JPH0717896A - 新規なメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法 - Google Patents
新規なメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法Info
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- JPH0717896A JPH0717896A JP16571093A JP16571093A JPH0717896A JP H0717896 A JPH0717896 A JP H0717896A JP 16571093 A JP16571093 A JP 16571093A JP 16571093 A JP16571093 A JP 16571093A JP H0717896 A JPH0717896 A JP H0717896A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 pHを4ないし7の範囲に保ちながらメタク
リル酸溶液と金属塩溶液とを混合して、鉄および/また
はクロムを中心金属とし、式 【化1】 [FexCr3-x(μ3−O)(μ−MAA)6L3]Xa (式中、MAAはメタクリル酸カルボキシラトアニオ
ン、Lは単座配位子、Xはハロゲンアニオン、Cl
O4、NO3、SO4およびメタクリル酸カルボキシラト
の中から選ばれる1種以上のアニオンを表し、xは0、
1、2または3、aは0ないし1の数である。)で表さ
れるメタクリル酸含有三核錯体を製造する。 【効果】 有機溶剤に可溶で、金属含有量が高く、しか
も重合性のある、多用途に有用な新規メタクリル酸含有
三核錯体を、効率よく得ることができる。
リル酸溶液と金属塩溶液とを混合して、鉄および/また
はクロムを中心金属とし、式 【化1】 [FexCr3-x(μ3−O)(μ−MAA)6L3]Xa (式中、MAAはメタクリル酸カルボキシラトアニオ
ン、Lは単座配位子、Xはハロゲンアニオン、Cl
O4、NO3、SO4およびメタクリル酸カルボキシラト
の中から選ばれる1種以上のアニオンを表し、xは0、
1、2または3、aは0ないし1の数である。)で表さ
れるメタクリル酸含有三核錯体を製造する。 【効果】 有機溶剤に可溶で、金属含有量が高く、しか
も重合性のある、多用途に有用な新規メタクリル酸含有
三核錯体を、効率よく得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタクリル酸を含有す
る三核錯体およびその製造方法に関する。
る三核錯体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子工業で用いられる有機酸金属塩
で、実用的な溶解度を有するものとしては、2−エチル
ヘキサン酸、ラウリン酸、ナフテン酸などの高級脂肪酸
金属塩が知られているが、これらの金属塩は分子中の金
属含有率が低いため、使用する場合多量を必要とし、ま
たそれ自身重合性がないのでポリマーに添加した場合、
製品からブリードすることが避けられない。
で、実用的な溶解度を有するものとしては、2−エチル
ヘキサン酸、ラウリン酸、ナフテン酸などの高級脂肪酸
金属塩が知られているが、これらの金属塩は分子中の金
属含有率が低いため、使用する場合多量を必要とし、ま
たそれ自身重合性がないのでポリマーに添加した場合、
製品からブリードすることが避けられない。
【0003】これに対して、金属含有率および重合性の
面で、メタクリル酸金属塩の使用が有利である。メタク
リル酸と金属原子とは中和反応により塩を形成すること
は非常に良く知られており、その塩の代表的な例として
はメタクリル酸亜鉛、メタクリル酸鉄、メタクリル酸マ
ンガン、メタクリル酸ニッケル、メタクリル酸コバル
ト、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル酸鉛などが
挙げられる。
面で、メタクリル酸金属塩の使用が有利である。メタク
リル酸と金属原子とは中和反応により塩を形成すること
は非常に良く知られており、その塩の代表的な例として
はメタクリル酸亜鉛、メタクリル酸鉄、メタクリル酸マ
ンガン、メタクリル酸ニッケル、メタクリル酸コバル
ト、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル酸鉛などが
挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のメタクリル酸金属塩はいずれも分子内に反応性の高い
二重結合を有するという点では好ましいが、塩構造のた
め有機溶剤への溶解性が悪く、その用途は限られたもの
であった。そこで、高分子錯体製造原料として、更に各
種樹脂の改質剤、機能付与剤として広範な用途の期待で
きる、溶解性の高いメタクリル酸金属塩が望まれる。
のメタクリル酸金属塩はいずれも分子内に反応性の高い
二重結合を有するという点では好ましいが、塩構造のた
め有機溶剤への溶解性が悪く、その用途は限られたもの
であった。そこで、高分子錯体製造原料として、更に各
種樹脂の改質剤、機能付与剤として広範な用途の期待で
きる、溶解性の高いメタクリル酸金属塩が望まれる。
【0005】本発明は、このような従来技術の有する問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機溶
剤に可溶な、金属含有量の多い、しかも重合性を有する
化合物を提供し、その化合物を、効率良くしかも高純度
で製造する方法を提供することにある。
題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機溶
剤に可溶な、金属含有量の多い、しかも重合性を有する
化合物を提供し、その化合物を、効率良くしかも高純度
で製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄および/ま
たはクロムを中心金属とし、式
たはクロムを中心金属とし、式
【0007】
【化2】 [FexCr3-x(μ3−O)(μ−MAA)6L3]Xa (式中、MAAはメタクリル酸カルボキシラトアニオ
ン、Lは単座配位子、Xはハロゲンアニオン、Cl
O4、NO3、SO4およびメタクリル酸カルボキシラト
の中から選ばれる1種以上のアニオンを表し、xは0、
1、2または3、aは0ないし1の数である。)で表さ
れるメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法を提
供する。
ン、Lは単座配位子、Xはハロゲンアニオン、Cl
O4、NO3、SO4およびメタクリル酸カルボキシラト
の中から選ばれる1種以上のアニオンを表し、xは0、
1、2または3、aは0ないし1の数である。)で表さ
れるメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法を提
供する。
【0008】本発明者らは、メタクリル酸と金属イオン
との反応条件および生成物の構造を詳細に検討解析し
た。その結果、反応条件を厳密に制御することにより、
鉄およびクロムの金属イオンが錯体化し、有機溶剤に可
溶となることを見いだし、本発明をなすに至った。さら
に、メタクリル酸含有の三核錯体分子を、中心金属が2
種以上の異なる金属から成る混合三核錯体として得るこ
とができることを見いだし、本発明に到達した。
との反応条件および生成物の構造を詳細に検討解析し
た。その結果、反応条件を厳密に制御することにより、
鉄およびクロムの金属イオンが錯体化し、有機溶剤に可
溶となることを見いだし、本発明をなすに至った。さら
に、メタクリル酸含有の三核錯体分子を、中心金属が2
種以上の異なる金属から成る混合三核錯体として得るこ
とができることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】本発明の三核錯体においては、必要に応じ
て電荷の平衡を得るために、ハロゲンアニオンまたはC
lO4、NO3、SO4、メタクリル酸カルボキシラト
(MAA)などのアニオン分子を有していても良い。
て電荷の平衡を得るために、ハロゲンアニオンまたはC
lO4、NO3、SO4、メタクリル酸カルボキシラト
(MAA)などのアニオン分子を有していても良い。
【0010】本発明のメタクリル酸含有三核錯体におい
て、中心金属としては鉄およびクロムがあり、各々単独
であってもよいが、同一錯体中にこれら両金属が含まれ
ていても良い。また、中心金属の1部が、Mn、Co、
Ni、Znおよび/またはPbによって置換されていて
も良い。これら中心金属導入のための出発原料となる金
属化合物としては、それら金属のハロゲン化物、水酸化
物、硝酸塩、硫酸塩または過塩素酸塩のいずれをも用い
ることができる。
て、中心金属としては鉄およびクロムがあり、各々単独
であってもよいが、同一錯体中にこれら両金属が含まれ
ていても良い。また、中心金属の1部が、Mn、Co、
Ni、Znおよび/またはPbによって置換されていて
も良い。これら中心金属導入のための出発原料となる金
属化合物としては、それら金属のハロゲン化物、水酸化
物、硝酸塩、硫酸塩または過塩素酸塩のいずれをも用い
ることができる。
【0011】単座配位子としては、水溶液から調製した
場合は水分子であるが、他の一般的に使用される単座配
位子を導入することもできる。例えば、有機溶剤への溶
解性を向上させるために、ピリジンを用いることもでき
る。また、ハイドロキノンなどのフェノール類またはア
ルコール類を配位子とすることもできる。
場合は水分子であるが、他の一般的に使用される単座配
位子を導入することもできる。例えば、有機溶剤への溶
解性を向上させるために、ピリジンを用いることもでき
る。また、ハイドロキノンなどのフェノール類またはア
ルコール類を配位子とすることもできる。
【0012】電荷を中和するためのアニオンとしては、
金属原料におけるアニオンがそのまま用いられるが、仕
込原料におけるメタクリル酸/金属原料のモル比を高く
することにより、対アニオンをMAAとすることもでき
る。
金属原料におけるアニオンがそのまま用いられるが、仕
込原料におけるメタクリル酸/金属原料のモル比を高く
することにより、対アニオンをMAAとすることもでき
る。
【0013】本発明の三核錯体の合成においては、反応
系のpHを厳密に4〜7の範囲に制御する必要がある。
すなわち、pHが3以下の場合、三核錯体の沈澱は得ら
れず、pHが8以上の場合は、沈澱は得られてもそれは
メタクリル酸の金属塩構造を持ち、三核錯体ではない。
系のpHを厳密に4〜7の範囲に制御する必要がある。
すなわち、pHが3以下の場合、三核錯体の沈澱は得ら
れず、pHが8以上の場合は、沈澱は得られてもそれは
メタクリル酸の金属塩構造を持ち、三核錯体ではない。
【0014】また、合成時の温度も三核錯体の生成には
重要である。特に、鉄三核錯体の場合、錯体形成時の反
応温度は90℃以下とする必要がある。90℃以上の場
合、pHが4〜7の範囲にあっても三核錯体は生成せ
ず、メタクリル酸鉄塩が得られる。クロム三核錯体の場
合には、特に反応温度に制限Wを加えなくとも、三核錯
体が生成する。
重要である。特に、鉄三核錯体の場合、錯体形成時の反
応温度は90℃以下とする必要がある。90℃以上の場
合、pHが4〜7の範囲にあっても三核錯体は生成せ
ず、メタクリル酸鉄塩が得られる。クロム三核錯体の場
合には、特に反応温度に制限Wを加えなくとも、三核錯
体が生成する。
【0015】本発明のメタクリル酸含有三核錯体の生成
確認は、可視部の吸収スペクトルに基づいて行なう。例
えば、中心金属が鉄である三核錯体が生成された場合、
460nmおよび527nmに鉄のd軌道の電子遷移に
よる吸収が観測される。これらの吸収は、メタクリル酸
鉄塩構造の場合には観測されない。また、中心金属がク
ロムである三核錯体が生成すると、420nmおよび5
75nmに吸収が観測される。これらの吸収も、塩構造
の場合には観測されないものである。
確認は、可視部の吸収スペクトルに基づいて行なう。例
えば、中心金属が鉄である三核錯体が生成された場合、
460nmおよび527nmに鉄のd軌道の電子遷移に
よる吸収が観測される。これらの吸収は、メタクリル酸
鉄塩構造の場合には観測されない。また、中心金属がク
ロムである三核錯体が生成すると、420nmおよび5
75nmに吸収が観測される。これらの吸収も、塩構造
の場合には観測されないものである。
【0016】またIRスペクトルにおいても、メタクリ
ル酸カルボキシラトの伸縮振動の吸収は、塩構造の場
合、1524および1421cm-1にあるが、鉄または
クロムの錯体形成に伴いC=Oの非対称伸縮振動が15
70〜1600cm-1にシフトする。そしてカルボキシ
ラトの非対称および対称のC=O伸縮振動の波数差Δν
が150cm-1以上に拡大する。これらはSpectrochim.
Acta, 37A, 995(1981)にも記載されているように、架
橋したカルボキシラトに特徴的な現象であって、三核錯
体の生成を示唆するものである。
ル酸カルボキシラトの伸縮振動の吸収は、塩構造の場
合、1524および1421cm-1にあるが、鉄または
クロムの錯体形成に伴いC=Oの非対称伸縮振動が15
70〜1600cm-1にシフトする。そしてカルボキシ
ラトの非対称および対称のC=O伸縮振動の波数差Δν
が150cm-1以上に拡大する。これらはSpectrochim.
Acta, 37A, 995(1981)にも記載されているように、架
橋したカルボキシラトに特徴的な現象であって、三核錯
体の生成を示唆するものである。
【0017】さらに、多核錯体と金属塩とでは溶解性に
大きな相違がある。例えば、メタクリル酸鉄塩はメタク
リル酸メチル(MMA)のような有機溶媒にはほとんど
溶解しないが、鉄が錯体化することによって[Fe3O
(MAA)6(H2O)3]MAAが形成された場合、2
0℃のMMA100gに5.1g溶解する。また、[C
r3O(MAA)6(H2O)3]MAAの場合には5.8
g溶解する。
大きな相違がある。例えば、メタクリル酸鉄塩はメタク
リル酸メチル(MMA)のような有機溶媒にはほとんど
溶解しないが、鉄が錯体化することによって[Fe3O
(MAA)6(H2O)3]MAAが形成された場合、2
0℃のMMA100gに5.1g溶解する。また、[C
r3O(MAA)6(H2O)3]MAAの場合には5.8
g溶解する。
【0018】さらに、鉄錯体の場合、そのFAB−MS
にはFe3O(MAA)3による質量439のベースピー
クの他に、524:Fe3O(MAA)4、609:Fe
3O(MAA)5、694:Fe3O(MAA)6のピーク
が観測される。しかしながら、779:Fe3O(MA
A)7のピークは観測されない。また、クロム錯体の場
合にも、682:Cr3O(MAA)6のベースピークの
他に、597:Cr3O(MAA)5、512:Cr3O
(MAA)4、427:Cr3O(MAA)3のピークが
検出される。これらのデータから、三核錯体の生成が確
認される。
にはFe3O(MAA)3による質量439のベースピー
クの他に、524:Fe3O(MAA)4、609:Fe
3O(MAA)5、694:Fe3O(MAA)6のピーク
が観測される。しかしながら、779:Fe3O(MA
A)7のピークは観測されない。また、クロム錯体の場
合にも、682:Cr3O(MAA)6のベースピークの
他に、597:Cr3O(MAA)5、512:Cr3O
(MAA)4、427:Cr3O(MAA)3のピークが
検出される。これらのデータから、三核錯体の生成が確
認される。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって何ら限定されるものでは
ない。
るが、本発明はこれらによって何ら限定されるものでは
ない。
【0020】(実施例1)硝酸第二鉄六水和物35.0
gを500mlビーカーに採り、水200mlに溶解さ
せてから、メタクリル酸29.0gを添加して攪拌し
た。この溶液に、水酸化ナトリウム13.5gを水10
0mlに溶解させて得た溶液を攪拌しながら添加する
と、直ちに赤褐色の沈澱が析出した。この時、溶液のp
Hは5.5であった。析出沈澱をろ過し、風乾して重量
を量ると25.8gであった。
gを500mlビーカーに採り、水200mlに溶解さ
せてから、メタクリル酸29.0gを添加して攪拌し
た。この溶液に、水酸化ナトリウム13.5gを水10
0mlに溶解させて得た溶液を攪拌しながら添加する
と、直ちに赤褐色の沈澱が析出した。この時、溶液のp
Hは5.5であった。析出沈澱をろ過し、風乾して重量
を量ると25.8gであった。
【0021】得られた固体のFAB−MSを測定する
と、439、524、609、694にピークが検出さ
れた。これらピークはそれぞれ、Fe3O(MAA)
x(x=3、4、5および6)に帰属することができ、
鉄の三核錯体生成を示唆する。この錯体のアセトニトリ
ル溶液の可視スペクトルでは、460nmに弱い吸収、
527nmに肩ピークが認められる。またこの錯体の赤
外吸収スペクトルには、1685cm-1、1645cm
-1、1581cm-1、1419cm-1に多核錯体特有の
吸収がある。
と、439、524、609、694にピークが検出さ
れた。これらピークはそれぞれ、Fe3O(MAA)
x(x=3、4、5および6)に帰属することができ、
鉄の三核錯体生成を示唆する。この錯体のアセトニトリ
ル溶液の可視スペクトルでは、460nmに弱い吸収、
527nmに肩ピークが認められる。またこの錯体の赤
外吸収スペクトルには、1685cm-1、1645cm
-1、1581cm-1、1419cm-1に多核錯体特有の
吸収がある。
【0022】この錯体の元素分析結果は、鉄:20.8
%、炭素:40.8%、水素:4.5%であり、その結
果から、錯体の分子式として[Fe3O(MAA)6(H
2O)3]MAAが予想される。この錯体は、20℃のメ
タクリル酸メチル(MMA)100gに5.1g溶解す
る。
%、炭素:40.8%、水素:4.5%であり、その結
果から、錯体の分子式として[Fe3O(MAA)6(H
2O)3]MAAが予想される。この錯体は、20℃のメ
タクリル酸メチル(MMA)100gに5.1g溶解す
る。
【0023】(実施例2)硝酸第二鉄六水和物17.5
g、メタクリル酸14.5g、ピリジン4.0gを水4
00mlに溶解させた。この溶液に水酸化ナトリウム
6.8gを含む水溶液100mlを添加して攪拌した。
この時、系のpHは5であった。析出した固体をろ過、
風乾して茶褐色の固体13.3gを得た。
g、メタクリル酸14.5g、ピリジン4.0gを水4
00mlに溶解させた。この溶液に水酸化ナトリウム
6.8gを含む水溶液100mlを添加して攪拌した。
この時、系のpHは5であった。析出した固体をろ過、
風乾して茶褐色の固体13.3gを得た。
【0024】この固体のアセトニトリル溶液の可視スペ
クトルには三核錯体特有の460nmの吸収が観測でき
た。またIRスペクトルにも、1680cm-1、164
3cm-1、1578cm-1、1419cm-1に錯体のピ
ークがあるとともに、ピリジンの配位を示す吸収が、3
072cm-1、3042cm-1、1604cm-1、14
84cm-1、1068cm-1に観測できた。
クトルには三核錯体特有の460nmの吸収が観測でき
た。またIRスペクトルにも、1680cm-1、164
3cm-1、1578cm-1、1419cm-1に錯体のピ
ークがあるとともに、ピリジンの配位を示す吸収が、3
072cm-1、3042cm-1、1604cm-1、14
84cm-1、1068cm-1に観測できた。
【0025】この錯体は、元素分析結果が、鉄:16.
8%、炭素:39.1%、水素:4.8%、N:3.1
%であり、20℃のMMA100gには15.8g溶解
した。
8%、炭素:39.1%、水素:4.8%、N:3.1
%であり、20℃のMMA100gには15.8g溶解
した。
【0026】(比較例1)硝酸第二鉄六水和物10.1
g、メタクリル酸8.6gを水400mlに溶解させ、
100℃で加熱しながら攪拌を30分間継続した。溶液
を冷却して室温とした後、析出固体をろ過・乾燥して、
濃褐色の固体4.9gを得た。
g、メタクリル酸8.6gを水400mlに溶解させ、
100℃で加熱しながら攪拌を30分間継続した。溶液
を冷却して室温とした後、析出固体をろ過・乾燥して、
濃褐色の固体4.9gを得た。
【0027】この固体はアセトニトリルには溶解せず、
そのIRスペクトルには1643cm-1、1545cm
-1、1419cm-1に吸収があった。すなわち、メタク
リル酸の二重結合の伸縮振動による1643cm-1の吸
収は認められるが、メタクリル酸カルボキシラトのC=
O非対称伸縮振動が1545cm-1に低波数シフトして
おり、架橋構造を取っていないので、メタクリル酸鉄塩
構造であると結論できる。
そのIRスペクトルには1643cm-1、1545cm
-1、1419cm-1に吸収があった。すなわち、メタク
リル酸の二重結合の伸縮振動による1643cm-1の吸
収は認められるが、メタクリル酸カルボキシラトのC=
O非対称伸縮振動が1545cm-1に低波数シフトして
おり、架橋構造を取っていないので、メタクリル酸鉄塩
構造であると結論できる。
【0028】この固体のMMA100ml(20℃)へ
の溶解度は、0.1gであった。
の溶解度は、0.1gであった。
【0029】(実施例3)三塩化クロム六水和物26.
7gを水200mlに溶解させて得た溶液に、予めメタ
クリル酸29.0gが水酸化ナトリウム13.5gで中
和された水溶液100mlを添加して、室温で30分間
攪拌した。生じた沈澱をろ過して、紺色の固体25.7
gを得た。
7gを水200mlに溶解させて得た溶液に、予めメタ
クリル酸29.0gが水酸化ナトリウム13.5gで中
和された水溶液100mlを添加して、室温で30分間
攪拌した。生じた沈澱をろ過して、紺色の固体25.7
gを得た。
【0030】この固体のFAB−MSスペクトルには、
682、597、512、427に強いピークがある。
これらのピークはそれぞれ、Cr3O(MAA)x(x=
6、5、4および3)に相当するもので、三核錯体構造
を取っていることが明らかである。この錯体のアセトニ
トリル溶液の可視スペクトルには、420nmおよび5
75nmに強い吸収がある。またそのIRスペクトルに
は、1699cm-1、1645cm-1、1592c
m-1、1535cm-1、1423cm-1に吸収がある。
682、597、512、427に強いピークがある。
これらのピークはそれぞれ、Cr3O(MAA)x(x=
6、5、4および3)に相当するもので、三核錯体構造
を取っていることが明らかである。この錯体のアセトニ
トリル溶液の可視スペクトルには、420nmおよび5
75nmに強い吸収がある。またそのIRスペクトルに
は、1699cm-1、1645cm-1、1592c
m-1、1535cm-1、1423cm-1に吸収がある。
【0031】この錯体の元素分析結果は、クロム:1
7.4%、炭素:36.5%、水素:5.4%であった
ことから、その分子式は[Cr3O(MAA)6(H
2O)3]MAA・4H2Oであると判断できる。この錯
体は20℃のMMA100gには5.8g溶解する。
7.4%、炭素:36.5%、水素:5.4%であった
ことから、その分子式は[Cr3O(MAA)6(H
2O)3]MAA・4H2Oであると判断できる。この錯
体は20℃のMMA100gには5.8g溶解する。
【0032】(比較例2)三塩化クロム六水和物13.
4g、メタクリル酸14.5gを水150mlに溶解さ
せ、攪拌しながらさらに、水酸化ナトリウム11.8g
を含む水溶液100mlを添加した。この時、溶液のp
Hは8となり、淡青色の沈澱が12.8g生じた。
4g、メタクリル酸14.5gを水150mlに溶解さ
せ、攪拌しながらさらに、水酸化ナトリウム11.8g
を含む水溶液100mlを添加した。この時、溶液のp
Hは8となり、淡青色の沈澱が12.8g生じた。
【0033】この固体はアセトニトリルに溶解せず、ま
たMMA100mlにも0.2gしか溶解しなかった。
そのIRスペクトルには1645cm-1のメタクリル酸
による吸収があるのみで、錯体による吸収は認められな
かったことから、メタクリル酸クロム塩が生成したと結
論できる。
たMMA100mlにも0.2gしか溶解しなかった。
そのIRスペクトルには1645cm-1のメタクリル酸
による吸収があるのみで、錯体による吸収は認められな
かったことから、メタクリル酸クロム塩が生成したと結
論できる。
【0034】(実施例4〜6)金属原料として三塩化ク
ロムとともに表1に示した金属塩を添加する以外は、実
施例3と同様にして、混合錯体を合成した。得られた錯
体の元素分析値および20℃のMMA100mlへの溶
解度も表1に併記した。
ロムとともに表1に示した金属塩を添加する以外は、実
施例3と同様にして、混合錯体を合成した。得られた錯
体の元素分析値および20℃のMMA100mlへの溶
解度も表1に併記した。
【0035】
【表1】 (実施例7)硝酸第二鉄六水和物10.1g、硝酸亜鉛
六水和物4.3gを水150mlに溶解させ、さらにメ
タクリル酸9.7g、ピリジン3.0gを添加して攪拌
した。この溶液に、水酸化ナトリウム4.5gを含む水
溶液50mlを添加して攪拌した。この時、溶液のpH
は5であった。析出した固体をろ過、風乾して薄褐色固
体9.0gを得た。
六水和物4.3gを水150mlに溶解させ、さらにメ
タクリル酸9.7g、ピリジン3.0gを添加して攪拌
した。この溶液に、水酸化ナトリウム4.5gを含む水
溶液50mlを添加して攪拌した。この時、溶液のpH
は5であった。析出した固体をろ過、風乾して薄褐色固
体9.0gを得た。
【0036】この固体のIRスペクトルには、三核錯体
による1645cm-1、1579cm-1、1419cm
-1の吸収の他に、ピリジンの配位を示す1072c
m-1、1041cm-1、698cm-1の吸収もあった。
による1645cm-1、1579cm-1、1419cm
-1の吸収の他に、ピリジンの配位を示す1072c
m-1、1041cm-1、698cm-1の吸収もあった。
【0037】この錯体の元素分析結果は、鉄:15.3
%、亜鉛:2.8%、炭素:39.4%、水素:4.9
%、N:3.2%であったことから中心金属が鉄のみか
ら成る錯体と鉄および亜鉛の2つから成る錯体との混合
物であると判断できる。この錯体は、MMA100gに
は5.3g溶解した。
%、亜鉛:2.8%、炭素:39.4%、水素:4.9
%、N:3.2%であったことから中心金属が鉄のみか
ら成る錯体と鉄および亜鉛の2つから成る錯体との混合
物であると判断できる。この錯体は、MMA100gに
は5.3g溶解した。
【0038】(実施例8)硝酸第二鉄六水和物17.5
g、硝酸鉛7.19gを水400mlに溶解させた。こ
の溶液にメタクリル酸21.9gを添加し、さらに攪拌
を続けながら、水酸化ナトリウム10.2gを含む水溶
液100mlを添加したところ、溶液のpHは5とな
り、淡褐色の固体が3.9g沈澱した。
g、硝酸鉛7.19gを水400mlに溶解させた。こ
の溶液にメタクリル酸21.9gを添加し、さらに攪拌
を続けながら、水酸化ナトリウム10.2gを含む水溶
液100mlを添加したところ、溶液のpHは5とな
り、淡褐色の固体が3.9g沈澱した。
【0039】この固体のIRスペクトルには、三核錯体
の生成を示す1695cm-1、1645cm-1、158
1cm-1、1419cm-1の吸収が観測された。元素分
析で得られたこの錯体中の金属含有率は、鉄:20.0
%、鉛5.7%であった。さらにこの錯体は、20℃の
MMA100gに4.5g溶解した。
の生成を示す1695cm-1、1645cm-1、158
1cm-1、1419cm-1の吸収が観測された。元素分
析で得られたこの錯体中の金属含有率は、鉄:20.0
%、鉛5.7%であった。さらにこの錯体は、20℃の
MMA100gに4.5g溶解した。
【0040】次に、この錯体1.0gをMMA100m
lに溶かし、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイ
ド0.03gを添加し、その溶液を公知の方法に従っ
て、ガラス板の間に入れ、70℃に保持して重合させ
た。15時間後、鉄および鉛を含有する薄褐色の透明な
アクリル板が得られた。このようにして得られたアクリ
ル板には、高い耐放射線性が要求される用途での使用が
考えられる。
lに溶かし、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイ
ド0.03gを添加し、その溶液を公知の方法に従っ
て、ガラス板の間に入れ、70℃に保持して重合させ
た。15時間後、鉄および鉛を含有する薄褐色の透明な
アクリル板が得られた。このようにして得られたアクリ
ル板には、高い耐放射線性が要求される用途での使用が
考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明により、有機溶剤に可溶で、金属
含有量が高く、しかも重合性のある新規なメタクリル酸
含有三核錯体を、効率よく得ることができる。
含有量が高く、しかも重合性のある新規なメタクリル酸
含有三核錯体を、効率よく得ることができる。
【0042】また本発明の錯体を用いることによって新
規な機能性ポリマーの開発が可能となるとともに、本発
明の錯体を改質剤として用いて既存樹脂の特性の向上を
図ることもでき、その効果は計り知れないものがある。
規な機能性ポリマーの開発が可能となるとともに、本発
明の錯体を改質剤として用いて既存樹脂の特性の向上を
図ることもでき、その効果は計り知れないものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天木 万寿雄 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄および/またはクロムを中心金属と
し、式 【化1】 [FexCr3-x(μ3−O)(μ−MAA)6L3]Xa (式中、MAAはメタクリル酸カルボキシラトアニオ
ン、Lは単座配位子、Xはハロゲンアニオン、Cl
O4、NO3、SO4およびメタクリル酸カルボキシラト
の中から選ばれる1種以上のアニオンを表し、xは0、
1、2または3、aは0ないし1の数である。)で表さ
れるメタクリル酸含有三核錯体。 - 【請求項2】 中心金属の一部がMn、Co、Ni、Z
nおよび/またはPbで置換された請求項1記載のメタ
クリル酸含有三核錯体。 - 【請求項3】 pHを4ないし7の範囲に保ちながらメ
タクリル酸溶液と金属塩溶液とを混合する請求項1また
は2に記載のメタクリル酸含有三核錯体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16571093A JPH0717896A (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 新規なメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16571093A JPH0717896A (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 新規なメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717896A true JPH0717896A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15817590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16571093A Pending JPH0717896A (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 新規なメタクリル酸含有三核錯体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717896A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012090905A1 (ja) | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 三菱レイヨン株式会社 | メタクリル酸鉄及びヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法 |
WO2014030523A1 (ja) | 2012-08-24 | 2014-02-27 | 三菱レイヨン株式会社 | カルボン酸鉄の製造方法 |
KR20150060533A (ko) | 2013-11-26 | 2015-06-03 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 기판 반송 장치 |
-
1993
- 1993-07-05 JP JP16571093A patent/JPH0717896A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012090905A1 (ja) | 2010-12-27 | 2012-07-05 | 三菱レイヨン株式会社 | メタクリル酸鉄及びヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法 |
CN103249706A (zh) * | 2010-12-27 | 2013-08-14 | 三菱丽阳株式会社 | 甲基丙烯酸铁以及甲基丙烯酸羟烷基酯的制造方法 |
US8697899B2 (en) | 2010-12-27 | 2014-04-15 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Methods for producing iron methacrylate and hydroxyalkyl methacrylate |
WO2014030523A1 (ja) | 2012-08-24 | 2014-02-27 | 三菱レイヨン株式会社 | カルボン酸鉄の製造方法 |
US9540308B2 (en) | 2012-08-24 | 2017-01-10 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Method for producing iron carboxylate |
KR20150060533A (ko) | 2013-11-26 | 2015-06-03 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 기판 반송 장치 |
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