JPH07195159A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JPH07195159A
JPH07195159A JP35543293A JP35543293A JPH07195159A JP H07195159 A JPH07195159 A JP H07195159A JP 35543293 A JP35543293 A JP 35543293A JP 35543293 A JP35543293 A JP 35543293A JP H07195159 A JPH07195159 A JP H07195159A
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molten steel
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Mikio Suzuki
幹雄 鈴木
Yuichi Yamaoka
祐一 山岡
Katsuhiko Murakami
勝彦 村上
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】スラブ連続鋳造用鋳型1の長辺中心部の浸漬ノ
ズル5の吐出孔側約200mm以内で湯面を含み、湯面
以下150mmの範囲以内に静磁界2を鋳型短辺方向に
スラブを貫通して印加させ、静磁界2の印加範囲に鋳型
長辺方向に2本の電極3を溶鋼中に浸漬させる。そし
て、下降流速の大きさのベクトルuにより、発生する起
電力ベクトルEを測定することにより流速ベクトルuを
推定する。そして、薄板表面疵指数が急速に増大し始め
る下降流速微分値αvorを求めた。 【効果】鋼のスラブ連続鋳造における浸漬ノズル周りの
下降流速の測定から渦発生の検知が可能になり、下降流
速を使って、電磁ブレーキ装置のコイル電流を動的に制
御することにより、渦に起因したモールドパウダーの巻
き込みを防止することができ、薄板製品の表面疵発生数
を大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造鋳型内の湯面
付近の下降流の流速を測定し、下降流速を予め設定した
値以下に制御することにより、渦起因のモールドパウダ
ーの巻き込みを防止する連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の溶融金属の流速測定方法を以下に
説明する。
【0003】溶融金属の流速を測定する方法として、常
温の場合には、ピトー管、熱線流速計またはプロペラ流
速計等がある。しかしながら、1000℃以上の高温の
溶融金属の場合には、センサー部分が高温にさらされる
こと、また溶融金属が凝固してセンサーの可動部分を破
壊するため精度の高い測定は困難である。
【0004】近年、ヴァイブズとリコウは、MHD発電
の原理を応用した永久磁石センサーにより約700℃の
溶融アルミニウムの流速を測定している(Ch.Viv
esand R.Ricou:Met. Trans.
16B(1985),p.337)。この磁石センサ
ーは、永久磁石の磁力線方向に2本の電極を出し、導電
性の良好な流体が磁力線を横切るときに発生する起電力
を電極で検出することにより流速の測定をするものであ
る。静磁界の磁束密度ベクトルBと、この磁界方向と垂
直方向の流れの速度ベクトルuとによって発生する起電
力ベクトルEは次式で表すことができる。
【0005】 E=K・d・u・B −−−(1) ここで、dは電極間距離、Kは実験定数(溶融金属の電
気電導度に依存する)を表す。このセンサーは、永久磁
石が磁石の性質を消失する温度(キューリー点と称す
る)以下で使用可能である。細谷らは、これを利用して
水銀の流速を測定している(細谷ら:鉄と鋼、73(1
978)、S688)。
【0006】一方、流体中に物体を浸漬させ、この物体
の受ける抗力を測定することにより平均的な流速を測定
する方法もある。これを使って溶鋼の流速を測定した例
として、ナガイらは、連続鋳造の鋳型内の浸漬ノズルか
らの吐出流の流速を測定するために、耐火物棒を溶鋼中
に浸漬して、この棒が溶鋼流から受ける反力を歪ゲージ
で測定して、流速に換算している(Nagai eta
l.:Iron and Steel Enginee
r,61(1984),p.51)。
【0007】つぎに、従来のモールドパウダーの巻き込
みの検知方法について説明する。連続鋳造用鋳型内にお
けるモールドパウダーの巻き込みは、鋳型内湯面の変動
が激しくなると発生する。湯面の変動は、浸漬ノズルか
らの吐出流速度が大きくなると、吐出流が短辺面凝固殻
に衝突後、短辺面凝固殻に沿った上向き流が速くなり短
辺面近傍湯面を激しく変動させることによる。また、こ
の上向き流は、短辺面から鋳型中央に向かう表面流とな
り吐出流と合体する。モールドパウダーの巻き込み現象
を水モデル実験で調べると、吐出流が短辺面凝固殻に衝
突後に上向き流となり、湯面到達後に鋳型中央に向かう
流れとなる。この流れが、(1)モールドパウダーと溶
鋼の界面を乱し、モールドパウダーを溶鋼中に巻き込
む。また、(2)浸漬ノズル付近で起こる下降流によっ
て渦の発生が起こり、渦に吸い込まれるようにモールド
パウダーを溶鋼中に巻き込む。この2つの現象のなか
で、(1)に起因するモールドパウダー巻き込みは、短
辺面の湯面変動量を制御することにより低減できる(例
えば、笠井ら:材料とプロセス、1(1988)、12
61)。しかしながら、(2)の渦起因のモールドパウ
ダーの巻き込みを低減することは困難である。実機にお
いて、渦の発生条件はもとより渦発生を検知する方法は
現在まで開示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】鋼のスラブの連続鋳造
における浸漬ノズル周りの流れを水モデル実験で調べる
と、浸漬ノズルから吐出された流れは短辺面に衝突し、
短辺面に沿って上向きの流れと下向きの流れに分かれ
る。上向き流は、短辺面の水面に到達後、水面近くを鋳
型長辺中心方向に向かって流れる(この流れを表面流と
称する)。左右の表面流は、浸漬ノズルの周りでぶつか
り合い、下降流となって浸漬ノズルからの吐出流に合体
する。左右の表面流の流速差が大きくなると、渦が発生
し、水面上に浮かべた疑似介在物が渦に吸い込まれる様
子が観察される。
【0009】実際の鋼のスラブ連続鋳造においても、浸
漬ノズルからの吐出流により鋳型内の流動挙動は、水モ
デル実験で観察された流動挙動に近似していることが確
認されている。高速鋳造をしていくと、浸漬ノズルから
の吐出流速が上がり、短辺面凝固殻に衝突後の上向き流
が大きくなり、その結果、表面流速も上がり、モールド
パウダーの巻き込みが増大し、スラブの品質劣化を引き
起こす。
【0010】モールドパウダーの巻き込み現象を水モデ
ル実験により調べると、浸漬ノズル周りで発生する渦に
起因するモールドパウダーの巻き込みが、頻度高く観察
される。そこで、浸漬ノズル周りの渦の発生条件を詳細
に調べた結果、渦の発生は、下降流の大きさに依存して
いることがわかった。下降流速がある一定条件以上にな
ると、渦が発生する。図6に水モデル実験で求めた渦起
因のパウダー巻き込み発生頻度(回/min)と下降流
速uとの関係を示す。下降流速uが12(cm/se
c)以上のときに、パウダー巻き込み頻度が高く発生す
る。このパウダー巻き込みが発生し始める条件を、フル
ード数Frで表す。ただし、Fr=u/(gL)1/2
定義される。また、uは下降流速、Lは代表長さ、gは
重力加速度を表す。パウダー巻き込みが発生し始める条
件のとき、Fr=0.15となる。フルード数Fr一定
の条件で実機の鋼の連続鋳造条件を求めると、実機で渦
発生し始めるときの溶鋼流速は、約21(cm/se
c)となる。
【0011】従来、連続鋳造鋳型内の浸漬ノズル周りの
下降流を直接測定する方法は開示されていない。本発明
が解決しようとする課題は、連続鋳造鋳型内の浸漬ノズ
ル周りに起こる渦の発生を下降流速を連続的に測定する
ことにより予測し、下降流速の制御を行い、スラブの品
質向上を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として本発明は、タンディッシュから耐火物製の
浸漬ノズルを介して鋳型に溶鋼を注入する連続鋳造にお
いて、浸漬ノズルの吐出孔側で浸漬ノズルから200m
m以内の範囲でかつ鋳型内の湯面以下150mm以内の
範囲に静磁界を鋳型短辺の面と平行な方向に鋳片を貫通
するように印加して、この静磁界印加範囲内に2本で1
対の電極を1対以上鋳型長辺方向に所定の間隔で溶鋼中
に浸漬させ、溶鋼流と前記印加磁界との相互作用から誘
起される起電圧を電極で連続的に検出し、前記起電圧を
流速に変換し、流速の時間微分が次式を満足するよう
に、電磁ブレーキまたは引抜き速度を調整しながら鋳造
することとした鋼の連続鋳造方法である。 Δu/Δt
<530−242×Vc+42Vc2 ただし、Δu/Δtは、溶鋼流と印加磁界との相互作用
から誘起される起電圧を電極で連続的に検出し、前記起
電圧を流速に変換した値の時間微分値である。また、V
cは鋳片引抜き速度である。
【0013】また、上記において、電極にホウ化ジルコ
ニウム、ホウ化モリブデンまたはホウ化チタンのうちの
1つの材質を用いた鋼の連続鋳造方法である。
【0014】さらに上記において、前記電磁ブレーキの
強度を調整し、下降流速を予め設定した所定の流速以下
になるように制御することとした鋼の連続鋳造方法であ
る。
【0015】
【作用】本発明の作用を説明する。本発明の流速測定の
方法は、フレミングの左手の法則に基づいており、Vi
vesらの方法と同じである。すなわち、静磁界中の良
電導性の流体が流れると、印加磁界の磁束密度ベクトル
Bと流体速度ベクトルuの相互作用により誘起される起
電力ベクトルEが発生し、流体内に渦電流が流れる。ベ
クトルEの大きさは、前述した(1)式から求めること
ができる。このことから、本発明は、ベクトルEの大き
さから流体速度ベクトルuを逆算することを基本として
いる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例の詳細について図を用いて説
明する。図1に本発明によるスラブ連続鋳造用鋳型内の
浸漬ノズル周りの下降流速の測定方法の一実施例を示
す。スラブ連続鋳造用鋳型1の長辺中心部の浸漬ノズル
5の吐出孔側約200mm以内で湯面を含み、湯面以下
150mmの範囲以内に静磁界2を鋳型短辺面と平行な
方向にスラブを貫通して印加させ、静磁界2の印加範囲
の浸漬ノズル5の左右に鋳型長辺方向に2本の電極3を
2対溶鋼中に浸漬させる。そして、下降流速の大きさの
ベクトルuにより、(1)式に基づいて、発生する起電
力ベクトルEを測定することにより流速ベクトルuを推
定する。
【0017】さらに、下降流速uを随時測定し、この値
の時間微分値(Δu/Δt)、もしくは、下降流速uを
予め設定する際に所定値以下になるように、鋳型1内電
磁ブレーキ装置7や引抜き速度Vcを調整しながら鋳造
することによって、モールドパウダー6巻き込みを防止
する。鋳型1内電磁ブレーキとしては、静磁界方式(特
公平2−20349号公報)でも移動磁界方式(特公平
1−10305号公報)でもよい。
【0018】短辺面鋳型8近傍の上向き流の存在する範
囲と浸漬ノズル5から鋳型1長辺方向に200mm以内
の下降流が存在する範囲を除いて、湯面近くの溶鋼流れ
は水平方向に流れる。また、湯面以下150mm深さま
での範囲とした理由は、これ以上深い位置の流速は、事
実上問題となる連続鋳造用鋳型1内でのモールドパウダ
ー6の巻き込み現象に直接関連しないためである。静磁
界発生装置4はSm−Co系やNd−Fe−B系の永久
磁石と組み合わせたり、直流電磁石を用いることができ
る。また、電極3としては、電導性の良好なホウ化ジル
コニウム、ホウ化モリブデンやホウ化チタンを用い、1
本の電極3は浸漬ノズル5に近接させ電極先端が吐出孔
直上に配置し、他方の電極3は、鋳型長辺方向に50m
m〜200mmの範囲で離して設置する。電極間距離を
離し過ぎると流動方向の判定を明確にすることが困難な
ためである。電極3の出力電圧(以下起電圧Eと称す
る)は、増幅器10で電圧を増幅した後、アナログ・デ
ジタル変換器11でアナログ・デジタル変換を行い、コ
ンピュータ12にそのデータを取り込み、予め求めてお
いた流速ベクトルuと起電圧ベクトルEとの関係から流
速を計算する。
【0019】静磁界2を、鋳型1外壁から鋳型内溶鋼に
水平に貫通させる静磁界発生装置4の設置方法には、図
1以外に、図2に示すような鋳型長辺を跨ぐように設置
することも可能であり、また、図3に示すように短辺鋳
型側から設置することも可能である。
【0020】図1に示す鋼の連続鋳造用鋳型を用いて鋳
造実験を行なった。長辺面鋳型9の長辺中心から100
mm〜200mmの範囲で湯面から150mmの深さま
での範囲に、ほぼ均一な静磁界2を鋳型1短辺面と平行
な方向に貫通させるように、磁極断面が横100mm、
縦100mmの静磁界発生装置4を、長辺面鋳型9の外
側に取り付けた。電極の一方は、浸漬ノズルに近接させ
て左右の吐出孔の直上、湯面から100mmの深さに設
置してある。他方の電極は、鋳型長辺方向に電極3の間
隔を100mmになるように設置した。電極3の材質は
ホウ化ジルコニウムである。鋳型短辺中心の最大磁束密
度は0.05Tとした。また、本実験で使用した鋳型に
は、電磁ブレーキ装置7(久保田ら:材料とプロセス、
3(1990)−256)が設置されている。
【0021】スラブ長辺が750mm〜1550mmの
範囲で、スラブ短辺が220mmのスラブを、引抜き速
度1.8m/min〜3.0m/minの範囲で鋳造を
行なった。鋳造速度が3.5ton/min〜5.5t
on/minである。
【0022】測定した下降流速の出力値とその時間微分
値をそのスラブが鋳造される時間帯の下降流速、すなわ
ち、下降流速の起電圧から速度に換算した値と下降流速
の時間微分値Δu/Δt、すなわち、(ut+Δu−u
t)/Δtを計算して求め、その最大値を求めた。ここ
で、Δtはサンプリング時間(sec)、utおよびu
t+Δuは、時間tおよびt+Δtのときの下降流速の
起電圧値(mV)を下降流速に変換した値である。その
スラブの下降流速および下降流速微分値として、そのス
ラブから薄板製品を製造した後、薄板の表面欠陥個数を
調べた。図4(a)と(b)に引抜き速度Vcが2.2
m/minのときの薄板製品における表面疵指数(コイ
ル長さ100m当たりの表面疵個数×100によって表
している)と下降流速値および下降流速微分値との関係
を示す。薄板表面疵指数が急速に増大し始める下降流速
値uvor 及び下降流速微分値αvorとを図4により求
めると、薄板表面疵は下降流速値uvor が25cm/s
ec、下降流速微分値αvorが200cm/sec2
以上の条件で多発する。図4と同様の関係を引抜き速度
を変更して調査し、下降流速微分値αvorを各引抜き
速度で求めた。この図を図5に示す。図5に示したαv
orとVcとの関係を数式化すると、次式で表すことが
できる。
【0023】 αvor=530−242×Vc+42×Vc2 −−−(2) 引抜き速度Vcを下げると鋳型内湯面流速は減少しかつ
下降流速uも低下する。そこで、Δu/Δtの値を監視
しておき、(2)式で求まるαvorの値を越えないよ
うに電磁ブレーキ装置7のコイル電流を調整した。ま
た、電磁ブレーキ装置7で調整が困難な場合に、引抜き
速度Vcを下げる鋳造を行なった。
【0024】Δu/Δtの値がαvorを越えたスラブ
については、スラブ表面を2mmスカーフした後圧延し
た。Δu/Δtの値がαvor以下のスラブは鋳造した
後、ただちに加熱炉に搬送し圧延した。この結果、薄板
製品の表面欠陥の発生数は、従来に比べて1/2以下
(表面欠陥指数は0.10以下である)にすることがで
きた。
【0025】つぎに、他の実験例を説明する。図1に示
した下降流速測定装置を設置した連続鋳造用鋳型を使っ
て、連続的に下降流速を測定しながら鋳造を行なった。
この鋳型には、電磁攪拌タイプの電磁ブレーキ装置7
(久保田ら:材料とプロセス、3(1990)−25
6)を同時に設置してある。下降流速uに応じて電磁ブ
レーキ装置7の強度を変化させた。電磁ブレーキ装置7
の強度は、電磁攪拌コイルの電流値Iを調整して行なっ
た。電磁攪拌装置のコイル電流値Iは、つぎの(3)、
(4)式に従って調整した。 u/uvor >1.0の条件の場合 I/I0 =A+B×(1−u/uvor )+C×(1−u/uvor 2 −−−(3) u/uvor ≦1.0の場合 I/I0 ≦A −−−(4) ここで、uvor は25cm/sec(前記実施例で求め
た値)、A、B、Cは実験定数、I0 は基準鋳造条件の
ときの電磁ブレーキ装置の電流値を表す。
【0026】u/uvor ≦1.0の条件で、電磁ブレー
キを使う理由は、溶鋼流に軽いブレーキをかけることに
より流速の均一化を図るためである。実機鋳造で用いた
各実験定数の値を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実験を行なったときの鋳造条件は、スラブ
長辺1000mm〜1250mmの範囲でスラブ短辺が
220mmのスラブを、引抜き速度1.8m/min〜
3.0m/minの範囲で行なった鋳造である。
【0029】浸漬ノズル5近傍の下降流速を随時コンピ
ュータ12に取り込んで、(3)、(4)式にしたがっ
て、電磁ブレーキ装置7のコイル電流を動的に調整し
た。この結果、下降流速uは常にuvor 以内に抑えら
れ、かつ下降流速微分値Δu/Δtもαvor以下であ
った。この結果、薄板製品の表面欠陥の発生数は従来に
比べて1/3以下(表面欠陥指数は0.05以下であ
る)にすることができた。
【0030】
【発明の効果】本発明により、鋼のスラブ連続鋳造にお
ける浸漬ノズル周りの下降流速の測定から渦発生の検知
が可能になり、下降流速を使って、電磁ブレーキ装置の
コイル電流を動的に制御することにより、渦に起因した
モールドパウダーの巻き込みを防止することができ、薄
板製品の表面疵発生数を大幅に低減できる。
【0031】また、電極にホウ化ジルコニウム、ホウ化
モリブデンまたはホウ化チタンのうちの1つの材質を用
いたので、高温状態での電極の電導性が良好となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスラブ連続鋳造用鋳型内の浸漬ノ
ズル周りの下降流速の測定方法の一実施例を示した図で
ある。
【図2】本発明の他の実施例を示した図である。
【図3】本発明の他の実施例を示した図である。
【図4】引抜き速度Vcが2.2m/minのときの薄
板製品における表面疵指数と下降流速値および下降流速
微分値との関係を示した図である。
【図5】引抜き速度を変更して、薄板表面疵指数が急速
に増大し始める下降流速微分値αvorを求めた図であ
る。
【図6】水モデル実験で求めた渦起因のパウダー巻き込
み発生頻度と下降流速との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 静磁界 3 電極 4 静磁界発生装置 5 浸漬ノズル 6 モールドパウダー 7 電磁ブレーキ装置 8 短辺面鋳型 9 長辺面鋳型 10 増幅器 11 アナログ・デジタル変換器 12 コンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュから耐火物製の浸漬ノズ
    ルを介して鋳型に溶鋼を注入する連続鋳造において、浸
    漬ノズルの吐出孔側で浸漬ノズルから200mm以内の
    範囲でかつ湯面以下150mm以内の範囲に静磁界を鋳
    型短辺の面と平行な方向に鋳片を貫通するように印加し
    て、この静磁界印加範囲内に2本で1対の電極を1対以
    上鋳型長辺方向に所定の間隔で溶鋼中に浸漬させ、溶鋼
    流と前記印加磁界との相互作用から誘起される起電圧を
    電極で連続的に検出し、前記起電圧を流速に変換し、流
    速の時間微分が次式を満足するように、電磁ブレーキま
    たは引抜き速度を調整しながら鋳造することを特徴とす
    る鋼の連続鋳造方法。 Δu/Δt<530−242×Vc+42Vc2 ただし、Δu/Δtは、溶鋼流と印加磁界との相互作用
    から誘起される起電圧を電極で連続的に検出し、前記起
    電圧を流速に変換した値の時間微分値である。また、V
    cは鋳片引抜き速度である。
  2. 【請求項2】 請求項1において、電極にホウ化ジルコ
    ニウム、ホウ化モリブデンまたはホウ化チタンのうちの
    1つの材質を用いたことを特徴とする鋼の連続鋳造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記電磁ブレーキの
    強度を調整して、下降流速を予め設定した所定の流速以
    下になるように制御することを特徴とする鋼の連続鋳造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010066447A1 (de) * 2008-12-11 2010-06-17 Sms Siemag Ag Vorrichtung zur detektion des durchflusses und verfahren hierfür
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