JPH07174318A - 冷却性および導電性の良好な材料融解兼焼却反応炉およびその作動方法 - Google Patents

冷却性および導電性の良好な材料融解兼焼却反応炉およびその作動方法

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JPH07174318A
JPH07174318A JP6175163A JP17516394A JPH07174318A JP H07174318 A JPH07174318 A JP H07174318A JP 6175163 A JP6175163 A JP 6175163A JP 17516394 A JP17516394 A JP 17516394A JP H07174318 A JPH07174318 A JP H07174318A
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slit
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throat ring
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Max P Schlienger
ピー シュリーンガー マックス
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Retech Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 従来の焼却・融解反応炉の改良にある。 【構成】 屑材料または有毒材料のような材料を焼却、
融解するための反応炉は格納ハウジング2を有する。格
納ハウジング内にはドラム10が装着され、ドラムは耐
火材54で内張りしてあり、中央排出口12と外壁19
を有する。焼却熱はプラズマ・トーチ25によって与え
られ、プラズマ・トーチは格納ハウジングに取り付け、
ドラム内へ延びている。排出口12と同心の鋼製スロー
ト・リング40が接地アーム50によりドラムの外面に
連結してある。接地アームは周面56からドラム壁の内
面58まで延び、トーチ25からスロート・リング40
の上向きの表面および接地アーム50までの放電が可能
となっている。スロート・リング及び接地アームは断熱
耐火材料に埋設する。ベースプレートはその周縁から排
出口付近まで半径方向に延びるスリットを有し、冷却水
ノズル112が格納ハウジング2に取り付けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、種々の材料、特に、可燃性物質
および危険な機能性合金を含む屑材料を焼却、熱分解、
融解によって処理することの改良に関する。本発明は、
特に、これを行う反応炉の冷却性および導電性の改良に
関する。
【0002】
【発明の背景】屑材料、特に有毒な屑材料のプラズマ・
トーチによる処分は周知であり、かなりの間行われてき
た。このような方法では、プラズマ・トーチは電気エネ
ルギをイオン化ガスの流れに通し、ガスを電気導体にす
る。このようなトーチによれば、10,000℃−15,000℃も
の非常に高い温度を達成できる。
【0003】一般に、プラズマ・トーチには2種類あ
る。電位がトーチ内に完全に含まれる非移行式アークト
ーチと、電界の片側にあるトーチの本体とそこから隔た
った位置または領域との間でアークが点火される移行式
アークトーチである。本発明は特に移行式アークトーチ
で有用である。
【0004】概略的に言って、プラズマ・トーチ式廃棄
処分用反応炉は有毒な屑材料を含む屑材料の温度を化学
的に破壊する(熱分解する)程の高いレベルまで上昇さ
せる。この破壊作用は焼却炉内に適当なガスの雰囲気を
維持することによって高めることができる。その結果、
残渣は、通常、焼却炉から適当に取り出すことのできる
無害なガスおよび固形物となる。
【0005】最近になって、このような焼却炉あるいは
反応炉に対する意義のある改良がなされた。たとえば、
本出願人の共有に関わる米国特許第4,912,296 号が当該
タイプの焼却炉で使用できるプラズマ・トーチ用の有利
な構造を開示している。米国特許第4,770,109 号および
米国特許第5,136,137 号(共に本発明の発明者の共有に
関わる)があらゆる種類の材料、特に危険な廃棄物の焼
却、融解を行う、本発明が特に有用である反応炉を開示
し、請求している。米国特許第5,136,137 号の開示内容
は参考資料としてここに援用する。
【0006】材料の焼却、融解の分野に関する他の特許
としては、以下の米国特許がある。
【0007】第3,699,581 号、第3,779,182 号、第4,18
1,504 号、第4,326,842 号、第4,432,942 号、第4,582,
004 号、第4,615,285 号および第4,918,282 号 また、英国特許第1,170,548 号もある。
【0008】本文に参考資料として援用する米国特許第
5,136,137 号に開示されている反応炉はプラズマ・トー
チの高温プラズマを向ける回転材料受けドラムまたはチ
ャンバを使用する。回転ドラムの内面輪郭は適当な形
状、構造となっており、ドラムの回転速度を変えること
によって、ドラム内の材料がドラムの内面にわたって広
がり、比較的薄い材料層を形成する。この材料層は大き
な表面積を有し、したがって、より急速にプラズマ・ト
ーチの発生する所望の高温度に達することができる。
【0009】この反応炉の重要な構成要素は回転ドラム
である。これは開口した直立ドラムとなっており、垂直
軸線まわりに回転し、直立した、通常円筒形の外壁が延
びるドラムベースを有する。ドラムの中心は焼却、融解
済みの材料を重力の作用の下にドラムから引き出すこと
のできる排出口を形成する。米国特許第5,136,137 号
は、ドラム内の材料を融解する方法および融解材料を引
き出すためにドラムを構成し、作動させる方法を詳しく
開示している。
【0010】この反応炉を移行式アーク式プラズマ・ト
ーチと共に作動させるとき、電気導体をドラムの底に設
置しなければならない。次に、トーチ(取り囲んでいる
格納ハウジングからドラム内に吊り下げられている)か
ら回転ドラムの底にある電気導体へ電流を流す。従来
は、特殊な導電性スロート・リングが設けてあり、これ
がドラムからの融解材料のための排出口を構成し、プラ
ズマアークが発生し得るように適当に電気接続してある
(接地してある)。
【0011】ドラム内が高温であるため、スロート・リ
ングは効果的に冷却しなければならなかった。従来、こ
れを行うべく、スロート・リングを銅で作り、その周面
を適当に冷却材通路で囲んでいる。これはすべて米国特
許第5,136,137 号に記載されている。必要な冷却は反応
炉から冷却材へのかなりの熱損失を生じさせるばかりで
なく、材料から生じた融解スラグを冷却、究極的には凍
結し、ドラムの底に蓄積する傾向も有する。融解スラグ
は反応炉で達成される高温では導電性であり、したがっ
て、トーチからスロート・リングへの、それ故、アース
への電流路となる。しかしながら、凍結(固化)スラグ
は絶縁体となる。したがって、スロート・リングにとっ
て必要な冷却がスラグ凍結時に電路を中断することにな
る可能性があった。
【0012】このような反応炉の、特に必要とされるス
ロート・リングの構造および動作は2つの相反する要件
を必要とした。まず、スロート・リングを充分な冷却状
態に維持し、ドラム内、特に、スロート・リングとトー
チの間の放電アーク付近で優勢な高温によって損傷され
ないようにする必要がある。しかしながら、これは冷却
を注意深く制御して制限しなければスラグ固化を招く可
能性がある。第2の要件は、スロート・リングの冷却を
制限してスラグ固化を防がなければならないが、その結
果、リングが露出する温度が高くなってリングを損傷す
る可能性があるということである。
【0013】加えて、上述したタイプの従来の焼却、融
解炉はかなりの冷却材流量を必要とする。これはドラム
内、特に銅製スロート・リング付近に比較的複雑な冷却
材流れパターンを必要とするが、大きな直径の回転する
冷却水シールを維持するのは難しい。したがって、この
ような炉は比較的製造コストが高いばかりか、費用のか
かる注意深い保守が必要である。格納ハウジングに対す
るドラムの装着およびシールの際の精密な同心性の維持
を必要とするために製造コストがさらに増大する。これ
らはすべて、このような炉を据え付け、維持する全コス
トに加算され、また、寿命を縮めることになった。
【0014】
【発明の概要】本発明は従来の材料焼却、融解炉の欠点
のいくつかを克服しようとするものである。本発明の第
1局面は、電気導体、特に回転ドラムによって支持され
たスロート・リングの接地の改良構造を提供する。本発
明の第2局面は、回転ドラム、特に、スロート・リング
およびドラムの排出口付近におけるドラムの下端を冷却
する方法を改良し、大幅に簡略化する。本発明のこれら
両局面は独立して使用できるが、一方が他方に有利に影
響を与えるために一緒にすると特に有用である。大雑把
に言って、本発明の第1局面は、スロートからドラム外
壁まで非半径方向に延びる複数の接地アームによってド
ラムの金属製の通常円筒形である外壁で回転ドラムの底
に排出口を取り囲むスロート・リングからの直接的な電
路を提供する。スロート・リングおよび接地アームは高
温断熱材料内に埋設され、それらの上向きの面はそれら
が埋設されている断熱耐火材料で構成されるドラムの底
面と面一である。接地アームは矩形のロッドであると好
ましく、スロート・リングの周縁に対して接線方向にド
ラム外壁の内面まで延びていて間に確実な機械的・電気
的接続部を形成する。
【0015】スロート・リングのためのこの電気接続
は、ドラムの外面に直接的な電路を与えるという点で有
利である。リングおよびアームは、すべて、耐火材に埋
設され、同一の温度および温度勾配を受けることにな
る。さらに、これらは同じ材料、好ましくは鋼で作ら
れ、それらの境界面が相対的な熱膨張あるいは熱収縮を
受けることがなく、電気的インタフェースの品質を向上
させる。
【0016】さらに、接地アームが非半径方向に向いて
いることにより、耐火材に埋設されたスロート・リング
およびアームとドラムの外壁の間の相対的な半径方向運
動および回転運動が制限され得る。プラズマ・トーチの
動作から生じる電流がトーチから中心に位置するスロー
ト・リングへ流れるばかりか、接地アームの露出上面へ
同様に流れ、より直接的な電路およびより良好な導電性
を与えるので、電気的な効率が向上する。
【0017】反応炉の作動中、液体スラグがドラムの底
に生じ、スロート・リングおよび接地アームの露出した
上向きの面を覆う。これは、スラグが液体状態では導電
性であるために、動作の障害とはならない。
【0018】プラズマ・トーチからスロート・リングお
よび接地アームまでの電路を維持することはさておき、
液体スラグは、反応炉の作業中に材料がプラズマの熱に
よって融解され、熱分解され、焼却されるにつれてドラ
ム内部の苛酷な環境内でスロート・リングおよび接地ア
ームの表面を腐蝕あるいは酸化またはこれら両方から保
護する被覆ともなる。
【0019】スロート・リングとドラム外壁の間の接地
アームはドラムのベースプレートによって支持された耐
火層の頂面に形成されるが、ベースプレートに連結する
必要はない。したがって、耐火層の高さは望むだけ大き
くすることができる。こうすれば、ドラム内部から回転
するベースプレートへの熱伝達を断熱層の高さを大きく
することによって最小限に抑えることができる。現在の
ところ好ましい実施例では、接地アーム(の下縁)とベ
ースプレートの間の耐火/断熱層の厚みは約6インチ
(15.24センチメートル)である。
【0020】それにもかかわらず、ベースプレートの一
定の冷却が必要である。これは、本発明の第2局面によ
れば、比較的厚い(たとえば、2インチ(5.08セン
チメートル)厚)ベースプレートを金属、好ましくは、
鋼で作ることによって達成される。リング状の半径方向
に開口したスリットをベースプレートに形成する。この
スリットはプレートの周縁からドラムの底を貫いて排出
口付近まで延びている。冷却媒体、好ましくは水のよう
な液状冷却媒体をこのスリット内に注入する。好ましい
実施例では、これは、ベースプレートのスリットと整合
させて格納ハウジング壁の周縁まわりに分布させた半径
方向に向いたノズルで行う。したがって、ノズルから出
た冷却水噴流がスリットの基部に向かって(放出速度に
よって)圧送される。
【0021】使用に当たっては、ドラムがその水平軸線
まわりに回転するとき、スリット内に蓄積する冷却水が
(噴流からの)流入水による圧力増大ならびに回転する
ベースプレートによって水に与えられる遠心力の下にス
リットから追い出される。冷却水は集められ、好ましい
実施例では、再循環され、冷却されて再使用される。従
来の圧送冷却水流を自由流動水噴射装置に代えることに
より、冷却系統の全構造および動作をかなり簡略化でき
る。従来必要とされていた大直径水シールおよびドラム
のベースプレートを貫く複雑な冷却水通路をなくすこと
ができる。その代わりに、本発明は、好ましくは2つの
軸線方向に隔たった、適当に相互連結したディスクによ
って形成される単純な半径方向開口のリング状スリット
と、噴流がスリットの基部に送り込まれて所望の冷却を
行うように格納ハウジング壁に取り付けた複数の固定式
水ノズルとを備える。
【0022】本発明のこの第2局面により、高温回転ド
ラム式焼却炉のベースプレートを効果的かつ安価に冷却
することができる。移行式アーク・プラズマ・トーチに
とって必要なスロート・リングの接地からベースプレー
トを機能的に分離することにより、ベースプレート上方
の耐火断熱層の厚みを大きくしてプレートがさらされる
最高温度を制限することができる。
【0023】
【好ましい実施例の詳細な説明】本発明による反応炉は
パイプ4を有する密閉格納ハウジングまたは格納容器2
を包含する。パイプ4は焼却あるいは融解またはこれら
両方を行おうとする材料、たとえば、屑材料をハウジン
グ内部空間8に送り込むようにハウジングの頂部に設け
た開口6を貫いて延びている。上向きに開口したドラム
10がほぼ垂直の軸線まわりに回転できるように軸受4
6上に装着してある。このドラムは下部または底部14
を包含し、この底部を貫いて中央排出口12が設けてあ
る。本発明の好ましい実施例では、底部の表面が排出口
に向かって下向きに傾斜しており(図示せず)、排出口
がドラム底面16の最下方点となるようにしてもよい。
【0024】一実施例において、排出口は格納容器2の
頂部22に任意適当な方法で固着した軸受20内で垂直
方向に往復動できるように装着した水冷式回転電極18
と垂直方向に整合している。
【0025】適当な駆動装置24が電極18の上部と連
結してあり、電極を垂直方向の反対方向に移動させるよ
うになっている。軸受20より電極が中心軸線まわりに
一方向に回転できる。このために、ベルト・滑車組立体
26が電極18の上端に連結してあり、また、電極を回
転させるための駆動モータ(図示せず)にも連結してあ
る。回転ウォータ・ジョイント30が電極18の内部に
流体接続され、この内部に冷却水を送り込むようになっ
ている。ジョイント30は水入口32と水出口34を包
含する。
【0026】ドラム10は底14の外周から延びる直立
した円筒形の外壁19を包含する。側壁が上方へ延び、
パイプ4の下端が上向き開口のドラム内へ部分的に延び
ている。
【0027】ボール・ソケット式ジョイント29がプラ
ズマ・トーチ25の本体27を格納容器2の頂部22に
回転自在に連結している。こうして、トーチの下端31
は電極18の下端に対して回動できる。さらに、電極は
その上端に接続した導体33を有し、この導体はアース
35にも接続している。導体37は電源39の高電圧側
に接続してあり、電源の低電圧側はアース35に接続し
ている。したがって、電極18とトーチの下端31の間
に電界が確立され、アークを発生し、維持することがで
きる。
【0028】アークは、後述するように、排出口12を
取り囲むスロート・リング56とプラズマ・トーチ下端
31との間にも維持され得る。
【0029】トーチ25のプラズマは移行アーク式であ
り、10,000℃−15,000℃もの高い温度を有するアークが
衝突したときにプラズマの流れを発生するようになって
いる。プラズマ流からの熱は、ドラム10が格納容器2
に対して回転するときに、ドラム10内の材料を焼却
し、熱分解を生じさせ、材料と反応するかあるいは融解
する。ドラムが回転するにつれて、電極18も回転し、
そのテーパ下端がスロート・リングと接触し、排出口1
2を閉じるまで下降できる。電極は、必要に応じて排出
口12を開くように上昇し、ドラム内部から燃焼、融解
生成物を排出できる。
【0030】使用に当たって、危険な廃棄物その他の材
料はパイプ4によってドラム内へ送り込まれる。この屑
材料の流れは、ドラム10が回転した後、電極18がそ
れと共に回転するにつれて生じる。電極は、代表的に
は、排出口に栓をしてそれを閉ざし、屑材料が誤って排
出口から重力で排出しないようにする。プラズマ・アー
クはトーチ25と電極18またはスロート・リング40
の間に衝突し、材料を処理するための熱源として使用す
るプラズマ流を生じさせる。トーチはボール・ジョイン
ト29の軸線まわりに任意適当な方法で回動させてプラ
ズマ流を必要な方向に向けることができる。
【0031】ここで好ましく使用される回転可能な電極
18は二重の目的を持つ。まず、特に不導電性材料をド
ラム10内で融解あるいは焼却しているときに移行アー
ク式プラズマ・トーチ25のための終末点となる。回転
する電極18は排出口12を閉じたり、絞ったりするよ
うにも作用する。反応炉に送り込まれた屑材料は、ドラ
ムが遠心力によって屑材料を移動させるに充分な速度で
回転しているときにドラムの壁19の内面に向かって送
られる。排出口12を通してドラムから材料を排出でき
るようにするため、ドラムの回転速度を調節して固体、
液体を問わず屑材料の静止角を決め、好ましくは傾斜し
た(図示せず)底面16に沿って開口している排出口内
へ流れるようにする。
【0032】ドラム10の回転は、任意所望の方法、た
とえば、歯車駆動装置(図示せず)によって達成でき
る。チェーン式駆動装置42のスプロケット44のみが
図示してある。軸受46が外側格納ハウジングに対して
ドラムを適当に支持し、位置決めし、垂直軸線まわりの
ドラムの回転を許す。
【0033】図1−3を参照して、ドラム底部でトーチ
下端31から出るプラズマ・アークの終末点を電気的に
接続する電気接地システム48がスロート・リング40
と複数の接地アーム50によって形成されている。接地
アームはスロート・リングをドラムの金属製、したがっ
て、導電性の外面、たとえば、金属(鋼)外殻52と電
気的に接続する。外殻の内面には耐火層54が取り付け
てあり、先に述べたドラム外壁19を構成している。
【0034】接地アームの内端はスロート・リングの代
表的に円筒形の外周面56に対して接線方向であり、ド
ラム外殻52の内面58までスロート・リング周面に対
して接線方向に延びている。各接地アームの外端は連結
脚60を包含し、この連結脚はアームの残部に対して曲
がっており、ドラム外殻の内面に対してほぼ面一で位置
する。ねじ付きボルト62が接地アームの内端をスロー
ト・リングに連結しており、ボルト・ナットの組み合わ
せ64がアームの連結脚60を鋼製外殻52およびこの
外殻の外面に取り付けた補強リング66に固着してい
る。さらに、アームの内外の端のところに溶接部68が
形成してあって連結を強化している。その結果、接地ア
ームはスロート・リングとドラムの導電性外殻52の間
にしっかりした機械的、電気的連結部を確立する。
【0035】ドラム10の底14はベースプレート68
によって構成されており、このベースプレートは垂直軸
線まわりに回転できるように軸受46によって支持され
ている。ベースプレートは垂直方向に隔たった同心の上
下のディスク70、72で構成してあり、これらのディ
スクはハブ76の環状出張り74によって支持され、そ
こに固着されている。これらのディスクは、それらの間
に、リング状の半径方向外向きに開いたスリット78を
構成している。このスリットは排出口12付近外側にあ
る内側ベース80で終っている。適当な駆動装置、たと
えば、チェーン駆動装置42がベースプレートに回転を
与える。ドラム壁19の鋼製外殻52の下端は上方ディ
スク70の頂面から上方に突出し、そこに適当に、たと
えば、溶接によって固着してある。周囲リング82を設
けてドラム壁の下端を所定位置に錠止し、ベースプレー
トとの同心性を確保するようにしてもよい。
【0036】好ましくは、スペース・ブロック84がス
リット78の全体に分布させてあり、一定のスリット幅
を維持すると共に、ドラムおよびそこに乗せられた材料
の重量で上方ディスク70が下方に撓むのを防ぐように
してある。好ましくは、スペーサは流線形の涙滴形横断
面(図5参照)を有し、半径方向内方に向く後縁86を
構成し、後述する目的のために流体流れ抵抗を最小限に
抑えるようになっている。
【0037】上方ディスク70の上面に置かれ、それに
よって支持されて断熱層があり、これはドラムの熱い内
部からベースプレートを保護してその過熱を防ぐと共
に、ドラム底部を通しての熱損失を最小限に抑えてい
る。現在のところ好ましい実施例では、この断熱は高温
耐火材、たとえば、高温アルミナあるいはクレイグラフ
ァイトの層88と、断熱耐火材、現在のところ好ましい
実施例では、酸化マグネシウム断熱煉瓦のような高品質
断熱材の二次層90とによって行われる。断熱層(耐火
材層88と断熱煉瓦90で形成されている)の厚さはド
ラム底部を通じての熱伝達を所望レベルまで低下させる
ように選ぶ。
【0038】据え付けに当たって、接地システム48、
特にスロート・リング40および接地アーム50は高温
耐火断熱層88に埋設し、それらの上向きの表面92、
94のそれぞれがドラム底部内面96と面一となるよう
にする。すなわち、上面が耐火材その他の断熱材で覆わ
れないようにする。その結果、反応炉の使用時、プラズ
マ・トーチからの電流がスロート・リングに流れるばか
りでなく、上向きの表面94に沿って接地アームにも直
接流れ、それ相応に、反応炉の導電性および全電気効率
を向上させることができる。
【0039】図3を簡単に参照して、本発明の一実施例
では、スロート・リング40は排出口12の一部をな
す。すなわち、その内孔が排出口を構成する孔の残部と
面一となる。適当な断熱を得るために、高温断熱層も排
出口を形成しており、さらに二次断熱層98が半径方向
外方に位置し、ベースプレート68によって構成される
内径部と高温耐火材の間に挿設してある。
【0040】次に図4を簡単に参照して、別の実施例で
は、スロート・リング40の内面はドラムの底を貫く排
出口12の直径よりも大きい。この実施例では、ドラム
のハブ100はドラム底の全高にわたって軸線方向に延
び、オプションとして、スロート・リングによって構成
される孔に固着してスロート・リングからドラムのベー
スプレート68までの二次接地経路を形成してもよい。
この実施例では、たとえば高温断熱層88と同じ材料で
作った高温断熱材スリーブ102がハブ100の内面に
取り付けてある。酸化マグネシウムで作った二次断熱層
104をハブの内面、特にその下部に設けてもよい。
【0041】使用時、電圧をプラズマ・トーチ25に印
加すると、回転電極18が下降して排出口12、あるい
は、スロート・リングおよび接地アームの上向き表面9
2、94、または、これら両方を閉じたときにトーチ下
端31と電極18との間にアーク放電が生じることにな
る。これは、これらの表面が断熱層88によって形成さ
れるドラム底面96の残部と面一となっているからであ
る。電流を生じさせるために、ドラム10は、もちろ
ん、その周面の106のところあるいはドラムのベース
プレートのところのアース108でまたはこれら両方の
ところで概略的に図示するように適当に接地しなければ
ならない。これら両方が鋼その他の同様の導電性材料で
作ってあり、電気的に接続してあるからである。
【0042】図1−4を参照して、本発明は、半径方向
の冷却液噴流、好ましくは、噴流水をベースプレートの
半径方向に開いたスリット78内へ射出することによっ
てベースプレートを冷却するための効果的で比較的低コ
ストの冷却システム110も提供する。この目的のため
に、本発明は複数の、たとえば、4つまたは6つ(格納
容器内の温度および格納容器の寸法に依存する)のノズ
ル112を提供する。これらのノズルはスリット78の
開口周縁からその基部80まで半径方向にハウジングを
通り、高圧の噴流水(スリットの寸法に応じて変わる
が、現在好ましい圧力は約100 psi(7kg/cm2) までであ
る)を送るように格納ハウジング12に取り付けてあ
る。スペーサ84の流線形により、噴流水が半径方向外
向きの側面に衝突したときに生じる噴霧を最小限に抑え
る。
【0043】噴流水の圧力は、噴流がスリット基部80
に衝突するように選ぶ。スリット基部から、水は、圧力
上昇(スリット基部への噴流水の衝突による)ならびに
ディスクが反応炉の作動中に回転するにつれて下方ディ
スク72の上部114によって与えられる遠心力によっ
て開口したスリット周縁を通して排出するように半径方
向外方へ送られる。
【0044】スリット78の周縁から排出した水は、ド
ラムのベースプレート68の直下に位置した環状の樋1
16内に集められ、樋出口118および冷却材再循環装
置120(水を冷却するための設備でもよい)を経て再
循環させられ、ノズル112を通して再導入される。適
当な流れそらせ板122、124を下方ディスク72の
周縁および樋116の頂部に設けてスラッシングを防止
すると共に再循環のために樋内へ冷却材を送るのを助け
るようにしてもよい。
【0045】さらに好ましくは、スカート126を周囲
リング82の頂面に取り付ける。このスカートは薄い環
状の部材であり、ドラム10と格納容器2の間のギャッ
プ128をほぼ横切って突出して水スプレー(たとえ
ば、噴流水がスペーサ84に衝突したときに生じる)が
格納ハウジング内へ上向きに流れるのを防ぎ、ハウジン
グ内部の冷却を防ぐと共に、水または水蒸気の反応炉内
で処理されつつある材料との望ましくない混合を防ぐよ
うになっている。
【0046】反応炉への変更および上述した種々の実施
例は、もちろん、本発明から逸脱することなくなし得
る。したがって、冷却材が水である必要はないし、再循
環させずに排出してもよい。同様に、接地アームをスロ
ート・リングおよび鋼製外殻に固着する方法は、接地ア
ームがスロート・リングから非半径方向に延びていて、
たとえば、熱膨張あるいは熱収縮による両者の相対的な
動きを許す限り、変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による材料焼却・融解反応炉を通る部分
断面断片平面図である。
【図2】本発明による反応炉を通る部分断面断片側面図
である。
【図3】格納ハウジング内にある本発明の上向きに開口
し、直立した回転ドラムの下部の部分断面断片拡大図で
ある。
【図4】本発明の別の実施例の図3と同様の部分断面断
片側面図である。
【図5】図3の5−5線に沿った断面図である。
【符号の説明】
2 格納容器 4 パイプ 6 開口 8 ハウジング内部空間 10 ドラム 12 排出口 14 ドラム底部 16 ドラム底面 18 回転電極 19 ドラム外壁 20 軸受 24 駆動装置 25 プラズマ・トーチ 26 ベルト・滑車組立体 30 回転式ウォータ・ジョイント 33 導体 35 アース 37 導体 40 スロート・リング 42 チェーン駆動装置 44 スプロケット 46 軸受 50 接地アーム 52 外殻 54 耐火層 56 スロート・リング外周面 60 連結脚 70、72 ディスク 76 ハブ 78 スリット 82 周囲リング 88 耐火断熱層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料を焼却、融解する反応炉であって、
    密閉内部空間を構成する壁手段を包含する格納ハウジン
    グと、内部空間内に配置してあり、直立軸線まわりに回
    転できるように装着したドラムとを包含し、該ドラム
    が、焼却され、融解された材料を前記ドラムから排出す
    るための排出口を中央に形成している導電性スロート・
    リングと、このスロート・リングとほぼ同心の周壁と、
    スロート・リングから周壁まで非半径方向に延びる複数
    の導電性支持アームと、該支持アームの端をスロート・
    リングおよび周壁に電気的かつ機械的に取り付ける手段
    と、前記スロート・リングおよび支持アームと連結して
    あって、材料を焼却、融解中に集め、排出口に送るドラ
    ム底面を構成する手段とを包含し、さらに、前記ハウジ
    ングによって支持され、前記内部空間内へ延びているプ
    ラズマ・トーチを包含し、このプラズマ・トーチが高温
    プラズマを前記ドラム内の材料と熱交換するように向
    け、材料の制御した焼却、融解を行うようになってお
    り、またさらに、前記プラズマ・トーチおよびドラム周
    壁を電源に電気的に接続し、プラズマ放出中に電流が電
    源からトーチ、支持アームおよび周壁を通して流れるよ
    うにする手段を設けたことを特徴とする反応炉。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の反応炉において、前記ド
    ラム底面を構成する手段が高温耐火性の層を包含し、前
    記スロート・リングおよび支持アームがこの層内に埋設
    してあり、該スロート・リングおよび支持アームの上向
    きの面が露出していて電流がプラズマ・トーチからスロ
    ート・リングおよび支持アームの上向きの面に流れ得る
    ようにしてあることを特徴とする反応炉。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の反応炉において、前記ド
    ラム底面を構成する手段が水平方向に配置した金属製の
    ドラム支持プレートと、少なくとも部分的に支持アーム
    を埋設した耐火材料の層とを包含し、さらに、前記ハウ
    ジングとドラムとの間に配置されドラム支持プレートを
    冷却する手段であって支持プレートに形成した半径方向
    に開口するスリットを有する手段と、ハウジングによっ
    て支持されており、冷却流体の加圧流をスリット内へ送
    り込み、流体の圧力が流体を半径方向内向きにスリット
    内へ圧送し、ドラムが回転したときに生じた遠心力がス
    リット内に注入された冷却流体をスリットから半径方向
    外方へ送るようにしたことを特徴とする反応炉。
  4. 【請求項4】 材料を焼却し、融解する反応炉であり、
    壁手段を有し、格納容器を構成するハウジングと、該格
    納容器内に直立軸線まわりに回転できるように装着した
    ドラムであり、中央排出口を有する水平方向の回転可能
    なベースプレート、このベースプレートから上方へ延び
    る周壁、この周壁の内面およびベースプレートの頂面に
    設けた断熱層およびこの断熱層内に少なくとも部分的に
    埋設してあり、排出口とほぼ同心であってドラムから排
    出口を通して焼却、融解された材料を流出させるスロー
    ト・リングを包含し、該ベースプレートがその周縁にそ
    こから排出口に向かって延びる半径方向に開口したスリ
    ットを構成している前記ドラムと、前記ハウジングによ
    って支持され前記ドラム内へ突入しており、高温プラズ
    マをドラム内の材料との熱交換関係に送り込み、それを
    焼却、融解するプラズマ・トーチと、前記スロート・リ
    ングおよびプラズマ・トーチを電源に電気的に接続する
    手段と、冷却媒体の加圧流をベースプレートの周縁とハ
    ウジングの壁手段との間からベースプレートの半径方向
    に開口したスリット内へ送り込み、作動中に、プラズマ
    ・トーチによって熱が発生したときに、冷却媒体がスリ
    ット内へ圧送され、遠心力によってスリットから排出さ
    せられてベースプレートを冷却状態に維持するようにし
    たノズル手段とを包含することを特徴とする反応炉。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の反応炉において、冷却媒
    体が液体であり、前記ノズル手段が比較的高速の液体噴
    流をスリット内へ放出して冷却液をプレートの排出口付
    近に送り込むようにした複数のジェットを包含すること
    を特徴とする反応炉。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の反応炉において、前記ベ
    ースプレートが第1、第2のディスクからなり、これら
    のディスクの対向面の一部が対向するディスク面の残部
    に対してくぼんでおり、これらのくぼんだ部分がスリッ
    トを構成しており、さらに、該ディスクのくぼんだ表面
    部分の間に配置してあってそれらの間隔を維持するスペ
    ーサ・ブロックと、該ディスクを互いに固着する手段と
    を包含することを特徴とする反応炉。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の反応炉において、前記ノ
    ズル手段が排出口に対して半径方向に向いたジェットを
    包含し、前記スペーサ・ブロックが後縁を構成するほぼ
    涙滴形の横断面を有し、これらのスペーサ・ブロックの
    後縁が半径方向内方に向き、半径方向内方でのスペーサ
    ・ブロックの流れ抵抗を最小限に抑えかつ液体スプレー
    を最小限に抑えるように前記ディスクの対向面の前記部
    分の間に向いていることを特徴とする反応炉。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の反応炉において、前記格
    納ハウジングの壁手段とドラムの周壁との間に環状空間
    が設けてあり、この環状空間がベースプレートにあるス
    リットから上向きに延びており、さらに、前記ジェット
    上方にスカート手段が配置してあり、このスカート手段
    が環状空間の少なくともかなりの部分を覆っており、冷
    却液スプレーが環状空間を通って上向きに移動し、ドラ
    ム周壁の外面と接触するのを防いでいることを特徴とす
    る反応炉。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の反応炉において、前記ス
    ロート・リングとプラズマ・トーチを電気的に接続する
    手段が、該スロート・リングの周縁に対して接線方向に
    スロート・リングから周壁の内面へ延びる複数の細長い
    支持アームを包含し、さらに、該支持アームを前記スロ
    ート・リングおよび周壁に機械的かつ電気的に接続する
    手段を設けたことを特徴とする反応炉。
  10. 【請求項10】 材料を焼却、融解する反応炉であっ
    て、壁手段によって構成され材料を内部に入れるための
    手段を包含する格納ハウジングと、この格納ハウジング
    内に直立軸線まわりに回転できるように装着してあり、
    前記格納ハウジング内部に装填された材料を受けるよう
    に位置しているドラムであり、中央孔および周縁からこ
    の中央孔付近に向かって延びている半径方向に開口した
    スリットを有するベースプレート、このベースプレート
    から上向きに延びる導電性の外壁およびベースプレート
    上に支持され、焼却、融解済みの材料をドラムから外部
    に取り出すための排出口を構成する断熱性耐火層を包含
    する前記ドラムと、前記格納ハウジングによって支持さ
    れ該ドラム内へ突入しており、高温プラズマをドラム内
    の材料に送ってそれを焼却、融解するプラズマ・トーチ
    と、電源に接続するようになり、反応炉を通る電流路を
    確立する接点手段であり、排出口と同心のスロート・リ
    ングおよびこのスロート・リングをドラム外壁と電気的
    に接続する複数の接地アームを包含し、前記スロート・
    リングおよびアームがドラムの内部に露出した表面を有
    し、前記スロート・リングおよび接地アームが耐火層に
    埋設してあり、該接地アームがスロート・リングからド
    ラム外壁まで非半径方向に延びてこれら両方と直接接触
    しており、それによって、前記プラズマ・トーチとドラ
    ムの内部に露出した表面の間にプラズマ発生放電が生じ
    るようにした前記接点手段と、前記格納ハウジングによ
    って支持された冷却液放出ジェット手段であり、前記ベ
    ースプレートのスリット内へほぼ半径方向に排出口付近
    に向かって冷却液噴流を送り、ドラム内での材料の焼
    却、融解中かつ格納ハウジング内でのドラムの回転中
    に、半径方向力が冷却液をスリットから流出させるよう
    になっている前記ジェット手段とを包含する反応炉。
  11. 【請求項11】 材料の焼却、融解を行う反応炉を作動
    させる方法であって、格納ハウジング内で直立軸線まわ
    りに回転する上向きに開口したドラムを用意する段階
    と、該ドラムのその内部下方に配置した部分に半径方向
    開口のスリットを形成し、この部分とドラム内部との間
    に断熱材料の層を設置する段階と、該ドラム内に材料を
    置く段階と、該ドラム内の材料を融解、焼却する段階
    と、焼却、融解済みの材料をドラムの底部からそこに設
    けた下向きの排出口を通して取り出す段階と、少なくと
    も1つの冷却液噴流を形成することによってドラムの下
    方部分を冷却する段階と、冷却液噴流をほぼ半径方向に
    スリット内へ送り、冷却液が排出口付近に達するように
    する段階と、スリット内の冷却液に半径方向外向きの力
    を作用させることによって冷却液をスリットから流出さ
    せる段階とを包含することを特徴とする反応炉の作動方
    法。
JP6175163A 1993-07-28 1994-07-27 冷却性および導電性の良好な材料融解兼焼却反応炉およびその作動方法 Pending JPH07174318A (ja)

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