JPH07200300A - パターン認識型推論方法及び装置 - Google Patents

パターン認識型推論方法及び装置

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JPH07200300A
JPH07200300A JP6212953A JP21295394A JPH07200300A JP H07200300 A JPH07200300 A JP H07200300A JP 6212953 A JP6212953 A JP 6212953A JP 21295394 A JP21295394 A JP 21295394A JP H07200300 A JPH07200300 A JP H07200300A
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pattern
data
information
inference
clustering
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JP6212953A
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Tetsuya Abe
哲也 阿部
Shigeru Maeda
茂 前田
Shigeko Nagashima
繁子 永島
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F18/00Pattern recognition
    • G06F18/20Analysing
    • G06F18/24Classification techniques
    • G06F18/24765Rule-based classification

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
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  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
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  • Evolutionary Biology (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Information Retrieval, Db Structures And Fs Structures Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】複数の対象データが共に同じ参照用パターンに
最も近いと認識される場合でも、参照用パターンとの近
さに応じて推論結果が変えられるようにする。 【構成】利用者指定に応じて対象POSデータベース9
から取り出された対象データと、パターンデータベース
5に貯えられている(過去のデータからクラスタリング
手法を用いてパターン抽出部4にて抽出された)全パタ
ーンデータとのパターンマッチングを、パターンマッチ
ング部11にて行い、対象データと各パターンとのそれ
ぞれの類似度をその間の距離で出力する。この各パター
ン毎の距離のうち、対象データに最も近いパターンであ
ることを表すものを、確信度変換部12にてルール推論
用の確信度に変換する。推論部13は、対象データに最
も近いパターンとその確信度をもとに、知識ベース8に
貯えられているルール知識から、そのパターンに対応し
た推論を行い、確信度付きで答えを出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の時系列データに
対してパターンマッチングとルール推論を行い、異常を
発見したり警告を発したりするのに好適なパターン認識
型推論方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】天候データ、株価データなどに代表され
る時系列データは世の中に数多く存在する。日々の売上
高の推移も時系列データなので、スーパーマーケットな
どのPOS(販売時点情報管理)データも時系列データ
として把握することができる。また近年は、計算機や各
種システムについてネットワークを介して遠隔地から保
守を行うことも可能になってきており、システムの状態
についてのデータを時系列的に取得することも可能にな
ってきている。観測技術やセンサ技術などの進歩もあ
り、こうした時系列的なデータは増大する一方である。
【0003】この種の時系列データを監視することによ
り、異常を発見したり警告を発したりアドバイスを出し
たりすることが、従来より考えられている。例えば病院
で心電図の様子を時系列的に監視したりするものであ
る。
【0004】このような時系列データを監視する装置を
実現するに当たっては、時系列データの推移の様子に応
じて警告を発したりアドバイスを発したりするので、現
在のデータがどのような推移をしているものかを認識し
た上で、その推移に即した判断を下さなければならな
い。そこで、時系列データが数値で表現されるデータ列
であり、パターンとして捉えることができることに着目
し、「もしAというパターンが生じたら、Bというアド
バイスを出す。」という形式のルールで実現される方法
が考えられている。即ち、こうしたルールを幾つも貯え
ておき、監視している対象のデータがあてはまるパター
ンに応じたルールが発火してアドバイスが出されるよう
にするというものである。
【0005】そのため、推論対象とするデータ(推論対
象データ)が入力されると、参照用パターンとパターン
マッチングして、どのパターンかを判別して、そのパタ
ーンに応じたルールを発火する、というパターン認識型
推論の仕組みが考えられる。この仕組みは、パターンマ
ッチングを行う手段と、ルール推論を行う手段を備えた
パターン認識型推論装置として実現されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、時系
列データの推移の様子に応じて警告を発したりアドバイ
スを発したりするために、従来は、推論の対象となるデ
ータが入力されると、参照用パターンとパターンマッチ
ングして、どのパターンかを判別した上で、そのパター
ンに応じたルールを発火する仕組みのパターン認識型推
論装置が考えられていた。
【0007】ところが、これだけでは、対象とするデー
タのパターンが参照用パターンとどれくらい近いかの情
報が欠落してしまう。このため、例えば対象データのパ
ターンが相対的にAというパターンに最も近い場合に、
実際には、Aというパターンに非常に近い場合でも、或
いは絶対的にはそれほど近くない場合でも、同じルール
が発火して同じ結論を出してしまうという事態が発生す
る虞がある。
【0008】たとえ参照用パターンのうちAというパタ
ーンに最も近く、それに応じた結論を導くにしても、ど
れくらいAというパターンに近いかによって結論が若干
違ってくる場合もあるはずである。同じ結論を出すにし
ても、その確からしさは違ってくると考えられる。
【0009】このように、従来考えられているパターン
認識型推論装置では、エキスパートシステムに代表され
る主にルールなどを用いた記号処理を得意とする従来の
知識処理技術とは異なって、数値表現されるデータに対
する推論が行えるものの、対象とするデータのパターン
が参照用パターンのどれかに最も近い場合、どれくらい
近いかの程度に関係なく、最も近いパターンに応じて同
じ結論を導いてしまうという虞があった。
【0010】また従来は、推論の精度や効率、記憶装置
の必要容量などに大きく係わってくる参照用パターン及
びパターンマッチング結果の保存について考慮されてい
なかった。したがって、データが大量になると推論の精
度や効率が落ち、また記憶容量も莫大なものを必要とす
るようになっていた。また、利用者の要求により推論の
精度より記憶容量の少なさを優先させるとか、その逆の
場合を行いたいなどの指定もできなかった。更に、保存
されているパターンを修正するのに、修正を容易にする
ような考慮もなされていなかった。
【0011】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
でその目的は、対象とする複数のデータパターンがいず
れも同一の参照用パターンに最も近いと認識される場合
でも、参照用パターンとの近さに応じて出力する結論を
変えることができるパターン認識型推論方法及び装置を
提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、保存する参照用パタ
ーンを構成するデータの形式、データ構造が選択できる
ことで利用者の要求する推論精度や効率、記憶容量など
の制約を満たすことができ、また予め保持されたクラス
タの修正を容易にすることができるパターンデータベー
ス構築装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、パタ
ーンマッチング手段により推論対象データと複数の参照
用パターンとのパターンマッチングを行って、各参照用
パターン毎に推論対象データとの類似度を表す数値デー
タを生成する構成とすると共に、この数値データを変換
手段により推論用の確信度に変換して、上記パターンマ
ッチング結果とこの確信度を用いて、推論手段にて上記
推論対象データに関する推論を行う構成としたことを特
徴とするものである。
【0014】この構成においては、推論手段の推論に、
パターンマッチング結果の他に確信度が用いられるた
め、例えば複数の推論対象データが同じ参照用パターン
に最も近いと認識される場合でも、その近さの程度が確
信度により異なり、どれくらい参照用パターンに近いか
によって結論の確からしさを変えたり、場合によっては
異なる結論を導くことが可能となる。そして、結論の確
からしさを、自然言語やグラフ等に反映して利用者に提
示することにより、アピールの度合いを変えることも可
能になる。
【0015】また本発明は、最も類似度の高い参照用パ
ターについてのみ、変換手段による確信度への変換を行
うことを特徴とする。
【0016】この構成においては、推論手段による推論
処理の負荷を最小限に抑えることが可能となる。
【0017】また、本発明は、すべての参照用パターン
について変換手段による確信度への変換を行うことを特
徴とする。
【0018】この構成においては、推論手段による推論
処理の負荷は高いものの、きめ細かな推論が行えて、利
用者に対していろいろな可能性を示すことができる。
【0019】また、本発明は、推論対象データに近い参
照用パターンから順に、参照用パターンの総数に応じて
決定される数、或いはパターン数設定手段により設定さ
れる数のパターンについてのみ、確信度への変換を行う
ことを特徴とする。
【0020】この構成においては、単純に1つの答えを
得るだけでなく、いろいろな可能性を示しつつ、しかも
推論処理の負荷を或る程度抑えることが可能になる。
【0021】また本発明は、しきい値設定手段により設
定されるしきい値よりも類似度が高いことが示されてい
る参照用パターンについてのみ、確信度への変換を行う
ことを特徴とする。
【0022】この構成においては、しきい値設定手段に
より設定されたしきい値で示される基準以上に対象デー
タが類似していると認められるパターンすべてについて
推論が行われるため、数を決めていた場合には抜けてい
た答を出すことも可能になるし、一定の数だけ推論しよ
うとして、大して似ていないパターンについてまで推論
するといったこともなくなる。
【0023】また、本発明は、パターンマッチング手段
のパターンマッチングで、各参照用パターン毎に「1」
の絶対値を越えない範囲で推論対象データとの類似度を
表す数値データを生成する構成とすると共に、この数値
データをそのまま確信度として扱い、上記パターンマッ
チング結果と当該確信度を用いて、推論手段にて上記推
論対象データに関する推論を行う構成としたことをも特
徴とする。
【0024】この構成においては、パターンマッチング
をとるだけで、確信度への変換方法を用意することな
く、確信度付きの推論が可能になる。
【0025】また本発明は、上記のような構成のパター
ン認識型推論装置、即ち各種の推論対象データに対して
複数の参照用パターンとのパターンマッチングを行い、
その結果に従って推論を行うパターン認識型推論装置に
参照用パターンの保存を司るパターンデータベース構築
装置を設け、当該パターンデータベース構築装置を、参
照用パターンの生成のためにクラスタリングした学習用
データの組を含む参照用パターン情報とその際のクラス
タリング情報を入力する参照用パターン情報入力手段
と、パターンマッチングに用いられる参照用パターンを
構成するデータの形式及びクラスタリング情報について
利用者による選択指定操作を受け付ける格納情報選択手
段と、この格納情報選択手段により受け付けられたデー
タ形式の参照用パターンを参照用パターン情報入力手段
により入力された参照用パターン情報をもとに生成する
データ形式生成手段と、上記格納情報選択手段により受
け付けられたクラスタリング情報指定と上記参照用パタ
ーン情報入力手段により入力されたクラスタリング情報
をもとに、指定のクラスタリング情報をデータ形式生成
手段によって生成された参照用パターンに付加するクラ
スタリング情報付加手段と、このクラスタリング情報付
加手段によってクラスタリング情報が付加された参照用
パターンをパターン保存手段(パターンデータベース)
に保存してパターンマッチングに供するようにするデー
タ格納処理手段とにより構成したことを特徴とする。
【0026】また本発明は、格納情報選択手段におい
て、上記データ形式及びクラスタリング情報の他に、参
照用パターンのデータ構造についても利用者による選択
指定操作を受け付ける構成とすると共に、上記クラスタ
リング情報付加手段によってクラスタリング情報が付加
された参照用パターンのデータ構造を当該格納情報選択
手段により受け付けられたデータ構造指定に応じて生成
するデータ構造生成手段を更に備え、このデータ構造生
成手段により生成されたデータ構造の参照用パターンを
上記データ格納処理手段がパターン保存手段に保存する
構成としたことをも特徴とする。
【0027】この構成においては、パターン保存手段に
保存されて各種対象データとのパターンマッチングに用
いられる参照用パターンを構成するデータの形式、及び
当該参照用パターンに付加されるクラスタリング情報を
利用者から選択指定できるため、利用者の要求する推論
精度、効率、記憶容量の制約を満たすことが可能とな
る。
【0028】更に、参照用パターンのデータ構造につい
ても利用者から選択指定できるため、例えば参照用パタ
ーンの共通データ部分を共有化する共有構造を指定する
ことで、パターン保存手段に格納される参照用パターン
を構成する各データについて、同一タイプの各データの
共通部分を共有するデータ構造を生成して記憶容量を圧
縮することが可能となる。
【0029】また本発明は、上記格納情報選択手段にお
いて、参照用パターンを構成するデータの形式として、
クラスタリングに用いられた学習用データの組、クラス
タリングしたクラスタの代表パターンのみ、または当該
代表パターンと学習用データの組の指定の受け付けを行
う構成とする他、データ形式生成手段においては、格納
情報選択手段による学習用データの組の指定受け付け時
には、上記入力された参照用パターン情報をもとに学習
用データの組を参照用パターンとして生成し、代表パタ
ーンのみの指定受け付け時には、上記参照用パターン情
報をもとに代表パターンを参照用パターンとして生成
し、代表パターンと学習用データの組の指定受け付け時
には、上記参照用パターン情報をもとに代表パターンと
学習用データの組を参照用パターンとして生成する構成
としたことをも特徴とする。
【0030】この構成においては、参照用パターンを構
成するデータの形式として、クラスタリングに用いられ
た学習用データの組、クラスタリングしたクラスタの代
表パターンのみ、または当該代表パターンと学習用デー
タの組のいずれかが利用者から選択指定できる。ここ
で、学習用データの組が選択された場合には、記憶容量
の点では有利ではないが、推論の精度は高く、また当該
学習用データの組を用いることにより例えばクラスタリ
ング手法やパラメータを変更してクラスタリングをやり
直すことが可能となる。一方、代表パターンのみが選択
された場合には、記憶容量を軽減させることができ、ま
たパターンマッチングも各々の対象データと代表パター
ンのみで行えば良いので、効率の良いものとなる。ま
た、代表パターンと学習用データの組が選択された場合
には、必要とする記憶容量は増大するものの、効率の良
いパターンマッチングを必要とするときは代表パターン
とのマッチングを行い精度の高いパターンマッチングを
必要とする場合には直接学習用データの組とのマッチン
グを行うといった、柔軟なマッチングを行うことが可能
となる。更に、代表パターンが適切でない場合には、代
表パターンの生成方法を変更し、別の代表パターンとの
マッチングを行うことも容易となる。
【0031】また本発明は、クラスタリング情報につい
ての利用者による選択指定操作に応じ、上記格納情報選
択手段において、クラスタリングの際のパラメータを選
択するクラスタリング情報指定の受け付けを行う構成と
する他、クラスタリング情報付加手段においては、指定
のパラメータを参照用パターン情報入力手段により入力
されたクラスタリング情報から選択して参照用パターン
に付加する構成としたことをも特徴とする。
【0032】この構成においては、利用者の指定したク
ラスタリング時のパラメータが参照用パターンに付加さ
れて保存されるため、パラメータを一部変更してクラス
タリングをやり直すことや、学習用データの追加時にク
ラスタリングをやり直すことが簡単に行える。
【0033】また本発明は、クラスタリング情報につい
ての利用者による選択指定操作に応じ、階層的クラスタ
リングが適用された場合であればその際のクラスタリン
グ構造を選択し、非階層的クラスタリングが適用された
場合であればその際のクラスタリング中間結果を選択す
るクラスタリング情報指定の受け付けを、上記格納情報
選択手段において行う構成とする他、クラスタリング情
報付加手段においては、参照用パターン情報入力手段に
より入力された参照用パターン情報をもとに、クラスタ
リングの構造情報(階層的クラスタリング時)またはク
ラスタリング中間結果(非階層的クラスタリング時)を
参照用パターンに付加する構成としたことをも特徴とす
る。
【0034】この構成においては、利用者の指定に応じ
てクラスタリング結果である階層構造(樹形図)の情報
または中間結果(例えばクラスタの境界分割式)が参照
用パターンと共に保存されるので、これを利用すること
で、クラスタリングのやり直しが効率的に行える。
【0035】
【実施例】以下、本発明を、複数の商品の過去の発注・
売上データからパターンを抽出し、そのパターンを用い
て現在の発注・売上データを監視して発注量の増減を指
示することを目的とするシステムに適用した実施例につ
き、図面を参照して説明する。
【0036】[第1の実施例]まず、本発明の第1の実
施例について説明する。
【0037】図1は同実施例に係るパターン認識型推論
装置の概略構成を示すブロック図である。
【0038】図1に示すパターン認識型推論装置は、パ
ーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処
理装置により実現されるもので、利用者からの指示に応
じて全体を制御する制御部1と、過去の売上データと仕
入れデータが格納されているデータベース(以下、学習
用POSデータベースと称する)2と、学習用POSデ
ータベース2から利用者の指示したデータを取り出す学
習用POSデータ取り出し部3と、この取り出し部3に
より取り出されたデータから参照用のパターンを抽出す
るパターン抽出部4と、この抽出部4により抽出された
パターンを格納するためのデータベース(以下、パター
ンデータベースと称する)5と、抽出されたパターンを
出力する抽出パターン出力部6とを備えている。
【0039】図1に示すパターン認識型推論装置はま
た、抽出パターン出力部6により出力された各パターン
に対応する推論知識を利用者が入力するための知識入力
部7と、知識入力部7により入力された知識を格納する
ためのデータベース(以下、知識ベースと称する)8
と、商品毎の毎日の売上データと仕入れデータが貯えら
れているデータベース(以下、対象POSデータベース
と称する)9と、対象POSデータベース9から利用者
の指示したデータを取り出す対象POSデータ取り出し
部10と、この取り出し部10により取り出されたデー
タ(対象データ)とパターンデータベース5に格納され
ている各参照用パターンとのパターンマッチングを行う
パターンマッチング部11とを備えている。
【0040】図1に示すパターン認識型推論装置は更
に、パターンマッチング部11でのパターンマッチング
の結果求められる類似度を確信度に変換する確信度変換
部12と、パターンマッチング部11でのパターンマッ
チング結果及び確信度変換部12により変換された確信
度をもとに、対象データについての推論を行う推論部1
3と、この推論部13の結果を出力する推論結果出力部
14とを備えている。
【0041】次に、上記した構成のパターン認識型推論
装置の動作の概略を説明する。
【0042】まず、学習用POSデータベース(学習用
POSDB)2には、過去の売上データと仕入れデータ
(発注データ)が図2に示すような形式で格納されてい
る。
【0043】学習用POSデータ取り出し部3は、制御
部1の指示により起動され、学習用POSデータベース
2から利用者の指示した学習用データを取り出す。そし
て学習用POSデータ取り出し部3は、取り出したデー
タについて、仕入れ数から売上数を引いて図3に示すよ
うな形式のデータを作成し、パターン抽出部4に渡す。
【0044】パターン抽出部4は、学習用POSデータ
取り出し部3から渡されたデータからパターン(パター
ンデータ)を抽出し、パターンデータベース(パターン
DB)5に図4に示すような形式で貯える。ここで、パ
ターン抽出は、クラスタリング手法を用いて行われるも
ので、その詳細は後述する。
【0045】またパターン抽出部4は、抽出したパター
ンを、抽出パターン出力部6により表示装置(図示せ
ず)に表示出力させて利用者に提示する。利用者は、こ
の表示出力されたパターンのそれぞれに対して、「この
パターンのときは、こういう注意が必要である」という
知識をルール形式で知識入力部7から入力する。この入
力された知識は、知識ベース8に貯えられる。
【0046】一方、対象POSデータベース9には、デ
ータ監視の対象としている商品についての売り上げ数と
仕入れ数が、図2と同様の形式で日々貯えられている。
【0047】対象POSデータ取り出し部10は、制御
部1の指示により起動され、パターンデータベース5に
貯えられている(パターン抽出部4によって抽出され
た)パターンの構成日数と同じ日数分のデータを対象P
OSデータベース9から取り出し、図5に示すような形
式にしてパターンマッチング部11に送る。
【0048】パターンマッチング部11は、対象POS
データ取り出し部10から送られた図5に示す形式のデ
ータについて、パターンデータベース5に格納されてい
るパターン(参照用パターン)のそれぞれとパターンマ
ッチングを行い、類似度を調べる。この類似度の算出規
則については後述する。
【0049】確信度変換部12は、パターンマッチング
部11でのパターンマッチングの結果得られるマッチン
グの類似度を確信度に変換する。この変換規則について
は後述する。
【0050】パターンマッチング部11でのマッチング
結果は、確信度変換部12で変換された確信度と共に推
論部13に送られる。推論部13は、このように監視対
象データがどの参照用パターンに近いかのデータを貰う
ことにより、知識ベース8に貯えられている知識から、
そのパターンに対応した注意やアドバイスを推論する。
【0051】推論部13の推論結果は推論結果出力部1
4に送られる。推論結果出力部14は、この推論結果
を、例えば表示装置に表示出力して、利用者に提示す
る。
【0052】次に、図1の構成のパターン認識型推論装
置の動作の詳細を説明する。
【0053】まず制御部1は、学習(パターン学習)の
実行または監視の実行を選択的に指示するもので、表示
装置の表示画面に図6に示すような学習/監視選択ウィ
ンドウ60を表示して、利用者にマウス操作等によって
指示を入力させることにより実現される。
【0054】図6の学習/監視選択ウィンドウ60は、
例えば画面左上に常時表示されるものである。このウィ
ンドウ60には、[パターン学習]ボタン61及び[監
視]ボタン62が用意されており、当該ボタン61また
は62が例えばマウスでクリックされることにより、制
御部1から学習用POSデータ取り出し部3または対象
POSデータ取り出し部10に指示が出される。即ち、
[パターン学習]ボタン61がクリックされると、制御
部1から学習用POSデータ取り出し部3に学習実行の
指示が出されて、当該取り出し部3が起動され、[監
視]ボタン62がクリックされると、制御部1から対象
POSデータ取り出し部10に監視実行の指示が出され
て、当該取り出し部10が起動される。
【0055】今、図6の学習/監視選択ウィンドウ60
中の[パターン学習]ボタン61がマウスクリックされ
たものとする。この場合、制御部1により学習用POS
データ取り出し部3が起動される。すると学習用POS
データ取り出し部3は、表示画面上の例えば学習/監視
選択ウィンドウ60の右下方の位置に図7に示すような
学習データ設定ウィンドウ70を表示して、利用者に、
学習用POSデータベース2から取り出すべきデータを
階層的に指定させる。
【0056】図7の学習データ設定ウィンドウ70の例
では、矩形の枠内が入力フィールドとなっており、19
92年の4月1日から30日までの「豆腐」についての
全単品(「豆腐」についてのメーカー別、種類別のすべ
ての商品)のデータを取り出すことが指定されている。
ここで、1992といった数字はキーボードからの入力
や(ウィンドウ70上の図示せぬアップボタンまたはダ
ウンボタンに対する)マウスクリックによる数字の上下
で入力可能であり、「豆腐」といった項目は、メニュー
機能によって入力(項目一覧からマウスクリックで選択
して入力)可能である。
【0057】学習データ設定ウィンドウ70には、[実
行]ボタン71が用意されている。学習用POSデータ
取り出し部3は、[実行]ボタン71がマウスクリック
されると、利用者によりデータ学習データ設定ウィンド
ウ70を介して指定されているデータを、学習用POS
データベース2から取り出す。この学習用POSデータ
ベース2は、商品毎の過去の日々の売り上げ数や仕入れ
数などのデータが図2の形式で記録されたものであり、
コンピュータ上のファイルとして実現される。
【0058】図7の例では、1992年の4月1日から
30日までの「豆腐」についての全単品のデータが学習
用POSデータベース2から取り出されることになる。
【0059】学習用POSデータ取り出し部3は、学習
用POSデータベース2から取り出したデータについ
て、仕入れ数から売上数を引いて図3の形式に整える。
即ち学習用POSデータ取り出し部3は、学習用POS
データベース2から取り出したデータをもとに、仕入れ
数と売上数の差のデータを作成する。そして学習用PO
Sデータ取り出し部3は、この図3の形式のデータを学
習用データとしてパターン抽出部4に送る。
【0060】学習データ設定ウィンドウ70には、[終
了]ボタン72も用意されている。このボタン72は、
現在の設定を終了させ、設定対象を変えたい場合に用い
られるものである。学習用POSデータ取り出し部3
は、[終了]ボタン72がクリックされると、ウィンド
ウ70上の各入力フィールドの内容をクリアし、利用者
による次の取り出し対象データの指定操作を受け付け
る。
【0061】さて、パターン抽出部4は、学習用POS
データ取り出し部3から送られた図3の形式のデータを
受け取ると、同データから商品をグループ分けすること
によって、パターン(参照用パターン)を抽出する。即
ちパターン抽出部4は、受け取ったデータから、日常的
に売り切れている商品、日常的に売れ残っている商品、
売れ残ったり売れ切れたりの変化が激しい商品といった
ようにグループ分けする。このグループ分けは、受け取
ったデータである日々の仕入れと売上の差のデータを時
系列データとして捉え、クラスタリング手法によって商
品を自動的に分類することによって実現できる。
【0062】図9は、商品A乃至商品Eまでの5つの商
品があるとき、それぞれについて日々の売れ残り数(仕
入れ数−売上数)の一例をグラフにして示したものであ
る。この図9の例では、各商品A〜Eについて、4月1
日から4月30日までの30個のデータを持っているの
で、30次元のデータと考えて、これをパターン抽出部
4にてクラスタリングする。すると、図9の例では、商
品Dと商品Eを要素とするクラスタ、商品Bと商品Cを
要素とするクラスタ、そして商品Aを要素とするクラス
タに分けることができる。そこでパターン抽出部4は、
このクラスタをパターン(参照用パターン)として捉え
てパターン抽出を行う。したがって、図9の例では、3
つのパターンP1〜P3が抽出される。
【0063】パターン抽出部4は、上記のようにクラス
タリングした後、それぞれのクラスタ毎にパターンとし
てのデータを生成する。このパターンデータの生成は、
例えば商品Bと商品Cからなるクラスタに対しては、そ
の平均値(商品Bのデータと商品Cのデータの各日付毎
の平均値)をとることにより実現される。
【0064】パターン抽出部4は、このようにして生成
した(抽出した)パターンデータをパターンデータベー
ス5に格納する。またパターン抽出部4は、抽出したパ
ターンを抽出パターン出力部6に送る。
【0065】抽出パターン出力部6は、パターン抽出部
4から送られたパターンを表示装置に表示出力して、利
用者に提示する。このパターン出力は、図9のようなグ
ラフ上に、パターンのデータを表示することで実現でき
る。即ち図9では各商品についてのデータを表示してい
るが、これを各クラスタの平均値のデータに表示すれば
良い。利用者は、この表示(抽出パターンの表示)を見
て、過去のデータにどのようなパターンがあったかを知
ることができる。
【0066】ところで知識入力部7は、前記したよう
に、抽出パターン出力部6により出力されたパターンを
利用者が見て、「どのパターンのときは、どういうアド
バイスを出すべきか」といった推論知識を入力するため
のもので、例えばエディタでルールを記述することによ
って実現される。
【0067】こうして記述された知識は、知識入力部7
により知識ベース8に図10に示すようなルール形式で
格納される。この知識ベース8は、コンピュータ上のフ
ァイルとして実現される。
【0068】図10に示すルールの意味するところは、
例外ルール101、売れ残りルール102及び売り切れ
ルール103のうちの例えば売り切れルール103につ
いて述べるならば、「データのパターンが<パターンP
3>であったならば、傾向指摘は<売れ残り少>でアド
バイスは<発注増加>である」、即ち、「売れ残りのデ
ータがパターンP3に分類されると判断されたならば、
売れ残りが少ないという傾向であることを指摘し、発注
を増やしても良いというアドバイスを出す」というもの
である。
【0069】さて、パターン抽出部4により抽出された
パターンのデータがパターンデータベース5に貯えら
れ、知識入力部7により入力された、各パターンに対応
した指摘やアドバイスの推論知識が知識ベース8に貯え
られると、以下に述べるように新たなデータに対しての
データ監視が可能となる。
【0070】まず、データ監視を実行するには、利用者
が、図6に示した学習/監視選択ウィンドウ60上の
[監視]ボタン62をマウスクリックする必要がある。
【0071】制御部1は、学習/監視選択ウィンドウ6
0の[監視]ボタン62がクリックされると、対象PO
Sデータ取り出し部10を起動する。すると対象POS
データ取り出し部10は、表示画面上の例えば学習/監
視選択ウィンドウ60の右下方の位置に、図7に示した
学習データ設定ウィンドウ70に代えて、図8に示すよ
うな対象データ設定ウィンドウ80を表示して、利用者
に、対象POSデータベース9から取り出すべきデータ
を指定させる。
【0072】図8の学習データ設定ウィンドウ80の例
では、矩形の枠内が入力フィールドとなっており、この
入力フィールドの群により対象データが階層的に指定さ
れる。また、対象データ設定ウィンドウ80には、装置
の持つ時計・カレンダー機能により、現在日付が表示さ
れる。
【0073】対象データ設定ウィンドウ80には、[実
行]ボタン81が用意されている。対象POSデータ取
り出し部10は、[実行]ボタン81がマウスクリック
されると、利用者によりデータ対象データ設定ウィンド
ウ80を介して指定されているデータ(対象POSデー
タ)を、パターンデータベース5に格納されているパタ
ーンのデータと同じ次元の日数(n)分だけ、図8の対
象データ設定ウィンドウ80上の現在日付の日を起点と
してその日数分遡ることで、データ対象POSデータベ
ース9から取り出す。この対象POSデータベース9
は、商品毎の毎日の売り上げ数や仕入れ数などのデータ
が図2と同様の形式で記録されたものであり、コンピュ
ータ上のファイルとして実現される。対象POSデータ
ベース9は、学習用POSデータベース2が過去のデー
タを記録しているのに対し、現在のデータを記録してい
るといえる。
【0074】この例では、パターンデータベース5に格
納されているパターンのデータの次元は30で、図8に
示す対象データ設定ウィンドウ80上の現在日付は19
93年2月20日である。したがって対象POSデータ
ベース9からは、対象データ設定ウィンドウ80を介し
て指定されている「豆腐」についての全単品のデータ
が、1993年1月21日から2月19日までの30日
分だけ、取り出される。なお、対象データ設定ウィンド
ウ80上の現在日付を、利用者の操作により例えば前日
の日付に変更することも可能である。
【0075】対象POSデータ対象データ設定ウィンド
ウ80には、[終了]ボタン82も用意されている。こ
のボタン82は、現在の設定を終了させ、設定対象を変
えたい場合に用いられるものである。対象POSデータ
取り出し部10は、[終了]ボタン82がクリックされ
ると、ウィンドウ80上の各入力フィールドの内容をク
リアし、利用者による次の取り出し対象データの指定操
作を受け付ける。
【0076】さて、対象POSデータ取り出し部10
は、対象POSデータベース9から指定のデータを取り
出すと、そのデータを仕入れ数から売上数を引いた図5
の形式に整えて対象データとしてパターンマッチング部
11に送る。
【0077】するとパターンマッチング部11は、対象
POSデータ取り出し部10から送られた対象データ
(対象POSデータ)が、パターンデータベース5に格
納されている各パターン(参照用パターン)のうち、い
ずれのパターンに近いかを調べるために、当該パターン
データベース5に格納されている各パターンとのパター
ンマッチングを行い、類似度を調べる。この類似度は、
パターンデータベース5に格納されているパターンデー
タが、前記したようにクラスタリングされたクラスタの
平均値であれば、例えば対象データと各パターンデータ
とのユークリッド距離を求めて距離の近さで判断され
る。
【0078】本実施例においては、パターンマッチング
部11は、日々のデータを、1日目のデータを1次元
目、2日目のデータを2次元目というように考えて、次
式に従って類似度を表す値を求めるようにしている。
【0079】 D=Σ(Vk −Pk )2 ……(1) ここでVk はk日目の対象データ、Pk は同じk日目の
参照パターンデータ、Σ(Vk −Pk )2 は、(Vk −
Pk )2 のk=1からk=n(実施例ではn=30)ま
でのすべての日の総和である。
【0080】このように、本実施例では、すべての日に
おける対象データと参照パターンデータの2乗の総和で
もって距離を意味するD(以下、単に距離Dと称する)
を求めるようにしている。この距離Dの値が小さいほ
ど、対象データは、参照用パターンに類似していると見
ることができる。
【0081】パターンマッチング部11は、対象POS
データ取り出し部10から送られた対象データとパター
ンデータベース5に格納されている各パターン(参照用
パターン)との類似度を表す距離Dを、上記(1)式に
従って、各パターン毎に算出する。そしてパターンマッ
チング部11は、各パターン毎に求めた距離Dと対応す
る参照用パターンの情報(パターン識別情報)を確信度
変換部12に送る。即ちパターンマッチング部11は、
対象データに関して認識した参照用パターンの識別情報
と、その類似度を表す距離Dを確信度変換部12に送
る。
【0082】確信度変換部12は、パターンマッチング
部11から送られた各パターン毎の(対象データとの類
似度を表す)距離Dのうち、最も値が小さな距離Dを、
ルール推論用の確信度CFに変換する。この際、例え
ば、対象データがパターンP1にとても近い場合には、
パターンP1である確信度が高くなり、対象データがパ
ターンP1から遠い場合には、パターンP1である確信
度が低くなるようにする。つまり、確信度変換部12
は、パターンマッチング部11で調べた参照用パターン
との類似性(を表す距離D)を、ルール推論で用いる−
1から+1までの間の値(確信度)CFに変換する。な
お、各パターン毎の距離D中から最も値が小さな距離D
を確信度変換部12が選ぶ代わりに、この最も値が小さ
な距離Dを対応するパターンの識別情報と共にパターン
マッチング部11が確信度変換部12に送るようにして
も構わない。
【0083】上記したように、パターンマッチング部1
1が対象データと参照用パターンとの距離Dを調べる場
合、距離Dが短いほど対象データが当該パターンである
確信が強まる。そこで、確信度変換部12においては、
例えば次式に従って距離Dを確信度CFに変換すること
ができる。
【0084】 CF=(100−D)/100(D≦200の場合) CF=−1 (D>200の場合) ……(2) この(2)式の例では、距離Dが0から200の範囲
で、確信度CFは距離Dに反比例する。そして、D=0
のときCF=+1、D=100のときCF=0、D=2
00のときCF=−1となる。
【0085】確信度変換部12の変換処理により求めら
れた、距離Dに対応する確信度CFは、その参照用パタ
ーンの識別情報と共に推論部13に送られる。
【0086】推論部13は、パターンマッチング部11
及び確信度変換部12の処理により認識された確信度付
きのパターンの情報をもとに、知識ベース8に格納され
ている知識から、どのような指摘やアドバイスを出すか
を推論する。この推論部13の動作は、ルール型推論に
よって実現される。特に、後向き推論を用いると、確信
度の付いた推論を容易に行うことができる。ここでは、
確信度変換部12から推論部13に対して、対象データ
がどの参照用パターンに最も近いかが、確信度付きで示
されていることから、推論部13は、そのパターン種別
と確信度に基づいて推論する。すると、対象データが例
えばパターンP1に最も近いと判断される場合は、いつ
も同じルール(図10の例では、例外ルール101)が
発火することになるが、パターンP1である確信度が違
っていると、推論結果の答の確信度も異なってきて、利
用者に対して、どのくらいの確信をもった答であるかが
示せることになる。
【0087】推論部13は、推論した結果の指摘及びア
ドバイスを(確信度変換部12からの)確信度付きで推
論結果出力部14に送る。これを受けて推論結果出力部
14は、当該指摘及びアドバイスを確信度付きで表示装
置の表示画面に表示する。
【0088】以上のようにして実現される図1の構成の
本実施例装置は、日々の売れ残りのデータ(仕入れ数−
売上数)を時系列的に監視することとなり、その監視対
象データ(のパターン)が例えば日常的に売り切れに近
いパターン(図9の例ではパターンP3)であると認識
した場合には、対応するルール(図10の例では売り切
れルール103)に従って、売り残りが少ないことを指
摘すると共に、発注を増やしてもいいのではないかとい
うアドバイスを確信度付きで出力する。逆に、日常的に
売れ残りが多いパターン(図9の例ではパターンP2)
であると認識すると、対応するルール(図10の例では
売れ残りルール102)に従って、売り残りが多いこと
を指摘すると共に、発注を減らすことを確信度付きでア
ドバイスする。
【0089】例えば、図9に示したパターンと図10に
示したルールがあり、対象とするデータが2つあって、
2つともパターンP3に近い場合、従来技術であれば、
どちらも「発注増加」という答(アドバイス)を出すだ
けである。ところが本実施例装置では、もし、対象とす
るデータとパターンP3との距離が、一方が60で他方
が30ならば、距離60の方の対象データがパターンP
3である確信度は0.4となり、距離30の方の対象デ
ータが同じパターンP3である確信度は0.7となるこ
とが、上記(2)式に従って確信度変換部12により示
される。したがって、「発注増加」のアドバイスも、一
方の対象データについては確信度0.4という指標を、
他方の対象データについては確信度0.7という指標を
付けて出力することができる。
【0090】もし、従来技術のように、対象データがど
のパターンに近いかの情報を確信度付きで保持していな
かったなら、同一のパターンに分類される場合は、すべ
て同じ答が出てくるだけであり、それがどの程度の確信
を持つものかは分からなくなってしまう。同じパターン
に分類されるとしても、非常に典型的にそのパターンで
ある場合もあれば、敢えて分類すればそのパターンであ
るという場合もあるのだから、単純に同じパターンに分
類されたからといって、同じ答を出すのは、実用上不具
合がある。しかし本実施例装置においては、結論が確信
度付きで利用者に提示されることになるので、そうした
不具合が解決されるわけである。
【0091】なお、前記第1の実施例では、パターンマ
ッチング部11のパターンマッチングで、対象データに
最も近いと判断されたパターンについてのみ、その近さ
(類似度)を示す距離Dを確信度変換部12にて確信度
CFに変換して、推論部13で推論を行うようにしてい
るが、対象データとすべての参照用パターンとの各距離
Dのそれぞれについて、確信度CFに変換するようにし
ても構わない。この場合、推論部13は、すべてのパタ
ーンに応じた推論を行うことになる。
【0092】例えば、対象となるデータがデータ#1、
データ#2と2つあるとする。また、データ#1,#2
と図9の3つのパターンP1〜P3との距離Dが、図1
1(a)のようであるとする。
【0093】この場合、各距離Dを、確信度変換部12
にて上記(2)式に従って確信度CFに変換すると、図
11(b)のようになる。
【0094】この図11(b)に示す、データ#1,#
2がそれぞれパターンP1〜P3でる確信度CFをもと
に、データ#1,#2について図10に示した3つのル
ール、即ち例外ルール101、売れ残りルール102及
び売り切れルール103を用いて推論すると、データ#
1,#2のそれぞれに対して、これらのルール101〜
103がすべて発火し、確信度付きの推論が行われる。
そして、すべての結論について、確信度付きの答が導か
れる。
【0095】即ち、データ#1については確信度0.1
で売上サイクル調査、確信度0.8の強さで発注減少、
そして確信度−0.5で発注増加という、確信度付きの
アドバイスが出される。同様に、データ#2については
確信度0.1で売上サイクル調査、確信度−0.8で発
注減少、そして確信度0.9の強さで発注増加という、
確信度付きのアドバイスが出される。
【0096】従来であれば、単純に発注増加、減少とい
ったアドバイスだけであったが、上記の如くすべてのパ
ターンについて、対象データと各パターンとのそれぞれ
の類似度(を表す距離D)を確信度に変換して、推論部
13での推論に供することにより、いずれのアドバイス
についてはどの程度の確信を持っているかが分かるよう
になり、相対的にどの結論を重視すべきかが分かるよう
になる。
【0097】更に、ルール自体にも確信度を付けること
により、より細かな結論が推論できるようになる。
【0098】例えば、次のようなルール#1とルール#
2の2つのルールがあるものとする。
【0099】 ルール#1:パターンA→発注増加[0.5] ルール#2:パターンB→発注減少[0.9] 上記ルール#1は、「パターンAに分類されるなら、
0.5の確信度で、発注増加の指示を出せる」というも
のであり、ルール#2は、「パターンBに分類されるな
ら、0.9の確信度で、発注減少の指示を出せる」とい
うものである。
【0100】ここで、次のような2つの対象データ#
1,#2について見てみる。どちらも、2つのパターン
A,BのうちパターンAに最も近いと判断されているも
のとする。
【0101】対象データ#1:パターンA[0.9]、
パターンB[0.1] 対象データ#2:パターンA[0.6]、パターンB
[0.4] 上記対象データ#1は、確信度0,9でパターンAであ
るとみなせるものである。しかし、パターンBであると
いうことも、確信度0.1ではいえる。一方、対象デー
タ#2は、パターンAである確信度が0.6で、パター
ンBである確信度が0.4である。
【0102】すると、対象データ#1については、パタ
ーンAの場合の確信度0.9に対して、ルール#1で確
信度0.5だけ発注増加と推論できるから、結局、両者
の積である0.9×0.5=0.45だけの確信度で発
注増加となる。パターンBについても同様に計算し、ル
ール#2を適用して、0.1×0.9=0.09だけの
確信度で発注減少となる。したがって、データ#1に対
しては、発注増加という結論で良い。
【0103】一方、対象データ#2についても同様の計
算をしてみる。すると、パターンAについて、0.6×
0.5=0.30の確信度で発注増加となり、パターン
Bについて、0.4×0.9=0.36の確信度で発注
減少となる。つまり、対象データ#2については、形と
してはパターンBよりパターンAの方に近いが、ルール
の確信度を勘案すると、発注減少の方が確信が高まる。
【0104】このように、ルール自体にも確信度を付け
て推論を行うことで、より細かく状況に即した結論を導
くことができるようになる。
【0105】これに対して従来手法であれば、対象デー
タ#1も対象データ#2も共にパターンAに近いという
判断だけで、単純にルール#1を適用して、発注増加と
いう同じ結論になってしまっているところである。
【0106】さて、上記した如く、すべてのパターンに
ついて、対象データとの類似度(を表す距離D)を確信
度に変換して、推論に供することは、前記第1の実施例
のように、対象データに最も近いパターンについての
み、その類似度(距離D)を確信度に変換して、推論に
供する場合に比べて、種々の可能性を利用者に示すこと
ができるものである。しかし、すべてのパターンについ
て、確信度を生成して推論することは、推論部13での
推論処理の負荷を増やすという不具合を招く。
【0107】そこで、すべてのパターンについて、対象
データとの類似度(を表す距離D)を確信度に変換する
のではなく、参照用パターンの総数に応じて決まる数だ
けを、対象データとの類似度が最も高い(距離Dが最も
小さい)パターンから順に、変換するようにしても構わ
ない。
【0108】例えば、参照用パターンの総数の3割と決
め、対象データに最も似ているパターンから順番に、そ
の数だけのパターンについて、類似度(距離D)を確信
度に変換して推論を行うことも可能である。この例で
は、もし参照用パターンが30個あったなら、最も似て
いるパターンから9パターンについて、確信度変換部1
2にて類似度(距離D)を確信度に変換して推論部13
に送ることになる。
【0109】こうすることによって、単純に1つの答を
得るだけでなく、いろいろな可能性も示しつつ、しかも
処理の負荷の増加を抑えることができる。
【0110】[第2の実施例]次に、本発明の第2の実
施例について説明する。
【0111】図12は同実施例に係るパターン認識型推
論装置の概略構成を示すブロック図である。
【0112】この図12に示すパターン認識型推論装置
の基本構成は、図1のパターン認識型推論装置と同様で
ある。したがって図1と同一部分には同一符号を付し
て、図1と異なる部分についてのみ説明する。
【0113】図12のパターン認識型推論装置の構成上
の特徴は、図1のパターン認識型推論装置の構成に、類
似度(距離D)から確信度CFへ変換するパターンの数
を任意に設定するための変換パターン数設定部15を追
加した点と、確信度変換部12に代えて別の確信度変換
部22を用いるようにした点にある。この確信度変換部
22は、パターンマッチング部11で求められるすべて
のパターンについての類似度(距離D)のうち、変換パ
ターン数設定部15で設定された数だけを、類似度が最
も高い(距離Dが最も小さい)パターンから順に確信度
CFに変換するように構成されている。
【0114】図12の構成において、変換パターン数設
定部15で設定された数は、確信度変換部22に送られ
る。この確信度変換部22には、パターンマッチング部
11でのパターンマッチングで求められた、対象データ
と各パターンとのそれぞれの(類似度を表す)距離D
が、対応するパターン識別情報と共に送られる。
【0115】確信度変換部22は、パターンマッチング
部11から送られたすべてのパターンについての対象デ
ータとの距離Dのうち、変換パターン数設定部15で設
定された数だけを、対象データとの距離Dが最も小さい
パターン(即ち対象データに最も近いパターン)から順
に、前記(2)式に従って確信度CFに変換する。
【0116】この図12の構成は、前記第1の実施例の
ように、対象データに最も似ている1つのパターンにつ
いてしか推論しないのでは物足りない場合、また第1の
実施例の変形例として述べたように、すべてのパターン
について推論したのでは処理の負荷が多すぎる場合、か
といって、参照用パターンの総数に対して固定的な割合
(係数)でもって変換数(変換パターン数)を決めるの
では、対象データの種類によっては、より細かく状況に
即した結論を導くことが困難となるような場合などに有
効でり、予め、変換パターン数設定部15で変換パター
ン数を設定しておけば良い。
【0117】この変換パターン数設定部15は、例えば
コンピュータ上のプログラム部品として実現することが
でき、プログラム内部で数を設定しておくことも可能で
あり、自動的に設定するように、変換パターン数決定の
ための何らかの式(アルゴリズム)をプログラミングし
ておくことによっても実現可能である。また、このアル
ゴリズムが対象データの属性(例えば階層上のレベル)
毎に切り換えられるようにすることも可能である。ま
た、例えばパターンの総数の或る割合を変換パターン数
とする場合に、その割合(係数)を対象データの属性に
応じて切り換えられるようにすることも可能である。
【0118】その他、ユーザインタフェースを用いて、
利用者の操作により変換パターン数が任意に設定される
構成とすることも可能である。
【0119】図13は、このようなユーザインタフェー
ス画面としての変換パターン数設定ウィンドウ130の
一例を示す。このウィンドウ130は変換パターン数設
定部15により表示装置に表示される。ウィンドウ13
0には変換パターン数入力フィールド131が用意され
ており、キーボードからの直接入力で、同フィールド1
31に(全パターン数を越えない範囲で)任意の数が設
定可能なようになっている。またウィンドウ130に
は、変換パターン数設定バー132が用意されており、
マウス操作により当該バー132を左または右に移動さ
せることにより、(パターン数1から全パターン数の範
囲で)変換パターン数を任意に設定することが可能なよ
うにもなっている。
【0120】利用者は、この図13の変換パターン数設
定ウィンドウ130を利用することにより、自身の判断
で適切な数のパターンについて推論を行うように設定す
ることができる。例えば、細かい推論はせずに素早く確
信度付きの答が欲しい場合は、少なめの数を設定すれば
良いし、少々時間がかかっても種々のパターンについて
の推論を必要とする場合には多めの数を設定すれば良
い。
【0121】[第3の実施例]次に、本発明の第3の実
施例について説明する。
【0122】図14は同実施例に係るパターン認識型推
論装置の概略構成を示すブロック図である。
【0123】この図14に示すパターン認識型推論装置
の基本構成も、図1のパターン認識型推論装置と同様で
ある。したがって図1と同一部分には同一符号を付し
て、図1と異なる部分についてのみ説明する。
【0124】図14のパターン認識型推論装置の構成上
の特徴は、図1のパターン認識型推論装置の構成に、確
信度CFへの変換対象となる類似度(距離D)のしきい
値を任意に設定するための類似度しきい値設定部16を
追加した点と、確信度変換部12に代えて別の確信度変
換部32を用いるようにした点にある。この確信度変換
部32は、パターンマッチング部11で求められるすべ
てのパターンについての類似度(距離D)のうち、類似
度しきい値設定部16で設定されたしきい値以上に類似
していると認められるパターンの類似度(距離D)だけ
を、類似度が最も高い(距離Dが最も小さい)パターン
から順に確信度CFに変換するように構成されている。
【0125】図14の構成において、類似度しきい値設
定部16で設定されたしきい値は、確信度変換部32に
送られる。この確信度変換部32には、パターンマッチ
ング部11でのパターンマッチングで求められた、対象
データと各パターンとのそれぞれの(類似度を表す)距
離Dが、対応するパターン識別情報と共に送られる。
【0126】確信度変換部32は、パターンマッチング
部11から送られたすべてのパターンについての対象デ
ータとの距離Dのうち、類似度しきい値設定部16で設
定さをれたしきい値以下のものだけを(即ち当該しきい
値の示す基準以上の類似性を表すパターンについてのも
のだけを)、距離Dが最も小さいパターン(即ち対象デ
ータに最も類似しているパターン)から順に、前記
(2)式に従って確信度CFに変換する。
【0127】このように本実施例は、これまでに示した
実施例が、いずれも変換するパターン数を設定するもの
であったのに対し、変換すべきパターン数を決めずに、
類似度しきい値設定部16で設定したしきい値で示され
る基準以上に対象データが類似していると認められるパ
ターンすべてについて推論を行うようにしたものであ
る。こうすることにより、数を決めていた場合には抜け
ていた答を出すことも可能になるし、逆に、一定の数だ
け推論しようとして、大して似ていないパターンについ
てまで推論するといったこともなくなる。
【0128】さて、本実施例において新たに用いられる
類似度しきい値設定部16は、前記第2の実施例におけ
る変換パターン数設定部15と同様に、自動設定のため
のプログラム(アルゴリズム)として実現することも、
ユーザインタフェースを介して利用者が設定できるよう
にすることも可能である。
【0129】図15は、このようなユーザインタフェー
ス画面としての類似度しきい値設定ウィンドウ150の
一例を示す。このウィンドウ150は類似度しきい値設
定部16により表示装置に表示される。ウィンドウ15
0には類似度しきい値入力フィールド151が用意され
ており、キーボードからの直接入力で、同フィールド1
51に(予め定められた最大値を越えない範囲で)任意
の類似度しきい値が設定可能なようになっている。また
ウィンドウ150には、類似度しきい値設定バー152
が用意されており、マウス操作により当該バー152を
左または右に移動させることにより、(0から最大値の
範囲で)類似度しきいを任意に設定することが可能なよ
うにもなっている。本実施例では、距離Dを類似度とし
て用いているため、前記したように、設定されたしきい
値以下の距離Dのものが、対象データに似ているパター
ンであると判断されて、推論の対象となる。
【0130】[第4の実施例]次に、本発明の第4の実
施例について説明する。
【0131】図16は同実施例に係るパターン認識型推
論装置の概略構成を示すブロック図である。
【0132】この図16に示すパターン認識型推論装置
の基本構成は、確信度変換部12を持たない点を除き、
図1のパターン認識型推論装置と同様である。したがっ
て図1と同一部分には同一符号を付して、図1と異なる
部分についてのみ説明する。
【0133】まず、これまでに示した実施例では、対象
データと各参照用パターンとの類似度を表す尺度として
距離Dを用いてきたが、数値で表すものであるならば、
本質的に、どのような尺度を用いても構わなかった。図
16に示す本実施例装置では、類似度として、その値が
−1から+1の範囲に入るものを採用することにし、そ
の値を直接、確信度として用いて推論してしまうもので
ある。
【0134】そのため、図16のパターン認識型推論装
置は、図1のパターン認識型推論装置の構成から確信度
変換部12を取り除き、更にパターンマッチング部11
に代えて次に述べるパターンマッチング部21を用いる
ことで構成されている。
【0135】パターンマッチング部21は、これまでの
実施例におけるパターンマッチング部11が、対象デー
タと各参照用パターンとの距離Dをパターンマッチング
の結果である類似度として求めるものであったのに対
し、この距離Dに代えて−1から+1の範囲に入る尺度
を類似度として求めるように構成されている。このパタ
ーンマッチング部21により求められる類似度はそのま
ま推論部13に送られる。推論部13は、このパターン
マッチング部21からの類似度を、直接、確信度として
用いて推論を行う。
【0136】このパターンマッチング部21での類似度
計算について説明する。
【0137】例えば、パターン認識理論における単純類
似度法を用いるとすると、日付を次元としてデータをベ
クトルで表せば、対象データVと参照用パターンPに対
して、次式に示すような単純類似度Sを計算することが
できる。
【0138】 S=(V,P)2 /(|V|2 |P|2 ) ……(3) この単純類似度Sの値は、0から1までの範囲をとり、
1に近いと、そのパターンに属すると考えられるもので
ある。そこで、これを推論部13にて、そのまま確信度
として推論に用いることが可能である。このようにすれ
ば、パターンマッチング部21にてマッチングをとるだ
けで、確信度への変換手段を用意することなく、確信度
付きの推論が行えるので、実用上、便利である。
【0139】このように、以上の各実施例によれば、対
象とするデータ(推論対象データ)が参照用パターンの
どれに近いかを確信度付きで調べてから推論するので、
導かれる結論についても確信度が付いて、どの程度の確
信を持った結論であるかを利用者に提示することができ
る。
【0140】また、ルールそれ自体にも確信度を導入し
た場合には、単純に形が似ている方の結論だけを導いた
りすることなく、細く判断の実情を示すことができる。
【0141】なお、以上の実施例では、複数の商品の過
去の発注・売上データからパターンを抽出し、そのパタ
ーンを用いて現在の発注・売上データを監視して発注量
の増減を指示することを目的とするシステムに適用した
場合について説明したが、天候データ、株価データなど
の時系列データを監視して、天候の予測、株価の予測
(と売買の指示)等を行うシステムにも適用可能であ
る。
【0142】[第5の実施例]前記第1乃至第4の実施
例では、パターン抽出部4によって学習用データから抽
出されたパターンが参照用パターンとしてパターンデー
タベース5に格納されるものとしているが、パターンデ
ータベース5に格納する参照用パターン(参照用パター
ンデータ)を構成するデータの形式(タイプ)、当該参
照用パターンに付加する情報、データ共有構造の有無等
を利用者が選択できる構成とすることも可能である。
【0143】以下、このような構成を実現する本発明の
第5の実施例について説明する。
【0144】図17は同実施例に係るパターン認識型推
論装置の概略構成を示すブロック図である。
【0145】この図17に示すパターン認識型推論装置
の基本構成は、パターンデータベース構築装置17が付
加されている点を除き、図1のパターン認識型推論装置
と同様である(但し、ユーザインタフェース18が新た
に図示されている)。したがって図1と同一部分には同
一符号を付して、図1と異なる部分についてのみ説明す
る。なお、図17において、太い矢印はデータの流れを
表し、細い矢印は制御の流れを表す。
【0146】パターンデータベース構築装置17は、パ
ターン抽出部4とパターンデータベース(パターンD
B)5との間に設けられるもので、参照用パターン情報
入力部171、格納情報選択部172、データ形式生成
部173、クラスタリング情報付加部174、データ構
造生成部175、データ格納処理部176及び修正用デ
ータ取り出し部177から構成される。
【0147】参照用パターン情報入力部171は、複数
の学習用データをクラスタリングした参照用パターン情
報RIとそのときのクラスタリング情報CIをパターン
抽出部4から入力するものである。この参照用パターン
情報RIとクラスタリング情報CIの詳細については後
述する。
【0148】格納情報選択部172は、ユーザインタフ
ェース18からの要求に応じて、パターンデータベース
5に格納する参照用パターンの構成データの形式(タイ
プ)と当該参照用パターンに付加するクラスタリング情
報(クラスタリング付加情報)と当該参照用パターンの
データ構造(具体的にはデータ共通部分を共有化するデ
ータ構造とするか否か)を選択するものである。
【0149】データ形式生成部173は、参照用パター
ン情報入力部171により入力された参照用パターン情
報RIをもとに格納情報選択部172によって選択され
たデータ形式(データタイプ)のデータからなる参照用
パターンを生成するものである。
【0150】クラスタリング情報付加部174は、格納
情報選択部172によって選択されたクラスタリング情
報(クラスタリング付加情報)をデータ形式生成部17
3により生成された参照用パターンに付加するものであ
る。
【0151】データ構造生成部175は、格納情報選択
部172によって選択されたデータ構造指定に従うデー
タ構造の参照用パターンをパターンデータベース5への
格納用に生成するものである。
【0152】データ格納処理部176は、データ構造生
成部175によって生成されたデータ構造を持つ(クラ
スタリング情報付きの)参照用パターンをパターンデー
タベース5に格納するものである。
【0153】修正用データ取り出し部177は、修正す
べきデータをパターンデータベース5から検索してパタ
ーン抽出部4に出力するものである。
【0154】ユーザインタフェース18は、利用者と本
装置とのインタフェースをなすものである。
【0155】ここで、図17の構成における全体の処理
の流れと各部の概略的な働きにつき説明する。なお、パ
ターンデータベース構築装置17以外の各部の動作につ
いては、図1の構成(第1の実施例)と同様である。
【0156】まず制御部1は、利用者からの指示に応じ
て装置全体を制御する。POSデータ取り出し部(学習
用データ取り出し部)3は、制御部1により起動され、
学習用POSデータベース(学習用データベース)2か
ら利用者の指示した学習用データを取り出す。パターン
抽出部4は、POSデータ取り出し部3により取り出さ
れたデータからパターン(パターンデータ)を抽出す
る。このパターンは、前記第1乃至第4の実施例では、
そのままパターンデータベース5に格納されてパターン
マッチング部11でのパターンマッチングに用いられる
ことから、参照用パターンと称されていたが、本実施例
では、パターンデータベース構築装置17により生成さ
れてパターンデータベース5に格納される参照用パター
ンと区別するために、代表パターンと称することにす
る。
【0157】パターンデータベース構築装置17におい
て、参照用パターン情報入力部171は、パターン抽出
部4で抽出された代表パターンに関する参照用パターン
情報RIとクラスタリング情報CIを入力する。格納情
報選択部172は利用者がユーザインタフェース18を
通して指示したパターンデータベース5に格納する情報
を選択する。データ形式生成部173は、参照用パター
ン情報入力部171により入力された参照用パターン情
報RIをもとに格納情報選択部172で選択されたデー
タ形式のデータ構成となる参照用パターンを生成する。
クラスタリング情報付加部174は、格納情報選択部1
72で選択されたクラスタリング情報(クラスタリング
付加情報)をデータ形式生成部173で生成された参照
用パターンに付加する。データ構造生成部175は、格
納情報選択部172で選択されたデータ構造指定に従う
データ構造(ここでは、共通データ部分を共有化したデ
ータ構造、或いは共有化しないデータ構造)の参照用パ
ターンをパターンデータベース5への格納用に生成す
る。データ格納処理部176は、データ構造生成部17
5により生成されたデータ構造の参照用パターン(クラ
スタリング情報付きの参照用パターン)をパターンデー
タベース5に格納する。
【0158】対象POSデータ取り出し部(対象データ
取り出し部)10は、利用者の指示したパターンデータ
を対象POSデータベース(対象データベース)9から
取り出す。パターンマッチング部11は、パターンデー
タベース5に格納されている各参照用パターンと対象P
OSデータ取り出し部10により取り出された対象デー
タ(対象パターンデータ)とのパターンマッチングを行
う。確信度変換部12は、このパターンマッチングの結
果求められる類似度を確信度に変換する。
【0159】知識入力部7は、抽出パターン出力部6に
よって出力された各パターンに対応する推論知識であっ
て、利用者からユーザインタフェース18を通して与え
られる推論知識を入力して、知識ベース8に格納する。
推論部13は、パターンマッチング部11でのパターン
マッチング結果及び確信度変換部12により変換された
確信度をもとに知識ベース8に格納されている推論知識
を用いて対象データについての推論を行う。推論結果出
力部14は、推論部13で行われた推論の結果をユーザ
インタフェース18を通してユーザに提示する。
【0160】次に、図17の構成における動作の詳細
を、パターンデータベース構築装置17を中心として、
主に、コンビニエンスストア−やスーパーマーケットの
POSデータとして個々の商品の仕入れデータと売上デ
ータが入力され、それをクラスタリングした結果を参照
データ(参照用パターン)として保持し、それをもとに
新しいデータ(対象データ)とのパターンマッチングを
行い、翌日の仕入れ量を決定する仕入れ数予測装置に実
施した場合を例に説明する。
【0161】まず学習用POSデータベース2には、過
去の各商品の売上データと仕入れデータが、日毎に図1
8に示すような形式で格納されている。POSデータ取
り出し部3は制御部1の指示により起動され、学習用P
OSデータベース2から利用者の指定した学習用データ
を取り出し、仕入れ数から売上数を引いて図19のよう
な日毎の売れ残り数のデータを作成する。
【0162】パターン抽出部4は、POSデータ取り出
し部3によって学習用POSデータベース2から取り出
されて作成された売れ残り数の学習用データをクラスタ
リングすることで代表パターンを抽出する。この抽出さ
れた代表パターンは、学習用データと共に、抽出パター
ン出力部6によりユーザインタフェース18を通して図
20に示すように表示される(代表パターンは太線で表
されている)。この図20は抽出された代表パターンと
学習用データの1年分をグラフにした例である。ここで
は、商品Aと商品Cは参照用パターン#1にクラスタリ
ングされ、商品Bと商品Dは参照用パターン#2にクラ
スタリングされている。
【0163】パターン抽出部4により抽出された代表パ
ターンに関する参照用パターン情報RIは、パターンデ
ータベース(5)を構築するために、クラスタリング情
報CIと共にパターンデータベース構築装置17に送ら
れる。以下、このパターンデータベース構築装置17の
動作の詳細を説明する。
【0164】まずパターンデータベース構築装置17内
の参照用パターン情報入力部171は、パターン抽出部
4から送られる参照用パターン情報RIとクラスタリン
グ情報CIを受け取り、データ形式生成部173に送
る。この参照用パターン情報RIとクラスタリング情報
CIの例を図21に示す。
【0165】図21において、“Parameter ”から“Da
ta”の直前までがクラスタリング情報CIの記述部分で
ある。このクラスタリング情報CIの記述部分中、“cl
ustering-method ”は利用者が指定したクラスタリング
手法を表すもので、ここでは階層クラスタリングを表す
“hierarchical”が指定されている。また、クラスタリ
ング情報CIの記述部分中、“normalization ”はデー
タを標準化(正規化)するか否か(の標準化情報)を表
すもので、ここでは利用者が標準化するために“on”を
指定したことが示されている。実際の数値(スケールの
絶対値)が重要でないときには、正規化を行うことで、
属性を測定するときの単位の影響を除き、また属性を、
対象間の類似度に一様に寄与するようにできる。
【0166】次に“coefficient ”は、階層的クラスタ
リングを用いた場合に、クラスタリング結果を表す階層
構造(以下、樹形図と称する)と元のデータパターンの
間の歪みを表すコーフェン相関係数の計算値である。
“coefficient -min”は“coefficient ”についての利
用者指定の許容最小値を表し、“coefficient ”がこれ
以下であるとクラスタリングは失敗したと見なされる。
“cluster-min-num ”は利用者が指定した1つのクラス
タに含まれる最小要素数を表し、要素数がこれ以下のク
ラスタは生成されるクラスタから除かれる。“tree-dep
th”は階層クラスタリングの場合の利用者が指定した樹
形図(階層構造)の深さのしきい値を表し、この深さ以
上にはクラスタ分割は行われない。
【0167】次に“cluster-given-number”は利用者が
指定した分割クラスタ数を表す。図21の例では、分割
クラスタ数が指定されていないため、“none”が与えら
れている。“cluster-number”は実際に生成されたクラ
スタ数を表すもので、ここでは“2”となっている。
“exception-number”はクラスタリングの結果どのクラ
スタにも入らなかったパターンデータの個数を表し、
“pattern-data-number ”はパターンデータの個数を表
す。“dimension ”はこのパターンデータが持つ属性の
数を表すもので、ここでは日毎の売れ残り数のデータが
1年分あることから“365 ”となっている。
【0168】以上はクラスタリング情報CIの一例であ
り、ここに示されたものに限られるものではないことは
勿論である。
【0169】次に、図21において、“Data”以下の部
分はクラスタリング結果である参照用パターン情報RI
を表しており、“cluster ”の後ろの数字(#付きの数
字)は、順にクラスタ番号、そのクラスタに含まれる要
素数(パターンデータ数)を表す。したがって“cluste
r #12”の例では、クラスタ番号が“#1”で要素数
が“2”であることを表す。“cluster ”の次からの行
には、そのクラスタに含まれる要素(パターン)データ
が1行で記述されており、順にパターン番号、パターン
名、属性の並びであるパターンデータである。この例で
の属性は、1月1日の売れ残り数、1月2日の売れ残り
数、……、12月31日の売れ残り数の365日分があ
る。この参照用パターン情報RIには、クラスタリング
結果である樹形図構造情報(階層的クラスタリングの場
合)またはクラスタリングの中間結果である例えば各ク
ラスタを分割する超平面の境界分割式(非階層的クラス
タリングの場合)が含まれているが、図21では省略さ
れている。
【0170】パターンデータベース構築装置17内の格
納情報選択部172は、図22に示すようなユーザイン
タフェース画面(以下、クラスタリング格納情報設定ウ
ィンドウと称する)220をユーザインタフェース18
を通して表示することにより、当該ウィンドウ220を
介して利用者の指定を受け付けて、パターンデータベー
ス5に格納する参照用パターンのデータ形式(データタ
イプ)、参照用パターンに付加するクラスタリング情報
(クラスタリング付加情報)及びデータ構造を選択す
る。ここで利用者の指定は、キーボード操作による文字
入力、マウス、ライトペンまたはキーボード操作による
(例えば矩形で囲まれた)ボタンの選択により行われ
る。
【0171】図22のクラスタリング格納情報設定ウィ
ンドウ220の例では、パターンデータベース5に格納
する参照用パターンのデータ形式(格納形式)を選択す
るための領域221が確保されている。この領域221
には、[学習用データ]ボタン221aと[代表パター
ン]ボタン221bが用意されている。[学習用デー
タ]ボタン221aは参照用パターンの格納を生の学習
用データの組で行うか否かを指定し、[代表パターン]
ボタン221bは参照用パターンの格納を代表パターン
で行うか否かを指定するためのものである。これらの指
定の組み合わせで、参照用パターンを、学習用データの
組、代表パターンのみ、または代表パターンと学習用デ
ータの組という形式でパターンデータベース5に格納す
ることを指定できる。
【0172】ウィンドウ220にはまた、クラスタ名を
格納する否かを選択するための領域222が確保されて
いる。この領域222には、クラスタ名を格納する場合
に、そのクラスタ名のもとになる文字列を入力するため
の入力フィールド222aが用意されている。ここで
は、入力フィールド222aに文字列が入力することに
よりクラスタ名の格納が指定され、何も入力しないとク
ラスタ名を格納しないことが指定される。入力フィール
ド222aに文字列が入力された場合、その文字列に例
えば自動的に番号を付加したものが各クラスタのクラス
タ名として用いられる。この処理は、クラスタリング情
報付加部174により行われる。なお、利用者操作によ
り各クラスタ毎に固有のクラスタ名を個々に入力設定す
るようにしても構わない。
【0173】ウィンドウ220には更に、クラスタリン
グ手法(を示す情報)を格納するか否かを選択するため
の領域223が確保されている。この領域223には、
クラスタリングに用いられたクラスタリング手法が表示
されると共に、このクラスタリング手法を格納するか否
かを指定するための1対のボタン223aが用意されて
いる。
【0174】ウィンドウ220には更に、標準化情報を
格納するか否かを選択するための領域224が確保され
ている。この領域224には、クラスタリングの際に標
準化を行ったか否かの情報(標準化情報)が表示される
と共に、この標準化情報を格納するか否かを指定する1
対のボタン224aが用意されている。
【0175】ウィンドウ220には更に、相関係数を格
納するか否かを選択するための領域225が確保されて
いる。この領域225には、クラスタリングの際に求め
られた相関係数が表示されると共に、この相関係数を格
納するか否かを指定する1対のボタン225aが用意さ
れている。
【0176】ウィンドウ220には更に、相関係数の許
容値を格納するか否かを選択するための領域226が確
保されている。この領域226には、クラスタリングの
際に求められた相関係数が満たすべき下限値として利用
者の指定した値が表示されると共に、この下限値(相関
係数許容値)を格納するか否かを指定する1対のボタン
226aが用意されている。
【0177】ウィンドウ220には更に、クラスタ最小
要素数を格納するか否かを選択するための領域227が
確保されている。この領域227には、利用者の指定し
た1つのクラスタが含まなければならない最小の要素
(学習用データ)数が表示されると共に、この最小要素
数を格納するか否かを指定する1対のボタン227aが
用意されている。
【0178】ウィンドウ220には更に、樹形図深さ
(の情報)を格納するか否かを選択するための領域22
8が確保されている。この領域228には、クラスタリ
ング手法が階層クラスタリングの場合に、クラスタリン
グの結果である樹形図(階層構造)の深さを最大どこま
でにするかという利用者が指定した値が表示されると共
に、この値(樹形図深さ)を格納するか否かを指定する
1対のボタン228aが用意されている。
【0179】ウィンドウ220には更に、指定クラスタ
数を格納するか否かを選択するための領域229が確保
されている。この領域229には、クラスタリング手法
が非階層クラスタリングの場合に、パターンデータを幾
つのクラスタに分けるかを利用者が指定した値が表示さ
れると共に、この値(指定クラスタ数)を格納するか否
かを指定する1対のボタン229aが用意されている。
【0180】ウィンドウ220には更に、クラスタ数を
格納するか否かを選択するための領域230が確保され
ている。この領域230には、クラスタリングの結果生
成されたクラスタの数が表示されると共に、このクラス
タ数を格納するか否かを指定する1対のボタン230a
が用意されている。
【0181】ウィンドウ220には更に、非クラスタ内
要素数を格納するか否かを選択するための領域231が
確保されている。この領域231には、クラスタリング
の結果いずれのクラスタにも含まれなかった要素(学習
用データ)の数が表示されると共に、この要素数(非ク
ラスタ内要素数)を格納するか否かを指定する1対のボ
タン231aが用意されている。
【0182】ウィンドウ220には更に、要素数を格納
するか否かを選択するための領域232が確保されてい
る。この領域232には、クラスタリングに用いられた
要素(学習用データ)の数が表示されると共に、この要
素数を格納するか否かを指定する1対のボタン232a
が用意されている。
【0183】ウィンドウ220には更に、属性数を格納
するか否かを選択するための領域233が確保されてい
る。この領域233には、クラスタリングに用いられた
各学習用データが有する属性の数が表示されると共に、
この属性数を格納するか否かを指定する1対のボタン2
33aが用意されている。ここでは、1年分の売れ残り
数であることから、属性数として“365 ”が表示されて
いる。
【0184】ウィンドウ220には更に、樹形図・中間
結果を格納するか否かを選択するための領域234が確
保されている。この領域234には、クラスタリング手
法が階層クラスタリングの場合であれば、クラスタリン
グの結果である樹形図(クラスタリング構造)の情報を
格納するか否かを指定し、非階層クラスタリングの場合
であれば、クラスタの境界分割式(中間結果)を格納す
るか否かを指定する1対のボタン234aが用意されて
いる。
【0185】ウィンドウ220には更に、参照用パター
ンについて共通部分(共通なデータ)を共有するデータ
構造で格納するか否かを選択するための領域235が確
保され、当該領域235には、それ(パターン共有構造
で格納するか否か)を指定する1対のボタン235aが
用意されている。
【0186】格納情報選択部172は、図22に示すク
ラスタリング格納情報設定ウィンドウ220を通して利
用者の選択操作に従う選択処理を行い、ウィンドウ22
0の領域221の格納形式については、その選択結果を
データ形式生成部173に、領域222のクラスタ名乃
至領域234の樹形図・中間結果については、その選択
結果をクラスタリング情報付加部174に、そして領域
235のパターン共有構造については、その選択結果を
データ構造生成部175にそれぞれ通知する。
【0187】さて、パターンデータベース構築装置17
内のデータ形式生成部173は、格納情報選択部172
から選択結果の通知を受け取ると、参照用パターン情報
入力部171から送られた参照用パターン情報RIをも
とに、以下に述べるように格納情報選択部172で選択
された格納形式の参照用パターンを生成する。
【0188】例えば、格納形式として学習用データの組
が選択された場合には、データ形式生成部173は、参
照用パターン情報RI(図21参照)からクラスタ毎に
学習用データの組を取り出し、これを参照用パターンと
する。この参照用パターン(学習用データの組)は、デ
ータ格納処理部176により図23の形式でパターンデ
ータベース5に格納されることになる。
【0189】この格納形式の場合、パターン抽出に用い
られた元のデータ(学習用データ)を保持しているの
で、記憶容量の点では有利ではないが、パターン抽出部
4においてクラスタリング手法やパラメータを変更して
クラスタリングを簡単にやり直すことができ、また新し
くデータが入力された場合でも容易にそのデータを追加
することができる。
【0190】また、格納形式として代表パターンのみが
選択された場合には、データ形式生成部173は、参照
用パターン情報RI(図21参照)からクラスタ毎に学
習用データの組を取り出してクラスタ毎に図24に示す
ような代表パターンを生成する。ここでは、代表パター
ンの生成は、対応するクラスタに属する学習用データが
有する各属性(毎日の売れ残りデータ)の平均をとるも
のとする。勿論、代表パターンの生成方法はこれに限る
ものではない。この代表パターンは参照用パターンとし
てデータ格納処理部176によりパターンデータベース
5に格納されることになる。
【0191】この格納形式では、各学習用データを保持
する代わりに代表パターンのみを保持するので記憶容量
を軽減させることができ、また、パターンマッチングも
各々の対象データと代表パターンのみと行えば良いの
で、効率の良いものとなる。
【0192】また、格納形式として代表パターンと学習
用データの組が選択された場合には、データ形式生成部
173は、参照用パターン情報RI(図21参照)から
クラスタ毎に学習用データの組を取り出してクラスタ毎
に代表パターンを生成し、当該代表パターンと上記取り
出した学習用データの組からなる図25に示すような情
報を生成する。この情報は参照用パターンとしてデータ
格納処理部176によりパターンデータベース5に格納
されることになる。
【0193】この格納形式では、必要とする記憶容量は
増大するものの、効率の良いパターンマッチングを行い
たいときには、直接学習用データとのマッチングを行う
といった柔軟なマッチングを行うことができる。また、
代表パターンが適切でないときには、代表パターンの生
成手法を変更し、新たに生成される別の代表パターンと
のマッチングを行うことも容易となるので、データによ
って最適な結果を得ることが可能となる。
【0194】次に、パターンデータベース構築装置17
内のクラスタリング情報付加部174は、格納情報選択
部172から選択結果の通知を受け取ると、上記のよう
にしてデータ形式生成部173が生成したデータ(参照
用パターン)に、利用者の指定したクラスタリングの際
の情報を格納情報選択部172の選択結果に従って付加
する。この選択されたクラスタリング情報(クラスタリ
ング付加情報)が付加された参照用パターンはデータ格
納処理部176によりパターンデータベース5に格納さ
れることになる。このように、利用者指定のクラスタリ
ング情報を保持することにより、パラメータ(Paramete
r )を変更してパターン抽出部4にてクラスタリングを
やり直したりすることが容易となる。
【0195】なお、図22のクラスタリング格納情報設
定ウィンドウ220上で、クラスタリング手法から樹形
図・中間結果までで指定クラスタ数を除く全てのクラス
タリング情報が選択指定されたとすると、参照用パター
ンに付加される情報は、樹形図・中間結果を除くと、参
照用パターン情報入力部171による入力データのパラ
メータ部分(図21参照)と同じになる。
【0196】さて、樹形図・中間結果の付加が選択され
ると、クラスタリング手法が階層的クラスタリングの場
合には、参照用パターン情報RIに含まれているクラス
タリング結果である例えば図26のような樹形図構造情
報(クラスタリング構造情報)がクラスタリング情報付
加部174によって参照用パターンに付加される。この
図26の樹形図構造情報は、クラスタリングされた全て
のクラスタ(cluster)を含むルート(root)クラスタ
がクラスタ#1とクラスタ#2からなり、その類似度が
0.6であり、クラスタ#1は学習用データ#1と学習
用データ#3からなり、その類似度が0.9であり、ク
ラスタ#2は学習用データ#2と学習用データ#4から
なり、その類似度が0.85であることを示している。
これをグラフ化して図27に示す。図27において、横
軸は学習用データ、縦軸は類似度である。この図27か
ら明らかなように、樹形図構造情報を保持することによ
り、必要とするクラスタ数を変えることも、樹形図を切
る高さ(類似度)を変えるだけで行える。つまり、図2
7の樹形図の場合、例えば類似度0.5で切れば1つの
クラスタが得られ、0.95で切れば各々の学習用デー
タが1つずつのクラスタになるものが得られる。
【0197】一方、クラスタリング手法が非階層的クラ
スタリングの場合には、参照用パターン情報RIに含ま
れている各クラスタを分割する超平面の境界分割式(ク
ラスタリングの中間結果)がクラスタリング情報付加部
174によって参照用パターンに付加される。この境界
分割式を保持することにより、例えばこの式のパラメー
タを微調整することで、クラスタリングを微調整するす
ることができる。
【0198】次に、パターンデータベース構築装置17
内のデータ構造生成部175は、格納情報選択部172
から選択結果の通知を受け取ると、参照用パターンをパ
ターン共有構造で格納することが当該格納情報選択部1
72で選択された場合には、クラスタリング情報付加部
174によりクラスタリング情報が付加された参照用パ
ターン(学習用データの組、代表パターンのみ、または
代表パターンと学習用データの組の同一データタイプ
毎)のデータ共通部分を共有化したデータ構造を生成す
る。例えば、学習用データ#1と#2が図28のように
なっている場合、共通部分のデータ“000”及び“9
47”を共有して、例えば図29のようなデータ構造を
生成する。これにより記憶容量を圧縮することができ
る。このデータ共有が代表パターンに対しても行えるこ
とは勿論である。
【0199】これに対し、参照用パターンをパターン共
有構造で格納しないことが当該格納情報選択部172で
選択された場合には、データ構造生成部175は、パタ
ーン共有構造を持たないデータ構造の参照用パターンを
生成する(ここでは、クラスタリング情報付加部174
によりクラスタリング情報が付加された参照用パターン
がそのまま用いられる)。
【0200】データ格納処理部176は、データ構造生
成部175によって生成されたデータ構造の、クラスタ
リング情報が付加された参照用パターン(即ち参照用パ
ターンに関する情報)をパターンデータベース5に格納
する。
【0201】利用者は、抽出パターン出力部6によりユ
ーザインタフェース18を通して出力されるパターン抽
出結果から、上記のようにようにしてパターンデータベ
ース5に格納された参照用パターンに関する情報を(例
えばクラスタリングのやり直し等により)修正したいと
判断した場合には、そのための所定の操作を行う。
【0202】すると、利用者の修正要求がユーザインタ
フェース18を通して格納情報選択部172に通知され
る。これを受けた格納情報選択部172は修正データ取
り出し部177を起動する。これにより修正データ取り
出し部177は、パターンデータベース5から修正の対
象となる参照用パターンに関する情報(例えばクラスタ
リングされた学習用データの組とその際に用いられたク
ラスタリング情報中の利用者指定部分)を取り出してパ
ターン抽出部4に送る。また、格納情報選択部172
は、ユーザインタフェース18を通して利用者によりク
ラスタリング情報中のパラメータの変更指定があったな
らば、パターン抽出部4に送られたクラスタリング情報
中の指定のパラメータの変更を行う。この結果、パター
ン抽出部4では、クラスタリングが再度行われ、新たな
参照用パターン情報RIが生成される。以降の動作は、
前記した場合と同様である。
【0203】ところで、対象POSデータベース9に
は、推論の対象とする各商品の日々の売上数と仕入れ数
が図18と同様の形式で格納されている。対象POSデ
ータ取り出し部10は、制御部1の指示により起動さ
れ、学習用POSデータベース2に蓄えられている学習
用データの構成日数と同じ日数分のデータを対象POS
データベース9から取り出し、図19と同様な形式にし
てパターンマッチング部11に送る。
【0204】パターンマッチング部11は、対象POS
データ取り出し部10から送られてくるデータ(対象デ
ータ)についてパターンデータベース5に格納されてい
る参照用パターンのそれぞれとパターンマッチングを行
い、類似度を計算する。
【0205】確信度変換部12は、パターンマッチング
部11により求められた類似度を確信度に変換する。
【0206】知識入力部7は、抽出パターン出力部6に
よって出力されている各抽出パターンに対して利用者が
「このパターンの場合はこういう注意が必要である」と
いうような知識を入力するためのものである。これは例
えば、「毎日売れ残りがある場合は仕入れ数を減らしな
さい」というようなものである。この知識は、知識ベー
ス8に格納される。
【0207】推論部13は、対象データと各参照用パタ
ーンとの類似度をもとに求められた確信度、即ち対象デ
ータがどの参照用パターンに近いかのデータを確信度変
換部12から受け取ることにより、知識ベース8に蓄え
られている知識から、そのパターンに対応した注意やア
ドバイスを推論する。
【0208】推論結果出力部14は推論部13の推論結
果を受け取り、当該数論結果をユーザインタフェース1
8を通して利用者に提示する。
【0209】以上、図17の構成のパターン認識型推論
装置を仕入れ数予測装置に実施した場合について説明し
た。
【0210】図17の構成のパターン認識型推論装置
は、この他に、例えば、銀行における自動預入金機(A
TM)の必要資金量を過去の必要資金データから予測す
るATM資金量予測装置や、エレベーターの過去の起動
データ等から故障可能性を指摘するエレベーター故障予
測装置などにも適用可能である。
【0211】まず、ATM資金量予測装置に適用する場
合には、学習用POSデータベース2及び対象POSデ
ータベース9を、POSデータ(各商品の売上データと
仕入れデータ)格納用としてではなくて、図30に示す
ような入金と出金のデータの格納用として用い、学習用
POSデータベース2には、参照用パターン生成に用い
る学習用データとしての過去の入金と出金のデータ(数
値表現データ)を、対象POSデータベース9には、参
照用パターンとのパターンマッチングの対象となる対象
データとしての入金と出金のデータ(数値表現データ)
を格納する。そして、パターン抽出の場合には、データ
取り出し部3でデータベース2から利用者の指定した学
習用データ(入金と出金のデータ)を取り出し、入金数
から出金数を引いた資金在庫量をパターン抽出部4に送
る。知識としては、例えば「金曜日ならばATMに入れ
る資金を増やしなさい」などというものを、知識入力部
7にて入力することで、前記した仕入れ数予測装置と同
様の仕組みで日々の必要な資金量を推論することができ
る。
【0212】同様に、エレベーターの故障の起きる可能
性をエレベーターの過去の起動データ等をもとに予測す
るエレベーター故障予測装置に適用する場合には、学習
用POSデータベース2及び対象POSデータベース9
を、図32に示すような起動データ及び照明点灯回数の
格納用として用いる。そして、パターン抽出の場合に
は、データ取り出し部3でデータベース2から利用者の
指定した学習用データとしての起動データ及び照明点灯
回数を取り出し、起動回数に照明点灯回数を加えた見な
し使用頻度をパターン抽出部4に送る。知識としては、
例えば「見なし使用頻度が10000を超えた場合は、
エレベーターの点検をしなさい」などというものを、知
識入力部7にて入力することで、やはり前記した仕入れ
数予測装置と同様の仕組みでエレベーターの故障に関す
る推論を行うことができる。
【0213】この他にも、音声データ、更には画像デー
タに代表されるメディアデータなど、時間や位置等によ
ってデータ値が変化してパターンとして捉えられる数値
表現データを監視して推論を行う装置にも適用可能であ
る。
【0214】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、推
論の対象とするデータがどの参照用パターンに近いかを
表す類似度を、そのパターンであるといえる確信度に変
換して(類似度が直接確信度として利用できる場合は、
そのまま確信度として)、推論に用いるようにしたの
で、その推論の結果導いた結論に対しても確信がどのく
らいあるかが示せるようになる。これにより、従来であ
れば単純に同じ結論を示していたものでも、確信の強い
弱いがあることを示すことができ、更には実は結論が微
妙に変わってくる場合も起こり得る。したがって、細い
指示の違いも示すことが可能となる。
【0215】このように本発明は、数値情報であるパタ
ーンの処理を記号処理の推論に結び付ける際に、確信度
を用いることにより、数値情報を記号上の推論の中に残
すことになるため、より人間の感覚に近い答を推論する
パターン認識型推論方法及び装置を実現できるものであ
り、実用上多大なる効果が期待できる。
【0216】また本発明によれば、パターン保存手段
(パターンデータベース)に格納される参照用パターン
を構成するデータの形式、当該参照用パターンに付加さ
れるクラスタリング情報、当該参照用パターンのデータ
構造(共有データ構造)を利用者が選択できるため、利
用者の要求する推論時の推論精度、推論効率、パターン
保存手段の記憶容量を満たすように、当該参照用パター
ンに関する情報をパターン保存手段に格納することがで
きる。また、クラスタリング構造・中間結果を保持する
ことによりクラスタの修正が容易に行え、したがって推
論の試行も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るパターン認識型推
論装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】学習用POSデータベース2(対象POSデー
タベース9)に格納されるデータの記述形式を表す図。
【図3】学習用POSデータ取り出し部3が学習用PO
Sデータベース2から取り出して変換したデータの形式
を示す図。
【図4】パターンデータベース5に貯えられるパターン
データの形式を示す図。
【図5】対象POSデータ取り出し部10が監視する対
象として対象POSデータ対象POSデータベース9か
ら取り出して変換したデータの形式を示す図。
【図6】制御部1の指示機能を実現するための学習/監
視選択ウィンドウ60の画面例を示す図。
【図7】学習用POSデータ取り出し部3の取り出し対
象とするデータの指定機能を実現するための学習データ
設定ウィンドウ70の画面例を示す図。
【図8】対象POSデータ取り出し部3の取り出し対象
とするデータの指定機能を実現するための対象データ設
定ウィンドウ80の画面例を示す図。
【図9】パターン抽出する時系列データの様子を示す
図。
【図10】知識ベース8に格納されるルール知識の例を
示す図。
【図11】パターンマッチング部11のパターンマッチ
ングの結果求められる、対象データと参照パターンの類
似性を表す距離Dと、その距離Dを確信度変換部12に
て変換することにより求められる確信度CFの具体例
を、2つの対象データ#1,#2と3つの参照用パター
ンP1〜P3の組み合わせについて対比して示す図。
【図12】本発明の第2の実施例に係るパターン認識型
推論装置の概略構成を示すブロック図。
【図13】同実施例において、利用者操作による変換パ
ターン数設定部15での変換パターン数設定を実現する
ための変換パターン数設定ウィンドウ130の画面例を
示す図。
【図14】本発明の第3の実施例に係るパターン認識型
推論装置の概略構成を示すブロック図。
【図15】同実施例において、利用者操作による類似度
しきい値設定部16での類似度しきい値設定を実現する
ための類似度しきい値設定ウィンドウ150の画面例を
示す図。
【図16】本発明の第4の実施例に係るパターン認識型
推論装置の概略構成を示すブロック図。
【図17】本発明の第5の実施例に係るパターン認識型
推論装置の概略構成を示すブロック図。
【図18】学習用POSデータベース2に格納されてい
る学習用データ(商品の仕入れデータと売上データ)の
一例を示す図。
【図19】POSデータ取り出し部3からパターン抽出
部4に与えられる、パターン抽出される学習用データ
(仕入れ数から売上数を引いた日毎の売れ残り数のデー
タ)の一例を示す図。
【図20】抽出パターン出力部6によりユーザインタフ
ェース18を通して出力される代表パターンと当該パタ
ーンの抽出に用いられた学習用データの一例を示す図。
【図21】パターンデータベース構築装置17内の参照
用パターン情報入力部171によりパターン抽出部4か
ら入力される参照用パターン情報RIとクラスタリング
情報CIの一例を示す図。
【図22】パターンデータベース5に格納する参照用パ
ターンのデータ形式、参照用パターンに付加するクラス
タリング情報(クラスタリング付加情報)、及びデータ
構造をユーザインタフェース18を通して利用者に選択
指定させるためのクラスタリング格納情報設定ウィンド
ウ220の画面例を示す図。
【図23】利用者が選択指定した参照用パターンのデー
タ形式が学習用データの組である場合にデータ形式生成
部173により生成される参照用パターンの一例を示す
図。
【図24】利用者が選択指定した参照用パターンのデー
タ形式が代表パターンである場合にデータ形式生成部1
73により生成される参照用パターンの一例を示す図。
【図25】利用者が選択指定した参照用パターンのデー
タ形式が代表パターンと学習用データの組である場合に
データ形式生成部173により生成される参照用パター
ンの一例を示す図。
【図26】樹形図・中間結果の付加が選択指定された場
合に入力されるクラスタリング結果である樹形図構造情
報の一例を示す図。
【図27】図26の樹形図構造情報の示す樹形図をグラ
フ化して表す図。
【図28】データの共有を示すデータ構造が選択指定さ
れた場合に入力される学習用データの一例を示す図。
【図29】データの共有を示すデータ構造が選択指定さ
れた場合に、図28に示す学習用データをもとにデータ
構造生成部175により生成される、データ共通部分の
共有化が図られたデータ構造を持つ学習用データの一例
を示す図。
【図30】図17の構成をATM資金量予測装置に適用
した場合に、データベース2に格納される学習用データ
(入金と出金のデータ)の一例を示す図。
【図31】図17の構成をATM資金量予測装置に適用
した場合に、データ取り出し部3からパターン抽出部4
に与えられる、パターン抽出される学習用データ(入金
数から出金数を引いた資金在庫量のデータ)の一例を示
す図。
【図32】図17の構成をエレベーター故障予測装置に
適用した場合に、データベース2に格納される学習用デ
ータ(起動データ及び照明点灯回数のデータ)の一例を
示す図。
【図33】図17の構成をエレベーター故障予測装置に
適用した場合に、データ取り出し部3からパターン抽出
部4に与えられる、パターン抽出される学習用データ
(起動回数に照明点灯回数を加えた見なし使用頻度のデ
ータ)の一例を示す図。
【符号の説明】
1…制御部、2…学習用POSデータベース(学習用P
OSDB)、3…学習用POSデータ取り出し部、4…
パターン抽出部、5…パターンデータベース(パターン
DB)、6…抽出パターン出力部、7…知識入力部、8
…知識ベース、9…対象POSデータベース(対象PO
SDB)、10…対象POSデータ取り出し部、11,
21…パターンマッチング部、12,22,32…確信
度変換部、13…推論部、14…推論結果出力部、15
…変換パターン数設定部、16…類似度しきい値設定
部、17…パターンデータベース構築装置、18…ユー
ザインタフェース、60…学習/監視選択ウィンドウ、
61…[パターン学習]ボタン、62…[監視]ボタ
ン、70…学習データ設定ウィンドウ、71,81…
[実行]ボタン、80…対象データ設定ウィンドウ、1
30…変換パターン数設定ウィンドウ、150…類似度
しきい値設定ウィンドウ、171…参照用パターン情報
入力部、172…格納情報選択部、173…データ形式
生成部、174…クラスタリング情報付加部、175…
データ構造生成部、176…データ格納処理部、177
…修正用データ取り出し部、220…クラスタリング格
納情報設定ウィンドウ。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】推論対象データと複数の参照用パターンと
    のパターンマッチングを行い、前記各参照用パターン毎
    に前記推論対象データとの類似度を表す数値データを生
    成する第1の段階と、 前記第1の段階で得られる前記数値データを推論用の確
    信度に変換する第2の段階と、 前記第1の段階でのパターンマッチング結果と前記第2
    の段階で得られる確信度を用いて前記推論対象データに
    関する推論を行う第3の段階とを具備することを特徴と
    するパターン認識型推論方法。
  2. 【請求項2】推論対象データと複数の参照用パターンと
    のパターンマッチングを行い、前記各参照用パターン毎
    に「1」の絶対値を越えない範囲で前記推論対象データ
    との類似度を表す数値データを生成する第1の段階と、 前記第1の段階でのパターンマッチング結果と前記第2
    の段階で得られる数値データを用い、当該数値データを
    そのまま推論用の確信度として扱って、前記推論対象デ
    ータに関する推論を行う第2の段階とを具備することを
    特徴とするパターン認識型推論方法。
  3. 【請求項3】推論対象データと複数の参照用パターンと
    のパターンマッチングを行い、前記各参照用パターン毎
    に前記推論対象データとの類似度を表す数値データを生
    成するパターンマッチング手段と、 前記パターンマッチング手段によるパターンマッチング
    の結果得られる前記数値データを推論用の確信度に変換
    する変換手段と、 前記パターンマッチング結果と前記確信度を用いて前記
    推論対象データに関する推論を行う推論手段とを具備す
    ることを特徴とするパターン認識型推論装置。
  4. 【請求項4】前記変換手段は、前記複数の参照用パター
    ンのうち、前記数値データによって前記推論対象データ
    との類似度が最も高いことが示されている参照用パター
    ンについてのみ、対応する前記数値データを前記確信度
    に変換することを特徴とする請求項3記載のパターン認
    識型推論装置。
  5. 【請求項5】前記変換手段は、前記複数の参照用パター
    ンのすべてについて、対応する前記数値データを前記確
    信度に変換することを特徴とする請求項3記載のパター
    ン認識型推論装置。
  6. 【請求項6】前記変換手段は、前記複数の参照用パター
    ンのうち、前記数値データによって前記推論対象データ
    との類似度が最も高いことが示されている参照用パター
    ンから順に、前記参照用パターンの総数に応じて決定さ
    れる数のパターンについてのみ、対応する前記数値デー
    タを前記確信度へ変換することを特徴とする請求項3記
    載のパターン認識型推論装置。
  7. 【請求項7】推論対象データと複数の参照用パターンと
    のパターンマッチングを行い、前記各参照用パターン毎
    に前記推論対象データとの類似度を表す数値データを生
    成するパターンマッチング手段と、 前記パターンマッチング手段によるパターンマッチング
    の結果得られる前記数値データを推論用の確信度に変換
    する変換手段と、 前記変換手段が前記数値データから確信度への変換を行
    うべき参照用パターンの数を設定するためのパターン数
    設定手段と、 前記パターンマッチング結果と前記確信度を用いて前記
    推論対象データに関する推論を行う推論手段とを具備
    し、前記変換手段は、前記複数の参照用パターンのう
    ち、前記数値データによって前記推論対象データとの類
    似度が最も高いことが示されている参照用パターンから
    順に、前記パターン数設定手段によって設定された数の
    パターンについてのみ、対応する前記数値データを前記
    確信度へ変換することを特徴とするパターン認識型推論
    装置。
  8. 【請求項8】推論対象データと複数の参照用パターンと
    のパターンマッチングを行い、前記各参照用パターン毎
    に前記推論対象データとの類似度を表す数値データを生
    成するパターンマッチング手段と、 前記パターンマッチング手段によるパターンマッチング
    の結果得られる前記数値データを推論用の確信度に変換
    する変換手段と、 前記変換手段が前記確信度へ変換すべき前記数値データ
    のしきい値を設定するためのしきい値設定手段と、 前記パターンマッチング結果と前記確信度を用いて前記
    推論対象データに関する推論を行う推論手段とを具備
    し、前記変換手段は、前記複数の参照用パターンのう
    ち、前記数値データによって、前記しきい値設定手段に
    より設定されたしきい値よりも類似度が高いことが示さ
    れている参照用パターンについてのみ、対応する前記数
    値データを確信度に変換することを特徴とするパターン
    認識型推論装置。
  9. 【請求項9】推論対象データと複数の参照用パターンと
    のパターンマッチングを行い、前記各参照用パターン毎
    に「1」の絶対値を越えない範囲で前記推論対象データ
    との類似度を表す数値データを生成するパターンマッチ
    ング手段と、 前記パターンマッチング手段により生成された前記数値
    データをそのまま推論用の確信度として用いて前記推論
    対象データに関する推論を行う推論手段とを具備するこ
    とを特徴とするパターン認識型推論装置。
  10. 【請求項10】各種の推論対象データとのパターンマッ
    チングに用いられる複数の参照用パターンが保存される
    パターン保存手段と、 推論対象データと前記パターン保存手段内の複数の参照
    用パターンとのパターンマッチングを行い、前記各参照
    用パターン毎に前記推論対象データとの類似度を表す数
    値データを生成するパターンマッチング手段と、 前記パターンマッチング手段によるパターンマッチング
    の結果得られる前記数値データを推論用の確信度に変換
    する変換手段と、 前記パターンマッチング結果と前記確信度を用いて前記
    推論対象データに関する推論を行う推論手段と前記パタ
    ーン保存手段に保存される前記参照用パターンの生成の
    ためにクラスタリングした学習用データの組を含む参照
    用パターン情報とその際のクラスタリング情報を入力す
    る参照用パターン情報入力手段と、 前記パターン保存手段に保存する参照用パターンを構成
    するデータの形式、クラスタリング情報及び当該参照用
    パターンのデータ構造について利用者による選択指定操
    作を受け付ける格納情報選択手段と、 前記格納情報選択手段により受け付けられたデータ形式
    の参照用パターンを前記参照用パターン情報入力手段に
    より入力された参照用パターン情報をもとに生成するデ
    ータ形式生成手段と、 前記格納情報選択手段により受け付けられたクラスタリ
    ング情報指定と前記参照用パターン情報入力手段により
    入力されたクラスタリング情報をもとに、指定のクラス
    タリング情報を前記データ形式生成手段によって生成さ
    れた参照用パターンに付加するクラスタリング情報付加
    手段と前記クラスタリング情報付加手段によって前記ク
    ラスタリング情報が付加された参照用パターンのデータ
    構造を前記格納情報選択手段により受け付けられたデー
    タ構造指定に応じて生成するデータ構造生成手段と、 前記データ構造生成手段により生成されたデータ構造の
    前記クラスタリング情報が付加された参照用パターンを
    前記パターン保存手段に保存するデータ格納処理手段と
    を具備することを特徴とするパターン認識型推論装置。
  11. 【請求項11】各種の推論対象データに対してパターン
    保存手段に保存されている複数の参照用パターンとのパ
    ターンマッチングを行い、その結果に従って推論を行う
    パターン認識型推論装置に付加して用いられ、前記パタ
    ーン保存手段に参照用パターンを保存するパターンデー
    タベース構築装置であって、 前記パターン保存手段に保存される前記参照用パターン
    の生成のためにクラスタリングした学習用データの組を
    含む参照用パターン情報とその際のクラスタリング情報
    を入力する参照用パターン情報入力手段と、 前記パターン保存手段に保存する参照用パターンを構成
    するデータの形式及びクラスタリング情報について利用
    者による選択指定操作を受け付ける格納情報選択手段
    と、 前記格納情報選択手段により受け付けられたデータ形式
    の参照用パターンを前記参照用パターン情報入力手段に
    より入力された参照用パターン情報をもとに生成するデ
    ータ形式生成手段と、 前記格納情報選択手段により受け付けられたクラスタリ
    ング情報指定と前記参照用パターン情報入力手段により
    入力されたクラスタリング情報をもとに、指定のクラス
    タリング情報を前記データ形式生成手段によって生成さ
    れた参照用パターンに付加するクラスタリング情報付加
    手段と、 前記クラスタリング情報付加手段によって前記クラスタ
    リング情報が付加された参照用パターンを前記パターン
    保存手段に保存するデータ格納処理手段とを具備するこ
    とを特徴とするパターンデータベース構築装置。
  12. 【請求項12】各種の推論対象データに対してパターン
    保存手段に保存されている複数の参照用パターンとのパ
    ターンマッチングを行い、その結果に従って推論を行う
    パターン認識型推論装置に付加して用いられ、前記パタ
    ーン保存手段に参照用パターンを保存するパターンデー
    タベース構築装置であって、 前記パターン保存手段に保存される前記参照用パターン
    の生成のためにクラスタリングした学習用データの組を
    含む参照用パターン情報とその際のクラスタリング情報
    を入力する参照用パターン情報入力手段と、 前記パターン保存手段に保存する参照用パターンを構成
    するデータの形式、クラスタリング情報及び当該参照用
    パターンのデータ構造について利用者による選択指定操
    作を受け付ける格納情報選択手段と、 前記格納情報選択手段により受け付けられたデータ形式
    の参照用パターンを前記参照用パターン情報入力手段に
    より入力された参照用パターン情報をもとに生成するデ
    ータ形式生成手段と、 前記格納情報選択手段により受け付けられたクラスタリ
    ング情報指定と前記参照用パターン情報入力手段により
    入力されたクラスタリング情報をもとに、指定のクラス
    タリング情報を前記データ形式生成手段によって生成さ
    れた参照用パターンに付加するクラスタリング情報付加
    手段と、 前記クラスタリング情報付加手段によって前記クラスタ
    リング情報が付加された参照用パターンのデータ構造を
    前記格納情報選択手段により受け付けられたデータ構造
    指定に応じて生成するデータ構造生成手段と、 前記データ構造生成手段により生成されたデータ構造の
    前記クラスタリング情報が付加された参照用パターンを
    前記パターン保存手段に保存するデータ格納処理手段と
    を具備することを特徴とするパターンデータベース構築
    装置。
  13. 【請求項13】前記格納情報選択手段は、前記データ構
    造として、参照用パターンの共通データ部分を共有化す
    る共有構造をとるか否かの指定の受け付けを行い、 前記データ構造生成手段は、前記格納情報選択手段によ
    り前記共有構造の指定が受け付けられた場合には、前記
    参照用パターンの共通データ部分を共有するデータ構造
    を生成することを特徴とする請求項12記載のパターン
    データベース構築装置。
  14. 【請求項14】前記格納情報選択手段は、前記データ形
    式として、クラスタリングに用いられた学習用データの
    組、クラスタリングしたクラスタの代表パターンのみ、
    または当該代表パターンと前記学習用データの組の指定
    の受け付けを行い、 前記データ形式生成手段は、前記格納情報選択手段によ
    り前記学習用データの組の指定が受け付けられた場合に
    は、前記参照用パターン情報をもとに学習用データの組
    を参照用パターンとして生成し、前記代表パターンのみ
    の指定が受け付けられた場合には、前記参照用パターン
    情報をもとに代表パターンを参照用パターンとして生成
    し、前記代表パターンと学習用データの組の指定が受け
    付けられた場合には、前記参照用パターン情報をもとに
    代表パターンと学習用データの組を参照用パターンとし
    て生成することを特徴とする請求項11乃至請求項13
    のいずれかに記載のパターンデータベース構築装置。
  15. 【請求項15】前記格納情報選択手段は、クラスタリン
    グした際のクラスタリング情報中のパラメータを選択す
    るクラスタリング情報指定の受け付けを行い、 前記クラスタリング情報付加手段は、前記格納情報選択
    手段により前記パラメータの選択指定が受け付けられた
    場合には、その指定されたパラメータを前記参照用パタ
    ーン情報入力手段により入力されたクラスタリング情報
    から選択して前記参照用パターンに付加することを特徴
    とする請求項14記載のパターンデータベース構築装
    置。
  16. 【請求項16】前記格納情報選択手段は、階層的クラス
    タリングが適用された際のクラスタリング構造を選択す
    るクラスタリング情報指定の受け付けを行い、 前記クラスタリング情報付加手段は、前記格納情報選択
    手段により前記クラスタリング構造の選択が指定された
    場合には、前記参照用パターン情報をもとに、クラスタ
    リングの構造情報を前記前記参照用パターンに付加する
    ことを特徴とする請求項15記載のパターンデータベー
    ス構築装置。
  17. 【請求項17】前記格納情報選択手段は、非階層的クラ
    スタリングが適用された際のクラスタリングの中間結果
    を選択するクラスタリング情報指定の受け付けを行い、 前記クラスタリング情報付加手段は、前記格納情報選択
    手段により前記中間結果の選択が指定された場合には、
    前記参照用パターン情報をもとに、クラスタリングの中
    間結果を前記前記参照用パターンに付加することを特徴
    とする請求項15記載のパターンデータベース構築装
    置。
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