JPH07182009A - 制御装置 - Google Patents
制御装置Info
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- JPH07182009A JPH07182009A JP5324099A JP32409993A JPH07182009A JP H07182009 A JPH07182009 A JP H07182009A JP 5324099 A JP5324099 A JP 5324099A JP 32409993 A JP32409993 A JP 32409993A JP H07182009 A JPH07182009 A JP H07182009A
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- control
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- furnace
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 2入力2出力制御により制御対象全体の制御
状態を適切に制御し得る制御装置。 【構成】 この装置A3は,ごみ焼却炉21の燃焼状態
を表わす炉内温度を検出する温度計22と,炉内温度に
基づいて焼却炉21に供給されるごみ供給量を演算する
ごみ供給量演算部23と,焼却炉21の燃焼状態を視覚
的に捕らえるカメラ24と,炉内の燃焼状態に対応する
画像情報を作成する画像情報作成部25と,画像情報の
中から特徴量を抽出する特徴量抽出部26と,特徴量と
炉内の燃焼状態との関係を予め学習させておいたニュー
ラルネットワークに,特徴量抽出部26により抽出され
た特徴量を入力することによって,炉内への水噴霧量を
演算する水噴霧量演算部27と,各々演算されたごみ供
給量と水噴霧量とを非干渉化する補正部28,29とか
ら構成されている。上記構成により,2入力2出力制御
によって炉内全体の燃焼状態を適切に制御することがで
きる。
状態を適切に制御し得る制御装置。 【構成】 この装置A3は,ごみ焼却炉21の燃焼状態
を表わす炉内温度を検出する温度計22と,炉内温度に
基づいて焼却炉21に供給されるごみ供給量を演算する
ごみ供給量演算部23と,焼却炉21の燃焼状態を視覚
的に捕らえるカメラ24と,炉内の燃焼状態に対応する
画像情報を作成する画像情報作成部25と,画像情報の
中から特徴量を抽出する特徴量抽出部26と,特徴量と
炉内の燃焼状態との関係を予め学習させておいたニュー
ラルネットワークに,特徴量抽出部26により抽出され
た特徴量を入力することによって,炉内への水噴霧量を
演算する水噴霧量演算部27と,各々演算されたごみ供
給量と水噴霧量とを非干渉化する補正部28,29とか
ら構成されている。上記構成により,2入力2出力制御
によって炉内全体の燃焼状態を適切に制御することがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制御装置に係り,詳しく
は2入力2出力制御により制御対象を適切に制御するこ
とのできる制御装置に関するものである。
は2入力2出力制御により制御対象を適切に制御するこ
とのできる制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,制御対象を制御するための制
御装置としては種々のものが開発されている。例えば,
都市ごみ,産業廃棄物等を焼却又は熱分解する流動床式
ごみ焼却炉の燃焼制御装置もその1つである(特告平1
−39007号公報等)。図8はこのような従来のごみ
焼却炉の燃焼制御装置A0の一例における概略構成を示
す模式図である。図8に示すごとく,従来のごみ焼却炉
の燃焼制御装置A0では,ごみ焼却炉21の燃焼状態を
表わす炉内温度を検出する温度計22により検出された
炉内温度に基づいてごみ焼却炉21に供給されるごみ供
給量を演算するごみ供給量演算部23′を具備してい
た。従って,この従来装置A0では,単一な入力データ
である炉内温度(制御量)に基づいて単一の出力データ
であるごみ供給量(操作量)を決定しており,いわゆる
1入力1出力制御を実現していた。
御装置としては種々のものが開発されている。例えば,
都市ごみ,産業廃棄物等を焼却又は熱分解する流動床式
ごみ焼却炉の燃焼制御装置もその1つである(特告平1
−39007号公報等)。図8はこのような従来のごみ
焼却炉の燃焼制御装置A0の一例における概略構成を示
す模式図である。図8に示すごとく,従来のごみ焼却炉
の燃焼制御装置A0では,ごみ焼却炉21の燃焼状態を
表わす炉内温度を検出する温度計22により検出された
炉内温度に基づいてごみ焼却炉21に供給されるごみ供
給量を演算するごみ供給量演算部23′を具備してい
た。従って,この従来装置A0では,単一な入力データ
である炉内温度(制御量)に基づいて単一の出力データ
であるごみ供給量(操作量)を決定しており,いわゆる
1入力1出力制御を実現していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のごみ焼却炉の燃
焼制御装置A0では,単一のデータすなわち1入力1出
力だけで制御しようとするため,制御対象全体の制御状
態を適切に制御することが困難である。例えば,上記し
たような装置A0では,温度計22として通常用いられ
る熱電対は時定数が大きく,また炉内のある一点だけの
温度を計測しているにすぎない。従って,1入力1出力
だけで制御しようとすると炉内全体の燃焼を適切に行う
ことができない。そのため焼却炉全体の温度情報を例え
ば高速で検出することのできる画像情報等の形で検出
し,炉内への噴水量のような応答性の高い操作量を制御
することも考えられるが,これのみではハンチング等の
生じる問題があり,やはり理想に近い制御を行うことが
できない。そのため本願は上記のような制御量,操作量
が共に時定数に開きのある2入力2出力の制御系を合理
的に組み合わせて制御性の良いシステムを提供すること
を目的とする。上記のような2入力2出力で,各入力
間,各出力間の応答性に差がある系は焼却炉以外の種々
のシステムに取り入れられており,制御性に関する共通
の課題を有している。従って本発明は,このような従来
の技術における課題を解決するために,制御装置を改良
し,2入力2出力制御を行うことにより制御対象全体の
制御状態を適切に制御し得る制御装置を提供することを
目的とするものである。
焼制御装置A0では,単一のデータすなわち1入力1出
力だけで制御しようとするため,制御対象全体の制御状
態を適切に制御することが困難である。例えば,上記し
たような装置A0では,温度計22として通常用いられ
る熱電対は時定数が大きく,また炉内のある一点だけの
温度を計測しているにすぎない。従って,1入力1出力
だけで制御しようとすると炉内全体の燃焼を適切に行う
ことができない。そのため焼却炉全体の温度情報を例え
ば高速で検出することのできる画像情報等の形で検出
し,炉内への噴水量のような応答性の高い操作量を制御
することも考えられるが,これのみではハンチング等の
生じる問題があり,やはり理想に近い制御を行うことが
できない。そのため本願は上記のような制御量,操作量
が共に時定数に開きのある2入力2出力の制御系を合理
的に組み合わせて制御性の良いシステムを提供すること
を目的とする。上記のような2入力2出力で,各入力
間,各出力間の応答性に差がある系は焼却炉以外の種々
のシステムに取り入れられており,制御性に関する共通
の課題を有している。従って本発明は,このような従来
の技術における課題を解決するために,制御装置を改良
し,2入力2出力制御を行うことにより制御対象全体の
制御状態を適切に制御し得る制御装置を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は,制御対象の制御状態におけるある状態
量を表す第1の制御量を検出する第1の検出手段と,上
記第1の検出手段により検出される第1の制御量に対
し,応答時間に差のある他の状態量を表す第2の制御量
を検出する第2の検出手段と,上記第1の検出手段によ
り検出された第1の制御量に基づいて上記制御対象の制
御を行うための第1の操作量を演算する第1の演算手段
と,上記第2の検出手段により検出された第2の制御量
に基づいて上記第1の演算手段により演算される第1の
操作量に対し,反応時間に差のある第2の操作量を演算
する第2の演算手段と,上記第1の演算手段により演算
された第1の操作量と,上記第2の演算手段により演算
された第2の操作量とを互いに非干渉化する第1の非干
渉化手段とを具備し,上記第1の非干渉手段により互い
に非干渉化された第1,第2の操作量を用いて上記制御
対象を制御してなる制御装置として構成されている。さ
らには,上記第1の制御量よりも上記第2の制御量の検
出時の応答が速く,かつ上記第1の操作量よりも上記第
2の操作量による制御時の反応が速い場合に,上記第2
の演算手段が高速演算を行う制御装置である。さらに
は,上記第2の演算手段による演算にニューラルネット
ワークを用いる制御装置である。さらには,上記ニュー
ラルネットワークがバックプロパゲーションモデルであ
る制御装置である。さらには,上記第1の非干渉化手段
が上記第1の演算手段により演算された第1の操作量を
上記第2の検出手段により検出された第2の制御量に基
づいて補正する制御装置である。さらには,上記第1の
非干渉化手段が上記第2の演算手段により演算された第
2の操作量を上記第1の検出手段により検出された第1
の制御量に基づいて補正する制御装置である。
に第1の発明は,制御対象の制御状態におけるある状態
量を表す第1の制御量を検出する第1の検出手段と,上
記第1の検出手段により検出される第1の制御量に対
し,応答時間に差のある他の状態量を表す第2の制御量
を検出する第2の検出手段と,上記第1の検出手段によ
り検出された第1の制御量に基づいて上記制御対象の制
御を行うための第1の操作量を演算する第1の演算手段
と,上記第2の検出手段により検出された第2の制御量
に基づいて上記第1の演算手段により演算される第1の
操作量に対し,反応時間に差のある第2の操作量を演算
する第2の演算手段と,上記第1の演算手段により演算
された第1の操作量と,上記第2の演算手段により演算
された第2の操作量とを互いに非干渉化する第1の非干
渉化手段とを具備し,上記第1の非干渉手段により互い
に非干渉化された第1,第2の操作量を用いて上記制御
対象を制御してなる制御装置として構成されている。さ
らには,上記第1の制御量よりも上記第2の制御量の検
出時の応答が速く,かつ上記第1の操作量よりも上記第
2の操作量による制御時の反応が速い場合に,上記第2
の演算手段が高速演算を行う制御装置である。さらに
は,上記第2の演算手段による演算にニューラルネット
ワークを用いる制御装置である。さらには,上記ニュー
ラルネットワークがバックプロパゲーションモデルであ
る制御装置である。さらには,上記第1の非干渉化手段
が上記第1の演算手段により演算された第1の操作量を
上記第2の検出手段により検出された第2の制御量に基
づいて補正する制御装置である。さらには,上記第1の
非干渉化手段が上記第2の演算手段により演算された第
2の操作量を上記第1の検出手段により検出された第1
の制御量に基づいて補正する制御装置である。
【0005】第2の発明は,燃焼装置の燃焼状態におけ
るある状態量を表す第3の制御量を検出する第3の検出
手段と,上記第3の検出手段により検出される第3の制
御量に対し,応答時間に差のある他の状態量を表す第4
の制御量を検出する第4の検出手段と,上記第3の検出
手段により検出された第3の制御量に基づいて上記燃焼
装置の制御を行うための第3の操作量を演算する第3の
演算手段と,上記第4の検出手段により検出された第4
の制御量に基づいて上記第3の演算手段により演算され
る第3の操作量に対し,反応時間に差のある第4の操作
量を演算する第4の演算手段と,上記第3の演算手段に
より演算された第3の操作量と,上記第4の演算手段に
より演算された第4の操作量とを互いに非干渉化する第
2の非干渉手段とを具備し,上記第2の非干渉化手段に
より互いに非干渉化された第3,第4の操作量を用いて
上記燃焼装置を制御してなる燃焼制御装置として構成さ
れている。さらには,上記第3の制御量よりも上記第4
の制御量の検出時の応答が速く,かつ上記第3の操作量
よりも上記第4の操作量による制御時の反応が速い場合
に,上記第4の演算手段が高速演算を行う燃焼制御装置
である。さらには,上記第4の演算手段による演算にニ
ューラルネットワークを用いる燃焼制御装置である。さ
らには,上記ニューラルネットワークがバックプロパゲ
ーションモデルである燃焼制御装置である。さらには,
上記第2の非干渉化手段が上記第3の演算手段により演
算された第3の操作量を上記第4の検出手段により検出
された第4の制御量に基づいて補正する燃焼制御装置で
ある。さらには,上記第2の非干渉化手段が上記第4の
演算手段により演算された第4の操作量を上記第3の検
出手段により検出された第3の制御量に基づいて補正す
る燃焼制御装置である。さらには,上記燃焼装置がごみ
焼却炉である燃焼制御装置である。さらには,上記第3
の制御量が炉内温度で,かつ上記第4の制御量が炉内の
燃焼状態に応じた画像情報である燃焼制御装置である。
さらには,上記第3の操作量がごみ供給量で,かつ上記
第4の操作量が炉内への水噴霧量である燃焼制御装置で
ある。
るある状態量を表す第3の制御量を検出する第3の検出
手段と,上記第3の検出手段により検出される第3の制
御量に対し,応答時間に差のある他の状態量を表す第4
の制御量を検出する第4の検出手段と,上記第3の検出
手段により検出された第3の制御量に基づいて上記燃焼
装置の制御を行うための第3の操作量を演算する第3の
演算手段と,上記第4の検出手段により検出された第4
の制御量に基づいて上記第3の演算手段により演算され
る第3の操作量に対し,反応時間に差のある第4の操作
量を演算する第4の演算手段と,上記第3の演算手段に
より演算された第3の操作量と,上記第4の演算手段に
より演算された第4の操作量とを互いに非干渉化する第
2の非干渉手段とを具備し,上記第2の非干渉化手段に
より互いに非干渉化された第3,第4の操作量を用いて
上記燃焼装置を制御してなる燃焼制御装置として構成さ
れている。さらには,上記第3の制御量よりも上記第4
の制御量の検出時の応答が速く,かつ上記第3の操作量
よりも上記第4の操作量による制御時の反応が速い場合
に,上記第4の演算手段が高速演算を行う燃焼制御装置
である。さらには,上記第4の演算手段による演算にニ
ューラルネットワークを用いる燃焼制御装置である。さ
らには,上記ニューラルネットワークがバックプロパゲ
ーションモデルである燃焼制御装置である。さらには,
上記第2の非干渉化手段が上記第3の演算手段により演
算された第3の操作量を上記第4の検出手段により検出
された第4の制御量に基づいて補正する燃焼制御装置で
ある。さらには,上記第2の非干渉化手段が上記第4の
演算手段により演算された第4の操作量を上記第3の検
出手段により検出された第3の制御量に基づいて補正す
る燃焼制御装置である。さらには,上記燃焼装置がごみ
焼却炉である燃焼制御装置である。さらには,上記第3
の制御量が炉内温度で,かつ上記第4の制御量が炉内の
燃焼状態に応じた画像情報である燃焼制御装置である。
さらには,上記第3の操作量がごみ供給量で,かつ上記
第4の操作量が炉内への水噴霧量である燃焼制御装置で
ある。
【0006】第3の発明は,ごみ焼却炉の燃焼状態を表
す炉内温度を検出する温度計と,上記温度計により検出
された炉内温度に基づいて上記焼却炉に供給されるごみ
供給量を演算するごみ供給量演算部とを具備したごみ焼
却炉の燃焼制御装置において,上記焼却炉の燃焼状態を
視覚的にとらえるカメラと,上記カメラでとらえられた
炉内の燃焼状態に対応する画像情報を作成する画像情報
作成部と,上記画像情報作成部により作成された画像情
報の中から特徴量を抽出する特徴量抽出部と,上記特徴
量と炉内の燃焼状態との関係を予め学習させておいたニ
ューラルネットワークに,上記特徴量抽出部により抽出
された特徴量を入力することによって,焼却炉の燃焼状
態を制御するために炉内に噴霧される水噴霧量を演算す
る水噴霧量演算部と,上記ごみ供給量演算部により演算
されたごみ供給量を上記カメラにより捕らえられた炉内
の燃焼状態に対応する画像情報に基づいて補正するごみ
供給量補正部と,上記水噴霧量演算部により演算された
水噴霧量を上記温度計により検出された炉内温度に基づ
いて補正する水噴霧量補正部とを具備し,上記ごみ供給
量補正部により補正されたごみ供給量と,上記水噴霧量
補正部により補正された水噴霧量とを用いて上記焼却炉
を制御してなることを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御
装置として構成されている。さらには,上記特徴量が所
定の曲線で表わされるごみ焼却炉の燃焼制御装置であ
る。さらには,上記所定の曲線が上記焼却炉内横方向の
輝度分布曲線であるごみ焼却炉の燃焼制御装置である。
す炉内温度を検出する温度計と,上記温度計により検出
された炉内温度に基づいて上記焼却炉に供給されるごみ
供給量を演算するごみ供給量演算部とを具備したごみ焼
却炉の燃焼制御装置において,上記焼却炉の燃焼状態を
視覚的にとらえるカメラと,上記カメラでとらえられた
炉内の燃焼状態に対応する画像情報を作成する画像情報
作成部と,上記画像情報作成部により作成された画像情
報の中から特徴量を抽出する特徴量抽出部と,上記特徴
量と炉内の燃焼状態との関係を予め学習させておいたニ
ューラルネットワークに,上記特徴量抽出部により抽出
された特徴量を入力することによって,焼却炉の燃焼状
態を制御するために炉内に噴霧される水噴霧量を演算す
る水噴霧量演算部と,上記ごみ供給量演算部により演算
されたごみ供給量を上記カメラにより捕らえられた炉内
の燃焼状態に対応する画像情報に基づいて補正するごみ
供給量補正部と,上記水噴霧量演算部により演算された
水噴霧量を上記温度計により検出された炉内温度に基づ
いて補正する水噴霧量補正部とを具備し,上記ごみ供給
量補正部により補正されたごみ供給量と,上記水噴霧量
補正部により補正された水噴霧量とを用いて上記焼却炉
を制御してなることを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御
装置として構成されている。さらには,上記特徴量が所
定の曲線で表わされるごみ焼却炉の燃焼制御装置であ
る。さらには,上記所定の曲線が上記焼却炉内横方向の
輝度分布曲線であるごみ焼却炉の燃焼制御装置である。
【0007】
【作用】第1の発明によれば,制御対象の制御状態にお
けるある状態量を表わす第1の制御量が第1の制御手段
により検出される。上記第1の検出手段により検出され
る第1の制御量に対し,応答時間に差のある他の状態量
を表わす第2の制御量が第2の検出手段により検出され
る。上記第1の検出手段により検出された第1の制御量
に基づいて上記制御対象の制御を行うための第1の操作
量が第1の演算手段により演算される。上記第2の検出
手段により検出された第2の制御量に基づいて上記第1
の演算手段により演算される第1の操作量に対し,反応
時間に差のある第2の操作量が第2の演算手段により演
算される。上記第1の演算手段により演算された第1の
操作量と上記第2の演算手段により演算された第2の操
作量とが第1の非干渉化手段により互いに非干渉化され
る。上記第1の非干渉化手段により互いに非干渉化され
た第1,第2の操作量を用いて上記制御対象が制御され
る。このように,互いに応答時間の異なる第1の制御量
と第2の制御量,及び互いに反応時間の異なる第1の操
作量と第2の操作量を用いて2入力2出力制御を実行す
ることにより,従来の1入力1出力制御に較べて幅広い
制御を行えるため制御対象全体の制御状態を適切に制御
することができる。さらに,上記第1の制御量よりも上
記第2の制御量の検出時の応答が速く,かつ上記第1の
操作量よりも上記第2の操作量による制御時の反応が速
い場合に,上記第2の演算手段により高速演算を行え
ば,高速の制御系と低速の制御系とが得られ,これらが
互いに補完しあってより幅広い制御を行えるため,制御
対象全体の制御状態をより適切に制御することができ
る。さらに,上記第2の演算手段による演算にニューラ
ルネットワークを用いた場合,上記第2の制御量が速い
変動等を伴う場合であっても,第2の制御量の変化を確
実に捕らえることができてしかも高速演算を行うことが
できる。さらに,上記ニューラルネットワークに信頼性
のあるバックプロパゲーションモデルを用いた場合,学
習内容に基づいて上記第2の制御量から上記第2の操作
量を精度よく決定することができる。
けるある状態量を表わす第1の制御量が第1の制御手段
により検出される。上記第1の検出手段により検出され
る第1の制御量に対し,応答時間に差のある他の状態量
を表わす第2の制御量が第2の検出手段により検出され
る。上記第1の検出手段により検出された第1の制御量
に基づいて上記制御対象の制御を行うための第1の操作
量が第1の演算手段により演算される。上記第2の検出
手段により検出された第2の制御量に基づいて上記第1
の演算手段により演算される第1の操作量に対し,反応
時間に差のある第2の操作量が第2の演算手段により演
算される。上記第1の演算手段により演算された第1の
操作量と上記第2の演算手段により演算された第2の操
作量とが第1の非干渉化手段により互いに非干渉化され
る。上記第1の非干渉化手段により互いに非干渉化され
た第1,第2の操作量を用いて上記制御対象が制御され
る。このように,互いに応答時間の異なる第1の制御量
と第2の制御量,及び互いに反応時間の異なる第1の操
作量と第2の操作量を用いて2入力2出力制御を実行す
ることにより,従来の1入力1出力制御に較べて幅広い
制御を行えるため制御対象全体の制御状態を適切に制御
することができる。さらに,上記第1の制御量よりも上
記第2の制御量の検出時の応答が速く,かつ上記第1の
操作量よりも上記第2の操作量による制御時の反応が速
い場合に,上記第2の演算手段により高速演算を行え
ば,高速の制御系と低速の制御系とが得られ,これらが
互いに補完しあってより幅広い制御を行えるため,制御
対象全体の制御状態をより適切に制御することができ
る。さらに,上記第2の演算手段による演算にニューラ
ルネットワークを用いた場合,上記第2の制御量が速い
変動等を伴う場合であっても,第2の制御量の変化を確
実に捕らえることができてしかも高速演算を行うことが
できる。さらに,上記ニューラルネットワークに信頼性
のあるバックプロパゲーションモデルを用いた場合,学
習内容に基づいて上記第2の制御量から上記第2の操作
量を精度よく決定することができる。
【0008】さらに,上記第1の非干渉化手段が上記第
1の演算手段により演算された第1の操作量を上記第2
の検出手段により検出された第2の制御量に基づいて補
正するものとすれば,上記第1の操作量による制御命令
が上記第2の操作量による制御命令と矛盾したものとな
ることを避けることができる。さらに,上記第1の非干
渉化手段が上記第2の演算手段により演算された第2の
操作量を上記第1の検出手段により検出された第1の制
御量に基づいて補正するものとすれば,上記第2の操作
量による制御命令が上記第1の操作量による制御命令と
矛盾したものとなることを避けることができる。従っ
て,上記第1の操作量と第2の操作量とを両方共補正す
ることにより互いに矛盾した制御命令を発することがな
くなる。又,第2の発明によれば,燃焼装置の燃焼状態
におけるある状態量を示す第3の制御量が第3の検出手
段により検出される。上記第3の検出により検出される
第3の制御量に対し,応答時間に差のある他の状態量を
表す第4の制御量が第4の検出により検出される。上記
第3の検出手段により検出された第3の制御量に基づい
て上記燃焼装置の制御を行うための第3の操作量が第3
の演算手段により演算される。上記第4の検出手段によ
り検出された第4の制御量に基づいて上記上記第3の演
算手段により演算される第3の操作量に対し,反応時間
に差がある第4の操作量が第4の演算手段により演算さ
れる。上記第3の演算手段により演算された第3の操作
量と,上記第4の演算手段により演算された第4の操作
量とが第2の非干渉化手段により互いに非干渉化され
る。上記第2の非干渉化手段により互いに非干渉化され
た第3,第4の操作量を用いて上記燃焼装置が制御され
る。このように,上記第1の発明における制御対象を燃
焼装置とした場合にも,上記第1の発明と同様,2入力
2出力制御により燃焼装置全体の燃焼状態を適切に制御
することができる。さらに,上記燃焼装置がごみ焼却炉
とされる。さらに,上記第3の制御量が炉内温度で,か
つ上記第4の制御量が炉内の燃焼状態に応じた画像情報
とされる。さらに,上記第3の操作量がごみ供給量で,
かつ上記第4の操作量が炉内への水噴霧量とされる。
1の演算手段により演算された第1の操作量を上記第2
の検出手段により検出された第2の制御量に基づいて補
正するものとすれば,上記第1の操作量による制御命令
が上記第2の操作量による制御命令と矛盾したものとな
ることを避けることができる。さらに,上記第1の非干
渉化手段が上記第2の演算手段により演算された第2の
操作量を上記第1の検出手段により検出された第1の制
御量に基づいて補正するものとすれば,上記第2の操作
量による制御命令が上記第1の操作量による制御命令と
矛盾したものとなることを避けることができる。従っ
て,上記第1の操作量と第2の操作量とを両方共補正す
ることにより互いに矛盾した制御命令を発することがな
くなる。又,第2の発明によれば,燃焼装置の燃焼状態
におけるある状態量を示す第3の制御量が第3の検出手
段により検出される。上記第3の検出により検出される
第3の制御量に対し,応答時間に差のある他の状態量を
表す第4の制御量が第4の検出により検出される。上記
第3の検出手段により検出された第3の制御量に基づい
て上記燃焼装置の制御を行うための第3の操作量が第3
の演算手段により演算される。上記第4の検出手段によ
り検出された第4の制御量に基づいて上記上記第3の演
算手段により演算される第3の操作量に対し,反応時間
に差がある第4の操作量が第4の演算手段により演算さ
れる。上記第3の演算手段により演算された第3の操作
量と,上記第4の演算手段により演算された第4の操作
量とが第2の非干渉化手段により互いに非干渉化され
る。上記第2の非干渉化手段により互いに非干渉化され
た第3,第4の操作量を用いて上記燃焼装置が制御され
る。このように,上記第1の発明における制御対象を燃
焼装置とした場合にも,上記第1の発明と同様,2入力
2出力制御により燃焼装置全体の燃焼状態を適切に制御
することができる。さらに,上記燃焼装置がごみ焼却炉
とされる。さらに,上記第3の制御量が炉内温度で,か
つ上記第4の制御量が炉内の燃焼状態に応じた画像情報
とされる。さらに,上記第3の操作量がごみ供給量で,
かつ上記第4の操作量が炉内への水噴霧量とされる。
【0009】炉内への水噴霧は,炉内温度を下げるだけ
の一方向の制御しか行えず,しかも反応速度が速いた
め,従来は制御の対象外とされていた。しかしここで
は,上記水噴霧を前記第1の発明で述べた高速の制御系
に組みこむことにより,燃焼状態の速い変動にも追従し
た制御を可能とした。これにより,ごみ焼却炉の幅広い
制御が可能となり,その結果,炉内全体の燃焼状態を適
切に制御することができる。又,第3の発明によれば,
ごみ焼却炉の燃焼状態を表わす炉内温度が温度計により
検出され,上記温度計により検出された炉内温度に基づ
いて上記焼却炉に供給されるごみ供給量がごみ供給量演
算部により演算されるに際し,上記焼却炉の燃焼状態が
カメラにより視覚的に捕らえられる。上記カメラで捕ら
えられた炉内の燃焼状態に対応する画像情報が画像情報
作成部により作成される。上記画像情報作成部により作
成された画像情報の中から特徴量が特徴量抽出部により
抽出される。上記特徴量と炉内の燃焼状態との関係を予
め学習させておいたニューラルネットワークに,上記特
徴量抽出部により抽出された特徴量が入力されることに
よって,焼却炉の燃焼状態を制御するために炉内に噴霧
される水噴霧量が水噴霧量演算部により演算される。上
記ごみ供給量演算部により演算されたごみ供給量が上記
カメラにより捕らえられた炉内の燃焼状態に対応する画
像情報に基づいてごみ供給量補正部により補正される。
上記水噴霧量演算部により演算された水噴霧量が上記温
度計により検出された炉内温度に基づいて水噴霧量補正
部により補正される。上記ごみ供給量補正部により補正
されたごみ供給量と,上記水噴霧量補正部により補正さ
れた水噴霧量とを用いて上記焼却炉が制御される。この
ように,炉内の燃焼状態に対応する画像情報の中から抽
出された特徴量を学習後のニューラルネットワークに入
力することにより,最適な水噴霧量を得ることができ
る。従って,この場合ごみ焼却炉の全体の燃焼状態をよ
り適切に制御することができる。さらに,上記特徴量を
所定の曲線で表わされるものとした場合,上記特徴量の
パターン化が容易となり抽出しやすくなる。さらに,上
記所定の曲線を上記焼却炉内横方向の輝度分布曲線とし
た場合,カメラによって確実に捕らえることができる。
よってその画像情報から特徴量抽出,操作量演算に至る
までの一連の演算を精度よく行うことができる。その結
果,いずれの場合も,2入力2出力制御によって制御対
象全体の制御状態を適切に制御することができる。
の一方向の制御しか行えず,しかも反応速度が速いた
め,従来は制御の対象外とされていた。しかしここで
は,上記水噴霧を前記第1の発明で述べた高速の制御系
に組みこむことにより,燃焼状態の速い変動にも追従し
た制御を可能とした。これにより,ごみ焼却炉の幅広い
制御が可能となり,その結果,炉内全体の燃焼状態を適
切に制御することができる。又,第3の発明によれば,
ごみ焼却炉の燃焼状態を表わす炉内温度が温度計により
検出され,上記温度計により検出された炉内温度に基づ
いて上記焼却炉に供給されるごみ供給量がごみ供給量演
算部により演算されるに際し,上記焼却炉の燃焼状態が
カメラにより視覚的に捕らえられる。上記カメラで捕ら
えられた炉内の燃焼状態に対応する画像情報が画像情報
作成部により作成される。上記画像情報作成部により作
成された画像情報の中から特徴量が特徴量抽出部により
抽出される。上記特徴量と炉内の燃焼状態との関係を予
め学習させておいたニューラルネットワークに,上記特
徴量抽出部により抽出された特徴量が入力されることに
よって,焼却炉の燃焼状態を制御するために炉内に噴霧
される水噴霧量が水噴霧量演算部により演算される。上
記ごみ供給量演算部により演算されたごみ供給量が上記
カメラにより捕らえられた炉内の燃焼状態に対応する画
像情報に基づいてごみ供給量補正部により補正される。
上記水噴霧量演算部により演算された水噴霧量が上記温
度計により検出された炉内温度に基づいて水噴霧量補正
部により補正される。上記ごみ供給量補正部により補正
されたごみ供給量と,上記水噴霧量補正部により補正さ
れた水噴霧量とを用いて上記焼却炉が制御される。この
ように,炉内の燃焼状態に対応する画像情報の中から抽
出された特徴量を学習後のニューラルネットワークに入
力することにより,最適な水噴霧量を得ることができ
る。従って,この場合ごみ焼却炉の全体の燃焼状態をよ
り適切に制御することができる。さらに,上記特徴量を
所定の曲線で表わされるものとした場合,上記特徴量の
パターン化が容易となり抽出しやすくなる。さらに,上
記所定の曲線を上記焼却炉内横方向の輝度分布曲線とし
た場合,カメラによって確実に捕らえることができる。
よってその画像情報から特徴量抽出,操作量演算に至る
までの一連の演算を精度よく行うことができる。その結
果,いずれの場合も,2入力2出力制御によって制御対
象全体の制御状態を適切に制御することができる。
【0010】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明(第1〜第
3の発明)を具体化した実施例につき説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施例は,本発明を具体化し
た一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格の
ものではない。ここに,図1は,第1(第2)の発明の
一実施例に係る制御装置A1(燃焼制御装置A2)の概
略構成を示すブロック図,図2は3層ニューラルネット
ワークのバックプロパゲーションモデルを示す模式図,
図3は第3発明の一実施例に係るごみ焼却炉の燃焼制御
装置A3の概略構成を示す模式図,図4は画像情報マト
リクスを示す例図,図5は曲線状の特徴量を示す例図,
図6は炉内温度のみに基づく炉内燃焼状態の制御系を示
すブロック線図,図7は炉内温度と画像情報とに基づく
炉内燃焼状態の制御系を示すブロック線図である。尚,
前記図8に示した従来のごみ焼却炉の燃焼制御装置A0
の一例における概略構成を示す模式図と共通する要素に
は同一符号を使用する。図1に示す如く,第1の発明の
一実施例に係る制御装置A1では,制御対象1の制御状
態におけるある状態量を表わす第1の制御量X1を検出
する第1のセンサ2(第1の検出手段に相当)と,第1
のセンサ2により検出される第1の制御量X1に対し応
答時間に差のある他の状態量を表わす第2の制御量X2
を検出する第2のセンサ3(第2の検出手段に相当)
と,第1のセンサ3により検出された第1の制御量X1
に基づいて制御対象1の制御を行うための第1の操作量
Y1を演算する第1の演算部4(第1の演算手段に相
当)と,第2のセンサ3により検出された第2の制御量
X2に基づいて第1の演算部4により演算される第1の
操作量Y1に対して反応時間に差のある第2の操作量Y
2を演算する第2の演算部5(第2の演算手段に相当)
と,第1の演算部4により演算された第1の操作量Y1
と,第2の演算部5により演算された第2の操作量Y2
とを,互いに非干渉化する第1の非干渉化演算部6(第
1の非干渉化手段に相当)とを具備し,第1の非干渉化
演算部6により互いに非干渉化された第1,第2の操作
量Y1′,Y2′を用いて制御対象1を制御するように
構成されている。
3の発明)を具体化した実施例につき説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施例は,本発明を具体化し
た一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格の
ものではない。ここに,図1は,第1(第2)の発明の
一実施例に係る制御装置A1(燃焼制御装置A2)の概
略構成を示すブロック図,図2は3層ニューラルネット
ワークのバックプロパゲーションモデルを示す模式図,
図3は第3発明の一実施例に係るごみ焼却炉の燃焼制御
装置A3の概略構成を示す模式図,図4は画像情報マト
リクスを示す例図,図5は曲線状の特徴量を示す例図,
図6は炉内温度のみに基づく炉内燃焼状態の制御系を示
すブロック線図,図7は炉内温度と画像情報とに基づく
炉内燃焼状態の制御系を示すブロック線図である。尚,
前記図8に示した従来のごみ焼却炉の燃焼制御装置A0
の一例における概略構成を示す模式図と共通する要素に
は同一符号を使用する。図1に示す如く,第1の発明の
一実施例に係る制御装置A1では,制御対象1の制御状
態におけるある状態量を表わす第1の制御量X1を検出
する第1のセンサ2(第1の検出手段に相当)と,第1
のセンサ2により検出される第1の制御量X1に対し応
答時間に差のある他の状態量を表わす第2の制御量X2
を検出する第2のセンサ3(第2の検出手段に相当)
と,第1のセンサ3により検出された第1の制御量X1
に基づいて制御対象1の制御を行うための第1の操作量
Y1を演算する第1の演算部4(第1の演算手段に相
当)と,第2のセンサ3により検出された第2の制御量
X2に基づいて第1の演算部4により演算される第1の
操作量Y1に対して反応時間に差のある第2の操作量Y
2を演算する第2の演算部5(第2の演算手段に相当)
と,第1の演算部4により演算された第1の操作量Y1
と,第2の演算部5により演算された第2の操作量Y2
とを,互いに非干渉化する第1の非干渉化演算部6(第
1の非干渉化手段に相当)とを具備し,第1の非干渉化
演算部6により互いに非干渉化された第1,第2の操作
量Y1′,Y2′を用いて制御対象1を制御するように
構成されている。
【0011】第1,第2の演算部4,5及び第1の非干
渉化演算部6は例えばコンピュータのメモリ(不図示)
内部に構築されたソフトウエアの各工程して具現化され
る。制御対象1としては,温度,輝度等の少なくとも2
種類の状態量の変化を伴うものであればよく,また第
1,第2のセンサ2,3はそれらの変化を検出しうるタ
イプのものが用いられる。以下,この装置A1の動作に
ついて略述する。まず,制御対象1について,第1,第
2のセンサ2,3により第1,第2の制御量X1,X2
をそれぞれ検出する。検出された第1の制御量X1を第
1の演算部4に入力し,第2の制御量X2を第2の演算
部5に入力する。そして,第1,第2の演算部4,5の
各出力である第1,第2の操作量Y1,Y2を用いて制
御対象1を制御する。しかし,このままでは従来例にて
述べた1入力1出力制御を単に二重化しているにすぎ
ず,2つの操作量Y1,Y2が互いに矛盾した制御を命
ずる場合がある。これは,制御対象1→第1のセンサ2
→第1の演算部4→制御対象1で構成される第1の制御
ループL1と,制御対象1→第2のセンサ3→第2の演
算部5→制御対象1で構成される第2の制御ループL2
との間で情報伝達速度に差があるためである。そこで,
この装置A1では,第1,第2の演算部4,5と制御対
象1との間に第1の非干渉化演算部6を設けて,2つの
操作量Y1′,Y2′が互いに矛盾した制御命令となら
ないようにしている。このように互いに応答時間の異な
る第1の制御量X1と第2の制御量X2,及び互いに反
応時間の異なる第1の操作量Y1′と第2の操作量Y
2′を用いていわゆる2入力2出力制御を実行すること
により従来例の1入力1出力制御に較べて幅広い制御を
行なえる。これにより制御対象1の制御状態を適切に制
御できる。
渉化演算部6は例えばコンピュータのメモリ(不図示)
内部に構築されたソフトウエアの各工程して具現化され
る。制御対象1としては,温度,輝度等の少なくとも2
種類の状態量の変化を伴うものであればよく,また第
1,第2のセンサ2,3はそれらの変化を検出しうるタ
イプのものが用いられる。以下,この装置A1の動作に
ついて略述する。まず,制御対象1について,第1,第
2のセンサ2,3により第1,第2の制御量X1,X2
をそれぞれ検出する。検出された第1の制御量X1を第
1の演算部4に入力し,第2の制御量X2を第2の演算
部5に入力する。そして,第1,第2の演算部4,5の
各出力である第1,第2の操作量Y1,Y2を用いて制
御対象1を制御する。しかし,このままでは従来例にて
述べた1入力1出力制御を単に二重化しているにすぎ
ず,2つの操作量Y1,Y2が互いに矛盾した制御を命
ずる場合がある。これは,制御対象1→第1のセンサ2
→第1の演算部4→制御対象1で構成される第1の制御
ループL1と,制御対象1→第2のセンサ3→第2の演
算部5→制御対象1で構成される第2の制御ループL2
との間で情報伝達速度に差があるためである。そこで,
この装置A1では,第1,第2の演算部4,5と制御対
象1との間に第1の非干渉化演算部6を設けて,2つの
操作量Y1′,Y2′が互いに矛盾した制御命令となら
ないようにしている。このように互いに応答時間の異な
る第1の制御量X1と第2の制御量X2,及び互いに反
応時間の異なる第1の操作量Y1′と第2の操作量Y
2′を用いていわゆる2入力2出力制御を実行すること
により従来例の1入力1出力制御に較べて幅広い制御を
行なえる。これにより制御対象1の制御状態を適切に制
御できる。
【0012】さらに,第1の制御量X1よりも第2の制
御量X2の検出時の応答が速く,かつ第1の操作量Y
1′よりも第2の操作量Y2′による制御時の反応が速
い場合に,第2の演算部5により高速演算を行えば,第
1の制御ループL1は低速ループ,第2の制御ループL
2は高速ループとなる。この場合,両ループL1,L2
が互いに補完しあってより幅広い制御を行なえるため,
制御対象1全体の制御状態をより適切に制御することが
できる。第1の演算部4としては,例えば一般的なフィ
ードバック制御を用いる。ただし,制御精度の観点から
周知の最適制御理論を用いてもよい。また,第2の演算
部5としては,上記の如く演算速度が要求される場合に
は,ニューラルネットワークやエキスパートシステム等
を用いる。ここでは,ニューラルネットワークの,例え
ば図2に示すような3層のニューロンからなるバックプ
ロパゲーションモデルを用いる。ただし,更に多層のモ
デルを用いてもよい。このバックプロパゲーションモデ
ルでは,覚えさせたい情報である教師情報を出力層に与
えて学習させることにより各層間の結合荷重を自動改変
する。つまり,中間層が出力層の誤差に関与している度
合いをニューロン間における誤差とし,その誤差が少く
なるように入力層のニューロンの入力に掛ける加重を改
変して最適化する。従って,予め第2の制御量X2と第
2の操作量Y2との必ずしも一律でない関係を一定量教
師情報として与えて学習させておいたバックプロパゲー
ションモデルに,第2のセンサ3により検出された第2
の制御量X2を入力すると,これに対応する第2の操作
量Y2が一意に出力される。これにより,第2の制御量
X2が速い変動を伴う場合であっても,この第2の制御
量X2を確実に捕らえることができて,しかも高速演算
を行うことができる。特に,バックプロパゲーションモ
デルは信頼性が優れていることから,第2の操作量Y2
を精度よく決定できる。以下,第1の非干渉化演算部6
について,さらに具体化する。第1の非干渉化演算部6
は,図1に示すように,第1の補正部7と第2の補正部
8とからなる。
御量X2の検出時の応答が速く,かつ第1の操作量Y
1′よりも第2の操作量Y2′による制御時の反応が速
い場合に,第2の演算部5により高速演算を行えば,第
1の制御ループL1は低速ループ,第2の制御ループL
2は高速ループとなる。この場合,両ループL1,L2
が互いに補完しあってより幅広い制御を行なえるため,
制御対象1全体の制御状態をより適切に制御することが
できる。第1の演算部4としては,例えば一般的なフィ
ードバック制御を用いる。ただし,制御精度の観点から
周知の最適制御理論を用いてもよい。また,第2の演算
部5としては,上記の如く演算速度が要求される場合に
は,ニューラルネットワークやエキスパートシステム等
を用いる。ここでは,ニューラルネットワークの,例え
ば図2に示すような3層のニューロンからなるバックプ
ロパゲーションモデルを用いる。ただし,更に多層のモ
デルを用いてもよい。このバックプロパゲーションモデ
ルでは,覚えさせたい情報である教師情報を出力層に与
えて学習させることにより各層間の結合荷重を自動改変
する。つまり,中間層が出力層の誤差に関与している度
合いをニューロン間における誤差とし,その誤差が少く
なるように入力層のニューロンの入力に掛ける加重を改
変して最適化する。従って,予め第2の制御量X2と第
2の操作量Y2との必ずしも一律でない関係を一定量教
師情報として与えて学習させておいたバックプロパゲー
ションモデルに,第2のセンサ3により検出された第2
の制御量X2を入力すると,これに対応する第2の操作
量Y2が一意に出力される。これにより,第2の制御量
X2が速い変動を伴う場合であっても,この第2の制御
量X2を確実に捕らえることができて,しかも高速演算
を行うことができる。特に,バックプロパゲーションモ
デルは信頼性が優れていることから,第2の操作量Y2
を精度よく決定できる。以下,第1の非干渉化演算部6
について,さらに具体化する。第1の非干渉化演算部6
は,図1に示すように,第1の補正部7と第2の補正部
8とからなる。
【0013】第1の補正部7は第1の演算部4により演
算された第1の操作量Y1を第2のセンサ3により検出
された第2の制御量X2に基づいて補正するものであ
る。ここでは,第1の操作量Y1と第2の制御量X2と
の関係(例えば温度が上がれば水をかける等)を予め経
験的なルールもしくはそれに代わる数式にて表現してお
き,このルールもしくは数式を用いて第1の補正部7の
ゲインを修正する。これにより,第1の操作量Y1によ
る制御命令が第2の操作量による制御命令と矛盾したも
のとなることを避けることができる。第2の補正部8は
第2の演算部5により演算された第2の操作量X2を第
1のセンサ2により検出された第1の制御量X1に基づ
いて補正する。ここでも第1の補正部7と同様のルール
もしくは数式を用いて第2の補正部8のゲインを修正す
る。これにより,第2の操作量Y2による制御命令が第
1の操作量Y1による制御命令と矛盾したものとなるこ
とを避けることができる。従って,両補正部7,8によ
り第1の操作量Y1と第2の操作量Y2とを両方共補正
することによって,互いに矛盾した制御命令を発するこ
とがなくなる。ただし,いずれかの制御命令が支配的で
あるような場合には,この支配的な制御命令となる方の
操作量(Y1又はY2)のみを補正することとすればよ
く,その場合には,装置の簡略化を図ることもできる。
ところで,上記第1の発明の制御装置A1における制御
対象1としては種々のものが考えられるが,例えばボイ
ラやごみ焼却炉等の燃焼装置とした場合が第2の発明で
ある。以下,第2の発明について略述する。
算された第1の操作量Y1を第2のセンサ3により検出
された第2の制御量X2に基づいて補正するものであ
る。ここでは,第1の操作量Y1と第2の制御量X2と
の関係(例えば温度が上がれば水をかける等)を予め経
験的なルールもしくはそれに代わる数式にて表現してお
き,このルールもしくは数式を用いて第1の補正部7の
ゲインを修正する。これにより,第1の操作量Y1によ
る制御命令が第2の操作量による制御命令と矛盾したも
のとなることを避けることができる。第2の補正部8は
第2の演算部5により演算された第2の操作量X2を第
1のセンサ2により検出された第1の制御量X1に基づ
いて補正する。ここでも第1の補正部7と同様のルール
もしくは数式を用いて第2の補正部8のゲインを修正す
る。これにより,第2の操作量Y2による制御命令が第
1の操作量Y1による制御命令と矛盾したものとなるこ
とを避けることができる。従って,両補正部7,8によ
り第1の操作量Y1と第2の操作量Y2とを両方共補正
することによって,互いに矛盾した制御命令を発するこ
とがなくなる。ただし,いずれかの制御命令が支配的で
あるような場合には,この支配的な制御命令となる方の
操作量(Y1又はY2)のみを補正することとすればよ
く,その場合には,装置の簡略化を図ることもできる。
ところで,上記第1の発明の制御装置A1における制御
対象1としては種々のものが考えられるが,例えばボイ
ラやごみ焼却炉等の燃焼装置とした場合が第2の発明で
ある。以下,第2の発明について略述する。
【0014】図1のかっこ内に示す如く,第2の発明の
一実施例に係る燃焼装置A2は,燃焼装置11の燃焼状
態におけるある状態量を表わす第3の制御量X11を検
出する第3のセンサ12(第3の検出手段に相当)と,
第3のセンサ12により検出される第3の制御量X11
に対し,応答時間に差のある他の状態量を表わす第4の
制御量X12を検出する第4のセンサ13(第4の検出
手段に相当)と,第3のセンサ12により検出された第
3の制御量X11に基づいて燃焼装置11の制御を行う
ための第3の操作量Y11を演算する第3の演算部14
(第3の演算手段に相当)と,第4のセンサ13により
検出された第4の制御量X12に基づいて第3の演算部
14により演算される第3の操作量Y11に対し,反応
時間に差のある第4の操作量Y12を演算する第4の演
算部15(第4の演算手段に相当)と,第3の演算部1
4により演算された第3の操作量Y11と,第4の演算
部15により演算された第4の操作量Y12とを互いに
非干渉化する第2の非干渉化演算部16(第2の非干渉
化手段に相当)とを具備し,第2の非干渉化演算部16
により互いに非干渉化された第3,第4の操作量Y1
1′,Y12′を用いて燃焼装置11を制御するように
構成されており,上記装置A1と同様に動作する。従っ
て,この装置A2についても,互いに応答時間の異なる
第3の制御量X11と第4の制御量X12,及び互いに
反応時間の異なる第3の操作量Y11′と第4の操作量
Y12′を用いて2入力2出力制御を行うことにより,
燃焼装置11全体の燃焼状態を適切に制御することがで
きる。さらに,第3の制御量X11よりも第4の制御量
X12の検出時の応答が速く,かつ第3の操作量Y11
よりも第4の操作量Y12による制御時の反応が速い場
合には,第4の演算部15により高速演算を行う。第2
の演算部15としてニューラルネットワーク(例えばバ
ックプロパゲーションモデル)を用いる。第2の非干渉
化演算部16としては,第3の演算部14により演算さ
れた第3の操作量Y11を第4のセンサ13により検出
された第2の制御量X12に基づいて補正する第3の補
正部17と,第4の演算部15により演算された第4の
操作量Y12を第3のセンサ12により検出された第3
の制御量X11に基づいて補正する第4の補正部18と
を設ける。これらによっても上記装置A1と同様の作用
効果が得られる。
一実施例に係る燃焼装置A2は,燃焼装置11の燃焼状
態におけるある状態量を表わす第3の制御量X11を検
出する第3のセンサ12(第3の検出手段に相当)と,
第3のセンサ12により検出される第3の制御量X11
に対し,応答時間に差のある他の状態量を表わす第4の
制御量X12を検出する第4のセンサ13(第4の検出
手段に相当)と,第3のセンサ12により検出された第
3の制御量X11に基づいて燃焼装置11の制御を行う
ための第3の操作量Y11を演算する第3の演算部14
(第3の演算手段に相当)と,第4のセンサ13により
検出された第4の制御量X12に基づいて第3の演算部
14により演算される第3の操作量Y11に対し,反応
時間に差のある第4の操作量Y12を演算する第4の演
算部15(第4の演算手段に相当)と,第3の演算部1
4により演算された第3の操作量Y11と,第4の演算
部15により演算された第4の操作量Y12とを互いに
非干渉化する第2の非干渉化演算部16(第2の非干渉
化手段に相当)とを具備し,第2の非干渉化演算部16
により互いに非干渉化された第3,第4の操作量Y1
1′,Y12′を用いて燃焼装置11を制御するように
構成されており,上記装置A1と同様に動作する。従っ
て,この装置A2についても,互いに応答時間の異なる
第3の制御量X11と第4の制御量X12,及び互いに
反応時間の異なる第3の操作量Y11′と第4の操作量
Y12′を用いて2入力2出力制御を行うことにより,
燃焼装置11全体の燃焼状態を適切に制御することがで
きる。さらに,第3の制御量X11よりも第4の制御量
X12の検出時の応答が速く,かつ第3の操作量Y11
よりも第4の操作量Y12による制御時の反応が速い場
合には,第4の演算部15により高速演算を行う。第2
の演算部15としてニューラルネットワーク(例えばバ
ックプロパゲーションモデル)を用いる。第2の非干渉
化演算部16としては,第3の演算部14により演算さ
れた第3の操作量Y11を第4のセンサ13により検出
された第2の制御量X12に基づいて補正する第3の補
正部17と,第4の演算部15により演算された第4の
操作量Y12を第3のセンサ12により検出された第3
の制御量X11に基づいて補正する第4の補正部18と
を設ける。これらによっても上記装置A1と同様の作用
効果が得られる。
【0015】さらに,この装置A2における燃焼装置1
1をごみ焼却炉に適用する。その場合,さらに,第3の
制御量X11を炉内温度とし,かつ第4の制御量X12
を炉内の燃焼状態に応じた画像情報とする。さらに,第
3の操作量Y11をごみ供給量とし,かつ第4の操作量
Y12を炉内への水の噴霧量とする。炉内への水噴霧量
は,炉内温度を下げるだけの一方向の制御しか行えず,
しかも反応速度が速いため,従来は制御対象外とされて
いた。しかし,ここでは,その水噴霧を上述した両ルー
プL1,L2と同様の第3,第4の制御ループL11,
L12の内,高速の第3の制御ループL11に組み込む
ことにより,燃焼状態の速い変動に追従した制御を可能
とした。これにより,ごみ焼却炉の幅広い制御が可能と
なり,その結果,炉内全体の燃焼状態を適切に制御する
ことができる。この装置A2のごみ焼却炉への適用例を
さらに発展させたものが第3の発明であり,以下,第3
の発明について述べる。図3に示す如く,第3の発明の
一実施例に係るごみ焼却炉の燃焼制御装置A3は,ごみ
焼却炉21の燃焼状態を表わす炉内温度を検出する温度
計22と,この温度計22により検出された炉内温度に
基づいて焼却炉21に供給されるごみ供給量を演算する
ごみ供給量演算部23とを具備している点で従来例(装
置A0)と同様である。しかし,この実施例では,焼却
炉21の燃焼状態を視覚的に捕らえるカメラ24と,カ
メラ24で捕らえられた炉内の燃焼状態に対応する画像
情報を作成する画像情報作成部25と,画像情報作成部
25により作成された画像情報の中から特徴量を抽出す
る特徴量抽出部26と,上記特徴量と炉内の燃焼状態と
の関係を予め学習させておいたニューラルネットワーク
に,特徴量抽出部26により抽出された特徴量を入力す
ることによって,焼却炉21の燃焼状態を制御するため
に炉内に噴霧される水噴霧量を演算する水噴霧量演算部
27と,ごみ供給量演算部23により演算されたごみ供
給量をカメラ24により捕らえられた炉内の燃焼状態に
対応する画像情報基づいて補正するごみ供給量補正部2
8と,水噴霧量演算部27により演算された水噴霧量を
温度計22により検出された炉内温度に基づいて補正す
る水噴霧量補正部29とを具備し,ごみ供給量補正部2
8により補正されたごみ供給量と,水噴霧量補正部29
により補正された水噴霧量とを用いて焼却炉21を制御
する点で従来例と異なる。
1をごみ焼却炉に適用する。その場合,さらに,第3の
制御量X11を炉内温度とし,かつ第4の制御量X12
を炉内の燃焼状態に応じた画像情報とする。さらに,第
3の操作量Y11をごみ供給量とし,かつ第4の操作量
Y12を炉内への水の噴霧量とする。炉内への水噴霧量
は,炉内温度を下げるだけの一方向の制御しか行えず,
しかも反応速度が速いため,従来は制御対象外とされて
いた。しかし,ここでは,その水噴霧を上述した両ルー
プL1,L2と同様の第3,第4の制御ループL11,
L12の内,高速の第3の制御ループL11に組み込む
ことにより,燃焼状態の速い変動に追従した制御を可能
とした。これにより,ごみ焼却炉の幅広い制御が可能と
なり,その結果,炉内全体の燃焼状態を適切に制御する
ことができる。この装置A2のごみ焼却炉への適用例を
さらに発展させたものが第3の発明であり,以下,第3
の発明について述べる。図3に示す如く,第3の発明の
一実施例に係るごみ焼却炉の燃焼制御装置A3は,ごみ
焼却炉21の燃焼状態を表わす炉内温度を検出する温度
計22と,この温度計22により検出された炉内温度に
基づいて焼却炉21に供給されるごみ供給量を演算する
ごみ供給量演算部23とを具備している点で従来例(装
置A0)と同様である。しかし,この実施例では,焼却
炉21の燃焼状態を視覚的に捕らえるカメラ24と,カ
メラ24で捕らえられた炉内の燃焼状態に対応する画像
情報を作成する画像情報作成部25と,画像情報作成部
25により作成された画像情報の中から特徴量を抽出す
る特徴量抽出部26と,上記特徴量と炉内の燃焼状態と
の関係を予め学習させておいたニューラルネットワーク
に,特徴量抽出部26により抽出された特徴量を入力す
ることによって,焼却炉21の燃焼状態を制御するため
に炉内に噴霧される水噴霧量を演算する水噴霧量演算部
27と,ごみ供給量演算部23により演算されたごみ供
給量をカメラ24により捕らえられた炉内の燃焼状態に
対応する画像情報基づいて補正するごみ供給量補正部2
8と,水噴霧量演算部27により演算された水噴霧量を
温度計22により検出された炉内温度に基づいて補正す
る水噴霧量補正部29とを具備し,ごみ供給量補正部2
8により補正されたごみ供給量と,水噴霧量補正部29
により補正された水噴霧量とを用いて焼却炉21を制御
する点で従来例と異なる。
【0016】以下,この装置A3の動作について述べ
る。先ず,ごみ焼却炉21内にセンサ部分を取り付けた
温度計22により炉内温度を検出する。温度計22とし
ては,ここでは一般的な熱電対を用いる。次に,炉内の
燃焼状態を観測できる窓(不図示)に取り付けられたカ
メラ24により炉内の燃焼状況を捕らえる。カメラ24
としてはここではカラー画像を得ることのできるCCD
カメラを用いる。カメラ24から得られるビデオ信号を
例えばコンピュータ内部に構築された画像情報処理部2
5に取り込む。画像情報処理部25ではカメラ24によ
り撮像されたカラー画像を基に必要な画像処理をほどこ
す。画像処理をほどこされた画像情報は,特徴量抽出部
26に送られ,ここで炉内状況を表す物理的特徴量を抽
出する。ここでは炉内横方向での輝度分布を特徴量とし
て抽出する。具体的には,図4に示したような画像情報
マトリクスの各列または各行毎に全ての画像の輝度を加
算する。その結果を基に,最大値で正規化すると図5に
示すような曲線状の特徴量を抽出することができる。予
めこのような曲線状の特徴量とその時のオペレータの判
断による水噴霧量との関係を教師情報として学習させて
あるニューラルネットワークに特徴量抽出部26から送
られてきた特徴量の値を入力することにより,その出力
結果として適切な水噴霧量が得られる。この為の演算
は,水噴霧量演算部27が受け持つ。一方,温度計22
により検出される炉内温度は,図6のブロック線図で表
わされるように,ごみ供給量演算部23によりごみ供給
量を決定するために用いられる。図中のゲインKIやK
は燃焼現象をモデル化し,最適制御理論に基づいて決定
される。最適制御理論としては例えば周知の適応制御理
論などが用いられる。上記ブロック線図では,炉内温度
のみに基づく炉内燃焼状態の制御系を示しているが,本
実施例の特徴である画像情報をも考慮した炉内燃焼状態
の制御系を図7に示した。ただし,図中のゲインK1,
K2は炉内温度と画像情報とに基づく炉内燃焼状態の干
渉を防ぐ為の非干渉ゲインであり,それぞれごみ供給量
補正部28,水噴霧量補正部29の各ゲインを表わすも
のである。ここで,ゲインK2については,補正命令が
ニューラルネットワークから発せられているが,これは
カメラ24によって捕らえられた燃焼状態を処理して得
られた画像情報を用いるために同ネットワークを経由さ
せているものである。
る。先ず,ごみ焼却炉21内にセンサ部分を取り付けた
温度計22により炉内温度を検出する。温度計22とし
ては,ここでは一般的な熱電対を用いる。次に,炉内の
燃焼状態を観測できる窓(不図示)に取り付けられたカ
メラ24により炉内の燃焼状況を捕らえる。カメラ24
としてはここではカラー画像を得ることのできるCCD
カメラを用いる。カメラ24から得られるビデオ信号を
例えばコンピュータ内部に構築された画像情報処理部2
5に取り込む。画像情報処理部25ではカメラ24によ
り撮像されたカラー画像を基に必要な画像処理をほどこ
す。画像処理をほどこされた画像情報は,特徴量抽出部
26に送られ,ここで炉内状況を表す物理的特徴量を抽
出する。ここでは炉内横方向での輝度分布を特徴量とし
て抽出する。具体的には,図4に示したような画像情報
マトリクスの各列または各行毎に全ての画像の輝度を加
算する。その結果を基に,最大値で正規化すると図5に
示すような曲線状の特徴量を抽出することができる。予
めこのような曲線状の特徴量とその時のオペレータの判
断による水噴霧量との関係を教師情報として学習させて
あるニューラルネットワークに特徴量抽出部26から送
られてきた特徴量の値を入力することにより,その出力
結果として適切な水噴霧量が得られる。この為の演算
は,水噴霧量演算部27が受け持つ。一方,温度計22
により検出される炉内温度は,図6のブロック線図で表
わされるように,ごみ供給量演算部23によりごみ供給
量を決定するために用いられる。図中のゲインKIやK
は燃焼現象をモデル化し,最適制御理論に基づいて決定
される。最適制御理論としては例えば周知の適応制御理
論などが用いられる。上記ブロック線図では,炉内温度
のみに基づく炉内燃焼状態の制御系を示しているが,本
実施例の特徴である画像情報をも考慮した炉内燃焼状態
の制御系を図7に示した。ただし,図中のゲインK1,
K2は炉内温度と画像情報とに基づく炉内燃焼状態の干
渉を防ぐ為の非干渉ゲインであり,それぞれごみ供給量
補正部28,水噴霧量補正部29の各ゲインを表わすも
のである。ここで,ゲインK2については,補正命令が
ニューラルネットワークから発せられているが,これは
カメラ24によって捕らえられた燃焼状態を処理して得
られた画像情報を用いるために同ネットワークを経由さ
せているものである。
【0017】以上のように,本実施例によれば,カメラ
24から得られる炉内の画像情報と,温度計22から得
られる温度情報とを利用して,炉内全体の燃焼状態を把
握し,その状態に基づいて炉内への水噴霧量とごみの供
給量とを適切に操作するものである。これにより,炉内
全体の燃焼を安定に行うことができ,低公害化を図るこ
とができる。あるいは温度変動を減少させることにより
排熱の熱回収の効率を増加させることができる。ここ
で,カメラ24から得られる炉内の画像情報は,通常,
温度計22から得られる温度情報に比べて応答時間が速
い。一方,炉内への水噴霧量は,ごみ供給量に比べて燃
焼状態の反応時間が短い。又,水噴霧は温度を下げるこ
としかできず,最適制御理論では取り扱いはむずかいた
め,ここではニューラルネットワークを用いることによ
り解決している。ニューラルネットワークとしては基本
的な3層のニューラルネットワークを用い,具体的には
バックプロパゲーションモデルが用いられる。これによ
り確実に操作量を演算させることができる。これらの点
については第1,第2の発明において既に述べた通りで
ある。また,水噴霧量と画像情報と,またごみ供給量と
炉内温度とをそれぞれ組み合わせた理由は,例えば炎が
強すぎる場合,水で冷やすといったように速い応答が可
能であるためである。もし,逆の組み合せとした場合
は,炉内温度が上がりだしてから水をかけることにな
り,応答が遅くなるため不具合いである。次に,ゲイン
K1,K2を変化させているのは,例えば温度がxxな
らば,水はできるだけかけたくないなどの経験的知識を
反映するものである。従ってここでも,第1,第2の発
明と同様に経験的ルールあるいはそれに変わる数式によ
り変化させるものとしている。以上のように,上記各実
施例によれば,いずれの場合も,2入力2出力制御を行
うことにより,制御対象全体の制御状態を適切に制御す
ることのできる制御装置を得ることができる。尚,上記
実施例装置A1〜A3では,ニューラルネットワークと
してはバックプロパゲーションモデルを用いたが,実使
用に際しては教師情報の必要のないコホーネン型のニュ
ーラルネットワークを用いてもよい。その場合は,予め
学習させておくことが不要となるため,予め有用なデー
タを得ることが困難な制御装置に好適である。
24から得られる炉内の画像情報と,温度計22から得
られる温度情報とを利用して,炉内全体の燃焼状態を把
握し,その状態に基づいて炉内への水噴霧量とごみの供
給量とを適切に操作するものである。これにより,炉内
全体の燃焼を安定に行うことができ,低公害化を図るこ
とができる。あるいは温度変動を減少させることにより
排熱の熱回収の効率を増加させることができる。ここ
で,カメラ24から得られる炉内の画像情報は,通常,
温度計22から得られる温度情報に比べて応答時間が速
い。一方,炉内への水噴霧量は,ごみ供給量に比べて燃
焼状態の反応時間が短い。又,水噴霧は温度を下げるこ
としかできず,最適制御理論では取り扱いはむずかいた
め,ここではニューラルネットワークを用いることによ
り解決している。ニューラルネットワークとしては基本
的な3層のニューラルネットワークを用い,具体的には
バックプロパゲーションモデルが用いられる。これによ
り確実に操作量を演算させることができる。これらの点
については第1,第2の発明において既に述べた通りで
ある。また,水噴霧量と画像情報と,またごみ供給量と
炉内温度とをそれぞれ組み合わせた理由は,例えば炎が
強すぎる場合,水で冷やすといったように速い応答が可
能であるためである。もし,逆の組み合せとした場合
は,炉内温度が上がりだしてから水をかけることにな
り,応答が遅くなるため不具合いである。次に,ゲイン
K1,K2を変化させているのは,例えば温度がxxな
らば,水はできるだけかけたくないなどの経験的知識を
反映するものである。従ってここでも,第1,第2の発
明と同様に経験的ルールあるいはそれに変わる数式によ
り変化させるものとしている。以上のように,上記各実
施例によれば,いずれの場合も,2入力2出力制御を行
うことにより,制御対象全体の制御状態を適切に制御す
ることのできる制御装置を得ることができる。尚,上記
実施例装置A1〜A3では,ニューラルネットワークと
してはバックプロパゲーションモデルを用いたが,実使
用に際しては教師情報の必要のないコホーネン型のニュ
ーラルネットワークを用いてもよい。その場合は,予め
学習させておくことが不要となるため,予め有用なデー
タを得ることが困難な制御装置に好適である。
【0018】また,上記実施例装置A3では,画像情報
を得るべくカメラを使用しているが,実使用に際しては
カメラの替わりに例えば輻射型温度計を用いてよい。そ
の場合は熱電対などの温度計に比べて,時定数を小さく
とることができるため,応答時間を短くして上記対応を
行うことができる。また,熱電対などの温度計について
は,実施例装置A3では炉頂部に1個設けているが,炉
の周囲に複数個設けてもよい。複数個設けた場合には,
炉全体にわたっての燃焼状態を知ることができる。この
為,前記輻射型温度計により応答時間の速い情報を得る
と共に,炉全体の情報については複数の熱電対により得
ることも考えられる。尚,上記実施例装置A3では,焼
却炉の操作量としてごみ供給量と水噴霧量とを用いるこ
ととしたが,実使用に際しては,例えば流動床式焼却炉
の場合には,ごみ供給量や水噴霧量に代えて,もしくは
これらに加えて1次空気量・温度や2空気量・温度を用
いることも考えられる。尚,上記実施例装置A1では,
第1,第2の演算部4,5及び第1の非干渉化演算部6
を,上記実施例装置A2では,第3,第4の演算部1
4,15及び第2の非干渉化演算部16を,また,上記
実施例装置A3では,ごみ供給量演算部23,画像情報
作成部25,特徴量抽出部26,水噴霧量演算部27,
ごみ供給量補正部28及び水噴霧量補正部29をそれぞ
れコンピュータ内部に構築されたソフトウエアの各工程
として想定しているが,実使用に際しては,これらの全
部又は一部をハードウエアにて構成してもなんら支障は
ない。
を得るべくカメラを使用しているが,実使用に際しては
カメラの替わりに例えば輻射型温度計を用いてよい。そ
の場合は熱電対などの温度計に比べて,時定数を小さく
とることができるため,応答時間を短くして上記対応を
行うことができる。また,熱電対などの温度計について
は,実施例装置A3では炉頂部に1個設けているが,炉
の周囲に複数個設けてもよい。複数個設けた場合には,
炉全体にわたっての燃焼状態を知ることができる。この
為,前記輻射型温度計により応答時間の速い情報を得る
と共に,炉全体の情報については複数の熱電対により得
ることも考えられる。尚,上記実施例装置A3では,焼
却炉の操作量としてごみ供給量と水噴霧量とを用いるこ
ととしたが,実使用に際しては,例えば流動床式焼却炉
の場合には,ごみ供給量や水噴霧量に代えて,もしくは
これらに加えて1次空気量・温度や2空気量・温度を用
いることも考えられる。尚,上記実施例装置A1では,
第1,第2の演算部4,5及び第1の非干渉化演算部6
を,上記実施例装置A2では,第3,第4の演算部1
4,15及び第2の非干渉化演算部16を,また,上記
実施例装置A3では,ごみ供給量演算部23,画像情報
作成部25,特徴量抽出部26,水噴霧量演算部27,
ごみ供給量補正部28及び水噴霧量補正部29をそれぞ
れコンピュータ内部に構築されたソフトウエアの各工程
として想定しているが,実使用に際しては,これらの全
部又は一部をハードウエアにて構成してもなんら支障は
ない。
【0019】
【発明の効果】第1の発明に係る制御装置は上記したよ
うに構成されており,互いに応答時間の異なる第1の制
御量と第2の制御量,及び互いに反応時間の異なる第1
の操作量と第2の操作量を用いて2入力2出力制御を実
行することにより,従来の1入力1出力制御に較べて幅
広い制御を行えるため,制御対象全体の制御状態を適切
に制御することができる。さらに,上記第1の制御量よ
りも上記第2の制御量の検出時の応答が速く,かつ上記
第1の操作量よりも上記第2の操作量による制御時の反
応が速い場合に,上記第2の演算手段により高速演算を
行えば,高速の制御系と低速の制御系とが得られ,これ
らが互いに補完しあってより幅広い制御を行えるため,
制御対象全体の制御状態をより適切に制御することがで
きる。さらに,上記第2の演算手段による演算にニュー
ラルネットワークを用いた場合,上記第2の制御量が速
い変動等を伴う場合であっても,第2の制御量の変化を
確実に捕らえることができてしかも高速演算を行うこと
ができる。さらに,上記ニューラルネットワークに信頼
性のあるバックプロパゲーションモデルを用いた場合,
学習内容に基づいて上記第2の制御量から上記第2の操
作量を精度よく決定することができる。さらに,上記第
1の非干渉化手段が上記第1の演算手段により演算され
た第1の操作量を上記第2の検出手段により検出された
第2の制御量に基づいて補正するものとすれば,上記第
1の操作量による制御命令が上記第2の操作量による制
御命令と矛盾したものとなることを避けることができ
る。さらに,上記第1の非干渉化手段が上記第2の演算
手段により演算された第2の操作量を上記第1の検出手
段により検出された第1の制御量に基づいて補正するも
のとすれば,上記第2の操作量による制御命令が上記第
1の操作量による制御命令と矛盾したものとなることを
避けることができる。
うに構成されており,互いに応答時間の異なる第1の制
御量と第2の制御量,及び互いに反応時間の異なる第1
の操作量と第2の操作量を用いて2入力2出力制御を実
行することにより,従来の1入力1出力制御に較べて幅
広い制御を行えるため,制御対象全体の制御状態を適切
に制御することができる。さらに,上記第1の制御量よ
りも上記第2の制御量の検出時の応答が速く,かつ上記
第1の操作量よりも上記第2の操作量による制御時の反
応が速い場合に,上記第2の演算手段により高速演算を
行えば,高速の制御系と低速の制御系とが得られ,これ
らが互いに補完しあってより幅広い制御を行えるため,
制御対象全体の制御状態をより適切に制御することがで
きる。さらに,上記第2の演算手段による演算にニュー
ラルネットワークを用いた場合,上記第2の制御量が速
い変動等を伴う場合であっても,第2の制御量の変化を
確実に捕らえることができてしかも高速演算を行うこと
ができる。さらに,上記ニューラルネットワークに信頼
性のあるバックプロパゲーションモデルを用いた場合,
学習内容に基づいて上記第2の制御量から上記第2の操
作量を精度よく決定することができる。さらに,上記第
1の非干渉化手段が上記第1の演算手段により演算され
た第1の操作量を上記第2の検出手段により検出された
第2の制御量に基づいて補正するものとすれば,上記第
1の操作量による制御命令が上記第2の操作量による制
御命令と矛盾したものとなることを避けることができ
る。さらに,上記第1の非干渉化手段が上記第2の演算
手段により演算された第2の操作量を上記第1の検出手
段により検出された第1の制御量に基づいて補正するも
のとすれば,上記第2の操作量による制御命令が上記第
1の操作量による制御命令と矛盾したものとなることを
避けることができる。
【0020】従って,上記第1の操作量と第2の操作量
とを両方共補正することにより互いに矛盾した制御命令
を発することがなくなる。又,第2の発明によれば,上
記第1の発明における制御対象を燃焼装置とした場合に
も,上記第1の発明と同様,2入力2出力制御により燃
焼装置全体の燃焼状態を適切に制御することができる。
さらに,上記燃焼装置がごみ焼却炉とされ,上記第3の
制御量が炉内温度で,かつ上記第4の制御量が炉内の燃
焼状態に応じた画像情報とされ,上記第3の操作量がご
み供給量で,かつ上記第4の操作量が炉内への水噴霧量
とされる場合,水噴霧を前記第1の発明で述べた高速の
制御系に組みこむことにより,燃焼状態の速い変動に追
従した制御が可能となる。これにより,ごみ焼却炉の炉
内全体の燃焼状態を適切に制御することができる。又,
第3の発明によれば,ごみ焼却炉内の燃焼状態に対応す
る画像情報の中から抽出された特徴量を学習後のニュー
ラルネットワークに入力することにより,最適な水噴霧
量を得ることができる。従って,この場合ごみ焼却炉の
全体の燃焼状態をより適切に制御することができる。さ
らに,上記特徴量を所定の曲線で表わされるものとした
場合,上記特徴量のパターン化が容易となり抽出しやす
くなる。さらに,上記所定の曲線を上記焼却炉内横方向
の輝度分布曲線とした場合,カメラによって確実に捕ら
えることができる。よって,その画像情報から特徴量抽
出,操作量演算に至るまでの一連の演算を精度よく行う
ことができる。その結果,いずれの場合も,2入力2出
力制御によって制御対象全体の制御状態を適切に制御す
ることができる。
とを両方共補正することにより互いに矛盾した制御命令
を発することがなくなる。又,第2の発明によれば,上
記第1の発明における制御対象を燃焼装置とした場合に
も,上記第1の発明と同様,2入力2出力制御により燃
焼装置全体の燃焼状態を適切に制御することができる。
さらに,上記燃焼装置がごみ焼却炉とされ,上記第3の
制御量が炉内温度で,かつ上記第4の制御量が炉内の燃
焼状態に応じた画像情報とされ,上記第3の操作量がご
み供給量で,かつ上記第4の操作量が炉内への水噴霧量
とされる場合,水噴霧を前記第1の発明で述べた高速の
制御系に組みこむことにより,燃焼状態の速い変動に追
従した制御が可能となる。これにより,ごみ焼却炉の炉
内全体の燃焼状態を適切に制御することができる。又,
第3の発明によれば,ごみ焼却炉内の燃焼状態に対応す
る画像情報の中から抽出された特徴量を学習後のニュー
ラルネットワークに入力することにより,最適な水噴霧
量を得ることができる。従って,この場合ごみ焼却炉の
全体の燃焼状態をより適切に制御することができる。さ
らに,上記特徴量を所定の曲線で表わされるものとした
場合,上記特徴量のパターン化が容易となり抽出しやす
くなる。さらに,上記所定の曲線を上記焼却炉内横方向
の輝度分布曲線とした場合,カメラによって確実に捕ら
えることができる。よって,その画像情報から特徴量抽
出,操作量演算に至るまでの一連の演算を精度よく行う
ことができる。その結果,いずれの場合も,2入力2出
力制御によって制御対象全体の制御状態を適切に制御す
ることができる。
【図1】 第1(第2)の発明の一実施例に係る制御装
置A1(燃焼制御装置A2)の概略構成を示すブロック
図。
置A1(燃焼制御装置A2)の概略構成を示すブロック
図。
【図2】 3層ニューラルネットワークのバックプロパ
ゲーションモデルを示す模式図。
ゲーションモデルを示す模式図。
【図3】 第3発明の一実施例に係るごみ焼却炉の燃焼
制御装置A3の概略構成を示す模式図。
制御装置A3の概略構成を示す模式図。
【図4】 画像情報マトリクスを示す例図。
【図5】 曲線状の特徴量を示す例図。
【図6】 炉内温度のみに基づく炉内燃焼状態の制御系
を示すブロック線図。
を示すブロック線図。
【図7】 炉内温度と画像情報とに基づく炉内燃焼状態
の制御系を示すブロック線図。
の制御系を示すブロック線図。
【図8】 従来のごみ焼却炉の燃焼制御装置A0の一例
における概略構成を示す模式図。
における概略構成を示す模式図。
A1…制御装置 1…制御対象 2…第1のセンサ(第1の検出手段に相当) 3…第2のセンサ(第2の検出手段に相当) 4…第1の演算部(第1の演算手段に相当) 5…第2の演算部(第2の演算手段に相当) 6…第1の非干渉化演算部(第1の非干渉化手段に相
当) A2…燃焼制御装置 11…燃焼装置 12…第3のセンサ(第3の検出手段に相当) 13…第4のセンサ(第4の検出手段に相当) 14…第3の演算部(第3の演算手段に相当) 15…第4の演算部(第4の演算手段に相当) 16…第2の非干渉化演算部(第2の非干渉化手段に相
当) A3…ごみ焼却炉の燃焼制御装置 21…ごみ焼却炉 22…温度計 23…ごみ供給量演算部 24…カメラ 25…画像情報演算部 26…特徴量抽出部 27…水噴霧量演算部 28…ごみ供給量補正部 29…水噴霧量補正部
当) A2…燃焼制御装置 11…燃焼装置 12…第3のセンサ(第3の検出手段に相当) 13…第4のセンサ(第4の検出手段に相当) 14…第3の演算部(第3の演算手段に相当) 15…第4の演算部(第4の演算手段に相当) 16…第2の非干渉化演算部(第2の非干渉化手段に相
当) A3…ごみ焼却炉の燃焼制御装置 21…ごみ焼却炉 22…温度計 23…ごみ供給量演算部 24…カメラ 25…画像情報演算部 26…特徴量抽出部 27…水噴霧量演算部 28…ごみ供給量補正部 29…水噴霧量補正部
Claims (18)
- 【請求項1】 制御対象の制御状態におけるある状態量
を表す第1の制御量を検出する第1の検出手段と,上記
第1の検出手段により検出される第1の制御量に対し,
応答時間に差のある他の状態量を表す第2の制御量を検
出する第2の検出手段と,上記第1の検出手段により検
出された第1の制御量に基づいて上記制御対象の制御を
行うための第1の操作量を演算する第1の演算手段と,
上記第2の検出手段により検出された第2の制御量に基
づいて上記第1の演算手段により演算される第1の操作
量に対し,反応時間に差のある第2の操作量を演算する
第2の演算手段と,上記第1の演算手段により演算され
た第1の操作量と,上記第2の演算手段により演算され
た第2の操作量とを互いに非干渉化する第1の非干渉化
手段とを具備し,上記第1の非干渉手段により互いに非
干渉化された第1,第2の操作量を用いて上記制御対象
を制御してなる制御装置。 - 【請求項2】 上記第1の制御量よりも上記第2の制御
量の検出時の応答が速く,かつ上記第1の操作量よりも
上記第2の操作量による制御時の反応が速い場合に,上
記第2の演算手段が高速演算を行う請求項1記載の制御
装置。 - 【請求項3】 上記第2の演算手段による演算にニュー
ラルネットワークを用いる請求項2記載の制御装置。 - 【請求項4】 上記ニューラルネットワークがバックプ
ロパゲーションモデルである請求項3記載の制御装置。 - 【請求項5】 上記第1の非干渉化手段が上記第1の演
算手段により演算された第1の操作量を上記第2の検出
手段により検出された第2の制御量に基づいて補正する
請求項1〜4のいずれかに記載の制御装置。 - 【請求項6】 上記第1の非干渉化手段が上記第2の演
算手段により演算された第2の操作量を上記第1の検出
手段により検出された第1の制御量に基づいて補正する
請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。 - 【請求項7】 燃焼装置の燃焼状態におけるある状態量
を表す第3の制御量を検出する第3の検出手段と,上記
第3の検出手段により検出される第3の制御量に対し,
応答時間に差のある他の状態量を表す第4の制御量を検
出する第4の検出手段と,上記第3の検出手段により検
出された第3の制御量に基づいて上記燃焼装置の制御を
行うための第3の操作量を演算する第3の演算手段と,
上記第4の検出手段により検出された第4の制御量に基
づいて上記第3の演算手段により演算される第3の操作
量に対し,反応時間に差のある第4の操作量を演算する
第4の演算手段と,上記第3の演算手段により演算され
た第3の操作量と,上記第4の演算手段により演算され
た第4の操作量とを互いに非干渉化する第2の非干渉手
段とを具備し,上記第2の非干渉化手段により互いに非
干渉化された第3,第4の操作量を用いて上記燃焼装置
を制御してなる燃焼制御装置。 - 【請求項8】 上記第3の制御量よりも上記第4の制御
量の検出時の応答が速く,かつ上記第3の操作量よりも
上記第4の操作量による制御時の反応が速い場合に,上
記第4の演算手段が高速演算を行う請求項7記載の燃焼
制御装置。 - 【請求項9】 上記第4の演算手段による演算にニュー
ラルネットワークを用いる請求項8記載の燃焼制御装
置。 - 【請求項10】 上記ニューラルネットワークがバック
プロパゲーションモデルである請求項9記載の燃焼制御
装置。 - 【請求項11】 上記第2の非干渉化手段が上記第3の
演算手段により演算された第3の操作量を上記第4の検
出手段により検出された第4の制御量に基づいて補正す
る請求項7〜10のいずれかに記載の燃焼制御装置。 - 【請求項12】 上記第2の非干渉化手段が上記第4の
演算手段により演算された第4の操作量を上記第3の検
出手段により検出された第3の制御量に基づいて補正す
る請求項7〜11のいずれかに記載の燃焼制御装置。 - 【請求項13】 上記燃焼装置がごみ焼却炉である請求
項7〜12のいずれかに記載の燃焼制御装置。 - 【請求項14】 上記第3の制御量が炉内温度で,かつ
上記第4の制御量が炉内の燃焼状態に応じた画像情報で
ある請求項13記載の燃焼制御装置。 - 【請求項15】 上記第3の操作量がごみ供給量で,か
つ上記第4の操作量が炉内への水噴霧量である請求項1
3又は14記載の燃焼制御装置。 - 【請求項16】 ごみ焼却炉の燃焼状態を表す炉内温度
を検出する温度計と,上記温度計により検出された炉内
温度に基づいて上記焼却炉に供給されるごみ供給量を演
算するごみ供給量演算部とを具備したごみ焼却炉の燃焼
制御装置において,上記焼却炉の燃焼状態を視覚的にと
らえるカメラと,上記カメラでとらえられた炉内の燃焼
状態に対応する画像情報を作成する画像情報作成部と,
上記画像情報作成部により作成された画像情報の中から
特徴量を抽出する特徴量抽出部と,上記特徴量と炉内の
燃焼状態との関係を予め学習させておいたニューラルネ
ットワークに,上記特徴量抽出部により抽出された特徴
量を入力することによって,焼却炉の燃焼状態を制御す
るために炉内に噴霧される水噴霧量を演算する水噴霧量
演算部と,上記ごみ供給量演算部により演算されたごみ
供給量を上記カメラにより捕らえられた炉内の燃焼状態
に対応する画像情報に基づいて補正するごみ供給量補正
部と,上記水噴霧量演算部により演算された水噴霧量を
上記温度計により検出された炉内温度に基づいて補正す
る水噴霧量補正部とを具備し,上記ごみ供給量補正部に
より補正されたごみ供給量と,上記水噴霧量補正部によ
り補正された水噴霧量とを用いて上記焼却炉を制御して
なることを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御装置。 - 【請求項17】 上記特徴量が所定の曲線で表わされる
請求項16記載のごみ焼却炉の燃焼制御装置。 - 【請求項18】 上記所定の曲線が上記焼却炉内横方向
の輝度分布曲線である請求項17記載のごみ焼却炉の燃
焼制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5324099A JPH07182009A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5324099A JPH07182009A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07182009A true JPH07182009A (ja) | 1995-07-21 |
Family
ID=18162153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5324099A Pending JPH07182009A (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07182009A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024000800A1 (zh) * | 2022-06-30 | 2024-01-04 | 福建省龙德新能源有限公司 | 用于六氟磷酸锂制备的能源管理控制系统及其控制方法 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP5324099A patent/JPH07182009A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024000800A1 (zh) * | 2022-06-30 | 2024-01-04 | 福建省龙德新能源有限公司 | 用于六氟磷酸锂制备的能源管理控制系统及其控制方法 |
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