JPH0717860A - 脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法 - Google Patents

脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法

Info

Publication number
JPH0717860A
JPH0717860A JP18881793A JP18881793A JPH0717860A JP H0717860 A JPH0717860 A JP H0717860A JP 18881793 A JP18881793 A JP 18881793A JP 18881793 A JP18881793 A JP 18881793A JP H0717860 A JPH0717860 A JP H0717860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fat
oil
lysolecithin
soluble substance
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18881793A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenzo Arizono
謙藏 有薗
Tomoyuki Omura
朋幸 大村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Welfide Corp
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Welfide Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc, Welfide Corp filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP18881793A priority Critical patent/JPH0717860A/ja
Publication of JPH0717860A publication Critical patent/JPH0717860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 非イオン性界面活性剤とリゾレシチンを配
合してなる脂溶性物質含有液剤および非イオン性界面活
性剤とリゾレシチンを併用することを特徴とする脂溶性
物質の乳化または可溶化方法。 【効果】 脂溶性物質に対し、非イオン性界面活性剤
とリゾレシチンを併用することにより、相乗効果が認め
られ、乳化・可溶化力が著しく向上する。少ない界面活
性剤量で、優れた透明性を有し、経時的な白濁等がなく
安定で、且つより小さい粒子径に乳化または可溶化でき
る。安全性が高く、外観が綺麗で、服用しやすい液剤で
あり、医薬品、食品、化粧品等の脂溶性物質の液剤化に
利用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品、食品および化
粧品等に用いられる脂溶性物質の液剤および脂溶性物質
の乳化・可溶化方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】脂溶
性物質は、水に溶解または可溶化することにより、より
利用範囲が拡大する。例えば、脂溶性食品は液剤化する
ことにより服用しやすくなる。また、これら脂溶性食品
を消化管機能は正常だが種々の原因で経口摂取不可能な
患者や消化管機能が低下しているため充分な栄養摂取が
できない患者に対しては、液剤化して経口経管的に、こ
れも不可能な患者においても可溶化して経静脈的に補給
しなければならない。これらのことは、脂溶性の薬物に
ついても言えることである。脂溶性物質の消化管吸収性
の点でも、油状のままより乳化または可溶化した方が有
利であり、その粒子径は小さいほど望ましいことは良く
知られている。また、化粧品等においても液剤処方が繁
用されている。
【0003】脂溶性物質を乳化または可溶化して液剤化
するには、通常乳化剤が用いられる。乳化剤としては、
界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤やレシチン等が
用いられることが多い。非イオン性界面活性剤を用いて
脂溶性物質を乳化・可溶化した例として、特開平1−2
21312号では脂溶性物質に対し2〜5倍量のポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油を用いた例、特開平5−17
350号にはビタミンAを可溶化した例、特開昭56−
97221号にはHLB9以下の非イオン性界面活性剤
とHLB9以上の非イオン性界面活性剤を併用してビタ
ミンKを可溶化した例などが報告されている。ところ
が、これら非イオン性界面活性剤はイオン性界面活性剤
に比べ安全性は高いが、乳化力が充分ではなく、多量に
用いなければならない。非イオン性界面活性剤として、
例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを注射投与
すると、ヒスタミン様物質の遊離を招きショックを来た
すことが知られている。経口投与の場合でも消化管を刺
激し下痢を来すこともあり全く安全とは言えない。ま
た、味覚の点でも可能な限り少量を用いるべきである。
一方、通常、乳化または可溶化が不十分な液剤は一般に
白濁しており、経時的に油が分離し浮上することも多
い。これらは製造直後は透明でも経時変化により白濁、
さらに油分離を来しやすい。
【0004】これを改良するために、特公平1−581
64号には非イオン性界面活性剤にサポニン類、特にキ
ラヤサポニンを併用してビタミンEを可溶化する例が報
告されているが、サポニンの配合量が多く刺激性の味が
あるなどの問題点がある。
【0005】一方、リゾレシチンを乳化または可溶化剤
として使用した事例として、特開昭61−171407
号及び特開昭61−291514号には化粧料に利用し
た例が、特開昭63─274号には天然精油の可溶化に
利用した例が、特開昭63−188624号にはビタミ
ンEの可溶化に利用した例が知られているが、充分に乳
化・可溶化が達成されてなく、その結果多量に配合しな
ければならない。このように、少量の配合量で乳化また
は可溶化され、しかも長期間にわたって白濁等の変化を
おこさない安定な脂溶性物質の液剤およびその製造法の
確立が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、非イオン性界面活性
剤とリゾレシチンを併用することにより、相乗効果が認
められ、乳化・可溶化力が飛躍的に高まり、少量の配合
量で脂溶性物質の透明ないし半透明な水性液剤が得ら
れ、しかも本液剤は経時的な白濁等の外観変化がなく安
定で安全性の高いものであることを見出し、本発明を完
成した。
【0007】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)非イオン性界面活性剤とリゾレシチンを配合して
なる脂溶性物質含有液剤。 (2)脂溶性物質が動植物油である前記1記載の脂溶性
物質含有液剤。 (3)動植物油が魚油、精製魚油、ゴマ油、大豆油、え
ごま油、しそ油、アマニ油、中鎖脂肪酸トリグリセライ
ドである前記2記載の脂溶性物質含有液剤。 (4)脂溶性物質が脂溶性ビタミンである前記1記載の
脂溶性物質含有液剤。 (5)脂溶性ビタミンがビタミンEまたはその誘導体で
ある前記4記載の脂溶性物質含有液剤。 (6)非イオン性界面活性剤とリゾレシチンを併用する
ことを特徴とする脂溶性物質の乳化または可溶化方法。 (7)脂溶性物質が動植物油である前記6記載の脂溶性
物質の乳化または可溶化方法。 (8)動植物油が魚油、精製魚油、ゴマ油、大豆油、え
ごま油、しそ油、アマニ油、中鎖脂肪酸トリグリセライ
ドである前記7記載の脂溶性物質の乳化または可溶化方
法。 (9)脂溶性物質が脂溶性ビタミンである前記6記載の
脂溶性物質の乳化または可溶化方法。 (10)脂溶性ビタミンがビタミンEまたはその誘導体
である前記9記載の脂溶性物質の乳化または可溶化方
法。
【0008】脂溶性物質としては、ゴマ油、大豆油、え
ごま油、ライム油、レモン油、しそ油、アマニ油、オリ
ーブ油、キリ油、グアヤク脂、サフラワー脂、ツバキ
油、菜種油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、落花生
油、精油、魚油、精製魚油、肝油、小麦胚芽油、綿実
油、トウモロコシ油、中鎖脂肪酸トリグリセライドなど
の動植物油、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサ
ペンタエン酸(EPA)などの高度不飽和脂肪酸、コエ
ンザイムQ類、ビタミンEまたはその誘導体(トコフェ
ロール類)などの脂溶性ビタミン、ゲファルナート、エ
イコサペンタエン酸エチルなどの脂溶性医薬品が掲げら
れる。これらは単独または2種以上の混合物で用いら
れ、更にこの中にその他のエストラジオール、パルミチ
ン酸デキサメタゾン、PGE1、フルルビプロフェンア
キセチルなどの脂溶性薬物、ビタミンA、D、K、β−
カロチンなどの脂溶性ビタミン、ブチルヒドロキシトル
エン(BHT)などの脂溶性酸化防止剤、脂溶性香料な
どを溶解させることが出来る。
【0009】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノ−及びジグリセラ
イド、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、プロピレングリコール・ペンタエ
リスリトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等
が掲げられる。より具体的には、デカグリセリルペンタ
オレエート、デカグリセリルモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノオレエートなどが使用され
る。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を適宜
混合してもよい。
【0010】リゾレシチンは水溶性レシチン誘導体の一
つでリゾリン脂質、1−モノアシルグリセロリン脂質、
酵素分解レシチン、酵素改質レシチン、リゾホスファチ
ジルコリン、モノ−O−アシル−3−ホスホリルコリン
とも言われ、化学名は1−アシル−sn−グリセロ−3
−ホスファチジルコリンである。レシチンをホスホリパ
ーゼA2 などで処理することなどにより製造できる。製
法については、例えば特開昭62−279832号、特
開昭63−44893号、特開昭63−279753号
などに開示されており、レシノール、サンレシチンなど
の商品名で市販されている。リゾレシチンとしては純品
である必要はない。純度が高い方が好ましいが50%以
上のものであれば他の不純物を含んでいるものでも何等
問題ない。
【0011】非イオン性界面活性剤の配合量は、界面活
性剤および脂溶性物質の種類にもよるが、通常、脂溶性
物質の0.05〜10倍で充分であり、好ましくは0.
1〜2倍程度である。リゾレシチンの配合量は非イオン
性界面活性剤の同量以下で、好ましくは0.01〜1倍
程度である。
【0012】本発明の組成物には、本発明の効果を妨げ
ない限り、上記必須成分の他に他の成分を配合すること
が出来る。例えば、安息香酸ナトリウムなどの防腐剤、
亜硫酸水素ナトリウムなどの酸化防止剤、白糖などの甘
味剤、クエン酸などの矯味剤、pH調製剤、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム等の増粘剤、食塩などの等
張化剤、グリセリン、エタノールなどの有機溶媒、水溶
性ビタミンなどの栄養強化剤を必要に応じ配合できる。
【0013】乳化・可溶化法は通常の高速撹拌機、ホモ
ジェッター、高圧ホモジナイザー、超音波乳化機、プロ
ペラ式攪拌機、タービン攪拌機、コロイドミルなどを用
いることができ、特に限定されるものではない。
【0014】本発明の乳化・可溶化液は、透明ないし半
透明な水性液剤である。本明細書においては、透明性の
指標として、5mmのセルを用いて500nmの波長で
測定した吸光度(A500 )を用いた。これの好ましい値
は、液の種類、目的、液量などによって異なり、特に限
定されるものではないが、強いて言えば0.5以下程度
が好ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例および試験例等により、本発明
をより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定され
るものでないことは言うまでもない。
【0016】実施例1 ドコサヘキサエン酸(DHA)を約23%およびエイコ
サペンタエン酸(EPA)を約6%含む精製魚油(日本
油脂製、サンオメガDHA23GA)400mg、α−
リノレン酸を58%以上含有する精製えごま油(太田油
脂製)800mg、d−α−トコフェロール80mg、
レシチン40mg、アスコルビン酸パルミテート20m
g、ライムオイル100mgおよび油溶性非イオン性界
面活性剤の1種であるデカグリセリルペンタオレエート
(日光ケミカルズ製 Decaglyn 5−0)40
0mgを混合し油相を調製した。アスコルビン酸0.8
g、液糖(日本澱粉工業製 タカラボシシロップ F−
55)78g、L−グルタミン酸ナトリウム16mg、
蜂蜜2g、イチョウ葉エキス20mg、リン酸リボフラ
ビンナトリウム20mg、硝酸チアミン20mg、塩酸
ピリドキシン20mg、ニコチン酸アミド20mg、パ
ントテン酸カルシウム20mg、安息香酸ナトリウム
0.24g、水溶性非イオン性界面活性剤の1種である
デカグリセリルモノラウレート(日光ケミカルズ製 D
ecaglyn 1−L)600mgおよびリゾレシチン
の一種であるサンレシチンA(太陽化学製)80mgを
400mlの精製水に溶解し水相を調製した。ホモジェ
ッターを用い10000rpmの条件下に10分間処理
し、A500 が0.287のほとんど透明な液が得られ
た。本液剤は、脳機能改善作用、記憶力向上、痴呆予防
作用、抗アレルギー作用、血小板凝集抑制作用、制癌作
用、動脈硬化の予防、コレステロール低下作用など多彩
な薬理作用を持つドコサヘキサエン酸(DHA)、エイ
コサペンタエン酸(EPA)、α−リノレン酸などのn
−3系多価不飽和脂肪酸を豊富に含み健康食品として有
用である。魚臭もほとんどない。
【0017】試験例1 リゾレシチン(商品名:サンレシチンA)の配合量を表
1に示した量配合した他は実施例1と同様に操作し、製
造直後および40℃で2カ月保存後の500nmにおけ
る吸光度(A500 )を測定した結果を表1に示した。リ
ゾレシチンの配合量は非イオン性界面活性剤の1/50
でも液の透明化および保存安定化に著しく有効であるこ
とが判る。
【0018】 表1 ────────────────────────────── リゾレシチン A500 ────────────── (mg/100ml) 製造直後 40℃2月保存後 ────────────────────────────── 比較例 0 0.472 1.157 ────────────────────────────── 本発明 5 0.390 0.543 ────────────────────────────── 本発明 10 0.350 0.431 ────────────────────────────── 本発明 (実施例1) 20 0.284 0.343 ──────────────────────────────
【0019】実施例2 油相:ドコサヘキサエン酸(DHA)を約27%、エイ
コサペンタエン酸(EPA)を約6%含有する精製魚油
(日本油脂製 サンオメガ DHA27GA)400m
g、α−リノレン酸を約60%含有するしそ油400m
g、中鎖脂肪酸トリグリセライドの1種であるミグリオ
ール812(ミツバ貿易製)400mgおよびd−α−
トコフェロール20mgを含有する混合油。 水相:精製水200ml中に、非イオン性界面活性剤で
あるポリソルベート80を400mg、酵素分解レシチ
ンの1種であるサンレシチンL (太陽化学製)を80m
gおよびアスコルビン酸200mgを溶解させた。ホモ
ジェッター(特殊機化製)を用い10000rpmで2
0分間処理し、半透明な液を得た。
【0020】試験例2 脂溶性物質としての大豆油1200mgを、非イオン性
界面活性剤の1種であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油(日光ケミカルズ製 HCO−60)およびリゾレシ
チンの1種であるサンレシチンA(太陽化学製)を表2
に示した量(mg/100ml)配合した水性液400
ml中に、ホモジェッター(特殊機化製)を用い、10
000rpmの条件下で20分間乳化した。pHはいずれ
の液も約4.0であった。透明度の指標として5mmの
セルを用い500nmにおける吸光度(A500 ) を測定
し、表2の結果を得た。
【0021】 表2−1 ──────────────────────────────── ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 リゾレシチン A500 (mg/100ml) (mg/100ml) ──────────────────────────────── 200 0 2.848 ──────────────────────────────── 400 0 2.139 ──────────────────────────────── 600 0 1.695 ──────────────────────────────── 800 0 1.472 ──────────────────────────────── 1000 0 1.317 ──────────────────────────────── 1200 0 1.194 ────────────────────────────────
【0022】 表2−2 ──────────────────────────────── ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 リゾレシチン A500 (mg/100ml) (mg/100ml) ──────────────────────────────── 0 50 2.900 ──────────────────────────────── 0 100 2.844 ──────────────────────────────── 0 200 2.855 ──────────────────────────────── 0 400 2.844 ──────────────────────────────── 0 800 2.729 ────────────────────────────────
【0023】 表2−3 ──────────────────────────────── ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 リゾレシチン A500 (mg/100ml) (mg/100ml) ──────────────────────────────── 200 40 1.085 ──────────────────────────────── 200 60 0.228 ──────────────────────────────── 200 80 0.175 ────────────────────────────────
【0024】表2−1〜3の結果より、非イオン性界面
活性剤またはリゾレシチンのみでは大量に配合しても大
きな吸光度を示し不透明な白濁状態であるが、両者を併
用した場合には配合量が少ないにもかかわらず著しく吸
光度が低下し、容易に透明ないし半透明な液が得られる
ことが明白である。これを図示して図1に示したが、非
イオン性界面活性剤とリゾレシチンは単なる相加効果で
はなく、明白な相乗効果であることが明らかである。
【0025】試験例3 非イオン性界面活性剤の代わりにイオン性界面活性剤で
あるラウリル硫酸ナトリウムを用い、試験例2と同様に
処理し、表3の結果が得られた。
【0026】 表3−1 ─────────────────────────── ラウリル硫酸ナトリウム リゾレシチン A500 (mg/100ml) (mg/100ml) ─────────────────────────── 200 0 2.209 ─────────────────────────── 200 40 2.593 ─────────────────────────── 200 60 2.602 ─────────────────────────── 200 80 2.593 ───────────────────────────
【0027】 表3−2 ──────────────────────────── ラウリル硫酸ナトリウム リゾレシチン A500 (mg/100ml) (mg/100ml) ─────────────────────────── 400 0 2.626 ─────────────────────────── 400 40 2.673 ─────────────────────────── 400 60 2.561 ─────────────────────────── 400 80 2.643 ───────────────────────────
【0028】表3−1〜2の結果より、イオン性界面活
性剤のみでは配合量を増加しても不透明な白濁状態のま
まであることが理解される。また、イオン性界面活性剤
とリゾレシチンとの併用効果はイオン性界面活性剤の量
を増やしても全く認められないことが明らかである。
【0029】試験例4 油相の調製:ドコサヘキサエン酸を約23%、エイコサ
ペンタエン酸を約6%含む精製魚油(日本油脂(株)
製、サンオメガDHA23GA)400mg、α−リノ
レン酸を58%以上含有する精製えごま油(太田油脂
製)800mgおよびd−α−トコフェロール80mg
を混合した。 水相の調製:アスコルビン酸0.8g、液糖(日本澱粉
工業製 タカラボシシロップ F−55)78g、L−
グルタミン酸ナトリウム16mg、蜂蜜2gおよび安息
香酸ナトリウム0.24gを400mlの精製水に溶解
した。 乳化:油相に油溶性の非イオン性界面活性剤であるデカ
グリセリルペンタオレエート(日光ケミカルズ製 De
caglyn 5−0)を、水相に水溶性の非オン性界
面活性剤であるデカグリセリルモノラウレート(日光ケ
ミカルズ製 Decaglyn 1−L)およびリゾレ
シチン(商品名:サンレシチンA;太陽化学製)を表4
に示した種々の量配合し、ホモジェッターを用い100
00rpmの条件下に10分間乳化した。pHはいずれ
の液も約3.8であった。透明性の指標としてA
500 を,平均粒子径を超微粒子粒度分析計BL−90型
(Brook Haven社)を用いて測定した結果を
表4に示した。
【0030】
【表4】
【0031】表4の結果より、リゾレシチンのみでは白
濁不透明な液しか得られず、非イオン性界面活性剤のみ
でも透明性は低いが、非イオン性界面活性剤に少量のリ
ゾレシチンを併用することにより著しく透明性が向上
し、相乗効果が認められる。平均粒子径でも併用効果が
認められる。
【0032】試験例5 試験例4で得られた液を60℃および40℃に保存し、
経時的にA500 を測定した結果を表5に示した。
【0033】
【表5】
【0034】非イオン性界面活性剤のみを用いた液は経
時的に濁りが進行するが、リゾレシチンを併用したもの
はほとんど濁りが進行しないことが明らかである。
【0035】試験例6 d−α−トコフェロール200mgとゴマ油600mg
の混合油を,リゾレシチンおよびポリソルベート80
(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)を表
6に示した量含む水溶液200ml中に試験例2と同様
に乳化した。得られた液のpH、A500 および平均粒子
径を表6に示した。リゾレシチン(商品名:サンレシチ
ンA;太陽化学製)の併用により透明性が著しく向上し
た液が得られた。
【0036】 表6 ───────────────────────────────── A リゾレシチン pH A500 平均粒子径 (mg/100ml) (mg/100ml) (nm) ───────────────────────────────── 100 0 5.58 2.912 181 ───────────────────────────────── 100 80 6.31 0.827 126 ───────────────────────────────── A:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
【0037】試験例7 油相の調製:ドコサヘキサエン酸(DHA)を約23
%、エイコサペンタエン酸(EPA)を約6%含む精製
魚油(日本油脂(株)製、サンオメガDHA23GA)
500mg、α−リノレン酸を58%以上含有する精製
えごま油(太田油脂)500mgを混合した。 水相の調製:アスコルビン酸200mgを200mlの
精製水に溶解した。 乳化:油相に油溶性の非イオン性界面活性剤であるデカ
グリセリルペンタオレエート(日光ケミカルズ製 De
caglyn 5−0)を、水相に水溶性の非イオン性
界面活性剤であるデカグリセリルモノミリステート(日
光ケミカルズ製Decaglyn 1−M)およびリゾ
レシチン(商品名:サンレシチンA;太陽化学製)を表
7に示した種々の量(mg/100ml)配合し、ホモ
ジェッターを用い10000rpmの条件下に10分間
乳化した。いずれの液もpHは約3.3であった。透明
性の指標としてA500 を、平均粒子径を超微粒子粒度分
析計BL−90型(Brook Haven社)を用い
て測定した結果を表7に示した。非イオン性界面活性剤
のみでは配合量を多くしても透明な液を調製することは
不可能であるが、リゾレシチンとの併用により、pHの
低い本条件下でも平均粒子径が小さくなり、透明性が著
しく向上した。
【0038】 表7−1 ───────────────────────────────── B C リゾレシチン A500 平均粒子径 (mg/100ml) (mg/100ml) (nm) ───────────────────────────────── 100 100 0 3.091 197 ───────────────────────────────── 150 150 0 2.803 172 ───────────────────────────────── 200 200 0 2.329 ───────────────────────────────── 300 300 0 2.028 ───────────────────────────────── 400 400 0 2.062 ───────────────────────────────── 500 500 0 2.164 144 ─────────────────────────────────
【0039】 表7−2 ───────────────────────────────── B C リゾレシチン A500 平均粒子径 (mg/100ml) (mg/100ml) (nm) ───────────────────────────────── 100 100 20 1.994 154 ───────────────────────────────── 100 100 40 1.364 142 ───────────────────────────────── 100 100 80 1.197 136 ───────────────────────────────── 150 150 20 0.791 119 ───────────────────────────────── 150 150 40 0.577 108 ───────────────────────────────── 150 150 80 0.426 95 ───────────────────────────────── B:デカグリセリルペンタオレエート C:デカグリセリルモノラウレート
【0040】試験例8 界面活性剤として水溶性のデカグリセリルモノラウレー
ト(Decaglyn1−L)とリゾレシチン(商品
名:サンレシチンA;太陽化学製)を表8に示した種々
の量配合した他は、試験例7と同様に実施した。製造直
後および60℃に1週間保存した後のA500 は表8に示
した通りであった。
【0041】 表8−1 ─────────────────────────────── デカグリセリルモノラウレート リゾレシチン A500 ──── (mg/100ml) (mg/100ml) 製造直後 ─────────────────────────────── 200 0 2.551 ─────────────────────────────── 200 20 0.973 ─────────────────────────────── 200 40 0.656 ─────────────────────────────── 200 60 0.532 ─────────────────────────────── 200 80 0.361 ───────────────────────────────
【0042】 表8−2 ────────────────────────────────── C リゾレシチン A500 ──────────── (mg/100ml) (mg/100ml) 製造直後 60℃1週後 ────────────────────────────────── 300 0 0.331 3.100 ────────────────────────────────── 300 20 0.278 0.254 ────────────────────────────────── 300 40 0.167 0.174 ────────────────────────────────── 300 60 0.148 0.149 ────────────────────────────────── 300 80 0.142 0.149 ────────────────────────────────── C:デカグリセリルモノラウレート
【0043】非イオン性界面活性剤とリゾレシチンとの
併用により液は著しく透明になった。非イオン性界面活
性剤の配合量を増すだけでも透明性は改良されたが、経
時変化により著しく白濁したばかりでなく、油分離を来
たした。しかし、両者の併用により著しく安定になり、
ほとんど変化しなくなることが明らかである。
【0044】
【発明の効果】脂溶性物質に対し、非イオン性界面活性
剤とリゾレシチンを併用することにより、相乗効果が認
められ、乳化・可溶化力が著しく向上する。少ない界面
活性剤量で、優れた透明性を有し、経時的な白濁等がな
く安定で、且つより小さい粒子径に乳化または可溶化で
きる。安全性が高く、外観が綺麗で、服用しやすい液剤
であり、医薬品、食品、化粧品等の脂溶性物質の液剤化
に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2で得られた結果を、縦軸に吸光度を、
横軸に乳化剤濃度をとって図示したもので、明確な相乗
効果が認められている。
【図2】試験例7で得られた結果を、縦軸に吸光度を、
横軸に乳化剤濃度を取って図示したものである。図1の
結果と同様に明確な相乗効果が認められる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非イオン性界面活性剤とリゾレシチンを
    配合してなる脂溶性物質含有液剤。
  2. 【請求項2】 脂溶性物質が動植物油である請求項1記
    載の脂溶性物質含有液剤。
  3. 【請求項3】 動植物油が魚油、精製魚油、ゴマ油、大
    豆油、えごま油、しそ油、アマニ油、中鎖脂肪酸トリグ
    リセライドである請求項2記載の脂溶性物質含有液剤。
  4. 【請求項4】 脂溶性物質が脂溶性ビタミンである請求
    項1記載の脂溶性物質含有液剤。
  5. 【請求項5】 脂溶性ビタミンがビタミンEまたはその
    誘導体である請求項4記載の脂溶性物質含有液剤。
  6. 【請求項6】 非イオン性界面活性剤とリゾレシチンを
    併用することを特徴とする脂溶性物質の乳化または可溶
    化方法。
  7. 【請求項7】 脂溶性物質が動植物油である請求項6記
    載の脂溶性物質の乳化または可溶化方法。
  8. 【請求項8】 動植物油が魚油、精製魚油、ゴマ油、大
    豆油、えごま油、しそ油、アマニ油、中鎖脂肪酸トリグ
    リセライドである請求項7記載の脂溶性物質の乳化また
    は可溶化方法。
  9. 【請求項9】 脂溶性物質が脂溶性ビタミンである請求
    項6記載の脂溶性物質の乳化または可溶化方法。
  10. 【請求項10】脂溶性ビタミンがビタミンEまたはその
    誘導体である請求項9記載の脂溶性物質の乳化または可
    溶化方法。
JP18881793A 1993-07-01 1993-07-01 脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法 Pending JPH0717860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18881793A JPH0717860A (ja) 1993-07-01 1993-07-01 脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18881793A JPH0717860A (ja) 1993-07-01 1993-07-01 脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0717860A true JPH0717860A (ja) 1995-01-20

Family

ID=16230340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18881793A Pending JPH0717860A (ja) 1993-07-01 1993-07-01 脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0717860A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020268A (ja) * 2000-07-10 2002-01-23 Takeda Chem Ind Ltd 脂溶性物質含有内服液剤
JP2002537317A (ja) * 1999-02-26 2002-11-05 リポシン インコーポレイテッド 疎水性治療剤の改善された送達のための組成物および方法
WO2005120174A2 (en) * 2004-05-24 2005-12-22 Interactive Research Institute For Health Affairs Omega-3 fatty acid compositions with honey
WO2008044659A1 (fr) * 2006-10-06 2008-04-17 Kaneka Corporation Composition hautement absorbable pour administration orale contenant la coenzyme q10 oxydée
JP2008231086A (ja) * 2007-03-21 2008-10-02 Taiwan Liposome Co Ltd プロスタグランジンe1を含むエマルション組成物
WO2009001786A1 (ja) * 2007-06-22 2008-12-31 Kaneka Corporation 生理活性物質含有組成物

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002537317A (ja) * 1999-02-26 2002-11-05 リポシン インコーポレイテッド 疎水性治療剤の改善された送達のための組成物および方法
JP2012006931A (ja) * 1999-02-26 2012-01-12 Lipocine Inc 疎水性治療剤の改善された送達のための組成物および方法
JP2002020268A (ja) * 2000-07-10 2002-01-23 Takeda Chem Ind Ltd 脂溶性物質含有内服液剤
WO2005120174A2 (en) * 2004-05-24 2005-12-22 Interactive Research Institute For Health Affairs Omega-3 fatty acid compositions with honey
WO2005120174A3 (en) * 2004-05-24 2006-04-27 Interactive Res Inst For Healt Omega-3 fatty acid compositions with honey
WO2008044659A1 (fr) * 2006-10-06 2008-04-17 Kaneka Corporation Composition hautement absorbable pour administration orale contenant la coenzyme q10 oxydée
JP2008231086A (ja) * 2007-03-21 2008-10-02 Taiwan Liposome Co Ltd プロスタグランジンe1を含むエマルション組成物
WO2009001786A1 (ja) * 2007-06-22 2008-12-31 Kaneka Corporation 生理活性物質含有組成物
JPWO2009001786A1 (ja) * 2007-06-22 2010-08-26 株式会社カネカ 生理活性物質含有組成物
JP5343002B2 (ja) * 2007-06-22 2013-11-13 株式会社カネカ 生理活性物質含有組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1404291B1 (de) Wasserfreies ubichinon-konzentrat
KR100427110B1 (ko) 광학적으로투명한제품을제조하기위한수성조성물,이러한조성물의제조방법및이러한조성물을함유하는제품
DE69818704T2 (de) Verfahren zur verbesserung der absorption und des transport von lipidlöslichen verbindungen mittels strukturierter glyceriden
US10888572B2 (en) Dietary and nutritional compositions and methods of use
JP5096138B2 (ja) リグナン類化合物含有水中油滴型エマルション及びそれを含有する組成物
CN105228470B (zh) 维生素e水溶性衍生物制剂及包含其的组合物
JPWO2004048497A1 (ja) 高度不飽和脂肪酸、その塩、またはそのエステルを含有する外用組成物
EP2613652B1 (en) Comestible emulsions
EP0127677B1 (en) Readily-absorpable fatty acid emulsions
JP6276433B2 (ja) マイクロエマルション前濃縮物及びマイクロエマルション、並びにその調製工程
CN103037708A (zh) 含有蔗糖脂肪酸酯的纳米乳液
US5997852A (en) Remedy for dermatitis
EP0148303A1 (de) Diätetikum
JP6964660B2 (ja) 酸化防止剤分散物
JPH0717860A (ja) 脂溶性物質含有液剤および脂溶性物質の乳化・可溶化方法
JP2002514394A (ja) ヒトおよび動物用食料最終製品におけるナノフードの使用
JPH06298642A (ja) 高度不飽和脂肪酸含有o/w型乳剤及びその酸化防止方法
CA3135250C (en) Stable emulsified vitamin and omega fatty acid compositions and process for preparing same
JP6836226B1 (ja) 油中水型の不飽和脂肪酸含有組成物及びその製造法
CN104720070A (zh) 微乳液预浓缩物和微乳液及其制备方法
KR20020042218A (ko) 자가미세유화형 약물전달시스템을 이용한 고지혈증치료용약제 조성물
Garti et al. Improved solubilization and bioavailability of nutraceuticals in nanosized self‐assembled liquid vehicles
JP2017500355A (ja) ラセカドトリル組成物
JP2003160477A (ja) 高級脂肪族アルコールの水性組成物、製造方法および投与方法