JPH07195172A - 管とリングの自動溶接装置 - Google Patents

管とリングの自動溶接装置

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JPH07195172A
JPH07195172A JP1210394A JP1210394A JPH07195172A JP H07195172 A JPH07195172 A JP H07195172A JP 1210394 A JP1210394 A JP 1210394A JP 1210394 A JP1210394 A JP 1210394A JP H07195172 A JPH07195172 A JP H07195172A
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尚道 千葉
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 鉄管と離脱防止用鋼製リングの自動溶接装
置。 【構成】 リングRが外嵌装着された鉄管Pを、鉄管ク
ランプ装置Bで水平状にクランプした状態で、センサ主
軸5を上下に動かし位置決めした後、管端から鉄管の長
手方向に移動してセンサから鉄管までの距離を測定し、
リングの装着位置を検出し、装着位置がずれている場
合、制御部Dからの指令でリングクランプ装置部Cが作
動し装着位置を補正する。センサ主軸をリングの直上に
移動し、鉄管を回転させ、センサとリングとの距離から
リングのスリット位置を検出し、リングと鉄管との溶接
開始位置が決まり、鉄管クランプ装置部を駆動し鉄管を
回転させながら鉄管とリングとを自動的に全周すみ肉溶
接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばダクタイル鋳
鉄管(以下鉄管という)と離脱防止用鋼製リングの自動
溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スリットの入った鋼製リングを鉄管の端
部に外嵌装着した後溶接するに際し、まず、該リングが
鉄管の所定位置に装着されているかどうかは、作業者に
よるスケールなどで1本1本計測する手作業に委ねられ
ていた。もし、該リングが所定位置になければ作業者が
ハンマーなどでリングを叩き込んで調整を行っていた。
【0003】次いで、リングを鉄管に溶接する場合、ス
リットの部分は最後に溶接を行う必要がある。その理由
は、リングにはスリットがあるため溶接の熱によって膨
張・収縮を起こそうとするが、先にスリット部分の溶接
を行うとこれが自由にできなくなりリングと鉄管の間に
隙間が生じたり、溶接後大きな溶接残留応力を生じたり
するためである。このため、従来は作業者がローラ台の
上に載置された鉄管を手で回しながら、リングのスリッ
ト位置を見つけ、溶接開始位置を決めていた。さらに、
溶接終了後のスリットの幅(隙間量)が基準値内である
かどうかを作業者がスケールなどでこれを一つ一つ検査
を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の技術で
は、リングが鉄管の端面から所定位置に装着されている
か否かの測定やリングの調整が手作業であったため非能
率的であり、また測定忘れや個人差が生じ、品質上の低
下は免れないものであった。溶接の開始位置も作業者が
手で鉄管を回し、目視でスリットの位置から溶接開始位
置を調整していた。このため、品質の均一性に欠け、手
直しなどに多大の時間を費やしていた。さらに、溶接終
了後のスリットの幅が基準値内であるがどうかも作業者
が一本一本スケールなどで測定を行っていたため非能率
的であった。
【0005】この発明は、以上に述べたような問題を解
決するためになしたものであり、一切の手作業を省き、
これにより作業能率の向上、製品の品質の向上および均
一性の向上を可能とする鉄管とリングの自動溶接装置を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明の鉄管とリングの自動溶接装置は、前記自
動溶接装置Aの本体1に設けた前記鉄管Pに対して上下
方向と長手方向に独立して移動可能なセンサ主軸5と、
前記センサ主軸5に設けたセンサ52と、前記鉄管Pを
ほぼ水平状にクランプし、かつ回転させる鉄管クランプ
装置部Bと、前記リングRの装着位置を補正するリング
クランプ装置部Cと、前記センサ52による測定結果に
基づき、前記センサ主軸5、前記鉄管クランプ装置部B
および前記リングクランプ装置部Cを制御する制御部D
とからなるものである。
【0007】
【作用】スリットSのある鋼製のリングRが外嵌装着さ
れた鉄管Pを、鉄管クランプ装置部Bによりほぼ水平状
にクランプした状態で、センサ主軸5を上下方向に動か
してセンサ52と鉄管Pの間に適宜の間隔をあけて位置
決めした後、管端から鉄管Pの長手方向に移動させる。
この過程で、センサ52によりセンサ52から鉄管Pま
での距離を測定し、このデータをもとに管端からリング
Rの装着位置を検出する。そして、前記検出結果に基づ
きリングRの装着位置がずれている場合、制御部Dから
の指令に基づいてリングクランプ装置部Cが作動してリ
ングRの装着位置を補正する。すなわち、リングRを規
定位置に移動させる。
【0008】その後、センサ主軸5をリングRの直上に
横移動し、次いで、鉄管クランプ装置部Bを駆動して鉄
管Pを回転させる。この過程で、センサ52により該セ
ンサ52と鉄管Pまでの距離を測定し、このデータをも
とにリングRのスリットS位置を検出する。前記スリッ
トS位置の検出によって、リングRと鉄管Pとの溶接開
始位置が決る。前記溶接開始位置が決ると、前記鉄管ク
ランプ装置部Bを駆動し、鉄管Pを回転させながら鉄管
PとリングRとを自動的に全周すみ肉溶接する。以上の
ように装着位置の検出、装着位置ずれの補正および溶接
開始位置の決定が全て自動化され、手作業が省かれるの
である。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1〜図3において、Aは溶接、距離のセンシ
ングを行う溶接装置部、Bは鉄管Pをクランプ・回転さ
せる鉄管クランプ装置部、CはリングRをクランプ・補
正(矯正)・ガイドするリングクランプ装置部およびD
はセンサからのデータを処理するとともに前記各装置部
への制御(作動)を司どる制御部から構成されている。
【0010】自動溶接装置部Aは、基盤1a上に立設し
た架台1bと架台1bの上部から水平に張出したアーム
2とからなる本体1と、アーム2に上下方向に配設した
2本の溶接主軸3,4および1本のセンサ主軸5とから
構成されている。溶接主軸3,4はそれぞれ上下ねじ軸
3a,4a、左右ねじ軸3b,4b、前後ねじ軸3c,
4c、旋回軸3d,4dの4軸を組合せ、各軸をそれぞ
れ上下用モータ31,41、左右用モータ32,42、
前後用モータ33,43、旋回用モータ34,44およ
び後述の溶接用トーチの回動用モータ35,45によっ
て別個独立して駆動するものである。溶接用トーチの回
動用モータ35,45の先端には、溶接用トーチ(45
゜カーブドトーチ)36,46がそれぞれ取付けられて
おり、これによって、鉄管PとリングRを両側から同時
にすみ肉溶接を行う。センサ主軸5は、図示省略した
が、溶接主軸3の上下ねじ軸3aおよび左右ねじ軸3b
と同様の構成であり、上下ねじ軸、左右ねじ軸の2軸を
組合せ、各軸を上下用モータ53、移動用モータ54に
よって別個独立して駆動するものである。センサ主軸5
の下端には、張出し材51を介してレーザ距離センサ5
2が取付けられている。センサ52は溶接時のスパッタ
やヒュームまたは防塵対策として板金で全体を覆われて
おり、レーザ投光部と受光部は簡単に取り替えできる耐
熱ガラスで保護されている。
【0011】鉄管クランプ装置部Bは、基盤1a上の機
台6,7上に間隔をおいて、移動台8,9を配設し、移
動台8,9をそれぞれエアシリンダ10、移動用モータ
11により離間・接近させる。移動台8,9上にそれぞ
れ水平軸14,15が同一軸線上に対向して支承され、
水平軸14の一端に傘状の押え部材12を取付け、他端
に回転用モータ16を連結し、回転用モータ16により
押え部材12を回転させる。水平軸15の一端に傘状の
押え部材13を回動自在に嵌装し、他端にエアシリンダ
17を連結する。18は移動台9のロック手段である。
これらによって、鉄管Pを両側からそれぞれのエアシリ
ンダ10,17を介して押え部材12,13により押え
つけると共に回転用モータ18によって回転させる。
【0012】リングクランプ装置部Cは、基盤1a上に
水平状のねじ軸19を介して移動台20を配設し、移動
台20を移動用モータ21により駆動する。移動台17
上に対向かつ傾斜して2本のエアシリンダ22を配設
し、その先端にV形ローラ23を軸支する。また、支持
台24の上端に可回動にアーム(レバー)25を軸支
し、アーム25の基端部にエアシリンダ26を設け、前
端部にV形ローラ27を軸支する。これによって、リン
グRを下部の2個のV形ローラ23と上部の1個のV形
ローラ27の3個で押えつける。そして、3個のV形ロ
ーラ23,27でリングRのガイドを行うと共にセンサ
52によってリングRの装着位置にずれを検出した場
合、移動用モータ21を駆動して移動台20を移動させ
てリングRの装着位置を補正する。
【0013】制御部Dは、図12に示すように、CP
U、メモリ、入力回路および出力回路から構成され、セ
ンサ52からの距離データの処理と溶接装置部A、鉄管
クランプ装置部Bおよびリングクランプ装置部Cの作動
制御を行う。
【0014】スリットSの入った鋼製のリングRが外嵌
装着された鉄管(ダクタイル鋳鉄管)Pを、図示しない
搬送手段によって、鉄管クランプ装置部Bの位置まで搬
送し、左右の押え部材12,13によって把持する。つ
ぎに、この状態で図4に示すごとく、センサ主軸5を介
してセンサ52を鉄管Pの端面から長手方向へ移動させ
ながら、センサ52から鉄管面までの距離(L)と、セ
ンサ52の移動距離(X)を検出し、この両距離データ
を制御部Dに入力し記憶する。すなわち、センサ52で
リングRが鉄管P端から所定位置に装着されているか否
かをセンシングする。
【0015】そして、上記のようにして得られるデータ
を図5に模式的に示し、この図において縦軸はセンサ5
2によって得られたセンサ52から鉄管Pまでの距離
(L)、横軸はセンサ主軸5の移動用モータ54によっ
て得られた鉄管Pの長手方向に移動したセンサ52の移
動距離(X)を示す。センサ52が鉄管P端に達すれ
ば、センサ52から鉄管Pまでの距離データ(L1) が
得られ、またリングRの位置まではリングRの厚み分だ
け距離に変化が生じるため、この距離の変化点を求める
ことによってリングRの装着位置を検出することができ
る。これから、センサ52の移動距離X1 で鉄管P端が
検出され、同移動距離X2でリングRの一端が検出さ
れ、同移動距離X3 でリングRのもう一端が検出された
ことになる。したがって、同移動距離の差 X2−X1 が
鉄管P端からリングRまでの距離、同移動距離の差 X3
−X2 がリングRの幅となる。また、センサ52からの
距離の差 L1−L2 がリングRの厚みとなる。これか
ら、鉄管P端からリングRまでの距離XはX= X2−X
1 で求められる。もし、リングRが所定位置に装着して
いなければ、すなわち距離Xが所定量からずれていれ
ば、制御部Dからの指令によりリングクランプ装置部C
が作動する。つまり、V形ローラ23,27によるクラ
ンプ状態で、移動用モータ21が起動して移動台20を
リングRのずれ量だけ、リングRを長手方向に移動させ
ることによってリングRの位置を補正するのである。
【0016】次に、センサ52を、センサ主軸5を介し
て先に検出されたリングRの位置(リングRの直上)に
横移動させた後、鉄管Pを鉄管クランプ装置部Bの回動
用モータ16を起動して回転させながら、センサ52か
らリングRまでの距離を検出し、この時の距離データ
と、鉄管Pの回転量を検出し、この回転量データとを制
御部Dに入力し記憶する。すなわち、リングRのスリッ
トSは任意の位置にある(図6参照)鉄管Pを矢印の方
向に回転させる。前記鉄管Pの回転につれて、リングR
のスリットSの始端位置をセンサ52が検出する(図7
参照)。さらに鉄管Pが回転するとスリットSの終端位
置をセンサ52が検出する(図8参照)。そして、上記
のようにして得られるデータの模式的な図を図9に示
し、この図において、縦軸はセンサ52によって得られ
たセンサ52から鉄管Pまでの距離(L)、横軸は回転
用モータ16によって得られた鉄管Pの回転量を示す。
リングRのスリットS位置ではリングRの厚み分だけ距
離に変化が生じるため、この距離の変化点を検出するこ
とによってスリットS位置を検出することができる。こ
のときの回転量(角)θは回転量θ1 でリングRのスリ
ットSの一端が検出され、回転量θ2 でもう一端が検出
されたことになる。なお、回転量θ3 は回転量θ1 と回
転量θ2 の中心点でスリットSの中心となる。
【0017】上記スリットSの位置検出によって溶接開
始位置が求められる。すなわち、溶接の開始に当り、ス
リットSの位置を回転用モータ16により鉄管Pを回転
させて、少なくとも直上から若干(数10ミリ以内)右
方の位置になるようにしておく(図10参照)。この状
態から2本の溶接用トーチ36,46をそれぞれの溶接
主軸3,4を介して鉄管Pの直上でリングRの両側に溶
接開始位置に移動し、次いで、鉄管Pを回転用モータ1
6によって時計方向に回転させながらリングRの両側か
ら同時に全周(一周)すみ肉溶接を行う。
【0018】このとき、リングクランプ装置部Cは溶接
時にもリングRをクランプしておくことによりガイドに
なるが、場合によっては、解除しておくことができる。
【0019】溶接終了後、鉄管Pを溶接の方向と逆方向
に回転させ、センサ52でセンサ52までの距離(L)
を測定しながら、最後の溶接を行ったスリットS部分を
検出する(図11参照)。このときのデータの模式的な
図は省略したが先に説明したスリットS位置の検出(図
9参照)と同様である。ここで、図11に示すように、
スリットSの幅をα、鉄管Pの半径をr、溶接終了時か
らスリットSの一端までの回転量をθ1 、スリットSの
他端までの回転量θ2 とすると、スリットSの幅αはα
=r(θ2 −θ1) で求められる。このスリットSの幅
αを求め、これがあらかじめ設定された基準値内である
か否かのを判定を行う。この後、溶接を行った鉄管Pを
搬送手段によって搬出する。
【0020】なお、溶接中にセンサ52から管Pまでの
距離を測定し、この情報をもとに制御部Dから指令して
溶接主軸3,4を上下させることによって、鉄管Pが楕
円状になっている場合でも溶接の狙い位置が一定とな
り、より良い精度の溶接が可能となる。
【0021】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成したか
ら、次に述べるような効果を奏する。センサ52と制御
部Dの組合せにより、リングRが鉄管Pの所定位置に装
着されているか否かを検出し、リングRがずれている場
合には、リングクランプ装置部Cにより自動的に所定位
置に移動補正することができるとともに、リングRのス
リットS位置を検出することによって最も望ましい溶接
開始位置を精度良く再現できる。さらに、場合によって
は、溶接後スリットSの幅が所定基準値内であるか否か
を自動的に判定できる。したがって、従来のような手作
業をほぼ完全に解消でき、生産性の向上、品質の向上お
よび均一性の向上、さらに作業者の安全性の向上が図ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鉄管とリングの自動溶接装置の
一実施例を示す一部破断正面図。
【図2】図1の右側から視た一部破断側面図。
【図3】図1の左側から視た一部破断側面図。
【図4】この発明に係るリングの装着位置の検出状態を
示す模式図。
【図5】この発明に係るリングの装着位置検出時のデー
タを示す模式図。
【図6】この発明に係るリングのスリット位置の検出状
態を示す模式図。
【図7】この発明に係るリングのスリット位置の検出状
態を示す模式図。
【図8】この発明に係るリングのスリット位置の検出状
態を示す模式図。
【図9】この発明に係るリングのスリット位置検出時の
データを示す模式図。
【図10】この発明に係るリングのスリット幅の検出状
態を示す模式図。
【図11】この発明に係るリングのスリット幅の検出状
態を示す模式図。
【図12】この発明に係る制御部のブロック図。
【符号の説明】
A 自動溶接装置部 B 鉄管クランプ装置部 C リングクランブ装置部 D 制御部 P 鉄管 R リング S スリット 1 自動溶接装置部の本体 3,4 溶接主軸 5 センサ主軸 52 レーザ距離センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄管Pと該鉄管Pの端部に外嵌装着した
    スリットS入り鋼製のリングRとをすみ肉溶接するよう
    にした自動溶接装置において、 前記自動溶接装置Aの本体1に設けた前記鉄管Pに対し
    て上下方向と長手方向に独立して移動可能なセンサ主軸
    5と、前記センサ主軸5に設けたセンサ52と、前記鉄
    管Pをほぼ水平状にクランプし、かつ回転させる鉄管ク
    ランプ装置部Bと、前記リングRの装着位置を補正する
    リングクランプ装置部Cと、前記センサ52による測定
    結果に基づき、前記センサ主軸5、前記鉄管クランプ装
    置部Bおよび前記リングクランプ装置部Cを制御する制
    御部Dとからなることを特徴とする管とリングの自動溶
    接装置。
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