JPH07196040A - 鉄道車両のトイレ - Google Patents

鉄道車両のトイレ

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JPH07196040A
JPH07196040A JP4794A JP4794A JPH07196040A JP H07196040 A JPH07196040 A JP H07196040A JP 4794 A JP4794 A JP 4794A JP 4794 A JP4794 A JP 4794A JP H07196040 A JPH07196040 A JP H07196040A
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JP
Japan
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toilet
tank
incinerator
sewage
water
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JP4794A
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Inventor
Masayuki Nakaya
正行 中家
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West Japan Railway Co
Original Assignee
West Japan Railway Co
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  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚水あるいは汚物を焼却することが可能なト
イレを鉄道車両に搭載し、これにより設備投資およびラ
ンニングコストの低減、保守管理の容易化、人手に頼る
作業の低減を図る。 【構成】 便器1は、鉄道車両の端のトイレ室に設置さ
れ、仮便槽2は、このトイレ室の直下に位置し、鉄道車
両の底に取り付けられている。また、焼却装置3は、鉄
道車両の中央寄りに位置し、鉄道車両の底に取り付けら
れている。これらの仮便槽2と焼却装置3間を中継パイ
プ4を介して接続している。仮便槽2から焼却装置3の
第1焼却釜21へと汚水が送出され、第1焼却釜21に
よって汚水が焼却される。これにより発生した水蒸気
は、熱交換器34によって液化される。その水は、調整
槽37に貯められ、酸化燃焼装置53によって有機物を
取り除かれる。また、調整槽37に流入してきた水蒸気
は、第2燃焼釜22に導かれ、ここで再加熱されてから
排気される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道車両に設けられ
るトイレに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のトイレとして、最も簡単なもの
は、便器を鉄道車両に設けた程度に過ぎず、この便器か
ら線路へと汚水を垂れ流していた。しかしながら、近年
の環境保全意識の高まりから、汚水の垂れ流しは、慎ま
ねばならない。このため、図5に示すような循環式トイ
レや、図6に示すようなカセット式トイレが実用化され
ている。
【0003】図5に示す循環式トイレでは、薬液と水を
混合した洗浄液101を汚水タンク102に予め貯めて
おく。このトイレで用を足し、ペダル103を踏み込む
と、ポンプ104が一定時間だけ作動して、洗浄液10
1がフィルター105を介して汲み上げられ、この洗浄
液が給水管106を通じて便器107に散水される。こ
れにより、便器107内の屎尿は、洗浄液と共に流さ
れ、汚水が汚水タンク102に溜まる。この汚水は、ペ
ダル103が踏み込まれる度に、ポンプ104によって
汲み上げられ、かつフィルター105によって濾過さ
れ、洗浄水として繰り返し利用される。
【0004】汚水タンク102内の汚水は、排水コック
108から取り出されて、汚水処理設備109に引き渡
され、この汚水処理設備109で処理される。
【0005】また、図6に示すカセット式トイレでは、
着脱自在のフィルター容器111を便器112と便槽1
13間に設けてある。このトイレで用を足してから、ペ
ダル114を踏み込むと、給水管115から便器112
へと洗浄水が供給され、洗浄水が便器112内の屎尿と
共に流れて、洗浄水および屎尿がフィルター容器111
内のフィルターによって濾過される。これにより、フィ
ルター容器111には、汚物が溜まり、便槽113に
は、汚水が溜まる。
【0006】便槽113内の汚水は、水によって希釈さ
れたり、薬液を投入されてから、線路に流される。ま
た、フィルター容器111を新たなものに交換し、使用
済みのフィルター容器111を焼却炉117に引き渡し
て焼却する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のトイレを使用するには、屎尿専用の汚水処理設備10
9や焼却炉117を必要とするので、設備投資が嵩み、
ランニングコストが高くなった。
【0008】また、汚水処理設備109や焼却炉117
を設置するにしても、屎尿を処理することから、周囲の
環境を配慮せねばならず、何処にでも設置できるもので
はなかった。このため、汚水処理設備109や焼却炉1
17を鉄道車両の全ての基地に設置できず、これらのト
イレの保守管理が困難になり、これらのトイレを利用で
きる区間が限られていた。
【0009】さらに、これらのトイレから汚水処理設備
109や焼却炉117へと汚水あるいは汚物を運搬する
必要があり、この作業を人手に頼らざるを得ないので、
人件費が嵩み、これもランニングコストが高くなる一因
となった。しかも、この作業は、人に嫌われるので、人
手の確保が困難であった。
【0010】そこで、この発明の課題は、汚水あるいは
汚物を焼却することが可能なトイレを鉄道車両に搭載
し、これにより設備投資およびランニングコストの低
減、保守管理の容易化、人手に頼る作業の低減を図るこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、特許請求の範囲の請求項1に係わるトイレにおいて
は、便器からの汚水が流れ込み、この汚水を溜める仮便
槽と、汚水を焼却する焼却手段とを備え、仮便槽を鉄道
車両の端部に配置し、焼却手段を仮便槽から離間させて
鉄道車両に配置し、これらの仮便槽と焼却手段を中継パ
イプを介して接続して、仮便槽から中継パイプを通じて
焼却手段へと汚水を送出している。
【0012】また、このトイレにおいては、同請求の範
囲の請求項2に記載するように、仮便槽内の汚水の量が
予め定められた下限レベルに達したことを検出する汚水
量検出手段を更に備え、汚水量検出手段の検出出力に応
答して、仮便槽から焼却手段への汚水の送出を開始して
いる。
【0013】さらに、このトイレにおいては、同請求の
範囲の請求項3に記載するように、仮便槽内の汚水の量
が予め定められた上限レベルに達したことを検出する汚
水量検出手段と、トイレの使用を禁止する禁止手段とを
更に備え、汚水量検出手段の検出出力に応答して、禁止
手段を起動している。
【0014】また、このトイレにおいては、同請求の範
囲の請求項4に記載するように、焼却手段は、汚水を焼
却する第1焼却釜と、この第1焼却釜からの蒸気を液化
する熱交換器と、この熱交換器からの水に含まれる有機
物を処理する有機物処理手段と、熱交換器および有機物
処理手段からの蒸気を再加熱する第2焼却釜とを備えて
いる。
【0015】
【作用】上記請求項1に係わるトイレでは、仮便槽と焼
却手段を離間して鉄道車両に配置し、仮便槽と焼却手段
を中継パイプを介して接続している。ここで、トイレ室
は、鉄道車両の端に配置されているが、この鉄道車両の
端には、十分なスペースがないので、ここに仮便槽を配
置できても、嵩張る焼却手段を配置できない。このた
め、仮便槽と焼却手段を中継パイプを介して接続し、焼
却手段をトイレ室から離間させて配置している。
【0016】また、上記請求項2の記載によれば、仮便
槽内の汚水の量が下限レベルに達したことを検出する汚
水量検出手段を更に備え、この汚水量検出手段の検出出
力に応答して、仮便槽から焼却手段への汚水の送出を開
始している。つまり、汚水の送出が自動的に行われる。
【0017】さらに、上記請求項3の記載によれば、仮
便槽内の汚水の量が上限レベルに達したことを検出する
汚水量検出手段を更に備え、この汚水量検出手段の検出
出力に応答して、禁止手段を起動し、トイレの使用を禁
止している。これにより、仮便槽が溢れることが防止さ
れる。
【0018】また、上記請求項4の記載によれば、焼却
手段は、第1焼却釜と、熱交換器と、有機物処理手段
と、第2焼却釜とを備え、第1焼却釜によって汚水を焼
却し、この第1焼却釜からの蒸気を熱交換器によって液
化し、この熱交換器からの水に含まれる有機物を有機物
処理手段によって処理し、熱交換器および有機物処理手
段からの蒸気を第2焼却釜によって再加熱している。こ
のような有機物の処理と、蒸気の再加熱により、臭気の
発生が防止される。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面を参照し
て説明する。
【0020】図1は、この発明に係わる鉄道車両のトイ
レの一実施例を示している。この実施例のトイレは、便
器1、仮便槽2、焼却装置3等を備えており、仮便槽2
と焼却装置3を中継パイプ4を介して接続している。
【0021】便器1は、図2および図3に示す鉄道車両
5の端のトイレ室6に設置されている。仮便槽2は、こ
のトイレ室6の直下に位置し、鉄道車両5の底に取り付
けられている。また、焼却装置3は、車輪懸架部7より
も中央寄りに位置し、鉄道車両5の底に取り付けられて
いる。これらの仮便槽2と焼却装置3間を中継パイプ4
を介して接続している。
【0022】図2および図3から明らかなように、焼却
装置3を仮便槽2から離間して配置したが、これは、仮
便槽2を配置した鉄道車両5の端には、大型の焼却装置
3を設置できる十分なスペースが無いためである。
【0023】さて、図1に示すように便器1には、ペダ
ル9が付設されている。このペダル9を踏み込むと、給
水管11から便器1へと一定量の洗浄液が供給され、こ
の洗浄液が便器1の周縁から散水される。これにより、
便器1に排泄された屎尿が洗浄液と共に流され、汚水が
便器1から開閉弁12を介して仮便槽2に流れる。
【0024】ここでは、軽水洗方式が適用されているの
で、洗浄液の量は略500mlと少ない。また、開閉弁
12は、バネによって水平に保たれており、洗浄液と屎
尿の重みによって、この開閉弁12が押し開かれると、
汚水が仮便槽2に流れ込む。この後、バネによって開閉
弁12が再び閉じられるので、ここで仮便槽2の臭気が
遮断される。
【0025】仮便槽2には、下限フロート13と、上限
フロート14が設けられている。下限フロート13は、
浮体15と、この浮体15の浮き沈みに応じてオンオフ
になるリミットスイッチ(図示せず)とを組み合わせて
なり、汚水16が仮便槽2に溜まって、この浮体15が
下限レベルLに達すると、このリミットスイッチがオン
となる。同様に、上限フロート14は、浮体17と、こ
の浮体17の浮き沈みに応じてオンオフになるリミット
スイッチ(図示せず)とを組み合わせてなり、仮便槽2
内の汚水16の水位が上昇して、この浮体17が上限レ
ベルHに達すると、このリミットスイッチがオンとな
る。すなわち、下限フロート13によって、仮便槽2内
の汚水の下限レベルLが検出され、上限フロート14に
よって、仮便槽2内の汚水の上限レベルHが検出され
る。
【0026】また、仮便槽2には、濾過器18が内蔵さ
れている。この濾過器18は、中継パイプ4の端に接続
されている。この中継パイプ4の途中には、汚水ポンプ
19が設けられている。
【0027】中継パイプ4は、焼却装置3に導かれ、そ
の端が第1焼却釜21に接続されている。この第1焼却
釜21の外周には、第2焼却釜22が設けられている。
したがって、第1焼却釜21を内釜とし、第2焼却釜2
2を外釜とする二重構造の釜となっている。この第2焼
却釜22の外周にヒーター23を巻き付け、このヒータ
ー23を断熱壁24によって囲んでいる。これらの釜2
1,22の近傍には、ファン25が設けらており、この
ファン25は、第2焼却釜22から発生する蒸気を外部
に排出したり、これらの釜21,22の過熱を防止す
る。
【0028】中和剤タンク26には、汚水のPH を中和
する中和剤が貯められている。この中和剤は、中和剤ポ
ンプ27によって汲み上げられ、中継パイプ4に送出さ
れる。また、中和剤タンク27には、下限フロート28
が設けられている。この下限フロート28は、先に述べ
た下限フロート13とほぼ同一の構造であり、中和剤の
下限レベルを検出する。
【0029】第1焼却釜21には、エアーパイプ29を
介してコンプレッサー31が接続されており、このコン
プレッサー31から第1焼却釜21へと空気が圧送され
る。また、第1焼却釜21には、温度センサ32が設け
られており、この温度センサ32によって第1焼却釜2
1内の温度が検出される。さらに、第1焼却釜21は、
連結パイプ33を介して熱交換器34に接続されてい
る。
【0030】熱交換器34の近傍には、ファン35が配
設されており、このファン35によって熱交換器34が
空冷される。この熱交換器34は、連結パイプ36を介
して調整槽37に接続されている。この連結パイプ36
の途中には、熱交換器ポンプ38が設けられている。
【0031】調整槽37は、下側の第1貯水槽41と、
上側の第2貯水槽42を備えている。第2貯水槽42に
は、連通管43が突設されており、第1と第2貯水槽4
1,42が連通管43を介して接続されている。また、
第2貯水槽42には、小径パイプ44を介してファン4
5が接続されている。このファン45は、調整槽37に
発生した泡を消す役目を果たす。
【0032】第1貯水槽41には、下限フロート46
と、上限フロート47が設けられている。これらのフロ
ート46,47は、先に述べた下限フロート13や上限
フロート14とほぼ同一の構造であり、第1貯水槽41
の水位の下限レベルと上限レベルを検出する。
【0033】電解溶液タンク48には、所定の電解溶液
が貯められている。この電解溶液は、電解溶液ポンプ4
9によって汲み上げられ、第1貯水槽41に導かれる。
この電解溶液タンク48には、下限フロート51が設け
られており、この下限フロート51によって電解溶液の
下限レベルが検出される。
【0034】第1貯水槽41は、連結パイプ52を介し
て酸化燃焼装置53に接続されている。この連結パイプ
52の途中には、調整槽ポンプ54が設けられている。
【0035】酸化燃焼装置53の近傍には、ファン55
が配設されており、このファン55によって酸化燃焼装
置53が空冷される。この酸化燃焼装置53は、連結パ
イプ56を介して第2貯水槽42に接続されている。そ
して、この第2貯水槽42は、連結パイプ57を介して
第2焼却釜22に接続されている。
【0036】一方、焼却装置3の近傍には、制御装置5
8が配設されており、この制御装置58によって、仮便
槽2および焼却装置3が制御される。この制御装置58
は、温度センサ32、および各フロートからの検出出力
を入力し、これらの検出出力に応答して、制御を進め
る。また、この制御装置58は、トランス59から電力
を受け、この電力をヒーター23、コンプレッサー3
1、酸化燃焼装置53、各ポンプ、および各ファンに適
宜に供給して、これらを作動させる。
【0037】制御装置58は、焼却装置3と別体になっ
ているので、焼却装置3の温度や湿度の影響を免れるこ
とができ、かつ操作や保守管理が容易である。
【0038】トランス59の1次側コイルには、鉄道車
両を走行させるための駆動電圧が印加され、2次側コイ
ルの電圧が制御装置58に供給される。このトランス5
9は、電圧を制御装置58に供給するので、図2および
図3に示すように焼却装置3の近傍に配置されている。
また、このトランス59は、大型であるため、焼却装置
3と同様な理由で、鉄道車両の端に設置できず、この点
からも、焼却装置3の近傍に配置されている。
【0039】次に、この実施例のトイレによる汚水の焼
却処理を述べる。
【0040】まず、仮便槽2に汚水が溜まり、この汚水
が下限フロート13によって検出されると、これに応答
して、制御装置58は、焼却装置3のヒーター23に電
流を流して、このヒーター23を発熱させ、第1および
第2焼却釜21,22を加熱する。これにより、第1お
よび第2焼却釜21,22が空焚きされる。
【0041】また、このときには、各焼却釜21,22
のファン25、熱交換器34のファン35、および熱交
換器ポンプ38が起動される。
【0042】制御装置58は、温度センサ32によって
検出される第1焼却釜21内の温度を監視しており、こ
の温度が600°Cまで上昇すると、ヒーター23への
電流を切って、各釜21,22の空焚きを停止し、コン
プレッサー31を起動して、空気を第1焼却釜21に圧
送する。この空気は、第1焼却釜21→熱交換器34→
熱交換器ポンプ38→第1貯水槽41→第2貯水槽42
→第2焼却釜22という経路で送られ、ファン25によ
って排気される。
【0043】第1焼却釜21への空気の圧送により、温
度センサ32によって検出される温度が下降し、この温
度が300°Cになると、制御装置58は、コンプレッ
サー31を停止して、空気の圧送を止め、ヒーター23
に電流を再び流して、第1および第2焼却釜21,22
を加熱する。このとき、酸化燃焼装置53、酸化燃焼装
置53のファン55、および調整槽37のファン45を
起動しておく。
【0044】温度センサ32によって検出される温度が
310°Cまで上昇すると、制御装置58は、ヒーター
23への電流を切って、各釜21,22の空焚きを停止
する。そして、汚水ポンプ19を一定時間だけ作動させ
て、ほぼ一定量の汚水を仮便槽2から汲み上げ、この汚
水を第1焼却釜21に送り込む。このとき、中和剤ポン
プ27も作動させて、少量の中和剤を第1焼却釜21に
送り込む。この中和剤は、第1焼却釜21内で汚水に混
入し、この汚水を中和する。
【0045】第1焼却釜21を空焚きして、その温度を
310°Cまで上昇させておいたので、第1焼却釜21
内の汚水は、直ちに沸騰して気化する。この蒸気は、連
結パイプ33を介して熱交換器34に送られる。
【0046】第1焼却釜21からの有機物を含む蒸気
は、熱交換器34を通過するときに冷却され、大きな水
滴に成長して液化する。この有機物を含む水は、熱交換
器ポンプ38によって第1貯水槽41に送り込まれる。
【0047】また、熱交換器34を速やかに通過する蒸
気も有り、この蒸気は、熱交換器ポンプ38→第1貯水
槽41→第2貯水槽42→第2焼却釜22という経路で
送られ、この第2焼却釜22で再び加熱されてから、フ
ァン25によって排気される。この熱交換器34を通過
する蒸気は、ほぼ完全に気化しており、純水に近いもの
である。この蒸気を第2焼却釜22で再加熱して、この
蒸気に含まれる僅かの不純物を燃焼させてしまうので、
臭気が発生しない。
【0048】こうして第1焼却釜21内の汚水が残らず
気化する頃には、温度センサ32によって検出される温
度がほぼ250°Cまで下降する。このとき、制御装置
58は、ヒーター23によって第1および第2焼却釜2
1,22を再加熱し、温度センサ32によって検出され
る温度を310°Cまで上昇させてから、各釜21,2
2の空焚きを停止する。そして、汚水ポンプ19を作動
させて、ほぼ一定量の汚水を仮便槽2から第1焼却釜2
1に送り込み、かつ中和剤ポンプ27を作動させて、少
量の中和剤を第1焼却釜21に送り込む。これにより、
汚水の気化が繰り返され、有機物を含む水が第1貯水槽
41に貯められる。
【0049】このような処理、つまり第1焼却釜21内
の温度を310°Cまで上昇させて、一定量の汚水を仮
便槽2から第1焼却釜21に送り込むという処理は、最
大7回まで繰り返される。この処理が7回連続するか、
あるいは仮便槽2の水位が下限レベルLを下回って、下
限フロート13によって下限レベルLが検出されなくな
ると、制御装置58は、ヒーター23に電流を流して、
温度センサ32によって検出される温度を600°Cま
で上昇させる。この後、ヒーター23への電流を切っ
て、コンプレッサー31を作動させ、空気を第1焼却釜
21に圧送する。これにより、第1焼却釜21内の残留
固形物が燃焼する。この燃焼ガスは、空気と共に、第1
焼却釜21→熱交換器34→熱交換器ポンプ38→第1
貯水槽41→第2貯水槽42→第2焼却釜22という経
路で送られ、ファン25によって排気される。
【0050】ここまでの処理を図4のグラフに示す。こ
のグラフにおいては、第1焼却釜21内の残留固形物が
燃焼する期間を「燃焼モード」と称し、第1焼却釜21
内の汚水が蒸発する期間を「蒸発モード」と称し、1回
の燃焼モードと1〜7回の蒸発モードを1サイクルとし
ている。この1サイクルの期間は、7回の蒸発モードを
繰り返したときに最長であって、3.5時間となる。
【0051】こうして汚水の焼却を繰り返していくと、
第1貯水槽41内の有機物を含む水が徐々に増加し、下
限フロート46によって、この第1貯水槽41の水位が
下限レベルに達したことが検出される。制御装置58
は、下限フロート46による検出がなされると、電解溶
液タンク48の電解溶液ポンプ49を作動させて、少量
の電解溶液を第1貯水槽41に送り込み、この電解溶液
を第1貯水槽41内の水に混入する。この後、制御装置
58は、調整槽ポンプ54を作動させて、第1貯水槽4
1内の水を酸化燃焼装置53へと徐々に送り込む。
【0052】酸化燃焼装置53では、電解溶液と有機物
を含む水に対して直流電圧を加えて、この水の中に活性
酸素を発生させ、この活性酸素によって有機物を酸化燃
焼させる。この装置による有機物の処理を「液中燃焼方
式」と称している。
【0053】酸化燃焼装置53は、水に含まれる有機物
を酸化燃焼させると、この水を放水パイプ61を通じて
外部に排出する。
【0054】また、酸化燃焼装置53が処理しきれなか
った水、つまり該装置をオーバーフローした水は、連結
パイプ56を介して第2貯水槽42に送り返される。第
2貯水槽42内の水が増加して、その水位が連通管43
の上端を越えると、この第2貯水槽42内の水は、連通
管43を介して第1貯水槽41に戻り、酸化燃焼装置5
3に再び送られることとなる。
【0055】さらに、この酸化燃焼装置53の発熱によ
って、蒸気が発生すると、この蒸気は、酸化燃焼装置5
3→第2貯水槽42→第2焼却釜22という経路で送ら
れて、この第2焼却釜22で再び加熱され、この蒸気に
含まれる微小な不純物を燃焼させてから、ファン25に
よって排気される。
【0056】このように第1貯水槽41に貯められた水
を酸化燃焼装置53に徐々に送り込み、この水に含まれ
る有機物を酸化燃焼装置53によって酸化燃焼させてか
ら、この水を排出している。この水は、環境破壊を招く
ことがなく、かつ、この水から臭気が発生することもな
い。
【0057】また、酸化燃焼装置53で発生した蒸気
は、第2焼却釜22で再び加熱されてから、排気され
る。このため、この蒸気にも、臭気が含まれない。
【0058】ところで、仮便槽2の上限フロート14に
よって、水位が上限レベルHに達したことが検出された
ときには、この仮便槽2が満杯となっている。この場
合、制御装置58は、仮便槽2のオーバーフローを防止
するために、このトイレの使用を禁止する処理を行う。
例えば、制御装置58は、便器1に洗浄液を供給するた
めのポンプ(図示せず)の作動を禁止して、ペダル9を
踏み込んでも、給水杆11から便器1へと洗浄液が供給
されないようにする。また、制御装置58は、トイレの
使用を禁止する旨をトイレ室6の表示器(図示せず)に
表示させる。
【0059】また、調整槽37の第1貯水槽41の上限
フロート47によって、第1貯水槽41の水位が上限レ
ベルに達したことが検出された場合は、この第1貯水槽
41のオーバーフローを防止するために、制御装置58
は、熱交換器ポンプ38の作動を禁止する。これに伴
い、ヒーター23の発熱、汚水ポンプ19の作動、コン
プレッサー31の作動を禁止して、調整槽37の前段階
の処理も停止させる。
【0060】さらに、中和剤タンク26の下限フロート
28によって、中和剤タンク26の水位が下限レベルに
達したことが検出され、中和剤が不足してくると、制御
装置58は、この旨を例えばランプ(図示せず)の点燈
により報知する。同様に、電解溶液タンク48の下限フ
ロート51によって、電解溶液タンク48の水位が下限
レベルに達したことが検出され、電解溶液が不足してく
ると、制御装置58は、この旨を別のランプ(図示せ
ず)の点燈により報知する。
【0061】この実施例で明らかにされたように、仮便
槽2をトイレ室6の直下に設けるとともに、焼却装置3
を車輪懸架部7よりも中央寄りに設け、仮便槽2と焼却
装置3を中継パイプ4を介して接続して、この実施例の
トイレを鉄道車両5に搭載している。このトイレでは、
汚水を焼却し、蒸気に含まれる有機物を燃焼酸化させる
ので、環境破壊を招くことは全くない。
【0062】また、この実施例のトイレと図5および図
6に示した従来の各トイレの車上設備を比較すると、こ
の実施例のトイレの方が高くなるが、この実施例のトイ
レは地上設備を必要としないので、この実施例のトイレ
と従来の各トイレを地上設備をも含めて比較すると、こ
の実施例のトイレの方が大幅に安くなる。実際に、ラン
ニングコストを暫定的に求めると、この実施例のトイレ
のランニングコストは、従来のトイレの1/10以下と
なる。
【0063】さらに、この実施例のトイレでは、地上設
備を必要としないばかりか、焼却により残った灰を捨て
るだけなので、保守管理が容易で、かつ利用区間が限定
されずに済む。
【0064】また、焼却により残った灰は、一般的なゴ
ミや埃と共に廃棄しても、差し支えなく、汚水あるいは
汚物を運搬するという人に嫌われる作業がなくなる。
【0065】なお、この実施例では、蒸気に含まれる有
機物を取り除くために、「液中燃焼方式」を利用してい
るが、この代わりに、薬剤投入による化学反応により、
有機物を取り除いても良い。要するに、有機物を分解で
きれば、どのような方法でも構わない。
【0066】
【効果】以上説明したように、この発明のトイレにおい
ては、仮便槽を鉄道車両の端部に配置し、焼却手段を仮
便槽から離間させて鉄道車両に配置し、これらの仮便槽
と焼却手段を中継パイプを介して接続して、仮便槽から
中継パイプを通じて焼却手段へと汚水を送出し、焼却手
段によって汚水を焼却している。
【0067】この発明のトイレは、従来のトイレと比較
すると、次の様な利点を持つ。
【0068】(1)地上設備を必要としないので、ラン
ニングコストが大幅に低減される。
【0069】(2)地上設備を必要とせず、焼却により
残った灰を捨てるだけなので、保守管理が容易で、かつ
利用区間が限定されずに済む。
【0070】(3)焼却により残った灰は、一般的なゴ
ミや埃と共に扱っても、差し支えなく、汚水あるいは汚
物を運搬するという人に嫌われる作業がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる鉄道車両のトイレの一実施例
を示す図
【図2】この実施例のトイレが設けられた鉄道車両を示
す側面図
【図3】この実施例のトイレが設けられた鉄道車両を部
分的に示す平面図
【図4】この実施例のトイレにおける焼却装置による焼
却処理の過程を示す図表
【図5】従来の循環式トイレを概略的に示す図
【図6】従来のカセット式トイレを概略的に示す図
【符号の説明】
1 便器 2 仮便槽 3 焼却装置 4 中継パイプ 5 鉄道車両 6 トイレ室 7 車輪懸架部 21 第1焼却釜 22 第2焼却釜 34 熱交換器 37 調整槽 41 第1貯水槽 42 第2貯水槽 53 酸化燃焼装置 58 制御装置 59 トランス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器からの汚水が流れ込み、この汚水を
    溜める仮便槽と、汚水を焼却する焼却手段とを備え、 仮便槽を鉄道車両の端部に配置し、焼却手段を仮便槽か
    ら離間させて鉄道車両に配置し、 これらの仮便槽と焼却手段を中継パイプを介して接続し
    て、仮便槽から中継パイプを通じて焼却手段へと汚水を
    送出する鉄道車両のトイレ。
  2. 【請求項2】 仮便槽内の汚水の量が予め定められた下
    限レベルに達したことを検出する汚水量検出手段を更に
    備え、 汚水量検出手段の検出出力に応答して、仮便槽から焼却
    手段への汚水の送出を開始する請求項1に記載の鉄道車
    両のトイレ。
  3. 【請求項3】 仮便槽内の汚水の量が予め定められた上
    限レベルに達したことを検出する汚水量検出手段と、ト
    イレの使用を禁止する禁止手段とを更に備え、 汚水量検出手段の検出出力に応答して、禁止手段を起動
    する請求項1に記載の鉄道車両のトイレ。
  4. 【請求項4】 焼却手段は、汚水を焼却する第1焼却釜
    と、この第1焼却釜からの蒸気を液化する熱交換器と、
    この熱交換器からの水に含まれる有機物を処理する有機
    物処理手段と、熱交換器および有機物処理手段からの蒸
    気を再加熱する第2焼却釜とを備える請求項1に記載の
    鉄道車両のトイレ。
JP4794A 1994-01-04 1994-01-04 鉄道車両のトイレ Pending JPH07196040A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007296969A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Teshika:Kk 車両用汚水処理装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5023125U (ja) * 1973-06-27 1975-03-15

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