JPH07172154A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JPH07172154A
JPH07172154A JP32017293A JP32017293A JPH07172154A JP H07172154 A JPH07172154 A JP H07172154A JP 32017293 A JP32017293 A JP 32017293A JP 32017293 A JP32017293 A JP 32017293A JP H07172154 A JPH07172154 A JP H07172154A
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JP
Japan
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power
power saving
air
heat exchanger
refrigerant
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Application number
JP32017293A
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English (en)
Inventor
Shizuo Tsuchiya
靜男 土屋
Asako Shibuya
朝子 渋谷
Sunao Sugasawa
直 菅沢
Hideo Harada
秀雄 原田
Hideo Ota
秀夫 太田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動圧縮機付エアコンを備えた電気自動車に
おいて、バッテリの消費電力の低減と、空調の快適性と
の両立を図る。 【構成】 節電スイッチ102がオンの場合は(S10
0)、まず冷房用熱交換器18に供給される空気を、外
気から全て内気にする(S110)。次いで、バッテリ
42から圧縮機モータ16aに供給される電流値が規定
値A1(9アンペア)以下になるまで、インバータ32
の出力周波数を低減する(S120〜S140)。節電
スイッチ102がオフの場合は、規定値A1は設定しな
い。次に、冷房用熱交換器18のフィン温度が5℃以下
である場合は、インバータの出力周波数を低減する(S
150〜S170)。節電スイッチ102がオフの場合
は、フィン温度が0℃の場合に、周波数の低減を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリによって駆動
される電動圧縮機を用いた自動車用空気調和装置に関
し、特にバッテリの消費電力を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用空気調和装置の技術とし
て、この装置を、例えば電気自動車に使用した場合に、
自動車室内の快適性と、走行距離の延長とを両立させて
得ようとするものが開発されている。
【0003】この技術としては、例えば、運転室内に節
電スイッチを設け、運転者によって、節電スイッチが押
された場合に、熱交換器に冷媒を供給する電動圧縮機の
消費電流を規定値以下に制限する節電運転技術がある。
この節電運転技術では、電動圧縮機にインバータ式電動
圧縮機を用い、消費電流を制限する場合には、電動圧縮
機に供給する電源の周波数を低くすることにより、結果
としてバッテリの消費電力を低減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、次に示すような問題点があった。 従来の技術によって節電運転を行うと、冷暖房の性能
が大幅に低減される場合があった。つまり、節電運転時
にインバータ式電動圧縮機の周波数を低減すると、空調
負荷の大きさに比べて、インバータ式電動圧縮機による
冷暖房運転の性能が大幅に不足する事があり、空調によ
る快適性が損なわれることがあった。
【0005】電動圧縮機以外の電気負荷、例えばファ
ンモータなどの節電が実行されなかった。このため、消
費電力の低減余地が残されたままだった。 節電運転の対応範囲が限られており、節電運転範囲を
更に増大する余地があった。つまり、電動圧縮機の電流
値以外が考慮されていなかったため、例えば、冷房時
に、外気温がそれ程高くないとき、電動圧縮機の電流値
が規定値にまで達せず、電動圧縮機の電流が、実際に低
減されないことがあった。このため、節電スイッチを押
しているにも拘らず、実際に消費電力の低減が実行され
ない場合があった。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決して、節電
性能と、快適性とを両立して得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに第1発明の車両用空気調和装置は、図1に例示する
様に、空気と冷媒との熱交換を行って自動車室内へ供給
する熱交換器と、バッテリにより駆動されて前記熱交換
器に前記冷媒を供給する電動圧縮機とを備えた自動車用
空気調和装置において、前記バッテリの電力消費量を節
電する節電状態を検出する節電状態検出手段と、前記節
電状態の場合に、前記バッテリから前記電動圧縮機に供
給される電力を所定値以下に制限する電力制限手段と、
前記冷媒の状態から前記熱交換器による熱交換の状態が
過大である熱交換過大状態を検出する熱交換過大状態検
出手段と、前記節電状態で、しかも熱交換過大状態の場
合には、前記電動圧縮機の電力消費量を更に低減させる
電力消費量低減手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】第2発明の自動車用空気調和装置は、図2
に例示するように、自動車室内外の空気と冷媒との熱交
換を行って自動車室内へ供給する熱交換器と、バッテリ
により駆動されて前記熱交換器に前記冷媒を供給する電
動圧縮機とを備えた自動車用空気調和装置において、前
記バッテリの電力消費量を節電する節電状態を検出する
節電状態検出手段と、前記節電状態の場合に、前記バッ
テリから前記電動圧縮機に供給される電力を所定値以下
に制限する電力制限手段と、前記節電状態の場合に、前
記熱交換器に供給される空気の内、室内空気の比率を増
大する内気増大手段とを備えたことを特徴とする自動車
用空気調和装置。
【0009】
【作用】第1発明の自動車用空気調和装置は、バッテリ
によって電動圧縮機が駆動され、電動圧縮機が冷媒を熱
交換器に供給し、熱交換器が自動車室内へ供給する空気
と冷媒との熱交換を行う。熱交換器は、例えばエバポレ
ータとして作動する場合は、空気の温度を低下させ、例
えばコンデンサとして作動する場合は、空気の温度を上
昇させる。
【0010】節電状態検出手段が節電状態を検出した場
合には、電力制限手段によって、バッテリから電動圧縮
機に供給される電力が所定値以下に制限される。節電状
態は、例えば節電スイッチの状態や、走行距離、電力の
残量、周囲の状態等が総合的に判断されて、検出され
る。
【0011】また、熱交換過大状態検出手段が、冷媒の
状態から熱交換器による熱交換の状態が過大である熱交
換過大状態を検出し、電力消費量低減手段が、節電状態
で、しかも熱交換過大状態の場合に、電動圧縮機に供給
されている電力の消費量を更に低減する。
【0012】これらにより、節電状態の場合には、消費
電力量が低減されて、バッテリの電力を走行用に多く割
り当てることができるとともに、熱交換が過大な状態が
改善され、バッテリの電力が空調用に有効に活用され
る。なお、節電状態の場合に、電力を制限する電力制限
手段は、例えばバッテリから電動圧縮機に供給される電
力を検出して、この電力が所定値を越えている場合に
は、例えば電動圧縮機の回転速度を低減させることによ
って、バッテリから電動圧縮機に供給される電力を低減
させたり、電動圧縮機に供給される電力の電圧や電流を
調整することによって、バッテリから電動圧縮機に供給
される電力を低減させることにより、電力の消費量を所
定値以下にする。
【0013】熱交換過大状態検出手段は、例えば冷房の
場合には、冷凍サイクルの低圧側の冷媒の状態から熱交
換の状態が過大な状態を検出する。例えば低圧側の冷媒
の温度を、熱交換器のフィンから検出して、温度が所定
値より低い場合に冷房の熱交換が過大な状態、つまり冷
えすぎの状態を検出したり、あるいは低圧側の冷媒の圧
力を圧力センサで検出して、この圧力が、例えば所定値
より低い状態であることから、冷房による熱交換が過大
な状態であることを検出する。
【0014】また、暖房の場合には、冷凍サイクルの高
圧側の冷媒の状態から熱交換の状態が過大な状態を検出
する。例えば高圧側の冷媒の温度を温風の吹き出し温度
から検出して、温風が所定値より高い場合に、暖房の熱
交換が過大な状態、つまり暖めすぎを検出したり、ある
いは高圧側の冷媒の圧力が所定値より大きい場合に熱交
換が過大な状態であることを検出する。
【0015】電力消費量低減手段は、例えば暖房の場合
には、室外熱交換器への送風量を少なくする事によっ
て、送風を行うための電力を直接低減する。また、吸熱
量の低減によって、電動圧縮機の負荷を減少させ、間接
的に消費電力を低減させる。又、暖房、および冷房の場
合に、電力制限手段による電動圧縮機の回転速度の制御
速度より、更に回転速度が低速側になるように、例え
ば、インバータの周波数を更に低周波数側に変更した
り、あるいは電圧や電流を制限したりして、バッテリの
消費電力を低減させる。
【0016】第2発明の自動車用空気調和装置は、自動
車室内外の空気が熱交換器に供給され、その後自動車室
内へ供給される。また、バッテリによって電動圧縮機が
駆動され、電動圧縮機が冷媒を熱交換器に供給し、熱交
換器が自動車室内に供給される空気と冷媒との熱交換を
行う。
【0017】また、節電状態検出手段が節電状態を検出
した場合には、電力制限手段がバッテリから電動圧縮機
に供給される電力を所定値以下に制限するとともに、内
気増大手段が熱交換器に供給される空気の内、室内空気
の比率を増大させる。これらにより、節電状態の場合に
は、電力制限手段によって、消費電力が低減されるとと
もに、室内空気の還流量の増大によって、空調負荷が減
少される。この空調負荷の減少により、室温を所望の温
度に維持することに要する電力を少なくしたり、また
は、少ない電力で室温を所望の温度により近い値にする
ことができる。したがって、走行用の電力が多くなると
ともに、室内の空調制御がより所望の状態に近くされ
る。
【0018】
【実施例】以下本発明の電気自動車用の空気調和装置
(エアコン)の一実施例を図に基づいて説明する。本実
施例のエアコンは、電気自動車の室内の冷房、暖房及び
除湿等の空調を行う装置である図3は、自動車用空気調
和装置1の冷凍サイクル図、図4は、自動車用空気調和
装置1の全体模式図、図5は各部品の自動車への取付状
態を示す斜視図である。
【0019】自動車用空気調和装置1は、自動車室内
(以下単に車室内と記す)に送風空気を導くダクト2
と、ダクト2の上流端に設けられてダクト2内に空気を
導入して車室内へ送る室内送風機3と、ヒートポンプ式
冷凍サイクル4と、エアコン制御装置5とを備える。エ
アコン制御装置5は、節電状態検出手段と、電力制限手
段と、熱交換過大状態検出手段としての機能を有する。
【0020】ダクト2の下流端には、車室内に開口する
デフロスタ吹出口6と、フェイス吹出口7と、サイドフ
ェイス吹出口8と、フット吹出口9と、これら吹出口に
送風空気を導く分岐ダクト2a、2b、2c、2dとが
設けられている。分岐ダクト2aは、デフロスタ吹出口
6に通じ、分岐ダクト2bは、フェイス吹出口7に通
じ、分岐ダクト2dは、フット吹出口9に通じる。分岐
ダクト2aは、デフロストダンパ10、分岐ダクト2b
は、フェイスダンパ11、分岐ダクト2dは、フットダ
ンパ12によって、それぞれ開閉される。各ダンパ10
〜12は、図示しないリンク機構と、後述するサーボモ
ータによって駆動される。また、これらは、選択された
吹出口モードによって開閉される。フェイス吹出口7
と、サイドフェイス吹出口8とには、乗員の手動操作に
よって、これらのフェイス吹出口7と、サイドフェイス
吹出口8とを開閉する開閉ダンパ7aと、8aが設けら
れている。
【0021】室内送風機3は、ファンケース3aと、遠
心ファン3bと、ファンモータ3cとから構成され、フ
ァンモータ3cへの印加電圧に応じて、回転速度が決定
される。ファンケース3aには、車室内空気(以後内気
と記す)を導入する内気導入口13と、車室外空気(以
後外気と記す)を導入する外気導入口14と、内外気モ
ードに応じて内気導入口13と外気導入口14とを選択
的に開閉する内外気切換ダンパ15とが設けられてい
る。内外気切換ダンパ15は、図示しないリンク機構
と、後述するサーボモータとで駆動され、外気導入と、
内気導入と、内外気混合導入(半内気)との3モードの
切替を行う。内外気切換ダンパ15は、エアコン制御装
置5とともに、内気増大手段としての機能を有する。
【0022】ヒートポンプ式冷凍サイクル4は、図3に
示すように、冷媒圧縮機16と、室外熱交換器17と、
冷房用熱交換器18と、暖房用熱交換器19と、第1減
圧装置20と、第2減圧装置21と、アキュムレータ2
2と、流路切替手段22aとを備えている。暖房用熱交
換器19と、冷房用熱交換器18とは、本発明の熱交換
器としての機能を有する。
【0023】冷媒圧縮機16は、ここでは定格出力が7
50(W)の圧縮機モータ16aを内蔵する密閉形圧縮
機で、電動モータの回転速度に応じて冷媒吐出量が変化
する。室外熱交換器17は、室外ファン23を備え、ダ
クト2の外部(車室外)において外気と冷媒との熱交換
を行う。冷媒は、ここではRー22を使用する。
【0024】冷房用熱交換器18は、冷媒蒸発器の機能
を果たすもので、ダクト2内に配置されて通過する空気
を冷却するものであって、ダクト2内を流れる空気と、
低温低圧の冷媒との熱交換を行う。冷房用熱交換器18
のフィン部には、フィン温度を検知するフィン温度サー
ミスタ30が設置されている。フィン温度サーミスタ3
0と、エアコン制御装置5とは、熱交換過大状態検出手
段としての機能を有する。
【0025】暖房用熱交換器19は、冷媒凝縮器の機能
を果たすもので、ダクト2内で冷房用熱交換器18の下
流に配設されて、ダクト2内を流れる空気と、高温高圧
の冷媒との熱交換を行うことで、通過する空気を加熱す
る。第1減圧装置20は、冷房運転時と、除湿運転時と
に、冷房用熱交換器18へ、流入する冷媒を減圧膨張す
る固定絞りのキャピラリチューブである。
【0026】第2減圧装置21は、暖房運転時に室外熱
交換器17へ流入する冷媒を減圧膨張する固定絞りのキ
ャピラリチューブである。アキュムレータ22は、ヒー
トポンプ式冷凍サイクル4内の過剰冷媒を一時蓄えると
ともに、冷媒圧縮機に気相冷媒のみを送り出して、液冷
媒が吸い込まれるのを防止する。
【0027】流路切替手段22aは、冷房運転時と、暖
房運転時と、除湿運転時とで、冷媒の流れ方向を切り換
えるものである。具体的には、冷媒圧縮機16の吐出方
向を切り換える四方弁24と、暖房運転時に第1減圧装
置20と冷房用熱交換器18とをバイパスさせる第1電
磁開閉弁25と、除湿運転時に第2減圧装置21をバイ
パスさせる第2電磁開閉弁26と、冷媒の流れ方向を規
制する逆止弁27とより構成される。
【0028】流路切替手段22aは、冷房運転時、暖房
運転時、または除湿運転時に応じて、冷媒の流れを次ぎ
に示すように切り換える。冷房運転時は、冷媒圧縮機1
6より吐出された冷媒が、図3において矢印Cに示すよ
うに、四方弁24→室外熱交換器17→第1減圧装置2
0→冷房用熱交換器18→アキュムレータ22→冷媒圧
縮機16の順に流れるように切り換える。
【0029】暖房運転時は、冷媒圧縮機16より吐出さ
れた冷媒が、矢印Hで示すように、四方弁24→暖房用
熱交換器19→第2減圧装置21→室外熱交換器17→
第1電磁開閉弁25→アキュムレータ22→冷媒圧縮機
16の順に流れるように切り換える。
【0030】除湿運転時は、冷媒圧縮機16より吐出さ
れた冷媒が、矢印Dで示すように、四方弁24→暖房用
熱交換器19→第2電磁開閉弁26→室外熱交換器17
→第1減圧装置20→冷房用熱交換器18→アキュムレ
ータ22→冷媒圧縮機16の順に流れるように切り換え
る。
【0031】ダクト2内で、かつ暖房用熱交換器19の
下流には、電気ヒータ28(ここではPTCヒータ)が
設けられている。これは、補助ヒータであって、最大暖
房時に通電されて発熱し、ダクト2内を流れる空気を加
熱する。図6は、車室内のダッシュボード28aなどに
配置されるエアコン操作パネル29の説明図、図7は、
エアコン制御装置5の周囲のブロック図である。エアコ
ン操作パネル29には、図6に示すようにスイッチ10
0a〜100e、101、103、104a〜104
e、105、106、節電スイッチ102が配設されて
いる。エアコン制御装置5の主要部分を構成するコント
ロールユニット31には、図7に示すように、エアコン
操作パネル29と、インバータ32と、電流検出器33
と、リレー40、41と、フィン温度サーミスタ30
と、高圧圧力検出センサ34と、吐出温度検出センサ3
5と、外気温度検出センサ36と、室外熱交換器着霜検
知センサ37と、内外気切換用サーボモータ38と、吹
出口切換用サーボモータ39と、第1電磁開閉弁25
と、第2電磁開閉弁26と、室内送風機3と、室外ファ
ン23と、四方弁24とが接続されている。
【0032】インバータ32は、電源42から直流20
0ボルトの電力の供給を受け、所定の周波数の電力を圧
縮機モータ16aに供給する。インバータ32が圧縮機
モータ16aに供給する電力の周波数は、コントロール
ユニット31によって制御される。コントロールユニッ
ト31と、インバータ32とは、電力制限手段としての
機能を有する。電源42は、バッテリによって直流20
0ボルトを出力する。電源42とインバータ32との間
には、リレー40と、電流検出器33とが介装されてい
る。リレー40は、コントロールユニット31からの信
号に基づいて、電源42からインバータ32に供給され
る電力をオンオフする。電流検出器33は、電源42か
らインバータ32に供給される電力の電流値を検出し
て、コントロールユニット31に出力する。電源42の
出力には、インバータ32の他に、リレー41と、電気
ヒータ28とが介装されている。リレー41は、コント
ロールユニット31からの信号によって、電気ヒータ2
8に供給される電力をオンオフする。
【0033】図6に示すスイッチ100a〜100e
は、導入空気の吹出口を選定するもので、コントロール
ユニット31に信号を出力して、コントロールユニット
31に、吹出口切換用サーボモータ39を駆動させ、デ
フロストダンパ10と、フェイスダンパ11と、フット
ダンパ12とを開閉させ、吹出口を変化させる。
【0034】スイッチ101は、室内送風機3に印加さ
れる電圧を変化させ風量を切り換えるもので、押す毎に
弱→中→強と風量を変化させる。節電スイッチ102
は、エアコンが消費する電力を軽減させる節電スイッチ
であり、押す毎に節電ON→OFFを繰り返させる。
【0035】スイッチ103は、ダクト2に導入する空
気の導入口を切り換えさせるもので、コントロールユニ
ット31に、内外気切換用サーボモータ38を駆動さ
せ、内外気切換ダンパ15を制御させる。スイッチ10
3を押す毎に、導入口は、内気→半内気→外気の順に変
化する。
【0036】スイッチ104a〜104eは、運転モー
ドを選択するもので、コントロールユニット31に指令
して、インバータ32と、リレー40、41と、第1電
磁開閉弁25と、第2電磁開閉弁26と、室内送風機3
と、室外ファン23と、四方弁24と、電気ヒータ28
とを制御させ、サイクルを冷房、暖房、除湿に切り換え
させる。
【0037】スイッチ105は、インバータ32の出力
周波数を制御し、冷媒圧縮機16の圧縮機モータ16a
の回転数を変化させ、空調能力を調整する。例えば、冷
房時では、最も左側にセットしたとき、能力が最大、逆
に最も右側にセットしたとき、能力が最小となるような
信号をコントロールユニット31に出力して、インバー
タ32を制御させる。
【0038】スイッチ106は、暖房時に室外熱交換器
17の着霜を検知し、スイッチ106内のインジケータ
106aの点滅にてユーザに知らしめると共に、インジ
ケータ106aの点滅時に押すと、除霜を開始させるも
のである。コントロールユニット31には、エアコンシ
ステムの作動状態を検知するための各種センサ信号を受
け、フィードバック制御する機能も含まれている。例え
ば、コントロールユニット31は、冷凍サイクルの高圧
圧力を検知する高圧圧力検出センサ34よりの信号を受
け、ある規定値A1以上に圧力が上昇したら、インバー
タ32の出力周波数を低減し、A2以上に圧力が上昇し
たらインバータ32の出力を停止させるような制御を実
施している。また、高圧圧力検出センサ34の他、電流
検出器33、フィン温度サーミスタ30、吐出温度検出
センサ35の信号でも同様の処理を実施している。
【0039】図8は、冷房運転制御処理ルーチンのフロ
ーチャート、図9は暖房運転制御処理ルーチンのフロー
チャート、図10は、除湿運転制御処理ルーチンのフロ
ーチャート、図11は、フィン温度による制御特性のグ
ラフ、図12は、高圧圧力による制御特性のグラフであ
る。図8〜図10の制御ルーチンは、コントロールユニ
ット31内のマイクロコンピュータによって実行される
処理を示すものであり、図11〜図12に示す制御特性
は、その制御特性を示すものである。
【0040】図8の冷房運転制御処理ルーチンに基づい
て、冷房運転時の節電制御を説明する。節電制御が実行
されない場合は、図示しない通常時の冷房運転制御が実
行される。まず、節電スイッチONかを判断する(ステ
ップ100、ステップを以後単にSと記す)。節電スイ
ッチONであるとの判断は、エアコン操作パネル29の
節電スイッチ102が押されたことを示す信号をコント
ロールユニット31に入力したと判断した場合に行われ
る。これは、節電状態検出手段としての動作である。こ
こで、節電スイッチONでないと判断した場合には、本
ルーチンをそのまま一旦終了する。また、節電スイッチ
ONであると判断した場合には、以後の節電制御(S1
10〜S190)をスタートする。
【0041】節電制御では、まず内外気サーボモータ内
気位置に固定する処理を実行する(S110)。これ
は、内気増大手段としての動作である。この処理では、
内外気切換用サーボモータ38を駆動して、内外気切換
ダンパ15を外気導入口14が閉じる方向に移動させ
る。これにより、導入空気が内気になり、外気導入に比
べて、冷房負荷が3〜5割程度軽減される。この結果、
冷媒圧縮機16の負荷が低減され、電源42の消費電力
が間接的に減少するとともに、この後に行われる節電制
御による冷房能力の低下を最小限に抑えることができ
る。
【0042】次に規定値B1(B1=9(A))以上か
の判断処理を行う(S110)。この判断処理では、ま
ず電流検出器33が検出した消費電流を入力する。次い
で、冷媒圧縮機16に内蔵された圧縮機モータ16aが
ある規定値B1(ここでは9(A))以上を消費してい
るかを判断する。
【0043】ここで、規定値B1以上であると判断した
場合には、次にインバータ周波数低減処理を行い(S1
30)、この周波数低減状態で一定時間待機する(S1
40)。インバータ周波数低減処理では、インバータ3
2に周波数を所定値低減させる信号を出力する。一定時
間の待機後、再度電流値が規定値B1以上であるかを判
断し(S120)、まだ消費電流が規定値B1以上であ
れば、S130、S140の処理を繰り返す。つまり、
圧縮機モータ16aの消費電流が規定値B1である9ア
ンペア未満になるまでインバータ32の周波数を所定の
低減率で減少する。これにより、電源42から圧縮機モ
ータ16aに供給される電力の消費電力が直接的に低減
され、ここでは1.8(Kw)以下の値になる。S12
0〜S140が、電力制限手段としての動作である。
【0044】S120にて電流値が規定値B1未満にな
ったと判断された場合には、次にフィン温度が規定値
(ここでは5℃)以下かを判断する(S150)。この
判断処理では、まず冷房用熱交換器18のフィン部に設
定されたフィン温度サーミスタ30が検出したフィン温
度を入力する。フィン温度サーミスタ30は、通常、冷
房用熱交換器18の凍結を防止するために設置されてい
るもので、通常時は、0℃を検知すると、インバータ3
2の出力周波数を低下させることによって、冷媒圧縮機
16の能力を低下させ、フィンの凍結を防止する。な
お、フィン温度が0℃の場合には、冷房用熱交換器18
の吹き出し温度は、経験的に3〜4℃になる。この状態
は、冷房用熱交換器18の熱交換の状態が過大な状態で
あり、冷え過ぎとなる。これが熱交換過大状態検出手段
としての動作である。
【0045】ここで、フィン温度が規定値としての5℃
以下であると判断した場合には、次にインバータ周波数
低減処理を行い(S160)、この周波数低減状態で一
定時間待機する(S170)。S160のインバータ周
波数低減処理は、S130のインバータ周波数低減処理
とほぼ同様な処理である。
【0046】S150〜S170の処理により、フィン
温度が5℃を越えるまでインバータ32の出力周波数が
低減される。これにより、冷房用熱交換器18の熱交換
の状態が過大な状態が改善されるとともに、電源42よ
りの消費電力が間接的に低減される。これが電力消費量
低減手段としての動作である。
【0047】S150でフィン温度が規定値である5℃
を越えていると判断した場合には、次に現時点での周波
数に固定する処理を行って(S180)、節電スイッチ
ONかの判断を行う(S190)。つまり、インバータ
32の周波数をフィン温度が規定値を越えたときの状態
に固定後、節電スイッチ102の状態をモニタして、節
電スイッチ102がまだオンであれば、S120からの
節電制御を繰り返す。
【0048】節電スイッチ102がオフにされれば、本
ルーチンを一旦終了する。図11は、フィン温度に応じ
て、インバータ32の周波数を低減する処理(S150
〜S170)と、現時点での周波数に固定する処理(S
150、S180)と、節電スイッチ102のON/O
FFによる制御の違いの制御特性を示す。
【0049】図11の制御特性グラフでは、節電スイッ
チ102がオンの場合(図中では節電ONと記す)と、
オフの場合(図中では節電OFFと記す)の制御特性が
示され、縦軸にインバータ制御の状態を示し、横軸にフ
ィン温度(℃)を示す。節電ONの節電制御では、フィ
ン温度が5℃で、インバータ32の周波数が特性線TS
Aに示すように周波数低減され、フィン温度が5℃を越
えたとき、ここでは7℃になったとき、特性線TSBに
示すように現時点での周波数に固定されて、現状周波数
維持が行われる。
【0050】節電OFFの通常制御では、フィン温度が
0℃で、周波数低減され、ここでは2℃で、現状周波数
に固定される。図8の冷房運転制御処理では、節電運転
制御時においてインバータ32の周波数を低減する処理
についてのみ示したが、これに加えて、節電運転時にお
いて、低減したインバータ32の周波数を増大する制御
と、通常運転時において、周波数を低減、または増大す
る制御も実行される。これらについての詳細な制御処理
の図示は省略する。
【0051】図9の暖房運転制御処理ルーチンに基づい
て、暖房運転時の節電制御を説明する。節電制御が実行
されない場合は、図示しない通常時の暖房運転制御が実
行される。まず、節電スイッチONかを判断する(ステ
ップ200)。(節電状態検出手段)。ここで、節電ス
イッチONでないと判断した場合には、本ルーチンをそ
のまま一旦終了する。また、節電スイッチONであると
判断した場合には、以後の節電制御(S210〜S29
0)をスタートする。
【0052】節電制御では、まず内外気サーボモータ半
内気位置に固定する処理を実行する(S210)。(内
気増大手段)。この処理では、内外気切換用サーボモー
タ38を駆動して、内外気切換ダンパ15を外気導入口
14と内気導入口13のほぼ中央に移動させる。これに
より、導入空気が内外気混合になり、外気導入に比べ
て、暖房負荷が約3割程度軽減される。この結果、この
後に行われる別の節電制御による暖房能力の低下を最小
限に抑えることができる。
【0053】次いで、補助ヒータとして使用されている
電気ヒータ28のリレー41をオフにする(S22
0)。これにより、電気ヒータ28への通電を遮断し
て、電源42よりの消費電力を直接低下させる。電力制
限手段としての動作である。次に、図8の冷房処理と同
様に、規定値B1(B1=9(A))以上かの判断処理
を行い(S230)、規定値B1以上であると判断した
場合には、次にインバータ周波数低減処理を行い(S2
40)、この周波数低減状態で一定時間待機する(S2
50)。(電力制限手段)。
【0054】S230にて電流値が規定値B1未満にな
ったと判断された場合には、現時点での周波数に固定す
る処理を行う(S250)。これにより、電源42から
圧縮機モータ16aに供給される電力の消費電力が直接
的に低減され、ここでは1.8(Kw)以下の値にな
る。
【0055】次に、高圧が規定値C2以上であるかを判
断する(S260)。この判断では、まず高圧圧力検出
センサ34が検出した高圧配管系の圧力を示す信号、こ
こでは冷媒圧縮機16と四方弁24との間の高圧圧力を
示す信号を入力する。次いで、入力した信号が示す圧力
が規定値C2、ここでは18Kgf/cm2G 以上にな
ったかを判断する。
【0056】ここで、高圧が規定値C2以上であれば、
次に室外機FAN停止を行う(S275)。室外機FA
N停止処理では、室外ファン23の回転を停止させる。
ここでの判断対象であるサイクル内の高圧は、ヒートポ
ンプ式エアコンにおける暖房能力に比例するものであ
る。ここでは高圧が規定値C2としての23Kgf/c
2G に達している場合には、吹き出し温度は、約50
℃となる。この状態は、熱交換器としての暖房用熱交換
器19による熱交換の状態が過大なものであり、暖まり
すぎと判断できる。
【0057】また、S270にて高圧が規定値C2未満
であると判断された場合には、次に、高圧が規定値C1
以上(ここでは18Kgf/cm2G 以上)であるかを
判断する(S280)。つまり、高圧が、規定値C1以
上で、かつ規定値C2未満であるかを判断する。
【0058】ここで、高圧が規定値C1以上であれば、
次に室外機FAN Lo駆動処理を実行する(S28
5)。室外機FAN Lo駆動処理では、室外ファン2
3の回転速度を低速側であるLoにする。室外ファン2
3の回転を停止させたり(S275)、あるいは低速側
に変更すると(S285)、室外熱交換器17による吸
熱量が減少して、サイクル内の高圧の上昇が防止され、
冷媒圧縮機16に内蔵された圧縮機モータ16aの負荷
が軽減される。これにより、間接的に電源42よりの消
費電力を低下させることができるとともに、直接、室外
ファン23の消費電力を低減、又は削減することができ
る。
【0059】また、S280で高圧が規定値C1未満で
あると判断された場合、又はS275あるいはS285
にて室外機FANを停止、Lo駆動処理した後の場合
は、次に節電スイッチONかの判断を行う(S29
0)。これらS270〜S285の処理が、熱交換過大
状態検出手段と、電力消費量低減手段としての動作であ
る。節電スイッチ102がオンの場合には、S230か
らの節電制御を繰り返す。節電スイッチ102がオフの
場合には、本ルーチンを一旦終了する。
【0060】図12は、高圧圧力に応じて、室外機FA
Nの回転速度を変更する処理と、節電スイッチ102の
ON/OFFによる制御の違いの制御特性を示す。図1
2の制御特性グラフでは、節電スイッチ102がオンの
場合(図中では節電ONと記す)と、オフの場合(図中
では節電OFFと記す)の制御特性が示され、縦軸に室
外送風機制御の状態を示し、横軸に高圧圧力(Kgf/
cm2G )を示す。
【0061】節電ONの節電制御では、高圧圧力が23
Kgf/cm2G にまで上昇すると室外送風機制御が特
性線TFAに示すように停止に制御される。室外送風機
制御が停止されたことなどで、高圧圧力が23Kgf/
cm2G から減少して18Kgf/cm2G になると室
外送風機制御が特性線TFBに示すように停止からLo
に変更制御される。室外送風機制御がLoになってもま
だ高圧圧力が18Kgf/cm2G から減少して15K
gf/cm2G になると室外送風機制御が特性線TFC
に示すようにLoからHiに変更制御される。これによ
り、吸熱量が最大になる。なお、図9のフローチャート
では、室外送風機制御をHiに変更する処理の図示は省
略してある。
【0062】高圧圧力が15Kgf/cm2G から更に
減少しても室外送風機制御がHiに保持される。又、吸
熱量が増大して、高圧圧力が15Kgf/cm2G から
上昇して18Kgf/cm2G にまで達すると室外送風
機制御が特性線TFDに示すようにHiからLoに変更
制御される。これにより、吸熱量が制限される。
【0063】以上に示した節電ONの場合の室外送風機
制御により、高圧圧力が18Kgf/cm2G になる方
向に制御される。節電OFFの通常制御では、室外送風
機制御がHiに固定される。従って、通常の最大の吸熱
作用を得るための制御が行われる。
【0064】図10の除湿運転制御処理ルーチンに基づ
いて、除湿運転時の節電制御を説明する。節電制御が実
行されない場合は、図示しない通常時の除湿運転制御が
実行される。まず、節電スイッチONかを判断する(ス
テップ300)。ここで、節電スイッチONでないと判
断した場合には、本ルーチンをそのまま一旦終了する。
また、節電スイッチONであると判断した場合には、以
後の節電制御(S310〜S400)をスタートする。
【0065】節電制御では、まず内外気サーボモータ内
気位置に固定する処理を実行する(S310)。次い
で、電気ヒータOFF処理を実行する(S320)。こ
れにより、電気ヒータ28の消費電力が直接低下され
る。
【0066】次に、図8の冷房処理と同様に、規定値B
1(B1=9(A))以上かの判断処理を行い(S33
0)、規定値B1以上であると判断した場合には、次に
インバータ周波数低減処理を行い(S340)、この周
波数低減状態で一定時間待機する(S350)。
【0067】S330にて電流値が規定値B1未満にな
ったと判断された場合には、次にフィン温度が規定値
(ここでは5℃)以下かを判断し(S360)、フィン
温度が規定値B1としての5℃以下であると判断した場
合には、次にインバータ周波数低減処理を行って(S3
70)、この周波数低減状態で一定時間待機する(S3
80)。これにより、冷房用熱交換器18の熱交換の状
態が過大な状態が改善されるとともに、電源42よりの
消費電力が間接的に低減される。
【0068】S360でフィン温度が規定値B1である
5℃を越えていると判断した場合には、次に現時点での
周波数に固定する処理を行って(S390)、節電スイ
ッチONかの判断を行う(S400)。節電スイッチO
Nであれば、S330からの節電制御を繰り返し、節電
スイッチがOFFであれば、本ルーチンを一旦終了す
る。
【0069】以上に説明した除湿運転制御により、除湿
性能を大幅に低下することなく電源42の消費電力を可
能な限り低減することができる。次に、図8〜図10に
示した冷房運転制御、暖房運転制御、および除湿運転制
御の節電制御に替えて、又は節電制御に加えて実行する
節電制御の例を説明する。
【0070】図13は、高圧圧力に応じてインバータ周
波数を低減する制御の制御特性を示す。図13の制御特
性グラフでは、節電ONと、節電OFFとの制御特性が
示され、縦軸にインバータ制御の状態を示し、横軸に高
圧圧力(Kgf/cm2G )を示す。
【0071】実施例のS120、S230、又はS33
0において、電流検出器33で検出した電流が規定値B
1以上か否かによって、インバータ周波数を低減するか
否かを判断するのに替えて、高圧圧力を検出して、図1
3に示すように高圧圧力に応じてインバータ周波数を低
下する制御を行う構成としても良い。
【0072】これは、高圧圧力と、冷媒圧縮機16に内
蔵された圧縮機モータ16aの消費電流がほぼ比例する
特性があることを利用したもので、これにより、電源4
2よりの消費電力を抑えることができる。節電ONの節
電制御では、高圧圧力が18Kgf/cm2G にまで上
昇するとインバータ周波数が特性線TPAに示すように
周波数低減される。周波数が低減されたことで、高圧圧
力が18Kgf/cm2G から減少して16Kgf/c
2G になると特性線TPBに示すようにインバータ周
波数が現状周波数に維持される。節電ONの場合には、
高圧圧力が18Kgf/cm2G ないし16Kgf/c
2G の範囲に入るように制御される。
【0073】節電OFFの場合には、図13に示すよう
に、高圧圧力が26Kgf/cm2G ないし24Kgf
/cm2G の範囲に入るように制御される。図14は、
外気温度に応じてインバータ周波数の上限を規定する制
御の制御特性を示す。
【0074】図14の制御特性グラフでは、節電ONに
おける暖房時と冷房時との制御特性と、節電OFFの制
御特性とが示され、縦軸にインバータ上限周波数(H
z)の状態を示し、横軸に外気温度(℃)を示す。図8
〜図10のフローチャートでは、冷えすぎの状態、つま
り冷房用熱交換器18による熱交換の状態が過大な状態
をフィン温度で検出して、冷房能力を低減させ、暖まり
すぎの状態、つまり暖房用熱交換器19による熱交換の
状態が過大な状態を高圧圧力で検出して、暖房能力を低
減する構成であったが、これに替えて図14に示すよう
に外気温度の値によって、インバータ周波数の上昇周波
数の上限周波数を規定する構成としても良い。
【0075】節電ONの冷房時制御では、温度TR3以
上(ここでは27(℃)以上)では、インバータ上限周
波数を最大値である110(Hz)に規定し、TR2
(ここでは20(℃))ないしTR3の間では、80
(Hz)に規定し、TR1(ここでは12(℃)ないし
TR2の間では、60(Hz)に規定し、TR1未満で
は、20(Hz)に規定する。
【0076】節電ONの暖房制御では、温度TW3以上
(ここでは24(℃)以上)では、インバータ上限周波
数を20(Hz)に規定し、TW2(ここでは15
(℃))ないしTW3の間では、60(Hz)に規定
し、TW1(ここでは7(℃)ないしTW2の間では、
80(Hz)に規定し、TW1未満では、110(H
z)に規定する。
【0077】節電OFFの場合には、インバータ上限周
波数を最大値である110(Hz)に規定する。上記実
施例では、節電スイッチ102を設け、ユーザが節電運
転を任意に選択する構成であるが、これに替えて、ある
いはこれに加えて、次に示すように節電制御の実行を電
源42の残存量に基づいて判断し、節電制御を開始する
ものとしても良い。
【0078】電源42の電圧を検知する検知手段を設
け、この検知手段からの信号をコントロールユニット3
1に取り込んで、電源42の電圧が所定値以下になった
場合に、節電制御を実行するように制御する。この様に
自動的に節電制御に入るようにすることで、車両の走行
距離の向上を図ることができる。
【0079】更に、節電制御に入る電源42の電圧よ
り、更に電圧が低下した場合に、エアコン自身を停止さ
せるようにしても良い。これにより、より走行距離を長
くすることができる。又、電源42の電圧による判断に
替えて、又は加えて、次に示すように、ユーザの希望す
る走行距離を達成するように、自動的に節電制御を実行
するようにしても良い。ユーザが希望する走行距離を入
力するための入力手段に接続されたマイクロコンピュー
タを配設し、このマイクロコンピュータに走行用モータ
の消費電力信号、バッテリ残存容量信号、走行距離信
号、またはエアコン消費電力信号などの消費電力状態、
残存電力状態、走行距離状態を示す信号を入力して、総
合的に演算し、ユーザが希望する走行距離を達成できる
よう自動的に節電制御に入ったり、エアコンを停止す
る。以上に説明した自動車用空気調和装置1は、冷房運
転、暖房運転、又は除湿運転時において、節電スイッチ
102をONにした場合に、冷媒圧縮機16の消費電力
を規定値B1(B1=9(A))未満にして電源42の
消費電力を低減するとともに、外気の導入量と内気の導
入量との比率を内気が増加する方向に変更して、空調負
荷を低減する。
【0080】また、冷房の場合には、冷房用熱交換器1
8のフィン温度に基づいて、インバータの周波数を低減
するか否かの判断を行うための規定値を、節電スイッチ
102のオン時に高い温度に変更して、冷媒による熱交
換の状態が過大、即ち冷えすぎになることを防止する。
【0081】暖房の場合には、高圧側の圧力に基づい
て、室外機FANの作動状態を低減するか否かの判断を
行うための規定値を、節電スイッチ102のオン時に低
い圧力に変更して、冷媒による熱交換の状態が過大、即
ち暖まりすぎになることを防止する。また、補助ヒータ
をOFFにして、電力消費量を直接低下させる。
【0082】除湿の場合には、補助ヒータのOFFによ
る消費電力の低減と、冷房用熱交換器18のフィン温度
に基づいてインバータの周波数を低減することによる冷
えすぎの防止により消費電力の無駄の排除とを行なう。
これらによって、走行距離を可能な限り伸ばすことがで
きるとともに、室内の快適性を良好な状態に保持するこ
とができ、車両の走行性能の向上と、室内の快適性の向
上とを揃って達成することができるという極めて優れた
効果を奏する。
【0083】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な態
様の実施が可能である。
【0084】
【発明の効果】第1発明の自動車用空気調和装置は、節
電状態の場合には、電力制限手段によって、消費電力が
低減されるとともに、この電力を低減している状態で、
熱交換の状態が過大になると、更に消費電力が低減され
る。したがって、消費電力量を低減して、バッテリの電
力を走行用に多く割り当てることができるとともに、熱
交換が過大な状態を改善して、バッテリの電力を空調用
に有効に活用することができる。この結果、空調による
快適性を保持したままで、バッテリの電力を走行用に多
く割り当てることができ、快適性の向上と、車両の走行
距離の長さの向上とを揃って達成することができるとい
う極めて優れた効果を奏する。
【0085】第2発明の自動車用空気調和装置は、節電
状態の場合には、電力制限手段によって、消費電力が低
減されるとともに、室内空気の還流量の増大によって、
空調負荷が減少され、室温を所望の温度に維持すること
に要する電力を少なくしたり、または、少ない電力で室
温を所望の温度により近い値にすることができる。
【0086】したがって、消費電力を低減して、走行用
の電力を多くできるとともに、少ない電力消費量で室内
の空調制御をより所望の状態に近くすることができる。
この結果、空調による快適性を保持したままで、バッテ
リの電力を走行用に多く割り当てることができ、快適性
の向上と、車両の走行距離の長さの向上とを揃って達成
することができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の自動車用空気調和装置の構成を例示
する基本構成図である。
【図2】第2発明の自動車用空気調和装置の構成を例示
する基本構成図である。
【図3】実施例の自動車用空気調和装置1の冷凍サイク
ル図である。
【図4】実施例の自動車用空気調和装置1の全体模式図
である。
【図5】実施例のエアコンの各機器の自動車への取り付
け状態を示す斜視図である。
【図6】コントロールパネルを示す正面図である。
【図7】コントロールユニットの周囲のブロック図であ
る。
【図8】冷房運転制御処理ルーチンのフローチャートで
ある。
【図9】暖房運転制御処理ルーチンのフローチャートで
ある。
【図10】除湿運転制御処理ルーチンのフローチャート
である。
【図11】フィン温度による制御特性のグラフである。
【図12】高圧圧力による制御特性のグラフである。
【図13】節電ON/OFFによる制御特性のグラフで
ある。
【図14】インバータの上限周波数の制御特性のグラフ
である。
【符号の説明】
1…自動車用空気調和装置、3…室内送風機、4…ヒー
トポンプ式冷凍サイクル、 5…エアコン制御装置、1
5…内外気切換ダンパ、16…冷媒圧縮機、16a…圧
縮機モータ、17…室外熱交換器、18…冷房用熱交換
器、19…暖房用熱交換器、29…エアコン操作パネ
ル、31…コントロールユニット、32インバータ、1
02…節電スイッチ
フロントページの続き (72)発明者 原田 秀雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 太田 秀夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気と冷媒との熱交換を行って自動車室
    内へ供給する熱交換器と、バッテリにより駆動されて前
    記熱交換器に前記冷媒を供給する電動圧縮機とを備えた
    自動車用空気調和装置において、 前記バッテリの電力消費量を節電する節電状態を検出す
    る節電状態検出手段と、 前記節電状態の場合に、前記バッテリから前記電動圧縮
    機に供給される電力を所定値以下に制限する電力制限手
    段と、 前記冷媒の状態から前記熱交換器による熱交換の状態が
    過大である熱交換過大状態を検出する熱交換過大状態検
    出手段と、 前記節電状態で、しかも熱交換過大状態の場合には、前
    記電動圧縮機の電力消費量を更に低減させる電力消費量
    低減手段とを備えたことを特徴とする自動車用空気調和
    装置。
  2. 【請求項2】 自動車室内外の空気と冷媒との熱交換を
    行って自動車室内へ供給する熱交換器と、バッテリによ
    り駆動されて前記熱交換器に前記冷媒を供給する電動圧
    縮機とを備えた自動車用空気調和装置において、 前記バッテリの電力消費量を節電する節電状態を検出す
    る節電状態検出手段と、 前記節電状態の場合に、前記バッテリから前記電動圧縮
    機に供給される電力を所定値以下に制限する電力制限手
    段と、 前記節電状態の場合に、前記熱交換器に供給される空気
    の内、室内空気の比率を増大する内気増大手段とを備え
    たことを特徴とする自動車用空気調和装置。
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