JPH07167784A - 赤外線ガス分析計 - Google Patents

赤外線ガス分析計

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JPH07167784A
JPH07167784A JP31565893A JP31565893A JPH07167784A JP H07167784 A JPH07167784 A JP H07167784A JP 31565893 A JP31565893 A JP 31565893A JP 31565893 A JP31565893 A JP 31565893A JP H07167784 A JPH07167784 A JP H07167784A
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JP
Japan
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gas
detector
expansion chamber
infrared
pneumatic
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Application number
JP31565893A
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English (en)
Inventor
Masahiro Uno
正裕 宇野
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】測定対象ガスの特性吸収帯に接近して干渉ガス
の特性吸収帯があり、測定対象ガスの特性吸収帯の吸光
係数が比較的小さく、また、特性吸収帯の一部が干渉ガ
スの特性吸収帯と重なりがあっても、原理的に干渉ガス
の影響を受けない赤外線ガス分析計を提供する。 【構成】ニューマティック検出器4は、赤外線入射窓41
と出射窓43とを有し仕切り窓42にて仕切られた前部膨張
室44と、後部膨張室45と、この両膨張室44、45との間に
連通口46を有しこの連通口46に両膨張室44、45の圧力差
を検出するセンサ47と、を備え、両膨張室44、45の奥行
寸法をそれぞれニューマティック検出器4によって測定
されるガス成分に対し接近した赤外線吸収スペクトルを
有する干渉ガス成分による赤外線吸収量が前部膨張室44
と後部膨張室45で相殺される寸法に選ぶ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サンプルガス中に含ま
れる一酸化チッ素ガス(以下NOと記す。)や炭酸ガス
(以下CO2 と記す。)の成分を同時に測定できる赤外線
ガス分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンの整備や調整、環境公
害対策などのために、排ガス中の複数成分を同時に測定
する必要がある。この内、一酸化炭素(以下COと記
す。)、炭化水素ガス(以下HCと記す。)やCO2 など
は、複数の固体検出器と各々のガスの吸収帯に透過域が
一致する光学フィルタとを組み合わせてなる1台の分析
計で同時測定を行える様にしたものが実用化されてい
る。
【0003】一方、NOについては、特性吸収帯の吸光係
数が比較的小さく、且つ、水蒸気の特性吸収帯と重なっ
ているため、固体検出器と光学フィルタとの組み合わせ
技術による測定では、フルスケールが1000ppm 程度まで
の測定が可能であり、これ以下の濃度では、高精度な測
定は困難であった。またHCについても、同様に、低濃度
測定においては、固体検出器と光学フィルタとの組み合
わせでは、十分な精度が得られない欠点があった。
【0004】この様な観点から、NOも1台の分析計で同
時測定を行える様にしたものが実願平2-127884号(実開
平4-85154 号)のマイクロフィルムに開示されている。
図6において、1は、車の排ガス等のサンプルガスが導
入される測定セルである。測定セル1の一端側には、赤
外線を発する光源2が配置され、光源2と測定セル1と
の間には、後述する各検出器に入射する赤外線に変調を
与える手段としてのチョッパ3が配置されている。測定
セル1の他端側には、NO測定用のニューマティック検出
器(コンデンサマイクロフォン型検出器等)4Aと当該検
出器4Aの水分による干渉を補正するためのニューマティ
ック検出器4Bとが、この順で直列に配置されている。前
記補正用ニューマティック検出器4Bには、水分と略同一
の吸収帯域を持つガスが封入されている。前記補正用ニ
ューマティック検出器4Bの後側の光学系窓の直後には、
CO2,CO,HC の3 成分を測定する3個の検出器と、基準検
出器、つまり、CO2 の特性吸収帯域(中心波長4.3 μm)
の赤外線を通過させる光学フィルタと固体検出器(例え
ば、半導体センサや焦電形センサ等である。以下、同
じ)とからなるCO2 検出器7aと、COの特性吸収帯域(中
心波長4.6 μm)の赤外線を通過させる光学フィルタと固
体検出器とからなるCO検出器7bと、HCの特性吸収帯域
(中心波長3.4 μm)の赤外線を通過させる光学フィルタ
と固体検出器とからなるHC検出器7dと、これらの共存ガ
ス(HC,CO,CO2,NO)のいずれに対しても吸収帯域のない波
長(例えば、中心波長3.8 μm)の赤外線を通過させる光
学フィルタと固体検出器とからなる基準検出器7eとが並
設されている。8は、前記各検出器4A,4B,7a,7b,7d,7e
における出力信号に対する信号処理回路、9は測定した
HC、CO、CO2 、NOの濃度を表示する表示部を示す。
【0005】前記信号処理回路8において、3成分の測
定信号、つまり、 CO2測定信号、CO測定信号、HC測定信
号を、各々CO2 検出器7a、CO検出器7b、HC検出器7dと基
準検出器7eの出力差として取り出すための既知の回路の
他、NO測定信号を取り出すために、図7に示すように、
NO測定用のニューマティック検出器4Aと補正用ニューマ
ティック検出器4Bの出力差を求める減算器13と、当該減
算器による出力信号と基準検出器7eとCO2 検出器7aの出
力差(CO2測定信号) とを減算する減算器14とが設けられ
ている。図中の15a 〜15d は増幅器、16は基準検出器7e
とCO2 検出器7aの出力差を求める減算器である。
【0006】上記の従来例によれば、1台のガス分析計
で、HC、CO、CO2 の3成分の他、NOも同時に測定するこ
とができる。即ち、補正用ニューマティック検出器4Bで
は水分による干渉だけを補正するため、CO2 による干渉
の影響を含んだNO測定信号が、NO測定用のニューマティ
ック検出器4Aと補正用ニューマティック検出器4Bの出力
差として減算器13から取り出される。
【0007】一方、CO2 の吸収帯域の赤外線は、干渉補
正用のニューマティック検出器4Bで吸収されることな
く、ここを透過して、CO2 検出器7aに入射するので、CO
2 測定信号が、基準検出器7eとCO2 検出器7aの出力差と
して取り出される。そして、CO2 による干渉の影響を含
んだ上記のNO測定信号は、減算器14により、基準検出器
7eとCO2 検出器7aの出力差として取り出された前記のCO
2 測定信号で減算(補正)される。
【0008】従って、減算器14からは、水分及びCO2
よる干渉影響の双方を除去したNO測定信号が出力される
ことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、NOにつ
いては、特性吸収帯の吸光係数が比較的小さく、且つ、
NOの特性吸収帯の一部が水蒸気の特性吸収帯と重なって
いるため、光学フィルタと固体検出器との組み合わせ技
術による測定では測定精度に限界がある。従来、例えば
数十ppm のNOを精度良く測定するための手段として、二
個のニューマティック検出器を光学的に直列に配置し、
両検出器の信号により補正演算を行う方法が知られてい
る。この方法によれば、それぞれの検出器の寸法と封入
ガス分圧とを個別に選定することにより、補正演算の最
適化を図るための設計的裕度が大きい反面、検出器寸法
と封入ガス分圧の差およびセンサが異なることに起因す
る両検出器間に安定性など特性上の差を生じるため、こ
れらの補正のために装置が複雑・大型化する欠点があっ
た。
【0010】また、これらの事項はHCの測定についても
同様であり、NOの測定と同様の課題が存在する。本発明
は上記の点にかんがみてなされたものであり、その目的
は前記した課題を解決して、測定対象ガスの特性吸収帯
の吸光係数が比較的小さく、かつ、特性吸収帯に近接し
て、あるいは重畳して干渉ガスの特性吸収帯があって
も、原理的に干渉ガスの影響を受けない簡易な赤外線ガ
ス分析計を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、サンプルガスが導入される
測定セルと、この測定セルの入射側に設けられる光源
と、測定セルの出射側に設けられる一酸化チッ素ガス測
定用ニューマティック検出器と、測定セルとは反対側に
ありニューマティック検出器の背面に配備され、炭酸ガ
スの特性吸収帯の赤外線を透過させる光学フィルタと固
体検出器とからなる炭酸ガス検出器と、一酸化チッ素ガ
ス、炭酸ガスおよび水蒸気に対する吸収のない波長帯の
赤外線を透過させる光学フィルタと固体検出器とからな
る基準検出器と、を備えるものとする。
【0012】また、第2の発明においては、サンプルガ
スが導入される測定セルと、この測定セルの入射側に設
けられる光源と、測定セルの出射側に設けられ、光学的
に直列に配置される一酸化チッ素ガス測定用ニューマテ
ィック検出器と、炭化水素ガス測定用ニューマティック
検出器と、測定セルとは反対側にありニューマティック
検出器の後段に配備され、炭酸ガス特性吸収帯の赤外線
を各々透過させる光学フィルタと固体検出器とからなる
炭酸ガス検出器と、一酸化チッ素ガス、炭酸ガス、炭化
水素ガスおよび水蒸気に対する吸収のない波長帯の赤外
線を透過させる光学フィルタと固体検出器とからなる基
準検出器と、を備えるものとする。
【0013】また、第3の発明においては、ニューマテ
ィック検出器は、赤外線入射窓と、出射窓と、仕切り窓
にて仕切られた前部膨張室と、後部膨張室と、前部膨張
室と後部膨張室とを連通する連通口に設けられ、前部膨
張室と後部膨張室との圧力差を検出するセンサと、を備
えた直列二槽型ニューマティック検出器であって、前部
膨張室と後部膨張室の奥行き寸法が、当該ニューマティ
ック検出器によって測定されるガス成分に対し、接近し
た赤外線吸収スペクトルを有する干渉ガス成分による赤
外線吸収量が前部膨張室と後部膨張室で相殺される寸法
に選ばれているものとする。
【0014】また、第4の発明においては、ニューマテ
ィック検出器および光学フィルタと固体検出器とからな
る検出器で検出される成分ガスの検出信号を、それぞれ
検出された成分ガスの検出信号によって加減演算補正す
る加減演算器を備えるものとする。また、第5の発明に
おいては、ニューマティック検出器とこのニューマティ
ック検出器の後段に併置される固体検出器との間に、入
射開口径がニューマティック検出器の出射窓径にほぼ等
しく、出射開口径が併置される固体検出器の入射面を過
不足なく包含し、内面が緩やかに拡大する円錐台形状の
光ガイドを備えるものとする。
【0015】
【作用】上記構成により、測定セルを透過した赤外線光
束は第3の発明によるニューマティック検出器に入射す
る。最初に、このニューマティック検出器の作用を説明
する。このニューマティック検出器は、赤外線入射窓と
出射窓とを有し仕切り窓にて切られた前部膨張室と後部
膨張室とを有し、前部膨張室と後部膨張室との間には連
通口を有し、この連通口に前部・後部膨張室の圧力差を
検出するセンサを備えた直列二槽型ニューマティック検
出器である。このニューマティック検出器の前部・後部
膨張室には、測定対象ガスと同じ吸光スペクトル特性を
有するガスが封入される。測定セルを透過した測定対象
ガスの特性吸収帯の大部分の赤外線光束は、前部膨張室
で吸収され、前部膨張室の内部圧力変動を生じる。一
方、後部膨張室では、測定対象ガスの特性吸収帯のう
ち、前部膨張室で吸収しきれていない吸光係数が低い波
長成分の一部が後部膨張室で吸収され、後部膨張室の内
部圧力を少し変動させる。前部膨張室と後部膨張室との
間に連通口を設け、ここに両膨張室内の圧力差を検出す
るセンサ、例えば、マスフローセンサを設けることによ
り、前部膨張室と後部膨張室とで封入ガスで吸収された
エネルギが圧力差として検出できる。また、前部膨張室
での吸収エネルギは、測定セルにおける測定対象ガス成
分による吸収エネルギ分だけ減少しているので、前記セ
ンサで、上記圧力差を測定することにより、測定セル内
の測定対象ガスの成分量を測定することができる。
【0016】次に、この測定対象ガスの特性吸収帯に一
部の波長帯域が重なって存在する干渉ガスの影響を考え
る。測定対象ガスと干渉ガスの特性吸収帯がマクロにみ
て重なっていても、封入ガスの波長−吸収スペクトルを
微細構造で眺めれば、特性吸収帯が重なっているところ
もあれば、重なっていないところもあり、ニューマティ
ック検出器を用いた場合は、光学フィルタと固体センサ
を用いた場合に較べて数分の1から10分の1程度に干渉
は減じる。微細構造で眺めて重なった部分が干渉影響を
与えるものである。この重なり部分で吸光係数の高いと
ころは、吸光係数の低いところに較べて確率的に少な
く、平均吸収エネルギの観点からみると、一般的に干渉
ガスでの平均吸光係数は小さいとみてよいであろう。従
って、この干渉波長域の赤外線は、前部膨張室および後
部膨張室で吸収される。前部・後部両膨張室に封入され
る測定対象ガスのガス密度を加味して、前部膨張室より
も後部膨張室の奥行き寸法を大きくとることにより、後
部膨張室での干渉影響ガスの吸収エネルギを増やすこと
ができる。即ち、干渉ガス成分の波長による赤外線吸収
量を、前部膨張室と後部膨張室で等しく選ぶことによ
り、干渉ガスが測定精度に与える影響を相殺ないしは著
しく減少させることができる。この結果、第3の発明に
よる直列二槽型ニューマティック検出器は、原理的に干
渉ガスの影響を受けない測定が1組の検出器で可能とな
る。
【0017】また、上記直列二槽型ニューマティック検
出器をサンプルガスが導入される測定セルの出射側に設
け、NOと同じ吸光スペクトル特性を有するガスを封入し
てNO測定用ニューマティック検出器とし、このNO測定用
ニューマティック検出器の背面にCO2 の特性吸収帯の赤
外線を透過させる光学フィルタと固体検出器とからなる
CO2 検出器、および、NO、CO2 ならびに水蒸気に対する
吸収のない波長帯の赤外線を透過させる光学フィルタと
固体検出器とからなる基準検出器を併置し、CO 2 を測定
することにより、NO測定用ニューマティック検出器によ
って測定されたNOの測定値をCO2 で干渉補正演算するこ
とができる。なお、ニューマティック検出器は、検出器
に封入したガスの吸収スペクトル特性を利用したもので
あり、封入ガスの吸収スペクトル特性外の波長帯域で
は、赤外線光束をそのまま透過し、他の波長の検出器の
測定には影響を与えることはない。
【0018】さらにまた、上記直列二槽型ニューマティ
ック検出器をサンプルガスが導入される測定セルの出射
側に設け、NOと同じ吸光スペクトル特性を有するガスが
封入されたNO測定用ニューマティック検出器と、HCと同
じ吸光スペクトル特性を有するガスが封入されたHC測定
用ニューマティック検出器とを光学的に直列に配置し、
この光学的に直列に配置されたニューマティック検出器
の背面にCO2 の特性吸収帯の赤外線を透過させる光学フ
ィルタと固体検出器とからなるCO2 検出器、およびNO、
CO2 、HCならびに水蒸気に対する吸収のない波長帯の赤
外線を透過させる光学フィルタと固体検出器とからなる
基準検出器を併置し、CO2 を測定することにより、NO測
定用ニューマティック検出器によって測定されたNOの測
定値、あるいは、HC測定用ニューマティック検出器によ
って測定されたHCの測定値をCO2の測定値で干渉補正演
算することができる。
【0019】また、赤外線ガス分析計に加減演算器を設
け、ニューマティック検出器および光学フィルタと固体
検出器とからなる検出器で検出される各成分ガスの検出
信号を、それぞれ検出された成分ガスの検出信号によっ
て加減演算補正することにより、測定成分ガス相互間の
干渉の影響を補正することができる。また、ニューマテ
ィック検出器とこのニューマティック検出器の背面に併
置される固体検出器との間に、入射開口径がニューマテ
ィック検出器の出射窓径にほぼ等しく、出射開口径が併
置される固体検出器の入射面を過不足なく包含し、内面
が緩やかに拡大する円錐台形状の光ガイドを設けること
により、測定セルを透過してきた赤外線光束を効率よく
固体検出器に入射させ、感度よく、その他のガス成分を
検出することができる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の一実施例の赤外線ガス分析計
の要部構成断面図、図2は他の実施例の赤外線ガス分析
計の要部構成断面図、図3は補正演算を行う信号処理部
の回路図、図4はNOガスの波長に対する吸光係数を示す
特性図、図5は測定対象ガスおよび干渉ガスの波長に対
する透過特性を示す特性図を示し、図6、図7に対応す
る同一構成要素には同じ符号が付してある。
【0021】図1の(A) において、1は試料ガスを流す
測定セル、2は測定セル1の入射側に設けられ赤外線を
発する光源であって、光源2とセル1との間には、後述
する各検出器に入射する赤外線に変調を与える手段とし
てのチョッパ3が配置されている。測定セル1の出射側
には、NO測定用のニューマティック検出器4が配置され
ている。このニューマティック検出器4は、赤外線入射
窓41と出射窓43とを有し、仕切り窓42にて切られた前部
膨張室44と後部膨張室45とを有し、前部膨張室44と後部
膨張室45との間に連通口46を有し、この連通口46にマス
フローセンサ47とを備えた直列二槽型ニューマティック
検出器である。このニューマティック検出器4の背面に
は、光ガイド6を介して、光学フィルタと固体センサと
を組にしてなる検出部7、例えば、CO2 検出器7a、CO検
出器7b、H2O 検出器7c、HC検出器7dおよび比較検出器7e
が配備され、測定セル1およびニューマティック検出器
4を透過してきた赤外線光束が上記検出部7に入射し、
測定セル1内の各種ガス成分が各検出器4、7で検出さ
れる。この検出された信号は信号処理部8で干渉成分の
影響を除く補正演算がなされ、出力部9に出力される。
【0022】図1の(B) は赤外線ガス分析計の検出部7
を背面より眺めたものであり、測定セル1およびニュー
マティック検出器4を透過してきた赤外線光束が光ガイ
ド6の内面の反射を利用して広げられ、図示された位置
に配備されるCO2 検出器7a、CO検出器7b、H2O 検出器7
c、HC検出器7dおよび比較検出器7eに入射する。次に、
ニューマティック検出器4を説明する。このニューマテ
ィック検出器4の前部膨張室44および後部膨張室45に
は、測定対象ガスと同じ吸光スペクトル特性を有するガ
ス例えばNOが封入される。測定セル1を透過し、測定対
象ガスNOの特性吸収帯の大部分の赤外線光束は、前部膨
張室44で吸収され、前部膨張室44の内部圧力変動を生じ
る。一方、後部膨張室45では、測定対象ガスNOの特性吸
収帯のうち、前部膨張室44で吸収しきれていない吸光係
数が低い波長成分の一部が後部膨張室45で吸収され、後
部膨張室45の内部圧力を少し変動させる。前部膨張室44
と後部膨張室45との間に連通口46を設け、ここにマスフ
ローセンサ47を設けることにより、前部膨張室44と後部
膨張室45とで生じた圧力差に比例した信号が検出でき
る。また、前部膨張室44での吸収エネルギは、測定セル
1におけるNOガス成分による吸収エネルギ分だけ減少し
ているので、マスフローセンサ47で検出した測定値を、
測定対象ガスNOの特性吸収帯による吸収エネルギ相当分
から引算することにより、測定セル1における測定対象
ガスNOを測定することができる。
【0023】次に、この測定対象ガスの特性吸収帯に一
部の波長帯域が重なって存在する干渉ガスの影響を考え
る。図4はNOガスの波長−吸収スペクトル特性を示す。
図4において、横軸に波長、縦軸にNOの吸収率を示す。
NOの吸収は、所謂微細構造を呈しており、NOガスを封入
したニューマティック検出器は、これらの線スペクトル
に合致した波長成分のみが吸収され、信号検出に寄与す
る。一方、光学フィルタと固体検出器との組み合わせで
は、光学フィルタの透過域の全ての波長成分が信号とし
て検出されるため、吸収帯が重なるガスによる影響(干
渉)は極めて大きい。測定対象ガスと干渉影響ガスの特
性吸収帯がマクロにみて重なっていても、波長−吸収ス
ペクトルを微細構造で眺めれば、局部的に特性吸収帯が
重なっているところもあれば、重なっていないところも
あり、ニューマティック検出器を用いた場合は、光学フ
ィルタと固体センサを用いた場合に較べて数分の1から
10分の1程度に干渉は減じる。このため、干渉の強いガ
ス成分の測定にはニューマティック検出器が利用され
る。
【0024】図5は、干渉の影響を説明する模式的特性
図であり、横軸に波長、縦軸に赤外線光束の透過率を示
す。図5において、透過率100%の線と一点鎖線で囲まれ
たW3の領域は、測定セル1で測定対象ガスNOの密度によ
る吸収エネルギを示す。この一点鎖線で境界区分され、
内側の実線で囲まれた部分W1は、前部膨張室44で吸収さ
れるNOガスによる吸収エネルギを示す。測定セル1での
吸収エネルギがない(測定対象ガスNOの密度0)とき
は、前部膨張室44の吸収エネルギは透過率100%の線と内
側の実線で囲まれた部分となる。また、この内側の実線
で境界区分され、外側の実線とで囲まれた部分W2は、後
部膨張室45で吸収されるNOガスによる吸収エネルギを示
す。また、点線で示される部分W4が、干渉ガス例えば水
蒸気による測定セル内での吸収エネルギを示し、この点
線と透過率100%と内側の実線で囲まれ、縦細線でハッチ
ングされた部分W5が測定セル内で干渉ガスによる吸収で
あり、前部膨張室44でNOガス単独の場合に吸収される吸
収エネルギより、干渉ガスの影響により減じられる吸収
エネルギを示す。また、横細線でハッチングされた部分
W6は後部膨張室45でNOガス単独の場合に吸収される吸収
エネルギから、干渉ガスの影響により減じられる吸収エ
ネルギを示す。従って、前部膨張室44および後部膨張室
45で干渉ガス影響により減じられる吸収エネルギW5、W6
を等しく選定することにより、干渉ガスの影響を相殺す
ることができる。即ち、前部・後部両膨張室44、45に封
入された測定対象ガスNOのガス密度を加味して、前部膨
張室44よりも後部膨張室45の奥行き寸法を大きくとるこ
とにより、後部膨張室45での干渉ガスによる吸収エネル
ギの影響度を増やすことができ、干渉ガス成分による前
部膨張室44と後部膨張室45での干渉ガスの吸収エネルギ
の影響を相殺できる、ないし、激減することができる。
この結果、直列二槽型ニューマティック検出器を用いれ
ば原理的に干渉影響ガスの影響を受けない測定対象ガス
の測定が1組の検出器で可能となり、従来技術における
2組の検出器で検出し演算補正することに較べて、信号
雑音比(S/N比) の劣化をまねくことが防止できる。
【0025】図2は他の実施例であり、図1と異なると
ころは、図1の実施例ではHC検出器が光学フィルタと固
体検出器からなるHC検出器で構成されていたが、図2の
実施例では、HC検出器として、二槽型ニューマティック
検出器5の前部膨張室51と後部膨張室52にHCガスを封入
し、干渉ガスの影響を受けない高精度な測定を行うもの
である。測定セル1を透過してきた赤外線光束は、NOニ
ューマティック検出器4およびHCニューマティック検出
器5を透過し、NOおよびHCの特性吸収帯域の波長は前述
のニューマティック検出器4、5で吸収除去されている
が、その他の波長帯域はエネルギ吸収されることなく光
ガイド6を通り、検出部7にて、例えば、CO2 検出器7
a、CO検出器7b、H2O 検出器7c、および比較検出器7eに
て、CO2 CO、H2O および赤外線光束の強さを示す比較基
準信号が検出される。
【0026】図3は信号処理部8の回路構成を示す。図
3は図1の構成の赤外線ガス分析計の信号処理部8を示
し、NOニューマティック検出部4は、信号処理部8の増
幅器15f で増幅され、また検出部7の各検出器(CO2検出
器7a、CO検出器7b、H2O 検出器7c、HC検出器7dおよび比
較検出器7e) は、信号処理部8の増幅器15c,15g,15h,15
j および15d で増幅され、比較検出器7eの増幅出力との
差信号(差動増幅器16c,16g,16h,16j)より、各検出信号
CO2 、CO、H2O およびHCが得られる。ニューマティック
検出部4を含めてこれらの各検出器の検出信号を詳細に
眺めると、本来ガス吸収スペクトル帯を避けた筈の比較
検出器7eの検出出力も他のガス成分の干渉の影響を受け
る。今、干渉成分を含めて検出器iで測定された検出信
号をMiとし、検出器iの真の信号をSi とし、他の信
号からの干渉係数をaijとすると、検出信号Mi と真の
信号Si との間は次式の関係がある。
【0027】
【数1】
【0028】(1) 式をマトリックスで表現すると(2) 式
となる。
【0029】
【数2】
【0030】従って、真の信号Si は(3) 式から求める
ことができる。
【0031】
【数3】
【0032】(3) 式において、干渉係数aijの逆マトリ
ックスを求めることにより、真の信号Si は検出信号M
i に逆マトリックスの演算結果の補正係数を掛けた値の
加減算から求めることができ、この補正演算が図3の加
減算機能付き信号処理部にて処理される。図3の図示例
では差動増幅器16c,16g,16h,16j を用いた例を示した
が、この演算も含めて加減算機能付き信号処理部で処理
を行ってもよい。特に、信号処理部をマイクロプロッセ
サを利用して構成した場合はコスト的にも好都合であ
る。図2の構成に対しては、検出器7cで示されるHC検出
器の位置にニューマティック検出部5からの信号を接続
し、差動増幅器16h を省略すればよい。
【0033】さらに、マイクロプロッセサを利用した場
合は、信号の非線形補正も容易であり、例えば、前記ニ
ューマティック検出部(4または5)において、測定対象ガ
スの濃度範囲に比して干渉ガスの濃度変化範囲が大きい
場合、前部膨張室44と後部膨張室45における吸収量の非
直線性により、干渉ガスによる測定妨害が無視出来なく
なる場合がある。この様な場合には干渉ガスの吸収帯域
の内、前記膨張室44、45に封入された封入ガスの吸収帯
域を外した適切な中心波長と透過帯域幅をもつバンドパ
スフィルタとこの帯域で分光感度特性が平坦な例えば焦
電形赤外線センサよりなる検出器7を、前述の直列2槽
透過形ニュ−マティック検出器4と光学的に直列に配置
し、干渉ガス濃度に対応する電気的信号を得て、ニュ−
マティック検出器4の信号と減算または加算演算を行う
事により、簡易に精度良く干渉ガスの影響を除く事がで
きる。
【0034】また、赤外線ガス分析計の応答速度を高め
るためには、測定セル1の内容積を小さくすることが好
ましく、ニュ−マティック検出器4、5の背面に併置さ
れた固体検出器に必要十分な光量を到達させるために、
測定セル内径やニュ−マティック検出器の断面を大きく
することは、光源の容量増や装置の大型化も招き好まし
くない。ニュ−マティック検出器の出射窓とほぼ同口径
の入射開口をもち、開口径がゆるやかに増加し、内面を
赤外線の反射面とした円錐台状の光ガイド6を設けるこ
とにより、各検出器7(7a〜7e) への入射光量を増大
し、赤外線ガス分析計の応答速度を高めながら、信号雑
音比(S/N比) の改善を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、測定対象ガスの特性吸収帯に接近して干渉ガスの特
性吸収帯があり、また、測定対象ガスの特性吸収帯の吸
光係数が比較的小さく、かつ、特性吸収帯の一部が干渉
ガスの特性吸収帯と重なりがあっても、原理的に干渉ガ
スの影響を受けない特性の安定した赤外線ガス分析計を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の赤外線ガス分析計の要部構
成断面図
【図2】他の実施例の赤外線ガス分析計の要部構成断面
【図3】補正演算を行う信号処理部の回路図
【図4】NOガスの波長に対する吸光係数を示す特性図
【図5】測定対象ガスおよび干渉ガスの波長に対する透
過特性を示す特性図
【図6】従来技術の赤外線ガス分析計の要部構成断面図
【図7】従来技術の赤外線ガス分析計の信号処理回路に
おける要部の説明図
【符号の説明】
1 測定セル 2 光源 3 チョッパ 4、5 ニューマテック検出部 44、51 前部膨張室 45、52 後部膨張室 46 連通口 47 マスフローセンサ 6 光ガイド 7 検出部 8 信号処理部 9 出力部 W1 前部膨張室での赤外線吸収エネルギ W2 後部膨張室での赤外線吸収エネルギ W3 測定セル内での測定対象ガスによる吸収 W4 前部膨張室での干渉ガスによる吸収 W5 後部膨張室での干渉ガスによる吸収

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプルガスが導入される測定セルと、 この測定セルの入射側に設けられる光源と、 前記測定セルの出射側に設けられる一酸化チッ素ガス測
    定用ニューマティック検出器と、 前記測定セルとは反対側にあり、前記ニューマティック
    検出器の背面に配備され、炭酸ガスの特性吸収帯の赤外
    線を透過させる光学フィルタと固体検出器とからなる炭
    酸ガス検出器と、 一酸化チッ素ガス、炭酸ガスおよび水蒸気に対する吸収
    のない波長帯の赤外線を透過させる光学フィルタと固体
    検出器とからなる基準検出器と、を備えたことを特徴と
    する赤外線ガス分析計。
  2. 【請求項2】サンプルガスが導入される測定セルと、 この測定セルの入射側に設けられる光源と、 前記測定セルの出射側に設けられ、光学的に直列に配置
    される一酸化チッ素ガス測定用ニューマティック検出器
    と、 炭化水素ガス測定用ニューマティック検出器と、 前記測定セルとは反対側にあり、前記ニューマティック
    検出器の後段に配備され、炭酸ガス特性吸収帯の赤外線
    を各々透過させる光学フィルタと固体検出器とからなる
    炭酸ガス検出器と、 一酸化チッ素ガス、炭酸ガス、炭化水素ガスおよび水蒸
    気に対する吸収のない波長帯の赤外線を透過させる光学
    フィルタと固体検出器とからなる基準検出器と、を備え
    たことを特徴とする赤外線ガス分析計。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の赤外線ガ
    ス分析計において、 ニューマティック検出器は、 赤外線入射窓と、 出射窓と、 仕切り窓にて仕切られた前部膨張室と、 後部膨張室と、 前記前部膨張室と前記後部膨張室とを連通する連通口に
    設けられ、前記前部膨張室と前記後部膨張室との圧力差
    を検出するセンサと、を備えた直列二槽型ニューマティ
    ック検出器であって、 前記前部膨張室と前記後部膨張室の奥行き寸法が、当該
    ニューマティック検出器によって測定されるガス成分に
    対し、接近した赤外線吸収スペクトルを有する干渉ガス
    成分による赤外線吸収量が前記前部膨張室と前記後部膨
    張室で相殺される寸法に選ばれている、ことを特徴とす
    る赤外線ガス分析計。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの項に
    記載の赤外線ガス分析計において、ニューマティック検
    出器および光学フィルタと固体検出器とからなる検出器
    で検出される成分ガスの検出信号を、それぞれ検出され
    た成分ガスの検出信号によって加減演算補正する加減演
    算器を備えた、ことを特徴とする赤外線ガス分析計。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかの項に
    記載の赤外線ガス分析計において、ニューマティック検
    出器とこのニューマティック検出器の後段に併置される
    固体検出器との間に、入射開口径がニューマティック検
    出器の出射窓径にほぼ等しく、出射開口径が併置される
    固体検出器の入射面を過不足なく包含し、内面が緩やか
    に拡大する円錐台形状の光ガイドを備えた、ことを特徴
    とする赤外線ガス分析計。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001050918A (ja) * 1999-08-09 2001-02-23 Rigaku Industrial Co 蛍光x線分析方法およびその装置
US6452182B1 (en) * 1997-08-18 2002-09-17 Abb Patent Gmbh Photometer with non-dispersive infraded absorption spectroscopy (NDIR) for measuring several constituents
WO2024034488A1 (ja) * 2022-08-08 2024-02-15 株式会社島津製作所 ガス測定装置、および対象成分の濃度を求める方法
WO2024034487A1 (ja) * 2022-08-08 2024-02-15 株式会社島津製作所 ガス測定装置

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WO2024034488A1 (ja) * 2022-08-08 2024-02-15 株式会社島津製作所 ガス測定装置、および対象成分の濃度を求める方法
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