JPH07188099A - (1s,2r)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸の製造方法およびその誘導体 - Google Patents

(1s,2r)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸の製造方法およびその誘導体

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JPH07188099A
JPH07188099A JP32691893A JP32691893A JPH07188099A JP H07188099 A JPH07188099 A JP H07188099A JP 32691893 A JP32691893 A JP 32691893A JP 32691893 A JP32691893 A JP 32691893A JP H07188099 A JPH07188099 A JP H07188099A
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JP
Japan
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oxo
general formula
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acid
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JP32691893A
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English (en)
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Takayuki Inaba
隆之 稲葉
Katsuyoshi Hara
勝義 原
Junichi Haruta
純一 春田
Saizo Shibata
才三 柴田
Itsuro Uchida
逸郎 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 〔式中、R1はカルボキシル基の保護基を表し、R2は水
素原子、又はカルボキシル基の保護基を表し、Xはハロ
ゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、又は置換されて
もよいアリールスルホニルオキシ基を表し、R3 は置換
されてもよいアリール基、若しくはヘテロアリール基を
表す〕で表される(1S,2R)−4−オキソ−2−メ
チルシクロペンタンカルボン酸の簡易合成法およびその
中間体(12)。 【効果】 本発明は、従来技術に比べ化合物(13)を
極めて簡便に、しかも少ない工程数で効率よく製造し得
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品とりわけ遷延性
意識障害及び脊髄小脳変性症治療剤として有用なサイロ
トロピン放出ホルモン(TRH)類縁化合物である、N
α−〔(1S,2R)−2−メチル−4−オキソシクロ
ペンチルカルボニル〕−L−ヒスチジル−L−プロリン
アミドの合成における下記式(1)
【0002】
【化11】
【0003】で表される中間体(1S,2R)−4−オ
キソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸を製造する
方法及び下記一般式
【0004】
【化12】
【0005】〔式中、R3 は置換されてもよいアリール
基、又は置換されてもよいヘテロアリール基を表す〕で
表されるアラルキルアンモニウム(1S,2R)−4−
オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボキシレート誘
導体に関する。
【0006】
【従来技術】従来、前記一般式(1)で表されるTRH
類縁化合物の中間体は、下記一般式(3)で表されるジ
エステルをブタ肝臓エステラーゼ(PLE)を用いて下
記一般式(4)で表されるモノカルボン酸にエナンチオ
選択的に導いた後に、8工程を経て製造されていた(特
開平3−236397)。しかしながら、この合成法は
工程数が多く、工業的に到底実施し得ないものである。
【0007】
【化13】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ラセミ体の(1
*,2S*)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタン
カルボン酸の簡便な合成法を見出し、これを光学活性ア
ミンとのジアステレオマー塩を経由して光学分割を行う
ことにより前記一般式(1)で表される(1S,2R)
−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸が
得られることを見出し発明を完成させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記一般式(1)で表さ
れる(1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペ
ンタンカルボン酸は、下記の合成工程によって容易に合
成できる。
【0010】
【化14】
【0011】
【化15】
【0012】〔式中、R1はカルボキシル基の保護基を
表し、R2は水素原子、又はカルボキシル基の保護基を
表し、Xはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、
又は置換されてもよいアリールスルホニルオキシ基を表
し、R3 は置換されてもよいアリール基、又は置換され
てもよいヘテロアリール基を表す〕
【0013】なお、本発明において使用する各種置換基
の定義は以下の通りである。R1 における「カルボキシ
ル基の保護基」とは、反応に関与しないものであればい
かなるものでも用いることが出来るが、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
tert−ペンチル基、2,2,2−トリクロロエチル
基、アリル基、フェニル基、p−クロロフェニル基、m
−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基、p−フル
オロフェニル基、m−フルオロフェニル基、o−フルオ
ロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4
−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリメトキシフ
ェニル基、4−アミノフェニル基、クロロナフチル基、
メチルナフチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル
基、p−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、ジ
フェニルメチル基、トリチル基、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基等
であり、好ましくは、エチル基である。R2 における
「カルボキシル基の保護基」とは、反応に関与しないも
のであればいかなるものでも用いることが出来るが、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペ
ンチル基、tert−ペンチル基、2,2,2−トリク
ロロエチル基、アリル基、フェニル基、p−クロロフェ
ニル基、m−クロロフェニル基、o−クロロフェニル
基、p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル
基、o−フルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェ
ニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−
トリメトキシフェニル基、4−アミノフェニル基、クロ
ロナフチル基、メチルナフチル基、ベンジル基、p−メ
トキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、o−ニトロ
ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、トリメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチル
ジメチルシリル基等であり、好ましくは、メチル基であ
る。
【0014】「ハロゲン原子」とは、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子、フッ素原子である。「置換されてもよ
いアリールスルホニルオキシ基」とは、例えば、ベンゼ
ンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ
基、メシチレンスルホニルオキシ基、1,3−ニトロベ
ンゼンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホ
ニルオキシ基、4−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基
等の脱離基である。好ましくはp−トルエンスルホニル
オキシ基又はベンゼンスルホニルオキシ基である。「置
換されてもよいアリール基」とは、複数個のハロゲン原
子で置換されてもよい低級アルキル基、ハロゲン原子、
低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、ジ低
級アルキルアミノ基、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、ベンゾイル等のアシル基等から選ばれる同一又は異
なってもよい置換基を1乃至3個有してもよいフェニル
基、ナフチル基であり、具体的には p−クロロフェニ
ル基、m−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基、
p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、o
−フルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル
基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリ
メトキシフェニル基、4−アミノフェニル基、o−ニト
ロフェニル基、クロロナフチル基、メチルナフチル基等
であり、好ましくはp−クロロフェニル基、m−クロロ
フェニル基、o−クロロフェニル基、p−フルオロフェ
ニル基、m−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニ
ル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフル
オロフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基
である。「置換されてもよいヘテロアリール基」とは、
複数個のハロゲン原子で置換されてもよい低級アルキル
基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ
基、アミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等のアシル基等から
選ばれる同一又は異なってもよい置換基を1乃至3個有
してもよいチオフェン環、フラン環、イミダゾール環、
ピラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジ
ン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、キノ
リン環、又はイソキノリン環等からなる基である。
【0015】上記第一工程、第二工程、第三工程、及び
第四工程を更に説明すると以下の通りである。 〔第一工程〕本工程は、一般式(5)で表されるアセト
酢酸エステル誘導体と一般式(6)で表される4位に脱
離基を有するアセト酢酸エステル誘導体を塩基存在下に
縮合反応させることにより酸素に対して不安定な中間体
(7)を得、これを単離することなく引続き同一反応容
器で加熱脱炭酸反応に付すことにより、一般式(8)で
表されるシクロペンテノン誘導体を製造するものであ
る。用いられる塩基としては、リチウム、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属;リチウムメチラート、リ
チウムエチラート、リチウムイソプロポキシド、リチウ
ムt−ブトキシド、ナトリウムメチラート、ナトリウム
エチラート、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム
t−ブトキシド、カリウムメチラート、カリウムエチラ
ート、カリウムイソプロポキシド、カリウムt−ブトキ
シドなどのアルカリ金属アルコキシド;リチウムアミ
ド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイ
ソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、
カリウムジイソプロピルアミドなどのアルカリ金属アミ
ド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムなどのアルカリ金属水素化物が例示できるが、好適に
はアルカリ金属水素化物、さらに好適には水素化ナトリ
ウムが用いられる。
【0016】反応は溶媒中行われ、反応に関与しないも
のであれば如何なる溶媒の使用も可能であるが、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブタ
ノールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコール
ジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどの極性溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
シチレンなどの芳香族系溶媒、あるいはこれらの混合溶
媒などを例示することができ、好適にはエーテル系溶
媒、さらに好適にはジエチレングリコールジメチルエー
テルが用いられる。反応は−90℃から150℃で行わ
れるが、好適には20℃から90℃で行われる。過剰の
塩基を酸処理した後、無機塩を加えて加熱することによ
り脱炭酸を行う。酸処理のための酸としては、硫酸、塩
酸、硝酸などの鉱酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、p−ト
ルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、クエ
ン酸、ギ酸、酒石酸などの有機酸を例示することがで
き、好適には酢酸が用いられる。無機塩としては塩化リ
チウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチウ
ム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化リチウム、
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどを例示すること
ができ、好適にはヨウ化ナトリウムが用いられる。反応
は50℃から200℃で行われるが、好適には100℃
から150℃で行われる。生成物は精製あるいは精製す
ることなく第二工程に用いることができる。
【0017】〔第二工程〕本工程は前記一般式(8)で
表されるシクロペンテノン誘導体を接触還元し、前記一
般式(9)で表される(1R*,2S*)−4−オキソ−
2−メチルシクロペンタンカルボン酸エステル誘導体を
製造するものである。接触還元の触媒としては、ラネー
ニッケル、パラジウム、パラジウムアルミナ、パラジウ
ム炭素、白金などを例示することができるが、好適には
パラジウム炭素が用いられる。反応は溶媒中行われ、反
応に関与しないものであれば如何なる溶媒の使用も可能
であるが、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶
媒あるいはこれらの混合溶媒などを例示することがで
き、好適にはアルコール系溶媒、さらに好適にはエタノ
ールが用いられる。反応は−90℃から150℃で行わ
れるが、好適には10℃から50℃で行われる。生成物
は精製あるいは精製することなく第三工程に用いること
ができる。
【0018】〔第三工程〕本工程は前記一般式(9)で
表される(1R*,2S*)−4−オキソ−2−メチルシ
クロペンタンカルボン酸エステル誘導体を酸性条件下で
加水分解することにより前記一般式(10)で表される
(1R*,2S*)−4−オキソ−2−メチルシクロペン
タンカルボン酸を製造するものである。反応は水中で行
われ、酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸;酢
酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸、シュウ酸、クエン酸、ギ酸、酒石酸など
の有機酸を例示することができるが、好適には鉱酸が用
いられ、さらに好適には塩酸が用いられる。反応は0℃
から110℃で行われるが、好適には80℃から110
℃で行われる。
【0019】〔第四工程〕本工程は前記一般式(10)
で表される(1R*,2S*)−4−オキソ−2−メチル
シクロペンタンカルボン酸を前記一般式(11)で表さ
れる光学活性アミンと溶媒中(トルエン、キシレン、ベ
ンゼンなどの芳香族系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;四塩化炭素、ク
ロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン
等のハロゲン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、t−ブタノールなどのアルコール系
溶媒)において混合することにより得られる前記一般式
(12)で表される光学活性アミン塩を再結晶すること
により光学分割し、(1S,2R)−4−オキソ−2−
メチルシクロペンタンカルボン酸を製造するものであ
る。光学活性アミン(11)としては(S)−α−メチ
ルベンジルアミン、(S)−α−メチル−p−ヒドロキ
シベンジルアミン、(S)−α−メチル−p−メトキシ
ベンジルアミン、(S)−α−メチル−p−メチルベン
ジルアミン、(S)−α−メチル−p−ニトロベンジル
アミン、(R)−α−2−ナフチルエチルアミン、キニ
ーネを例示することができるが、好適には(S)−α−
メチルベンジルアミンが用いられる。再結晶溶媒は、用
いられる光学活性アミンにより適宜選択されるが、好適
にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒;ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶
媒;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒;トルエン、キ
シレン、ベンゼン等の芳香族系溶媒;アセトン、酢酸エ
チル等溶媒が用いられ、さらに好適にはイソプロピルア
ルコールが用いられる。得られた光学活性アミン塩(1
2)を常法に従い酸性条件下(硫酸、塩酸、硝酸などの
鉱酸)、有機溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸
メチル、酢酸エチル)により抽出することにより、前記
式(13)で表される光学的に純粋な(1S,2R)−
4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸を得
ることができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言
うまでもない。
【実施例1】
【0021】
【化16】
【0022】60%の水素化ナトリウム(19.2 g, 0.48
mol)をジエチレングリコールジメチルエーテル(400
mL)に懸濁し、これにアセト酢酸エチル(62.4 g, 0.48
mol)を氷冷下加え、室温にて30分攪拌した。得られ
た淡黄色の溶液に、4−クロロアセト酢酸メチル(36.1
g, 0.24 mol)を室温下加えて70℃で2.5時間攪拌
した。 室温まで冷却後、酢酸(100 mL)とヨウ化ナト
リウム(144 g, 0.96 mol)を加 えて30分間加熱還流
(約140℃)した。反応混合物を室温まで冷却し、水(5
00 mL)を加え、酢酸エチル(500 mL)で2回抽出し
た。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥
剤をろ別し、減圧濃縮した。得られた残留物をトルエン
(300 mL)に溶解し、活性炭(10 g)を加えて10分間
攪拌した。活性炭をろ別し、減圧濃縮して得られた残留
物を減圧蒸留することにより、4−エトキシカルボニル
−3−メチル−Δ2−シクロペンテノン(25.5 g, 63%)
を淡黄色の液体として得た。このものの各種スペクトル
データは、文献値(L.J.Dolby,et al., J.Org.Chem. 3
3, 4508 (1968))と完全に一致した。
【実施例2】
【0023】
【化17】
【0024】(1)実施例1で得られた 4−エトキシ
カルボニル−3−メチル−Δ2−シクロペンテノン(37.
4 g, 223 mmol)をエタノール(350 mL)に溶解し、1
0%のパラジウム−炭素(3.7 g)を加えて水素雰囲気
下(1 atm)室温で3時間攪拌した。パラジウム−炭素
をろ別し、減圧濃縮することにより(1R*,2S*)−
4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸エチ
ル(37.9 g, 100%)を淡黄色油状物質として得た。この
ものは精製することなく次の反応に用いた。1 HNMR(CDCl3, 300 MHz) δ 4.19(2H, q, J=7.0 Hz),
3.17(1H, q, J=7.0 Hz), 2.76-2.57(2H, m), 2.42-2.2
9(2H, m), 2.16(1H, dd, J=7.7, 17.6 Hz), 1.29(3H,
t, J=7.0 Hz), 1.06(3H, d, J=6.9 Hz) IR(neat) 2966, 1748, 1700, 1403, 1379, 1197, 115
8, 1039 cm-1 MS(EI, 高分解能) 測定値 170.0960, 計算値 170.09
43
【0025】
【化18】
【0026】(2)実施例2(1)で得た(1R*,2
*)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸エチル(37.9 g, 223 mmol)を塩酸(3 mol/L, 320
mL)に懸濁し、18時間加熱還流した。反応混合物を
減圧濃縮し、得られた残留物にトルエン(300 mL)、活
性炭(10 g)、硫酸マグネシウムを加えて室温で15分
間攪拌した。不溶物をろ別し、減圧濃縮して得られた残
留物を減圧蒸留することにより(1R*,2S*)−4−
オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸(23.1
g, 73%)を淡黄色油状物質として得た。 沸点 110-130 ℃ / 45 Pa1 HNMR(CDCl3, 300 MHz) δ 8.51(1H, br s), 3.25(1
H, m), 2.76(1H, sept,J=7.2 Hz), 2.65 (1H, ddd, J=
1.4, 5.6, 18.9 Hz), 2.47-2.37(2H, m), 2.20(1H, dd
d, J=1.4, 7.8, 18.3 Hz), 1.16(3H, d, J=7.0 Hz) IR(CHCl3) 3021, 2968, 1745, 1710, 1233, 1161 cm
-1 元素分析 (S)−α−メチルベンジルアミン塩として
測定(実施例3参照)。
【実施例3】
【0027】
【化19】
【0028】実施例2(2)で得られた(1R*,2
*)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸(23.1 g, 163 mmol)をトルエン(300 mL)に溶解
し、激しく攪拌しながら(S)−α−メチルベンジルア
ミン(98 %ee, 19.7 g, 163 mmol)を氷冷下に加えた。
析出した結晶をろ取し、結晶に対して10倍量のイソプ
ロピルアルコールから3回再結晶を繰り返すことにより
(1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタ
ンカルボン酸の(S)−α−メチルベンジルアミン塩
(8.57 g, 20%)を無色結晶として得た。 融点 129-134 ℃(分解)1 HNMR(D2O, 300 MHz) δ 7.48(5H, s), 4.53(1H, q,
J=7.4 Hz), 3.06(1H,q, J=7.0 Hz), 2.67(1H, sept,
J=7.4 Hz), 2.53-2.32(3H, m), 2.13 (1H, ddd,J=1.4,
7.8, 18.3 Hz), 1.65(3H, d, J=7.0 Hz), 1.00(3H, d,
J=7.4Hz) IR(KBr) 2963, 1734, 1625, 1526, 1420, 1309, 116
2, 698 cm-1 分析 C15H21NO3: 計算値 C, 68.42; H, 8.04; N 5.3
2. 測定値 C, 68.30;H, 8.32; N 5.24. 〔α〕20 D -9.66 (c 2.03, H2O) (1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタ
ンカルボン酸の(S)−α−メチルベンジルアミン塩
(8.57 g, 32.6 mmol)を水(100 mL)に溶解し、濃塩酸
によりpHを約1として酢酸エチル(100 mL)で2回抽出
した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮することにより(1R,2R)−4−オキソ−2
−メチルシクロペンタンカルボン酸(4.3 g) を無色結
晶として得た。1 HNMR(CDCl3, 300 MHz) δ 8.51(1H, br s), 3.25(1
H, m), 2.76(1H, sept,J=7.2 Hz), 2.65 (1H, ddd, J=
1.4, 5.6, 18.9 Hz), 2.47-2.37(2H, m), 2.20(1H, dd
d, J=1.4, 7.8, 18.3 Hz), 1.16(3H, d, J=7.0 Hz) IR(CHCl3) 3021, 2968, 1745, 1710, 1233, 1161 cm
-1 〔α〕20 D -40.26 (c 3.025, CHCl3
【実施例4】
【0029】
【化20】
【0030】実施例2(2)で得られた(1R*,2
*)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸(4.97 g, 35 mmol)をトルエン(100 mL) に溶解
し、激しく攪拌しながら(R)−1−(1−ナフチル)
エチルアミン(98%ee, 5.99 g, 35 mmol)を氷冷下に加
えた。析出した結晶をろ取し、酢酸エチル(110 mL)か
ら再結晶することにより(1S,2R)−4−オキソ−
2−メチルシクロペンタンカルボン酸の(R)−1−
(1−ナフチル)エチルアミン塩(2.35 g, 21%)を無色
結晶として得た。 融点 115-117 ℃(分解)1 HNMR(D2O, 300 MHz) δ 8.10(1H, d, J=8.4 Hz),
7.98(2H, t, J=8.4 Hz),7.69-7.57(4H, m), 5.40(1H,
q, J=6.7 Hz), 2.99(1H, q, J=6.6 Hz), 2.61(1H,sept,
J=7.3 Hz), 2.49-2.25(3H, m), 2.09(1H, dd, J=6.9,
18.7 Hz), 1.74(3H, d, J=6.6 Hz), 0.96(3H, d, J=7.0
Hz) IR(KBr) 2946, 1741, 1630, 1570, 1530, 1418, 1305,
1158, 804, 778 cm-1分析 C19H23NO3: 計算値 C, 7
2.82; H, 7.40; N 4.47. 測定値 C, 72.81;H, 7.45;
N 4.46. 〔α〕20 D -9.02 (c 1.12, MeOH) (1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタ
ンカルボン酸の(R)−1−(1−ナフチル)エチルア
ミン塩(1.83 g, 5.85 mmol)を水 (100 mL)に溶解
し、濃塩酸によりpHを約1として酢酸エチル(70 mL)
で2回抽出した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧濃縮した。残留物をトルエン(20 mL)に
溶解し、活性炭(500 mg) を加えて15分間攪拌し
た。不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮することにより
(1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタ
ンカルボン酸(636 mg)を無色結晶として得た。1 HNMR(CDCl3, 300 MHz) δ 8.51(1H, br s), 3.25(1
H, m), 2.76(1H, sept,J=7.2 Hz), 2.65 (1H, ddd, J=
1.4, 5.6, 18.9 Hz), 2.47-2.37(2H, m), 2.20(1H, dd
d, J=1.4, 7.8, 18.3 Hz), 1.16(3H, d, J=7.0 Hz) IR(CHCl3) 3021, 2968, 1745, 1710, 1233, 1161 cm
-1 〔α〕20 D -37.9 (c 3.24, CHCl3
【実施例5】
【0031】
【化21】
【0032】実施例2(2)で得られた(1R*,2
*)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボ
ン酸(10.0 g, 70.5 mmol)とキニーネ(22.8 g, 70.5
mmol)をエタノール(25mL)に熱時溶解し、室温で3時
間放置した。析出した結晶をろ取し、これをさらに6回
エタノールから再結晶することにより(1S,2R)−
4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカルボン酸のキ
ニーネ塩(8.3 g, 25%)を無色結晶として得た。 融点 173-175 ℃ 〔α〕20 D -139.8 (c 1.42, CHCl3) (1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタ
ンカルボン酸のキニーネ塩(8.0g, 17.2mmol)を1N塩
酸(20 mL)に溶解し、酢酸エチル(15 mL)で5回抽出
した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮して得られた残渣を減圧蒸留することにより(1
S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカ
ルボン酸(2.15g,88%)を得た。 このものの各種スペク
トルデータは、実施例3で得たものと完全に一致した。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、化合物(8)が化合物
(5)と化合物(6)によりワンポットで得られ、化合
物(8)を接触水素化、それに続く加水分解により立体
選択的に化合物(10)に導くことができる。また、化
合物(10)は化合物(11)により効率良く光学分割
することができ、光学的に純粋な化合物(13)を得る
ことができる。従って、本発明によればTRH誘導体を
製造するのに有用な光学的に純粋な中間体である(1
S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカ
ルボン酸を従来技術に比較して極めて簡便な方法で、し
かも少ない工程数で効率よく製造し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/757 Z 9279−4H 211/27 (72)発明者 柴田 才三 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 内田 逸郎 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 【化1】 〔式中、R1 はカルボキシル基の保護基を表す〕で表さ
    れるアセト酢酸誘導体を、下記一般式 【化2】 〔式中、R2 は水素原子、又はカルボキシル基の保護基
    を表し、Xはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ
    基、又は置換されてもよいアリールスルホニルオキシ基
    を表す〕で表される4−置換アセト酢酸誘導体と縮合さ
    せることにより得られる下記一般式 【化3】 〔式中、R1およびR2は前記と同一である〕で表される
    シクロペンテノン誘導体を単離することなく引続き同一
    反応容器内で脱炭酸反応させることによりなる、下記一
    般式 【化4】 〔式中、R1 は前記と同一である〕で表されるシクロペ
    ンテノン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式 【化5】 〔式中、R1 はカルボキシル基の保護基を表す〕で表さ
    れるシクロペンテノン誘導体を接触還元することにより
    得られる下記一般式 【化6】 〔式中、R1 は前記と同一である〕で表されるシクロペ
    ンタノン誘導体を加水分解することによりなる、下記一
    般式 【化7】 で表される(1R*,2S*)−4−オキソ−2−メチル
    シクロペンタンカルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式 【化8】 で表される(1R*,2S*)−4−オキソ−2−メチル
    シクロペンタンカルボン酸を各種光学活性アミンとのジ
    アステレオマー塩を経由して光学分割を行うことにより
    なる、下記式 【化9】 で表される(1S,2R)−4−オキソ−2−メチルシ
    クロペンタンカルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式 【化10】 〔式中、R3 は置換されてもよいアリール基、又は置換
    されてもよいヘテロアリール基を表す〕で表される(1
    S,2R)−4−オキソ−2−メチルシクロペンタンカ
    ルボン酸の光学活性アミン塩誘導体。
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