JPH07179653A - 析出プラスチックの乾燥回収方法及びその装置 - Google Patents

析出プラスチックの乾燥回収方法及びその装置

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JPH07179653A
JPH07179653A JP34631693A JP34631693A JPH07179653A JP H07179653 A JPH07179653 A JP H07179653A JP 34631693 A JP34631693 A JP 34631693A JP 34631693 A JP34631693 A JP 34631693A JP H07179653 A JPH07179653 A JP H07179653A
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plastic
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drying
desorption
tank
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JP34631693A
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English (en)
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Hidehiko Kudo
英彦 工藤
Mayumi Ushiku
真弓 牛久
Hideo Hashimoto
英夫 橋本
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 小片状の析出プラスチックの乾燥を、可塑
剤、溶剤等の付着物を脱着して乾燥負荷を軽減し効率的
に行うための方法及び装置の提供。 【構成】 常圧または減圧下で該析出プラスチックから
該付着物を脱着除去する脱着除去域と、該脱着除去域か
ら送出される該析出プラスチックを減圧下で乾燥させる
乾燥域とからなり、該乾燥域には該析出プラスチックに
加熱ガスを供給し流動化する加熱ガス供給機構と乾燥析
出プラスチックを回収する回収機構とを備え、前記脱着
除去域内には互いに圧接状態で回転駆動され、且つ、軸
心内部が負圧状態にされる脱着ローラ対の複数からなる
脱着ロ−ル群が多段に配置され、該析出プラスチックが
前記脱着ロ−ラ対を通過する際に該付着物を脱着除去す
る共に、析出プラスチックを乾燥域で流動乾燥し回収す
ることを特徴とする析出プラスチックの乾燥回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、析出プラスチックの乾
燥回収方法及びその装置に関し、特に、プラスチック廃
棄物よりプラスチックを回収し再資源化を図るため、プ
ラスチック溶液から、特に小片状に析出したプラスチッ
クの乾燥回収方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル等の各種プラスチックは、種々の生活用品に多
用され、現代の我々の生活に欠かせない資材である。一
方、これら各種プラスチックの使用は、日常生活を豊か
で便利にする反面、多量のプラスチックの廃棄物処理が
問題とされ、その非酸化性や非微生物分解性等の特性か
ら近年の廃棄物処理問題を複雑化しまた増大させる一因
となっている。因に、1990年のプラスチック総生産
量は年間1000万トンを越え、それに伴い多量のプラ
スチック廃棄物が排出されている。従来、プラスチック
廃棄物は、66%が焼却炉により燃焼処理され、23%
が埋立処分、残りの11%がリサイクルされている。し
かし、燃焼処理においてはプラスチックの発熱量が高
く、融点が低いために炉壁や火格子を痛め、かつ、塩化
ビニル樹脂などは燃焼により腐食性で毒性の高い塩素系
ガスを発生する問題がある。また、埋立処分において
は、プラスチック廃棄物の嵩密度が小さいこと、腐食し
ないことから埋立地の短命化の問題を抱え、また、リサ
イクルにおいては汚れ、臭気、劣化等の品質の問題によ
り用途が限られ付加価値の低い製品となることが多い。
【0003】現在、上記プラスチック廃棄物の処理の中
ではリサイクルが望まれ、上記の問題を解決するような
方法として、各種製品に変換するマテリアルリサイク
ル、熱分解等によりモノマーとするケミカルリサイク
ル、燃料物とするフューエルリサイクル、燃焼して熱エ
ネルギーとするエネルギーリサイクルの開発が検討され
ている。その一つとしてプラスチック廃棄物を溶剤に溶
解し、汚れ、臭気及び変質樹脂を除去した後、析出剤に
より再生する処理法が提案されている。例えば、特開昭
59−115811、同59−221341、同61−
185540号公報等がある。これら提案のプラスチッ
ク溶解液と析出剤の混合方法により析出された析出プラ
スチックは、風乾、温風乾燥、容器内の減圧乾燥または
加熱減圧乾燥等で残存する溶剤や析出剤を除去している
が、これらの方法では、溶剤及び析出剤が析出プラスチ
ックに取り込まれたり、可塑剤が付着残存するおそれが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に、
プラスチック廃棄物の中でも大量のポリ塩化ビニル廃棄
物を上記の析出方法で再生する場合、含有される高沸点
可塑剤は、一般に溶剤及び析出剤に抽出されるが、抽出
された後析出プラスチック表面に付着し、上記のような
従来の乾燥方法ではそのまま再生プラスチックに残存
し、再生プラスチックの品質を低下させるおそれがあ
る。更に、発明者らによれば、析出を小片状で行った場
合、析出再生プラスチックが凝集する等の不都合が生じ
ることが知見された。また、風乾や温風乾燥法では、溶
剤や析出剤等を含有する乾燥排ガス処理が煩雑であり、
且つ、溶剤や析出剤の回収ロスも多い。一方、加熱乾燥
では、樹脂の溶解、変質、分解等が生起されるおそれが
ある上、乾燥域に温度むらをなくすように制御する必要
があり、また析出プラスチックにおいては乾燥むらが生
じる等の不都合がある。
【0005】本発明は、上記の析出プラスチック、特
に、小片状の析出プラスチックの乾燥における問題を解
決し、プラスチック廃棄物を高品質で再生回収すること
を目的とする。そのため、発明者らは、プラスチック廃
棄物を溶解した溶液と析出剤との混合により析出したプ
ラスチック、特に、小片状析出プラスチックをそのまま
直接乾燥処理するのではなく、予め前処理として、また
は、同時に、溶剤、可塑剤及び析出剤を除去すると共
に、析出プラスチックの流動状態下におくことにより均
一に乾燥でき、更に、除去される可塑剤、溶剤及び析出
剤の回収にも優れる方法及び装置を見出し、本発明を完
成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プラス
チックを溶剤に溶解したプラスチック溶解液と析出剤と
を混合して溶解プラスチック成分を小片状で析出させた
後、分離した小片析出プラスチックを、常圧または減圧
下で吸着材と圧接状態となして該析出プラスチックに付
着する可塑剤、溶剤及び析出剤等付着物を脱着除去して
回収すると共に、減圧下該析出プラスチックを乾燥回収
することを特徴とする析出プラスチックの乾燥回収方法
が提供される。
【0007】更に、本発明は、プラスチックを溶剤に溶
解したプラスチック溶解液と析出剤とを混合して溶解プ
ラスチック成分を小片状で析出させた後、分離した小片
析出プラスチックに付着する可塑剤、溶剤及び析出剤等
付着物を除去して乾燥する析出プラスチックの乾燥回収
装置において、常圧または減圧下で該析出プラスチック
から該付着物を脱着除去する脱着除去域と、該脱着除去
域から送出される該析出プラスチックを減圧下で乾燥さ
せる乾燥域とからなり、該乾燥域には該析出プラスチッ
クに加熱ガスを供給し流動化する加熱ガス供給機構と乾
燥析出プラスチックを回収する回収機構とを備え、前記
脱着除去域内には互いに圧接状態で回転駆動され、且
つ、軸心内部が負圧状態にされる脱着ローラ対の複数か
らなる脱着ロ−ル群が多段に配置され、該析出プラスチ
ックが前記脱着ロ−ラ対を通過する際に該付着物を脱着
除去する共に、析出プラスチックを乾燥域で流動乾燥し
回収することを特徴とする析出プラスチックの乾燥回収
装置が提供される。
【0008】また、プラスチックを溶剤に溶解したプラ
スチック溶解液と析出剤とを混合して溶解プラスチック
成分を小片状で析出させた後、分離した小片析出プラス
チックに付着する可塑剤、溶剤及び析出剤等付着物を除
去して乾燥する析出プラスチックの乾燥回収装置におい
て、減圧同一槽内で該析出プラスチックから該付着物を
脱着除去すると同時に該析出プラスチックを乾燥する脱
着乾燥槽であって、該析出プラスチックの供給機構を有
し、該槽内下部に加熱ガスを供給する加熱ガス供給機構
及び該析出プラスチックを槽外に送出するプラスチック
回収機構を備え、回転軸心及び回転軸から複数延びた各
アーム内部が負圧状態にされると共に該各アームに脱着
体が配置されており、該槽内に供給された該析出プラス
チックを該加熱ガス供給機構により流動化して流動プラ
スチック層を形成し、該流動プラスチック層内で該回転
軸が駆動回転され該脱着体と該流動化析出プラスチック
とが圧接状態となり該付着物が脱着除去されると同時に
該析出プラスチックが乾燥され回収されることを特徴と
する析出プラスチックの乾燥回収装置が提供される。
【0009】本発明の析出プラスチック乾燥回収装置に
おいて、好ましくは、前記脱着槽内における脱着体の回
転軸が横置き配置されているものであり、また、前記脱
着槽内における回転軸の周囲に螺旋状体に脱着体が形成
されて、送り方向に沿って次第に、前記流動化析出プラ
スチックとの接触圧が増大するように形成されているも
のである。更に、本発明の前記脱着ローラまたは脱着体
は、周面に複数の穿設孔を有する中空容器の外周面に不
織布が巻着されているものが好ましい。
【0010】
【作用】本発明は上記のように構成され、プラスチッ
ク、特に、それら廃棄物の溶液を、不溶性の析出剤に微
細化噴出等して混合することにより、平均直径約0.5
〜5mmの小片状に析出されたプラスチック成分を析出
液と分離後、乾燥前または同時に、析出プラスチックに
付着する可塑剤、溶剤及び析出剤、特に、高沸点の可塑
剤を脱着除去するため、乾燥負荷が軽減されて効率的な
乾燥を行うことができる。更に、付着可塑剤による析出
プラスチックの凝集も防止できる。また、減圧下でガス
を吹き込み小片状析出プラスチックを流動状態として乾
燥するため温度制御が容易であり、煩雑な乾燥温度制御
をすることなく乾燥むらなく、均一に且つ十分に乾燥す
ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明について、図面を参照しながら
詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限
されるものでない。図1は本発明の析出プラスチックの
乾燥回収装置の一実施例の説明図であり、図2は図1の
脱着ロール・ローラ対の部分斜視図であり、図3は図1
の脱着ロール・ローラ対の駆動系を示す側面図であり、
図4は図1の脱着ロール・ローラ対の中心軸部分を示す
正面説明図である。図1〜図4に沿って説明する。図1
は本発明装置の全体説明図であり、この装置は、凡そ、
符号10で示す脱着槽、この脱着槽10から送り出され
た析出プラスチックを乾燥させる乾燥槽20、更には、
この乾燥槽20から乾燥した析出プラスチックのみ分離
排出するプラスチック回収機構24と共に、乾燥槽20
から溶剤、析出剤等のガス成分を回収するガス回収機構
30、更に、脱着槽10から脱着除去された可塑剤及び
溶剤や析出剤を回収する付着物回収機構40、並びに、
上記槽及び機構を結ぶ管路などで構成されている。
【0012】次に、順を追って脱着槽10から説明す
る。脱着槽10内には、複数の穿設孔を有する周表面
に、フェルト、ろ紙等の吸着、吸収力に富む不織布等の
脱着材で形成された脱着層が巻着されたロ−ル複数が、
互いに圧接状態におかれて対を形成すると共に平面的に
配列されてロール群11を形成している。即ち、ロ−ル
群11は、強制的に駆動されるロ−ル11xと、このロ
−ル11xにより回転させられるロ−ラ11yにより形
成されており、ロ−ル11x、ロ−ラ11yはその中心
部に中空軸11a、11bをもっていて、中空軸11
a、11bの一端部は閉塞されて閉塞端部になってお
り、この閉塞端部は脱着槽10を形成する槽壁10Aの
外において軸受け12により支持され、閉塞軸端の内中
空軸11aには駆動輪13が取付けられて駆動されるロ
−ル11xになっている。また、この駆動輪13には、
モ−タ(図示していない)によって強制的に駆動される
ティ−スベルト14が懸架されており、前記中空軸11
aの開放端部には脱着槽10を形成する槽壁10Aの外
において軸受け15により支持されていて、端部は蛇腹
管16を介して減圧管17に接続され、負圧状態にされ
ている。この減圧管17は後述する付着物回収機構40
に管路を介して接続されている。
【0013】駆動輪13をもたないロ−ラ11yの中空
軸11bの開放端部も前記ロ−ラ11xと同様に脱着槽
10を形成する槽壁10Aの外において軸受け15によ
り支持されていて、端部は蛇腹管16を介して減圧管1
7に接続されている。上述のロ−ル群11は図1に示す
ように多段に配置されており、脱着槽10の上部に開口
してある供給口10Bから析出プラスチックの平均直径
0.5〜5mmの小片、例えば、粉末、顆粒物を連続的
に脱着槽10内部空間に供給でき、ガイド10Cの上を
滑って、一段めのロ−ル群11の上に均一に供給するこ
とができるようになっている。更に、一段目ロ−ル群1
1のロ−ル11x、ロ−ラ11y間に小片状の析出プラ
スチックが送り込まれて通過する過程においてロ−ル1
1x、ロ−ラ11yの脱着層により主に可塑剤、更に溶
剤及び析出剤等の付着物が脱着され、次の(二段目の)
ロ−ラ群11上に落下し、脱着作用を受け、更に三段目
のロ−ラ群11の上に落下供給される。
【0014】上記脱着槽10内のロ−ラ群11を通過し
た析出プラスチックは、まだ、溶剤、析出剤が残存して
いるため乾燥状態ではなく、次いで、乾燥させるために
脱着槽10から析出プラスチックは乾燥槽20に送り込
まれる。この場合、脱着槽10の底部はホッパ状の傾斜
した底板により形成されており、その最も低い位置にこ
れから説明する乾燥槽20に通じる送出管路18が設け
られている。前記送出管路18はゲ−トバルブ19をも
ち、前記乾燥槽20への析出プラスチックの供給を制御
している。乾燥槽20は密閉空間をもち、その内部空間
は前記送出管路18との接続位置より低い位置に配置さ
れた散気板21により上部空間20Aと、それより下の
下部空間20Bとに区画されていて、下部空間20B中
には後で説明する加熱機構を通過して温度が上昇した乾
燥空気等の加熱ガスを流入させる管路22が配置されて
いて、管路22から流入した加熱ガスは散気板21を通
過して、散気板21上に堆積状になっている析出プラス
チックの下側から供給される。
【0015】上記乾燥槽20の上部空間20Aの最も低
い位置に、乾燥させられた析出プラスチックを乾燥槽外
に送り出す乾燥樹脂送出口23があって、この乾燥樹脂
送出口23にはスクリュウコンベア24が配置されてい
て、積極的に析出プラスチックを送り出すことができる
ようになっている。更に、乾燥槽20の上部空間20A
にはその頂部に排気口25か開口されておりこの排気口
25はガス回収機構30の管路31に接続され、この管
路31は気液分離器32に接続されていて、この間の管
路31の途中にはク−ラ33があり、乾燥槽20から回
収される高温のガスを冷却して前記分離器32に供給
し、気液を分離した後、その頂部から管路34を経てブ
ロワー35の吸引力で排出することができるようになっ
ている。ブロワー35は分離器32内部に負圧を供給す
ると共に、その吐出口は管路36を経てバタフライ弁3
7を介して加熱器41に接続され、更に管路22から前
記乾燥槽20に接続されている。加熱器41は付着物回
収機構40を形成する分離器42の頂部に管路により接
続されており、この分離器42には、前記脱着槽10に
おける各ロ−ル11x及びロ−ラ11yの中空軸11
a、11bに接続されている減圧管17の端部が接続さ
れている回収管43の端部が、分離器42の上部近くに
接続されて、析出プラスチックに付着する可塑剤、溶
剤、析出剤等の付着物が冷却器44を経て凝縮されて、
分離、貯留されるようになっている。
【0016】次に、上記第1の実施例における装置の運
転の実際を説明する。先ず、プラスチック廃棄物は粉砕
され、溶剤に溶解されてプラスチック溶液とされた後、
プラスチック不溶性の析出剤と、例えば、高速回転混合
や加圧噴出法等の所定方法で高分散状態で混合され、小
片状に析出される。小片状の析出プラスチックは、濾過
等により溶液から分離された後、脱着槽10の供給口1
0Bから内部に供給される。脱着槽10の内部空間では
ロ−ル群11、言い換えると、ロ−ル11x、ロ−ラ1
1yが互いに圧接状態に配置されているので、ロ−ル1
1xが駆動輪13、中空軸11aを介してティ−スベル
ト14により駆動されると、ロ−ラ11yも従動回転
し、両ロ−ル11x、ロ−ラ11y間に粉末、顆粒状等
小片状の析出プラスチックが誘導される。誘導された小
片状析出プラスチックは、強制的に摩擦を受けて、各ロ
−ル・ロ−ラの複数孔が穿設された周表面に巻着形成し
てある脱着層により付着物の可塑剤、溶剤、析出剤が吸
収脱着される。この場合、前記ロ−ル11x、ロ−ラ1
1yの中空軸11a、11bは、減圧管17に連通され
て負圧状態になっているので、脱着された付着物だけが
回収管43を経て冷却後、付着物回収機構40の分離器
42に集められ、液体の部分だけはその底部に溜められ
る。一方、分離器42内の気体部分は、前記ガス回収機
構30のブロワー35より発生する負圧により吸出さ
れ、ブロワー35の排出口に接続されている管路36よ
り供給されるガスと共に、加熱器41を経て加熱され管
路22から乾燥槽20に送入される。
【0017】上記脱着槽内のロ−ル群11は、例えば3
段等の多段に配列されているので、1段目のロ−ル群1
1から2段目のロ−ル群へ、更に、3段目のロ−ル群の
上に落下して前述の作用が繰り返し施されて、可塑剤、
溶剤、析出剤等の付着物が各ロ−ル群において吸収脱着
除去される。脱着槽10の底部に落下した析出プラスチ
ックは送出管路18を経て乾燥槽20の中へ送り込ま
れ、その送り込み量はゲ−トバルブ19の開度の制御に
より行い、乾燥槽20に供給された析出プラスチック
は、その下部空間20Bに配設した管路22から送出さ
れる加熱ガス、例えば、約50〜100℃の加熱空気が
散気板21を通過して前記析出プラスチック中に流通さ
れ、析出プラスチックを流動化させつつ同時に乾燥す
る。上記のようにして乾燥された析出プラスチックは乾
燥樹脂送出口23からスクリュウコンベア24により乾
燥槽20外に送り出され、乾燥に用いた加熱空気は、ガ
ス回収機構30を構成する管路31を経てク−ラ34に
おいて冷却された後、気液分離器32に送り込まれる。
上記分離器32はブロワー35により気体成分が吸引さ
れているので、吸引された気体、大半が導入した加熱ガ
スの空気であるが、ブロワー35の下流にある管路36
を経て、付着物回収機構40の分離器42において分離
された空気等の気体と共に、管路22を経て前記乾燥槽
20に循環供給される。
【0018】次に、本発明の他の実施例について図5〜
図7に沿って説明する。図5は本発明の他の実施例の装
置の全体説明図であり、図6は図5の装置における中心
軸の支持部分付近の断面図であり、図7は図5における
脱着体部分の拡大斜視図である。図5〜図7において、
上記第1の実施例と共通する部分は共通する符号を付し
て説明を省略する。本実施例は、脱着槽10と乾燥槽2
0とを単一の槽により実施した形式のもので、この脱着
乾燥槽10(20)においては、ロ−ル群に換えて、回
転させられ、周囲に脱着層が形成されている複数の同様
の脱着体111を脱着乾燥槽10(20)の高さ方向に
沿った軸心に沿って配置した中心軸110の周囲に設け
たものである。中心軸110の上端部は脱着乾燥槽10
(20)の上端において軸受けにより支持されており、
下端部は脱着乾燥槽10(20)の外部においてスラス
ト軸受け112により支持されていて、前記中心軸11
0、脱着体111はア−ム113により一体化されてい
て、これらの部材は中空部材が使用され、内部の空間は
連通状態になっている。
【0019】上記脱着乾燥槽10(20)の底部はロ−
ト状になっていて、そのロ−ト状に形状が変化する部分
に散気板21があり、この散気板21より上の空間に前
記脱着体111、ア−ム113が位置していて、散気板
21の直上でア−ム113が回転できるようになってい
て、散気板21から下の空間には前記乾燥槽20の下部
空間の相当部が形成されて空気等の加熱ガスが、管路2
2から内部空間へ流入できるようになっている。また、
前記脱着体111の脱着層を介して脱着された可塑剤、
溶剤等の付着物はその部分から、ア−ム113の内部空
間を経て、中心軸110の内部へと導かれ、この中心軸
の内部空間は気液分離器32と管路31により連通状態
になっている。
【0020】前記中心軸110は図6に示すように、脱
着乾燥槽10(20)の外部において歯車114をも
ち、この歯車114がモ−タ115の出力軸に設けた歯
車116を経て回転とトルクを伝達されて付着物の脱着
に適した回転数で駆動できるようになっている。この部
分を図7に拡大して示した。また、中心軸110と管路
31とはオイルシール機構で気密に接続されている。前
記管路31は気液分離器32に至る途中にク−ラ33を
もち、脱着乾燥槽10(20)から吸引したガス成分を
冷却できるようになっており、このク−ラ33から管路
31は延びて気液分離器32に連通されており、この分
離器32はブロワー35により管路36を経て吸引作用
を受けて、大半が導入エアーのガスがバタフライ弁37
を経て、前記管路22に供給循環されている。
【0021】更に、図8は、本発明の第3の実施例の説
明図である。図8の実施例は、脱着体を円盤型にしたも
ので、脱着槽10及び乾燥槽20を単一槽とした点は、
上記第2の実施例と同様である。脱着乾燥槽10(2
0)の内部において横軸型の中心軸110を配置し、こ
れに脱着層を施した円盤型の脱着体111を複数列取付
けると共に、脱着体111の内部は前実施例と同様に中
空状とし、中心軸110の内部空間と連通状態にしてあ
る。前記中心軸110は脱着乾燥槽10(20)の外部
において軸受け122、123により支持されており、
軸端には歯車124があって、モ−タ125から歯車1
26を介して、回転駆動されるようになっている。上記
脱着乾燥槽10(20)の内部の空間の下部にはエアー
等の加熱ガスを噴出するエアノズル222が下部底部の
長さ方向に沿って配置されていて、この脱着乾燥槽10
(20)において、可塑剤、溶剤等の付着物が脱着除去
されながら、析出プラスチックは前記エアノズル222
から噴出される乾燥加熱空気等により流動化され乾燥さ
れて、その脱着乾燥槽10(20)の底部に設けてある
乾燥樹脂送出口23から外部へ送り出される。
【0022】上記のように第3の実施例は、第2の実施
例と同様に脱着槽10と、乾燥槽20とを結合して両方
の機能をもたせたものであるが、散気板22を設けず
に、加熱ガスを直接に析出プラスチックの中へ噴出する
ようにしたものである。また、第2の実施例と同様に、
中心軸110から管路31を経由して気液分離器32へ
脱着された可塑剤等の付着物が送出され、その途中にお
いてク−ラ33により冷却される。前記分離器32から
は管路36を経てブロワー35を介してガス成分が送出
され、前記エアノズル222から脱着乾燥槽10(2
0)内に供給される。この管路36の送出中には前記実
施例と同様に加熱器41があって、供給される空気等の
ガスを加熱している。
【0023】図9は、本発明の第4の実施例であり、前
記第2及び第3の実施例と同様に、脱着と乾燥を単一の
槽とし、脱着乾燥槽10(20)内に中心軸110を横
置き状態にして、これに螺旋状にした脱着体111を取
付け、螺旋のピッチを送り方向の先に向かうに従い小さ
くして、接触圧を次第に増加したものである。この場
合、析出プラスチックの供給口は螺旋ピッチの粗い部分
に近いところに配置し、乾燥樹脂送出口23はピッチの
細かい部分に近いところに配置する。その他は、前記実
施例と同様である。
【0024】実施例 ポリ塩化ビニル廃棄物をジオキサンに溶解した後、n−
ヘキサンに微細噴霧して析出して得た小片状の析出ポリ
塩化ビニルを、図1に示したと同様の装置を用いて表面
付着物を除去し乾燥回収した。即ち、析出溶液から分離
された小片状析出PVCを、約0.67kg/時で脱着
槽10の上部に開口してある供給口10Bから供給し
た。脱着槽10には、周面にランダムに多数の穿設孔を
設けたアルミニウム製中空管に表面をフェルト状ろ紙で
巻着した脱着ロール11x・ローラ11y対を各段3対
づつ配列しそれらを3段設置してロール群11を形成し
た。この場合、脱着ロール・ローラ対の圧接状態が、ロ
ール群の1段目、2段目、3段目へと順次強くなるよう
にフェルト状ろ紙の巻着厚さを調整した。上記のように
組立てられた脱着ロール・ローラ対を、約60rpmで
回転させ、中空管内は約−300mm(水柱)に減圧さ
れた減圧管17に接続し、供給された析出PVCを処理
した。この結果、分離器42には、約0.16kg/時
の付着物の流入があり、流入物を分析した結果、可塑剤
のジオクチルフタレート(DOP)1.4重量%、溶剤
ジオキサン22.7重量%、析出剤n−ヘキサン75.
9重量%であった。次いで、ゲートバルブ19を開き、
付着物を脱着した析出PVCを乾燥槽20に0.51k
gで送入した。乾燥槽20は、流動槽20の頂部の排気
口25から排気されるガスがクーラー33及び気液分離
器34を経て流動槽20に循環するためのブロワー35
で吸引されて脱着ロール・ローラと同様に約−300m
m(水柱)の負圧状態で、約80℃の加熱空気を管路2
2から約20m3 /分で導入して散気板21から吹き出
し、流入した析出PVCを滞留時間約1時間で流動乾燥
し、乾燥樹脂送出口23からスクリュウコンベア24で
0.47kgの乾燥した小片状のPVCを抜き出し回収
した。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による析出プラスチックの乾燥回収方法及びその装置に
よれば、プラスチック溶解液を所定の方法で析出剤と混
合して顆粒状、粉末状等の小片状に析出するプラスチッ
ク表面に残存する多量の可塑剤溶剤、析出剤等の付着物
を好適に脱着除去し、乾燥負荷を軽減することができ
る。しかも、付着物脱着及び乾燥を減圧下で行うことが
でき、更に、析出プラスチックを攪拌、流動状態にする
ことができるので、乾燥能率の向上が著しく均一に乾燥
できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の析出プラスチックスの乾燥回収装置の
一実施例の全体説明図である。
【図2】図1の脱着ロ−ル・ロ−ラ対の部分斜面図であ
る。
【図3】図1の脱着ロ−ル・ロ−ラ対の駆動系を示す側
面図である。
【図4】図1の脱着ロ−ル・ロ−ラ対の中心軸部分を示
す正面説明図である。
【図5】本発明の他の実施例の装置全体の説明図であ
る。
【図6】図5の装置の中心軸の支持部付近の断面図であ
る。
【図7】図5の装置の脱着体部分の拡大斜面図である。
【図8】本発明の第3の実施例の装置全体の説明図であ
る。
【図9】本発明の第4の実施例の装置全体の説明図であ
る。
【符号の説明】
10 脱着槽 222 エア
ノズル 11 脱着ロ−ル群 11x 脱着ロ−ル 11y 脱着ロ−ラ 11a、11b、110 中心軸 13 駆動輪 14 ティ−スベルト 12、15、122、123 軸受け 112 スラ
スト軸受け 16 蛇腹管 17 減圧管 20 乾燥槽 21 散気板 22、33、34、36、43 管路 23 乾燥樹脂送出口 24 スクリュウコンベア 25 排気口 30 ガス回収機構 32 気液分離器 33 ク−ラ 35 ブロワー 37 バタフライ弁 40 付着物回収機構 41 加熱器 42 分離器 44 冷却器 111、121 脱着体 113 アーム 114、116、124、126 歯車 115、125 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F26B 17/10 C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックを溶剤に溶解したプラスチ
    ック溶解液と析出剤とを混合して溶解プラスチック成分
    を小片状で析出させた後、分離した小片析出プラスチッ
    クを、常圧または減圧下で吸着材と圧接状態となして該
    析出プラスチックに付着する可塑剤、溶剤及び析出剤等
    付着物を脱着除去して回収すると共に、減圧下で該析出
    プラスチックを流動状態で乾燥し回収することを特徴と
    する析出プラスチックの乾燥回収方法。
  2. 【請求項2】 プラスチックを溶剤に溶解したプラスチ
    ック溶解液と析出剤とを混合して溶解プラスチック成分
    を小片状で析出させた後、分離した小片析出プラスチッ
    クに付着する可塑剤、溶剤及び析出剤等付着物を除去し
    て乾燥する析出プラスチックの乾燥回収装置において、
    常圧または減圧下で該析出プラスチックから該付着物を
    脱着除去する脱着除去域と、該脱着除去域から送出され
    る該析出プラスチックを減圧下で乾燥させる乾燥域とか
    らなり、該乾燥域には該析出プラスチックに加熱ガスを
    供給し流動化する加熱ガス供給機構と乾燥析出プラスチ
    ックを回収する回収機構とを備え、前記脱着除去域内に
    は互いに圧接状態で回転駆動され、且つ、軸心内部が負
    圧状態にされる脱着ローラ対の複数からなる脱着ロ−ル
    群が多段に配置され、該析出プラスチックが前記脱着ロ
    −ラ対を通過する際に該付着物を脱着除去する共に、析
    出プラスチックを乾燥域で流動乾燥し回収することを特
    徴とする析出プラスチックの乾燥回収装置。
  3. 【請求項3】 前記脱着ローラが、周面に複数の穿設孔
    を有する中空容器の外周面に不織布が巻着されてなる請
    求項2記載の析出プラスチックの乾燥回収装置。
  4. 【請求項4】 プラスチックを溶剤に溶解したプラスチ
    ック溶解液と析出剤とを混合して溶解プラスチック成分
    を小片状で析出させた後、分離した小片析出プラスチッ
    クに付着する可塑剤、溶剤及び析出剤等付着物を除去し
    て乾燥する析出プラスチックの乾燥回収装置において、
    減圧同一槽内で該析出プラスチックから該付着物を脱着
    除去すると同時に該析出プラスチックを乾燥する脱着乾
    燥槽であって、該析出プラスチックの供給機構を有し、
    該槽内下部に加熱ガスを供給する加熱ガス供給機構及び
    該析出プラスチックを槽外に送出するプラスチック回収
    機構を備え、回転軸心及び回転軸から複数延びた各アー
    ム内部が負圧状態にされると共に該各アームに脱着体が
    配置されており、該槽内に供給された該析出プラスチッ
    クを該加熱ガス供給機構により流動化して流動プラスチ
    ック層を形成し、該流動プラスチック層内で該回転軸が
    駆動回転され該脱着体と該流動化析出プラスチックとが
    圧接状態となり該付着物が脱着除去されると同時に該析
    出プラスチックが乾燥され回収されることを特徴とする
    析出プラスチックの乾燥回収装置。
  5. 【請求項5】 前記脱着槽内における脱着体の回転軸が
    横置き配置されている請求項4記載の析出プラスチック
    の乾燥回収装置。
  6. 【請求項6】 前記脱着槽内における回転軸の周囲に螺
    旋状体に脱着体が形成されており、送り方向に沿って次
    第に、前記流動化析出プラスチックとの接触圧が増大す
    る請求項1または請求項5記載の析出プラスチックの乾
    燥回収装置。
  7. 【請求項7】 前記脱着体が、周面に複数の穿設孔を有
    する中空容器の外周面に不織布が巻着されてなる請求項
    2〜6記載の析出プラスチックの乾燥回収装置。
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WO2011102420A1 (ja) * 2010-02-22 2011-08-25 株式会社松井製作所 粉粒体材料の減圧式乾燥装置
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