JPH0718789B2 - 応力腐食割れ試験管の製造方法 - Google Patents
応力腐食割れ試験管の製造方法Info
- Publication number
- JPH0718789B2 JPH0718789B2 JP29602285A JP29602285A JPH0718789B2 JP H0718789 B2 JPH0718789 B2 JP H0718789B2 JP 29602285 A JP29602285 A JP 29602285A JP 29602285 A JP29602285 A JP 29602285A JP H0718789 B2 JPH0718789 B2 JP H0718789B2
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- Japan
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- stress
- corrosion cracking
- stress corrosion
- pipe
- heated
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- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
- Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は応力腐食割れ試験管の製造方法に係わり、特
に、原子力発電プラントや化学プラント等において用い
られる配管検査機器の校正用としての試験管を製作する
場合に用いて好適な、応力腐食割れ試験管の製造方法に
関するものである。
に、原子力発電プラントや化学プラント等において用い
られる配管検査機器の校正用としての試験管を製作する
場合に用いて好適な、応力腐食割れ試験管の製造方法に
関するものである。
「従来の技術」 一般に、金属管を溶接した場合、該溶接部分に引張残留
応力が生じることが知られており、また、該引張残留応
力が発生した金属管に腐食因子が接触すると、金属管の
管壁に、引張残留応力と直交する方向に沿って応力腐食
割れが急速に進行することが知られている。特に、原子
力発電プラントや化学プラント等においては、腐食性流
体の輸送に用いられる配管が多いことから、その対策が
厳重に実施されているとともに、定期的にあるいは必要
に応じて、溶接部分における応力腐食割れの有無を超音
波探傷器あるいはX線探傷器等を用いて検査するように
している。
応力が生じることが知られており、また、該引張残留応
力が発生した金属管に腐食因子が接触すると、金属管の
管壁に、引張残留応力と直交する方向に沿って応力腐食
割れが急速に進行することが知られている。特に、原子
力発電プラントや化学プラント等においては、腐食性流
体の輸送に用いられる配管が多いことから、その対策が
厳重に実施されているとともに、定期的にあるいは必要
に応じて、溶接部分における応力腐食割れの有無を超音
波探傷器あるいはX線探傷器等を用いて検査するように
している。
ところで、前述した応力腐食割れは微少なものであるこ
とから、検査員が異なった場合、その大きさが一定であ
るにも拘わらず、応力腐食割れを発見できないケースが
想定されることから、検査員の訓練を行なうために、自
然に生じた応力腐食割れと同様の応力腐食割れを有する
試験管の提供が望まれている。
とから、検査員が異なった場合、その大きさが一定であ
るにも拘わらず、応力腐食割れを発見できないケースが
想定されることから、検査員の訓練を行なうために、自
然に生じた応力腐食割れと同様の応力腐食割れを有する
試験管の提供が望まれている。
そこで従来では、金属管をその長さ方向に沿う引張り力
や曲げ力を与えた状態に保持するとともに、該金属管を
腐食性流体中に置くことにより、管壁に応力腐食割れを
発生させる方法、あるいは、金属管に施した周溶接の一
部を除去し、該除去部分に再度溶接を施して引張残留応
力を生じさせるとともに、該金属管に腐食性流体を接触
させることによって、応力腐食割れを発生させる方法等
が試みられている。
や曲げ力を与えた状態に保持するとともに、該金属管を
腐食性流体中に置くことにより、管壁に応力腐食割れを
発生させる方法、あるいは、金属管に施した周溶接の一
部を除去し、該除去部分に再度溶接を施して引張残留応
力を生じさせるとともに、該金属管に腐食性流体を接触
させることによって、応力腐食割れを発生させる方法等
が試みられている。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、前述した従来の技術における次のような問題
点を解決せんとするものである。
点を解決せんとするものである。
すなわち、前述した第1の方法によって試験管を製造す
ると、試験管の管径が大きい場合、多大な引張り力を必
要とし、該引張り力を得るために大きな設備が必要とな
り、また、金属管に常時引張り力を作用させておくもの
であるから、割れが生じた場合に、該割れの開口が必要
以上に拡大されて現実の割れから掛け離れたものになっ
てしまうといった問題点を生じ、さらに、第2の方法に
よって試験管を製造すると、再溶接時の溶接の大きさや
溶接条件によっては、割れが管壁の途中で減速したり停
止してしまうといった問題点を生じる。
ると、試験管の管径が大きい場合、多大な引張り力を必
要とし、該引張り力を得るために大きな設備が必要とな
り、また、金属管に常時引張り力を作用させておくもの
であるから、割れが生じた場合に、該割れの開口が必要
以上に拡大されて現実の割れから掛け離れたものになっ
てしまうといった問題点を生じ、さらに、第2の方法に
よって試験管を製造すると、再溶接時の溶接の大きさや
溶接条件によっては、割れが管壁の途中で減速したり停
止してしまうといった問題点を生じる。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、前述した従来の諸問題点を有効に解消し得る
応力腐食割れ試験管の製造方法を提供せんとするもの
で、水平状態に保持した金属管の管壁に、管の周長の10
%ないし25%程度の未冷却部分を残して軸方向に冷却水
を接触させることにより管壁の冷却を行なうとともに、
上方に残された未冷却部分を、ほぼその軸方向の長さに
わたって加熱することにより、加熱した部分と冷却水に
接触している部分との間に温度差を与えて、加熱した部
分に降伏点以上の圧縮方向の熱応力を生じさせ、次いで
金属管全体を冷却することにより、加熱した部分に引張
残留応力を生じさせた状態とし、しかるのちに金属管を
腐食性流体内に設置して、加熱処理した部分に応力腐食
割れを生じさせる方法を採用している。
応力腐食割れ試験管の製造方法を提供せんとするもの
で、水平状態に保持した金属管の管壁に、管の周長の10
%ないし25%程度の未冷却部分を残して軸方向に冷却水
を接触させることにより管壁の冷却を行なうとともに、
上方に残された未冷却部分を、ほぼその軸方向の長さに
わたって加熱することにより、加熱した部分と冷却水に
接触している部分との間に温度差を与えて、加熱した部
分に降伏点以上の圧縮方向の熱応力を生じさせ、次いで
金属管全体を冷却することにより、加熱した部分に引張
残留応力を生じさせた状態とし、しかるのちに金属管を
腐食性流体内に設置して、加熱処理した部分に応力腐食
割れを生じさせる方法を採用している。
「作用」 本発明に係わる応力腐食割れ試験管の製造方法にあって
は、加熱時に、未冷却部分に温度上昇による熱膨張が生
じ、この熱膨張を冷却水に接触している部分が抑制する
ことにより、加熱した部分に熱膨張を阻止することに基
づく圧縮方向の熱応力が生じて、熱応力が降伏点以上に
なると、加熱した部分に圧縮方向の塑性変形が付与され
る。
は、加熱時に、未冷却部分に温度上昇による熱膨張が生
じ、この熱膨張を冷却水に接触している部分が抑制する
ことにより、加熱した部分に熱膨張を阻止することに基
づく圧縮方向の熱応力が生じて、熱応力が降伏点以上に
なると、加熱した部分に圧縮方向の塑性変形が付与され
る。
金属管が全体的に冷却されて均一な温度になると、加熱
した部分の塑性変形寸法分だけ収縮しようとするが、こ
の収縮を金属管全体で阻止することにより、塑性変形部
分に引張残留応力を生じさせた状態となる。
した部分の塑性変形寸法分だけ収縮しようとするが、こ
の収縮を金属管全体で阻止することにより、塑性変形部
分に引張残留応力を生じさせた状態となる。
その後、引張残留応力を生じさせた状態の金属管を腐食
性流体に接触させると、引張残留応力の発生部分に、時
間経過とともに応力腐食割れが付与される。
性流体に接触させると、引張残留応力の発生部分に、時
間経過とともに応力腐食割れが付与される。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
まず、第1図に示すように、応力腐食割れを発生させる
べき金属管1の両端部を栓2によって液密に閉塞したの
ちに、該金属管1内に、矢印で示すように、各栓2にお
ける上部と下部とに離間させて形成した供給口2aおよび
排出口2bを介して冷却水Wを連続して供給する。
べき金属管1の両端部を栓2によって液密に閉塞したの
ちに、該金属管1内に、矢印で示すように、各栓2にお
ける上部と下部とに離間させて形成した供給口2aおよび
排出口2bを介して冷却水Wを連続して供給する。
この時、前記冷却水Wの供給量を制御することにより、
あるいは、前記排出口2bと金属管1の内壁面との間隔を
適宜設定することにより、金属管1の内面の一部に冷却
水Wとの非接触部Aを形成して、該非接触部Aを残して
金属管1の冷却を行なう。該非接触部Aの大きさは、管
の周長の1/4〜1/10の範囲で設定する。
あるいは、前記排出口2bと金属管1の内壁面との間隔を
適宜設定することにより、金属管1の内面の一部に冷却
水Wとの非接触部Aを形成して、該非接触部Aを残して
金属管1の冷却を行なう。該非接触部Aの大きさは、管
の周長の1/4〜1/10の範囲で設定する。
このような冷却操作を継続して行ないつつ、前記非接触
部Aを金属管1の外面側からバーナ3によって、管軸の
長さ方向に設定距離(この長さは、金属管1の周方向に
応力腐食割れを発生させる場合には、金属管1の半径と
同等以上である)加熱することにより、非接触部Aの管
壁と冷却されている管壁との間に、第3図(A)に示す
ように、温度差を与える。この時、非接触部Aの内壁は
空気と接触して容易に高温に達すること、また、その他
の冷却水Wと接触している部分が、該冷却水Wの沸騰に
よってほぼ100℃に保持されることから、管壁の肉厚方
向にほぼ均一な温度で加熱されるとともに、前記温度差
が確実に得られ、さらに、非接触部Aが金属管1の周長
の25%〜10%であることから熱による歪みが該非接触部
Aに集中し、該非接触部Aに、第3図(B)に示すよう
に、圧縮応力−σが発生する。
部Aを金属管1の外面側からバーナ3によって、管軸の
長さ方向に設定距離(この長さは、金属管1の周方向に
応力腐食割れを発生させる場合には、金属管1の半径と
同等以上である)加熱することにより、非接触部Aの管
壁と冷却されている管壁との間に、第3図(A)に示す
ように、温度差を与える。この時、非接触部Aの内壁は
空気と接触して容易に高温に達すること、また、その他
の冷却水Wと接触している部分が、該冷却水Wの沸騰に
よってほぼ100℃に保持されることから、管壁の肉厚方
向にほぼ均一な温度で加熱されるとともに、前記温度差
が確実に得られ、さらに、非接触部Aが金属管1の周長
の25%〜10%であることから熱による歪みが該非接触部
Aに集中し、該非接触部Aに、第3図(B)に示すよう
に、圧縮応力−σが発生する。
ここで前記温度差を所定の大きさとすることにより、前
記圧縮応力−σを降伏応力−σy以上とする。この降伏
応力−σyを生じさせ得る温度差は次式から求められ
る。
記圧縮応力−σを降伏応力−σy以上とする。この降伏
応力−σyを生じさせ得る温度差は次式から求められ
る。
σ=E・ε=E・α・ΔT 但し、ΔT;非接触部Aと冷却部分との温度差、 σ;非接触部Aに生じる圧縮応力 E;ヤング係数 α;線膨張係数 ε;熱歪み そして前記金属管1をオーステナイト系ステンレス鋼と
すると、 E≒2.0×104kg/mm2、 α≒1.6×10-5mm/mm℃ であるから、例えばσを降伏応力以上の値として、64.0
kg/mm2とした場合、前記ΔTは約200℃である。
すると、 E≒2.0×104kg/mm2、 α≒1.6×10-5mm/mm℃ であるから、例えばσを降伏応力以上の値として、64.0
kg/mm2とした場合、前記ΔTは約200℃である。
したがって、前述した温度差ΔTを与えることにより、
非接触部Aに生じる圧縮応力−σを、第3図(B)およ
び第4図の応力−歪線図に示すように、(圧縮)降伏応
力−σyとすることができる。
非接触部Aに生じる圧縮応力−σを、第3図(B)およ
び第4図の応力−歪線図に示すように、(圧縮)降伏応
力−σyとすることができる。
次いで、前記金属管1を全体的に室温まで冷却すること
により、第3図(C)に示すように、前記非接触部Aに
引張残留応力+σを発生させる。
により、第3図(C)に示すように、前記非接触部Aに
引張残留応力+σを発生させる。
すなわち、金属管1の冷却に伴って、前記非接触部Aに
おける応力−歪は、前述したように降伏応力−σy以上
の応力が与えられた後であるから、第4図に示すように
ヒステリシスを描いて変化し、室温まで冷却された時点
で、前述したように非接触部Aに引張残留応力+σを発
生させることができる。そしてその大きさは、第4図に
示すように、ほぼ(引張)降伏応力+σyと同等であ
る。
おける応力−歪は、前述したように降伏応力−σy以上
の応力が与えられた後であるから、第4図に示すように
ヒステリシスを描いて変化し、室温まで冷却された時点
で、前述したように非接触部Aに引張残留応力+σを発
生させることができる。そしてその大きさは、第4図に
示すように、ほぼ(引張)降伏応力+σyと同等であ
る。
そして、前述したように非接触部Aが管壁の肉厚方向に
均一に加熱されていることから、前記引張残留応力+σ
も同様に、管壁の肉厚方向に均一に発生させられる。
均一に加熱されていることから、前記引張残留応力+σ
も同様に、管壁の肉厚方向に均一に発生させられる。
しかるのちに、前記引張残留応力+σを与えた金属管1
を腐食性流体中に設置して、あるいは、内部に腐食性流
体を流して、該腐食性流体を非接触部Aに接触させるこ
とにより、該非接触部Aに周方向に沿う応力腐食割れを
発生させて、応力腐食割れ試験管を製造する。
を腐食性流体中に設置して、あるいは、内部に腐食性流
体を流して、該腐食性流体を非接触部Aに接触させるこ
とにより、該非接触部Aに周方向に沿う応力腐食割れを
発生させて、応力腐食割れ試験管を製造する。
このような方法によって応力腐食割れ試験管を製造する
と、金属管1の管壁に、肉厚方向に均一な引張残留応力
を発生させることができるので、応力腐食割れを迅速に
発生させることができるとともに、前記引張残留応力を
ほぼ降伏応力+σyとすることができるので、応力腐食
割れを確実に発生させることができる。かつ、前記応力
が外力によって発生させられたものではないから、応力
腐食割れが進行して、管壁を貫通した時点で前記応力が
解放されるために、割れの開口をむやみに大きくするよ
うなことはない。したがって、より確実にかつ自然発生
に近い応力腐食割れを有する応力腐食割れ試験管を得る
ことができる。
と、金属管1の管壁に、肉厚方向に均一な引張残留応力
を発生させることができるので、応力腐食割れを迅速に
発生させることができるとともに、前記引張残留応力を
ほぼ降伏応力+σyとすることができるので、応力腐食
割れを確実に発生させることができる。かつ、前記応力
が外力によって発生させられたものではないから、応力
腐食割れが進行して、管壁を貫通した時点で前記応力が
解放されるために、割れの開口をむやみに大きくするよ
うなことはない。したがって、より確実にかつ自然発生
に近い応力腐食割れを有する応力腐食割れ試験管を得る
ことができる。
しかも、熱処理を施すに際して、金属管1を閉塞する栓
2と、冷却水Wの供給装置と、金属管1を加熱するバー
ナー3といった簡便な装置によって行なうことができる
とともに、応力腐食割れを発生させる場合に、金属管1
を腐食性流体中に放置しておくだけでよいから、作業性
が極めて高く、かつ、作業時間が短くて済む。
2と、冷却水Wの供給装置と、金属管1を加熱するバー
ナー3といった簡便な装置によって行なうことができる
とともに、応力腐食割れを発生させる場合に、金属管1
を腐食性流体中に放置しておくだけでよいから、作業性
が極めて高く、かつ、作業時間が短くて済む。
なお、前記実施例において示した諸条件等は一例であっ
て、目的とする応力腐食割れの大きさや方向等によって
種々変更可能である。
て、目的とする応力腐食割れの大きさや方向等によって
種々変更可能である。
例えば、加熱時における周方向の加熱範囲と長さ方向の
加熱範囲との比率を適宜設定することにより、応力腐食
割れの方向を周方向から長さ方向へ変えることも可能で
あり、また、前記加熱を周方向に間隔をおいて複数箇所
で実施することにより、複数箇所に応力腐食割れを発生
させることもできる。さらに、応力腐食割れの発生を促
進させるために、腐食促進治具を用いるようにしてもよ
い。該腐食促進治具としては、例えばカーボンファイバ
ーによって形成された不織布が挙げられ、該不織布を引
張残留応力の発生部分に配して、金属管1の管壁との間
に、微少間隙が形成されるようにすると、いわゆる隙間
腐食によって腐食を加速することができる。
加熱範囲との比率を適宜設定することにより、応力腐食
割れの方向を周方向から長さ方向へ変えることも可能で
あり、また、前記加熱を周方向に間隔をおいて複数箇所
で実施することにより、複数箇所に応力腐食割れを発生
させることもできる。さらに、応力腐食割れの発生を促
進させるために、腐食促進治具を用いるようにしてもよ
い。該腐食促進治具としては、例えばカーボンファイバ
ーによって形成された不織布が挙げられ、該不織布を引
張残留応力の発生部分に配して、金属管1の管壁との間
に、微少間隙が形成されるようにすると、いわゆる隙間
腐食によって腐食を加速することができる。
補足説明すると、隙間腐食の加速は、腐食因子と微少間
隙を形成する金属等の腐食電位の相違との重畳により腐
食が加速されること等により生じる。
隙を形成する金属等の腐食電位の相違との重畳により腐
食が加速されること等により生じる。
さらにまた、前記金属管1の冷却方法として、前述した
例の他に、第5図に示す方法を採用することもできる。
すなわち、冷却水Wがその液面が所定レベルに保持され
た状態で給排出されている水槽4内に、前記金属管1を
挿入するとともに、その管壁の一部を外部に露出させた
状態に支持する方法である。
例の他に、第5図に示す方法を採用することもできる。
すなわち、冷却水Wがその液面が所定レベルに保持され
た状態で給排出されている水槽4内に、前記金属管1を
挿入するとともに、その管壁の一部を外部に露出させた
状態に支持する方法である。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わる応力腐食割れ試験
管の製造方法は、金属管の管壁をその一部を残して冷却
するとともに、前記管壁の未冷却部分を加熱処理するこ
とにより、該加熱処理した部分と前記冷却部分との間
に、未冷却部分に降伏点以上の熱応力を生じさせる温度
差を与え、次いで金属管全体を冷却することにより、前
記加熱処理した部分に引張残留応力を生じさせ、しかる
のちに該金属管を腐食性流体内に設置して、前記加熱処
理した部分に応力腐食割れを生じさせることを特徴とす
るもので、次のような優れた効果を奏する。
管の製造方法は、金属管の管壁をその一部を残して冷却
するとともに、前記管壁の未冷却部分を加熱処理するこ
とにより、該加熱処理した部分と前記冷却部分との間
に、未冷却部分に降伏点以上の熱応力を生じさせる温度
差を与え、次いで金属管全体を冷却することにより、前
記加熱処理した部分に引張残留応力を生じさせ、しかる
のちに該金属管を腐食性流体内に設置して、前記加熱処
理した部分に応力腐食割れを生じさせることを特徴とす
るもので、次のような優れた効果を奏する。
金属管の管壁に、肉厚方向に均一な引張残留応力を発
生させることができるので、応力腐食割れを迅速に発生
させることができるとともに、前記引張残留応力をほぼ
降伏応力とすることができるので、応力腐食割れを確実
に発生させることができる。
生させることができるので、応力腐食割れを迅速に発生
させることができるとともに、前記引張残留応力をほぼ
降伏応力とすることができるので、応力腐食割れを確実
に発生させることができる。
応力腐食割れを発生させる際の応力が、外力によって
与えられるものではないから、応力腐食割れが進行して
管壁を貫通した時点で、前記応力を解放させて、割れの
開口がむやみに大きくなることを防止することができ
る。
与えられるものではないから、応力腐食割れが進行して
管壁を貫通した時点で、前記応力を解放させて、割れの
開口がむやみに大きくなることを防止することができ
る。
したがって、前記およびの効果により、確実にか
つ自然発生に近い応力腐食割れを有する応力腐食割れ試
験管を得ることができる。
つ自然発生に近い応力腐食割れを有する応力腐食割れ試
験管を得ることができる。
熱処理を施すに際して、金属管を閉塞する栓または金
属管を浸漬するための水槽と、冷却水の供給装置と、金
属管を加熱するバーナーといった簡便な装置によって行
なうことができるとともに、応力腐食割れを発生させる
場合に、金属管を腐食性流体中に放置しておくだけでよ
いから、作業性を高めて作業時間を大幅に短縮すること
ができる。
属管を浸漬するための水槽と、冷却水の供給装置と、金
属管を加熱するバーナーといった簡便な装置によって行
なうことができるとともに、応力腐食割れを発生させる
場合に、金属管を腐食性流体中に放置しておくだけでよ
いから、作業性を高めて作業時間を大幅に短縮すること
ができる。
図面は、本発明の一実施例を示すもので、第1図は一実
施例を説明するための装置の概略図側面図、第2図は第
1図のII-II線に沿う矢視断面図、第3図(A)は加熱
状態における金属管の周方向の温度分布線図、第3図
(B)は加熱状態における金属管の周方向の応力分布
図、第3図(C)は冷却後の金属管の周方向の応力分布
図、第4図は熱処理によって金属管に発生させられる応
力を説明するための応力−歪み線図、第5図は金属管の
冷却を行なうための他の装置例の概略を示す斜視図であ
る。 1……金属管、2……栓、2a……(冷却水)供給口、2b
……(冷却水)排出口、3……バーナー、4……水槽。
施例を説明するための装置の概略図側面図、第2図は第
1図のII-II線に沿う矢視断面図、第3図(A)は加熱
状態における金属管の周方向の温度分布線図、第3図
(B)は加熱状態における金属管の周方向の応力分布
図、第3図(C)は冷却後の金属管の周方向の応力分布
図、第4図は熱処理によって金属管に発生させられる応
力を説明するための応力−歪み線図、第5図は金属管の
冷却を行なうための他の装置例の概略を示す斜視図であ
る。 1……金属管、2……栓、2a……(冷却水)供給口、2b
……(冷却水)排出口、3……バーナー、4……水槽。
Claims (1)
- 【請求項1】水平状態に保持した金属管(1)の管壁
に、管の周長の10%ないし25%程度の未冷却部分(A)
を残して軸方向に冷却水(W)を接触させることにより
管壁の冷却を行なうとともに、上方に残された未冷却部
分を、ほぼその軸方向の長さにわたって加熱することに
より、加熱した部分と冷却水に接触している部分との間
に温度差を与えて、加熱した部分に降伏点以上の圧縮方
向の熱応力を生じさせ、次いで金属管全体を冷却するこ
とにより、加熱した部分に引張残留応力を生じさせた状
態とし、しかるのちに金属管を腐食性流体内に設置し
て、加熱処理した部分に応力腐食割れを生じさせること
を特徴とする応力腐食割れ試験管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29602285A JPH0718789B2 (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 応力腐食割れ試験管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29602285A JPH0718789B2 (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 応力腐食割れ試験管の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62153733A JPS62153733A (ja) | 1987-07-08 |
JPH0718789B2 true JPH0718789B2 (ja) | 1995-03-06 |
Family
ID=17828103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29602285A Expired - Lifetime JPH0718789B2 (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 応力腐食割れ試験管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0718789B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8514998B2 (en) * | 2005-01-31 | 2013-08-20 | Hitachi-Ge Nuclear Energy, Ltd. | Induction heating stress improvement |
CN109781611B (zh) * | 2018-12-10 | 2021-03-02 | 苏州热工研究院有限公司 | 用于核电站压水堆主管道应力腐蚀开裂的量化评价方法 |
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1985
- 1985-12-27 JP JP29602285A patent/JPH0718789B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS62153733A (ja) | 1987-07-08 |
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