JPH0717472A - 船 舶 - Google Patents
船 舶Info
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- JPH0717472A JPH0717472A JP36218392A JP36218392A JPH0717472A JP H0717472 A JPH0717472 A JP H0717472A JP 36218392 A JP36218392 A JP 36218392A JP 36218392 A JP36218392 A JP 36218392A JP H0717472 A JPH0717472 A JP H0717472A
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- Japan
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- angle
- hull
- hydrofoil
- wing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 波等による船体のピッチング方向の姿勢
変動の影響を受けにくい、水中翼を有する船舶を提供す
ることを目的とする。 【構成】 迎角を変化させる方向の回転を自由に許
す軸受けにより支持され、流体の流れの中で揚力を発生
する迎角で安定化する形状の水中翼を付与した船舶とす
ることにより、波等の外乱により船体にピッチング方向
の姿勢変動が生じた場合において、流体の流れに対する
水中翼の迎角を不変とすることが可能となり、以て、水
中翼の発生する揚力を不変とすることが可能となり、船
体の姿勢変動の影響を受けにくい水中翼を有する船舶を
提供することが可能となる。
変動の影響を受けにくい、水中翼を有する船舶を提供す
ることを目的とする。 【構成】 迎角を変化させる方向の回転を自由に許
す軸受けにより支持され、流体の流れの中で揚力を発生
する迎角で安定化する形状の水中翼を付与した船舶とす
ることにより、波等の外乱により船体にピッチング方向
の姿勢変動が生じた場合において、流体の流れに対する
水中翼の迎角を不変とすることが可能となり、以て、水
中翼の発生する揚力を不変とすることが可能となり、船
体の姿勢変動の影響を受けにくい水中翼を有する船舶を
提供することが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶に関し、特に、高
速で走行する、水中翼を有する船舶に関する。
速で走行する、水中翼を有する船舶に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、速度の増大と共
に急激に大きくなる造波抵抗、粘性圧力抵抗のために、
排水量型の船舶では超えられない速度の壁を破る手段と
して、滑走型の船舶、さらには、水中翼による浮上型の
船舶等が考案され、広く実用化されている。特に、水中
翼による浮上型の船舶においては、造波抵抗がほとんど
なくなり、水中翼およびその支柱に作用する圧力抵抗と
摩擦抵抗のみとなるために、抵抗が大幅に小さくなり小
さな動力で大きな走行速度を達成できる。
に急激に大きくなる造波抵抗、粘性圧力抵抗のために、
排水量型の船舶では超えられない速度の壁を破る手段と
して、滑走型の船舶、さらには、水中翼による浮上型の
船舶等が考案され、広く実用化されている。特に、水中
翼による浮上型の船舶においては、造波抵抗がほとんど
なくなり、水中翼およびその支柱に作用する圧力抵抗と
摩擦抵抗のみとなるために、抵抗が大幅に小さくなり小
さな動力で大きな走行速度を達成できる。
【0003】しかしながら、この方式によっては、船舶
の速度ベクトルを常に水平に維持し、船体が水面に衝突
しないように、かつ、水中翼が水面上に出てしまわない
ようにするために、計測制御装置、および、水中翼の形
状または迎角を変えるためのアクチュエイターが必要と
なる。
の速度ベクトルを常に水平に維持し、船体が水面に衝突
しないように、かつ、水中翼が水面上に出てしまわない
ようにするために、計測制御装置、および、水中翼の形
状または迎角を変えるためのアクチュエイターが必要と
なる。
【0004】水面に半ば入るようなフィンとそれに連結
した補助翼により船体の姿勢を安定化させる方法もある
が、波浪中においては実用的とは言いがたい。本発明
は、特に、複雑な姿勢制御装置を搭載しがたい小型の船
舶を対象として、姿勢制御装置なしで、あるいは、簡略
な姿勢制御装置によって、小さな動力で大きな速度を達
成することを可能とする、船体の姿勢変動や波の影響を
うけにくい水中翼を有する船舶を提供することを目的と
する。
した補助翼により船体の姿勢を安定化させる方法もある
が、波浪中においては実用的とは言いがたい。本発明
は、特に、複雑な姿勢制御装置を搭載しがたい小型の船
舶を対象として、姿勢制御装置なしで、あるいは、簡略
な姿勢制御装置によって、小さな動力で大きな速度を達
成することを可能とする、船体の姿勢変動や波の影響を
うけにくい水中翼を有する船舶を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の事項を
特徴とする船舶である。迎角を変化させる方向の回転を
自由に許す軸受けにより支持された1枚以上の水中翼を
持つことを特徴とする船舶である。特に、幅方向に流れ
が不均一である場合、あるいは、姿勢制御等の目的によ
り積極的に幅方向に揚力分布を生じさせたい場合におい
ては、翼を幅方向に分割して支持することを特徴とする
船舶がある。
特徴とする船舶である。迎角を変化させる方向の回転を
自由に許す軸受けにより支持された1枚以上の水中翼を
持つことを特徴とする船舶である。特に、幅方向に流れ
が不均一である場合、あるいは、姿勢制御等の目的によ
り積極的に幅方向に揚力分布を生じさせたい場合におい
ては、翼を幅方向に分割して支持することを特徴とする
船舶がある。
【0006】この船舶の例として、走行時において、船
体の重量の一部または全部を支持するに足る揚力を発生
させる迎角で安定化するような翼形状を有する水中翼、
あるいは、主翼を適当な迎角で安定化させる補助翼を持
った水中翼をもつことを特徴とする船舶がある。さら
に、走行状態に応じて、水中翼の発生する揚力を最適化
するために、翼形状を可変とすることを特徴とする船舶
がある。とくに、波浪中において船体の姿勢が変動した
場合において、水中翼から船体に作用する力が船体のピ
ッチ角変動を誘起させないようにするために、迎角を変
化させる方向の回転を自由に許す軸受けの位置を船体の
重心位置近傍とすることを特徴とする船舶がある。
体の重量の一部または全部を支持するに足る揚力を発生
させる迎角で安定化するような翼形状を有する水中翼、
あるいは、主翼を適当な迎角で安定化させる補助翼を持
った水中翼をもつことを特徴とする船舶がある。さら
に、走行状態に応じて、水中翼の発生する揚力を最適化
するために、翼形状を可変とすることを特徴とする船舶
がある。とくに、波浪中において船体の姿勢が変動した
場合において、水中翼から船体に作用する力が船体のピ
ッチ角変動を誘起させないようにするために、迎角を変
化させる方向の回転を自由に許す軸受けの位置を船体の
重心位置近傍とすることを特徴とする船舶がある。
【0007】さて、図1に本発明による船舶の基本構成
を説明するための図を示す。図1において、船体1に、
回転軸3と軸受け4を介して取り付けられた水中翼2
は、翼後部(後縁部)5が上方に跳ね上がった形状とな
っており、適当な位置に配した回転軸3により支持され
たとき、走行時に揚力を発生する迎角で安定化するよう
な形状となっている。さらに、翼後部5の跳ね上げ角度
を能動的に制御することにより、小さな力により翼の迎
角を変化させることが可能であり、水中翼が発生する揚
力の時間平均値の制御、さらには、より積極的に船体の
振動抑制のための制御も小さな力で容易に行うことがで
きる。
を説明するための図を示す。図1において、船体1に、
回転軸3と軸受け4を介して取り付けられた水中翼2
は、翼後部(後縁部)5が上方に跳ね上がった形状とな
っており、適当な位置に配した回転軸3により支持され
たとき、走行時に揚力を発生する迎角で安定化するよう
な形状となっている。さらに、翼後部5の跳ね上げ角度
を能動的に制御することにより、小さな力により翼の迎
角を変化させることが可能であり、水中翼が発生する揚
力の時間平均値の制御、さらには、より積極的に船体の
振動抑制のための制御も小さな力で容易に行うことがで
きる。
【0008】なお、回転軸3の位置は、翼としての効率
を大きくするために、翼の空力中心より若干前方とする
のが好ましい。この例では、船体は双胴型となってい
る。この場合、水中翼の形状を制御しない場合には、船
体の重量の一部は排水量により受けもたせ、船体の姿勢
の自立安定性を保たせることが好ましい。一方、翼形状
をそのときの走行状態および船体の姿勢に応じて制御す
る場合には、船体を完全に浮上させて走行することが可
能となり、走行時の抵抗はより一層小さくなる。
を大きくするために、翼の空力中心より若干前方とする
のが好ましい。この例では、船体は双胴型となってい
る。この場合、水中翼の形状を制御しない場合には、船
体の重量の一部は排水量により受けもたせ、船体の姿勢
の自立安定性を保たせることが好ましい。一方、翼形状
をそのときの走行状態および船体の姿勢に応じて制御す
る場合には、船体を完全に浮上させて走行することが可
能となり、走行時の抵抗はより一層小さくなる。
【0009】
【作用】図2に、本発明において用いる水中翼の作動原
理を説明するための図を示す。図1において、水中翼2
の翼断面形状が翼後部5が上方に跳ね上がった形状とな
っていたが、このような形状とする理由は、この翼を一
様流中に置いたとき、翼上下面の圧力差の分布が図3に
示すごとくなり、翼全体として揚力を生じるある迎角に
おいて、ブレードの回転軸3のまわりに翼前部6から作
用するモーメント(翼の迎角を小さくしようとする向き
に作用するモーメント)を、翼後部5から作用するモー
メントが打ち消すようにするためである。このようにす
ることにより、回転軸3により支持された翼は、図2
(b)に示すように流体の流れの中で揚力を発生する迎
角を持った状態で安定化する。この例では、翼全体とし
ての揚力は、翼前部6に作用する揚力8と、翼後部5に
作用する負の揚力7との合力に等しい。なお、揚力7の
作用点を、揚力8の作用点と比べ回転軸3から遠ざける
ほど、より小さな力で揚力8と吊り合うモーメントを発
生することができる。
理を説明するための図を示す。図1において、水中翼2
の翼断面形状が翼後部5が上方に跳ね上がった形状とな
っていたが、このような形状とする理由は、この翼を一
様流中に置いたとき、翼上下面の圧力差の分布が図3に
示すごとくなり、翼全体として揚力を生じるある迎角に
おいて、ブレードの回転軸3のまわりに翼前部6から作
用するモーメント(翼の迎角を小さくしようとする向き
に作用するモーメント)を、翼後部5から作用するモー
メントが打ち消すようにするためである。このようにす
ることにより、回転軸3により支持された翼は、図2
(b)に示すように流体の流れの中で揚力を発生する迎
角を持った状態で安定化する。この例では、翼全体とし
ての揚力は、翼前部6に作用する揚力8と、翼後部5に
作用する負の揚力7との合力に等しい。なお、揚力7の
作用点を、揚力8の作用点と比べ回転軸3から遠ざける
ほど、より小さな力で揚力8と吊り合うモーメントを発
生することができる。
【0010】ここで、例えば、波浪等の影響により船体
が頭上げ状態となり、回転軸3と軸受け4との摩擦抵抗
の為に、船体の回転に追随して一時的に水中翼の迎角が
増加したとすると、図2(a)に示す様に翼後部5に働
く下向きの力7が減少し、また翼前部6に働く上向きの
力8は増加する。それにより頭下げのモーメント9が回
転軸3のまわりに生じ翼迎角は減少する。逆に、船体が
頭下げ状態となり、翼からみた迎角が減少した場合には
図2(c)に示す様に翼後部に働く下向きの力7が増加
し、また翼前部に働く上向きの力8は減少する。それに
より頭上げのモーメント10が回転軸3のまわりに生じ
ブレード迎角は増加する。このようにして、翼迎角は最
終的に図2(b)に示すようなある迎角に自動的におち
つく。すなわち、船体の姿勢変動にかかわらず、水中翼
2は水流に対して一定の迎角を保持する。
が頭上げ状態となり、回転軸3と軸受け4との摩擦抵抗
の為に、船体の回転に追随して一時的に水中翼の迎角が
増加したとすると、図2(a)に示す様に翼後部5に働
く下向きの力7が減少し、また翼前部6に働く上向きの
力8は増加する。それにより頭下げのモーメント9が回
転軸3のまわりに生じ翼迎角は減少する。逆に、船体が
頭下げ状態となり、翼からみた迎角が減少した場合には
図2(c)に示す様に翼後部に働く下向きの力7が増加
し、また翼前部に働く上向きの力8は減少する。それに
より頭上げのモーメント10が回転軸3のまわりに生じ
ブレード迎角は増加する。このようにして、翼迎角は最
終的に図2(b)に示すようなある迎角に自動的におち
つく。すなわち、船体の姿勢変動にかかわらず、水中翼
2は水流に対して一定の迎角を保持する。
【0011】よって、図4(a)〜(c)に示すごと
く、船体の姿勢によらずに翼は水流に対して、自動的に
一定の迎角を保持することが可能となり、ほぼ一定の揚
力(と抗力の合力)を、回転軸3を介して、船体に対し
て作用させることが可能となる。なお、回転軸3の回転
摩擦抵抗を小さくするほど、また、翼の質量を小さくす
るほど、外乱に対する翼の迎角調整の動作の応答性は高
くなる。ここで走行状態に応じて、翼後部のはね上げ角
を制御することにより、水中翼が発生する力の大きさを
調節することが可能となる。例えば、船体の速度が大き
くなるにしたがって、翼の形状を翼の迎角が小さい値で
安定化するよな形状にしていくことにより、翼の発生す
る揚力を船体の速度によらずに一定値に保たせることが
可能となる。
く、船体の姿勢によらずに翼は水流に対して、自動的に
一定の迎角を保持することが可能となり、ほぼ一定の揚
力(と抗力の合力)を、回転軸3を介して、船体に対し
て作用させることが可能となる。なお、回転軸3の回転
摩擦抵抗を小さくするほど、また、翼の質量を小さくす
るほど、外乱に対する翼の迎角調整の動作の応答性は高
くなる。ここで走行状態に応じて、翼後部のはね上げ角
を制御することにより、水中翼が発生する力の大きさを
調節することが可能となる。例えば、船体の速度が大き
くなるにしたがって、翼の形状を翼の迎角が小さい値で
安定化するよな形状にしていくことにより、翼の発生す
る揚力を船体の速度によらずに一定値に保たせることが
可能となる。
【0012】こうすることにより、例えば、常に船体の
重量の一部を排水量により受けもたせ、船体の自立安定
性を保持することが可能となる。また、波等の外乱によ
る船体の振動を抑制する目的で、翼の発生する揚力を制
御することも可能である。この例として、船体の重量す
べてを水中翼により発生する揚力に受けもたせ、波等の
外乱により船体に作用する時間的に変動する力に対処す
るために、翼形状を制御することが考えられる。
重量の一部を排水量により受けもたせ、船体の自立安定
性を保持することが可能となる。また、波等の外乱によ
る船体の振動を抑制する目的で、翼の発生する揚力を制
御することも可能である。この例として、船体の重量す
べてを水中翼により発生する揚力に受けもたせ、波等の
外乱により船体に作用する時間的に変動する力に対処す
るために、翼形状を制御することが考えられる。
【0013】図5に示すように、翼を幅方向に分割して
支持することにより、流れの向きが幅方向に不均一な場
合において、各翼2−1〜Nの迎角の差を小さくするこ
とが可能となり、翼全体としての効率が向上する。ま
た、各翼の翼後部5−1〜Nのはね上げ角を制御するこ
とにより、各翼に作用する揚力を個別に制御することが
可能となり、船体のローリング方向の姿勢制御が可能と
なる。
支持することにより、流れの向きが幅方向に不均一な場
合において、各翼2−1〜Nの迎角の差を小さくするこ
とが可能となり、翼全体としての効率が向上する。ま
た、各翼の翼後部5−1〜Nのはね上げ角を制御するこ
とにより、各翼に作用する揚力を個別に制御することが
可能となり、船体のローリング方向の姿勢制御が可能と
なる。
【0014】なお、翼の形状としてはこの例に限らず、
回転軸により支持されたとき、流体の流れの中で揚力を
発生する迎角を持った状態で安定化するような3次元形
状であればどんな形状であってもよく、また、補助翼を
付加することにより同様な効果を生じさせてもよい。ま
た、翼面荷重が大きい等の理由で、キャビテーションの
発生が抑制出来ない場合は、翼型としてはスーパーキャ
ビテーション翼型が好適である。また、翼が船体に触れ
るのを防止する等の目的で、軸受け4と回転軸3に拘束
を設け、水中翼2がある範囲内でのみ回転を許されるよ
うにしてもよい。
回転軸により支持されたとき、流体の流れの中で揚力を
発生する迎角を持った状態で安定化するような3次元形
状であればどんな形状であってもよく、また、補助翼を
付加することにより同様な効果を生じさせてもよい。ま
た、翼面荷重が大きい等の理由で、キャビテーションの
発生が抑制出来ない場合は、翼型としてはスーパーキャ
ビテーション翼型が好適である。また、翼が船体に触れ
るのを防止する等の目的で、軸受け4と回転軸3に拘束
を設け、水中翼2がある範囲内でのみ回転を許されるよ
うにしてもよい。
【0015】図6に、水中翼の翼形状の一例を説明する
ための図を示す。この例では、水中翼2は、揚力発生部
11とその両端に取り付けられた迎角制御部12よりな
っている。揚力発生部11はその空力中心付近に位置す
る回転軸3により支持され、迎角制御部12は揚力発生
部11の後縁付近に位置する回転軸13により支持され
ている。迎角制御部12と揚力発生部11との相対迎角
差は、回転軸13を介してサーボモーターにより任意の
角度に制御される。迎角制御部12を揚力発生部11に
対して負の迎角を持つように固定すると、水中翼2は流
れの中で、揚力を発生する迎角で安定化する。
ための図を示す。この例では、水中翼2は、揚力発生部
11とその両端に取り付けられた迎角制御部12よりな
っている。揚力発生部11はその空力中心付近に位置す
る回転軸3により支持され、迎角制御部12は揚力発生
部11の後縁付近に位置する回転軸13により支持され
ている。迎角制御部12と揚力発生部11との相対迎角
差は、回転軸13を介してサーボモーターにより任意の
角度に制御される。迎角制御部12を揚力発生部11に
対して負の迎角を持つように固定すると、水中翼2は流
れの中で、揚力を発生する迎角で安定化する。
【0016】なお、発生する揚力ベクトルは、支柱14
の角度に依存せず、したがって、船体のピッチング方向
の角度にも依存しない。図7に、水中翼の翼形状の一例
を説明するための図を示す。この例では、水中翼2は、
揚力を発生する主翼15と、主翼を流れのなかで一定の
迎角で安定化させるための補助翼16と、主翼と補助翼
とを固定する支持構造17より構成されている。
の角度に依存せず、したがって、船体のピッチング方向
の角度にも依存しない。図7に、水中翼の翼形状の一例
を説明するための図を示す。この例では、水中翼2は、
揚力を発生する主翼15と、主翼を流れのなかで一定の
迎角で安定化させるための補助翼16と、主翼と補助翼
とを固定する支持構造17より構成されている。
【0017】
【実施例】図8に、本発明を滑走型の船舶に適用した実
施例を示す。滑走時において、船体は水中翼より船体重
量の半分程度を支持されるようにすると、抵抗が小さく
なり小さな動力で大きな速度を達成することが可能にな
るとともに、半分程度の重量を滑走面からの力により支
持することにより、姿勢の自立安定性を維持することが
可能となる。
施例を示す。滑走時において、船体は水中翼より船体重
量の半分程度を支持されるようにすると、抵抗が小さく
なり小さな動力で大きな速度を達成することが可能にな
るとともに、半分程度の重量を滑走面からの力により支
持することにより、姿勢の自立安定性を維持することが
可能となる。
【0018】図9に、本発明を滑走型の船舶に適用した
実施例を示す。この例では、回転軸3の位置を船体の重
心位置18付近としている。このようにすることによ
り、船体の姿勢変動時において、水中翼から作用する力
が船体のピッチング方向の回転モーメントとならないよ
うにすることが、可能となる。
実施例を示す。この例では、回転軸3の位置を船体の重
心位置18付近としている。このようにすることによ
り、船体の姿勢変動時において、水中翼から作用する力
が船体のピッチング方向の回転モーメントとならないよ
うにすることが、可能となる。
【0019】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明では、迎角
を変化させる方向の回転を自由に許す軸受けにより支持
され、流体の流れの中で揚力を発生する迎角で安定化す
る形状の水中翼を付与した船舶とすることにより、波等
の外乱により船体にピッチング方向の姿勢変動が生じた
場合において、流体の流れに対する水中翼の迎角を不変
とすることが可能となり、以て、水中翼の発生する揚力
を不変とすることが可能となり、船体の姿勢変動の影響
を受けにくい水中翼を有する船舶を提供することが可能
となる。
を変化させる方向の回転を自由に許す軸受けにより支持
され、流体の流れの中で揚力を発生する迎角で安定化す
る形状の水中翼を付与した船舶とすることにより、波等
の外乱により船体にピッチング方向の姿勢変動が生じた
場合において、流体の流れに対する水中翼の迎角を不変
とすることが可能となり、以て、水中翼の発生する揚力
を不変とすることが可能となり、船体の姿勢変動の影響
を受けにくい水中翼を有する船舶を提供することが可能
となる。
【図1】本発明による、船舶の基本構成を説明するため
の図。
の図。
【図2】本発明による、翼迎角の自動最適化の原理を説
明するための図。
明するための図。
【図3】本発明による、水中翼の翼上下面の圧力差分
布。
布。
【図4】本発明による、船舶のピッチング振動時におい
て、水中翼が発生する流体力の大きさ及び方向が不変と
なるメカニズムを説明するための図。
て、水中翼が発生する流体力の大きさ及び方向が不変と
なるメカニズムを説明するための図。
【図5】本発明による、水中翼の構成例を説明するため
の図。
の図。
【図6】本発明による、水中翼の構成例を説明するため
の図。
の図。
【図7】本発明による、水中翼の構成例を説明するため
の図。
の図。
【図8】本発明を、滑走型の船舶に適用した実施例。
【図9】本発明を、滑走型の船舶に適用した実施例。
1 船体 2 水中翼 3 回転軸 4 軸受け 5 翼後部 6 翼前部 7 翼後部に作用する揚力、または、揚力と抗力の合
力 8 翼前部に作用する揚力、または、揚力と抗力の合
力 9 頭下げモーメント 10 頭上げモーメント 11 揚力発生部 12 迎角制御部 13 迎角制御部12の回転軸 14 支柱 15 主翼 16 補助翼 17 支持構造 18 重心位置
力 8 翼前部に作用する揚力、または、揚力と抗力の合
力 9 頭下げモーメント 10 頭上げモーメント 11 揚力発生部 12 迎角制御部 13 迎角制御部12の回転軸 14 支柱 15 主翼 16 補助翼 17 支持構造 18 重心位置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月20日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】なお、回転軸3の位置は、翼としての効率
を大きくするために、翼の空力中心より若干前方とする
のが好ましい。この例では、船体は双胴型となってい
る。この場合、水中翼の形状を制御しない場合には、船
体の重量の一部は排水量により受けもたせ、船体の姿勢
の自立安定性を保たせることが好ましい。一方、翼形状
をそのときの走行状態および船体の姿勢に応じて制御す
る場合には、船体を完全に浮上させて走行することが可
能となり、走行時の抵抗はより一層小さくなる。この揚
力自動安定化のメカニズムについてさらに若干の説明を
行う。翼後縁が跳ね上がった形状の翼では、空力中心ま
わりのモーメント係数は正(前縁を持ち上げる方向、換
言すると、迎角αを増大させる方向)となり、回転軸3
の位置を空力中心より前方(前縁寄り)とすることによ
り、翼は一様流の中で正の揚力を発生する迎角で安定化
する。一般に、負のキャンバー(負の反り比)を持つ翼
の空力中心まわりのモーメント係数は正となり、前縁か
らの最大反り位置が後縁に近いほどこの傾向は増大し、
揚抗比を悪化させずにモーメント係数を増大させるには
後縁近傍を調整し後縁が跳ね上った形状とするのが好ま
しい。なお、翼としての効率を大きくするために、翼の
空力中心まわりのモーメント係数は+0.01〜0.1
程度と小さな正の値であることが望ましく、従って、回
転軸2の位置は、翼の空力中心より若干前方とするのが
好ましい。各種翼型の形状および特性の関係は、I.
H.Abbott et al.,Summary o
f Airfoil Data,NACA Repor
tNo.824,(1945),I.H.Abbott
and A.E.vonDoenhoff,Theo
ry of Wing Sections,Dover
Publications,Inc.,N.Y.,
(1959),F.W.Riegels,Aero−f
oil Sections,Butterworth
s,London(1961)等で詳細に調査されてい
る。本発明を実施する際には負のキャンバーを有する翼
型を採用するケースが多くあるが、翼弦線に対して互い
に鏡像の関係にある翼型については、翼弦線と垂直なy
座標軸を反転させればよく、すなわち、迎角α、揚力係
数CL,モーメント係数CMは符号を逆にして考えれば
よいので、この場合にも前記文献の豊富なデータを利用
することができる。なお、翼全体についても前述と同
様、翼全体の空力中心まわりのモーメントが正となるよ
うな形状とし、かつ、回転軸3の位置を翼全体の空力中
心より若干前方(翼前縁寄り)とすることにより、この
翼全体は流れのなかで揚力を発生する迎角αで安定化す
る。
を大きくするために、翼の空力中心より若干前方とする
のが好ましい。この例では、船体は双胴型となってい
る。この場合、水中翼の形状を制御しない場合には、船
体の重量の一部は排水量により受けもたせ、船体の姿勢
の自立安定性を保たせることが好ましい。一方、翼形状
をそのときの走行状態および船体の姿勢に応じて制御す
る場合には、船体を完全に浮上させて走行することが可
能となり、走行時の抵抗はより一層小さくなる。この揚
力自動安定化のメカニズムについてさらに若干の説明を
行う。翼後縁が跳ね上がった形状の翼では、空力中心ま
わりのモーメント係数は正(前縁を持ち上げる方向、換
言すると、迎角αを増大させる方向)となり、回転軸3
の位置を空力中心より前方(前縁寄り)とすることによ
り、翼は一様流の中で正の揚力を発生する迎角で安定化
する。一般に、負のキャンバー(負の反り比)を持つ翼
の空力中心まわりのモーメント係数は正となり、前縁か
らの最大反り位置が後縁に近いほどこの傾向は増大し、
揚抗比を悪化させずにモーメント係数を増大させるには
後縁近傍を調整し後縁が跳ね上った形状とするのが好ま
しい。なお、翼としての効率を大きくするために、翼の
空力中心まわりのモーメント係数は+0.01〜0.1
程度と小さな正の値であることが望ましく、従って、回
転軸2の位置は、翼の空力中心より若干前方とするのが
好ましい。各種翼型の形状および特性の関係は、I.
H.Abbott et al.,Summary o
f Airfoil Data,NACA Repor
tNo.824,(1945),I.H.Abbott
and A.E.vonDoenhoff,Theo
ry of Wing Sections,Dover
Publications,Inc.,N.Y.,
(1959),F.W.Riegels,Aero−f
oil Sections,Butterworth
s,London(1961)等で詳細に調査されてい
る。本発明を実施する際には負のキャンバーを有する翼
型を採用するケースが多くあるが、翼弦線に対して互い
に鏡像の関係にある翼型については、翼弦線と垂直なy
座標軸を反転させればよく、すなわち、迎角α、揚力係
数CL,モーメント係数CMは符号を逆にして考えれば
よいので、この場合にも前記文献の豊富なデータを利用
することができる。なお、翼全体についても前述と同
様、翼全体の空力中心まわりのモーメントが正となるよ
うな形状とし、かつ、回転軸3の位置を翼全体の空力中
心より若干前方(翼前縁寄り)とすることにより、この
翼全体は流れのなかで揚力を発生する迎角αで安定化す
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
Claims (5)
- 【請求項1】 迎角を変化させる方向の回転を自由に許
す軸受けにより支持された1枚以上の水中翼を持つこと
を特徴とする船舶。 - 【請求項2】 水中翼を幅方向に分割して支持すること
を特徴とする請求項1に記載の船舶。 - 【請求項3】 走行時において、船体の重量の一部また
は全部を支持するに足る揚力を発生させる迎角で安定化
するような翼形状を有する水中翼、あるいは、主翼を適
当な迎角で安定化させる補助翼を持った水中翼をもつこ
とを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の船
舶。 - 【請求項4】 翼形状を可変とすることを特徴とする、
請求項1または請求項2または請求項3に記載の船舶。 - 【請求項5】 迎角を変化させる方向の回転を自由に許
す軸受けの位置を船体の重心位置近傍とすることを特徴
とする、請求項1または請求項2または請求項3または
請求項4に記載の船舶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36218392A JPH0717472A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 船 舶 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36218392A JPH0717472A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 船 舶 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717472A true JPH0717472A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=18476191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36218392A Pending JPH0717472A (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 船 舶 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717472A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005054049A3 (fr) * | 2003-11-24 | 2005-11-24 | Gerard Aldin | Stabilisateur dynamique pour bateau, dispositif compensateur d’effort pour orienter une voilure et bateau semi-submersible |
JP2006168692A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-06-29 | Universal Shipbuilding Corp | 船尾曳波軽減装置およびこれを装備した双胴船 |
SE2050857A1 (en) * | 2020-07-06 | 2022-01-07 | Candela Speed Boat Ab | A hydrofoil vessel |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP36218392A patent/JPH0717472A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005054049A3 (fr) * | 2003-11-24 | 2005-11-24 | Gerard Aldin | Stabilisateur dynamique pour bateau, dispositif compensateur d’effort pour orienter une voilure et bateau semi-submersible |
JP2006168692A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-06-29 | Universal Shipbuilding Corp | 船尾曳波軽減装置およびこれを装備した双胴船 |
SE2050857A1 (en) * | 2020-07-06 | 2022-01-07 | Candela Speed Boat Ab | A hydrofoil vessel |
WO2022010404A1 (en) * | 2020-07-06 | 2022-01-13 | Candela Speed Boat Ab | A hydrofoil vessel |
SE544574C2 (en) * | 2020-07-06 | 2022-07-26 | Candela Tech Ab | A hydrofoil vessel |
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