JPH07198562A - ガス採取方法 - Google Patents
ガス採取方法Info
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- JPH07198562A JPH07198562A JP5350345A JP35034593A JPH07198562A JP H07198562 A JPH07198562 A JP H07198562A JP 5350345 A JP5350345 A JP 5350345A JP 35034593 A JP35034593 A JP 35034593A JP H07198562 A JPH07198562 A JP H07198562A
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- gas
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- adsorbent
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- sampling tube
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大容量のガス中の目的成分を採取し搬送する
上で、安全に採取運搬することが可能で、輸送を容易と
することが可能であり、しかもガス採取時に目的成分の
濃縮を行ってサンプルの前処理を簡略化できるガス採取
方法の提供を目的としている。 【構成】 大容量のガス中の目的成分を吸着剤に吸着せ
しめ、これを密封した状態で搬送体とし、該搬送体中か
ら目的成分を濃縮した状態で脱離、回収することを特徴
としている。
上で、安全に採取運搬することが可能で、輸送を容易と
することが可能であり、しかもガス採取時に目的成分の
濃縮を行ってサンプルの前処理を簡略化できるガス採取
方法の提供を目的としている。 【構成】 大容量のガス中の目的成分を吸着剤に吸着せ
しめ、これを密封した状態で搬送体とし、該搬送体中か
ら目的成分を濃縮した状態で脱離、回収することを特徴
としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、環境分析や臨床検査
の分野において使用されるガスの採取および運搬法に係
わり、より詳細には、環境大気や呼気ガス等の大容量の
サンプルガスを採取する際に目的成分を濃縮してコンパ
クトな形で運搬するためのガス採取方法に関する。
の分野において使用されるガスの採取および運搬法に係
わり、より詳細には、環境大気や呼気ガス等の大容量の
サンプルガスを採取する際に目的成分を濃縮してコンパ
クトな形で運搬するためのガス採取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、環境分析の分野において、環境大
気中のある希薄成分を分析する際には、現場にて直接分
析する場合を除き、一般的に環境大気を現場にて採取
し、それを運搬し、分析センターなどで分析を行う。こ
の種のガス採取にあっては、例えばフレックスサンプラ
ー(商品名、近江オドエアサービス社製)、テドラーバ
ック(商品名、近江オドエアサービス社製)などのサン
プリングバック(大気圧状態)やボンベ(加圧又は減圧
状態)を用いてガスを採取し、これを運搬して分析を行
う。
気中のある希薄成分を分析する際には、現場にて直接分
析する場合を除き、一般的に環境大気を現場にて採取
し、それを運搬し、分析センターなどで分析を行う。こ
の種のガス採取にあっては、例えばフレックスサンプラ
ー(商品名、近江オドエアサービス社製)、テドラーバ
ック(商品名、近江オドエアサービス社製)などのサン
プリングバック(大気圧状態)やボンベ(加圧又は減圧
状態)を用いてガスを採取し、これを運搬して分析を行
う。
【0003】また、臨床検査の分野において、呼気中の
二酸化炭素を分析する呼気検査が提案されている。この
呼気検査では、被験者に13C又は14Cで標識された化合
物を経口又は静注にて投与し、被験者の呼気を経時的に
サンプリングする。そして、その呼気中の二酸化炭素の
13C又は14Cの含量を測定し、その経時変化から被験者
の病態を診断するために有用な検査方法である。被験者
の呼気を採取し、呼気中の目的成分を分析する場合に
は、 1.被験者が分析装置の傍らに行き、直接分析装置に呼気
を送り込む。 2.被験者の傍らに分析装置を運搬し、被験者の呼気を直
接分析装置に送り込む。 3.被験者の呼気を上述したサンプリングバック(大気圧
状態)に採取し、分析センター又は臨床検査センターな
どに運搬し、分析を行う。 4.被験者の呼気をガラス製の真空瓶などに採取し、分析
センター又は臨床検査センターなどに運搬し、分析を行
う。 以上の方法が考えられるが、13C又は14Cの測定は安定
同位体比測定専用質量分析計やシンチレーションカウン
ターなどの特殊な測定機器を必要とし、一般の病院や大
学等で測定することは無理であるため、検査センターな
どにサンプルを輸送し、そこで測定を行うのが現実的で
ある。検査センターでは分析の前に呼気を以下のように
前処理し、二酸化炭素を濃縮精製する。 呼気をドライアイス−アセトンなどの寒剤で約−80
℃に冷却し、呼気中の水分をトラップする。 次に、水分を除去した呼気を液体窒素で冷却し、二酸
化炭素をドライアイスの形でトラップする。 次に、冷却したまま真空排気処理を行い、トラップさ
れていない他のガスを除去する。 その後、温度を室温に戻し、二酸化炭素をガス化して
回収する。
二酸化炭素を分析する呼気検査が提案されている。この
呼気検査では、被験者に13C又は14Cで標識された化合
物を経口又は静注にて投与し、被験者の呼気を経時的に
サンプリングする。そして、その呼気中の二酸化炭素の
13C又は14Cの含量を測定し、その経時変化から被験者
の病態を診断するために有用な検査方法である。被験者
の呼気を採取し、呼気中の目的成分を分析する場合に
は、 1.被験者が分析装置の傍らに行き、直接分析装置に呼気
を送り込む。 2.被験者の傍らに分析装置を運搬し、被験者の呼気を直
接分析装置に送り込む。 3.被験者の呼気を上述したサンプリングバック(大気圧
状態)に採取し、分析センター又は臨床検査センターな
どに運搬し、分析を行う。 4.被験者の呼気をガラス製の真空瓶などに採取し、分析
センター又は臨床検査センターなどに運搬し、分析を行
う。 以上の方法が考えられるが、13C又は14Cの測定は安定
同位体比測定専用質量分析計やシンチレーションカウン
ターなどの特殊な測定機器を必要とし、一般の病院や大
学等で測定することは無理であるため、検査センターな
どにサンプルを輸送し、そこで測定を行うのが現実的で
ある。検査センターでは分析の前に呼気を以下のように
前処理し、二酸化炭素を濃縮精製する。 呼気をドライアイス−アセトンなどの寒剤で約−80
℃に冷却し、呼気中の水分をトラップする。 次に、水分を除去した呼気を液体窒素で冷却し、二酸
化炭素をドライアイスの形でトラップする。 次に、冷却したまま真空排気処理を行い、トラップさ
れていない他のガスを除去する。 その後、温度を室温に戻し、二酸化炭素をガス化して
回収する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスの採取、運搬方法には次のような問題があった。前
者の環境分析においては、目的の希薄な成分を分析に必
要な量採取するために環境大気を非常に大量に必要と
し、大気圧状態で運搬するためには輸送容積が増大す
る。輸送容積を小さくするために加圧するためには、採
取時に加圧設備が必要であり、高圧ガス取締法などの適
用を受ける場合がある。またガスを加圧してボンベに充
填する場合には、ガスの漏洩の心配がある。また、サン
プリングバックは薄いシートでできているために、取扱
時に生じたピンホールなどによるガスの漏洩、他のガス
の混入汚染の心配がある。
ガスの採取、運搬方法には次のような問題があった。前
者の環境分析においては、目的の希薄な成分を分析に必
要な量採取するために環境大気を非常に大量に必要と
し、大気圧状態で運搬するためには輸送容積が増大す
る。輸送容積を小さくするために加圧するためには、採
取時に加圧設備が必要であり、高圧ガス取締法などの適
用を受ける場合がある。またガスを加圧してボンベに充
填する場合には、ガスの漏洩の心配がある。また、サン
プリングバックは薄いシートでできているために、取扱
時に生じたピンホールなどによるガスの漏洩、他のガス
の混入汚染の心配がある。
【0005】また、後者の臨床検査においては、特に上
述したような呼気中の微量の安定同位体標識二酸化炭素
を測定するような場合、目的とする微量成分を分析に必
要な量採取するために呼気を非常に大量に必要とし、輸
送容積が増大し、サンプルガスの輸送に不便を生じてい
る。また、サンプルバックを用いると、取扱時に生じた
ピンホールなどによるガスの漏洩、他のガスの混入汚染
の心配がある。また、ガラス製の真空瓶などは輸送中に
破損してしまう心配がある。さらに、呼気検査における
呼気の前処理については、液体窒素やドライアイス−ア
セトンなどの寒剤を必要とするためコストがかかり、更
に前処理作業が非常に繁雑となる、また、処理装置が大
掛りなものとなるなどの問題がある。
述したような呼気中の微量の安定同位体標識二酸化炭素
を測定するような場合、目的とする微量成分を分析に必
要な量採取するために呼気を非常に大量に必要とし、輸
送容積が増大し、サンプルガスの輸送に不便を生じてい
る。また、サンプルバックを用いると、取扱時に生じた
ピンホールなどによるガスの漏洩、他のガスの混入汚染
の心配がある。また、ガラス製の真空瓶などは輸送中に
破損してしまう心配がある。さらに、呼気検査における
呼気の前処理については、液体窒素やドライアイス−ア
セトンなどの寒剤を必要とするためコストがかかり、更
に前処理作業が非常に繁雑となる、また、処理装置が大
掛りなものとなるなどの問題がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ガス中の目的成分を濃縮してコンパクトに保持する
ことにより、安全に採取運搬することが可能で、輸送を
容易とすることが可能であり、しかもガス採取時に目的
成分の濃縮を行ってサンプルの前処理を簡略化できるガ
ス採取方法の提供を目的としている。
で、ガス中の目的成分を濃縮してコンパクトに保持する
ことにより、安全に採取運搬することが可能で、輸送を
容易とすることが可能であり、しかもガス採取時に目的
成分の濃縮を行ってサンプルの前処理を簡略化できるガ
ス採取方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、請求項1のガス採取方法は、大容量のガス中の目
的成分を吸着剤に吸着せしめ、これを密封した状態で搬
送体とし、該搬送体中から目的成分を濃縮した状態で脱
離、回収することを特徴としている。また、請求項2の
ガスの採取方法では、上記目的成分の吸着を常温、常圧
で行うことを特徴としている。また、請求項3のガスの
採取方法は、上記目的成分が、大気環境中の大気汚染物
質であることを特徴としている。また、請求項4のガス
の採取方法は、目的成分が、呼気中の二酸化炭素である
ことを特徴としている。
めに、請求項1のガス採取方法は、大容量のガス中の目
的成分を吸着剤に吸着せしめ、これを密封した状態で搬
送体とし、該搬送体中から目的成分を濃縮した状態で脱
離、回収することを特徴としている。また、請求項2の
ガスの採取方法では、上記目的成分の吸着を常温、常圧
で行うことを特徴としている。また、請求項3のガスの
採取方法は、上記目的成分が、大気環境中の大気汚染物
質であることを特徴としている。また、請求項4のガス
の採取方法は、目的成分が、呼気中の二酸化炭素である
ことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明のガスの採取方法は、大容量のガス中の
目的成分を吸着剤に吸着させ、これを密封した状態で搬
送体とし、該搬送体中から目的成分を濃縮した状態で脱
離、回収することにより、目的成分を確実に採取しコン
パクトな形態で搬送することが可能となる。また、目的
成分を吸着剤に吸着させることにより、ガス中の目的成
分を回収する場合に、目的成分を濃縮精製した状態で取
り出し、分析等に供することが可能となり、サンプルガ
スの前処理を大幅に簡略化することができる。特に、従
来の呼気分析におけるサンプルガスの前処理に代えて本
発明を適用することにより、寒剤の使用を不要とし、前
処理作業の繁雑さが解消され、コストの低減を図ること
が可能となる。
目的成分を吸着剤に吸着させ、これを密封した状態で搬
送体とし、該搬送体中から目的成分を濃縮した状態で脱
離、回収することにより、目的成分を確実に採取しコン
パクトな形態で搬送することが可能となる。また、目的
成分を吸着剤に吸着させることにより、ガス中の目的成
分を回収する場合に、目的成分を濃縮精製した状態で取
り出し、分析等に供することが可能となり、サンプルガ
スの前処理を大幅に簡略化することができる。特に、従
来の呼気分析におけるサンプルガスの前処理に代えて本
発明を適用することにより、寒剤の使用を不要とし、前
処理作業の繁雑さが解消され、コストの低減を図ること
が可能となる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。図1は、本発明のガス採取方法において好適なサン
プリング管の第1の例を示すものであり、このサンプリ
ング管1は、金属やガラスなどのガス非透過性材料より
なる円筒状の本体2と、この本体2内に充填された吸着
剤3とからなるものである。本体2の両端には細管状の
入口部4と出口部5とが設けられている。
る。図1は、本発明のガス採取方法において好適なサン
プリング管の第1の例を示すものであり、このサンプリ
ング管1は、金属やガラスなどのガス非透過性材料より
なる円筒状の本体2と、この本体2内に充填された吸着
剤3とからなるものである。本体2の両端には細管状の
入口部4と出口部5とが設けられている。
【0010】この本体2内に充填される吸着剤として
は、採取しようとする目的成分を選択的に吸着する吸着
剤が好適に使用され、合成ゼオライト系吸着剤や活性炭
のような物理吸着性材料、酸やアルカリ又は錯体などの
化学吸着性材料を用いることができ、例えば大気汚染物
質の測定において、亜硫酸、窒素酸化物を吸着する際に
はトリエタノールアミンなどのアルカリを含浸させたシ
リカゲルなどを用い、一般の有機化合物を吸着する場合
にはシリカゲル、活性炭などの吸着剤が用いられる。ま
た、臨床検査での呼気ガス中の二酸化炭素を吸着する場
合には、合成ゼオライト系吸着剤、活性炭などの吸着剤
が用いられる。活性炭やゼオライト或いは錯体などの吸
着剤は、予め活性化処理して目的成分を吸着可能な状態
とする。これらの吸着剤を活性化するには、100℃以
上、好ましくは200℃以上に加熱しつつ、1〜24時
間程度真空引きして行われる。活性化した吸着剤3を充
填したサンプリング管1は、その入口部4と出口部5の
端部にキャップを嵌めて密封状態にしておくことが望ま
しい。
は、採取しようとする目的成分を選択的に吸着する吸着
剤が好適に使用され、合成ゼオライト系吸着剤や活性炭
のような物理吸着性材料、酸やアルカリ又は錯体などの
化学吸着性材料を用いることができ、例えば大気汚染物
質の測定において、亜硫酸、窒素酸化物を吸着する際に
はトリエタノールアミンなどのアルカリを含浸させたシ
リカゲルなどを用い、一般の有機化合物を吸着する場合
にはシリカゲル、活性炭などの吸着剤が用いられる。ま
た、臨床検査での呼気ガス中の二酸化炭素を吸着する場
合には、合成ゼオライト系吸着剤、活性炭などの吸着剤
が用いられる。活性炭やゼオライト或いは錯体などの吸
着剤は、予め活性化処理して目的成分を吸着可能な状態
とする。これらの吸着剤を活性化するには、100℃以
上、好ましくは200℃以上に加熱しつつ、1〜24時
間程度真空引きして行われる。活性化した吸着剤3を充
填したサンプリング管1は、その入口部4と出口部5の
端部にキャップを嵌めて密封状態にしておくことが望ま
しい。
【0011】このサンプリング管1を用いて、サンプル
ガス6中の目的成分を吸着させるには、サンプリング管
1の入口部からサンプルガス6を、望ましくは低流速で
導入する。サンプルガス6中の目的成分は吸着剤3に吸
着され、残りのガス(出口ガス7)は出口部5から外部
に排出される。なお、目的成分を吸着して採取する方法
は、サンプルガスや目的成分の性状に応じて行われ、例
えば、1.予めキャップで密封しておいたサンプリング管
1のキャップを外し、サンプルガス雰囲気中にそのまま
放置する。2.ポンプを用いて入口部4からサンプルガス
6を送り通気する。3.吸引ポンプで出口部5からサンプ
ルガス6を吸引し通気する。4.呼気をサンプリングする
場合には、被験者が直接サンプリング管1の入口部4か
ら呼気を吹き入れる。などの各通気方法から適宜選択し
て行われる。
ガス6中の目的成分を吸着させるには、サンプリング管
1の入口部からサンプルガス6を、望ましくは低流速で
導入する。サンプルガス6中の目的成分は吸着剤3に吸
着され、残りのガス(出口ガス7)は出口部5から外部
に排出される。なお、目的成分を吸着して採取する方法
は、サンプルガスや目的成分の性状に応じて行われ、例
えば、1.予めキャップで密封しておいたサンプリング管
1のキャップを外し、サンプルガス雰囲気中にそのまま
放置する。2.ポンプを用いて入口部4からサンプルガス
6を送り通気する。3.吸引ポンプで出口部5からサンプ
ルガス6を吸引し通気する。4.呼気をサンプリングする
場合には、被験者が直接サンプリング管1の入口部4か
ら呼気を吹き入れる。などの各通気方法から適宜選択し
て行われる。
【0012】サンプルガス6を通気して、該ガス6中の
目的成分を吸着させたならば、図2に示すように入口部
4と出口部5の両方にキャップ8を嵌め、サンプリング
管1を密封し、コンパクトな搬送体9とする。この搬送
体9は元のサンプルガス6の容量に比べて容積が極めて
小さく、しかもある程度の強度を持たせて構成すること
ができ、多くのサンプルを一度に搬送でき、搬送中の破
損等のおそれもない。
目的成分を吸着させたならば、図2に示すように入口部
4と出口部5の両方にキャップ8を嵌め、サンプリング
管1を密封し、コンパクトな搬送体9とする。この搬送
体9は元のサンプルガス6の容量に比べて容積が極めて
小さく、しかもある程度の強度を持たせて構成すること
ができ、多くのサンプルを一度に搬送でき、搬送中の破
損等のおそれもない。
【0013】サンプリング管1を密封するためのキャッ
プ8としては、ゴムや合成樹脂製キャップなどが用いら
れ、キャップ8を入口部4と出口部5とに嵌め込んで密
封する。また、入口部4と出口部5の端部とキャップと
にそれぞれ螺合するネジを形成し、これら端部にキャッ
プをネジ嵌合する構成としても良い。
プ8としては、ゴムや合成樹脂製キャップなどが用いら
れ、キャップ8を入口部4と出口部5とに嵌め込んで密
封する。また、入口部4と出口部5の端部とキャップと
にそれぞれ螺合するネジを形成し、これら端部にキャッ
プをネジ嵌合する構成としても良い。
【0014】この搬送体9は分析センター等に輸送さ
れ、吸着されている目的成分を回収して、分析等に供す
る。サンプリング管1から目的成分を回収する方法とし
ては、活性炭やゼオライトを使用した物理吸着では、吸
着剤の加熱、真空引き、及び不活性ガスの通気のいずれ
か1つ又はそれらを組み合わせた処理を行って脱離させ
る。吸着剤として酸やアルカリ又は錯体を使用した化学
吸着では、アルカリや酸の添加、真空引き、加熱、及び
不活性ガスの通気のいずれか1つ又はそれらを組み合わ
せた処理を行って脱離させる。なお、活性炭やゼオライ
ト或いは錯体等を吸着剤3として使用したサンプリング
管1は、適当な活性化(再生)処理を行って再使用する
ことが可能である。
れ、吸着されている目的成分を回収して、分析等に供す
る。サンプリング管1から目的成分を回収する方法とし
ては、活性炭やゼオライトを使用した物理吸着では、吸
着剤の加熱、真空引き、及び不活性ガスの通気のいずれ
か1つ又はそれらを組み合わせた処理を行って脱離させ
る。吸着剤として酸やアルカリ又は錯体を使用した化学
吸着では、アルカリや酸の添加、真空引き、加熱、及び
不活性ガスの通気のいずれか1つ又はそれらを組み合わ
せた処理を行って脱離させる。なお、活性炭やゼオライ
ト或いは錯体等を吸着剤3として使用したサンプリング
管1は、適当な活性化(再生)処理を行って再使用する
ことが可能である。
【0015】図3は、本発明のガス採取方法において好
適なサンプリング管の第2の例を示すものであり、この
サンプリング管1は、入口部4と出口部5とにそれぞれ
開閉弁10,11を設けて構成している。このようにサ
ンプリング管1の出入口に開閉弁10,11を設けたこ
とにより、入口部4と出口部5との開閉動作が容易とな
り、しかも瞬時に開閉の切り替えをすることができるの
で、サンプリング時や目的成分の回収時でのガス混入汚
染を防止する効果を高めることができる。
適なサンプリング管の第2の例を示すものであり、この
サンプリング管1は、入口部4と出口部5とにそれぞれ
開閉弁10,11を設けて構成している。このようにサ
ンプリング管1の出入口に開閉弁10,11を設けたこ
とにより、入口部4と出口部5との開閉動作が容易とな
り、しかも瞬時に開閉の切り替えをすることができるの
で、サンプリング時や目的成分の回収時でのガス混入汚
染を防止する効果を高めることができる。
【0016】図4は本発明のガス採取方法において好適
なサンプリング管の第3の例を示すものである。この例
ではサンプリング管1の入口部4に、サンプルガス6中
の有害成分を取り除くための除去管12の端部を接続し
た構成になっている。この除去管12にはサンプルガス
6中に含まれる有害成分を吸着除去するための除去剤が
充填されている。この除去剤としては、サンプルガス6
中の目的成分がサンプリング管1内の吸着剤に吸着する
のを妨害したり、吸着率を低下させる成分、或いは吸着
剤と反応して目的成分の吸着に悪影響を与える物質であ
り、水分、酸性ガス、アルカリ性ガス、易分解性ガスな
どがあり、呼気のサンプリングにおいては呼気中の水分
の除去を目的として、水分のみを吸着する吸湿剤を設け
ることが望ましい。
なサンプリング管の第3の例を示すものである。この例
ではサンプリング管1の入口部4に、サンプルガス6中
の有害成分を取り除くための除去管12の端部を接続し
た構成になっている。この除去管12にはサンプルガス
6中に含まれる有害成分を吸着除去するための除去剤が
充填されている。この除去剤としては、サンプルガス6
中の目的成分がサンプリング管1内の吸着剤に吸着する
のを妨害したり、吸着率を低下させる成分、或いは吸着
剤と反応して目的成分の吸着に悪影響を与える物質であ
り、水分、酸性ガス、アルカリ性ガス、易分解性ガスな
どがあり、呼気のサンプリングにおいては呼気中の水分
の除去を目的として、水分のみを吸着する吸湿剤を設け
ることが望ましい。
【0017】・実験例:呼気中の二酸化炭素の採取 予め300℃で8時間加熱真空引きして活性化した合成
ゼオライト系吸着剤を約10g入れたサンプリング管に
アンヒドロン(過塩素酸マグネシウム)を通して水分を
除去した呼気を約1.95リットル通気した。サンプリング
管に通気する前の呼気とサンプリング管を通過してきた
出口ガスのそれぞれをガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、元の呼気は約4.1%の二酸化炭素を含んでい
たが、出口ガスの二酸化炭素濃度は検出下限(0.01
%)以下であった。これにより呼気中の二酸化炭素はほ
ぼ完全に吸着剤に吸着され、その体積は約20mlとな
り、サンプリング体積は約1/100と激減した。サンプリ
ング管中に捕集された二酸化炭素は、サンプリング管と
ともに吸着剤を約150℃に加熱し、約5リットルのヘリウ
ムガスを通気することにより脱離させて回収した。回収
したガス中の二酸化炭素含有量をガスクロマトグラフィ
ーで測定し、二酸化炭素の回収率を求めたところ、その
回収率は93%以上であった。また、サンプリング管を
150℃に加熱し、真空引きすることによっても二酸化
炭素の回収が可能であった。また、サンプリング管に吸
着する前の呼気中二酸化炭素の炭素同位体比と、サンプ
リング管から回収した後の二酸化炭素の炭素同位体比
を、安定同位体比測定専用質量分析計で測定して比較し
たが、両者の炭素同位体比に差は見られなかった。
ゼオライト系吸着剤を約10g入れたサンプリング管に
アンヒドロン(過塩素酸マグネシウム)を通して水分を
除去した呼気を約1.95リットル通気した。サンプリング
管に通気する前の呼気とサンプリング管を通過してきた
出口ガスのそれぞれをガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、元の呼気は約4.1%の二酸化炭素を含んでい
たが、出口ガスの二酸化炭素濃度は検出下限(0.01
%)以下であった。これにより呼気中の二酸化炭素はほ
ぼ完全に吸着剤に吸着され、その体積は約20mlとな
り、サンプリング体積は約1/100と激減した。サンプリ
ング管中に捕集された二酸化炭素は、サンプリング管と
ともに吸着剤を約150℃に加熱し、約5リットルのヘリウ
ムガスを通気することにより脱離させて回収した。回収
したガス中の二酸化炭素含有量をガスクロマトグラフィ
ーで測定し、二酸化炭素の回収率を求めたところ、その
回収率は93%以上であった。また、サンプリング管を
150℃に加熱し、真空引きすることによっても二酸化
炭素の回収が可能であった。また、サンプリング管に吸
着する前の呼気中二酸化炭素の炭素同位体比と、サンプ
リング管から回収した後の二酸化炭素の炭素同位体比
を、安定同位体比測定専用質量分析計で測定して比較し
たが、両者の炭素同位体比に差は見られなかった。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスの採
取方法は、ガス中の目的成分を吸着剤に吸着させ、これ
を密封した状態で搬送体とし、該搬送体中から目的成分
を濃縮精製した状態で脱離、回収することにより、ガス
中から目的成分を確実に採取し、コンパクトで強度のあ
る搬送体として輸送することが可能となり、大気圧のガ
スを輸送するのに比べて安全で多数のサンプルを一度に
搬送でき、サンプルの輸送コストを低減することができ
る。また、目的成分を吸着剤に吸着させることにより、
ガス中の目的成分を回収する場合に、目的成分を濃縮精
製した状態で取り出し、分析等に供することが可能とな
り、サンプルガスの前処理を大幅に簡略化することがで
きる。特に、従来の呼気分析におけるサンプルガスの前
処理に代えて本発明を適用することにより、寒剤の使用
を不要とし、前処理作業の繁雑さを解消することができ
るとともに、その処理コストを低減することができる。
取方法は、ガス中の目的成分を吸着剤に吸着させ、これ
を密封した状態で搬送体とし、該搬送体中から目的成分
を濃縮精製した状態で脱離、回収することにより、ガス
中から目的成分を確実に採取し、コンパクトで強度のあ
る搬送体として輸送することが可能となり、大気圧のガ
スを輸送するのに比べて安全で多数のサンプルを一度に
搬送でき、サンプルの輸送コストを低減することができ
る。また、目的成分を吸着剤に吸着させることにより、
ガス中の目的成分を回収する場合に、目的成分を濃縮精
製した状態で取り出し、分析等に供することが可能とな
り、サンプルガスの前処理を大幅に簡略化することがで
きる。特に、従来の呼気分析におけるサンプルガスの前
処理に代えて本発明を適用することにより、寒剤の使用
を不要とし、前処理作業の繁雑さを解消することができ
るとともに、その処理コストを低減することができる。
【図1】本発明のガス採取方法に好適に使用されるサン
プリング管の第1の例を示す正面図である。
プリング管の第1の例を示す正面図である。
【図2】同じサンプリング管にガスを通気した後密封し
た搬送体を示す正面図である。
た搬送体を示す正面図である。
【図3】本発明のガス採取方法に好適に使用されるサン
プリング管の第2の例を示す正面図である。
プリング管の第2の例を示す正面図である。
【図4】本発明のガス採取方法に好適に使用されるサン
プリング管の第3の例を示す正面図である。
プリング管の第3の例を示す正面図である。
1……サンプリング管、2……本体、3……吸着剤、4
……入口部、5……出口部、6……サンプルガス。
……入口部、5……出口部、6……サンプルガス。
フロントページの続き (72)発明者 伊東 延義 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式会 社つくば研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 大容量のガス中の目的成分を吸着剤に吸
着せしめ、これを密封した状態で搬送体とし、該搬送体
中から目的成分を濃縮した状態で脱離、回収することを
特徴とするガス採取方法。 - 【請求項2】 目的成分の吸着を常温、常圧で行うこと
を特徴とする請求項1記載のガスの採取方法。 - 【請求項3】 目的成分が、大気環境中の大気汚染物質
であることを特徴とする請求項1又は2記載のガスの採
取方法。 - 【請求項4】 目的成分が、呼気中の二酸化炭素である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のガスの採取方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5350345A JPH07198562A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ガス採取方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5350345A JPH07198562A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ガス採取方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07198562A true JPH07198562A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18409861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5350345A Withdrawn JPH07198562A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ガス採取方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07198562A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005512067A (ja) * | 2001-12-06 | 2005-04-28 | フィリップス, マイケル | 改良呼気収集装置 |
JP2009040885A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Ihi Corp | タール捕集方法及び装置 |
JP2017009597A (ja) * | 2015-06-16 | 2017-01-12 | 日本電信電話株式会社 | 呼気試料中イソプレンの天然の安定炭素同位体比(13c/12c)を分析する方法、および血糖値のモニタリング方法 |
JP2017009288A (ja) * | 2015-06-16 | 2017-01-12 | 日本電信電話株式会社 | 呼気試料採取容器 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5350345A patent/JPH07198562A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005512067A (ja) * | 2001-12-06 | 2005-04-28 | フィリップス, マイケル | 改良呼気収集装置 |
JP2009040885A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Ihi Corp | タール捕集方法及び装置 |
JP2017009597A (ja) * | 2015-06-16 | 2017-01-12 | 日本電信電話株式会社 | 呼気試料中イソプレンの天然の安定炭素同位体比(13c/12c)を分析する方法、および血糖値のモニタリング方法 |
JP2017009288A (ja) * | 2015-06-16 | 2017-01-12 | 日本電信電話株式会社 | 呼気試料採取容器 |
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Date | Code | Title | Description |
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