JPH0717366Y2 - 回転ドラム型固液分離装置 - Google Patents

回転ドラム型固液分離装置

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JPH0717366Y2
JPH0717366Y2 JP1988121813U JP12181388U JPH0717366Y2 JP H0717366 Y2 JPH0717366 Y2 JP H0717366Y2 JP 1988121813 U JP1988121813 U JP 1988121813U JP 12181388 U JP12181388 U JP 12181388U JP H0717366 Y2 JPH0717366 Y2 JP H0717366Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、胴に濾布を装着してなる濾過ドラムを使用し
て固液分離を行う装置に関する。
(従来の技術) たとえば、U.S.Patent No. 4,038,187や特開昭49-80664
号公報、特開昭61-35886号公報に記載されるような、胴
にステンレス製金網や植毛濾布等の濾材を装着してなる
濾過ドラムの内側に原水を導入し、濾過ドラムを回転さ
せながら濾材を通過させることによって原水中の固液を
分離するようにした装置は、一般に回転ドラム型固液分
離装置と呼ばれ、いろいろな分野で広く利用されてい
る。
また、固液分離装置に使用される濾材として、帯状基材
の表面に立毛からなる濾層が形成され、基材は少なくと
も緯糸がポリエステル繊維からなる織物であるとともに
その緯糸が基材の幅方向に延びており、かつ、立毛は主
として緯糸を基材の一長手方向に起毛して得た太さ0.1
〜10μmの極細繊維からなる固液分離用濾布が特開昭59
-115720号公報、およびU.S.Patent No. 4,707,260によ
り知られている。
この固液分離用濾布は、立毛が極細繊維からなるために
しなやかで横たわりやすいという特徴を有し、立毛間に
形成される隙間が極めて小さく、かつ、深い隙間が形成
されることがない。このため、微細な固形形分でも阻止
することができ、しかも、目詰まりが防止でき、阻止
率、処理能力等で優れている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、上述のような濾材を使用した固液分離装
置は、長時間の使用により細菌等が濾布に繁殖付着して
目詰まりをおこし濾過能力が低下する場合がある。
本考案はかかる課題を解決するためになされたもので、
固液分離能力に優れると共に濾材により捕捉された固形
成分の回収が容易であり、しかも細菌等の繁殖付着によ
り濾布が目詰まりすることなく長時間の連続運転が可能
である回転ドラム型固液分離装置を提供することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成するために、本考案に依れば、並設さ
れた複数の円環状ステーとその円環状ステーを連結して
いる複数の補強リブを有する回転ドラムの胴に、表面に
立毛濾層を有する織物からなる濾布をその立毛濾層を有
する表面が前記回転ドラムの内側を向くように装着して
なる濾過ドラムを備え、原水を該濾過ドラムの内側に導
入し、前記濾過ドラムを回転させながら前記濾布を通過
させることによって前記原水中の固液を分離するように
した固液分離装置であって、前記濾過ドラムの外側に、
前記濾過の裏面に対向してその濾布を洗浄するための薬
剤を散布するスプレイ手段を設け、かつ、前記濾布の伸
び率Tsを、 Ts=〔(X−200)/200〕×100 (ここに、Xは、濾布材から切り出した、測定部の長さ
が250mm、幅が30mmである試験片の、荷重12kgfを掛けた
状態で90分間保持した時点における2点間距離であり、
この2点は、試験布に初期荷重100gfを掛けた状態で予
めマークされ、互いに距離200mmだけ離間する、前記測
定部上の任意の2位置である。)と定義するとき、少な
くとも1.0%として、散布さた薬剤をその散布圧力によ
って前記ステーおよびリブ間で湾曲した前記濾布上に一
旦溜め得るようにしたことを特徴とする回転ドラム型固
液分離装置が提供される。
(作用) 濾布の立毛濾層は、その立毛繊維が、固形成分濾過時に
は経糸方向に層をなして伏臥し、目の細かい濾層を形成
する一方、薬剤散布時には濾布表面に横たわって濾層を
形成していた立毛がその表面から直立するように一様に
立ち上がり、地組織を含めて立毛間の目詰まり物質を容
易に洗い流すことがでる。
濾布の伸び率が少なくとも1.0%であると、濾布がスプ
レイ手段からの噴射の圧力で圧力方向に凸状に湾曲し、
湾曲した濾布に薬剤を溜めることができ、スプレイ手段
から噴射された薬剤は、回転する濾過ドラムから直ちに
流れ落ちることがなく、噴射された薬剤は凸状に湾曲し
た濾布に保持されて薬剤が濾布に染み込む時間が確保さ
れる。
スプレイ手段から濾布に向けて散布された薬剤は、濾布
に染み込んで濾布に付着している細菌等と反応してこれ
を溶かし、濾布の目詰まりが防止される。この薬剤散布
は、細菌等の繁殖付着により濾布が目詰まりを起こした
場合に、あるいは、定期的に行われる。
(実施例) 以下、本考案の一実施例の回転ドラム型固液分離装置を
図面に基づいて詳細に説明する。
第1図および第2図において、処理槽1は、隔壁3と放
流堰5によって仕切られ、原水槽2、濾液槽4、放流槽
6が形成されている。濾液槽4内には、支持枠7a、7bに
よって中空の中心軸11が固定、支持され、その中心軸11
に、濾過ドラム14が、軸受12a、12bによって回転自在に
支持されている。この濾過ドラム14は、その一端部外周
に形成されたギヤ15を備え、そのギヤ15にモーター(図
示せず)の駆動軸に固設されたギヤ16が噛み合ってい
る。
濾液槽4内で、かつ濾過ドラム14の一端面14aに対向
し、円板状のシール板9が設けられている。このシール
板9は、上記中心軸11に固定されている。また、第1図
および第3図に示すように、シール板9と濾過ドラム14
の一端面14aとは、シールリング10によってシールされ
ている。さらに、第1図に示すように、シール板9と隔
壁3との間には原水導入管8が設けられ、この原水導入
管8によって上記原水槽2と濾過ドラム14内とが連通さ
れている。
濾過ドラム14は、その一端面14a、すなわちシール板9
側の面が開放構造になっていて、原水をその内側に取り
入れることができる。これに対して、他端面14b、すな
わち放流堰5側の面は密閉構造になっている。
また、第1図に示すように、濾過ドラム14の両端部およ
び中央部には、円環状ステー17a,17b,17cが互いに平行
に配置され、各円環状ステーの外周面には、濾布取付け
溝18a,18b,18cが設けられている。円環状ステー17a,17
b,17cの間には、多数の補強リブ19が水平に張り渡され
ることにより、各円環状ステーは相互に連結されてい
る。
第1図および第3図において、上記した円環状のステー
17a,17b,17cと補強リブ19の外側には、濾布20が、その
両端部および中央部の凸部21が、円環状ステーの外周面
に形成されている濾布取付け溝18a,18b,18cに係合する
ように巻き付けられている。
濾過ドラム14の円周方向一個所には第4図に示すように
長手方向に延びる盲板14cが両端部の円環状ステー17a,1
7c間に架け渡されている。濾布20の端縁の一方の表面お
よび他方の裏面には、例えば多数のループ状の係止部材
群およびきのこ状の係止片群からなる一対のファスナの
一方20aおよび他方20bが縫製されている。濾布20を濾過
ドラム14に取り付ける際に、このファスナ20a,20bが盲
板14cの外表面上に重ね合わせて仮止めされた後、濾布2
0の端部が帯状の押え板14dにより盲板14cに押し当てら
れ、ボルト14eおよびナット14fにより濾過ドラム14に固
定されている。
円環状ステー17a,17b,17cを巻き付けている濾布20の部
分には、その外側に、可撓性を有するウレタン樹脂製の
平ベルト22aを熱融着または接着剤によって一体に固着
し、さらにその上に環状の金属バンド23aを巻き付け、
この金属バンド23aを緊締することにより、濾布20のこ
の部分が円環状ステー17a,17b,17cに固定されている。
また、補強リブ19の外側の濾布20の部分には、第5図に
断面図を示したように、可撓性を有するウレタン樹脂を
濾布20に含浸してバンド22bを形成し、さらにその上に
金属製の押え板23bをあてがい、複数の個所で、ねじ24
をねじ込んで全体をねじ止めし、濾布20の部分が補強リ
ブ19の固定されている。
なお、濾布20は濾過ドラム14への取り付けの容易さ、部
分的に破損した濾布の張り替え時の経済的効果を考慮す
ると、ドラムの円周方向および/または回転軸方向に分
割し、複数枚の濾布を濾過ドラム14に張り付けるように
してもよい。
上記濾布20は、特開昭58-207917号公報や特開昭59-1157
20号公報に記載されているような、基材たる、少なくと
も緯糸がポリエステル繊維からなる織物の表面を、それ
を直接起毛して得た太さ0.1〜10μmの極細繊維の立毛
で覆い、その立毛によって濾層を形成してなるものであ
る。この織物の表面には極細繊維の立毛が横たわり、か
つ極めて高い密度で存在し、織物表面を多数の立毛が層
状に覆って表面凹凸の極めて少ない濾層を形成してい
る。
上記織物は、太さ0.1〜10μmのポリエステル極細繊維
の双糸または三子の紡績糸やマルチフィラメント糸から
なる単糸数200〜50000本の緯糸を、経糸に対して、好ま
しくは3〜8本浮かせた、好ましくは朱子織物からなっ
ている。そして、緯糸を20〜100本/cmの密度で、かつ濾
布の幅方向(濾過ドラム14の回転軸方向)に配置し、経
糸は長手方向(濾過ドラム14の周方向)に配置して、主
として上記緯糸を長手方向(経糸方向)に起毛してい
る。浮き構造を採っているのは、そうすると緯糸と経糸
との交錯数が減り、表面凹凸の少ない濾布が得られてい
るからである。また、主として緯糸を起毛しているの
は、経糸には大きな展張力がかかるのでこれを起毛する
と濾布の強度が低くなるからである。
一方経糸は太さ10〜30μmのポリエテル繊維、ポリアミ
ド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリアクリルニトリル繊維などの合成繊維を10〜15
0本束にしたものを、緯糸の密度の0.7〜3倍の密度で配
置するのが好ましい。なお、緯糸および経糸に4〜15回
/cmの撚を有するものを使用すると、立毛の保持性が向
上して抜けにくくなるので好ましい。
濾布20は、後述する理由で経糸方向の伸び率が少なくと
も1.0%であることが望ましい。濾布20の伸び率の測定
は以下のようして行われる。
先ず、第6図に示す、平面形状略I字状の試験布S1を濾
布材から切り出す。試験布S1の中央の測定部S1aはその
長手方向の長さが250mm、幅が30mmである。この試験布S
1の両端を引張り試験機に把持させ、上下方向に初期荷
重100gfを掛けて、測定部S1aに、その中央位置を挟んで
長手方向に200mmだけ離間するマーク線a,bを引いてお
く。次に、試験布S1に12kgfの荷重を掛け、90分放置す
る。90分の経過後のマーク線a,b間距離Xを測定し、伸
び率Tsを次式から演算する。
伸び率Ts=〔(X−200)/200)〕×100 なお、伸び率の測定は、室温25℃、湿度60%に管理され
た室内で行うことが好ましい。
このような濾材の使用に際しては、第3図および第7図
に示すような、濾層が濾過ドラム14の内側になるよう
に、かつ立毛が濾過ドラムの回転方向(矢印方向)に対
して逆方向を向くように装着される。
第1図および第2図を参照するに、濾過ドラム14の外側
には、ドラム軸方向に多数配列するノズル25aを備えた
回収スプレイ25が、第2図のドラム中心軸からみて右上
方の位置、すなわち、濾過ドラム14の最頂部よりドラム
回転方向上流側の位置に配設され、また、同じくドラム
軸方向に多数配列するノズル27aを備えた回収スプレイ2
7がほぼドラム中心軸の直上の位置に配設されている。
そして、これら回収スプレイ25,27に対応して、濾過ド
ラム14の内側には回収ホッパー29,30が設けられてい
る。また、濾過ドラム14の外側、かつ、回収スプレイ25
に対して濾過ドラム14の回転方向上流側には、回収スプ
レイ25に隣接して、ノズル26aを備えた薬洗用スプレイ2
6が、濾過ドラム14の内側、かつ、回収スプレイ27に対
して濾過ドラム14の回転方向下流側には、多数のノズル
31aを備えた洗浄スプレイ31がそれぞれ設けられてい
る。
回収スプレイ25,27は、第1図および第7図に示すよう
に、各一端が濾過槽4の液面下に開口する配管35,36の
各他端にそれぞれ接続され、各配管35,36の途中にはポ
ンプ33,34がそれぞれ配設されている。また、薬洗用ス
プレイ26は、ポンプ26bを備えた配管26cに接続され、配
管26cは薬液槽(図示せず)に接続されている。洗浄ス
プレイ31は、中心軸11内に配置された配管13を介して、
同じく一端が濾過槽4の液面下に開口する配管38の他端
に接続され、配管38の途中にはポンプ37が配設されてい
る。
さらに、回収ホッパー29,30は中心軸11に固定されてい
るとともに、その中心軸11を介して、回収ホッパー29に
は配管39が、また回収ホッパー30には配管40がそれぞれ
接続されている。
第1図および第2図において、濾過ドラム14の内側に
は、その濾過ドラム14が回転する際における補強リブ19
の移動軌跡の近傍で、かつ使用時における液面の位置
に、ドラム回転軸方向に延びる消波板41が、濾過ドラム
14の回転方向上流側および下流側の各位置にそれぞれ2
枚づつ設けられている。この合計4枚の消波板41は、第
2図に41a,41b,41c,41dとして示すように、取付枠42に
よって中心軸11に固定、支持されている。これらの消波
板41a,41b,41c,41dは、多数の、直径10〜50mmほどの孔
をもち、かつ開口率が20〜80%であるパンチングメタル
板からなっている。しかして、上述した消波板41a,41b,
41c,41dは、液深方向において、放流堰5の高さよりも
低い位置から、濾過ドラム14内の、使用時における最高
液面よりも高い位置まで上下方向に延びている。また、
長さは、補強リブ19と等しくなっている。
消波板は濾過ドラム内の液面に応じて、上下に移動する
ように支持してもよい。さらに液面上で浮遊するように
構成してもよい。
上述した装置の作用を説明するに、第1図において、処
理槽1の原水槽2に供給された原水は、原水導入管8を
通り、濾過ドラム14の、開放構造を有する一端面14aか
ら濾過ドラム14内に導入される。導入された原水は、シ
ール板9と、濾過ドラム14の他端側の、密閉構造を有す
る面14bによって規制され、濾過ドラム14内に貯まる。
一方、濾過ドラム14は、図示しないモーターによって、
ギヤ16,15を介して矢印方向(第2図)に一定速度で回
転せしめられていて、濾過ドラム14内に導入された原水
は、濾過ドラム14内の液面と、隔壁3と放流堰5とで定
まる濾液槽4内の液面との液面差h(第7図)によって
濾布20を通過し、液成分のみが濾液槽4内に流出し、さ
らに放流堰5を介して放流槽6に流出し、装置外に排出
される。一方、固形成分は濾布20に捕捉される。濾過ド
ラム14の回転に伴って、補強リブ19等が液面を出入し、
液面が波立つが、発生した波は消波板41a,41b,41c,41d
(第2図)によって直ちに消されるので、濾布20に捕捉
された固形成分が洗い落される心配はほとんどない。ま
た、濾過ドラム14は、液面差hに応じた大きな力を受け
るが、補強リブ19の作用によってその変形が防止され
る。同様に、濾布20も大きな力を受けるが、濾布20は、
第3図に示すように、その凸部21が濾布取付け溝18a,18
b,18cに係合された状態で金属バンド23aによって固定さ
れ、また補強リブ19には押え板23bを介してねじ24によ
って固定されることによって上述の圧力に耐えている。
第2図および第7図において、濾布20(第3図)の内側
に捕捉された原水中の固形成分は、濾過ドラム14の回転
に伴い、やがて回収スプレイ25の位置に至り、ポンプ33
を備えた配管35を経てノズル25aから噴出される濾液槽
4内の濾過水(以下回収水という)によって洗い落され
る。使用される濾布20がその経糸方向に1%以上の伸び
率を有するために、円環状ステー17a,17b,17cと補強リ
ブ19間に張り渡された濾布20は、第8図に示すように濾
布20に作用する圧力方向に凸状に湾曲することが出来
る。この結果、湾曲した濾布20に回収水が第8図に示す
ように溜まり、ノズル25aから噴射される回収水は、直
接濾布20に衝突せず溜まった回収水に圧力を与え回収水
の濾布透過能力を向上させる。
伸び率の小さい濾布を使用した場合、濾布上に回収水が
溜まらず、ノズルから噴射される回収水が濾布に直接衝
突し、濾布を振動させる。回収水の濾布透過能力を向上
させために回収水の噴射圧を上昇させると濾布の振動が
激しく濾布の寿命が短くなる。回収水を濾布に直接噴射
させた場合の濾布の寿命は噴射圧の指数関数(噴射圧の
3乗の関数)に反比例するとされる。一方、回収水によ
る回収能力は濾布を通過する回収水量に比例する。上述
のように濾布20上に溜まった回収水に圧力を掛けて濾布
20を透過させた場合の透過量は、同じ噴射圧で濾布に直
接噴射して回収水を透過させる場合のほぼ2.5倍に達す
る。このため、本実施例の分離装置では必要な回収能力
を確保するための回収水の噴射圧は5kgf/cm2G程度で十
分であるのに対し、濾布に直接回収水を噴射させる場合
には12kgf/cm2G程度の噴射圧が必要である。この結果、
濾布の寿命は、濾布に直接回収水を噴射させる場合に比
較して150倍以上長くなる。
濾布20を透過した回収水は濾布20の立毛層の濾布繊維を
起立させ、立毛層に捕捉されていた固形成分が容易に洗
いだされる。すなわち、濾布20の立毛層の立毛繊維は、
固形成分濾過時には経糸方向に層をなして伏臥し、目の
細かい濾層を形成する一方、回収時には回収水の落下方
向に起立し、立毛間に隙間が生じ、固形成分を落下させ
易い目の粗さになる。すなわち、濾布は捕捉性能が良い
と同時に回収能力にも優れる。
ノズル25aから噴射された回収水により洗い落された回
収成分は、回収ホッパー29、中心軸11、配管39を通って
系外に排出される。この洗い落し処理を受けてもまだ残
留している回収成分は、濾過ドラム14の回転に伴い、さ
らに回収スプレイ27の位置に至り、ポンプ34を備えた配
管36を経てノズル27aから噴出される濾過槽46内の濾過
水(回収水)によって、上述したノズル25aよる回収と
同様にして洗い落される。このときに回収された残余の
回収成分は、回収ホッパー30、中心軸11、配管40を通っ
て系外に排出される。
回収成分が回収された濾布20の立毛濾層は、洗浄スプレ
イ31の位置に至り、ポンプ37を備えた配管38とこれに接
続する中心軸11内の配管13とを経てノズル31aから噴出
される濾過槽4内の濾過水によって洗浄され、再び次の
固液分離に供される。このような操作を繰り返すことに
より、原水中の固液分離が進められる。
回収スプレイと洗浄スプレイは、いずれか一方のみ設け
ることであってもよい。というのは、回収スプレイは洗
浄作用をも合わせもち、また洗浄スプレイによっても固
形成分の回収が可能であるからである。なお、これら回
収スプレイおよび洗浄スプレイは、実施態様のように2
個に限らず、濾過ドラムの回転方向において更に多く設
置することもできる。
また、上述した実施態様において、回収スプレイのノズ
ル25a,27aを一直線上に配列したが、これに代えてドラ
ム回転方向に互いに千鳥配置になるように配列してもよ
い。このようなノズル配置にすると、濾布に手もみ効果
を与えることになり、たとえば5kgf/cm2Gの低圧吹きつ
けの場合でも、回収スプレイ一本の場合の約10kgf/cm2G
の高圧吹きつけのとき以上の固形成分回収効果をあげる
ことができ、しかも濾布への負荷が小さくなりその使用
寿命が短くなることもなくなる。なお、洗浄スプレイの
ノズルからの吹きつけは、約1kgf/cm2G程度の低圧で充
分に濾布の洗浄ができ、低圧であるから立毛濾層の極細
繊維を損傷させる虞はない。また、洗浄スプレイは、必
要に応じ連続的に運転してもよいし、1日1回程度に間
欠的に運転してもよい。
また、濾布への捕捉回収成分の性状によっては、回収ス
プレイの噴出圧を3〜10kgf/cm2G、洗浄スプレイの噴出
圧を0.3〜2kgf/cm2Gの範囲で適宜に変化させることもで
き、また、実施態様のように2段回収ではなく、1段回
収であってもよい。
回収ホッパーは、1個のホッパーを共用することでもよ
い。しかしながら、別々にすることにより、回収成分中
における固形成分濃度を高くすることができ、また回収
スプレイの流量を低く押さえることかできるようになる
ので好ましい。
固液分離装置により固液分離を長時間実施すると濾布20
にはバクテリア系の細菌等が付着して分離能力が劣化す
る場合がある。かかる場合、これらの細菌を洗浄するた
めに、定期的、例えば一ヶ月に一回の割で、ポンプ26b
により、配管26cを介して薬洗浄スプレイ26のノズル26a
から濾布20に酸、アルカリ等の薬剤を散布し、細菌等を
薬洗する。その際には、濾過ドラム14を時間(例えは、
1〜60分/1回転)を掛けてゆっくりと回転させる。濾布
20の立毛層が毛細管の作用で散布した薬剤が立毛層の隅
々まで行き渡り、薬剤の効果が長時間に亘り持続され
る。なお、薬剤としてアルカリ系のものを用いると生体
細胞と反応してこれを溶すので殺菌作用が高い。アルカ
リ性薬剤としてはジア塩素酸ソーダ、カセイソーダ、カ
セイカリ等が好適であり、酸性薬剤としては塩酸、硫酸
等が好適であり、中性薬剤としては過酸化水素水等が好
適である。そして、散布する薬剤の濃度としては、ジア
塩素酸ソーダの場合には有効塩素量に換算して1〜15重
量%が好適な範囲である。また、他のアルカリ性薬剤、
酸性薬剤および中性薬剤についても1〜15重量%濃度の
ものが適当である。
本考案の装置は、いろいろな用途に使用することができ
る。たとえば、湖水や河川水の固液分離に使用すること
ができる。また、活性汚泥処理装置で副生される余剰汚
泥のような、いわゆる懸濁系の汚泥や、生物膜処理装置
から排出される、いわゆる固着系の汚泥など、汚水処理
によって生ずる汚泥、スカム、フロック、洗浄水、スラ
ッジなどを濾過、濃縮するような場合に使用することが
できる。さらに、紙パルプ、食品、、酒、味噌などの製
造工程における固液分離や、化学プロセスにおける有価
物の回収などに使用することができる。
(考案の効果) 以上詳述したように、本考案の回転ドラム型固液分離装
置に依れば、スプレイ手段を、濾布に対向して濾過ドラ
ムの外側に配設し、このスプレイ手段から濾布を洗浄す
る薬剤を濾布に向けて散布するようにしたので、細菌等
の繁殖付着により濾布が目詰まりすることなく長時間の
連続運転を行うことが出来、濾布の張り替えるための費
用が大幅に削減させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の回転ドラム型固液分離装置の正面断
面図、第2図は、第1図に示す分離装置の側面断面図、
第3図は、濾布を円環状ステーおよび補強リブに取り付
けた様子を示す部分拡大斜視図、第4図は、濾布の端縁
の接合方法を示す部分断面、第5図は、濾布の補強リブ
への取付けを示す部分断面図、第6図は、濾布の伸び試
験に供される試験布の平面図、第7図は、本考案の分離
装置の回収スプレイ、洗浄スプレイ、および薬洗用スプ
レイの配置を示す配管図、第8図は、回収スプレイによ
り固形成分が回収される様子を概略的に示す部分断面図
である。 1……処理槽、14……濾過ドラム、17a〜17c……円環状
ステー、19……補強リブ、20……濾布、25,27……回収
スプレイ、29,30……回収ホッパ、26……薬洗用スプレ
イ、a,b……マーク線、S1……試験布。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 33/58 (56)参考文献 特開 昭55−86511(JP,A) 実開 昭59−44697(JP,U) 特公 昭63−86(JP,B2) 特公 昭61−47640(JP,B2) 原徹「<工業操作シリーズ10>改訂・濾 過」(昭51−11−25)化学工業社P.27〜 31

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】並設された複数の円環状ステーとその円環
    状ステーを連結している複数の補強リブとを有する回転
    ドラムの胴に、表面に立毛濾層を有する織物からなる濾
    布をその立毛濾層を有する表面が前記回転ドラムの内側
    を向くように装着してなる濾過ドラムを備え、原水を該
    濾過ドラムの内側に導入し、前記濾過ドラムを回転させ
    ながら前記濾布を通過させることによって前記原水中の
    固液を分離するようにした固液分離装置であって、前記
    濾過ドラムの外側に、前記濾過の裏面に対向してその濾
    布を洗浄するための薬剤を散布するスプレイ手段を設
    け、かつ、前記濾布の伸び率Tsを、 Ts=〔(X−200)/200〕×100 (ここに、Xは、濾布材から切り出した、測定部の長さ
    が250mm、幅が30mmである試験片の、荷重12kgfを掛けた
    状態で90分間保持した時点における2点間距離であり、
    この2点は、試験布に初期荷重100gfを掛けた状態で予
    めマークされ、互いに距離200mmだけ離間する、前記測
    定部上の任意の2位置である。)と定義するとき、少な
    くとも1.0%として、散布さた薬剤をその散布圧力によ
    って前記ステーおよびリブ間で湾曲した前記濾布上に一
    旦溜め得るようにしたことを特徴とする回転ドラム型固
    液分離装置。
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原徹「<工業操作シリーズ10>改訂・濾過」(昭51−11−25)化学工業社P.27〜31

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