JPH07198710A - 燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置 - Google Patents

燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置

Info

Publication number
JPH07198710A
JPH07198710A JP35073693A JP35073693A JPH07198710A JP H07198710 A JPH07198710 A JP H07198710A JP 35073693 A JP35073693 A JP 35073693A JP 35073693 A JP35073693 A JP 35073693A JP H07198710 A JPH07198710 A JP H07198710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pores
amount
vapor pressure
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35073693A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sasaki
孝 佐々木
Wataru Hamada
亘 浜田
Hiroshi Kawagishi
浩 川岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP35073693A priority Critical patent/JPH07198710A/ja
Publication of JPH07198710A publication Critical patent/JPH07198710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】小形かつ高精度で応答速度も速く、車両に搭載
するのに好適な燃料性状計測方法および装置を提供す
る。さらに、計測された燃料性状に基づいて、燃料量を
理論空燃比が実現されるように制御するための装置を提
供する。 【構成】燃料特性の測定値または、これから演算される
気孔総量に基づいて、当該燃料の理論空燃比および蒸気
圧の少なくとも一方を演算する。代案として、燃料中で
攪拌翼を回転させ、翼回りにキャビテーションによる気
孔が発生したときの翼回転数の急上昇や、翼回転用動力
の急減状態に基づいて、当該燃料の理論空燃比や蒸気圧
を演算する。得られた燃料の理論空燃比や蒸気圧から、
内燃機関に噴射供給された燃料のうち吸気管壁面に付着
する割合、付着燃料のうち揮発して吸気管に吸入される
割合などを演算し、必要燃料量を補正して、実際に吸気
管に吸入される燃料量が理論空燃比に合致するように制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関に用いる燃料の
性状、特に蒸気圧(揮発性)の計測方法および装置、な
らびにこれを用いた内燃機関の噴射燃料量制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の噴射燃料量をより
正確に制御して可及的理論空燃比に近い燃料供給を行な
うために、燃料の揮発性を測定することが提案されてい
る。例えばSAE910498では、燃料の違いによる
光の屈折率の違いに着目し、光源、燃料中に浸漬された
プリズム、および屈折光の位置検知装置を備え、屈折率
の違いによる屈折光(プリズム出力光)の位置ずれを計
測して燃料の蒸気圧を求めることが開示されている。実
願平2−49724号の明細書には、燃料の違いによる
誘電率の変化を静電容量の変化として検出することが記
載されている。また、特開平4−122351号公報に
は、燃料タンクから捕集器でサンプリングした燃料を加
熱し、ある加熱温度での捕集器内の圧力を計測し、これ
に基づいて蒸気圧デ−タを得ることが開示されている。
さらに特開平4−1438号公報には、燃料の屈折率、
誘電率、分子熱などに基づいて燃料の沸点を算出するこ
とによって燃料性状を検出し、これから燃料の理論空燃
比を求め、求めた理論空燃比に合致するように供給燃料
量を制御することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料自体の屈折率や誘
電率などに基づいて燃料の性状(揮発性)を検知する従
来技術では、燃料性状と屈折率、誘電率などとの間の明
確な相関が確認されておらず、必要な測定精度が得られ
ないために、理論空燃比に整合した的確な燃料制御がで
きないと言う問題がある。燃料を加熱して捕集器内の圧
力を計測する手法では、加熱手段を必要とするので、大
型になりやすく、特に車両に搭載するには不適当であ
る。
【0004】本発明の目的は、小形かつ高精度で応答速
度も速く、車両に搭載するのにも好適な燃料性状計測方
法および装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、計測された燃料性状(揮発性)に基づいて、内燃機
関に供給される燃料量を理論空燃比が実現されるように
制御するための装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】超音波照射やオリフィス
によって燃料中にキャビテーションによる気孔を発生さ
せ、気孔を含む燃料を気孔通路に導入し、その誘電率、
光透過または散乱特性、音波伝達特性、および気孔を含
む燃料中での気孔破裂に伴なって発生される衝撃波の強
さなどの燃料特性の測定値または、これから演算される
気孔総量に基づいて、当該燃料の理論空燃比および蒸気
圧の少なくとも一方を演算する。代案として、燃料中で
攪拌翼を回転させ、翼回りにキャビテーションによる気
孔を発生させると翼に対する負荷が急減して回転数が急
上昇したり、翼を回転するための動力(モータ電流)が
急減する事象に着目し、回転数の急上昇や翼回転動力
(モータ電流)の急減状態(変化率や変化量)に基づい
て、当該燃料の理論空燃比や蒸気圧を演算する。
【0006】得られた燃料の理論空燃比や蒸気圧から、
内燃機関に噴射供給された燃料のうち吸気管壁面に付着
する割合、付着燃料のうち揮発して吸気管に吸入される
割合などを演算し、機関回転数や吸気負圧に基づいて通
常の手法で演算される必要燃料量を補正して、実際に吸
気管に吸入される燃料量が理論空燃比に合致するように
制御する。
【0007】
【作用】キャビテーションによって発生される気孔の総
量と蒸気圧や理論空燃比との間には良い相関が成立する
ので、気孔総量を検出すれば、より正確な燃料性状(蒸
気圧や理論空燃比)が得られ、内燃機関の燃料制御を理
論空燃比により良く合致したものとして燃料燃焼効率を
高め、排気ガスを清浄化するのに役立つ。また、燃料内
のキャビテーションはごく短時間で定常化するので、計
測の応答速度も向上する。このことは、計測のためのキ
ャビテーション発生を間欠的に行なわせることを可能に
し、キャビテーション発生によって生ずる壊食を最小に
するのに有効である。さらに、燃料内での気孔の上昇や
回転翼による燃料の攪拌によって計測装置近傍の燃料が
攪拌されるので、燃料の性状したがって計測値が平均化
される効果も期待できる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の燃料性状計測装置の1実施例
の断面図である。燃料性状計測装置10は燃料タンク1
2内、特にその底部に配置される。筒状ケース14の軸
上には筒状の検知電極1がタンク底面にほぼ垂直に設け
られ、その外側に共通電極3、補正電極2が適当な間隔
をおいて順次同軸状に配置され、それらの間に気孔通路
13および補正通路15が形成される。なお図示例で
は、電極1の基部にケース14の上部開口を覆うような
円板状蓋体16が一体形成され、そこに燃料出口8が設
けられているが、これらは別体に形成しても良いことは
当然である。ケース14の下部には燃料入口7が設けら
れる。ケース14の底板17の外側(下側)面の検知電
極先端に対向する位置には超音波振動子(以下、振動子
という)4が取付けられ、なるべくは付勢用電源回路5
もケース下部の空間に配置される。前記回路5は外部リ
ード9で給電され、その出力は外部回路(図示せず)と
接続される。ケース14内の適当個所には温度センサ6
およびタンク内圧センサ11が設けられる。なお振動子
4は、定板17の内面に、燃料に直接接するように配置
しても良い。
【0009】動作時に、燃料タンク12内に燃料が充満
した状態で振動子4を駆動すると、その近傍の燃料中に
キャビテーションによる気孔18が発生し、気孔通路1
3内を上昇して燃料出口8からタンク内へ放散される。
これに伴なって燃料入口7から新たな燃料が供給される
と共に、気孔を含まない燃料が補正通路15を上昇通過
する。
【0010】燃料中でのキャビテーション発生の条件
は、燃料の部分圧力をP、燃料の蒸気圧をPv とする
と、一般に Pv >Pである。したがって、燃料に与え
る振動エネルギその他の条件が一定に保持されれば、燃
料の蒸気圧Pv が大きいほどキャビテーションが発生し
やすくなり、気孔総量(体積)が増大する。発生される
気孔総量と蒸気圧との間には、例えば図2(A)に点線
で示すように良い相関が見られるので、より正確な燃料
性状の計測が可能となる。さらにキャビテーション発生
はごく短時間で定常化するので応答速度も向上する。こ
のことは、キャビテーションによる壊食防止のために振
動子を間欠動作させるのにも有利である。また気孔の上
昇によって装置近傍の燃料が攪拌されるので、その性状
したがって計測値が平均化される効果も期待できる。
【0011】発生される気孔18の総量が増加するにつ
れて、気孔通路13を通る燃料の誘電率が小さくなるの
で、検知電極1と共通電極3との間の静電容量が減少す
る。したがって、前記静電容量を測定すれば気孔を含む
燃料の誘電率が分かり、さらに発生された気孔18の総
量、ひいては前記燃料の蒸気圧を検知することができ
る。気孔総量と誘電率すなわち静電容量との関係はおお
むね図2(A)に実線で示したようになる。また良く知
られているように、燃料の蒸気圧が分かればその理論空
燃比を演算することができる。図2(B)に、誘電率
(すなわち静電容量)と理論空燃比の関係例を示す。こ
れらの関係は、予め実験的に求めてテ−ブル化しておく
ことができるので、実際の装置では、このテ−ブルを参
照することにより、気孔総量や誘電率(静電容量)から
理論空燃比や蒸気圧を直接容易かつ迅速に求めることが
できる。
【0012】気孔総量は上記以外の種々の方法でも測定
できる。以下、これらに付いて説明する。図3(A)
は、気孔による光散乱や反射を利用する例である。気孔
通路13を挟んで、または気孔通路内に発光素子22と
受光素子24が対向配置される。発光素子22から放射
された光は受光素子24で検出されるが、その一部は気
孔18によって反射、散乱されるので、図3(B)に例
示するように、気孔総量の増加に伴なって受光素子の検
出出力は減少する。したがって、放射光強度と検出出力
との比や差に基づいて気孔総量を知ることができる。
【0013】なおこの場合、微視的にみれば、受光素子
の出力が気孔18による光散乱によってパルス的に変動
する現象を利用し、受光素子の出力を微分してパルス波
形に変換し、単位時間当りのパルス数を計数することに
よっても気孔総量の検知ができる。また前記発光素子、
受光素子の代わりに音波(超音波)放射装置、同受信装
置を利用し、放出エネルギと検出エネルギとの差または
比を演算しても、同様の気孔総量検知が可能であること
は、容易に理解できるであろう。
【0014】キャビテーションによって発生された気孔
の一部は、気孔通路を通過する際に破裂して衝撃波を発
生する。この衝撃波の強度(衝撃圧)と気孔総量との間
には、おおむね図4(A)に示すような関係があること
が分かった。したがって、実際の装置について予め上記
の関係を測定しておき、図4(B)に示すように、気孔
通路13内に発生する衝撃波25の強度(例えば、ピー
ク値や平均値)を衝撃波センサ26で検知するようにす
れば、これに基づいて気孔総量を検出することができ
る。本発明者らの実験によれば、検出対象衝撃波の周波
数を40KHz程度に設定したとき良好な結果が得られ
た。またこの場合は、特に図4(A)にP、Qで示した
正または負の変化特性範囲を利用するのが望ましい。
【0015】なお図4(A)では、気孔総量がある値以
上になると検知される衝撃波強度が減少しているが、そ
の理由としては、気孔密度がある限度以上に増加すると
気孔破裂によって生じた衝撃波が周囲の気孔に吸収され
てしまうようになることや、センサ位置を通過してしま
った後で破裂する気孔が生じてくることなどが推測され
る。
【0016】容易に推測されるように、気孔総量は燃料
の温度、圧力(タンク内圧)によって変動するので、よ
り正確な蒸気圧(燃料性状)計測のためには、これらに
対する補正をするのが望ましい。図5(A)は温度変化
による気孔総量の変化状態を示すもので、温度が高いほ
ど気孔総量は増加する。また図5(B)はタンク内圧と
気孔総量の関係を示すもので、タンク内圧が上昇すると
キャビテーションが生じ難くなって気孔総量は減少す
る。これらの関係を実験的に求めておけば、上述のよう
にして計測された気孔総量を、温度センサ6および/ま
たは内圧センサ7のによる燃料の温度、圧力に応じて補
正することができる。
【0017】内燃機関の燃料には、通常の燃料とは誘電
率の異なる含酸素燃料(添加剤,例えばMTBE:メチ
ルターシャルブチルエーテル)が混入されることがあ
る。したがって、含酸素燃料混入燃料に対しては、上述
の方法と装置による計測では誤差を生ずることになり、
その補正が望まれる。本発明では、このために、共通電
極3と対向する補正電極2を設けてそれらの間に補正通
路を形成し、これら両電極間の静電容量を計測すること
により、気孔を含まない燃料の誘電率を計測するように
している。この場合の含酸素燃料混入率と静電容量(誘
電率)との関係は、もちろん添加剤の種類によって異な
るが、おおむね図6のように、含酸素燃料の混入率が高
いほど静電容量(誘電率)は大きくなる。そして理論空
燃比は、含酸素燃料を含まない場合の値(14〜15)
に比べて小さくなるので、計測した静電容量(誘電率)
が大きいほど、供給燃料量を増加するように補正するの
が望ましい。このように補正すれば、内燃機関に供給さ
れる混合気の空燃比を理論値により一層近付けて排気ガ
スを清浄化することが期待される。なおこの補正は省略
することもでき、その場合は補正通路や補正電極などの
関連部分はもちろん不要である。
【0018】図7は本発明の他の実施例の要部概略断面
図であり、図1と同一の符号は同一または同等部分を表
わす。この実施例のキャビテーション発生部はインジェ
クタから燃料タンクへ燃料を還流する配管の一部をバイ
パスする配管の途中に設けられたオリフィス28を含
む。オリフィス28の上流側には補正電極2とこれを同
軸的に取囲む共通電極3が配置され、両者の間に補正通
路15が形成される。補正通路15は燃料入口7を介し
て切替弁23に接続される。オリフィス28の下流側に
は検知電極1とこれを同軸的に取囲む共通電極3が配置
され、両者の間に気孔通路13が形成される。気孔通路
13は燃料出口8を介して燃料タンク(図示せず)およ
び切替弁23に連通される。温度センサ6が適当な箇所
に(図では、オリフィス28の近傍に)配置される。
【0019】動作時に、切替弁23を燃料入口7側へ切
替えて燃料をオリフィス28に導入すると、その下流側
すなわち出口側に気孔18が発生し、気孔通路13へ流
入する。図1に関して前述したのと全く同様に、検知電
極1と共通電極3間および、必要に応じて補正電極2と
共通電極3間の静電容量を計測し、燃料の誘電率から気
孔総数、燃料の性状(蒸気圧)、空燃比などを得たり、
温度、圧力、含酸素燃料含有率などに対する種々の補正
を行なったりできることは容易に理解されるであろう。
また、図1に関して述べた他の燃料特性を計測して気孔
総量などを求めても良いことは当然である。
【0020】図1、7の実施例では、気孔検知電極、補
正電極、共通電極などを同軸状に配置したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えばこれら電極を平
行に配置して各電極間に、気孔通路や補正通路を形成し
ても良い。
【0021】図8は本発明のさらに他の実施例の要部概
略断面図であり、図1と同一の符号は同一または同等部
分を表わす。この実施例は、燃料中で回転する翼の回転
数を、十分低い回転から徐々に上げていくと翼の周囲に
キャビテーションが発生し、翼にかかる負荷が減少する
ために、翼の回転に要する駆動力も減少するという事象
を利用したものである。燃料タンク12の底部に設けた
ケース20内のキャビテーション室21に攪拌翼27を
配置し、前記翼27をモータ29で回転駆動すると、室
21内の燃料が攪拌されて燃料出口8から側方へ排出さ
れ、これに伴なって上方の入口7から新たな燃料が吸入
される。その結果、ケース20の回りで燃料が攪拌され
るので、その性状したがって計測値が平均化される効果
も期待できる。
【0022】検出部30では、モータ29に印加される
電圧およびモータ電流/回転数を検出する。モータ29
に印加される電圧を徐々に上昇させると、図9A、Bに
示すように、モータ29の回転数および電流が徐々に上
昇し、したがって翼27の回転数も上昇するが、電圧が
E0 に達して翼27の回りにキャビテーションによる気
孔が発生するようになると、翼にかかる負荷が減少する
ために、回転数は急上昇し、モータ電流は減少する。そ
して前記の回転数上昇率/量およびモータ電流減少率/
量は、発生した気孔総量すなわち燃料の蒸気圧の関数と
なるので、これらの変化率/量を検出することによって
燃料の蒸気圧を得ることができる。
【0023】電流変化量と蒸気圧の関係の1例を図9
(C)に示す。なお図8に実施例でも、タンク12内の
適当位置に、前述と同様の1対の電極を配置してその間
に補正通路を形成し、両電極間の静電容量を監視するよ
うにすれば、図1に関して前述したように、含酸素燃料
の混入率に応じた補正を実現できることは当然である。
また、燃料の温度、圧力に応じた補正を同様に行なうこ
とができることも、容易に理解できるであろう。
【0024】図10は、前述のようにして求められた燃
料の蒸気圧を用い、燃料噴射弁を通して内燃機関に供給
される燃料量を、当該燃料の蒸気圧に応じた理論空燃比
に合致するように制御するための噴射燃料量制御装置の
ブロック図であり、図11は本発明による噴射燃料量制
御の基本概念を説明するための図である。
【0025】図11に模式的に示すように、時刻kに噴
射弁40から噴射された燃料Ti(k) のうちのA (ただ
し、1 > A> 0) はシリンダ内に吸入されるが、残りの
(1−A)は吸気管41の壁面に付着する。また吸気管
壁面に付着して累積された燃料残量QtのうちB (ただ
し、1 > B> 0) が揮発してシリンダ内に吸入され、
(1−B)が依然として付着したままであるとすると、
時刻kにおけるシリンダへの実吸入燃料量Gf(k)および
吸気管壁面の付着燃料残量Q(k) は、それぞれ次の
(1)および(2)式で表わされる。 Gf(k) =A・Ti(k) +B・Qt(k−1)……(1) Q(k) =(1−A)・Ti(k) +(1−B)・Qt(k-1) ……(2) 明らかなように、上記の係数A、Bは燃料の性状、特に
その揮発し易さ、すなわち蒸気圧(または理論空燃比、
以下同じ)の関数であり、蒸気圧が分かれば上記係数
A、Bの具体的数値または関数関係を求めることができ
る。図10の制御装置はこれを利用したものである。
【0026】燃料蒸気圧計測部31は上記したいずれか
の方法と装置で燃料の蒸気圧を計測演算し、実吸入量演
算部33に供給する。実吸入量演算部33は、蒸気圧デ
−タから前記係数A、Bを求め(例えば、予め準備され
たテ−ブルなどにより)、これらを実噴射燃料量Ti
(k) と共に上記(1)、(2)式に代入して、シリンダ
への実吸入燃料量Gf(k)および吸気管壁面への付着量、
付着燃料残量Q(k) などを求める。一方、必要燃料量演
算部35は既知の手法で、例えば内燃機関の回転数Ne
および吸入負圧Pbに基づいて、噴射弁40から供給す
べき必要燃料量Ti0を演算する。補正演算部37は必要
燃料量Ti0および実吸入燃料量Gf(k)を供給され、噴射
弁40から供給される燃料量の補正量ΔTi を求める。
実噴射量演算部39は前記必要燃料量Ti0と補正量ΔT
i から実噴射燃料量Ti(k) を演算して噴射弁制御部
(図示せず)に供給し、演算結果にしたがって噴射弁4
0の開弁時間を制御する。これによって、実際にシリン
ダに供給される燃料の量を理論空燃比に合致したものと
することができ、より一層の燃費の低減および排気ガス
の清浄化を図ることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が期待
できる。 (1)燃料の蒸気圧や理論空燃比と相関性の良い、燃料
内のキャビテーションによる気孔総量に基づいて、当該
燃料の蒸気圧や理論空燃比を演算するので、燃料特性に
より良く整合した正確な計測ができ、内燃機関の燃料制
御を理論空燃比に合致したものとすることができ、排気
ガスのより一層の清浄化が可能になる。 (2)燃料内のキャビテーションはごく短時間で定常化
するので、計測の応答速度も向上する。このことは、計
測のためのキャビテーション発生を間欠的に行なわせる
ことを可能にし、キャビテーション発生によって生ずる
壊食を最小にするのに有効である。 (3)気孔の上昇や回転翼による燃料の攪拌によって計
測装置近傍の燃料が攪拌されるので、燃料の性状したが
って計測値が平均化される効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料性状計測装置の1実施例の断面図
である。
【図2】Aはキャビテーションによって発生される気孔
の総量と燃料の蒸気圧、気孔を含む燃料の誘電率との関
係例を示す図、Bは気孔を含む燃料の誘電率(すなわち
静電容量)と理論空燃比の関係例を示す図である。
【図3】Aは気孔による光散乱や反射を利用した気孔総
量計測例を説明する図、Bは気孔総量と受光素子の検出
出力との関係例を示す図である。
【図4】Aは気孔総量と衝撃波強度との関係例を示す
図、Bは気孔破裂時に発生する衝撃波を利用した気孔総
量計測例を説明する図である。
【図5】Aは温度変化による気孔総量の変化状態の1例
を示す図、Bはタンク内圧と気孔総量の関係を示す図で
ある。
【図6】含酸素燃料の混入率と誘電率(静電容量)との
関係例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例の要部概略断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の要部概略断面図で
ある。
【図9】Aはモータに印加する電圧と回転数との関係例
を示す図、Bはモータに印加する電圧とモータ電流との
関係例を示す図、Cはモータの電流、回転数の変化量と
燃料の蒸気圧との関係例を示す図である。
【図10】本発明による燃料噴射量制御装置のブロック
図である。
【図11】図10の装置による燃料噴射量制御の概念を
説明するための図である。
【符号の説明】
1…気孔検知電極 2…補正電極 3…共通電極 4…
超音波振動子 6…温度センサ 10…燃料性状計測装
置 12…燃料タンク 13…気孔通路 15…補正通
路 18…気孔 22…発光素子 24…受光素子 2
5…衝撃波 26…衝撃波センサ 28…オリフィス
29…モータ 30…制御・検出部 31…燃料蒸気圧
計測部 33…実吸入量演算部 35…必要燃料量演算
部 37…補正量演算部 38…実噴射量演算部

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビテーションによる気孔を燃料中に発
    生させる段階と、 気孔を含む前記燃料を気孔通路に導入し、発生した気孔
    総量を計測する段階と、 計測された気孔総量に基づいて、当該燃料の空燃比およ
    び蒸気圧の少なくとも一方を演算する段階とよりなるこ
    とを特徴とする燃料性状計測方法。
  2. 【請求項2】キャビテーションの発生は、燃料に(超音
    波)振動を加えることによって行なわれる請求項1記載
    の燃料性状計測方法。
  3. 【請求項3】キャビテーションの発生は、燃料をオリフ
    ィスに導入することによって行なわれる請求項1記載の
    燃料性状計測方法。
  4. 【請求項4】オリフィスは、内燃機関の燃料噴射弁から
    燃料タンクへ燃料を還流させる燃料配管の途中に挿入さ
    れた請求項3記載の燃料性状計測方法。
  5. 【請求項5】オリフィスへの燃料の導入が間欠的に行な
    われる請求項3または4に記載の燃料性状計測方法。
  6. 【請求項6】気孔総量は、気孔を含む燃料の誘電率、光
    透過または散乱特性、音波伝達特性、および気孔を含む
    燃料中での気孔破裂に伴なって発生される衝撃波の強さ
    などの燃料特性のどれかで代表される請求項1〜5のい
    ずれかに記載の燃料性状計測方法。
  7. 【請求項7】空燃比および蒸気圧の少なくとも一方の演
    算は、予め準備された気孔総量および燃料特性のいずれ
    かに対する空燃比および蒸気圧の少なくとも一方のテ−
    ブルを参照して行なわれる請求項1〜6のいずれかに記
    載の燃料性状計測方法。
  8. 【請求項8】燃料中に浸漬された攪拌翼を回転させるた
    めのモータに印加する電圧を徐々に上昇させて翼の回転
    数を上昇させる一方、前記モータの電流および翼の回転
    数の少なくとも一方の変化状態を監視する段階と、 前記変化状態が予定値を超えた時の、前記モータの電流
    および翼の回転数の少なくとも一方の変化状態に基づい
    て、当該燃料の空燃比および蒸気圧の少なくとも一方を
    決定する段階とよりなることを特徴とする燃料性状計測
    方法。
  9. 【請求項9】燃料の温度および圧力の少なくとも一方を
    計測する段階と、燃料の温度および圧力の少なくとも一
    方の空燃比および蒸気圧に対する影響を補正する段階と
    をさらに有する請求項1〜8のいずれかに記載の燃料性
    状計測方法。
  10. 【請求項10】キャビテーションによる気孔を含まない
    燃料を補正通路に導入し、その誘電率を計測する段階
    と、 前記補正通路内の燃料の誘電率に基づいて、燃料に混入
    された含酸素燃料に起因する当該燃料の空燃比および蒸
    気圧の、含酸素燃料を混入されない燃料の空燃比および
    蒸気圧に対するずれの少なくとも一方を補正する段階と
    をさらに含む請求項1〜9のいずれかに記載の燃料性状
    計測方法。
  11. 【請求項11】燃料を導入される気孔通路と、 気孔通路内の燃料に振動を加えてキャビテーションによ
    る気孔を発生させる手段と、 気孔総量を計測する手段と、 気孔総量に基づいて燃料の空燃比および蒸気圧の少なく
    とも一方を演算する手段とを具備した燃料性状計測装
    置。
  12. 【請求項12】気孔通路は燃料タンクの底部に、これと
    ほぼ垂直に、かつ相互には対向配置された1対の部材間
    に形成され、キャビテーションによる気孔発生手段は前
    記気孔通路の下端部に超音波を放射するように設置され
    た振動子である請求項11記載の燃料性状計測装置。
  13. 【請求項13】気孔通路は内燃機関の燃料噴射弁から燃
    料タンクへ燃料を還流させる燃料配管の途中に、配管に
    沿って対向配置された1対の部材であり、キャビテーシ
    ョンによる気孔発生手段は前記気孔通路の上流側に連結
    されたオリフィスである請求項11記載の燃料性状計測
    装置。
  14. 【請求項14】1対の部材は同軸状に対向配置された請
    求項12または13記載の燃料性状計測装置。
  15. 【請求項15】気孔総量を計測する手段は、当該気孔総
    量を代表する燃料特性として選択された、気孔通路内の
    燃料の誘電率、光透過または散乱特性、音波伝達特性、
    および前記燃料中での気孔破裂に伴なって発生される衝
    撃波強度の少なくとも1つを計測する手段である請求項
    11〜14のいずれかに記載の燃料性状計測装置。
  16. 【請求項16】気孔総量を代表する燃料特性を空燃比お
    よび蒸気圧の少なくとも一方に変換するための変換テ−
    ブルをさらに具備した請求項15に記載の燃料性状計測
    装置。
  17. 【請求項17】燃料中に浸漬される攪拌翼と、 前記翼を回転させるためのモータと、 前記モータに印加される電圧を上昇させて前記翼の回転
    数を、燃料中に気孔を発生しない低回転数から増大させ
    る回転数制御手段と、 前記モータの電流および翼の回転数の少なくとも一方の
    変化状態を監視する手段と、 前記変化状態が予定値を超えた時の、前記モータの電流
    および翼の回転数の少なくとも一方の変化状態を記憶す
    る手段と、 前記記憶した変化状態に基づいて、当該燃料の空燃比お
    よび蒸気圧の少なくとも一方を演算する手段とを具備し
    た燃料性状計測装置。
  18. 【請求項18】キャビテーションによる気孔を含まない
    燃料が導入される補正通路と、 補正通路内の燃料の誘電率を計測する手段と、 補正通路内の燃料誘電率に基づいて、燃料に混入された
    含酸素燃料に起因する当該燃料の空燃比および蒸気圧
    の、含酸素燃料を混入されない燃料のそれらに対するず
    れの少なくとも一方を補正する手段とをさらに具備した
    請求項11〜17のいずれかに記載の燃料性状計測装
    置。
  19. 【請求項19】内燃機関の燃料噴射弁に連通する燃料配
    管中および燃料タンク内のいずれかに設けられて燃料の
    蒸気圧を計測する、請求項11〜18のいずれかに記載
    の燃料性状計測装置と、 内燃機関の回転数および吸気圧の少なくとも一方に基づ
    いて、必要な噴射燃料量(時間)を演算する手段と、 実際の噴射燃料量および計測された前記蒸気圧に基づい
    て、シリンダに実際に吸入される実吸入燃料量、および
    吸気管壁面に付着した燃料残量をそれぞれ演算する手段
    と、 実吸入燃料量および必要な噴射燃料量に基づいて補正噴
    射量を演算する手段と、 補正噴射量および必要噴射燃料量に基づいて、実噴射燃
    料量を演算する手段と、 実噴射燃料量を供給されて燃料噴射弁の開時間を制御す
    る弁制御手段とを具備した噴射燃料量制御装置。
  20. 【請求項20】実噴射燃料量をTi(k) 、実際に噴射さ
    れた燃料TiのうちA (ただし、1 > A> 0) がシリン
    ダ内に吸入される一方、(1−A)が吸気管壁面に付着
    し、また付着した燃料残量QtのうちB (ただし、1 >
    B> 0) が揮発してシリンダ内に吸入され、(1−B)
    が付着したままであるとするとき、実吸入燃料量Gf(k)
    および付着燃料残量Q(k) が次の式で演算される、請求
    項19記載の噴射燃料量制御装置。 Gf(k) =A・Ti(k) +B・Qt(k−1) Q(k) =(1−A)・Ti(k) +(1−B)・Qt(k
    −1)
JP35073693A 1993-12-28 1993-12-28 燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置 Pending JPH07198710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35073693A JPH07198710A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35073693A JPH07198710A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07198710A true JPH07198710A (ja) 1995-08-01

Family

ID=18412511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35073693A Pending JPH07198710A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07198710A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001083980A1 (en) 2000-04-25 2001-11-08 Ma (Innovation) Fsis Limited Fuel separation and injection system
EP1610125A1 (de) * 2004-06-25 2005-12-28 Hella KGaA Hueck & Co. Verfahren sowie Einrichtung zur Bestimmung der Verdampfungseigenschaft von Kraftstoff-Flüssigkeiten
JP2007040723A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology キャビテーション発生量の測定方法及びキャビテーション発生量の測定装置
US7272485B2 (en) 2004-08-06 2007-09-18 Nippon Soken, Inc. Fuel nature measuring device of internal combustion engine and internal combustion engine having the same
US20140230794A1 (en) * 2013-02-21 2014-08-21 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for a fuel system
JP2015169179A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 愛三工業株式会社 センサ装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001083980A1 (en) 2000-04-25 2001-11-08 Ma (Innovation) Fsis Limited Fuel separation and injection system
EP1610125A1 (de) * 2004-06-25 2005-12-28 Hella KGaA Hueck & Co. Verfahren sowie Einrichtung zur Bestimmung der Verdampfungseigenschaft von Kraftstoff-Flüssigkeiten
US7272485B2 (en) 2004-08-06 2007-09-18 Nippon Soken, Inc. Fuel nature measuring device of internal combustion engine and internal combustion engine having the same
US7373929B2 (en) 2004-08-06 2008-05-20 Nippon Soken, Inc. Fuel nature measuring device of internal combustion engine and internal combustion engine having the same
US7389769B2 (en) 2004-08-06 2008-06-24 Nippon Soken, Inc. Fuel nature measuring device of internal combustion engine and internal combustion engine having the same
JP2007040723A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 National Institute Of Advanced Industrial & Technology キャビテーション発生量の測定方法及びキャビテーション発生量の測定装置
JP4595091B2 (ja) * 2005-07-29 2010-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 キャビテーション発生量の測定方法及びキャビテーション発生量の測定装置
US20140230794A1 (en) * 2013-02-21 2014-08-21 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for a fuel system
US9453466B2 (en) * 2013-02-21 2016-09-27 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for a fuel system
JP2015169179A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 愛三工業株式会社 センサ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080197022A1 (en) Gas sensor control apparatus designed to ensure accuracy of measurement in gas sensor
JPH0833367B2 (ja) 静電容量式アルコール濃度測定装置
JPH07198710A (ja) 燃料性状計測方法および装置、並びにこれを用いた噴射燃料量制御装置
CN86106698A (zh) 内燃机空燃比检测装置
CN111426353B (zh) 一种精确流量获取装置及方法
US5488311A (en) Apparatus and method for measuring alcohol concentration of liquid blended with alcohol applicable to an automotive vehicle mounted internal combustion engine
CN110320261B (zh) 气体传感器以及气体传感器的控制方法
US7647820B2 (en) Device for detecting leakage of liquid in tank
JPS60171447A (ja) 空燃比検出方法
JP2007292730A (ja) 流体識別装置および流体識別方法
US3741009A (en) Carburetor flow stand
JP3050019B2 (ja) 内燃機関の酸素センサ制御装置
JP2010256038A (ja) 液体用濃度測定装置
JPH08121288A (ja) 噴射率測定装置
JPH09158768A (ja) エンジン燃料噴射制御装置
JPH09119891A (ja) 粘性検出装置及びエンジン燃料噴射制御装置
JP2005043126A (ja) 液種検知装置および液種検知方法
JPH02201146A (ja) 燃料のアルコール含有量およびまたは発熱量を測定する方法
JP2007225609A (ja) 流体識別装置および流体識別方法
JP2002350410A (ja) ガス濃度センサ調整方法
JP3027514B2 (ja) 静電容量式アルコール濃度測定装置
JPH01224417A (ja) 燃料噴射制御装置
JP3986515B2 (ja) 超音波装置の制御方法
JP2002005882A (ja) 空燃比センサの活性判定装置
JP3048256B2 (ja) 空燃比検出方法