JPH07174530A - 三次元物体を測定する光測定器 - Google Patents

三次元物体を測定する光測定器

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JPH07174530A
JPH07174530A JP34858592A JP34858592A JPH07174530A JP H07174530 A JPH07174530 A JP H07174530A JP 34858592 A JP34858592 A JP 34858592A JP 34858592 A JP34858592 A JP 34858592A JP H07174530 A JPH07174530 A JP H07174530A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で、精度と解像力を向上させる。 【構成】 レーザ光を発生し、被測定物2を照射する発
光部100と、被測定物2からの反射光を受光して撮像
する受光部200とを備えている。発光部100は、直
線状光を発生させる光源110と、上記直線状光を面状
光に変換する円筒状レンズ120と、対向して配設され
た2枚の反射鏡142,143を有する。そして、面状
光を2枚の反射鏡142,143間で複数回反射させて
出力させることにより面状光の光路を延長させて、実質
的に光学的なバックオフを構成し、被写界深度を増大さ
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を被測定物に
照射し、その反射光からその物体の3次元データを得る
測定器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の技術は、仏国特許公報2
627047号,2642833号,2629198号
に詳細に記載されている。
【0003】この技術は、レーザ光面、すなわち非常に
薄いが被測定物体をカバーする幅広の扇形状のビームを
生成し、このレーザ光面を異なる角度から1または2個
の撮像器で観測するものである。この測定器は、可動
の、例えば数値制御される工作機械の操作アームの先端
に配置され、被測定物の表面をレーザ光面で走査して三
次元データを得るようになっている。この走査は、被測
定物に対して測定器を旋回または移動させるか、あるい
は測定器を固定し、例えば遠隔操作の多軸制御テーブル
に装着された被測定物を相対的に旋回または移動させる
ことによって得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種の技術に
使用された測定器は、比較的大型で、壊れ易く、複雑な
構造を有していた。
【0005】測定器を小型化すると、一般的な利便性を
有するとともに、非常に限定された場所、小型部品、接
近困難な表面等、狭い場所で高精度が必要なときはいつ
でも使用可能になる。
【0006】しかしながら、この場合、測定器は被測定
物に非常に接近していることになるので、多くの新たな
問題が生じる。特に、測定器が被測定物に接近するにつ
れて減少する被写界深度の問題がある。
【0007】従来のHe−Neレーザを使用した測定器
では、光源から約1mに焦点を有するように調整されて
いるので、著しいバックオフを有する。すなわち測定器
と被測定物間の距離が大きくなる。これは、比較的大型
のHe−Neレーザとその種々の付属部品からなる測定
器では、いずれにしても避けることが困難である。この
大きいバックオフにより、長焦点距離と合わせて、非常
に薄いレーザ光面で大きい被写界深度が得られる。典型
的には、厚さ0.2mm未満の薄膜状ビームで被写界深
度100mm以上のものである。さらに、薄膜状ビーム
は静的手段(通常は円筒状レンズ)で形成されるので、
大きいバックオフとともに、ビームの拡がりにより、局
所的にはμW/mm2オーダーの比較的低エネルギー密
度のビームになり、作業者に危険を及ぼすことがない。
【0008】一方、測定器の小型化は、特にHe−Ne
レーザに代えてレーザダイオードを用いれば可能であ
る。しかしながら、測定器を被測定物から距離をおくこ
とが不可能または好ましくない場合には、ずっと短距
離、典型的には1mではなくて10cmで合焦させなけ
ればならないため、被写界深度の問題、それに伴うレー
ザ光面の厚さ、すなわち解像力や精度への影響に関する
問題が生じてくる。また、エネルギー密度は距離に反比
例するので、万が一ビームが被測定物付近にいる作業者
の目に当たると、危険になってくる。
【0009】本発明は、小型で、精度と解像力を向上さ
せた三次元物体を測定する光測定器を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、レーザ光を発生し、測定対象を照射する
レーザ光発生部と、上記測定対象からの反射光を受光し
て撮像する撮像手段とを備えた三次元物体を測定する光
測定器であって、上記レーザ光発生部は、直線状光を発
生させる光源と、上記直線状光を面状光に変換する光学
変換手段と、対向して配設された2枚の反射鏡を有し、
入光部から入射した上記面状光を上記2枚の反射鏡間で
複数回反射させて出光部から出力させることにより上記
面状光の光路を延長させる光路延長手段とを備えている
(請求項1)。
【0011】また、上記光路延長手段は、上記入光部に
上記面状光の入射角を調整する調整手段を備え、上記2
枚の反射鏡間での反射回数が変更可能になされている
(請求項2)。
【0012】また、上記光学変換手段は、静的部材から
なる(請求項3)。
【0013】また、上記撮像手段は、上記レーザ光発生
部に隣接して配設されるとともに、上記面状光の幅方向
に沿って複数配列され、上記測定対象からの反射光を受
光し、受光強度に応じた電気信号に変換する光電変換撮
像素子と、この光電変換撮像素子の前方に設けられた対
物レンズ手段とを備えている(請求項4)。
【0014】また、請求項4記載の三次元物体を測定す
る光測定器において、上記光電変換撮像素子を上記対物
レンズ手段の光軸を中心にして傾動させる傾動手段を備
えている(請求項5)。
【0015】また、上記撮像手段は、上記光電変換撮像
素子によって撮像された被測定点の位置を示すデータを
抽出する電子回路を備え、この電子回路は、上記光電変
換撮像素子から入力される電気信号を積分し、受光エネ
ルギーを示す積分信号を出力する積分手段と、上記積分
信号をレベル方向に分割する分割手段と、上記積分信号
を遅延して出力する遅延手段と、上記分割手段からの出
力信号と上記遅延手段からの出力信号とを比較し、測定
点の中心点を算出する比較手段とを備えたものである
(請求項6)。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明によれば、直線状のレーザ
光が発生され、この直線状光が面状光に変換される。そ
して、この面状光が入光部から入射され、2枚の反射鏡
間で複数回反射して出光部から出力されることにより、
この面状光の光路が延長される。これにより、実質的な
バックオフが構成されるので、小型であることに起因す
る小さい物理的なバックオフが補償される。そして、測
定対象が面状光により照射され、この反射光により撮像
されて、三次元物体が測定される。
【0017】また、請求項2記載の発明によれば、入光
部での面状光の入射角が調整され、2枚の反射鏡間での
反射回数が変更可能にされる。
【0018】また、請求項3記載の発明によれば、直線
状光は、静的部材により面状光に変換される。
【0019】また、請求項4記載の発明によれば、測定
対象からの反射光が集束されて光電変換撮像素子に入射
し、受光強度に応じた電気信号に変換される。
【0020】また、請求項5記載の発明によれば、光電
変換撮像素子が対物レンズ手段の光軸を中心にして傾動
されて、測定対象からの反射光が光電変換撮像素子上で
合焦されることとなる。
【0021】また、請求項6記載の発明によれば、光電
変換撮像素子から入力される電気信号が積分され、受光
エネルギーを示す積分信号が出力され、この積分信号が
レベル方向に分割される。一方、上記積分信号が遅延し
て出力され、分割された信号と比較される。そして、こ
れらの信号が等しくなった時点が測定点の中心点として
算出される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の3次元物体を測定する光測定
器の一実施例について、図面に従い説明する。図1は本
発明を実施した光測定器1を示す正面図である。
【0023】光測定器1は、操作アーム3の端部に取り
付けられ、被測定物2の近傍に配置されている。操作ア
ーム3は、例えば数値制御で作動する工作機械のアーム
である。
【0024】光測定器1は、中央部に箱型の発光部10
0及びその側面に受光部200を備えている。発光部1
00は、図1に示すように比較的厚みが薄く、図2に示
すように幅の広い扇形状のレーザ光面を形成するレーザ
光4を発光するもので、このレーザ光は、被測定物2の
凹凸のある表面5に照射される。なお、発光部100の
詳細な構造については後述する。
【0025】受光部200は、表面5からの反射レーザ
光を受光するもので、撮像装置と撮像した画像を解析す
る電子回路とが設けられている。
【0026】この受光部200は、ユニット化し、発光
部100の両側面に配置して、一体的に形成し、操作ア
ーム3によって保持されるようにするのが好ましい。な
お、光測定器1は、受光部を2個設けることによって3
次元形状を得る時間を著しく短縮することができるが、
2個の受光部が不可欠なものではなく、受光部を1個設
けるだけでもよい。
【0027】この光測定器1は、被測定物の形状を得る
ために走査する。この実施例では、この走査は、操作ア
ーム3をレーザ光面に直角な方向(図1中、矢印6)に
移動することによって行われる。この移動速度は、毎秒
2〜3ステップで、1ステップの距離は要求される精度
によるが、通常0.1mm〜0.5mmである。通常、
画素の大きさは50×50μmであるが、電子的に処理
することにより、20×20μmに縮小することができ
る。
【0028】なお、光測定器1と被測定物2との相対的
な移動は、光測定器1を固定し、被測定物2を移動させ
ることにより行っても良く、また、他の移動や回転の組
合せでも良い。
【0029】本発明は光学的問題、特に被写界深度の問
題を解決するものである。この被写界深度の問題は、光
測定器1を被測定物2に近づけたとき、すなわち図2に
示すように、測定可能な台形領域7の被写界深度d、光
測定器1と被測定物2との最小距離xとすると、d/x
比が高いときに、生じる。従来の測定器ではこのd/x
比は0.1〜0.2であったが、本発明によればこれを
著しく増大させることができる。
【0030】次に、発光部100の構造について説明す
る。図3,図4は発光部100の構造を示す図で、図4
はレーザ光形成に関係する光学システムのみを示してい
る。
【0031】光源110は、例えばレーザダイオードで
構成され、定格電力3mWの可視光で細い線状の平行光
束を出力するもので、この光束は、円筒状レンズ120
に導かれる。円筒状レンズ120は、図4に示すよう
に、直線状の光を面状の光に変換するものである。ま
た、円筒状レンズ120は、光軸を中心に回転可能で、
面状光の傾斜角を±5°〜±10°の範囲で調整できる
ようになっている。移動手段111は、円筒状レンズ1
20の中心に直線状光を正確に照射するように光源11
0の位置を互いに直交する2つの方向に調整するもので
ある。
【0032】この面状のレーザ光は、反射鏡130で反
射され、光学系140に導かれる。光学系140は、以
下に述べるようにレーザ光の光路を延長するものであ
る。
【0033】反射鏡141は、その方向が調整可能で、
上述したようにして形成された面状光を反射鏡142に
導くものである。反射鏡142と、それに平行に配置さ
れた反射鏡143とは、いわゆる「平行ミラー」現象を
形成するもので、面状光はこの反射鏡142,143間
で数回反射されることにより、その光路が延長されると
共に、光束の幅も徐々に増大する。なお、図4におい
て、破線は面状光の中心線を示す。また、図を明瞭にす
るために、面状光の幅は、連続反射の最初と最後のみ示
している。反射鏡144は、最後に反射した面状光の向
きを出光窓150の方向に変えるもので、出光窓150
を出た光は被測定物に向けて出力される。
【0034】反射鏡141は、その方向を調整して面状
光が入射する際の入射角を変更することにより、反射鏡
142,143間での反射回数を変えることができる。
この光学系140では、通常、少なくとも4回の反射回
数になるように調整されるが、本発明は反射回数を4回
に限定するものではない。反射鏡144は、発光部10
0から出るレーザ光の垂直性を調整するものである。
【0035】このように、面状光を、鏡等を移動させる
ことなく完全に静的に生成しているので、壊れ易い機械
部品がなく、それらを同期させる必要もない。また、装
置の振動がなく、調整ずれを起こすような部品が無いの
で、高精度のデータが得られる。また、レーザ光を一点
に集中させるのではなく、光エネルギーを幅方向に拡げ
ているので、作業者を危険にさらすことがない。
【0036】発光部100内に設けられた全ての鏡は、
光学的に調整された鏡であり、発光部100は、ごみや
煙が光路内に侵入しないように密閉されている。
【0037】実際に製作された発光部100は、70×
85×140mmの箱状で、図2に示す被写界深度d=
150mm、光測定器1と被測定物2との最小距離x=
100mmである。また、図2に示す台形領域7の上底
は65mm、下底は95mmである。
【0038】光路を延長することにより、実質的なバッ
クオフ、すなわち焦点位置調整距離を1mにすることが
できる。正確な焦点位置は台形領域7の下底より約1/
3上にあり、台形領域7の上底と下底でレーザ光面の厚
さが略同一にされる。レーザ光面の厚さは、台形領域7
の上底と下底で0.3mm、焦点位置では0.2mmに
縮小される。このように、この光測定器1は、バックオ
フが非常に短く、レーザ光面が幅広であるにも拘らず、
被写界深度は大きくなる。
【0039】次に、受光部について説明する。図5は2
つの受光部200のうちの1つの受光部200の内部構
造を示す構成図である。
【0040】受光部200は、被測定物2のレーザ光が
照射される面に向けられた入光窓210を有し、被測定
物2からの反射レーザ光は反射鏡221,222を介し
て撮像器230に導かれる。撮像器230は、受光した
レーザ光をディジタルの電気信号に変換するもので、こ
のディジタル信号は電子回路240で処理され、接続部
250を通って不図示の電子画像データ処理装置に送ら
れ、処理されて画像が再生されるようになっている。こ
の受光部200の大きさは、例えば100×100×7
0mmである。
【0041】図6は撮像器230の構成を詳細に示して
いる。撮像器230は、対物レンズ部231及びCCD
等の光電変換素子232を有する。対物レンズ部231
は、光電変換素子232の前方に配設され、レンズ、絞
り及びフィルタを備えており、合焦は、対物レンズ部2
31を、矢印234に示すように筒233内を軸方向に
移動させることにより行われる。
【0042】光電変換素子232は、図6中、紙面に対
して奥行き方向に多数配列された画素を有し、矢印23
6で示すように、光軸Δと直交する軸235を中心に傾
動される。この傾動は、図7に示すように、光測定器1
と被測定物2が近接した場合でも、合焦を確保するため
のものである。被測定物2の同一水平面上の点A,B
は、像A′,B′を形成し、光電変換素子232から遠
い方にある点Aの像は、光軸Δと直交する焦平面Pの前
方に位置し、一方、近い方にある点Bの像は、焦平面P
の後方に位置することとなる。この位置ずれは、光電変
換素子232を像A′,B′を含む平面P′になるよう
に傾動して解消される。これによって、この光学系の被
写界深度を増大させることができる。
【0043】図1,図7に示す垂線に対する光軸Δの傾
斜角度α=45°の場合、平面P′の傾斜角βの最適値
は、β=7°である。この最適値は、レンズ、光電変換
素子の大きさ、被写界の大きさ及び他の種々のパラメー
タによって変動する。
【0044】図8〜図10は本発明の他の特徴である光
電変換素子232から出力される信号の処理に関して説
明するためのものである。図8は光電変換素子232に
よって形成されたアナログ画像信号V(t)を示す図で
ある。この信号は、2つの同期パルス信号の間に形成さ
れ、受光した光量に応じて振幅が変動する。この信号
は、一測定点のデータを示している。
【0045】図9に示す回路は基準点からの測定点の位
置、すなわち測定点を示すエネルギーのピークの位置を
算出するものである。言い換えると、同期パルス信号か
らの経過時間σを算出するものである。ここで、実際に
は得られた信号は、鋭いピークを示さず、被測定面に対
するレーザ光の入射角が鈍角であったり、回析現象や種
々の干渉によって、波形が拡がりを有することがある。
【0046】このピークの位置を算出するのには、種々
の方法がある。例えば、しきい値Tを設定し、そのしき
い値Tと波形とが交差する2点の中央を波形のピークと
する方法がある。しかし、この方法は、波形の拡がりは
概略対称形をなすと仮定するもので、しきい値は色々な
値に変更しなければならないので、本発明に適用するこ
とは困難である。
【0047】他の方法として、画像信号を微分し、得ら
れた信号の符号が変る点を波形のピークとする方法があ
る。しかし、この方法も上述の方法と同様に、画像信号
は実質的に対称に拡がっていると仮定するものであり、
しかも微分処理を行うものに固有の欠点として、ノイズ
や種々の干渉の影響を増大させてしまう。
【0048】本発明では、画像信号を積分し、画像信号
エネルギーの中点、すなわち図10(a)において領域
S1,S2の面積が等しくなる位置を得られた画像の位
置とするものである。
【0049】この方法の有利な第1の点は、積分処理す
ることによって耐ノイズ性が向上することである。さら
に、図9に示すような非常に簡素なアナログ電子回路を
用いて実施することができる。
【0050】積分器241は、図10(b)に示すよう
に、画像信号の積分信号S(t)=∫V(t)dtを出
力するもので、同期パルス信号によりリセットされるよ
うになっている。
【0051】積分信号S(t)は、分岐されて分圧器2
42及び遅延回路243に入力される。分圧器242
は、図10(b)に示すように、積分信号S(t)の振
幅を半分にした半減信号S(t)/2を出力するもので
ある。遅延回路243は、図10(c)に示すように、
画像信号S(t)を時間τだけ遅らせた遅延信号S(t
−τ)を出力するものである。なお、この遅延回路は、
遅延時間が変更できるものであるのが好ましい。
【0052】これらの半減信号S(t)/2及び遅延信
号S(t−τ)は、比較器244に入力される。比較器
244は、S(t)/2=S(t−τ)になると、すな
わち領域S1,S2の面積が等しくなると、直ちにその
出力レベルを切り換えるものである。
【0053】図10(d)は比較器244から出力され
る信号Σ(t)を示す。遅延回路243の遅延量τは、
予め設定される測定幅の最も大きいものに設定され、通
常50〜100nsに設定すれば十分である。
【0054】また、図11,図12に示すように、この
算出をディジタル的に行うことも可能である。
【0055】この場合、図11(a)に示すアナログ画
像信号V(t)は、まずA/D変換器(CAN)245
でディジタル信号に変換される。このA/D変換器24
5は、耐ノイズ性を向上させるために、測定器に組み込
んでもよく、または光電変換素子に組み込んで光電変換
素子から直接ディジタル信号を出力するようにしてもよ
い。
【0056】得られたディジタル信号Bi(t)は、図
11(b)に示すように、一連のサンプリング値Biを
有するもので、通常8ビットで表わされる。最初のゼロ
でないサンプリング値はP番目、最後のゼロでないサン
プリング値はQ番目である。
【0057】画像信号のピークは次のようにして算出さ
れる。画像信号エネルギーの中央点、すなわち領域S
1,S2の面積が等しくなる点に対応するサンプリング
値のM番目を算出し、画像信号エネルギーの中央点にな
るM番目のサンプリング値内の位置、すなわち図11
(b)に示す、0〜100%の値mを算出する。
【0058】この値mは、次のようにして算出される。
総エネルギーΣ、すなわち図11(b)においてハッチ
ングされた全領域I〜IVの面積は式(1)で得られる。
【0059】
【数1】
【0060】中央点がサンプリング値M(P≦M≦Q)
にある場合、領域I,IIの合計面積と領域III,IVの合
計面積は等しくなり、式(2)で表わされる。
【0061】
【数2】
【0062】これは、式(3)のように書き換えられ
る。
【0063】
【数3】
【0064】A/D変換器245のディジタル信号Bi
は、アキュムレータレジスタ(ACC)2410に送ら
れる。アキュムレータレジスタ2410は、上述のアナ
ログ算出方法における積分器241と同一機能を果たす
ものである。このアキュムレータレジスタ2410は、
リアルタイム加算器を構成し、図10(b)に示したの
と同様な時間と共に増加する信号Σを出力するものであ
る。なお、この動作は、ゼロでないサンプリング値が入
力されて初めて開始されるようになっている。すなわち
P番目のサンプリング値がA/D変換器245から出力
されると、シーケンス回路246が初期化され、トリガ
される。シーケンス回路246は、このディジタル回路
全体の動作タイミングを制御するものである。アキュム
レータレジスタ2410から出力されたディジタル信号
Σは除算器(÷2)2420に送られ、信号Σ/2が得
られる。なお、この2で割る除算は、1ビット右にシフ
トすることによって得られるので、簡単なロジック回路
で構成できる。
【0065】また、アキュムレータレジスタ2410か
らのディジタル信号Σはシフトレジスタ(REG)24
30に送られ、そこで遅延処理がなされる。遅延量は飽
和状態にならないようにするために、設定される測定幅
の最大のものに対応する画素の数に等しくなるようにさ
れている。
【0066】除算器2420とシフトレジスタ2430
の出力は、比較器244と同一機能を果たす減算回路
(SUB)2440に接続され、式(4)に示す減算を
行う。
【0067】
【数4】
【0068】そして、この減算結果が負になった時、中
央点を通過したことになる。言い換えると、シフトレジ
スタ2430による遅延時間が経過した時のサンプリン
グ値は、M番目のサンプリング値である。
【0069】この符号の変化は、減算回路2440の状
態表示ビット端子Sから出力される信号レベルの切り換
えにより検出され、減算回路2440から式(5)に示
す値が出力される。これは、式(3)に示した値m・B
Mである。
【0070】
【数5】
【0071】値BMは、例えばシフトレジスタ(RE
G)248の出力から得られる。シフトレジスタ248
は、シフトレジスタ2430と同一容量で、一連のサン
プリング信号Biを取り込むものである。
【0072】M番目のサンプリング値が中央点を含むと
き、この値Mは、シーケンス回路246内のカウンタで
直接得ることができる。一方、値m・BMから値mをデ
ィジタル除算により、リアルタイムで得るのは困難でコ
ストがかかるので、メモリを使用することが好ましい。
メモリ(MEM)247は、64kバイトの容量を有
し、値mとして可能な216通りの1バイトデータを、
m・BM及びBMのテーブルデータとして記憶するもので
ある。このテーブルデータは、メモリ247の入力端子
A1,A2の入力をアドレスとしている。
【0073】そして、減算回路2440の状態表示ビッ
ト端子Sの変化がメモリ247の入力端子CEで検出さ
れると、このときに入力端子A1に入力されている値m
・BMと、入力端子A2に入力されている値BMとから、
値mが直ちに直接出力端子Dから出力される。
【0074】このような回路によって、画像信号の中央
点の位置が1画素の1/10以上の解像力で高精度、か
つリアルタイムに算出することができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、直線状
のレーザ光を面状光に変換し、2枚の反射鏡間で複数回
反射して光路を延長するようにしたので、小型であるに
も拘らず、大きい被写界深度を有する光測定器を得るこ
とができる。
【0076】また、光電変換撮像素子を対物レンズ手段
の光軸を中心にして傾動するようにしたので、測定対象
の異なる点からの反射光を光電変換撮像素子上で合焦さ
せることができる。
【0077】また、光電変換撮像素子から入力される電
気信号を積分し、受光エネルギーを示す積分信号を出力
し、この積分信号をレベル方向に分割した信号と、上記
積分信号を遅延した信号とを比較するようにしたので、
高解像力で、高精度の測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る三次元物体を測定する光測定器を
示す正面図である。
【図2】同光測定器の側面図である。
【図3】同光測定器の発光部を示す概略断面図である。
【図4】発光部の光学システムを示す斜視図である。
【図5】光測定器の受光部を示す概略断面図である。
【図6】受光部の撮像器の構成を示す概略断面図であ
る。
【図7】撮像器の光電変換素子の傾動により合焦させる
様子を示す説明図である。
【図8】光電変換素子が出力する画像信号の一例を示す
波形図である。
【図9】同画像信号から位置データを算出する回路を示
す回路図である。
【図10】図9の回路の各部の信号の波形を示すタイム
チャートで、(a)は光電変換素子が出力する画像信
号、(b)は積分器及び分圧器の出力信号、(c)は遅
延回路の出力信号、(d)は比較器の出力信号である。
【図11】(a)は光電変換素子が出力する画像信号を
示す波形図で、(b)は(a)の波形のディジタル変換
信号を示す図である。
【図12】光電変換素子が出力する画像信号をディジタ
ル変換して位置データを算出するための構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 光測定器 2 被測定物 3 操作アーム 4 レーザ光4 5 表面 7 台形領域 100 発光部 110 光源 111 移動手段 120 円筒状レンズ 130,141〜144,221,222 反射鏡 140 光学系 150 出光窓 200 受光部 210 入光窓 230 撮像器 231 対物レンズ部 232 光電変換素子 233 筒 235 軸 240 電子回路 241 積分器 242 分圧器 243 遅延回路 244 比較器 245 A/D変換器(CAN) 246 シーケンス回路(SEQ) 247 メモリ(MEM) 250 接続部 2410 アキュムレータレジスタ(ACC) 2420 除算器(÷2) 2430 シフトレジスタ(REG) 2440 減算回路(SUB)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発生し、測定対象を照射する
    レーザ光発生部と、上記測定対象からの反射光を受光し
    て撮像する撮像手段とを備えた三次元物体を測定する光
    測定器であって、上記レーザ光発生部は、直線状光を発
    生させる光源と、上記直線状光を面状光に変換する光学
    変換手段と、対向して配設された2枚の反射鏡を有し、
    入光部から入射した上記面状光を上記2枚の反射鏡間で
    複数回反射させて出光部から出力させることにより上記
    面状光の光路を延長させる光路延長手段とを備えている
    ことを特徴とする三次元物体を測定する光測定器。
  2. 【請求項2】 上記光路延長手段は、上記入光部に上記
    面状光の入射角を調整する調整手段を備え、上記2枚の
    反射鏡間での反射回数が変更可能になされていることを
    特徴とする請求項1記載の三次元物体を測定する光測定
    器。
  3. 【請求項3】 上記光学変換手段は、静的部材からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の三次元物体を測定する
    光測定器。
  4. 【請求項4】 上記撮像手段は、上記レーザ光発生部に
    隣接して配設されるとともに、上記面状光の幅方向に沿
    って複数配列され、上記測定対象からの反射光を受光
    し、受光強度に応じた電気信号に変換する光電変換撮像
    素子と、この光電変換撮像素子の前方に設けられた対物
    レンズ手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の
    三次元物体を測定する光測定器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の三次元物体を測定する光
    測定器において、上記光電変換撮像素子を上記対物レン
    ズ手段の光軸を中心にして傾動させる傾動手段を備えた
    ことを特徴とする三次元物体を測定する光測定器。
  6. 【請求項6】 上記撮像手段は、上記光電変換撮像素子
    によって撮像された被測定点の位置を示すデータを抽出
    する電子回路を備え、この電子回路は、上記光電変換撮
    像素子から入力される電気信号を積分し、受光エネルギ
    ーを示す積分信号を出力する積分手段と、上記積分信号
    をレベル方向に分割する分割手段と、上記積分信号を遅
    延して出力する遅延手段と、上記分割手段からの出力信
    号と上記遅延手段からの出力信号とを比較し、測定点の
    中心点を算出する比較手段とを備えたことを特徴とする
    請求項4記載の三次元物体を測定する光測定器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047022A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Gen Tec:Kk 表面形状測定装置
JP2011503573A (ja) * 2007-11-07 2011-01-27 トムラ・システムズ・エイ・エス・エイ 対称物の検出に使用する装置、光学ユニット及びデバイス

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