの1つの符号語について、
消失セルあるいはCRC誤りセルに対する消失シンボル
誤り訂正処理を記述する。8次の原始多項式の根をαと
して、ここでは生成多項式として G(X)=(X−α)(X−α2 )(X−α3 )(X−α4 ) (X−α5 )(X−α6 ) (93) を仮定する。受信した符号語をR(X)として多項式表
現したときに、訂正されるべきシンボル部分の次数をそ
れぞれ、P,Q,R,U,V(,W)とする。5シンボ
ルのみの消失のときはWは含まない。このとき、シンド
ロームの値は次式のような形で与えられ、この行列を解
くことにより誤りの値を求めることができる。
【0147】
【数2】 前述したように、一般のATMネットワークでは、セル
の消失の確率がランダムな伝送ビット誤りの確率よりも
大きいことが予想される。従って、本実施例のように1
6セル中で1セルの消失誤りまたは1セル中のランダム
誤りを訂正できる程度の能力で恐らくは充分である。し
かし、もしランダム誤りに対する訂正能力をもっと上げ
ることを望むならば、本実施例においてCRC誤りセル
のみが複数あって、消失誤りシンボル訂正ができなかっ
た場合に、一般誤り訂正を行うとよい。以下では、その
方法について述べる。
【0148】例として図9において、図に示された2つ
の受信セルにおいて共にCRC誤りが検出されたとす
る。このとき、一般に誤りはすべてのシンボルに入って
いる訳ではなく、何シンボルかのみが間違っていること
になる。そうすると、複数のCRC誤りセルがあったと
しても、8つある符号語のそれぞれにそれらの誤りが分
散されれば誤り訂正が可能である。厳密には1つの符号
語について総計3シンボルまでの誤りであればよい。し
かしながら、3シンボル以下の誤りである保証はないの
で、それを確認する手順が必要となる。
【0149】図9で一番上の符号語を代表して記述する
と、まずCRCチェックによって、2,10,18,2
6,34,42,50,58,66,74,82シンボ
ル目に誤りの可能性のあることが分かっている。しか
し、この中のどれに実際に誤りがあるかは分からない。
【0150】そこでまず、通常の一般誤り訂正と同じよ
うに誤り位置多項式を作成する。具体的にはシンドロー
ム多項式S(z)を式(8)に従って作成し、式(9)
を満たすσ(z)とω(z)をユークリッド法等を用い
て求める。ただしk=6である。このようにしてσ
(z)はzの3次式で与えられる。
【0151】次に誤り位置多項式σ(z)の根を求め
る。このときチェンサーチを用いる方法もあるが、誤り
の可能性のあるシンボルの候補は上記のように明白であ
るので、例えばα88-2,α88-10 ,…,α88-82 といっ
た11個の値のみをσ(Z)に代入してみればよい。こ
うしてσ(z)に3つ以下の異なる根があれば訂正で
き、その値は式(10)に従って求めることができる。
【0152】このように、セル毎にCRCによる誤り検
出能力を持たせた上で、誤り訂正を行うことにより、非
常に高い確率で、訂正手間のかからない消失シンボル誤
り訂正を行うことができる。また、ランダム誤りをさら
に多く訂正したい場合には、一般誤り訂正機能を付加す
ることにより、さらに大きな訂正能力を持つことができ
る。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明によれ
ばAALタイプ1において従来と全く同じリード・ソロ
モン符号を用いた符号化によってセルデータを送信し、
受信側でセルの消失が検出された場合に、リード・ソロ
モン復号法による一般の誤り訂正を行わず、消失シンボ
ル誤り訂正によって誤り訂正を試みることによって、大
部分の消失セルの復元を容易に行うことが可能となる。
消失シンボル誤りとランダム誤りの混在確率は充分小さ
いため、一般の誤り訂正よりもはるかに容易な消失シン
ボル誤り訂正をまず行うことによって、ソフトウェア処
理の効率化を図ることができ、復号処理のスループット
を向上させることが可能となる。
【0154】この場合、消失シンボル誤り訂正によって
訂正できなかった時に、初めて一般誤り訂正を適用する
ことによって、従来の方式と比べて誤りの誤訂正空間は
僅かながら異なるが、同じ程度の誤り訂正能力を有する
ことができる。
【0155】また、第2の発明によれば、AALタイプ
3/4においてセル毎に付加されているCRCを用いて
ATMセルのペイロード部分の誤り検出を行い、誤りが
ある場合には該当セルを消失セルと同様の扱いにするこ
とにより、インタリーブされた全てのセルを消失シンボ
ルのみの誤り訂正として処理することができ、処理をハ
ードウェアで実現する場合においては回路、ソフトウェ
アで実現する場合においては処理プログラムの複雑化を
それほどもたらすことなしに、効率的な誤り訂正が可能
となる。
【0156】また、ランダム誤りに対する訂正能力を更
に高めたい場合には、処理は複雑になるが、上記の消失
シンボル誤り訂正法によって訂正できなかった場合に一
般誤り訂正を行うといった手法を適用することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るAALタイプ1におけ
る受信側アダプテーション処理を行う誤り制御装置の構
成をブロック図
【図2】本発明に係るAALタイプ1における従来方式
の送信側および受信側処理を説明するための図
【図3】本発明に係るAALタイプ1における従来方式
の受信側のリード・ソロモン復号化による誤り訂正手順
を示すフローチャート
【図4】同実施例に係るAALタイプ1における受信側
のリード・ソロモン復号化による誤り訂正手順を示すフ
ローチャート
【図5】本実施例に係るAALタイプ1におけるリード
・ソロモン符号化とそれをインタリーブしたATMセル
化の様子を示す図
【図6】本発明の他の実施例に係るAALタイプ3/4
における送信側および受信側処理の説明図
【図7】本発明の他の実施例に係るAALタイプ3/4
における受信側アダフテーション処理を行う誤り制御装
置の構成を示すブロック図
【図8】同実施例に係るAALタイプ3/4におけるリ
ード・ソロモン符号化とそれをインタリーブしたATM
セル化の様子を示す図
【図9】本発明の別の一実施例に係るAALタイプ3/
4におけるリード・ソロモン符号化とそれをインタリー
ブしたATMセル化の様子を示す図
【符号の説明】
101…シーケンス番号検査部 102…バッフ
ァ 103…シンドローム計算部 104…消失誤
りシンボル訂正部 105…誤り値計算部 106…訂正可
能/不可能検証部 108…誤り位置多項式作成部 109…チェン
サーチ部 110…誤り値計算部 111…訂正可
能/不可能検証部 112…誤り訂正部 201…送信上
位レイヤメッセージ 202…情報シンボル 203…検査シ
ンボル 204…送信ATMセル 205…消失セ
ル 206…ランダム誤りありセル 207…正常受
信セル 208…消失誤りシンボル 209…ランダ
ム誤りシンボル 210…誤り訂正後のシンボル列 211…受信上
位レイヤメッセージ 301…シンドローム計算 302…誤り有
無判定 303…消失誤りシンボル訂正可能性判定 304…一
般誤り訂正 305…誤り訂正可能性判定 401…シンド
ローム計算 402…誤り有無判定 403…消失誤
り有無判定 404…消失誤りシンボル訂正可能性判定 405…消失誤りシンボル誤り訂正 406…誤り訂
正可能/不可能検証 407…一般誤り訂正可能性判定 408…一般誤
り訂正 409…誤り訂正可能/不可能検証 501…情報シ
ンボル 502…検査シンボル 503…セルヘ
ッダ 504…シーケンス番号フィールド 505…インタ
リーブされたデータ 601…送信上位レイヤメッセージ 602…情報シ
ンボル 603…検査シンボル 604…送信A
TMセル 605…CRT 606…シーケ
ンス番号 607…消失セル 608…ランダ
ム誤りありセル 609…正常受信セル 610…消失誤
りシンボル 611…誤り訂正後のシンボル列 612…受信上
位レイヤメッセージ 701…リアセンブリ処理部 702…シーケ
ンス番号検査部 703…CRCによる誤り検出部 704…バッフ
ァ 705…シンドローム計算部 706…消失誤
りシンボル訂正部 707…誤り値計算部 708…訂正可
能/不可能検証部 709…誤り訂正部 801…情報シ
ンボル 802…検査シンボル 803…セルヘ
ッダ 804…SARヘッダ 805…インタ
リーブされたデータ 806…SARトレイラ 901…情報シ
ンボル 902…検査シンボル 903…セルヘ
ッダ 904…SARヘッダ 905…インタ
リーブされたデータ 906…SARトレイラ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リード・ソロモン符号化した情報がATM
    ネットワークを介してATMセルの形で伝送されてきた
    受信信号に対して誤り制御を行うATMネットワークに
    おける誤り制御装置において、 前記受信信号中の前記ATMセルの消失を検出するAT
    Mセル消失検出手段と、 このATMセル消失検出手段により前記ATMセルの消
    失が検出された前記受信信号に対して消失誤り訂正を施
    す第1の誤り訂正手段と、 この第1の誤り訂正手段により訂正できない前記受信信
    号に対してリード・ソロモン復号法による誤り訂正を施
    す第2の誤り訂正手段とを具備することを特徴とするA
    TMネットワークにおける誤り制御装置。
  2. 【請求項2】リード・ソロモン符号化した情報がATM
    ネットワークを介してATMセルの形で伝送されてきた
    受信信号に対して誤り制御を行うATMネットワークに
    おける誤り制御装置において、 前記受信信号中の前記ATMセルの消失を検出するAT
    Mセル消失検出手段と、 前記受信信号に対してATMセル単位に誤り検出を施す
    誤り検出手段と、 この誤り検出手段により誤りが検出されたATMセルと
    前記ATMセル検出手段により消失が検出されたATM
    セルに対して消失誤り訂正を施す誤り訂正手段とを具備
    することを特徴とするATMネットワークにおける誤り
    制御装置。
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