JPH0718839B2 - 体液等生化学試料の電気化学的分析方法および装置 - Google Patents

体液等生化学試料の電気化学的分析方法および装置

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JPH0718839B2
JPH0718839B2 JP59041854A JP4185484A JPH0718839B2 JP H0718839 B2 JPH0718839 B2 JP H0718839B2 JP 59041854 A JP59041854 A JP 59041854A JP 4185484 A JP4185484 A JP 4185484A JP H0718839 B2 JPH0718839 B2 JP H0718839B2
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ウエイン・ア−ル・マトソン
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【発明の詳細な説明】 本発明は、溶液中の電気活性物質を、定性定量的に試験
する電気化学的分析方法及び装置に関し、特に、カテコ
ールアミン類およびその代謝物質の検出定量に有益であ
る。
近年、LCED(電気化学検出装置付液体クロマトグラフィ
ー)は、生物液体中のカテコールアミン、およびその代
謝物質の検出装置として、一般化しつつある。この方法
においては、20〜50pgという感度の制限と、生物試料の
複雑性のために、分離と濃縮の両方が必要であるととも
に、プラズマカテコールアミンの分析には3段階が必要
である。第1に、試料を採取し、例えばアントン及びセ
イユのアルミナ抽出法によりカテコールアミンを分離
し、濃縮する。この抽出法は、エイ・エッチ・アントン
(A.H.Anton)及びディー・エフ・セイユ(D.F.Sayre)
による「ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・エクス
パリメンタルセラピー」(J.Pharmacol.Exp.Ther.)138
巻(1962年)360〜375頁に記載されている。
次に、内部の標準DHBH(ジヒドロキシベンジルアミン)
とともに、分析物即ちノルエピネフリン、エピネフリン
およびドーパミンを、クロマトグラフィーで分離し、最
後に、電気化学的に検出する。代表的な試料の必要な大
きさは、1.0ml血漿あるいは血清である。日常の診療に
用いる場合、試料採取、保存、調製およびセンサ対応を
含む全体的分析システムに容易に理解できない多数の変
数があるため、従来の技術(アルミナ吸着、イオン交
換、および抽出)では、多くの問題があった。そのた
め、カテコールアミンの程度及び分布状態と種々の生理
的行動的現象および疾病状態との間の相関性を混乱させ
がちであった。
本発明の第1の目的は、従来の方法に伴う上記及びその
他の問題および限界を克服する、新規な方法と装置を提
供することにある。
本発明の第2の目的は、試料中の選択物質の有無を、定
性的または定量的に測定するべく、試料を分析する新規
な方法および装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、生物試料中の選択された電気的
に活性な有機物質を、迅速かつ確実に検出測定できる電
気化学検出システムを提供することにある。
本発明の好適実施例では、成分を時間的間隔を置いて分
離する液体クロマトグラフィーカラムと組み合わせて、
カテコールアミン等の電気化学的に可逆な物質を検出す
る。
多数の異なる成分を含有する血清および髄液等の、複雑
な生物学的物質の分析では、識別すべき重要(例えば異
常)な神経伝達物質は、ごく微量しか存在しない。
クロマトグラフィーカラムは、種々の成分をマクロ単位
で分離できるが、ごく微量の神経伝達物質を、該物質と
同時に溶出される多種多量のその他液体から、適当な時
間的間隔で、分離することはできなかった。
これらの多種多量の干渉共溶出物質は、電気化学的に活
性であるが、電気化学的に不可逆であり、一方神経伝達
物質は、電気化学的に活性であるとともに可逆性であ
る。
本発明を好適に実施する装置には、下流において電極で
測定する前に、制御された条件下で、試料溶液中の選択
物質を順次に酸化還元する、直列接続された、電荷を測
定しうる、複数個の電気化学セルから成る検出装置が設
けられている。
特に、本発明によると、試料溶液(体液等)を適切なク
ロマトグラフィーカラムに通し、溶液中の物質を順次に
酸化還元するべく、一連の「ゲート」を形成する様な条
件下で作動する、電気化学的に単離された、一連のイン
ライン電量電極と接触させながら、溶出剤を流す。それ
により、試料溶液に含まれる、電気化学的に不可逆な選
択された干渉物質をふるい分け(除去)しながら、電気
化学的に可逆な生成物を通過させて、下流の電極で検出
測定する。
ゲート電極列の次には、当該の可逆化合物(例えば神経
伝達物質)を検出測定する1つ以上の電量電極が配設さ
れている。
この方法には、いくつかの利点がある。即ち、信号を10
0パーセント得ることにより、応答における長期のドリ
フトを、効果的に排除できる。反応のため、広い相対表
面積を用いることにより、電気化学的センサの主な問題
点である電極の毒作用を、効果的に排除できる。物質を
100パーセント分析できるため、純度が不明である化合
物をファラデーの法則に具体化された電気化学反応の基
本原理に関連づけることにより、これらの化合物の純度
を分析できる。
最後に、アレイおよびゲートセルの今後の発展にとって
最も重要であるが、電量電極の効率が100パーセントで
あることから、連続するインライン検出器で化合物を、
連続的に酸化または還元を可能とさせる。
特に、2個以上の活性試験電極がふるい分け電極に続く
場合、検出システムの感度が改善されていることによ
り、血清濾液を直接注入できるとともに、分離可能な40
種までの成分で、カテコールアミンの電気化学的行動を
示す、化合物の再現パターンを形成できる。これによ
り、種々の不調または疾病状態を診断、あるいは予診す
るパターン認識を行える。
次に、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
本発明は、試料溶液中の電気化学的に可逆の物質に応答
して識別するとともに、電気化学的に不可逆な物質を判
別しうる電気化学検出装置を提供するものである。
カテコールアミンを含有する試料溶液を、クロマトグラ
フィーカラムに流し、この溶液中に含まれる種々の物質
を順次に酸化還元するような電位で作動する、電気化学
的に隔離された一連のセル、即ち「ゲート」に溶出剤を
通す。
これらのゲートは、当該化合物の電気化学的活量を測定
する、1個以上の電極が設けられている。種々の電位
で、カテコールアミンの酸化還元を繰り返して、下流の
検出測定電極の感度と特定性を増大しつつ、可動相から
バックグラウンド電流を判別し、不可逆化合物を除去
(ふるい分け)する。
説明を簡単にするため、ゲートセルの機能を、溶出剤か
ら電気化学的に不可逆な化合物を「除去」または「ふる
い分け」するものとして説明する。これは、現実に行わ
れる訳ではなく、検出電極の電位が「除去された」化合
物の酸化状態を変えず、従って「除去された」化合物が
電量的に検出測定されないように、これらの化合物がゲ
ートセルによって、電気化学的に単に変質されているだ
けである。あたかも、除去された化合物が溶出剤中に存
在していないかのように見えるにすぎない。この化合物
は、検出条件下では、電気的に活性ではない。
血液中のカテコールアミンを分析する電気化学的試験装
置を例示した、本発明の好適実施例に基づき、本発明の
特徴および目的をより具体的に説明する。本装置は、試
料溶液中の他の種々の電気活性物質の検出および濃度測
定にも、有益に使用できる。
ゲートセルの原理を、第1図および第2図に示されたセ
ルにより評価した。本来、ゲートセルは、特定の化合物
(好適実施例では、3種類のカテコールアミン、すなわ
ち、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン)に
対して独自の窓を形成するように構成されている。
第1図は、端部に測定用セルを備える、5電極のゲート
セルを示している。
第1電極は、カテコールアミン用電位ゲートの外側の、
すべての不可逆な化合物を酸化し「除去」する。第2電
極は、カテコールアミン用電位ゲートの外側の、還元し
得るすべての不可逆物質を「除去」する。第3・第4電
極は、単一の電極として作動し、最低電位でカテコール
アミンを酸化状態に戻すことにより、C−V曲線の酸化
側に、カテコールアミン用の窓を形成する。第5電極
は、T6(第6素子)におけるカテコールアミンの測定
が、前記特定の化合物に関してできるだけ特定的になさ
れるように、基本的には、還元波において、カテコール
アミン還元ゲートを形成する。
第1図および第2図は、符号(10)で全体を示す電気化
学検出装置の好適実施例の詳細図である。電気化学的検
出装置(10)は、1対の端板(17)および(18)に、そ
れぞれ入口(14)と出口(16)を設けた、中空の液密性
包囲体(12)から成っている。
包囲体(12)は、無可塑ポリ塩化ビニル、ポリテトラフ
ルオロエチレン、フルオロハイドロカーボン樹脂等の、
液体非透過性で化学的に不活性な、剛性の絶縁材で形成
されており、その内部には電気化学的に隔離された、6
個の電気化学的セル(20)(22)(24)(26)(28)
(30)が配置されている。
これらのセル(20)〜(30)は、入口(14)と出口(1
6)との間に、流体流路を画成するスタブ配管部材(3
2)を介して、流体流通可能に相互結合されている。各
セル(20)〜(30)は、それぞれ、少なくとも1個の作
用電極(34a)(34b)(34c)(34d)(34e)(34f)
(T1〜T6)、少なくとも1個の対向電極(36a)(36b)
(36c)(36d)(36e)(36f)および、少なくとも1個
の基準電極(38a)(38b)(38c)(38d)(38e)(38
f)で構成される3個の電極よりなり、適当な手段(図
示せず)により、包囲体(12)内に固定されている。
各作用電極(34a)〜(34f)(T1〜T6)は、フリット化
黒鉛、フリット化炭素、その他の導電性のフリット化物
質等の、多孔性電極基材で形成された平らな円板の形状
である。好適には、そのほとんどは体積−面積比を大き
くすることにより、当該の電気化学的活性物質を用い
て、意図する流量で多くの反応半期(90まで)を与える 反応半期とは、半分の量の化合物を電極で反応させるの
に要する時間である。2半期反応させると、75%反応
し、5半期では97%反応する。
また、各作用電極(34a)〜(34f)を、電気制御素子
(42a)(42b)(42c)(42d)(42e)(42f)に接続し
て、作用電極(34a)〜(34f)に選択された作用電位を
与える接続線(40a)(40b)(40c)(40d)(40e)(4
0f)、それぞれ電位制御素子(46a)(46b)(46c)(4
6d)(46e)(46f)(T1〜T6)に接続されて、対向電極
(36a)〜(36f)に、選択された逆電位を与える接続線
(44a)(44b)(44c)(44d)(44e)(44f)、および
それぞれ基準電極(38a)〜(38f)を、電位制御素子
(52)に接続することにより、各基準電極(38a)〜(3
8f)に基準電位を与える接続線(50a)(50b)(50c)
(50d)(50e)(50f)が設けられている。
対向電極(36a)〜(36f)と基準電極(38a)〜(38f)
とは、好適には、白金あるいはパラジウムワイヤ等の不
活性金属端子で構成されているとよい。基準電極(38
a)〜(38f)を、銀又は塩化銀基準電極等で構成するよ
うにしてもよい。対向電極(36a)〜(36f)と基準電極
(38a)〜(38f)は、対をなして作用電極(34a)〜(3
4f)を支持するとよい。
以下に説明するように、電気化学的セル(20)〜(28)
は、干渉物質を識別し、ふるい分けするゲート電極とし
て作用し、一方セル(30)は測定電極を有している。
圧力スパイクおよび電圧変動して、高ノイズ判別力を達
成するには、測定電極の面積をかなり小さくすることに
より、上流のゲート電極と比べて、反応半期の数をかな
り小さく(例えば4)する必要がある。
第1図および第2図に従って形成され、6個の電気化学
的に隔離されたセル(20)〜(30)を備える装置を用い
る電気化学的分析に基づき、以下の実験例により、本発
明の原理および利点を説明する。
作用電極(34a)〜(34e)は、それぞれ、約4cm2(90
半期)の作用面積を有する、フリット化黒鉛円板で構成
されている。また電極(34f)は、約0.3cm2(4半期)
の作用面積を有している。対向電極(36a)〜(36f)お
よび基準電極(38a)〜(38f)は、不活性金属端子で構
成されている。
実験例I この実験例の目的は、本発明による装置が、試料に前処
理を施さずに、直接血清濾液中でカテコールアミンをど
の程度定量できるかを示すことである。血清濾液のため
の装置の予備試験として、100pg(ピコグラム)(10-8g
/mlの10ミクロリットル)のエピネフリン、ノルエピネ
フリンおよびドーパミンを添加して、無機血清を模造す
ることにより、「模擬」血清試料を調製した。
試料溶液を、25,000分子量のカットオフフィルタに通
し、22cmのブラウンリー(Brownlee)Rp185液体クロマ
トグラフィーカラムに濾液を注入して、上記の電気化学
的装置に通した。電気化学的検出パラメータは次の通り
であった。
濾液中のエピネフリン、ノルエピネフリンおよびドーパ
ミンの回収率は、100±2%であった。エピネフリン、
ノルエピネフリン及びドーパミンは、装置を通じて変化
しなかった。
ノルエピネフリン、エピネフリン、およびドーパミンの
連続的酸化還元において、本実験例で留意すべき重要な
点は、還元および酸化の両方が、電量的に100%達成さ
れたことである。この電極対の後方に、もう1つの酸化
還元電極を直列に配置することにより、信号の減少を効
果的に防止できる。
信号損失なしに、一連の酸化還元段階に化合物を通す多
段電極を設けることにより、特定の化合物に対して特有
の、多数の異なる酸化/還元電極段階を含む、「ゲー
ト」セルの形成まで適用範囲を広めることができる。
第3図(a)は、T1のセンサ鎖に与えられる可逆・不可
逆物質の可能なC−V曲線群の概略図である。
(b)は、T1が不可逆化合物を酸化し、可逆化合物を酸
化状態に変換した後に、T2に与えられる化合物のC−V
曲線群である。最終分析は、還元モードで行われるた
め、T1を99%+酸化と一致する可能な最低電位に保ち、
その他の化合物が酸化しないようにする点に留意された
い。
(c)は、T3に与えられるC−V曲線群である。可逆化
合物は酸化状態に戻される。不可逆還元物質は、T2をT6
より負の110mVに設定することにより排除されている。
(d)及び(e)は、それぞれ、T3酸化後にT4に与えら
れるC−V曲線群、およびT4酸化後にT5に与えられるC
−V曲線群である。T3,T4電極は、カテコールアミン波
の80%レベルに設定されているため、高酸化電位で、多
量の化合物を戻さずに、カテールアミンの約96%を酸化
状態に戻せる。
(f)は、T5でふるい分けた後に、T6に与えられるC−
V曲線群である。
上記の通り、還元、酸化、還元の順序で行うゲートアレ
イに関して、本発明を説明したが、その他の手順にする
こともできる。例えば、先ず酸化してから還元し、その
後酸化モードで検出するように、ゲートを構成すること
ができる。
6電極システムの感度と選択率が高いので、カテコール
アミンの分析および種形成の問題に対して、数通りの手
段を構じることができる。1〜5pgレベルを定量できる
能力があれば微量試料(指あるいは耳を刺して採取した
もの)で、血液、血清若しくは血漿の分析を行うことに
より、静脈穿刺試料採取時の外傷に伴う、カテコールア
ミンの増加を防止することができる。
実験例II 300ミクロリットルの血清部分試料を、1000×g′(重
力速度の1000倍)で25分間遠心分離することにより、ア
ミコン(Amicon)2500MWカットオフフィルタに通し、約
115ミクロリットルの濾液を得た。100ピコグラム/ミリ
リットル単位で、エピネフリン、ノルエピネフリンおよ
びドーパミンを添加した血清部分試料を、対照試料とし
て調製した。調製した部分試料を、実験例Iと同様に、
クロマトグラフィーカラム、および電気化学装置に通し
た。
所望電位は、模造不活性血清の場合と同一であり、第6
電極(34f)(T6)で得られた結果は、第4A図および第4
B図に示す通りである。この場合、第4A図は無スパイク
血清であり、第4B図は、100pg/mlでスパイクされた血清
である。
本システムの選択性は、第3図のボルダモグラムに関係
する、第5図のクロマトグラム(出力電流をプロットし
たもの)から判る。
第5A図は、電極(34a)(T1)におけるクロマトグラム
(電流出力をプロットすることにより得られたもの)で
あり、第3図(a)のボルダモグラムに関係している。
第5B図は、電極(34c)(T3)で得られたクロマトグラ
ム(電流出力をプロットすることにより得られたもの)
であり、第3図(c)のボルダモグラムに関係してい
る。
第5C図は、電極(34e)(T5)で、電流出力をプロット
して得られたクロマトグラムで、第3図(e)に関係し
ている。
第5D図は、電極(34e)の還元後、電極(34f)(T6)で
電流出力をプロットして得られたクロマトグラムであ
り、第3図(f)のボルダモグラムに関係している。
以上から判るように、高度の信号分離が生じている。
ゲートセルによりカテコールアミンの酸化/還元パター
ンに適合しない化合物が除去された後に、T1のクロマト
グラムとT6のクロマトグラム(第5D図)とを比較した。
T1の空体積後方に、塗抹試料として表れた化合物が、空
体積で、一連の別々に測定可能なピークに分解されてい
ることが判る。T1で得られた感度を200倍にして示され
たノルエピネフリン、エピネフリンおよびドーパミン
は、分離されて測定できるようになる。ノルエピネフリ
ンは完全に分離され、エピネフリンとドーパミンとは、
共同溶出ピークの肩部として、分離される。
本方法は、カテコールアミンに対して完全に純粋な信号
を生成しないが、単電極法に比べると約10,000倍の分離
能力がある。即ち、ゲートセルは、カテコールアミンに
対して、血清中の他の成分に対して103又は104倍の分離
度を示す。
選択性が高いと、カテコールアミンと、生化学的活性の
要因となる大小蛋白質、その他の高分子物質との結合を
調べることが出来る。例えば、血清限外濾液試料を、直
接、カラムに注入してカテコールアミンモイエティを定
量できる。3〜4回注入後、蛋白質の沈澱物からの圧力
上昇により、保護カートリッジカラムを変えなくてはな
らない場合を除いて、血清も直接注入することが出来
る。これら方法の可能性を、一連の予備実験で試験し
た。
実験例III 本例の目的は、血液中のカテコールアミンの分析に、本
発明による電気化学試験システムを使用できることを実
証することにある。
試料調製: 100ミクロリットル(EDTA抗凝固血液)毛細管内の物質
を、0.2%W/Vのジフェニルボレートエタノールアミンと
0.2%W/VのEDTAを含有する、200ミクロリットルの2MのN
H4OH-NH4Cl(pH8.5)緩衝液に添加することにより、試
料溶液を調製した。
2種類の部分試料、即ち、500ミクロリットルのn−ヘ
キサン、および0.25%W/Vのテトラオクチルアンモニウ
ムブロミドを含有する1%W/Vのn−オクタノールを添
加し、2分間攪拌してから除去した。(450ミクロリッ
トルの第1部分試料と、500ミクロリットルの第2部分
試料とを取り出し、円錐管に移した。) 500ミクロリットルのオクタノールと、110ミクロリット
ルの0.08M酢酸とを添加し、管を2分間攪拌するととも
に、5分間遠心分離器にかけてから、100ミクロリット
ルの0.08M酢酸溶液を、実験例Iのクロマトグラフィー
カラム及び電気化学装置に流し込んだ。その結果は、重
複試料を示す第6図のように記録された。
上記の説明から判るように、カテコールアミンの酸化還
元を繰り返すと、試料中におけるカテコールアミンの酸
化状態に関係なく分析することにより、試料の安定性に
関する問題を軽減できる。
また、本分析方法の選択性および感度が高いため、中枢
神経系の損傷が疑われる大規模な人々に対するスクリー
ンテストとして、カテコールアミンを使用出来る。この
ような損傷には鉛中毒、ダイオキシン、エージェントオ
レンジ及び殺虫剤によるもの等がある。このような高選
択性によれば、またカテコールアミンと、生化学的活性
の要因である大小蛋白質、その他の高分子物質との結合
を研究できる。
当業者により本発明を修正することも出来る。例えば、
電気化学装置を、電気化学的に隔離した5個のゲートセ
ルを有するものとして例示したが、所望結果を得るのに
何個のゲートセルを直列に配置してもよい。
また各セルの容積を変えて、反応半期を修正し、ある種
のノイズを軽減出来る。また、2個以上の検知電極セル
を、互いの下流に設けることにより、別の化合物群を検
出測定できる。例えば、不可逆物質を除去して、電位の
上下限を定める4電極型ゲートの後に、別のゲート電極
を含む一連のセンサ(例えば10乃至16個)を所望に応じ
て、酸化及び還元を増加するように配置することも出来
る。このようにすると、酸化および還元モードの両方に
対して、溶出液のC−V曲線が効果的に示されるように
なる。各電極からの電流により、次のような1組の連立
方程式が成立する。
I.i=A(Ca)+B(Cb)+C(Cc)‥‥ 式中A,B,Cは、化合物a,b,cの電位と性質により定義され
た定数であり、Ca,Cb,Cc‥‥‥はa,b,cの濃度である。
従って、表示曲線即ちC−V曲線には、絶対的に同一の
ものがないという条件の下に、アレイ中のセンサと同数
の共溶出成分を、解くことにより表示することが可能で
ある。複数の連続するセンサを用いることにより、セル
の感度および共溶出液の分離を増大させることが出来
る。
実験例IV 第2検出セル(点線Tn)を、検出セル(30)の下流に設
置することにより、第1図の装置を修正した。
第2検出セル(Tn)はセル(30)と同一であるが、−26
0mvの電圧(Tn)で作動し、一方セル(T6)を、セル(3
0)において実験例I乃至IIIの−240mvの代わりに、−1
60mvで作動させた。(T6)(Tn)は、CPU(第7図参
照)に接続されている。本例の被検試料は人間の髄液で
あった。
2個の検出電極から得られた信号を、CPU(第7図参
照)で比較したが、より正の信号を、より負の信号で割
ることにより、試料中の各神経伝達物質に該当する、ピ
ーク値を得ることが出来る。
これらの値を、ふつうの神経伝達物質から得た標準クロ
マトグラフのピーク値と比較することにより、(a)各
神経伝達物質の識別、および(b)システムに対して異
常に反応する神経伝達物質の識別が可能になる。
第7図は、デュアル信号処理システムのブロック線図で
あり、第7A図は、セル(30)(T6)からの信号を、第2
セル(Tn)からの信号により割って得られた信号のコン
ピュータからのプリントアウトを示している。第7図の
素子には、第8図および第9図と同一の部材については
符号が付されている。
ピーク値の使用により、CSFおよび脳組織のピーク値を
分析し、保持時間に通常観察される標準型化合物とは、
明らかに異なる「値」を有する数ピークを検出した。従
来の方法では、この共溶出液の検出が困難であり、得ら
れるデータに誤りが生じた。
本発明による方法によれば、共溶出液の有無を決定す
る、すぐれた方法を提供するとともに、神経伝達物質の
誤認を排除している。
さらに、種々の電極における信号を適当に積分すること
により、標準的クロマトグラフ法で得られる、2次元パ
ターン図と同様のパターン図、すなわち、種々の選択さ
れた物質の電気化学的指紋を形成できる。このような場
合、公知物質の試料を、装置に流し入れ、上記のような
装置と工程により選択された物質を示すボルダモグラム
形式の2次元パターン図を作成できる。得られたパター
ン図を適当なCPUに記憶しておき、その後のパターン突
き合わせおよび識別に利用できる。前述の装置と方法
は、患者の病気を診断する目的で、尿や血液のような体
内の流体を直接的に分析するのに好適である。それによ
り、従来の数段階よりなるクロマトグラフ分析法、即ち
「クリニカル・ケミストリー」(1974年)20巻8号、96
5〜967頁、エイ・ビー・ロビンソン(A.B.Robinson)及
びエル・カウリング(L.Cauling)による「オルト分子
診断法」並びにミヤギ(Miyagi)他による米国特許第4,
338,811号明細書に開示された方法に比べ顕著な進歩が
見られる。この装置及び方法により、多段階クロマトグ
ラフ分析法を、はるかにしのぐ成果が得られる。
第8図および第9図に示すように、試料は前述のよう
に、検出器(10)に直接送られ、そこで目的とする物質
が前述の方法で分離され、検出される。その後、検出器
(10)の出力信号中の各ピークを、積分器(54)で積分
し、その出力信号を、中央処理装置(CPU)(56)に送
る。CPU(56)において、予め設定したプログラムによ
って、入力信号によるピーク領域と保持時間との関係を
示す2次元パターン図が作成される。
ピーク突合わせ(第8図参照)が必要な場合は、磁気テ
ープあるいは磁気ディスク等のメモリ(58)から基準ク
ロマトグラムを読出し、CPU(56)が、被検者クロマト
グラムの各ピークの保持時間と、基準クロマトグラムの
対応ピークの保持時間との一致を判定し、一致しない場
合は、ピークの突合わせを行ってから、上記パターン図
を作成する。
次に、健康人の上下限データを、メモリ(58)から読出
し、CPU(56)で上限および下限パターン図を作成し、
被検者のデータパターン図と、健康人の上下限パターン
図とを比較することにより、被検者が健康であるか異常
であるかを判断する。その後、表示装置(60)に判定結
果を表示し、ハードコピー装置(62)で記録する。上記
の通り、所望に応じて、比較判定のプロセスを表示でき
る。第9図に示すように、診断は、被検者が異常なしと
判断された場合に終了する。一方、異常と判断された場
合は、CPU(56)は、上記要領で、メモリ(58)に保存
された類別疾病ファイルから疾病データを検索する。こ
の検索した疾病データに基づいて、疾病の上限および下
限パターン図を作成し、これらを被検者のパターン図と
比較することにより、対応あるいは類似する疾病を選定
する。
CPU(56)は、さらに被検者パターン図と、選定疾病の
平均値曲線との相関係数を計算する。対応あるいは類似
疾病選定結果、相関係数計算結果、またはパターン図の
比較による診断プロセスは、所望に応じて、表示装置
(60)に表示され、ハードコピー装置(62)で記録され
る。
正常異常判定あるいは疾病特定中に、医者の観察に基づ
くデータ修正が必要な場合は、操作パネル(64)からCP
U(56)に必要なデータを送り込むことにより、データ
を修正する。
上記のように、第1図および第2図の装置では3個以上
の作用または試験電極を使用できる。便宜上、このよう
なセルを、アレイセルと呼ぶ。
アレイセルは、T5に見られるクロマトグラフパターン
(第5C図参照)を検討するとよい。T6に見られる多くの
ピーク(第5D図参照)は、T5上に種々の大きさで表示さ
れている。アレイセルの概念は、基本的には次の点にあ
る。すなわち、ゲートセルに続く多数のセルがあると、
その電位を、例えば、−60〜−300ミルボルト範囲で等
しく増加するように配分し、時間軸上に、共同溶出ピー
クとして示される化合物を、電圧軸上のアレイを横切っ
て現われる電位で分離する。
上記概念の詳細を説明するには、アレイセルの基本的概
念、あるいはクロマトグラフィーによる分離時に、電圧
軸および時間軸を横切ってクロマトグラムを表示する概
念を、検討するのが有益である。
第10図は、電圧軸を横切って、電位が徐々に上昇するよ
うにしたアレイセルが、いかに作用して、電圧軸を横切
るピークに変換するかを示す、C−V曲線を示す図であ
る。
左上の図の線(1)で表されるC−V曲線を有する物質
は、アレイの第1素子に供給されるにつれ、その一定量
が消費され、左下の図の点(1)に示される信号を出
す。次に、濃度を小さくした物質(線2)は、アレイの
第2素子に供給され、第2センサ電位で反応して、点
(2)で示される大きさの信号を出す。
さらに濃度を小さくした物質(線3)が、アレイの第3
素子に送られ反応して、アレイのピーク値として示され
た信号を出す。最後に、更に濃度を小さくした物質を、
基本的に残っているすべてであるアレイの第4素子に送
り、ピーク値よりも低下した信号を出す。
第5および第6素子が検査するものが、何も残されてい
ないため、再度基線を分析する。クロマトグラフで見る
と、電極を波の頂部にセットしたC−V曲線の第1の例
は、第10図の右上の図のように時間とともに変わるピー
クを示す。アレイが電圧軸を与える第2の例は、電圧軸
で変わるピークを示す。
第10図の右下に示すアレイセルクロマトグラムは、ピー
ク時間のみではなく、化合物のピーク電位およびピーク
時間の両方を示している。
化合物の分離度を増加させる本発明の方法の有効性は、
C−V曲線を左上の点線で示した、4個の共同溶出ピー
ク(A,B,C,D)を有するアレイセル分離を例示する第11
図に示されている。簡単な単電極型の場合は、C−V曲
線のすべては結合して、左上の上向線で示す1本のC−
V曲線になる。図示の電位に設置された単電極から得ら
れるクロマトグラムは、時間で変化し、たった1つのピ
ークになる。
しかし、素子アレイが電圧曲線領域に亘って配置されて
いる(左中)場合は、各C−V曲線は、左下に示すよう
にアレイの特定電圧でピーク値になる。
アレイセルからのクロマトグラムを、電圧軸とともにプ
ロットすると、これらのピークは、電圧軸を横切り、右
下に示すような4個の別々の丘あるいは4個の別々のピ
ークに分解する。しかし、時間軸では単ピークのままで
ある。
実際、共同溶出ピークを、30乃至40ミリボルトだけ異な
るC−V曲線で分解することは、可能であった。従っ
て、0〜600ミリボルトの電圧範囲では、特定クロマト
グラムの分離度(即ち検出できる化合物の数)は、20ま
で増加する。
溶出剤は、各測定電極を順次に通過して、連続する電極
から出される信号にある程度の、短い時間的間隔を与え
る点に、留意されたい。
しかし、電極の体積がかなり小さいため、通常のクロマ
トグラム条件で直列に配置された電極間の時間的間隔
を、約50ミリ秒に保つことができる。そこで、1秒の遅
れで、第1から第20までの20個の電極を直列に配置出来
る。これは、クロマトグラムのピーク溶出時間に対して
は、わずかな時間である。
さらに時間の遅れが一定であるため、各電極からのクロ
マトグラムが、特定化合物を同時に表示するように、第
8図のCPU(56)で修正できる。従って、電圧で分離さ
れた信号は、各化合物に対して実質的に同時に発生する
ようにみえる。
アレイセルを用いる第1図の6個の検出器の実施例はア
ルツハイマー病痴呆症患者、および健康人の髄液の初期
研究に使用されてきた。
予備研究は次の3点に焦点を置いていた。第1に、アレ
イセルから最大量の情報が得られる条件、第2に、アレ
イセルを用いることにより、神経伝達物質と代謝物質に
関する文献に先に報告された値と相反するような、共溶
出ピークを求める通常のクロマトグラフィー条件下にお
ける研究、第3に、最も重要であると思われるが、健康
人とアルツハイマー型痴呆疾患者との髄液の二元差の調
査に対する、アレイセルの利用である。
入手できる試料の数が限定されていると、主な神経伝達
物質およびその代謝物質の相対レベル、または比率の有
意差を示すのに適当であると感じられないので、最初は
二元差に焦点を合わせた。
アレイセルアセンブリを、異なる利得で、かつアレイに
亘って狭い電位ギャップを設けたクロマトグラムの異な
る電圧領域に亘って作動させた第1の研究では、髄液試
料から約100種類の成分を分離することができた。
第2の研究において、文献に以前報告されたクロマトグ
ラフィーを使用することにより、アレイセル技術がなけ
れば検出も報告もされない主要な神経伝達物質とその代
謝物質に対して、ほぼ15%の割合で干渉が生じることが
わかった。
最大の努力が払われた第3の研究においては、アルツハ
イマー病患者と健康人の試料の間に2元的な有意差が、
神経伝達物質セロトニン若しくは5−ヒドロキシトリプ
タミン(5HT)及びその前駆物質である5−ヒドロキシ
トリプトファン(5HTP)の充分な酸化状態の中に見つけ
られた。この発見は技術的に非常に興味深いものであ
る。というのは、特定の化合物の全C−V曲線を表すこ
との出来るアレイセルの使用せずに、このような識別を
行うことが不可能だからである。
第12図は、髄液(クロマトグラフィー条件下で注入され
た20ミクロリットル)を、6個のセンサアレイの6つの
各素子において、同時に生成した6つのクロマトグラム
を示している。各クロマトグラムは、クロマトグラフィ
ーの間にセンサが保持される電位において時間軸(水
平)と電圧軸(45度線)により図示されている。この装
置において、ゲートセルは、電気化学的に不可逆な化合
物を除去するべく設けられ、検出セルは酸化状態で作動
し、ゲートセルにおける電気化学的に可逆な物質を完全
な還元状態に置くようにする。+50ミリボルトにおける
第1センサのために、電圧軸50ミリボルト線に沿ってク
ロマトグラムがあり、+300ミリボルトにおける第3セ
ンサのためには、+300mV線に沿ってクロマトグラムが
ある。クロマトグラフから溶出するピーク(例えば3,4
−MHPGのために、電圧軸を横切り、曲線により外形を作
られた第1のもの)が、3,4−MHPGの電流電圧特性から
描かれる曲線に続き、電圧軸を横切って図示される。5
−ヒドロキシインドール酢酸のために、電圧軸を横切る
第3の曲線が、第2の酸化段階が続いて起こる、5−ヒ
ドロキシインドール酢酸の第1の酸化を示している。
セロトニンとその前駆物質である5−ヒドロキシトリプ
トファンは、2つの別々の段階で酸化する。第1の段階
は、ベンゼン環でのヒドロキシル基の酸化であり、第2
の段階は、より高い電位でのインドール環における窒素
の酸化である。アレイセルにより、2つの酸化工程は、
5−ヒドロキシトリプトファンのためのアレイを横切る
第5の曲線とセロトニンのための第6の曲線に示された
ように、アレイ中の電圧を増加させる関数として、2つ
の顕著なピーク値として示されている。
調査されたすべての健康人において、5−ヒドロキシト
リプトファンとセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミ
ン)は、化合物の完全に還元された状態で、特徴的な電
圧を表示する。即ち、第3センサと第6センサでピーク
値を示し、第4センサと第5センサで低信号を示す。
アルツハイマー病患者の髄液試料のアレイクロマトグラ
ムを示す第13図において、5−ヒドロキシトリプタミン
と5−ヒドロキシトリプトファンが、第6電極のピーク
値と第5電極の小さなピーク値としてそれぞれ示されて
いる。このデータの最初の意味は、アルツハイマー病患
者の試料において、セロトニンとその前駆物質が部分的
に酸化された形状で含まれているということである。こ
のことはこれ迄知られていないが、インドール(上昇ア
ルミニウムレベルで結合する)と金属錯体による効果で
あると推定される。インドールにおいて、結合金属はヒ
ドロキノンモイエティから電子を切り離す。これは、異
なる酵素的な通路または欠陥を表していると推定され
る。この効果は、試料について例外的に起こったことで
あるかも知れないが、少なくともこの実施例において、
この効果を達成することが可能なのは本発明のすぐれた
技術力によるものである。
電圧軸と時間軸に沿う曲線群として示されたデータの表
示は、読み取るのが若干難しい。また、データ読み取り
を改良する方法において、溶出化合物の電流電圧アルゴ
リズムは、電圧軸を横切って適用され、クロマトグラム
の電圧軸と電流軸における点に配置される。これらアル
ゴリズムは、溶出物の全量を示す線として、この点にお
いて表示される。
第14図には、この実施例が示されている。この図におい
て、神経伝達物質として公知の化合物が示されている。
明瞭にするために、第14図において、クロマトグラムの
他の数多くの点が省略されている。この図において、健
康人は白抜きの線として示され、健康人とアルツハイマ
ー病患者の髄液の差が黒色の線として示されている。図
示されているように、健康人とアルツハイマー病患者の
髄液には、いくつかの二元差がある。先ず、前に述べた
ように、アルツハイマー病患者の試料が部分的に酸化さ
れることにより、主要な効果は5−ヒドロキシトリプタ
ミンと5−ヒドロキシトリプトファンの生成であるよう
に思われる。アルツハイマー病患者の試料において、ノ
ルメタネフリンと認められた点においてピークは観察さ
れず、3−ヒドロキシキヌレニンとして認められた部分
において、小さいが分解可能なピークが認められた。こ
れは、セロトニンと5−ヒドロキシトリプトファンを導
く通路以外のトリプトファン新陳代謝のための異なる通
路を示している。アルツハイマー病患者の試料におい
て、遅れた溶出ピークが、電圧時間領域に見られた。こ
の領域において、セロトニンの部分的な酸化に、一連の
他の実験が関連しているように推定される。
本発明はカテコールアミンの分析について述べたもので
ある。しかし、当業者によれば、他の多数の電気的に活
性な有機物質を分離したり、測定したりしてもよい。こ
のような有機物質としては、不飽和炭化水素、アジド、
トリアジン、フェノサイジン、アミノ酸、アミン、アミ
ド、フェノール、芳香族OH、キノリン、キノン、イミン
オレフィン、ケトン、アルデヒド、エステル、オレフィ
ンエステル、エーテル、有機金属、ジアゾ化合物、ニト
ロ化合物、ハロゲンがある。本発明による電気化学的検
出装置は、シアニド、ハロゲン、SO2及びNOx、また水及
び下水のような生物学的試料中の重金属錯体のような物
質を分離したり、測定するのに用いてもよい。巨大分子
と結合された電気的に活性な金属化合物を、本発明によ
る装置を用いて分離したり測定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による電気化学的検出装置の側部断面
図である。 第2図は、前記装置の電気制御および機能を示すブロッ
ク線図である。 第3図は、本発明で分析できる流体に含まれる電気化学
的に活性な物質の電流(ミリアンペア単位)と電圧(ミ
リボルト単位)との相関性を示すグラフ群である。 第4図は、本発明により得られたクロマトグラムであ
る。 第5図は、本発明により得られたクロマトグラム群であ
る。 第6図は本発明により得られた二重クロマトグラム群で
ある。 第7図は、ゲートセルの後方に、複数個の試験(測定)
セルを設け、その出力を中央処理装置で処理するように
した本発明による検出システムの概略図である。 第7a図は、第7図のシステムの出力波形図である。 第8図は、本発明による疾病検出診断方法の実施例のフ
ローチャートである。 第9図は、第8図に方法を実施する電気化学的検出診断
装置のブロック線図である。 第10図は、一連の異なる電位で、電気化学的に活性な、
単一に物質を分析する効果を示すグラフ群である。 第11図は、一連の異なる電位で、電気化学的に活性な、
複数の物質を分析する効果を示すグラフ群である。 第12図は、複数のアレイセルを用いた、健康人の髄液の
アレイクロマトグラムである。 第13図は、アルツハイマー病患者の髄液のアレイクロマ
トグラムである。 第14図は、第12図および第13図のクロマトグラム間の差
を強調するように、コンピュータ処理した複合クロマト
グラムである。 (10)検出装置、(12)包囲体 (14)入口、(16)出口 (17)(18)端板、(20)乃至(30)セル (32)配管部材、(34a)乃至(34f)作用電極 (36a)乃至(36f)対向電極、(38a)乃至(38f)基準
電極 (40a)乃至(40f)接続線、(42a)乃至(42f)電位制
御部 (44a)乃至(44f)接続線、(46a)乃至(46f)電位制
御部 (50a)乃至(50f)接続線、(52)電位制御部 (54)積分器、(56)CPU (58)メモリ、(60)表示装置 (62)ハードコピー装置、(64)操作パネル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気化学的に不可逆な物質と微量の電気化
    学的に可逆な物質とを含む血液、髄液のような電気化学
    的に活性な液体の複雑な混合物を分析するための装置で
    あって、時間間隔を置いて、カラムから物質を溶出させ
    る液体クロマトグラフィーカラムと、溶液中に電気化学
    的に可逆及び不可逆な活性物質を含む試料を電気化学的
    に検出する手段を備えるものにおいて、 電気化学的に可逆及び不可逆な物質の酸化状態を変え、
    前記物質の少なくともいくつかを、次の電量測定電極で
    の電位において、電気化学的に不活性な状態に変換する
    少なくとも2個のゲートセルと、電量の検出測定に適当
    な電位に保持された測定電極において、溶出剤中の電気
    化学的に可逆な物質の電量を検出測定するべく設けた、
    前記2個のゲートセルに続く少なくとも1個の追加の試
    験セルとを備える装置。
  2. 【請求項2】酸化ゲートセルが、還元ゲートセルに先行
    し、または前記還元ゲートセルが、前記酸化ゲートセル
    に先行し、および測定セルが、電気化学的に可逆な物質
    を還元し、前記測定セルが前記電気化学的に可逆な物質
    を酸化することを特徴とする特許請求の範囲第(1)項
    に記載の装置。
  3. 【請求項3】電気化学的に不可逆な物質と微量の電気化
    学的に可逆な物質とを含有する、血液、髄液のような電
    気化学的に活性な液体の複雑な混合物を分析する方法に
    おいて、 電気化学的に活性な液体を、液体クロマトグラフィーカ
    ラムに連続的に流して、時間間隔を置いて物質を分離
    し、カラムから溶出し、次に直列に配置した少なくとも
    3個の電量セルを備える電気化学的検出装置に流して、
    液体中に電気化学的に可逆及び不可逆な活性物質を含む
    試料を電気化学的に試験する段階と、 前記のセルのうちの2個の電量電極を異なる電位に維持
    して、電気化学的に可逆及び不可逆な物質の酸化状態を
    変え、次の電量測定電極で維持された電位において、前
    記物質の少なくともいくつかを電気化学的に不活性な状
    態に変える段階と、前記2個のゲートセルに続く、少な
    くとも1個の追加の試験セルにおいて、電気化学的に可
    逆な物質の電量を、適当な電位で検出測定する段階とを
    含む方法。
  4. 【請求項4】セルの中の少なくとも2個がゲートセルよ
    りなり、各ゲートセルが、異なる作用電極を持ち、これ
    らのゲートセルのうちの1つが試料中の電気化学的に活
    性な物質を酸化する電位にあり、残りのゲートセルが前
    記試料中の電気化学的に活性な物質を還元する電位にあ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(3)項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】次の(a)〜(f)の特徴のうちの1つ以
    上を含む特許請求の範囲第(4)項に記載の方法。 (a)検出装置が、ゲートセルの次に少なくとも2個の
    測定セルを備え、これら測定セルの作用電極が、異なる
    電位にあることによって、これらセルを介して連続的に
    通過する電気化学的に活性な物質のために異なる電気化
    学的測定をなし、前記測定セルが(i)好ましくは流路
    に沿って、徐々に変化する電位で操作され、(ii)好ま
    しくは、測定セル間の溶離剤の通過時間が全溶離時間に
    対して、大きくならないように、前記流路に沿って近接
    して配置されていること。 (b)測定値を表示して、この測定値を、測定電位と溶
    離時間で分離すること。 (c)ゲートセルを酸化する工程をゲートセルを還元す
    る工程より先行させること。 (d)ゲートセルを還元する工程をゲートセルを酸化す
    る工程より先行させること。 (e)測定セルが、電気化学的に可逆な物質を還元する
    こと。 (f)測定セルが、電気化学的に可逆な物質を酸化する
    こと。
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