JPH07183021A - 鉛蓄電池用ガラス繊維製品及びその製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池用ガラス繊維製品及びその製造方法

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JPH07183021A
JPH07183021A JP5324347A JP32434793A JPH07183021A JP H07183021 A JPH07183021 A JP H07183021A JP 5324347 A JP5324347 A JP 5324347A JP 32434793 A JP32434793 A JP 32434793A JP H07183021 A JPH07183021 A JP H07183021A
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JP
Japan
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glass fiber
binder
woven fabric
glass
fiber product
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JP5324347A
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Shinji Saito
慎治 斉藤
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Resonac Corp
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Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結着剤の溶出、分解を抑制して、電池寿命を
延ばせる鉛蓄電池用ガラス繊維製品を得る。 【構成】 シリカを水ガラスに溶解した無機系結着剤溶
液をスプレーによりガラス繊維成形品に浸透させる。そ
して結着剤溶液を浸透させたガラス繊維成形品を加熱し
て結着剤溶液を硬化させ、ガラス繊維成形品のガラス繊
維を結着剤により相互に結着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス繊維不織布また
はガラス繊維織布を用いて作る鉛蓄電池用ガラス繊維製
品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池に用いるガラス繊維製品として
は、鉛蓄電池のリテーナやクラッド式鉛蓄電池のチュー
ブ等がある。鉛蓄電池のリテーナはガラス繊維不織布を
用いて作られており、クラッド式鉛蓄電池のチューブは
ガラス繊維織布を用いて作られている。これらのガラス
繊維製品は、ガラス繊維が結着剤により相互に結着され
て形成されており、内部に硫酸からなる電解液が含浸さ
れる。従来はこのような結着剤としてアクリル樹脂、フ
ェノール樹脂等の有機系結着剤を用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機系
結着剤は、鉛蓄電池の充放電中に電解液である硫酸の浸
蝕や酸化反応により低級な有機酸が溶出または分解す
る。そのため、集電体が腐食したり、溶出した有機酸が
負極板に吸着して水素過電圧が変化する。また結着剤が
溶出、分解することによりガラス繊維の相互の結合が解
かれて、活物質に対するガラス繊維不織布またはガラス
繊維織布の押圧力が低下し、電池の充放電に伴う活物質
の脱落を十分に防止できない。そのため電池の寿命性能
が低下するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、結着剤の溶出、分解を抑
制して、電池寿命を延ばせる鉛蓄電池用ガラス繊維製品
及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ガラ
ス繊維が結着剤により相互に結着されてなるガラス繊維
不織布またはガラス繊維織布を用いて鉛蓄電池用ガラス
繊維製品を製造する方法を対象にして、結着剤として無
機系結着剤を用いる。
【0006】請求項2の発明では、無機系結着剤として
シリカを主成分とするものを用いる。
【0007】請求項3の発明では、溶媒中にシリカが1
〜10重量%含まれた結着剤溶液をガラス繊維不織布ま
たはガラス繊維織布全体に浸透させる。
【0008】請求項4の発明では、結着剤溶液の主たる
溶媒として水ガラスを用いる。
【0009】請求項5の発明は、ガラス繊維が結着剤に
より相互に結着されてなるガラス繊維不織布またはガラ
ス繊維織布を用いて作られる鉛蓄電池用ガラス繊維製品
を対象にして、ガラス繊維不織布またはガラス繊維織布
が結着剤として無機系結着剤を用いて作られたものを用
いる。
【0010】
【作用】無機物は有機物に比べて、硫酸に溶出したり酸
化分解し難い。そのため本発明のように、結着剤として
無機系結着剤を用いると、集電体が腐食したり、水素過
電圧が変化するのを防ぐことができる上、ガラス繊維の
相互の結合を強固にして、活物質に対するガラス繊維不
織布またはガラス繊維織布の押圧力の低下を防ぐことが
できる。
【0011】またシリカを主成分とする溶質を含む結着
剤溶液はアルカリ性を示すので、結着剤溶液はガラス繊
維の構成材料であるSiO2 を溶解する、そのため本発
明のようにガラス繊維不織布またはガラス繊維織布全体
に結着剤溶液を浸透させると、ガラス繊維は相互に溶着
し、単に結着剤を介して結着するよりも強固に結着す
る。そのため、硫酸による酸化反応に対しても分解する
ことがない。
【0012】
【実施例】以下、ガラス繊維織布を用いるクラッド式鉛
蓄電池の正極板のチューブを構成するガラス繊維製品に
適用した実施例について説明する。本実施例のガラス繊
維製品は次のようにして製造した。まず、日産化学工業
株式会社からボンドエックスF−1005の商品名で販
売されている水ガラス溶媒系の結着剤原液を水で4倍に
希釈してシリカ固形分6.7重量%の結着剤溶液を作っ
た。本実施例に用いた結着剤原液はシリカ固形分27重
量%が水ガラスに溶解されたものであり、pH10.
9、比重1.24、粘度200cpである。本実施例の
ように結着剤溶液の溶媒として水ガラスを用いると無機
高分子鎖状形の結合形式としての効果がある。次に平均
繊維径10μm のガラス繊維を用いて、クラッド式鉛蓄
電池の正極板のチューブを形成するガラス繊維織布から
なるガラス繊維成形品(外径10mm×厚み0.5mm×長
さ280mm)を作った。そしてこのガラス繊維成形品に
結着剤溶液をスプレーしてガラス繊維成形品全体に結着
剤溶液を浸透させた。本実施例のように結着剤溶液をガ
ラス繊維成形品に浸透させるのにスプレーを用いると液
だれを生じることがなく、ガラス繊維成形品全体に均等
に結着剤溶液を浸透できる。次に結着剤溶液を浸透させ
たガラス繊維成形品を乾燥器内に配置し、これを120
℃で約30分間加熱した。これにより結着剤溶液を硬化
させ、ガラス繊維成形品のガラス繊維を無機系結着剤に
より相互に結着させてクラッド式鉛蓄電池の正極板のチ
ューブを構成するガラス繊維製品を完成した。
【0013】次に本実施例のガラス繊維製品(チュー
ブ)の特性を調べるために、本実施例のガラス繊維製品
と従来例のガラス繊維製品とを用いてそれぞれ2V−4
50Aのクラッド式鉛蓄電池を作り、試験を行った。な
お従来例のガラス繊維製品は結着剤としてフェノール樹
脂からなる有機系結着剤を用い、その他は本実施例と同
じ方法で製造した。またクラッド式鉛蓄電池は正極板9
枚と、負極板10枚とを積層した極板群を比重1.28
の希硫酸からなる電解液と組み合わせて作り、正極板は
ガラス繊維製品(チューブ)14本に正極活物質800
〜900gと芯金構成体からなる正極集電体を配置して
構成した。また負極板は公知のペースト式極板を熟成、
化成して作った。
【0014】そして、各クラッド式鉛蓄電池の初期容量
を確認後、下記の条件で充放電を繰り返して、各電池の
サイクル寿命特性を調べた。
【0015】 放電:90A(5時間)、1.70V定電流 充電:放電量の120%充電率で停止する45A定電流 休止:充電後1時間放電(保液あり)30±5℃ 図1は測定結果を示している。本図より従来例のガラス
繊維製品を用いた電池は300サイクルを越えてから徐
々に容量(放電時間)が低下するのに対して、本実施例
のガラス繊維製品を用いた電池は500サイクルを越え
てもほとんど容量が低下しないのが判る。また800サ
イクル時の各電池を解体したところ、従来例のガラス繊
維製品は当初薄い褐色であったものが色褪せていた。こ
れに対して、本実施例のガラス繊維製品は変色せず、ガ
ラス繊維は強固に結着していた。また電槽の底部に溜っ
た各電池の正極活物質量を測定したところ、従来例のガ
ラス繊維製品を用いた電池では60gであったのに対し
て、本実施例のガラス繊維製品を用いた電池は20gで
あった。これより本実施例のガラス繊維製品ではガラス
繊維の結着力の低下が防止され、電池に充放電を繰り返
しても活物質に対する押圧力が低下し難いのが判る。
【0016】次に結着剤原液を希釈する割合を様々に変
え、その他は本実施例と同様にしてガラス繊維製品(チ
ューブ)を作り、各ガラス繊維製品の電気抵抗値を測定
して、結着剤溶液中のシリカ含有量とガラス繊維製品の
電気抵抗との関係を調べた。なお電気抵抗の測定は、ま
ず2枚のPt板にガラス繊維製品を挟み込んで固定し、
1.280比重の希硫酸中で定電流(1A)で電解し電
圧を測定する。次にガラス繊維製品をPt板から外し前
回と同様にして電圧を測定し、その電圧差から求めた。
図2はその測定結果を示している。本図よりシリカ含有
量が10重量%を超えると電気抵抗が高くなり、電池の
内部抵抗を高くするのが判る。これはシリカによりチュ
ーブの網目が閉塞されたためであると考えられる。また
シリカ含有量が1重量%を下回ると電気抵抗は高くなら
ないものの、結着剤のガラス繊維織布への浸透にむらが
生じる。
【0017】なお本実施例では結着剤溶液をスプレーに
よりガラス繊維織布内に浸透させたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、刷毛塗り、ディッピング(浸
漬)によっても結着剤溶液をガラス繊維織布内に浸透さ
せることができる。また本実施例では結着剤としてシリ
カを含有する水ガラスを硬化させたものを用いたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、シリカを主成分
とするものでは、日産化学工業株式会社からスノーテッ
クスの商品名で販売されているもの等を結着剤として用
いることができる。またシリカ以外のものを主成分とす
るものでは、ケイソウ土、アルミナ等を結着剤として用
いることができる。また本実施例は、ガラス繊維織布を
用いるクラッド式鉛蓄電池のチューブを構成するガラス
繊維製品に本発明を適用した例であるが、ガラス繊維織
布を用いる他の鉛蓄電池用ガラス繊維製品、またはリテ
ーナ等のガラス繊維不織布を用いる他の鉛蓄電池用ガラ
ス繊維製品に本発明を適用できるのは勿論である。
【0018】本発明の実施態様を示すと次の通りであ
る。
【0019】(1)ガラス繊維不織布またはガラス繊維
織布を用いて作ったガラス繊維成形品に、溶媒中にシリ
カを主成分とする溶質を含む結着剤溶液を浸透させ、結
着剤溶液を浸透させたガラス繊維成形品を加熱して結着
剤溶液を硬化させて蓄電池用ガラス繊維製品を製造する
ことを特徴とする鉛蓄電池用ガラス繊維製品の製造方
法。
【0020】(2)前記結着剤溶液をスプレーを用いて
ガラス繊維成形品に浸透させる実施態様1に記載の鉛蓄
電池用ガラス繊維製品の製造方法。
【0021】
【発明の効果】本発明の鉛蓄電池用ガラス繊維製品で
は、結着剤として無機系結着剤を用いるので、集電体が
腐食したり、水素過電圧が変化するのを防ぐことができ
る上、ガラス繊維の相互の結合を強固にして、活物質に
対するガラス繊維不織布またはガラス繊維織布の押圧力
の低下を防ぐことができる。そのため、鉛蓄電池の寿命
を延ばすことができる。また本発明の鉛蓄電池用ガラス
繊維製品の製造方法では、シリカを主成分とする溶質を
含む結着剤溶液を硬化させて、ガラス繊維を相互に結着
させるので、ガラス繊維は相互に溶着し、単に結着剤を
介して結着するよりも強固に結着する。そのため、硫酸
による酸化反応に対しても分解することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験に用いた電池のサイクル寿命特性を示す
図である。
【図2】 結着剤溶液中のシリカ含有量とガラス繊維製
品の電気抵抗との関係を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維が結着剤により相互に結着され
    てなるガラス繊維不織布またはガラス繊維織布を用いて
    鉛蓄電池用ガラス繊維製品を製造する方法であって、 前記結着剤として無機系結着剤を用いることを特徴とす
    る鉛蓄電池用ガラス繊維製品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記無機系結着剤はシリカを主成分とする
    無機系結着剤である請求項1に記載の鉛蓄電池用ガラス
    繊維製品の製造方法。
  3. 【請求項3】溶媒中にシリカが1〜10重量%含まれた
    結着剤溶液を前記ガラス繊維不織布またはガラス繊維織
    布全体に浸透させることを特徴とする請求項2に記載の
    鉛蓄電池用ガラス繊維製品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記結着剤溶液の主たる溶媒が水ガラスで
    ある請求項3に記載の鉛蓄電池用ガラス繊維製品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】ガラス繊維が結着剤により相互に結着され
    てなるガラス繊維不織布またはガラス繊維織布を用いて
    作られる鉛蓄電池用ガラス繊維製品であって、 前記ガラス繊維不織布またはガラス繊維織布が前記結着
    剤として無機系結着剤を用いて作られたものであること
    を特徴とする鉛蓄電池用ガラス繊維製品。
JP5324347A 1993-12-22 1993-12-22 鉛蓄電池用ガラス繊維製品及びその製造方法 Withdrawn JPH07183021A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296969B1 (en) 1998-03-30 2001-10-02 Noritake Co., Ltd. Separator for battery having a function of avoiding dangers caused by overheat, and method for producing the same
WO2013168755A1 (ja) * 2012-05-09 2013-11-14 日立化成株式会社 電気化学素子用セパレータ及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296969B1 (en) 1998-03-30 2001-10-02 Noritake Co., Ltd. Separator for battery having a function of avoiding dangers caused by overheat, and method for producing the same
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