JPH07202481A - 磁気シールド材の製造方法 - Google Patents

磁気シールド材の製造方法

Info

Publication number
JPH07202481A
JPH07202481A JP5350984A JP35098493A JPH07202481A JP H07202481 A JPH07202481 A JP H07202481A JP 5350984 A JP5350984 A JP 5350984A JP 35098493 A JP35098493 A JP 35098493A JP H07202481 A JPH07202481 A JP H07202481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic shield
powder
pieces
powder pieces
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5350984A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Endo
貴則 遠藤
Hiroyuki Imai
浩之 今井
Masami Miyake
政美 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP5350984A priority Critical patent/JPH07202481A/ja
Publication of JPH07202481A publication Critical patent/JPH07202481A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 通気性を有するシート状基材を多孔質支持板
に載置し、該基材の表側に磁気シールド粉片を供給する
と共に該粉片を流動化し、支持板の裏側から該基材を通
じて流動化状態の磁気シールド粉片を吸引することによ
り該基材表面に磁気シールド粉片を付着させることを特
徴とする磁気シールド材の製造方法。 【効果】 基材表面に磁気シールド粉片を均一に隙間無
く付着させることができるので磁気シールド効果に優れ
たシールド材を容易に製造することができる。不織布や
紙などを用いれば柔軟性に富むシールド材を得ることが
でき、導電性の布材や多孔質の金属箔を基材に用いるこ
とにより、静磁場および低周波域から高周波域に至る広
い周波数帯域の電磁波に対して優れた電磁波シールド効
果を有するシールド材を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気シールド粉片を層状
に堆積させた磁気シールド層を容易に形成できる磁気シ
ールド材の製造方法に関する。なお、本明細書では便宜
上、球状、偏平状など各種形状の粉末および細長い薄片
を含めて粉片と云う。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、電子機器が広範に使用さ
れるようになり、外部の電磁気がこれらの機器に及ぼす
影響や、電子機器から漏洩した電磁気の影響が問題にな
っており、このような電磁気を遮蔽するため、各種の電
磁気シールド材が従来から提案されている。代表的な磁
気シールド材としては、パーマロイ合金板やフェライト
などが用いられているが、パーマロイ合金板は折り曲げ
や絞り加工または切断加工などを施すと、加工部分の合
金組織が歪むので磁気シールド特性が極端に低下する。
これを元に戻すには加工品を1000℃以上で焼鈍した後に
非酸化性雰囲気下で徐冷しなければならず、製造に手間
どり大幅なコスト高になるなどの問題がある。またフェ
ライト焼結体は硬く脆いので加工性に劣る。
【0003】このような加工性を改善するために、パー
マロイ合金粉片やセンダスト合金粉片などの金属系軟磁
性粉片を樹脂に混合した磁気シールド材やフェライト粉
片などの酸化物系軟磁性粉片を樹脂に混合した磁気シー
ルド材が知られている。ところが、これらの樹脂系磁気
シールド材は、磁気シールド粉片を樹脂に混練してシー
ト状に成形しなければならず、既存の樹脂シートを利用
することができないので製造に手間取り、製造コストも
高い。
【0004】また樹脂中に磁気シールド粉片を混練して
シート状に成形するものは、該粉片が樹脂全体に個々に
分散されるので該粉片相互の接触が不十分になり易く、
磁気シールド性能が低い問題がある。さらに、優れた磁
気シールド効果を得るには、磁気シールド粉片相互の接
触面積が大きいことが必要であり、このため偏平状の粉
片を用い該粉片を層状に積層した構造にすることが好ま
しいが、樹脂中に磁気シールド粉片を混練してシート状
に成形するものは、成形の際、樹脂全体に磁気シールド
粉片が分散されているため、これをシートの表面に沿っ
て薄く層状に配向させて積層した状態に形成するのが難
しい。
【0005】
【発明の解決課題】本発明は従来の磁気シールド材の製
造方法における上記課題を解決したものであり、磁気シ
ールド粉片を平面状に配向して層状に積層した構造を形
成し易く、磁気シールド効果の優れた磁気シールド材を
容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明の製造方法は、通気性を有す
る基材を用い、該基材の表側に供給した磁気シールド粉
片を基材裏側から吸引することにより基材表面に磁気シ
ールド粉片を付着させることを特徴とし、偏平な磁気シ
ールド粉片が基材表面に均一に分散して隙間無く付着す
るために、磁気シールド効果の優れた磁気シールド材を
容易に得ることができる。
【0007】
【発明の構成】本発明は以下の構成からなる磁気シール
ド材の製造方法に関する。 (1) 通気性を有するシート状基材を多孔質支持板に
載置し、該基材の表側に磁気シールド粉片を供給すると
共に該粉片を流動化し、支持板の裏側から該基材を通じ
て流動化状態の磁気シールド粉片を吸引することにより
該基材表面に磁気シールド粉片を付着させることを特徴
とする磁気シールド材の製造方法。 (2) 磁気シールド粉片を空気流と共に供給して流動
化する乾式法による上記(1) の製造方法。 (3) 磁気シールド粉片と共に噴霧状の結合剤を供給
する上記(2) の製造方法。 (4) 磁気シールド粉末を液体に懸濁させて供給する
湿式法による上記(1)の製造方法。 (5) 結合剤を溶解ないし分散させた溶液に磁気シー
ルド粉末を懸濁させて供給する上記(4) の製造方法。 (6) 結合剤によって被覆された磁気シールド粉片を
供給する上記(1) ,(2)または(4) の製造方法。 (7) 表面に結合剤を塗布した基材の表側に磁気シー
ルド粉片を供給する上記(1) ,(2)または (4)の製造方
法。 (8) 上記シート状基材が布、紙あるいは多孔質樹脂
シート、多孔質金属箔である上記(1) 〜(7) のいずれか
の製造方法。 (9) 偏平状の磁気シールド粉片を用いる上記(1) 〜
(8) のいずれかの製造方法。 (10) 上記シート状基材が導電性であり、電磁気シ
ールド機能を有する上記(1) 〜(9) のいずれかの磁気シ
ールド材。 (11) 磁気シールド粉片の供給と付着を繰り返し行
う上記(1) 〜(10)のいずれかの製造方法。
【0008】
【具体的な説明】本発明は、通気性を有するシート状基
材を多孔質支持板に載置し、該基材の上側に磁気シール
ド粉片を供給すると共に該粉片を流動化し、支持板の裏
側から該基材を通じて流動化状態の磁気シールド粉片を
吸引することにより該基材表面に磁気シールド粉片を付
着させ、シート状基材の表面に磁気シールド層を形成し
た磁気シールド材を製造する方法である。
【0009】本方法において、シート状基材は磁気シー
ルド材の基体となる部分であり、通気性を有するとは、
その裏側から基材表側に供給された磁気シールド粉片を
吸引できることを意味し、具体的には、不織布や織布な
どの布材、紙、微細な小孔を一面に有する樹脂シートや
金属箔などである。これらの材料は柔軟性に富み、可撓
性に優れた磁気シールド材を得ることができる。とくに
不織布などは表面の起毛の間に磁気シールド粉片が保持
されるので該粉片の付着性が良い。また導電性の布材や
金属箔を用いれば、この基材が導電性を有するので、磁
気シールドと共に電界シールド効果を有する電磁波シー
ルド材を得ることができる。
【0010】上記基材を支持する多孔質支持板とは、そ
の裏側から表側のシート状基材表面の磁気シールド粉片
を吸引できる通気性部材を意味し、具体的には、格子状
の板材、多数の小孔やスリットを有する板材、網状部材
あるいはこれらと同等の機能を有する部材である。本方
法は、支持板を水平に設置し、その上にシート状基材を
載置して実施する態様が一般的であるが、これに限ら
ず、支持板を立設して実施することも可能であり、この
態様では、支持板に基材を載置するとは支持板の片面に
基材を張合わせた状態に保持することを云う。磁気シー
ルド粉片は支持板の基材を設けた表側、すなわち水平に
設置した支持板上に基材を設置した場合にはその上側に
供給される。
【0011】本方法の実施には槽状の容器が用いられ、
支持板は槽内を塞ぐように設置されており、該支持板に
よって槽内がシールド粉片の供給用部分と減圧用部分に
区画され、減圧用部分には排気管が接続される。通常の
装置構成においては支持板の上側が供給用部分であり、
その下側が減圧用部分である。なお、磁気シールド粉片
を空気流と共に供給する乾式法においては気密な容器が
用いられるが、該粉片を液体に懸濁させて供給する湿式
法においては気密容器に限らない。
【0012】上記多孔質支持板に載置した基材の上側に
磁気シールド粉片を供給すると共に流動化する。磁気シ
ールド粉片の供給と同時あるいは供給直後に空気流を吹
込むことにより磁気シールド粉片を流動化することがで
きる。あるいは、圧縮空気流によって磁気シールド粉片
を流動化した状態で基材の上側に供給してもよい。磁気
シールド粉片を空気流と共に導入して流動化するとはこ
の何れの場合も意味する。また湿式法においては、磁気
シールド粉片を液体に懸濁させて供給すれば流動化状態
となる。
【0013】磁気シールド粉片を基材表面に付着させる
結合剤は、噴霧状にして磁気シールド粉片と共に供給し
ても良く、または予め基材表面に薄く塗布しても良い。
あるいは表面を結合剤によって被覆した磁気シールド粉
片を用いても良い。なお、磁気シールド粉片を層状に積
層せる場合には、基材表面に予め結合剤を塗布する方法
によらず、結合剤を噴霧状にして供給するか、表面を結
合剤によって被覆した磁気シールド粉片を用いるのが良
い。また結合剤を水に溶解し、または分散させた溶液に
磁気シールド粉片を懸濁させて供給しても良い。
【0014】磁気シールド粉片としては高飽和磁化およ
び低保磁力を有する軟磁性粉片が用いられる。ここで高
飽和磁化と低保磁力を有するとは、従来の磁気シールド
粉片と同等かそれを上回る飽和磁化を有し、同等かそれ
以下の保磁力を有することを言う。該軟磁性粉片として
は、例えば、硅素鋼、センダスト合金、パーマロイ合金
またはCo系ないしFe系非晶質合金の粉片および絶縁
性のフェライト系酸化物粉片が挙げられる。代表的なこ
れらの軟磁性材の保磁力は10Oe以下であり、磁気シー
ルド粉片として用いるには保磁力は少なくとも10Oe以
下、好ましくは1.0Oe以下のものが適当である。
【0015】上記磁気シールド粉片の平均粒径は10μ
m 〜3cmの範囲が好ましい。平均粒径が10μm 未満で
あると、粉片が凝集し易くなるので好ましくない。平均
粒径が3cmより大きいと基材表面に均一に分散させるの
が難しくなる。なお積層体全体の良好な柔軟性を保つに
は、平均厚さ5μm 未満の粉片が好ましい。粉片がこれ
より厚いと、積層状態にもよるが柔軟性が失われ易い。
磁気シールド効果を高めるには、電磁波シールド粉片に
よって平面を出来るだけ隙間無く覆うことが必要であ
り、このためにはフレーク状、鱗片状、短冊状の粉片が
好ましく、特にアスペクト比が5以上の粉片が好まし
い。アスペクト比とは粉片の平均厚さに対する平均直径
の比(平均直径/平均厚さ)を云う。粉片の偏平面の平
均直径は顕微鏡下の観察により測定でき、また平均厚さ
は平面に配向した粉片の断面を顕微鏡下で観察して測定
できる。偏平な粉片の3次元観察において、最も小さい
長さが偏平面の厚さである。なお、粉片の平均粒径はレ
ーザを用いた粒度分布計などによって重量基準累積50%
を測定することによって求めることができる。偏平粉片
の平均粒径は、偏平面の長径、短径および厚さを含めた
平均値である。このような偏平粉はアトマイズ法などに
よって得た球状粒子をボールミル等によって加工し、あ
るいは溶融金属を偏平状に加工して得られる。アスペク
ト比が5未満であると、配合量の割りには磁気シールド
効果が低くなるので好ましくない。
【0016】磁気シールド粉片としては上記偏平状粉片
に導電性金属を被覆したものを用いることができる。こ
のような導電性の磁気シールド粉片によってシールド層
を形成したものは、導電性の基材を用いたシールド材と
同様に、導電性金属による電磁波シールド効果と磁性粉
片による磁気シールド効果を併せて有するので、静磁場
や低周波域から高周波域に至る広い周波数帯域の電磁波
に対して優れた電磁波シールド効果を発揮することがで
きる。
【0017】磁気シールド粉片を基材の上側に供給し、
流動化した状態で、支持板の裏側から排気し、基材を通
じて基材上側の空気流を基材の裏側に排気し、基材の上
側で流動化されている磁気シールド粉片を基材表面に吸
引して付着させる。偏平な粉片は偏平面に沿って基材表
面に付着する。粉片が付着した部分は通気性が低下する
ので粉片の未だ付着していない部分の吸引力が相対的に
大きく、未接着の部分にも粉片が吸い寄せられて付着す
るので最終的に基材の表面全体に粉片が均一に付着す
る。
【0018】本方法においては、磁気シールド粉片の供
給から吸引による付着に至る工程を繰り返すことによ
り、磁気シールド粉片を層状に積層した状態にすること
ができる。このような多層構造の磁気シールド材におい
ては、磁気シールド粉片に代えて導電性粉片を用いるこ
とにより、磁気シールド粉片によって形成された磁気シ
ールド層と導電性粉片によって形成された導電層とを積
層することができる。このように導電性金属が介在する
ものは該金属粉片による電磁波シールド効果と磁性粉片
による磁気シールド効果を併せて有するので、静磁場や
低周波域から高周波域に至る広い周波数帯域の電磁波に
対して優れたシールド効果を発揮することができる。ま
た多層構造の磁気シールド材においては、層ごとに異な
った種類の磁気シールド粉片を用いることができる。一
例として、遮蔽対象の磁束に面する側の外層付近の粉片
層には比較的保磁力が大きく安価な粉片を用い、内側の
粉片層には保磁力の小さな粉片を用いることによって、
高い磁気シールド効果を維持しながら経済性に優れた磁
気シールド材を得ることができる。
【0019】本発明の実施に用いる製造装置例を参照し
て製造手順を以下に説明する。図1は乾式吸引法による
製造装置の概略断面図である。図示するように該装置は
気密な槽30を有し、該槽30には槽内を塞ぐ支持板3
1が設けられており、該支持板31には多数の通気孔3
2が穿設されている。支持板31より上側の側壁には送
風ダクト33が設けられており、蓋34には排気口を兼
ねる粉片の供給口35が設けられている。図2に示すよ
うに、送風ダクト33は槽30の外周に環状に設けられ
ており、槽内に向かって多数の吹込み孔が槽内を囲むよ
うに穿設されている。一方、槽30の底部には排気手段
36が接続しており、該排気手段36によって槽内が吸
引排気される。上記支持板31に通気性シート基材40
を載置する。該基材40として多数の小孔41を有しか
つ表面に薄く粘着剤を塗布した樹脂シートを用いる場合
には粘着剤を刷子塗りすると小孔が詰まるので、グラビ
アコートなどの方法によって微細なドット状あるいはス
トライブ状に粘着剤をコーテイングすれば小孔の詰まり
を生じないので好ましい。この基材40を載置した後
に、磁気シールド粉片42を供給口35から槽内に供給
し、供給直後あるいは供給と同時に送風ダクト33を通
じて空気を送り、吹出し孔から空気を噴出させて上記粉
片を流動化し、槽内を流動層の状態にする。次いで送風
を止めると同時に排気手段36によって槽内を排気し、
流動化した粉片を樹脂シート表面に吸引して付着させ
る。ここで、偏平な磁気シールド粉片を用いると、該粉
片はこの吸引力により偏平面に沿って基材表面に配向す
る。また吸引力は樹脂シート40の表面に粉片が付着し
て小孔41が塞がれるに従って弱くなるので、未接着の
部分にも順次粉片が吸引されて付着するので最終的に表
面全体に粉片が隙間無く付着する。
【0020】図4は湿式法による製造装置の概略断面図
である。図示するように該装置は上開きの槽50を有
し、その槽内には上半部を塞ぐ支持板51が蓋設されて
いる。該支持板51には多数の通気孔が52が穿設され
ている。槽50の底部は排液溜り53であり、排液管5
4が接続している。また上記支持板51の下側に位置す
る側壁には真空ポンプを備えた吸引手段55が接続して
おり、該吸引手段55によって支持板51より下方の槽
内が吸引排気される。上記支持板51に通気性のシート
状基材56を載置し、その上側に磁気シールド粉片57
を水に懸濁させて供給する。該懸濁液58には必要に応
じて結合剤が分散ないし溶解される。吸引手段55によ
って該懸濁液を吸引濾過することにより、磁気シールド
粉片57が基材表面全体に隙間無く均一に付着する。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す、なお本実施例
は例示であり本発明の範囲を限定するものではない。 実施例1(乾式法) 図1に示す装置を用い、多数の小孔を有する樹脂シート
(孔径3 〜5 μm 、厚さ30〜40μm )の表面に粘着剤を
グラビアコート法によって微細な斑点状に薄く塗布した
ものを支持板31に載置し、偏平状のCo系非晶質軟磁性
合金粉片(平均長径1.5cm 、平均短径5.0mm 、平均厚さ
160 μm )を排気口を兼ねる粉片供給口35から槽内に
入れ、同時に送風口33から空気を導入して槽内を流動
槽の状態にした。次に送風を止めると同時に排気手段3
6によって槽内を排気し、流動化した粉片を上記樹脂シ
ート表面に吸引して付着させた。このようにして片面に
粉片層を形成したシート状基材を一対用い、粉片層を上
向きにした一方のシート状基材の粉片層の上に接着剤を
有しない同種の粉片を均一に供給して未接着の粉片層を
形成し、さらにこの上に、粉片層を下向きにした他方の
シート状基材を重ね、この積層体を保護フィルムで覆
い、熱圧着によって一体に形成することにより磁気シー
ルド材(試料A1 )を得た。この試料A1 の粉片量は50
0g/m2 であり、基材の間に介在された未接着粉片と基材
表面に付着された粉片の割合は重量比で1:3、磁気シ
ールド材の厚さは0.8 mmである。
【0022】上記Co系粉片に代えて偏平状のFe系非晶質
軟磁性合金粉片(平均長径1.7cm 、平均短径5.2mm 、平
均厚さ215 μm )を用い、上記方法によって磁気シール
ド材(試料A2 )を得た。また、上記Co系粉片に代えて
偏平状のセンダスト粉片(平均長径1.1cm 、平均短径3.
0mm 、平均厚さ125 μm )を用い、上記方法によって磁
気シールド材(試料A3 )を得た。この試料A1 、A2
の粉片量は何れも500g/m2 であり、厚さは0.8 mmであ
る。
【0023】上記試料A1,A2,A3 を用い、図3に示す
測定装置60によってその磁気シールド効果を測定し
た。該装置60は載置台62を有し、該載置台62の容
器63に強度既知の磁石64が装入されており、また磁
気強度検出器70の検知端71がスタンドのアーム65
に上下動自在に支持されており、その先端が上記磁石6
4に臨むように設置されている。試料72は容器63に
載せられ、試料72によって遮蔽された磁気強度を測定
する。本実施例では、試料72を設置しない状態で検知
端71が感知する初期強度が各々100G, 80G,60G,40G,20
G の磁石を用い、この位置に検知端71を設定し、各試
料について上記磁石を入替え、試料によって遮蔽された
磁気強度を測定した。この結果を表1に示した。
【0024】実施例2(湿式法) 鱗片状のFe系非晶質軟磁性合金粉末(平均長径15μm
、平均短径7 μm 、平均厚0.5 μm )70wt%とウレ
タン系有機結合剤(武田薬品社製、商品名タケネート)
30wt%を、この粉末と結合剤の合計量に対して2倍量
の有機系溶媒(メチルエチルケトン40wt%、トルエン40
wt%、シクロヘキサン20wt%)に懸濁させた液を調製し
た。一方、図4に示す装置の支持板に市販の不織布(厚
さ5mm、中尾フィルター工業社、商品名テトロン1045)
を置き、この不織布の上側に上記懸濁液を供給し、排気
手段によって槽内を排気し、不織布を通じて上記懸濁液
を吸引濾過し、不織布表面および該表面の繊維間に磁気
シールド粉末を付着充填させて磁気シールド層の厚さが
0.5mm の磁気シールド材(試料B1 )を得た。この試料
B1 について、実施例1と同様にその磁気シールド効果
を測定した。この結果を表1に示した。またFe系非晶
質軟磁性合金粉末に代えて、Co系非晶質軟磁性合金粉
末(平均長径30μm 、平均短径15μm 、平均厚0.8 μm
)およびセンダスト粉末(平均長径18μm 、平均短径1
2μm 、平均厚0.7 μm )を用い、上記と同様にして磁
気シールド材(試料B2,B3 )を製造した。この試料B
2,B3 について同様に磁気シールド効果を測定した結果
を表1に示す。いずれも優れた磁気シールド効果が得ら
れた。
【0025】
【表1】 初期強度 100G 80G 60G 40G 20G 備考 実施例 A1 9.8 8.2 6.9 5.4 3.2 Co系 1 A2 19.8 18.2 13.9 9.1 5.5 Fe系 A3 20.0 18.1 14.1 8.8 5.3 センタ゛スト 実施例 B1 22.2 19.9 17.0 10.6 5.8 Fe系 2 B2 14.2 11.8 9.1 6.4 3.4 Co系 B3 22.3 21.2 17.5 11.2 6.1 センタ゛スト
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法は、シート状基材に表
面に磁気シールド粉片を吸引して付着させる方法である
ために、基材表面に磁気シールド粉片を均一に隙間無く
付着させることができるので、磁気シールド効果に優れ
たシールド材を容易に製造することができる。また樹脂
に磁気シールド粉片を混入してシート状に成形する方法
と異なり、樹脂以外の材質の基材を用いることができる
ので、不織布や紙などを用い、柔軟性に富むシールド材
を得ることができる。さらに導電性の布材や多孔質の金
属箔を基材に用いることにより、静磁場および低周波域
から高周波域に至る広い周波数帯域の電磁波に対して優
れた電磁波シールド効果を有するシールド材を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本方法を実施する装置構成の一例を示す模式縦
断面図。
【図2】上記装置の模式横断面図。
【図3】磁気シールド効果の測定装置の構成図。
【図4】本方法を実施する装置構成の他の例を示す模式
縦断面図。
【符号の説明】
30、50−槽 31、51−支持板 32、52−通気孔 33−送風ダクト 34−蓋 35−粉片供給口 36−排気手段 40、56−基材 41−小孔 42、57−磁気シー
ルド粉片 53−排液溜り 54−排液管 55−吸引手段 58−懸濁液 60−測定装置 62−載置台 63−容器 64−磁石 65−アーム 70−磁気強度検出器 71−検出端 72−試料

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性を有するシート状基材を多孔質支
    持板に載置し、該基材の表側に磁気シールド粉片を供給
    すると共に該粉片を流動化し、支持板の裏側から該基材
    を通じて流動化状態の磁気シールド粉片を吸引すること
    により該基材表面に磁気シールド粉片を付着させること
    を特徴とする磁気シールド材の製造方法。
  2. 【請求項2】 磁気シールド粉片を空気流と共に供給し
    て流動化する乾式法による請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 磁気シールド粉片と共に噴霧状の結合剤
    を供給する請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気シールド粉末を液体に懸濁させて供
    給する湿式法による請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】 結合剤を溶解ないし分散させた溶液に磁
    気シールド粉末を懸濁させて供給する請求項4の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 結合剤によって被覆された磁気シールド
    粉片を供給する請求項1、2または4の製造方法。
  7. 【請求項7】 表面に結合剤を塗布した基材の表側に磁
    気シールド粉片を供給する請求項1、2または4の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 上記シート状基材が布、紙あるいは多孔
    質樹脂シート、多孔質金属箔である請求項1〜7のいず
    れかの製造方法。
  9. 【請求項9】 偏平状の磁気シールド粉片を用いる請求
    項1〜8のいずれかの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記シート状基材が導電性であり、電
    磁気シールド機能を有する請求項1〜9のいずれかの磁
    気シールド材。
  11. 【請求項11】 磁気シールド粉片の供給と付着を繰り
    返し行う請求項1〜10のいずれかの製造方法。
JP5350984A 1993-12-28 1993-12-28 磁気シールド材の製造方法 Withdrawn JPH07202481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5350984A JPH07202481A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 磁気シールド材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5350984A JPH07202481A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 磁気シールド材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07202481A true JPH07202481A (ja) 1995-08-04

Family

ID=18414252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5350984A Withdrawn JPH07202481A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 磁気シールド材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07202481A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014090142A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Tomoegawa Paper Co Ltd 磁気遮蔽紙およびその製造方法
KR101510173B1 (ko) * 2007-08-03 2015-04-08 다츠다 덴센 가부시키가이샤 프린트 배선판용 쉴드 필름 및 프린트 배선판
JP2015088522A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社村田製作所 積層コイル部品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101510173B1 (ko) * 2007-08-03 2015-04-08 다츠다 덴센 가부시키가이샤 프린트 배선판용 쉴드 필름 및 프린트 배선판
JP2014090142A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Tomoegawa Paper Co Ltd 磁気遮蔽紙およびその製造方法
JP2015088522A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社村田製作所 積層コイル部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103959927B (zh) 复合电磁波吸收片
EP1424704A1 (en) COMPOSITE MAGNETIC MATERIAL PREPARED BY COMPRESSION FORMING OF FERRITE−COATED METAL PARTICLES AND METHOD FOR PREPARATION THEREOF
WO2018054314A1 (zh) 一种R-Fe-B系稀土烧结磁铁的晶界扩散方法、HRE扩散源及其制备方法
KR20060052537A (ko) 전자파 흡수시트의 제조방법, 분체의 선별방법 및 전자파흡수시트
JP2006521023A (ja) 高密度化金属粉末を使用する電磁通信回路構成要素の形成
JP2007006465A (ja) アンテナ装置
US10576539B2 (en) Flat soft magnetic powder and production method therefor
JP2006351946A (ja) 軟磁性成形体の製造方法
JPH07202481A (ja) 磁気シールド材の製造方法
EP1107358B1 (en) Radiowave absorbent and manufacturing method thereof
KR101894892B1 (ko) ?기트 및 내추럴 플러렌을 포함하는 마스크
EP0837312B1 (en) Method and device for aerosol size-selective sampling
US10217551B2 (en) Magnetic sheet, method of making the same, and loud speaker including the same
JP2006113750A (ja) 非接触型データ受送信体
KR102220560B1 (ko) 자기장 차폐시트 및 이의 제조 방법
JP2003297628A (ja) 磁性膜およびその形成方法
JP4896705B2 (ja) アンテナ装置及びアンテナ装置を備えた無線装置
JP3052677B2 (ja) 磁気シールド材とその製造方法
KR101368330B1 (ko) 고밀도 자기-전기결합 나노복합체 후막 및 이의 제조방법
JP5778373B2 (ja) 成膜方法
CN111055595A (zh) 磁吸式静电分散防伪颗粒印刷机器人流水线及印刷方法
JPS6258604A (ja) 磁気記録用磁性鉄粉の製造方法
CN206200782U (zh) 一种三角形的电镀金刚石拉绒片
Sugihartono et al. Structure and magneticproperties of barium hexaferrite BaFe10CoNiO19 films
RU2320740C2 (ru) Способ изготовления спеченных фильтрующих элементов

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010306