JPH07191198A - 中性子照射装置 - Google Patents

中性子照射装置

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JPH07191198A
JPH07191198A JP5333807A JP33380793A JPH07191198A JP H07191198 A JPH07191198 A JP H07191198A JP 5333807 A JP5333807 A JP 5333807A JP 33380793 A JP33380793 A JP 33380793A JP H07191198 A JPH07191198 A JP H07191198A
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JP
Japan
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charged particles
neutrons
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reaction tank
reaction
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Withdrawn
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JP5333807A
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English (en)
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Mizuho Ida
瑞穂 井田
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IHI Corp
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IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体リチウム等のターゲット物質に荷電粒子
を打ち込んで出射させた中性子を試験体に照射するに際
し、ターゲット物質が過熱して沸騰してしまうことを防
止し得て中性子を継続的に出射させ得る装置を提供す
る。 【構成】 反応槽内においてターゲット物質(液体リチ
ウム)1を膜状態で流下させ、加速した重陽子等の荷電
粒子dを反応槽に入射させてターゲット物質に対して打
ち込み、それらターゲット物質と荷電粒子とにより核反
応を生ぜしめて中性子nを反応槽の前方に出射させ、そ
れを試験体10に照射するようになす。ターゲット物質
に対する荷電粒子の打ち込み点を周期的に変化させるた
めに、反応槽に入射させる荷電粒子の軌道を周期的に揺
動させるための電磁石等の揺動機構11を備えるととも
に、反応槽の前方に配置される試験体を常に中性子の出
射方向前方側に位置させるために、その試験体を揺動機
構の作動に同期させて周期的に移動させるための移動機
構12を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種物質に中性子を照
射してその劣化試験等を行なうに際し、中性子を発生さ
せて試験体に対して照射するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置としては、液体リチウムを
ターゲット物質としてそれに重陽子を打ち込み、そこで
生じる核反応によって中性子を発生させるようにしたも
のが知られている。すなわち、1個の陽子と1個の中性
子を有する重水素の原子核である重陽子を粒子加速器に
より加速して質量数7のリチウムに打ち込み、それによ
って生じる核反応によりリチウムを質量数8のベリリウ
ムに変換するとともに1個の中性子を放出させるのであ
る。なお、重陽子を質量数7のリチウムに打ち込むと質
量数7のベリリウムに変換されて2個の中性子が放出さ
れるような核反応や、重陽子を質量数6のリチウムに打
ち込むと質量数7のベリリウムに変換されて1個の中性
子が放出されるような核反応も起こり得る。
【0003】図3および図4はそのような原理に基づい
て中性子を発生させる装置の概要を示すものである。こ
の装置は、融点温度(181℃)以上、通常は220℃
程度に加熱して液化させた液体リチウム1を、流入管路
2、ストレーナ3を経て反応槽4へ連続的に供給し、そ
の反応槽4内に設けたノズル5によって液体リチウム流
を絞り込みつつ膜状態で流下させて流出管6を経て取り
出すとともに、粒子加速器(図示略)により加速した重
陽子dを打ち込むためのダクト7を反応槽4に接続した
ものである。この装置では、反応槽4内をたとえば1×
10-4Pa程度の真空とした状態で、ノズル5により絞り
込まれた液体リチウム流に対して重陽子dを打ち込む。
これにより、重陽子dが打ち込まれた点において上記の
核反応が生じて中性子nが放出され、放出された中性子
nは重陽子dの軌道の延長線上を中心とする所定の範囲
に分布した状態で反応槽4の前方に出射するので、反応
槽4の前方位置に試験体を配置しておいてその試験体に
対して中性子nを照射し、各種の試験を行なうのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な装置においては、液体リチウム1に重陽子dを打ち込
むことによって核反応が生じる確率は極めて低いもので
あり、打ち込まれた重陽子dの95%以上は核反応を生
じることなくそのまま液体リチウム1を通過してしまう
ものである。そして、未反応の重陽子dの持つ運動エネ
ルギは液体リチウム1を通過する際に熱エネルギに変
り、その熱エネルギにより液体リチウム1が局所的に過
熱してしまい、沸点(大気圧下において1,340℃、反応
槽4内の真空雰囲気下では300℃程度)を越えてしまっ
て沸騰してしまうことがあるが、液体リチウム1が沸騰
してしまうと以下のような問題が生じて中性子nを安定
に発生させることができないものであった。
【0005】すなわち、液体リチウム1が沸騰してしま
うと、膜状態で流下していく液体リチウム流が乱されて
しまい、その結果、発生する中性子nの分布が異常とな
ったり、膜の厚みが薄くなって重陽子dが反応槽4の壁
面に直接的に照射されることにより壁面が損傷してしま
うことがある。また、蒸発したリチウムが反応槽4内の
真空度を悪化させるので重陽子dのエネルギを減少させ
たりその軌道を歪めてしまうことがあるし、さらには、
蒸発したリチウムがダクト7を通して加速器に流れ込ん
で加速器に対しても悪影響を及ぼしてしまうことがあ
る。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、液体リチウム等のターゲット物質が沸騰してしまう
ことを防止し得て、中性子を安定に出射させることので
きる装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体リチウム
等のターゲット物質を反応槽内において膜状態で流下さ
せるとともに、加速した荷電粒子を反応槽に入射させて
ターゲット物質に対して打ち込むことによって、それら
ターゲット物質と荷電粒子とにより核反応を生ぜしめ、
それによって反応槽の前方に出射される中性子を反応槽
の前方に配置した試験体に対して照射する構成の装置で
あって、ターゲット物質に対する荷電粒子の打ち込み点
を周期的に変化させるべく、反応槽に入射させる荷電粒
子の軌道を周期的に揺動させるための揺動機構と、反応
槽の前方に配置される試験体を常に中性子の出射方向前
方側に位置させるべく、その試験体を前記揺動機構の作
動に同期させて周期的に移動させるための移動機構とを
具備してなることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明の装置では、反応槽内を流下する液体リ
チウム等のターゲット物質に対して重陽子等の荷電粒子
を加速して打ち込み、それによって生じる核反応により
放出される中性子を反応槽の前方に出射させ、その中性
子を試験体に対して照射して劣化試験等の各種試験を行
なう。そして、反応槽に打ち込む荷電粒子の軌道を揺動
機構により周期的に揺動させ、それによってターゲット
物質に対する荷電粒子の打ち込み点を刻々と周期的に変
化させる。これによりターゲット物質の広範囲にわたっ
て荷電粒子が打ち込まれることになり、したがって局所
的な過熱が防止されて沸騰してしまうことが防止され、
中性子が安定に出射される。また、反応槽から出射され
る中性子はターゲット物質に打ち込まれる荷電粒子の軌
道の延長線上を中心として分布するので、荷電粒子の軌
道を変化させて打ち込み点を変化させることに伴って中
性子の出射方向も刻々と周期的に変化する。そこで、揺
動機構に同期させて移動機構を作動させることにより試
験体を刻々と周期的に移動させ、試験体を常に中性子の
出射方向前方側に位置させる。これにより、中性子の出
射方向が変化しても常に支障なく試験体に対して照射さ
れる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
の装置の基本構成は、図3および図4に示したものと同
様に、反応槽内においてターゲット物質である液体リチ
ウムを膜状態で流下させつつそこに重陽子を打ち込んで
核反応を生ぜしめ、それによって放出された中性子を反
応槽の前方に出射させて試験体に照射する、というもの
である。そして、上述の装置においては液体リチウムに
対する重陽子の打ち込み点は常に一点に固定されている
のに対し、本実施例の装置においては打ち込み点を刻々
と周期的に変化させ、かつ、それに同期させて試験体の
位置も刻々と周期的に変化させるようにしている。
【0010】図1は本実施例の装置の要部の構成を模式
的に示す平面図であって、符号1は図示を略した反応槽
内を流下する液体リチウム(ターゲット物質)、dはそ
の液体リチウム1に打ち込まれる重陽子、nは核反応に
よって放出された中性子、10は反応槽の前方に配置さ
れる試験体である。
【0011】本装置では、液体リチウム1に打ち込む重
陽子dの軌道を、揺動機構としての電磁石11の磁場を
調節することによって左右方向に周期的に刻々と揺動さ
せ、それによって液体リチウム1に対する重陽子dの打
ち込み点および打ち込み角度を図中の角度φで示す範囲
内で刻々と変化させるようにしている。これにより、重
陽子dは液体リチウム1の幅方向の広い範囲にわたって
打ち込まれることになる。なお、重陽子dの揺動周期は
適宜設定すれば良いが、たとえば1kHz程度とするこ
とが良い。
【0012】また、液体リチウム1から放出される中性
子nは液体リチウム1に打ち込まれた重陽子dの軌道の
延長線上を中心として分布するので、上記のように重陽
子dの軌道を揺動させることに伴い中性子nの出射方向
も刻々と周期的に変化することになる。したがって、従
来のように試験体10を静止させていたのではその試験
体10に対して中性子nを照射することができないの
で、本装置では、重陽子dの軌道の揺動に同期させて試
験体10の位置を移動機構12により刻々と周期的に移
動させ、それによって試験体10を常に中性子nの出射
方向前方側に位置させるようにしている。本実施例の装
置における移動機構12は、試験体10を所定の回転速
度で円軌道を描くように回転させることでその位置を刻
々と変化させるようにしているが、その移動機構12の
具体的な構成としては、円形に敷設されたレールに案内
して試験体10を走行させる型式のものや、旋回アーム
の先端部に試験体10を搭載するようにしたもの等、適
宜の構成を採用し得る。
【0013】そして、図2に示すように、上記の揺動機
構としての電磁石11による重陽子dの軌道の揺動周期
と、試験体10の回転運動周期とはコントローラ13に
よって同期するように制御されるようになっている。す
なわち、電磁石11には磁場センサ14が付設され、そ
の検出値はコントローラ13に入力されてそこで軌道の
揺動運動の位相が検出される。一方、試験体10を回転
運動させるための移動機構12にはロータリエンコーダ
15が付設され、その検出値はコントローラ13に入力
されてそこで回転運動の位相が検出される。そして、双
方の位相データが比較・演算され、それらの位相が同期
するように重陽子dの軌道の揺動運動の位相が調節、設
定され、それに基づいて交流電源16に対して制御信号
が出力されて電磁石11の作動がフィードバック制御さ
れるようになっている。
【0014】以上のように、本実施例の装置では、液体
リチウム1に打ち込む重陽子dの軌道を揺動させること
で打ち込み点を刻々と変化させることにより、重陽子d
が常に一点に打ち込まれる従来の場合のように液体リチ
ウム1が局所的に過熱して沸騰してしまうことが防止さ
れる。また、重陽子dの揺動と試験体10の回転とを同
期させることにより、試験体10は常に中性子nの出射
方向の前方に位置するものとなり、換言すれば中性子n
は常に試験体10に向けて出射されることになり、した
がって試験体10には常に中性子nが照射されて劣化試
験等を継続的に行なうことができる。
【0015】なお、荷電粒子が打ち込まれると核反応を
生じて中性子を放出するものであれば液体リチウムに限
らず他の物質をターゲット物質として採用し得る。ま
た、上記実施例では試験体10を円軌道を描くように回
転させることでその位置を移動させるようにしたが、左
右方向に往復移動させるような移動機構も採用可能であ
る。また、ターゲット物質に対して打ち込む重陽子d等
の荷電粒子の軌道も、上記実施例のように首振りさせる
ように揺動させることに限らず、可能であれば左右方向
に平行にシフトさせるように揺動させることでも良い。
【0016】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明は、反応
槽に入射させる荷電粒子の軌道を揺動機構により揺動さ
せるようにしたので、ターゲット物質に対する荷電粒子
の打ち込み点が刻々と周期的に変化し、したがってター
ゲット物質の広範囲にわたって荷電粒子が打ち込まれる
ことになるので局所的な過熱が防止され、その結果、タ
ーゲット物質の沸騰が防止されて中性子の出射を安定に
かつ継続的に行なうことができる。また、荷電粒子の軌
道の揺動に同期させて試験体を移動機構により移動させ
ることによって試験体を常に中性子の出射方向の前方に
位置させるようにしたので、中性子の出射方向が刻々と
変化するにも拘らず試験体に対して中性子を常に照射す
ることができ、劣化試験等を継続的に行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である中性子照射装置の要部を
模式的に示す平面図である。
【図2】同装置における制御機構を示す図である。
【図3】中性子発生装置の概要を示す斜視図である。
【図4】同装置の要部側断面図である。
【符号の説明】
d 重陽子(荷電粒子) n 中性子 1 液体リチウム(ターゲット物質) 4 反応槽 5 ノズル 10 試験体 11 電磁石(揺動機構) 12 移動機構 13 コントローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体リチウム等のターゲット物質を反応
    槽内において膜状態で流下させるとともに、加速した荷
    電粒子を反応槽に入射させてターゲット物質に対して打
    ち込むことによって、それらターゲット物質と荷電粒子
    とにより核反応を生ぜしめ、それによって反応槽の前方
    に出射される中性子を反応槽の前方に配置した試験体に
    対して照射する構成の装置であって、 ターゲット物質に対する荷電粒子の打ち込み点を周期的
    に変化させるべく、反応槽に入射させる荷電粒子の軌道
    を周期的に揺動させるための揺動機構と、 反応槽の前方に配置される試験体を常に中性子の出射方
    向前方側に位置させるべく、その試験体を前記揺動機構
    の作動に同期させて周期的に移動させるための移動機構
    とを具備してなることを特徴とする中性子照射装置。
JP5333807A 1993-12-27 1993-12-27 中性子照射装置 Withdrawn JPH07191198A (ja)

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JP5333807A JPH07191198A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 中性子照射装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009007976A2 (en) * 2007-07-10 2009-01-15 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Neutron beam radiation apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009007976A2 (en) * 2007-07-10 2009-01-15 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Neutron beam radiation apparatus
WO2009007976A3 (en) * 2007-07-10 2009-02-26 Yissum Res Dev Co Neutron beam radiation apparatus

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Effective date: 20010306