JPH07171129A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JPH07171129A
JPH07171129A JP5321597A JP32159793A JPH07171129A JP H07171129 A JPH07171129 A JP H07171129A JP 5321597 A JP5321597 A JP 5321597A JP 32159793 A JP32159793 A JP 32159793A JP H07171129 A JPH07171129 A JP H07171129A
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JP
Japan
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magnetic field
gradient magnetic
eddy current
generating
generation system
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JP5321597A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Kimura
光良 木村
Tadashi Onihira
正 鬼平
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は傾斜磁場発生系の変化及び変更
に伴う傾斜磁場発生系の伝達関数の変化に対してハード
ウエアの構成変更なしに高精度をもって渦電流補償を行
うことができる磁気共鳴イメ−ジング装置を提供するこ
とにある。 【構成】渦電流効果発生部22での渦電流の発生を考慮
に入れた、傾斜磁場発生系2の伝達関数の逆関数を表す
デジタル信号を傾斜磁場発生系用電源1のデジタル演算
部11で発生させ、これをDAC部12によりアナログ
信号に変換して、ドライバ−部13を通して電流−磁界
変換部21(傾斜磁界コイル)に与え、渦電流の補償を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイメ−ジング装置、特に
被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下「NM
R」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分
布等を映像化するNMR現象を用いた磁気共鳴イメージ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメ−ジング装置において傾斜
磁場波形の歪みを発生させる主因は傾斜磁場コイルの近
傍に発生する渦電流であり、この渦電流は傾斜磁場が時
間的に高速で変化することにより、傾斜磁場コイルの近
傍にある金属部材に誘起し発生する。磁気共鳴イメージ
ング装置においては、静磁場を発生する磁石を用いるこ
とが原理的に必要であり、渦電流は主にこの静磁場を発
生する磁石の金属製構成部材に発生する。このため全て
の磁気共鳴イメージング装置において渦電流による傾斜
磁場波形の歪みが発生するが、特にアクティブ・シール
ド型傾斜磁場コイルを使用しない磁気共鳴イメージング
装置において顕著にその影響が現れる。従って、渦電流
による傾斜磁場波形の歪みをできるだけ少なくすること
が、全ての磁気共鳴イメージング装置において要求され
る。渦電流の発生を含んだ傾斜磁場システムを回路的に
表す伝達関数は(数1)であることが知られており、渦
電流補償は(数1)にもとづいて行われる。
【0003】
【数1】 ここで、HG(s)は傾斜磁場システムの伝達関数 Tiは時定数 (Ti>0) kiは渦電流の大きさを表す係数(ki≧0) sはラプラス変数 Nは渦電流発生要素の数 (正整数) 磁気共鳴イメージング装置の渦電流補償に関する技術は
米国特許第4,585,995号明細書などに開示され
ている。これは渦電流発生要因を表す伝達関数を補償す
る逆伝達関数を(数2)に示す多項近似する方法を採用
している。
【0004】
【数2】 この多項式近似の方法では、一般に渦電流発生要素であ
る傾斜磁場系の数N,Ti,kiと渦電流補償系の数
N',Ti',ki'は異なっている。前記の補償方法を改
善した(数1)の逆関数を発生する技術は米国特許第
5,150,055号明細書に開示されている。この逆
関数法では実際の渦電流の時定数Tiとkiを直接使用で
き、最小の調整箇所数で回路的に完全な渦電流補償が期
待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の補償方
法はいずれもアナログ的な回路演算で(数1)、(数
2)の関数を発生して傾斜磁場波形の歪みを補償するも
ので、予め決められた渦電流発生要素の数Nの(数3)
で示す回路演算要素を物理的に回路上に設けておかなけ
ればならない。
【0006】
【数3】Hi(s)=ki・s/(1+Ti・s) このため、磁石構造の種類、傾斜磁場環境の変化などで
要素の数Nが増減する場合には、回路を変更しなければ
ならないので簡単に対処することができない。又、アク
ティブシールド型傾斜磁場コイルにおいては、(数1)
に示すkiが負となる場合があるが、従来方法ではこの
歪みを補償できないという問題を有している。更に、回
路上で渦電流補償装置のバラツキを無くすための調整箇
所が多い。本発明の目的は上記問題点に鑑み、自在に渦
電流補償の伝達関数を発生し高精度の渦電流補償を行う
ことができる磁気共鳴イメ−ジング装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被検体
が配置される静磁場、この静磁場に重畳されるべき傾斜
磁場及び高周波パルスを発生させる手段がそれぞれ備え
られる。被検体は高周波パルスが傾斜磁場の存在下で印
加されることによって励起され、これによって検体から
は核磁気共鳴信号が発生される。傾斜磁場発生手段は傾
斜磁場発生系とこの傾斜磁場発生系用電源とを備えてい
る。傾斜磁場発生系は傾斜磁場にもとづく渦電流が発生
するように構成されており、傾斜磁場発生系用電源は傾
斜磁場発生系の、渦電流の発生を考慮に入れた伝達関数
の逆関数を表すデジタル信号を発生させる手段とそのデ
ジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅する手段とを
備えている。
【0008】
【作用】本発明によれば、傾斜磁場発生系用電源は傾斜
磁場発生系の、渦電流の発生を考慮に入れた伝達関数の
逆関数を表すデジタル信号を発生させ、このデジタル信
号をアナログ信号に変換し、増幅して傾斜磁場発生系に
導入することになる。したがって、磁石構造の種類、傾
斜磁場環境の変化などで渦電流発生要素の数が変わって
も、これに対してはソフトウエアで対応することができ
るようになり、したがって、従来のように回路変更の必
要がなくなる。換言すれば、自在に渦電流補償の伝達関
数を発生し、高精度の渦電流補償を行うことができるよ
うになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1に従って本発明による磁気共鳴イメー
ジング装置の渦電流補償部の構成を原理的に説明する。
図1において、1は伝達関数を構成する各要素をブロッ
ク図として示した傾斜磁場発生系用電源であり、2は磁
気共鳴イメージング装置の傾斜磁場コイルによって形成
された傾斜磁場発生系をブロック図として表現したもの
である。図1に示される回路構成はX軸、Y軸、Z軸の
各々の傾斜磁場発生系について成立するものである。傾
斜磁場発生系用電源1には入力信号として電流出力命令
であるデジタル信号Vinが与えられ、傾斜磁場発生系用
電源1はこの命令に対して複数段の所定の変換演算を実
行し、電流出力命令Vinに対応した電流信号Ioutを出
力する。傾斜磁場発生系用電源1は、デジタル信号演算
部11、デジタル−アナログ変換器(DAC)12,ド
ライバー部13から構成される。デジタル信号演算部1
1は傾斜磁場発生系2で発生する渦電流に起因して生じ
る磁場影響を相殺する目的で設けられた演算要素であ
り、その伝達関数はA1・Hc(z)で与えられる。この
伝達関数においてA1は係数であり、離散系伝達関数Hc
(z)は後述される関係にもとづいて与えられる渦電流
を補償するための逆関数に対応した離散系の伝達関数で
ある。DAC12はデジタル演算部11で発生され出力
されるデジタル信号としての傾斜磁場波形信号をアナロ
グ信号に変換する機能を有する。F*はデジタル信号を
連続的なアナログ信号に変換する演算子または変換方法
であり、A2はその係数である。ドライバー部13はD
AC12で変換した信号を増幅し、これにより傾斜磁場
コイルを励磁するための電流信号Ioutとして出力す
る。伝達関数A3はそのための変換係数である。したが
って、VinからIoutに至る傾斜磁場発生系電源1全体
の伝達関数Hp(s)は次に示される(数4)で表され
る。
【0010】
【数4】 Hp(s)=A1・A2・A3・F*・Hc
(z) (数4)ではデジタル演算部11、DAC12及びドラ
イバー部13の応答は理想的としたが、実際上後述され
る傾斜磁場発生系2における渦電流効果発生部の応答速
度よりも高速にすることができるので上記のように理想
化して取り扱うことは可能である。次いで傾斜磁場発生
系2について説明する。傾斜磁場発生系2において、2
1は電流−磁場変換部、22は渦電流効果発生部、23
は加算器であり、この加算器23ではこれに直結された
電流−磁場変換部21の出力G0と渦電流効果発生部2
2の出力Geとの和が求められる。傾斜磁場発生系2が
かかる構成で表現されるのは、傾斜磁場発生系2は渦電
流効果がない場合の傾斜磁場G0と渦電流にもとづいて
発生する反対極性の磁場Geとの和として表現できるか
らである。電流−磁場変換部21は実際上は傾斜磁場コ
イルを意味し、電流信号Ioutを入力し、この電流信号
で励磁されて所要の傾斜磁場を発生する。B1は励磁電
流Ioutと傾斜磁場G0との間を関係づける変換係数であ
る。また、傾斜磁場Goutは実際には渦電流による磁場
の作用を受けるため、図示の如く渦電流効果発生部22
を信号ブロックとして含ませる必要がある。渦電流効果
発生部22の伝達関数B2・He(s)は渦電流に起因し
て発生する磁場を伝達関数として表したものである。そ
こで、図1にもとづき傾斜磁場発生系2において入力側
の電流信号Ioutと傾斜磁場Goutとの間の関係を決める
傾斜磁場発生系2の伝達関数HG(s)を求めると、次
の(数5)のようになる。
【0011】
【数5】HG(s)=B1・{1+B2・He(s)} したがって、電流出力命令Vinから傾斜磁場Goutに至
る伝達関数HT(s)は、前記(数4)と(数5)とに
より次式(数6)で与えられる。
【0012】
【数6】 HT(s)=A1・A2・A3・B1・F*・HC(z)・{1+B2・He(s)} 電流出力命令Vinで指示される波形を傾斜磁場Goutが
有するためには、傾斜磁場発生系用電源1のデジタル演
算部11とDACにおける係数A1とA2を除いた伝達関
数要素F*・Hc(z)が、傾斜磁場系2の係数B1を
除いた伝達関数要素の逆関数となる必要がある。この関
係を次式(数7)に示す。
【0013】
【数7】 F*・Hc(z)=1/{1+B2・He(s)}
【0014】渦電流補償部が上記
【数7】を満足すれば傾斜磁場系2における渦電流の効
果は完全に除去することができる。このように、上述し
た原理を磁気共鳴イメージング装置に適用すれば渦電流
の補償を高精度で行うことができるので、磁気共鳴イメ
ージング装置の画像として良質なものを得ることができ
る。電磁気学の理論に従えば、渦電流を支配する偏微分
方程式は次の(数8)と(数9)に示される通りであ
る。
【0015】
【数8】△He=(4・π・μ・σ/c2)・(∂He/∂t)
【0016】
【数9】∇×He=(4π/c)・Je ここで、上記式における μ,σ,c,He,Jeは、
それぞれ透磁率,導電率,光速度,磁場ベクトル,電流
密度ベクトルを表し、演算子△,∇はそれぞれラプラシ
アンとナブラを表している。上記の(数8)は渦電流が
作り出す磁場しか考慮に入れていないので、さらに下式
の如く渦電流をつくる源としての外磁場の項を付加する
必要がある。
【0017】
【数10】 △He=(4・π・μ・σ/c2)・(∂He/∂t) −(4・π・μ・σ/c2)・(∂H0/∂t) この(数10)におけるHe,H0を場所の関数と時間の
関数とに変数分離して、場所の関数に対してフーリエ変
換を施し、時間の関数に対してラプラス変換を施し、そ
の係数を整理すれば、次の(数11)を得ることができ
る。
【0018】
【数11】 Hm(p,q,r)・Le(s)=K・{Ts/(Ts+1)} ・H0(p,q,r)・L0(s) この(数11)にもとづけば、渦電流効果を含んだ傾斜
磁場発生系2を集中定数回路系として取り扱う場合にお
いて、入力L0(s)に対する出力Le(s)は、次の
(数12)で示されることが明らかとなる。
【0019】
【数12】He(s)=K・Ts/(Ts+1) また、渦電流が流れる磁石部材の個数、形状、境界条件
を考慮すると、次式(数13)が総合的な渦電流効果を
表す伝達関数として与えられる。
【0020】
【数13】 (数13)を(数5)に代入すると、次の式が得られ
る。
【0021】
【数14】 この式に負符号を付したのは渦電流を発生させる磁場が
元となる傾斜磁場に対し反対の方向を向いているからで
ある。以上の説明で明らかなように、(数7)に示され
る如く、渦電流の効果を含む傾斜磁場発生系2の伝達関
数(数5)を原関数とする逆関数を傾斜磁場発生系電源
1のデジタル演算部11とDAC12において発生させ
れば、理論的に完全な渦電流補償が可能となる。次に図
2、図3を用いて、傾斜磁場発生系2の電流−磁場変換
部21としてアクティブ・シールド型傾斜磁場コイルを
使用する際の補償方法を説明する。図2はアクティブ・
シールド型傾斜磁場コイル(以下ASGCと称す)21
0を使用する際の渦電流発生の概略説明を行うもので、
ASGCは被測定空間214を取り囲むように、インナ
ーGC211とアウターGC212から構成され、磁石
ボア内に実装されており、従って、磁石内部の導電性部
材 213に囲まれている。ASGCは、インナーGC
211が発生する磁界H0とアウターGC212が発生
する磁界H1を足し合わせたものが、磁石内部の導電性
部材213において零となるようにコイル形状,寸法等
が決められていおり、磁石内部の導電性部材213上に
は渦電流は誘起されないので、傾斜磁場波形の歪みは発
生せず磁気共鳴イメージング装置として理想的な傾斜磁
場を発生せず、渦電流補償は必要がない。なお、GCは
傾斜磁場コイルを表す。
【0022】しかしながら、実際には導電性部材は1個
ではなく、超電導磁石の場合、20K熱シールド,80
K熱シールド,真空容器など複数個存在することやコイ
ル製作誤差があるために、図2に示すようにインナーG
C211が導電性部材に誘起する渦電流に起因して発生
する磁界He1と、アウターGC212が導電性部材に誘
起する渦電流に起因して発生する磁界He2が、測定対象
空間に存在するので、所定の性能を達成するためには渦
電流補償が必要となる。図3はASGCを用いた際に行
う渦電流補償を説明するもので、図3の(a),(c),
(d),(e),(b),(f)はそれぞれインナーGC2
11の発生する磁場H0の波形,はアウターGCが発生す
る磁場H1の波形,H0に起因して発生する渦電流効果に
よる磁場He0の波形,H1に起因して発生する渦電流効果
による磁場He1の波形、傾斜磁場電源1がASGC21
に流す励磁電流Ioutの波形及び測定対象空間での総合
的の斜磁場HTの波形を示している。このように総合の
傾斜磁場HTの波形のようにオーバ・シュートするのは
前述した理想状態からのずれによる。本図ではオーバ・
シュート波形の場合を示したが、磁石構造及びASGC
の巻き線形状によりアンダー・シュート波形となる。こ
れは、インナーGC211と導電性部材 213との間
の距離(d2−d0)、アウターGC212と導電性部材
213との間の距離(d2−d1)、インナーGC211
と測定対象空間214との間の距離d0及びアウターG
C212と測定対象空間214との間の距離d1にも依存
する。従って、傾斜磁場電源2の渦電流補償部の機能と
しては、アンダー・シュート波形だけでなくオーバー・
シュート波形が発生する際にも補償を実行出来なければ
ならない。このことは、(数14)における渦電流効果
の係数kiが1>ki>−1のように負値をとる場合があ
ることを示しているので、渦電流補償部はこれに対応す
る逆関数を発生出来なければならない。ここで、kiの
下限値を−1,上限値を1としたのは、渦電流効果によ
り発生する磁界は受動的な発生原理である電磁誘導で発
生し、発生の源であるインナーGC211またはアウタ
ーGC212の作り出す磁界よりも小さいからである。
【0023】図4と図5を用いて、渦電流補償のための
逆関数を発生させるように構成した傾斜磁場発生系電源
1の、デジタル信号演算部とDAC部の構成を具体的に
説明する。
【0024】図4において、中央処理部72で磁気共鳴
イメージング装置全体の運営及び管理を行い、操作部7
3により装置の操作を行い撮影結果を表示部74に表示
する。シーケンス制御部71は撮影シーケンスの発生及
びデータの取り込みを行い、傾斜磁場電源1に傾斜磁場
波形に関するデータを送り、傾斜磁場電源1が出力する
励磁電流により電流磁場変換部(GC)21は所定の傾
斜磁場波形を発生する。さらに、シーケンス制御部71
はNMR現象を引き起こすRF(高周波)パルスデータ
をRFパルス発生部53に出力し、RFアンプ52で増
幅しRFコイル50により、静磁場発生装置60により
発生される静磁場中に配置される被検体への照射を行
う。この照射により発生したNMR信号をRFコイル5
0と受信機51で受信し、シーケンス制御部71に送
る。図5において傾斜磁場発生系電源1のデジタル演算
部11とDAC部12を示し、上述のシーケンス制御部
71から一定の時間間隔で送られてくる傾斜磁場の波形
データであるデジタル信号Vinを処理し、渦電流補償の
逆関数を発生する構成を説明する。Vinをラッチ113
で一時的に受け、このデータをDSP(デジタル信号プ
ロセッサ)111は内部に取り込んでデジタル演算処理
を行い渦電流の逆関数を発生する。演算式、アルゴリズ
ムに基づいたプログラム及び演算に必要なパラメータは
メモリ112に保存してあり、DSPはこのメモリ11
2の内容に従って演算動作を行う。DSP111による
計算の結果はラッチ114とラッチ115に送られ、そ
れぞれ波形信号発生のDAC121とゲイン可変のため
の乗算型DAC122に送られる。このようにDSP1
11の出力データを波形データとゲインデータに分けて
出力する理由は、MRイメージングに必要な傾斜磁場の
分解能の達成には、渦電流補償分を上乗せする必要があ
るためであり、このビットの上乗せはDSP内の演算器
のビット数を大きくすることにより達成される。図5に
おいて、傾斜磁場入力データは16ビットで、これをも
とにしてデジタル演算を行うDSPの演算ビット数は2
4ビットである。上記で必要なゲインの可変は乗算型D
AC122と演算増幅器123により達成され、コンデ
ンサC1は、乗算型DAC122と演算増幅器123で
構成される可変ゲイン部の安定性を持たせるために用い
る。マルチプレキサ116と117はデータ・バス切り
替えの目的で設ける。マルチプレキサ116はシーケン
ス制御部71からのデータVinやメモリ112の内容
を、中央演算処理部72で読みとれるようにする目的で
設ける。これにより、シーケンス制御部の動作をリアル
タイムで自己診断のためのモニターが可能となり、信頼
性の高い動作が可能となる。また、マルチプレキサ11
7は、中央演算処理部が演算式、アルゴリズムに基づい
たプログラム及び演算に必要なTi,ki,Nなどのパ
ラメータをメモリ112に書き込めるようにするために
設けられており、これにより傾斜磁場環境の変化や変更
に伴う補正演算式,プログラム及びパラメータの変更が
自在に可能となる。図6と図7において、渦電流補償に
用いるデジタル系渦電流補償関数をインパルス不変法を
用いて連続系の渦電流関数から発生させる信号フロ−を
得る方法を説明する。
【0025】図6(a)は渦電流発生要素の数Nが2個
の場合におけるの渦傾斜磁場系の伝達関数(数14)を
用いて、電流補償のための逆関数を発生させる信号フロ
−を示す。入力INは加算演算要素200に入力し、別
の加算演算要素201の出力と加算され、出力OUTを
発生する。ここで、加算演算要素201の出力は渦電流
発生要素が2個の場合における渦電流の発生を表す2個
の不完全微分演算210と211の出力を加算演算要素
201により加算して得られたものである。また、これ
らの不完全微分要素の入力としては、出力OUTをゲイ
ン要素220によって2倍したものを用いる。図6
(b)は図6(a)を変形してデジタル演算の可能な関
数に変換しやすいようにしたものである。図6(a)に
おける2個の不完全微分要素210、211をゲイン2
21、222と加算演算要素202、203と1次遅れ
要素212、213とで表している。
【0026】インパルス応答不変法にもとづいたラプラ
ス関数のZ関数への変換は次の式(数15)に示す変換
であることが知られている。
【0027】
【数15】 (1/Ti)/(s+1/Ti) →(1/Ti)/{1−exp(−Ts/Ti)・1/Z} ここで、Tはサンプリング時間間隔 Tiは時定数 i=1,2 図6(a)におけるラプラス変換で表した1次遅れ要素
212と213について(数15)の関係を用いると、
図7(a)が得られる。ここでは、図6(b)の加算演
算要素200、201、202、203はそれぞれ加算
演算250、251、252、253に置き換えられ、
ゲイン要素220、221、222はそれぞれ乗算26
0、261、262に置き換えられる。
【0028】図7(b)は図7(a)の演算要素270
を乗算264、266と加算254と1回サンプリング
遅れ280に分解して表し、図7(a)の演算要素27
1を乗算265、267と加算255と1回サンプリン
グ遅れで表し、前記DSP111によるデジタル演算が
可能なように変形したものである。ここで、1/Z28
0、281は1次サンプリング期間の遅れ要素、Tsは
サンプリングの時間間隔を示す。第L番目のサンプリン
グデ−タINが加算演算251の結果と加算演算250
で加算され、第L番目の出力OUTを発生する。また、
加算演算251の入力は図7(b)に示す信号フロ−に
従って演算される。
【0029】このようにインパルス不変法を用いて図7
(b)に示す信号フロ−を得ればデジタル演算に容易に
渦電流補償の逆関数を得ることが出来る。また、Mをサ
ンプリング時間間隔Tsと演算時間Topで(数16)
の関係で制限される最大の正整数と定義する。
【0030】
【数16】Ts/Top≧M 図6と図7では渦電流の要素数Nが2個である場合を示
したが、上述の手法を用いることにより要素数Nを0個
からM個まで変えることが出来るので、傾斜磁場環境の
変更及び変化に対する対応が自在に出来る。
【0031】上記では、インパルス不変法にもとづいて
連続系伝達関数からサンプリング系伝達関数を得たが、
ほかにもステップ不変法、双線形変換法及び最少自乗法
に基づいたFIR系伝達関数への変換などの方法がある
が、デジタル演算の柔軟性により適用出来るので、サン
プリング関数への諸々の変換方法は本発明を制限するも
のではない。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、自在に渦電流補償の伝達関数を発生し、かつ高
精度の渦電流補償を行うことができる磁気共鳴イメ−ジ
ング装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく一実施例の磁気共鳴イメ−ジ
ング装置の主要部である渦電流補償の原理を説明するた
めのブロック図
【図2】傾斜磁場発生系の電流−磁場変換部としてのア
クテイブ・シ−ルド型傾斜磁場コイル周辺の断面図
【図3】本発明にもとづく、渦電流補償を説明するため
の各部の発生磁場及び電流波形を示す図
【図4】本発明にもとづく一実施例の磁気共鳴イメ−ジ
ング装置のシステム構成図
【図5】本発明にもとづく一実施例の磁気共鳴メ−ジン
グ装置の傾斜磁場発生系用電源の渦電流補償部であるデ
ジタル演算部とDAC部を説明するためのブロック図
【図6】本発明にもとづく渦電流補償用逆関数を発生す
るための信号発生フロ−図
【図7】本発明にもとづく渦電流補償用逆関数を発生す
るためのもう一つの信号発生フロ−図である。
【符号の説明】
1・・・傾斜磁場発生系用電源、11・・・デジタル演
算部、111・・・DSP、112・・・メモリ、11
3、114、115・・・ラッチ、116、117・・
・マルチプレキサ、12・・・DAC部、121・・・
DAC、122・・・乗算型DAC、123・・・演算
増幅器、13・・・ドライバー部、2・・・傾斜磁場発
生系系、21・・・電流−磁場変換部、211・・・イ
ンナーGC、212・・・アウターGC、213・・・
導電性部材、214・・・測定対象空間、22・・・渦
電流効果発生部、23・・・加算、50・・・RFコイ
ル、51・・・RF受信機、52・・・RFアンプ、5
3・・・RFパルス発生部、71・・・シーケンス制御
部、72・・・中央演算処理部、73・・・操作部、7
4・・・表示部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体が配置される静磁場を発生させる手
    段と、その静磁場に重畳されるべき傾斜磁場を発生させ
    る手段と、高周波パルスを発生させる手段と、前記被検
    体を励起してこの被検体から核磁気共鳴信号を発生させ
    るように前記傾斜磁場の存在下で前記被検体に前記高周
    波パルスを印加する手段とを備え、前記傾斜磁場発生手
    段は傾斜磁場発生系とこの傾斜磁場発生系用電源とを備
    え、前記傾斜磁場発生系は前記傾斜磁場にもとづく渦電
    流が発生するように構成されており、前記傾斜磁場発生
    系用電源は前記傾斜磁場発生系の、前記渦電流の発生を
    考慮に入れた伝達関数の逆関数を表すデジタル信号を発
    生させる手段とそのデジタル信号をアナログ信号に変換
    し、増幅する手段とを備えていることを特徴とする磁気
    共鳴イメ−ジング装置。
  2. 【請求項2】被検体が配置される静磁場を発生させる手
    段と、その静磁場に重畳されるべき傾斜磁場を発生させ
    る手段と、高周波パルスを発生させる手段と、前記被検
    体を励起してこの被検体から核磁気共鳴信号を発生させ
    るように前記傾斜磁場の存在下で前記被検体に前記高周
    波パルスを印加する手段と、前記核磁気共鳴信号にもと
    づいて前記被検体の像を生成する手段とを備え、前記傾
    斜磁場発生手段は傾斜磁場発生系とこの傾斜磁場発生系
    用電源とを備え、前記傾斜磁場発生系は前記傾斜磁場を
    発生させるコイル部と前記傾斜磁場にもとづいて渦電流
    が発生する渦電流発生部とを備え、前記傾斜磁場発生系
    用電源は前記傾斜磁場発生系の、前記渦電流の発生を考
    慮に入れた伝達関数の逆関数を表すデジタル信号を発生
    させる手段とそのデジタル信号をアナログ信号に変換
    し、増幅して、前記コイル部に導くドライバ−部とを備
    えていることを特徴とする磁気共鳴イメ−ジング装置。
  3. 【請求項3】前記デジタル信号は次の式で与えられる、
    前記傾斜磁場系の伝達関数HG(s)の逆関数を離散系伝達
    関数に変換して得られることを特徴とする請求項2に記
    載されたイメ−ジング装置 ただし、1>ki>−1,Ti≧0,N≧0 ここで、Kiは渦電流の大きさを表す係数、Tiは渦電
    流の時定数、sはラプラス変数、Nは前記コイル部の渦
    電流発生要素の数、B1は前記コイル部の変換係数、B
    2は前記渦電流発生部の伝達関数の係数である。
  4. 【請求項4】前記ki及び前記Tiは可変であることを特
    徴とする請求項3に記載された磁気共鳴イメージング装
    置。
  5. 【請求項5】前記Nが可変であることを特徴とする請求
    項3に記載された磁気共鳴イメージング装置。
  6. 【請求項6】前記デジタル信号発生部の出力デジタル信
    号の1サンプルを構成するビットは波形成分とゲイン成
    分に分けて出力されることを特徴とする請求項3に記載
    された磁気共鳴イメージング装置。
  7. 【請求項7】前記波形成分はデジタル−アナログ(D
    A)変換器に送られ、前記ゲ−ン成分はゲイン可変の可
    変増幅器に送られることを特徴とする請求項6に記載さ
    れた磁気共鳴イメージング装置。
  8. 【請求項8】前記離散系伝達関数は有限インパルス応答
    (FIR)フイルタ−関数で近似して得られることを特
    徴とする請求項3に記載された磁気共鳴イメージング装
    置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100311074B1 (ko) * 1997-06-30 2001-12-28 윤종용 엠알아이(mri)장치
JP2002085369A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Toshiba Corp 磁気共鳴システムの渦補償装置及び渦補償方法
JP2002510399A (ja) * 1998-03-30 2002-04-02 ヴァリアン インコーポレーテッド デジタル渦電流補償
KR100463461B1 (ko) * 1996-12-30 2005-05-27 제너럴 일렉트릭 캄파니 얻어진자기공명영상에서공간세기의비균질성을보정하는방법
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