JPH07170721A - 超伝導モーター、超伝導マグネット装置、超伝導アクチュエーター、超伝導線のクエンチ検出方法及び超伝導線 - Google Patents

超伝導モーター、超伝導マグネット装置、超伝導アクチュエーター、超伝導線のクエンチ検出方法及び超伝導線

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JPH07170721A
JPH07170721A JP4191367A JP19136792A JPH07170721A JP H07170721 A JPH07170721 A JP H07170721A JP 4191367 A JP4191367 A JP 4191367A JP 19136792 A JP19136792 A JP 19136792A JP H07170721 A JPH07170721 A JP H07170721A
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超伝導体を線材化が不要で、簡単な構成で高
速回転、回転数制御が可能で高トルクであり、効率の良
い超伝導モーターを提供すること等。 【構成】 超伝導体を含むローターと、ローターを超伝
導転移温度以下まで冷却する手段と及びローター部に磁
場分布を作り、且つその磁場分布をローターの回転軸の
回りに回転させる手段とを有する事を特徴とする超伝導
モーター等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】以下発明ごとに説明する。 (1)第一の発明 本発明は、第2種超伝導体の超伝導状態の性質を利用し
て超伝導体を含む物体を回転させるモーターに関し、エ
ネルギー貯蔵にも応用することが出来る超伝導モーター
に関する。 (2)第二の発明 本発明は、超伝導マグネット装置の電磁力及び熱収縮力
及び自重を支持するクエンチし難い超伝導マグネット装
置の支持構造に関する。 (3)第三の発明 本発明は、超伝導体の超伝導状態の性質を利用して物体
を搬送又は回転させる超伝導アクチュエータに関する。
本発明は、搬送装置のみならず、モーター、フライホイ
ール等に利用可能である。
【0002】(4)第四の発明 本発明は、超伝導コイル、超伝導マグネット或は超伝導
ケーブル等に用いられる超伝導線のクエンチ、即ち通電
時における何らかの原因による超伝導状態から常伝導状
態への転移や、発生する電磁力等により生じる断線等の
超伝導線の異常を検出する方法に関する。 (5)第五の発明 本発明は、超伝導コイル、超伝導マグネット或は超伝導
ケーブル等に使用する超伝導線に関する。
【0003】
【従来の技術】(1)第一の発明 従来、超伝導モーターとしては、一般のモーターの永久
磁石部を単に超伝導コイルに代えたモーターや、超伝導
のマイスナー効果を用いてローターを浮上させ摩擦を低
減させたもの、又はピンニング力を用いて同様に浮上さ
せて回転させたものがフライホイールとして知られてい
る。 (2)第二の発明 従来、超伝導マグネット装置の超伝導コイルは、図12
に示す様にコイル両端のフランジと両フランジを結合す
る円筒型の巻き芯により固定され、電磁力及びコイル重
量を支持する構造であった。この様な構造では電磁力を
支持する力は、超電導線材に予め加えられている張力に
頼らざるを得なかった。又、含浸硬化型の超伝導コイル
においては、含浸レジンにより電磁力を支持するもので
あった。
【0004】(3)第三の発明 従来の超伝導を用いたアクチェエータとしては、主に超
伝導を線材化して超伝導マグネットとし、それを利用す
るものであった。超伝導をバルク材のまま利用する方法
としては、超伝導体のピンニング力を用い、超伝導体の
上に磁石を置き回転させるフライホイールや、マイスナ
ー効果を用い物体を搬送する搬送装置等が知られてい
る。搬送装置の例として、以下に藤田氏によって開発さ
れたアクチュエータを説明する(電磁力応用機器のダイ
ナミックス、コロナ社P−122〜123参照)。図1
8に示す様に、ステータ11の上面には、所定の間隔に
おいて複数の超伝導体1が埋設されている。ステータ1
1の、各超伝導体1が埋設されている面に対向して、下
面に複数の永久磁石9が超伝導体と異なったピッチで埋
設されたスライダ10が配置される。
【0005】超伝導体1が、その臨界温度以下の温度ま
で冷却されて超伝導状態になると、超伝導体1が永久磁
石9からの磁束を排除しようとする、いわゆるマイスナ
ー効果により、永久磁石9と超伝導体1とが互いに反発
しあい、スライダ10はステータ11から浮上する。こ
こで個々の超伝導体と永久磁石を見ると斜めの力も働い
ているが、全体としては横方向の力は打ち消されて浮上
している。次に特定の一部の超伝導体を電流等により常
伝導状態へ転移させると、打ち消されていた横方向の力
が復活し、スライダ10を水平方向に駆動させることが
出来る。
【0006】(4)第四の発明 従来、超伝導コイル、超伝導マグネットにおけるクエン
チは、これらコイルやマグネットの端子電圧を測定する
ことにより検出されていた。即ち、この方法は、何らか
の原因で超伝導線が超伝導状態から常伝導状態に転移す
ると転移部分に電気抵抗が生じる為、マグネットやコイ
ルの端子電圧が大きくなることを利用していた。又、マ
グネット等に通電すると電磁応力が発生し、この為に超
伝導線が機械的に変位をする為、この変位を圧電素子に
より検出することも行われていた。
【0007】(5)第五の発明 従来の超伝導線は、用途により多少構成が異なるが、一
般に、超伝導体の外側に低抵抗体が取り付けられてお
り、この様な超伝導細線が複数個支持体の内部に配置さ
れて形成されている。この際に使用される超電導体の直
径は、例えば、直流マグネットでは1〜10μmのオー
ダーであり、交流用ではこれらより一桁程度細かいもの
が一般的である。又、超伝導体材料としては、現在Nb
SnとVGaの2種類が代表的な材料であり、Nb
Ti等でも実用化の検討が進められている。又、低抵
抗体材料としては、例えば、Cu、Al等が、支持体材
料としてはCu、エポキシ樹脂等が代表的なのもであ
る。以上の様な超伝導線は、近年その作成方法の進歩に
より、直流用、交流用共に実用レベルの性能が得られる
様になってきている。この為、18T(テスラ)程度以
下の超伝導マグネット等は比較的再現性よく製造するこ
とが出来る。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】(1)第一の発明 しかしながら、従来例の一般的モーターの磁石部を超伝
導コイルとしたものでは、超伝導体を線材化しコイルと
せねばならず、又、ブラシ等の機械的接触部がある為、
回転速度にも制限があった。又、マイスナー効果を用い
るモーターは、マイスナー効果による浮上力が弱い為、
ローターの重さにかなりの制限があった。又、ピンニン
グ力を用いたモーターの従来材術の原理図を図3に示
す。図中1は超伝導ローター、図中2は永久磁石、3は
回転軸である。この様な構成では、確かに浮上力や浮上
位置の保持はマイスナー効果を利用したものに比べ向上
しているが、回転駆動部を回転軸の別の部分に設けねば
ならないことは、マイスナー効果を用いたモーターと変
わりはなく、モーターの大きさが大きくなり、又、回転
駆動部に機械的接触がある場合は回転速度等に制限がで
てくる。又、逆にこの様なモーターでは、回転の減速や
停止も制御性が悪いものであった。従って本発明の目的
は、上記従来技術の問題点を解決し、超伝導体を線材化
が不要で、簡単な構成で高速回転、回転数制御が可能で
高トルクであり、効率の良い超伝導モーターを提供する
ことにある。
【0009】(2)第二の発明 従来の超伝導コイルは極低温下で利用される為に、巻き
枠及び超伝導コイル共に極低温で熱収縮し、その熱収縮
率の違いにより予め室温において超伝導コイルの発生す
る電磁力を支える為に印加されていた超電導線材の張力
が有効に作用しなかった。その為にコイル通電時に超伝
導コイルが動き、クエンチし易いと云う問題点があっ
た。又、含浸硬化型の超伝導コイルにおいても、上記熱
収縮率の違いによって含浸レンジに加わる応力と、超伝
導コイルの発生する電磁力の両方により含浸レジンのひ
び割れやフランジ面と含浸レジンの剥離が発生し、クエ
ンチし易いと云う問題点があった。従って本発明の目的
は、上記熱収縮及び電磁力に起因するクエンチを生じさ
せにくい超伝導マグネット装置を提供することにある。
【0010】(3)第三の発明 しかしながら、上述した従来技術は、以下に述べる問題
点を有する。マイスナー効果を用いたアクチュエータで
は力が弱く、重い物質を移動させるのが困難なばかりで
なく、浮上もしなくなり、小型のアクチュエータに利用
が限られる。又、アクチュエータ自身が水平でなければ
ならず、傾斜している面内の駆動は困難である。又、ピ
ンニングを利用したフライホイールでは大型の応用が考
えられるが、磁石を浮上させているだけなので、他の駆
動方式と合体させて利用せざるを得ない。又、大型の超
伝導体を利用する場合、超伝導体内部まで冷却するのに
時間がかかるという問題があった。従って本発明の目的
は上記問題点を解決し、超伝導体を線材化する必要がな
く、駆動力及びトルクが大きく、大型の超伝導体の冷却
時間を大幅に短縮させ、更に位置制御性が良いアクチュ
ェータを提供することにある。
【0011】(4)第四の発明 しかしながら、上記した端子電圧を測定する方法は簡単
であるが、端子電圧が検出される為には、クエンチした
部分がある程度大きくならないと検知出来ないという問
題がある。即ち、検出される端子電圧はマグネット仕様
にもよるが、各種雑音の影響から液体ヘリウムを冷媒と
して使用した場合、一般には0.1V程度以上の端子電
圧が必要である。ところで、近年発見された酸化物光超
伝導体を用いて超伝導コイルや超伝導マグネットを構成
した場合、使用温度は液体窒素温度になる。又、この場
合は超伝導体がセラミックスである為、長尺の超伝導線
を考えると必ず局所的な欠陥があると考えられ、超伝導
コイルや超伝導マグネット等の設計においてはクエンチ
を考慮した安全設計が要求される。しかし、超伝導線を
Cu、Al、Ag等で安定化したとしても、Cu等の液
体窒素温度での電気抵抗、比熱、熱容量を考えるとクエ
ンチによるマグネット等の損傷を防ぐ為には、検出する
端子電圧は10−2V程度になる(Y.Iwasa et al.,Cry
ogenics,Dec.,Vol.31,p711(1980))。この値は、液体ヘ
リウム温度での場合の1/10以下であり、端子電圧を
測定する方法は、液体窒素温度でのクエンチの検出には
不適当である。
【00012】又、圧電素子による検出方法もコイル、
マグネット全体の振動を検出するのには有効であるが、
酸化物超伝導体を使用した場合には、例えば、YBa
Cu7−xでは1000J/mK(77K)、
NbTiでは0.5J/mK(4.2K)とその熱
容量が大きい為、例えば、NbTi等の従来の超伝導
材料よりも微小領域におけるクエンチを早期に検出しな
いとマグネットの損傷を防ぐことは出来ない。しかし、
この微小な部分の機械的変位を正確に検出することは圧
電素子を超伝導線の全ての場所に配置しないかぎり困難
であり、超伝導線の全長にわたって圧電素子を配置する
ということは、信号の処理やコイル等の製造工程を考え
ると現実的ではない。更に、圧電素子にはその圧電特性
が温度により変化するという問題もある。
【0013】信頼性の高い超伝導コイル、超伝導マグネ
ット或は超伝導ケーブル等を作成する為には、それらの
製造技術の進歩もさることながら、動作時にクエンチを
より早い段階で検出し、マグネット等の損傷を防止する
ことが不可欠である。又、クエンチの原因は直流電流を
通電した場合は、それ以外の原因も考えられるが、電磁
応力による超伝導線の動きが大半であると言われてい
る。又、交流を通電した場合は、交流、特に50Hzの
商用超伝導線が開発されたのが1980年代であること
もあり、クエンチの原因については未だ不明な点が多
い。従って、クエンチのメカニズムを解明することも極
めて重要である。しかし、上記した様に従来の検出方法
は、簡単ではあるが、信頼性、特に、液体窒素温度(7
7K)に代表される液体ヘリウム温度(4.2K)より
高い温度領域には事実上適用出来ないという問題があ
る。
【0014】更に、クエンチの原因については種々議論
されているが、従来の超伝導線の異常検出方法がマグネ
ット等の全体での異常の有無を検出するものにすぎない
為、クエンチのメカニズム等を解明するには従来の検出
方法では不十分であるという問題もある。
【0015】従って、本発明の目的は、従来技術の問題
点を解決し、どの様な温度領域においても、極めて高精
度に異常を検出することが出来、且つクエンチの場所、
その場所の温度、更にはクエンチの経時変化までも短時
間で検出することが出来、クエンチのメカニズムの解明
にも寄与し得る超伝導線のクエンチ検出方法を提供する
ことにある。
【0016】(5)第五の発明 しかしながら、この様な超伝導マグネット等は、通電に
よる超伝導線の動き、磁場変動、各種材料のマイクロク
ラック発生によるひずみエネルギーの開放等、超伝導線
における擾乱による発熱を主な原因とする、超伝導マグ
ネット等の特性の不安定性という問題を有している。即
ち、これらの擾乱は、超伝導体を使用する限りある程度
避けられないものと考えられる。そして、擾乱による発
熱の為に、超伝導体は超伝導状態から常伝導状態に転
移、即ちクエンチし、この為、転移部分に電気抵抗が生
じて更に温度が上昇しマグネットが破損してしまうこと
も珍しくない。又、通電による超伝送線の動きは、電磁
応力によるものであるが、この応力も100MPa程度
になることもあり、場合によっては直径よりも大きな変
位が起きてしまう為、超伝導線が断線したり、安定化材
や支持体にクラックが生ずることもある。
【0017】従来の超伝導線では、上記の様な超伝導線
の異常をその両端の電圧を測定することで各種擾乱の有
無を判断していた。この際に検出される電圧としては、
超伝導マグネット等の仕様にもよるが、液体ヘリウムを
冷媒として使用した場合で、各種雑音の影響から、一般
には0.1V程度以上必要である。従って、検出される
端子電圧が0.1V程度以上になるまで異常発生部分が
大きくならないと検出出来ない為、異常の初期の段階で
の検出が困難でありマグネット等の破損を防止出来ない
こともしばしばあった。
【0018】更に、近年発見された酸化物伝導体を用い
る場合は、使用温度が液体窒素温度(77K)になる。
この場合には超伝導体がセラミックスである為、長尺の
超伝導線を考えると必ず局所的な欠陥があると考えら
れ、各種擾乱に対する安全対策がより重要になる。しか
し、安定化材を使用したとしてもNbSnと同じ様に
異常を検出しようとすると、酸化物超伝導体の熱容量等
から検出電圧は10−2V程度になる(Y.Iwasa et.a
l.,Cryogenics,Dec.,Vol.31,p711(1980))。この値は、
液体ヘリウムを使用した場合の1/10以下であり、液
体窒素温度での異常検出に上記の方法を適用することは
不適当である。
【0019】この為、酸化物超伝導体に代表される液体
ヘリウム温度より高い温度において使用される超伝導体
を、従来と同じ構造の超伝導線に使用することは難し
く、超伝導線の擾乱の初期段階で異常を検出することが
出来る様な構造の超電導線を開発することが要望されて
いる。更に、液体ヘリウム温度で使用した場合でも、従
来の構造の超電導線では異常の有無を判断することは出
来ても、その異常発生場所を特定することは難しく、且
つ異常のメカニズム解明に必要な各種データを得ること
も極めて困難であった。
【0020】従って、本発明の目的は上記の従来技術の
問題点を解決し、どの様な使用温度においても、超伝導
線の異常をその初期の段階から検出することが出来る機
能を有する超伝導線を提供することにある。又、本発明
の別の目的は、超電導線の異常の有無を検出出来る機能
を有するのみならず、その異常の発生場所を特定出来、
且つ異常のメカニズム解明に必要な各種データを得るこ
とが出来る超伝導線を提供することである。
【0021】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。 (1)即ち、第一の本発明は、超伝導体を含むローター
と、ローターを超伝導転移温度以下まで冷却する手段と
及びローター部に磁場分布を作り、且つその磁場分布を
ローターの回転軸の回りに回転させる手段とを有する事
を特徴とする超伝導モーターである。 (2)第二の本発明は、円筒型超伝導コイルにおいて、
外周のコイル半径方向の一部を支持する支持リングが、
コイル中心軸に対してテーパーを持った支持リングレー
ルに沿って可動することを特徴とする超伝導マグネット
装置である。
【0022】(3)第三の発明は、磁場を作用させて駆
動させる超伝導アクチュエータにおいて、超伝導材料内
に棒状の非超伝導領域部を有する超伝導アクチュエータ
であって、且つ該非超伝導領域中に磁束をトラップさ
せ、該磁束の位置及び若しくは角度を変えることにより
超伝導体自身或は該磁場発生部を駆動させることを特徴
とする超伝導アクチュエータである。 (4)第四の発明は、通電時における超伝導線の異常を
光化学的に検出する方法において、光ファイバーに光を
通して超伝導線の異常を検知することを特徴とする超伝
導線のクエンチ検出方法である。 (5)第五の発明は、超伝導体、低抵抗体、光導波材及
びこれらを支持する支持体とから構成されていることを
特徴とする超伝導線である。
【0023】
【作用】(1)第一の本発明 本発明の作用を図1及び図2を用いて説明する。図1及
び図2中において、1は超伝導ローター、3は回転軸、
4は磁力線を表す。図1はローターを回転軸に垂直な方
向から、又、図2は回転軸と平行な方向から見た図であ
る。常温中(冷却中又は冷却後でも可能)で、何らかの
磁場発生手段により、図1及び図2に示す様に超伝導ロ
ーター内に磁場を作り出す。ここで図2中の黒丸は紙面
上部から下部へ、×印は紙面下部から上部への磁束の向
きを表す。この時はローター及び磁束は回転していな
い。この状態でローターを該超伝導体の転移温度以下ま
で冷却すると、ローター内に侵入していた磁束は一部ロ
ーター外へ排除されるものの、大部分は超伝導体のピン
センター等にトラップされ固定される。これはいわゆる
ピン止めであり、第2種超伝導体はその侵入した磁束を
その位置に保持しようとする。次にローターにかけられ
ていたこの磁場分布をその形状はなるべく変えない様に
して、図2の様に回転させる。磁束が回転を始めると、
磁束からピンセンターにも回転力が加わり、その結果ロ
ーターも回転を始める。この様にして磁束の回転によ
り、超伝導モーターが実現出来る。
【0024】この際、ローターの冷却には、ローター外
周の気体の冷却や、回転軸からの熱伝導による冷却、
又、ローター外周に液体窒素、酸素、水素、ヘリウム等
を満たす事による冷却が可能である。又、磁場分布にお
いて、図1の様にローター内部の磁界強度をローター外
部より小さくする事により、軸方向及び軸と垂直方向へ
のブレを少なくする事が可能である。又、本発明の超伝
導ローターに用いる超伝導材料としては、原理的には第
2種超伝導体ならばいずれでも可能であるが、超伝導転
移温度の高さ及び強いピンニング力を考慮すると、銅酸
化物超伝導体のいわゆる123構造を有する材料が最適
である。この様な材料としては、LnBaCu
、LnSrCu3−X(Ln、C
a、Sr、Ba)Cu3−xが挙げられる。
ここでLnはY若しくはランタノイド元素若しくはその
混合物であり、MはTi、V、Co、Fe、Ga、G
e、Mo、W、Reの元素若しくはその混合物であり、
0≦X≦1、6<y<8である。更に特性が良くなる様
に、これらの材料に銀や白金等の貴金属を添加する事も
有効である。
【0025】又、更に、回転軸の軸受けに同様のピンニ
ング力の強い超伝導体からなる超伝導軸受けを使用する
と、ローターと外部とが非接触になり高速回転化及び無
麈化の点において有効である。 (2)第二の発明 本発明の作用を図9、図10及び図11を用いて説明す
る。図9及び図11は、本発明の超伝導マグネット装置
の断面図、図10は図9の超伝導マグネット装置の平面
図を示す。
【0026】本発明の超伝導マグネット装置は、図9に
おいて超伝導コイル1とそれを支持する支持リング2と
の熱収縮率の違いを、コイル中心軸に対してテーパーを
持った支持リングレール3に沿って支持リング2を可動
させることにより、室温と極低温下の両方で常にコイル
内径方向に加わる力を一定にしたものである。これによ
り熱収縮率の違いによるコイル内或は含浸レジンの加わ
る応力を一定に保つことが出来る。この応力の大きさを
許容値以下に保てる様に支持リング2の重量を設定すれ
ばよい。又、超伝導コイルへの通電時に発生するコイル
半径方向外向きに動く電磁力を、ボルト6で支持リング
2を固定して支持することにより、超伝導コイルが動く
ことによるクエンチを防止することが出来る。ボルト6
は図11に示す様に、ピストン7であってもよく、この
場合は電磁力に対応した支持リング2の上昇を抑える様
に、ピストン7に加える力を制御すればよい。この様な
構造とすることにより、本質的にクエンチし難い超伝導
マグネット装置を得ることが出来る。又、超伝導コイル
内径側には支持構造物はない為に、コイル内径を小さく
することが出来、その為にコンパクトな超伝導マグネッ
ト装置を得ることが出来る。
【0027】(3)第三の発明 本発明の作用を図16及び図17を用いて説明する。図
16はいわゆるピンニング現象の略図である。図中1は
第2種超伝導体、9は永久磁石、4は磁力線である。図
示の様に第2種超伝導体では磁場が超伝導体中に入り込
み、ピンニングセンターにトラップされる。このピンニ
ングセンターにトラップされた磁界を移動させてれば、
超伝導体も駆動させることが出来、その力はマイスナー
効果を利用したものよりはるかに大きい。しかし、超伝
導体における磁場分布の変化の度合いはそれほど大きく
は出来ず、その為、回転やスライドが容易に起きてしま
う。本発明はピンニングとマイスナー効果を併用して利
用するものであり、原理を図17に示す。図中1は穴の
あいたピンニングの強い超伝導体であり、その断面を示
している。穴は非超伝導体ならばよく、本当の穴でも、
非超伝導物質が入っていてもよい。穴の開いた超伝導体
での磁場分布はマイスナー効果により、図17の様に穴
の中に集中する。この状態で矢印の方向に磁界を移動さ
せると、穴の中とその周辺では大きな磁場分布の変化が
形成されている為、非常に強いピンニングによる作用が
働き、超伝導体1も矢印方向に駆動される。以上が本発
明の原理であるが、この非超伝導領域は、駆動方向に垂
直方向に棒状に形成されるのが望ましいが、駆動力以外
にブレ防止の為等の制動力が必要な場合には垂直以外の
穴や、曲がった棒状の穴を応用することが出来る。
【0028】又、冷却の効率を考慮すると非超伝導領域
は空間か若しくは熱伝導性の良い材料が好ましい。より
好適な条件としては、熱伝導率が10W・m−1・K
−1以上の銀、白金、金、銅、錫、タングステン、黄
銅、ステンレス等が好ましい。又、超伝導材料としては
強いピンニングが得られる材料が好ましく、YBa
、(Ln、Ca)SrCu3−x
(Ln=Y又はランタノイド元素、M=Ti、V、C
o、Fe、Ga、Ge、Mo、W、Re、0.05<x
≦1)等が挙げられる。 (4)第四の発明 本発明の超伝導線のクエンチ検出方法によれば、超伝導
線に沿ってその周囲に光ファイバーを取り付け、この中
に入射させた光の反射、透過、或いは散乱光を検出する
ことにより、どんな温度領域においても、極めて高精度
に異常を検出することが出来る。
【0029】又、本発明によれば、クエンチの場所、そ
の場所の温度、更にはクエンチの経時変化までも短時間
で検出することが出来る。図19及び図20は本発明の
原理を示す概念図である。図19において、1は光ファ
イバーであり、2は光ファイバーの一方から入射させた
光であり、4の方向へ透過する。超伝導マグネットを例
にして本発明の原理を説明すると、超伝導マグネットに
使用される超伝導線15は一般に図21(b)に示す様
な断面構造を有している。即ち、直径10−1〜10
μmの超伝導体10の周囲に低抵抗体11(安定化材と
いわれ、通常Cu、Al等が用いられる)が取り付けて
あり、更にその外側にはマトリックス材料12があり、
この様な構造の超伝導線15で図21(a)の様な構成
の超伝導体を形成する。これを所望の形状に巻くことに
より超伝導マグネットが形成される。
【0030】この様な超伝導体に電流を流すと、一本の
超伝導細線15の周囲には磁場が発生し、この為に各超
伝導細線15は電磁応力を受ける。この応力は(巻線
径)×(磁界)×(空間電流密度)の大きさで周方向の
引っ張り応力であり、マグネットの仕様により変化する
が、10MPa程度になることも珍しくない。従っ
て、マグネットに通電すると、この応力の為に各超伝導
線15は歪むことになる。この為、超伝導細線15は電
流量によってはその直径よりも大きな変位を起こし、超
伝導線15が動いてしまう。このとき、超伝導線15の
周囲に光ファイバーを取り付けておくと、光ファイバー
は超伝導線の動きにより図19から図20の様に変形す
る。もし、電磁応力の為に超伝導体やその周辺の安定化
材等における結晶歪みやクラックの発生或は超伝導体自
身の局所的欠陥等のいろいろな原因でクエンチが発生す
ると、その部分では超伝導状態から常伝導状態に転移す
る為に電気抵抗が生じ、発熱する。この発熱の為に光フ
ァイバーの変形はより大きくなる。
【0031】変形がなければ、光ファイバー中の光は図
19の様にファイバーの一方から他方へファイバー仕様
に従った透過率で進むが、変形が生じた場合には、図2
0に示す様にファイバーの一端から入れた光2は、変形
部分において、他端まで透過する透過光4と元に戻る反
射光3とに分かれる。ここで、光の進む速度は一定であ
るから、ファイバーに光を入れたときから反射光3が戻
るまでの時間を計測すれば、変形の起きた場所を確定す
ることが出来る。即ち、超伝導マグネットのクエンチ
は、反射光3の有無により判断出来ることになる。又、
変形が大きい時は反射光3は強くなり、他端に達する透
過光4の強度は弱くなる為、透過光4と入射光2の強度
の差により変形の大きさを検知することも出来る。
【0032】又、変形部分ではファイバー壁に対する光
の入射角が全反射条件とは異なる為、この部分ではラマ
ン散乱が生じ入射光2とは波長の異なるラマン光が、反
射光3或は場合によっては透過光4に含まれる為、反射
光3或は透過光4を分光器で分光することによりストー
クスラマン線とアンチストークスラマン線を検出するこ
とが出来る。従って、これらのラマン線の強度比を測定
することにより、変形部分の温度変化量を算出すること
が出来る。
【0033】本発明方法で使用する光ファイバーに入射
させる光の波長は全く制限がなく、例えば、〜1μmの
波長の半導体レーザー、〜500nmの波長のアルゴン
レーザー或は各種発光ダイオード等があり、パルス光が
望ましいが、連続光の場合にはチョッパー等でパルス化
を行えば全く問題はない。又、光源の強度は光検出器の
感度を考慮して適当に選択すればよい。光の検出にも特
に制限はなく、微弱な光検出には光電子倍増管、ストリ
ークカメラ、CCDカメラ、ボックスカー積分器等を使
用することが考えられる。尚、ラマン光の分離には、分
解能が10cm−1以下程度の性能の分光器を使用すれ
ばよい。
【0034】図22に本発明の測定方法の原理図を示
す。又、測定のタイミングチャートを図23〜25に示
した。図22において、5は超伝導マグネットであり、
光ファイバー1の内側に図21に示した様な構造の超伝
導線が巻いてある。光ファイバー1の両端以外は、不図
示の冷却装置により超伝導体の臨界温度より低い温度に
冷却してある。クエンチを検出する為の光源6は時間t
毎に発振するパルスレーザーであり、光検出器8およ
び9は、ゲート付き光電子倍増管等で光検出を行い不図
示のコンピューターで信号を処理する。パルス光はビー
ムスプリッター7で分けられ、一方の光は光ファイバー
1に他方は光検出器8に入射する。検出器8が光を検出
したときを時間ゼロとし、光ファイバーの長さをLとす
ると、t秒後に検出器9に光が到達する。尚、t
下記の式により求められる。ここで3×10(m/s
ec.)は光の速度である。 t(sec.)=L(m)/3×10(m/sec.) もし、マグネット5にクエンチがなければ、図23に示
した様に光検出器9は光をtsec.後に検出する
が、検出器8はこの間何も検出しないことになる。しか
しながら、超伝導線の中の一か所でクエンチが生ずる
と、図20の様にファイバーは変形し、この結果変形部
分からの反射光3が2×tsec.以内のtse
c.後に検出されることになる。従って、検出器8は図
23に示した様に、時間ゼロから2×tsec.を一
周期として、検出器9はt又は2×tsec.単位
で測定を行えばよい。
【0035】又、超伝導線の内部で複数の場所、例え
ば、2か所で同時にクエンチが生じた場合は、図25に
示した様になる。即ち、光ファイバーの入射口に近い場
所における変形部分からの反射光がtsec.後に、
遠い場所が(t+t)sec.後に検出器8で検出
される。検出器8と9が同じゲート間隔で動作している
場合、検出器9にはtsec.後に透過光が、更に、
変形部分間で折返してきた光がtsec.後に検出さ
れる。パルスレーザーの発振特性tをt>2×t
としておけば、tsec.だけ測定の遊び時間が生ず
るが、クエンチを起こした場所は、ビームスプリッター
7の位置から(t/2)×(3×10)mと((t
+t)/2)×(3×10)mの位置であること
がわかる。
【0036】更に、時間ゼロでの検出器8と、時間t
における検出器9或はクエンチのない時(例えば、通電
前)とクエンチが生じた時の時間tにおける検出器9
での光強度とから定性的に変形の大きさを判断すること
が出来る。 (5)第五の発明 本発明は、超伝導線を超伝導体、低抵抗体、光導波材及
びそれらの支持体で構成し、超伝導体の周辺に光導波部
分を設けこの中に光を入射させて、光導波部分の一端或
は両端で光検出を行うことを可能にすることにより、ど
の様な使用温度においても、超伝導線の異常の有無、異
常の発生場所等の各種の異常をその初期の段階から検出
することが出来る。図32に本発明の超伝導線の断面構
造の原理図を示す。図32に示した様に本発明の超伝導
線は、超伝導体1とその外側の低抵抗体である安定化材
2、光導波材3とその外側の放熱材(又は断熱材)4及
びこれらの支持体8とで構成されている。
【0037】超伝導体1と安定化材2は従来の超電導線
と同様の構造であるが、本発明の超伝導線は、光導波材
3が超伝導体の近傍に配置されていることを特徴とす
る。図33及び図34に、この光導波材3に光を入射す
ることにより超電導線の各種の擾乱が検出される原理を
示す。一般に、超電導線に電流を流すと、その周辺には
磁場が発生すると共に電磁力が発生する。この電磁力
は、例えば、超伝導マグネットの場合には、(巻線径)
×(磁界)×(空間電流密度)の大きさで周方向の引っ
張り応力となる。従って、通電することにより、超伝導
線はこの応力により歪むことになり、この歪みにより超
伝導体や安定化材或は支持材等で結晶歪みやマイクロク
ラック等を主原因にして、超伝導体が部分的に常伝導状
態に転移、即ちクエンチすると、その部分に電気抵抗が
発生し温度が上昇する。この温度上昇により超電導線は
さらに歪み、超伝導線が動くことになる。
【0038】本発明の超伝導線は、この超伝導体の動き
を利用したものである。即ち、本発明の超伝導線におい
ては、光導波材が超伝導線のごく近傍に存在する為、上
記の様な原理で超伝導線が動くと、部分的に光導波材が
変形する。超伝導線が全く変位しない場合には、光導波
材3にこの様な変形が生じない為、図33に示した様に
光導波材3に光13を入射するとその光は全て他端に到
達する。しかし、光導波材3に変形が生じた場合には、
変形部分から図34に示した様に反射光15が光の入射
口に戻ることになる。従って、本発明の超伝導線では、
この反射光15の有無、或は反射光15が入射口にもど
るまでの時間を測定することにより、超伝導線での各種
異常の有無や異常の発生場所等が検出出来ることにな
る。
【0039】本発明の超伝導線は、従来の超伝導線とほ
ぼ同じ作成方法で作成することが可能である。本発明の
超伝導線に使用する構成材料である、超伝導体、安定化
材及び支持体に関しては目的により選択する必要はある
が何等制限はない。従って、従来の超伝導線の作成方法
である、拡散法(表面拡散法、ブロンズ法、インサイチ
ュー法、粉末法等)、急冷法(溶融急冷法、高エネルギ
ービーム照射法等)、或は蒸着法等で本発明の超伝導線
を作成することが出来る。又、これらの中でどの方法で
作成するかは使用する材料により適宜選択すればよい。
本発明の超伝導線に使用する光導波材3についても、使
用する温度において光導波材3の光の透過率がゼロでな
いこと以外の制限はない。又、光導波材3の外側に設け
る放熱材又は断熱材4については、必要により使用しな
くてもよいことは言うまでもない。
【0040】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。 (第一の発明) 実施例1 図4は、本発明の第1実施例を示し、図中1は超伝導ロ
ーター、3は回転軸、7は界磁コイル、8はステーター
である。ローターはY0.8Ca0.2 SrBaCu
2.9Re0.17.2のTc=80Kの超伝導材に
BaCuO及びPtを分散させた材料である。
ローターの冷却には、冷却されたヘリウムガスを循環さ
せ、ローターを室温から15Kまで冷却することが出来
る様になっている。
【0041】本実施例はローターの回転軸に対して垂直
に磁場をかけるタイプの例である。先ず、図5におい
て、図4で示したモーターの動作原理を説明する。ロー
ターを冷却していく途中若しくは冷却前から図5に示さ
れている様に7a、7dに電流を流しておく。この際、
ローター部分において図で示された様な磁界が発生す
る。ローターが80K以下に冷却されると、この磁束は
ローター内にトラップされる。ローターが十分に冷却さ
れた後、7a、7dに流されていた電流を徐々に7b、
7eに移していく。そうすると界磁コイル7で作られる
磁界は図5の矢印で示されている方向、つまり時計回り
に回転する。そうすると、ローターの超伝導体内のピニ
ングセンターに力が働き、ローターも磁界の回転にあわ
せて回転を始める。7b、7eに電流が完全に移ると、
磁界、ローターとも60°回転している。次に7b、7
eに流れていた電流を7c、7fに移していく。この様
な電流操作を続けていくと、ローターに右回転をさせる
ことが可能となり、逆の操作をすれば左回転を行わすこ
とが出来る。この際、電流の増減は正弦波的に行えば回
転をスムーズにすることが可能であり、電流制御にPW
Mインバータを用いるのが良い。この様に作成した本発
明の超伝導モーターは、トルクが若干弱いものの、従来
の超伝導モーターに比べ、高速回転や速度制御が容易で
あり、又、小型化も可能である。
【0042】実施例2 次に、本発明の第2の実施例について説明する。図6は
モーターの断面図であり、図7は下部電磁石配列を示す
平面図である。図中1は超伝導モーター、3は回転軸、
9は駆動用電磁石、10、11は冷却用ガス入出用パイ
プ、12はベアリング用磁石、13はベアリング用超伝
導軸受けである。第2の実施例は、第1の実施例とは違
い、主な駆動用の磁界は図1及び図2と同様に回転軸方
向を向いている。図8は、ローター円周部の各電磁石9
a〜9r上での磁場の強さを示しており、+Bは上向
き、−Bは下向きであることを示す。次に第2実施例の
動作方法について説明する。先ず、ローターを中心に止
め、磁場を図8で示した様に印加する。この為には図6
における上下の電磁石の列9の電流を制御してやればよ
い。そうするとローター部に円周に沿ってN、S、N、
Sの4ケ所の磁場の部分が得られる。
【0043】この様な上下の電磁石で磁場をつくると、
図1の様なローター部上下でローター内部より強い磁界
が得られている。次にガス導入口10より十分に冷却さ
れた液体ヘリウムガスを注入する。実施例1と同様にロ
ーターが超伝導転移温度以下になると、そのまま磁束が
トラップされる。ローターが十分冷却された後、図8で
矢印方向、つまり図7において右回転方向に磁場分布が
動く様に各電磁石の電流制御を行う。以上の様にすると
磁場分布の回転に従い、実施例1と同様の原理によりロ
ーターが回転を始める。又、超伝導軸受け13も冷却さ
れているので、回転軸も回転以外の方向への振動は抑制
され、ベアリングの働きをする。本実施例は、第1の実
施例より構成上複雑であるが、トルクが大きくなる効果
があり、従来技術と比較しても、高速回転、回転数制御
及びトルクの点で優れている。又、磁場の強さがロータ
ー上下より内部で小さいので、ローターの上下の振動を
抑える事が出来る。
【0044】(第二の発明) 実施例1 本発明により超伝導マグネット装置の実施例を以下の図
9及び図10を用いて説明する。図9は本発明の超伝導
マグネット装置の断面図を示し、図10はその平面図を
示す。本発明による超伝導マグネット装置の構造では、
図9に示す様に超伝導コイル1の外周をコイル半径方向
内側に、その自重によって支持する支持リング2が、コ
イル中心軸とテーパーを持った支持リングレール3に沿
ってコイル中心軸と平行に移動可動になっている。これ
により室温から超伝導マグネット装置の動作する極低温
まで常に一定の力で超伝導コイル1を支持することが可
能になっている。つまり超伝導コイル1と支持リング2
の熱収縮率の違いを気にする必要がない。上記の様に極
低温下に冷却された超伝導マグネット装置に通電する場
合を次に説明する。通電時にはコイル半径方向外側に電
磁力が動き、コイルは膨脹しようとするが、その膨脹を
阻止する為に支持リングを通電していない状態での安定
位置にボルト6を用いて固定する。これにより過剰な力
を用いることなく超伝導コイル1を安定に支持すること
が可能となる。
【0045】本実施例ではエポキシ樹脂によって含浸硬
化した超伝導コイル1を使用したが、支持リング2との
接触部が絶縁されていれば、超伝導コイル1が含浸硬化
型である必要はなく、どの様な構造でもよい。又、支持
リング2、支持リングレール3及びボルト6は、オース
テナイト系ステンレス鋼よりなるが、非磁性金属材料で
あればどの様な材料であってもよい。更に、支持リング
2の形状は、超伝導コイル1と適切に接触するものであ
ればどの様な形状であっても良く、図10においてボル
ト6は、コイル中心軸に対して対称な位置に等間隔に6
個配置されているが、支持リング2を安定に固定可能で
あれば何個であってもよい。この様な構造によって超伝
導コイル1を支持することにより、冷却による含浸レジ
ン又は超伝導コイルに加わる応力を一定にすることが出
来、通電時に発生する電磁力による超伝導コイル1の膨
脹を阻止することが可能となる。この為含浸レジンのク
ラックによる歪みエネルギーの解放に起因するクエンチ
や、超伝導コイルが動くことによって生じる摩擦熱に起
因するクエンチを防止することが出来、本質的にクエン
チし難い超伝導マグネット装置装置となる。
【0046】実施例2 図11に本発明の他の実施例の断面図を示す。ピストン
7は実施例1のボルト6に対応しており、支持リング2
を介して超伝導コイル1の外周をコイル半径方向内側に
所望の圧力で加圧出来る様になっている。その為、支持
リング2の重量に関係なく超伝導コイル1を安定に支持
可能となる。その為、超伝導マグネット装置の一層の軽
量化を図ることが出来る。冷却時にはピストン7の圧力
を小さくして、熱収縮によりコイルに発生する応力を最
小限に止め、且つ含浸レジンのクラックを防止すること
が出来る。又、通電時には超伝導コイル1によって生じ
る電磁力に対応してピストン7に加える圧力を制御する
ことにより、超伝導コイル1の動きを封じ、クエンチを
防止する。更に、万一、超伝導コイル1に何らかの異常
が起きた場合にも、ピストンに加わる圧力を常時監視す
ることにより発見出来る様になっている。この様な構造
によって、コンパクトでクエンチし難い、安全性の高い
超伝導マグネット装置となる。
【0047】(3)第三の発明の実施例 実施例1 図13及び図14は、本発明を水平搬送装置に応用した
実施例であり、図13は上方から見た平面図であり、図
14は横方向から見た場合の断面図である。図中1はY
BaCuにYBaCuOを分散させたピン
ニングの強い超伝導体であり、2はその超伝導体に多数
開けた穴であり、3は駆動用の電磁石列であり、4はあ
る瞬間の磁力線を表している。次に、本実施例の動作に
ついて説明する。先ず、超伝導体1の温度が超伝導転移
温度以上の時に図14の様な磁界を電磁石列3により印
加しておく。この時超伝導体1はスペーサー等により電
磁石列3から少し浮かして置く。
【0048】次に超伝導体1を徐々に冷やしていく。超
伝導体が超伝導転移を始めると若干磁石線は超伝導内に
残されるものの、多くの部分はマイスナー効果により外
に排除され図14の様になる。この状態でスペーサーを
取り除いても、超伝導体1はマイスナー効果とピンニン
グ力がある為、その場に浮上している。次に電磁石列3
を制御する事により磁力線分布を右側へ移動させる。す
ると超伝導体1は主に穴2の側面から磁力線の左力を受
け、超伝導体1も右側へ移動す。本実施例は一定方向の
搬送に関するものであるが、ライン状の電磁石列を円形
の電磁石を敷き詰める事により、平面内に自由に搬送す
る装置も可能である。又、本実施例で、1度冷却された
超伝導体1はピンニング力により、上下への制動力が働
いているので全体を傾けても何ら問題はない。又、穴の
開いてない場合と比較して浮上力は殆ど変化しないが、
駆動力は数倍にまで高まった。
【0049】実施例2 図15は本発明を回転モーターに応用した例であり、ロ
ーター断面を示している。図中5はYSrCu
2・85Re0.15の組成の超伝導体製ロータ
ー、6はローター内に回転軸と垂直に埋め込まれた銅製
の回転駆動用の棒、8は駆動用の回転磁界である。駆動
方法は、実施例1同様に磁場をかけた状態で徐冷する。
この際、磁界の方向は棒6の方向と一致させておく。ロ
ーター5が超伝導転移温度以下になると、ローター内に
侵入していた磁力線の一部がローター外及び棒6内に排
除され、棒6内の磁場は強くなる。次に磁界をB→B´
へ回転させる。回転磁界はブランレス直流モーターや誘
導モーターに用いられているのと同様のPWMインバー
ターを応用すれば得ることが出来る。磁界が回転を始め
ると主に銅製棒6内に侵入していた磁束からピンニング
力とマイスナー効果によりローターへとトルクが与えら
れローターが回転を始める。ローターの回転速度や回転
方向は回転磁界を変える事により容易に制御することが
出来る。本発明のモーターは、穴の開いてないモーター
に比べ、トルク及び冷却効率ともに向上が見られた。
【0050】(4)第四の発明 実施例1 図22に本発明の測定方法を示した。光ファイバー1は
超伝導マグネット5の外周に、螺旋状に取り付けてあ
る。ファイバーの長さは300mである。光源6は出力
10mW(波長:488nm)のアルゴンイオンレーザ
ーである。又、7は50Hzで動作するチョッパーと、
2枚のビームスプリッターを中心に構成されている光学
系であり、入射した光は、ファイバー1への方向と、検
出器8及び14の方向にわけられる。この光学系7によ
り、アルゴンイオンレーザーからの光は20msec.
間隔のパルス光となり、そのパルス幅はチョッパーのス
リット幅により任意に設定出来るが、本実施例ではパル
ス幅がlmsec.になる様に設定した。
【0051】又、検出器8及び検出器9は、アルゴンイ
オンレーザー6からの光が検出器14に到達してから2
000psec.の間、ゲートが10psec.間隔で
10psec.だけ開き、その後、次のパルス光が到達
するまでゲートが閉じている様に不図示のコンピュータ
ーで制御する。超伝導マグネット5を冷却し、通電前に
上記のアルゴンイオンレーザー6を発振させて測定を行
った。この時には、検出器8には全く光信号は検出され
ず、検出器9は1000psec.後に光信号が検出さ
れた。次に、超伝導マグネット5に電流を流したとこ
ろ、検出器8にゲートが開いてから20psec.後、
即ち、2回目にゲートが開いた時に光が検出され、その
後2000psec.まで全て光が検出された。又、検
出器9には、1000psec.後からゲートが閉じる
2000psec.まで光信号が検出された。この結
果、ビームスプリッター7から3m〜4.5mの位置か
らクエンチが発生したことがわかる。
【0052】実施例2 実施例1と同じ方法であるが、光源6としてパルス幅2
0psec.のYAGレーザーを使用した。検出器8及
び9のゲートを2000psec.の間、10pse
c.間隔で10psec.だけ開き、光信号の測定を行
った。この結果、検出器8には560psec.後、即
ち、28回目にゲートが開いた時に信号が観測された
が、29回目のゲートが開いた時には信号が観測されな
かった。又、検出器9では、1000psec.後、即
ち50回目のゲートが開いた時だけ信号が検出された。
従って、ビームスプリッター7から84m〜87mの範
囲内でクエンチが発生し、クエンチはこの一か所だけで
あることがわかる。
【0053】実施例3 光検出器14を使用しないこと以外実施例2と同じ方法
で、光源6にパルス幅10psec.のレーザーを使用
し、レーザーをパルスで発信させる為の時間信号を用い
て測定の時間基準を決定した。検出器8及び検出器9
は、2000psec.の間10psec.間隔で10
psec.だけゲートを開いた。超伝導マグネット5に
150Aの電流を流すと、検出器8で10回目、11回
目及び48回目にゲートが開いた時に光が検出された。
このことから、30〜36mおよび144〜147mの
範囲内の2か所でクエンチが発生したことがわかる。
又、検出器9では、50回目、124〜126回目の測
定時に光が検出されたが、50回目の信号強度に対して
124〜126回目の信号強度は1/100以下であっ
た。50回目にゲートが開いた時の検出光は、光源6か
らの透過光であり、124〜126回目のゲートで検出
された光は、2か所の変形部分間で折返した光である。
従って、検出器8のデータを考慮すると、入口に近い部
分でのクエンチは、ビームスプリッター7から31mの
場所から始まっていることがわかる。更に、30se
c.後、32回目のゲートが開いたときに、新たな信号
が検出器8で検出された。即ち、96〜99mの部分で
新たにクエンチが発生したことがわかる。
【0054】実施例4 図26に本発明の検出方法の別の態様を示す。13はコ
リメーターの焦点距離が30cmの分光器であり、検出
器8はゲート付きの1024チャンネル光検出器であ
る。光源6(YAGレーザー)からの光は、非線形光学
単結晶により発生させた第2高調波であり、20pse
c.のパルス幅でlsec.間隔で発信する。又、超伝
導マグネット5は2分割されており、光源に近い第1の
マグネットが5−1、検出器9に近い第2のマグネット
が5−2であり、これらの超伝導線の外側に取り付けら
れた光ファイバー1は5−1の部分が150m、5−2
の部分が200mの長さである。又、マグネット間の光
ファイバーの長さは50cmである。マグネット5は液
体窒素で77Kに冷却してある。検出器8及び検出器9
は20psec.だけゲートが開き、その後10pse
c.ゲートが閉じる様に不図示のコンピューターで制御
されている。通電しない時は、検出器8に反射光は観測
されず、検出器9には透過光だけが検出された。
【0055】しかし、分光器13の測定範囲を、第2高
調波が1024チャンネルの中心、即ち512番目のチ
ャンネルに検出される様にして夫々のマグネット5に通
電すると、検出器8では20回目にゲートが開いた時に
光信号が検出され、511〜513チャンネルは光強度
が強くオーバースケールしたが、12および1012チ
ャンネルにも信号が検出された。この12および101
2チャンネルに検出された光は、光ファイバー1の光導
波部分を構成する石英ガラスのラマン散乱光であり、1
2チャンネルでの光信号がストークスラマン線、101
2チャンネルがアンチストークスラマン線である。
【0056】このラマン線の強度より、ボルツマン分布
を仮定して、石英ガラスの温度を算出すると約79Kで
あった。従って、90−93mの部分、即ちマグネット
5−1の部分で光ファイバー1の変形が生じ、その部分
の温度は約79Kであり、2Kの温度上昇があることが
わかる。尚、511〜513チャンネルで検出された強
い光信号は、光源6からの光が変形部分で反射した反射
光である。又、検出器9では約1500psec.後に
信号が検出されただけであり、マグネット5−2では何
の異常も生じていないことがわかる。尚、図26では、
検出器9にも分光器13を取り付けてあるが、この分光
器は透過光のラマン散乱を測定しない場合には取り付け
なくてもよい。
【0057】(5)第五の発明 実施例1 本発明の超伝導線は、図32に示した様に、安定化材2
の中に超伝導細線1が埋めこまれた構成の安定化した超
伝導細線の複数本が支持材8の中に配置されており、こ
れらの超伝導細線のほぼ中心に光導波材3が配置されて
いる。この際に使用した超伝導体1はNbSnであ
り、安定化材2としてはCu、支持体8としてはCuを
用い、光導波材3としては光ファイバー用の光学ガラス
を用いた。この様な構成材料からなる本発明の超伝導線
は以下の様にして製造する。先ず、図27に示す様に、
超伝導体1を安定化材2のパイプの中に入れた後、細い
穴を通すことにより図27(b)の様に細線とする。
【0058】一方、光学ガラス材料3と安定化材4を図
28の様に配置しこれを加熱しながら図28(b)の様
に細かくする。この様にして形成した複数本の超伝導細
線と光導波材からなる細線1本とを図29の様に支持体
8の中に断面が図29(b)になる様にして詰め、図3
0の様にその前後を支持体8と同じ材料で蓋をし溶接す
る。この際、溶接部を5とする。次に、これを光学ガラ
スの軟化温度まで加熱しながら図30の様に再び線引き
する(図30(b))。本発明の超伝導線の形状は、こ
のときに線引きする為のノズル形状により、図31に示
した様に丸材12としてもよいし或は平角材11として
もよい。
【0059】又、使用する超伝導細線や光導波材の夫々
の直径は目的により自由に設定すればよいが、ここで
は、超伝導体1の直径が90μm、光導波材の直径が5
00μmであり、形成される本発明の超伝導線全体の直
径は1.05mmとした。超伝導線の臨界電流密度は1
5Tの磁場条件において900A/mmである。以上
の様にして作成した本発明の超伝導線(長さ300m)
の光導波材3の一方より、アルゴンイオンレーザー(4
88nm、10mW)を入射させた。この結果、超伝導
線に電流を流さない場合には、入射した光は光導波材3
の多端まで到達した。このとき、光の入射端では反射光
は全く検出されなかった。これに対して、超伝導線の臨
界電流とほぼ同じ電流を流すと光の入射口で反射光が検
出され、又、より大きな電流を流すと反射光の強度が増
大した。光を入射してから、反射光がもどるまでの時間
は、ゲート付き光電子倍増管で測定すると400pse
c.であった。従って、光導波材が変形した部分、即ち
クエンチ等の異常が発生した部分は、光速を0.3(m
/psec.)とすると光の入口から 0.3(m/psec.)×400/2(psec.)=60(m) のところであることがわかる。
【0060】実施例2 図35に、本発明の別の態様の超伝導線の断面構造原理
図を示す。この態様では実施例1の場合と異なり、光導
波材3が支持体8の内部でその中心よりはずれた位置に
配置されている。尚、使用した材料は実施例1と同様で
ある。この様な構造の超伝導線においても、10Tの磁
場条件下において、10A/mm程度の臨界電流密
度を持つ超伝導線が得られ、又、実施例1と同様に光導
波材に光を入射することで超伝導線の異常を検出するこ
とが出来た。
【0061】実施例3 図36に、本発明の別の態様の超伝導線の断面構造原理
図を示す。この態様では、光導波材3が支持体8の内部
に3本の配置されている。使用した超伝導体はBiSr
CaCuO系酸化物超伝導体であり、臨界温度は120
Kである。又、安定化材はAgである。光導波材はアク
リル樹脂であり、同時に光を入射させてもよいし、一部
分にのみ光を入射させてもよい。更に、光導波材の両端
は独立していてもよいし、一つにまとめてもよい。光導
波材の両端を一つにまとめた場合において、100mの
長さの超伝導線にヘリウムネオンレーザー(633n
m、出力20mW)を用いて、通電試験を行った。
【0062】本実施例において使用した超伝導体1の直
径は50μmであり、又、超伝導体の外側の安定化材2
と超伝導体の比率は断面積比で超伝導体:安定化材=
1:2とし、この様にして形成した超伝導細線を100
0本、支持体8の中に埋め込んだ。又、アクリル樹脂か
らなる光導波材はCuパイプ中に埋め込んであり、直径
は200μmである。この様にして形成した本発明の超
伝導線を液体窒素温度に冷却し、超伝導体に流す電流を
変化させながら、光による異常検出を行った。この結
果、実施例1及び2と同様に超伝導線の異常を検出する
ことが出来た。
【0063】実施例4 図37に、本発明の別の態様の超伝導線の断面構造原理
図を示す。この態様では光導波材は超伝導線の外側に取
り付けられている。実施例3で使用したと同様の材料を
用い、電流を流す超伝導体部分と光導波部分とを別々に
製造した後、はんだ又は接着剤で超伝導体部分に最終的
に線引きする時に光導波部分を取り付け、本発明の超伝
導線を形成した。この様にして形成した本発明の超伝導
線の光導波部の一方よりアルゴンイオンレーザー光(5
14.5nm、20mW)を入射させ、超伝導線の他端
において、ゲート付きCCDカメラで光を検出すること
により、超伝導線の異常検出を行った。この結果、実施
例1と同様に超伝導線の異常を検出することが出来た。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に、本発明に
より以下の効果がある。 (1)第一の発明の効果 (a)超伝導体を線材化しなくとも効率の良い超伝導モ
ーターが得られる様になった。 (b)簡単な構成で高速回転及び回転数制御が可能で高
トルクのモーターが得られる。 (c)超伝導軸受けも併用すれば非接触ローターが得ら
れるので、更に高速回転が可能になり、摩擦による粉も
発生せず、又、真空化での使用も可能となる。
【0065】(2)第二の発明の効果 (a)超伝導コイルとその支持材料との熱収縮率の違い
により、従来生じていた超伝導コイルに加わる応力を、
温度変化させることなく常に一定に保ち、更に含浸レジ
ンのクラックを有効に防止することが可能である。 (b)超伝導コイルへの通電時に発生する、コイル半径
方向外側に加わる電磁力によるコイルの膨脹を防ぎ、超
伝導コイルが動くことによって生じる摩擦熱に起因する
クエンチを阻止することが出来る。 (c)構成が簡単であり、コンパクト且つ信頼性に高い
超伝導マグネット装置が提供される。
【0066】(3)第三の発明の効果 (a)マイスナー効果とピンニング力との両方を用いて
いるので、駆動力及びトルクを大きくする事が可能とな
った。 (b)冷却効率が効上させることが出来る。この為、大
型の超伝導体の冷却時間は大幅に短縮することが出来
る。 (c)制動力が強く成り、位置制御性が向上された。 (d)超伝導体を線材化する必要がない。
【0067】(4)第四の発明の効果 本発明の超伝導線のクエンチ検出方法によれば、例え
ば、超伝導マグネット等に使用される超伝導線の異常検
出において、超伝導線の使用温度に制限されることな
く、且つ単に異常の有無だけでなく異常が発生した部分
の特性、異常発生部分の温度、更に異常発生の時間的経
過を含めて極めて短時間に判断することが可能である。
更に、本発明によれば、クエンチの原因追及やその経過
等を詳細に解明する為の各種データーを得ることが出来
る。
【0068】(5)第五の発明の効果 本発明の超伝導線は、従来の超伝導線の性能と同等以上
の性能を有するにもかかわらず、電流の流れる部分のご
く近傍に光導波部分を設けることにより、光導波部分に
光を入射させ、光導波材の一端又は両端での光検出させ
て、どの様な温度領域においても超伝導線のクエンチや
断線等の異常をその初期段階から検出することが出来
る。
【0069】
【図面の簡単な説明】
(第一の発明)
【図1】本発明の原理図の断面図
【図2】本発明の原理図の平面図
【図3】従来後術におけるローターの浮上図
【図4】実施例1のモーターの見取り図
【図5】実施例1の原理図
【図6】実施例2のモーターの断面図
【図7】実施例2のモーターの駆動用磁石の配列図
【図8】実施例2のモーターの磁場の分布図
【0070】(第二の発明)
【図9】本発明の実施例1を実施した超伝導マグネット
装置の断面図。
【図10】本発明の実施例1を実施した超伝導マグネッ
ト装置の平面図。
【図11】本発明の実施例2を実施した超伝導マグネッ
ト装置の断面図。
【図12】従来の超伝導マグネット装置の例を示す断面
図。
【0071】(第三の発明)
【図13】本発明を水平搬送用に実施した図。
【図14】本発明を水平搬送用に実施した場合の断面
図。
【図15】本発明を回転モーターに実施した断面図。
【図16】ピンニング現象の説明図。
【図17】本発明の原理図。
【図18】従来技術を示す図。
【0072】(第四の発明)
【図19】クエンチがない場合における光ファイバー内
での光の進行状態を示す図。
【図20】クエンチがある場合における光ファイバー内
での光の進行状態を示す図。
【図21】超伝導線の構成図。
【0073】
【図22】本発明のクエンチ検出法の実施例を示す概略
図。
【図23】クエンチがない場合のタイミングチャート。
【図24】クエンチが一か所で生じた場合のタイミング
チャート。
【図25】クエンチが2か所で生じた場合のタイミング
チャート。
【図26】本発明のクエンチ検出方法の別の実施例を示
す概略図。
【0074】(第五の発明)
【図27】超伝導細線の製造工程を示す原理図。
【図28】本発明の超伝導線の光導波部の製造工程を示
す原理図。
【図29】本発明の超伝導線の製造工程を示す原理図。
【図30】本発明の超伝導線の製造工程を示す原理図。
【図31】本発明の超伝導線の外観形状を示す図。
【0075】
【図32】本発明の超伝導線の断面構造原理図。
【図33】本発明の超伝導線の異常検出の原理図。
【図34】本発明の超伝導線の異常検出の原理図。
【図35】本発明の超伝導線の別の態様の断面構造原理
図。
【図36】本発明の超伝導線の別の態様の断面構造原理
図。
【図37】本発明の超伝導線の別の態様の断面構造原理
図。
【0076】
【符号の説明】
(図1〜図8) 1…超伝導ローター 2…永久磁石 3…回転軸 4…磁束 5…磁束分布領域(紙面下から上) 6…磁束分布領域(紙面上から下) 7…界磁コイル 8…ステーター 9…駆動用磁石 10…冷却ガス入口 11…冷却ガス出口 12…超伝導ベアリング用永久磁石 13…超伝導ベアリング用超伝導軸受け
【0077】(図9〜図12) 1…超伝導コイル 2…支持リング 3…支持リングレール 4…下部フランジ 5…上部フランジ 6…ボルト 7…ピストン 8…円筒状巻き芯 9…支持体
【0078】(図13〜図18) 1…超伝導体 2…穴 3…電磁石列 4…磁石線 5…ローター 6…銅製棒 7…回転軸 8…回転磁界 9…永久磁石 10…スライダー 11…ステータ
【0079】(図19〜図26) 1…光ファイバー 2…光源からの入射光 3…反射光 4…透過光 5…超伝導マグネット 6…光源 7…光学系
【0080】8、9…光検出器 10…超伝導体 11…安定化材 12…マトリックス材 13…分光器 14…光検出器 15…超伝導細線 (図29〜図37) 1…超伝導体 2…安定化材 3…光導波材 4…放熱材(断熱材) 8…支持体
【0081】5…溶接部分 6…線引きされ細かく加工された超伝導線 7…線引きされてない超伝導線 9、10…押し出し用のふた 11、12…加工された超伝導線 13…入射光 14…透過光 15…反射光
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/00 ZAA H01B 12/02 ZAA H01F 6/00 ZAA (72)発明者 金子 典夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導体を含むローターと、ローターを
    超伝導転移温度以下まで冷却する手段と及びローター部
    に磁場分布を作り、且つその磁場分布をローターの回転
    軸の回りに回転させる手段とを有する事を特徴とする超
    伝導モーター。
  2. 【請求項2】 磁場分布においてローター外周付近にお
    けるローター回転軸方向の向きが、ローター円周に沿っ
    て交互に逆向きである請求項1に記載の超伝導モータ
    ー。
  3. 【請求項3】 磁場分布において、ローター軸方向から
    見た磁場強度をローター部において極小にした請求項1
    又は2に記載の超伝導モーター。
  4. 【請求項4】 超伝導体に、組成式LnACu3−x
    (Lnはイットリウム、ランタノイド及びCa
    から選ばれた元素若しくは原子団であり、AはSr若し
    くはBa、MはMo、W、Re、Ti、V、Co、F
    e、Ga、Geから選ばれた元素又は原子団であり、且
    つ0≦X≦1、6<Y<8)で表される材料を用いた請
    求項1〜3に記載の超伝導モーター。
  5. 【請求項5】 ローターの軸受けに超伝導軸受けを用い
    た請求項1〜3に記載の超伝導モーター。
  6. 【請求項6】 円筒型超伝導コイルにおいて、外周のコ
    イル半径方向の一部を支持する支持リングが、コイル中
    心軸に対してテーパーを持った支持リングレールに沿っ
    て可動することを特徴とする超伝導マグネット装置。
  7. 【請求項7】 支持リングに力を加えることにより、支
    持リングがコイルに加えるコイル半径方向の圧力を制御
    する請求項6に記載の超伝導マグネット装置。
  8. 【請求項8】 磁場を作用させて駆動させる超伝導アク
    チュエータにおいて、超伝導材料内に棒状の非超伝導領
    域部を有する超伝導アクチュエータであって、且つ該非
    超伝導領域中に磁束をトラップさせ、該磁束の位置及び
    若しくは角度を変えることにより超伝導体自身或は該磁
    場発生部を駆動させることを特徴とする超伝導アクチュ
    エータ。
  9. 【請求項9】 非超伝導領域が棒状の穴である請求項8
    に記載の超伝導アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 非超伝導体が、室温における熱伝導率
    が10W・m−1・K−1以上の棒状の材料である請求
    項8に記載の超伝導アクチュエータ。
  11. 【請求項11】 超伝導体が、組成式でACu1−x
    6+yを表され、且つAがCu、Sr、Ba、Y、
    ランタノイド元素から選ばれた原子団であり、且つMが
    Ti、V、Co、Fe、Ga、Ge、Mo、W、Reか
    ら選ばれた元素若しくは原子団であり、O≦x≦1、0
    <y<2である請求項8〜10に記載の超伝導アクチュ
    エータ。
  12. 【請求項12】 通電時における超伝導線の異常を光化
    学的に検出する方法において、光ファイバーに光を通し
    て超伝導線の異常を検知することを特徴とする超伝導線
    のクエンチ検出方法。
  13. 【請求項13】 光ファイバーが超伝導線の外部に取り
    付けられている請求項12に記載の超伝導線のクエンチ
    検出方法。
  14. 【請求項14】 光ファイバーの一方から光を入れ、通
    電時の超伝導線における異常部分の機械的変位による光
    ファイバーの変形部分からの反射光を測定し、超伝導線
    の異常を検知する請求項12に記載の超伝導線のクエン
    チ検出方法。
  15. 【請求項15】 光ファイバーの一方から光を入れ、通
    電時の超伝導線における異常部分の機械的変位による光
    ファイバーの変形部分からの反射光及び光ファイバーの
    他端からの透過光を測定し、超伝導線の異常を検知する
    請求項12に記載の超伝導線のクエンチ検出方法。
  16. 【請求項16】 光ファイバーの一方から光を入れ、通
    電時の超伝導線における異常部分の機械的変位による光
    ファイバーの変形部分からの反射光及びラマン光を測定
    し、超伝導線の異常を検知する請求項12に記載の超伝
    導線のクエンチ検出方法。
  17. 【請求項17】 超伝導体、低抵抗体、光導波材及びこ
    れらを支持する支持体とから構成されていることを特徴
    とする超伝導線。
  18. 【請求項18】 外側に低抵抗体が取り付けられている
    超伝導体の近傍に光導波材が設けられており、該超伝導
    体及び光導波材が支持体の内部に配置されている請求項
    17に記載の超伝導線。
  19. 【請求項19】 外側に低抵抗体が取り付けられている
    超伝導体の近傍に光導波材が設けられており、該超伝導
    体が支持体の内部に配置され、且つ光導波材が支持体の
    外側に取り付けられている請求項17に記載の超伝導
    線。
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