JPH07167427A - ガスバーナ装置及びガスオーブン及びガスバーナの燃焼制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ガスオーブンの焼成室内の温度変化にリアルタ
イムで対応して火力調整をすることができ、焼きむらの
ない高品質の製品が得られるガスオーブンを提供する。 ［構成］ガスリールオーブンは焼成室内にガスバーナ装
置Ｇを備えている。ガスバーナ装置Ｇは、燃焼管１とガ
ス流量調整装置５と制御装置６を備えている。燃焼管１
には多数の炎口が設けてある。燃焼管１内部には炎口を
炎口群に区分するガス通気道が、仕切板２で区画されて
設けてある。燃焼管１はガス流量調整装置５に接続して
ある。ガス流量調整装置５には基管５０が設けてあり、
その内部には制御装置により制御され、コントロールモ
ータ６０により回動する調整盤５８が設けてある。調整
盤５８は、ガス通気道のガス流入口に近接して設けてあ
り、通気口５８０によりガス通気道へのガス流量を調整
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば菓子、パンなど
を焼成する焼成装置に使用されるガスバーナ装置及びガ
スオーブン及びガスバーナの燃焼制御方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来技術】ガスオーブンなどに使用されるガスバーナ
装置に設けてある燃焼管は、ガスオーブンが大型である
場合、焼成室の大きさに対応して相応の長さを有する。
この燃焼管には長手方向に沿って多数の炎口が設けてあ
り、炎口から噴出する燃焼用ガスを燃焼させて火力を得
る。しかし燃焼管は長いので通気抵抗などにより燃焼管
の基側の炎口と先側の炎口では燃焼用ガスの噴出圧に差
が出る。すなわち、燃焼管の基側と先側では火力が相違
し、そのままでは焼きむらを生じることになる。

【０００３】これを解決する手段の一つとして、従来か
ら炎口のピッチや口径を燃焼管の基側と先側で変えるこ
とにより、火力の調整が行われていた。つまり、一般に
は燃焼管の基側の炎口のピッチを粗くし、あるいは炎口
の口径を小さくして、燃焼用ガスの噴出量のバランスを
とっていた。

【０００４】また他の手段として、本発明者が実願昭５
８−１２７７２８号において提案しているものがある。
これは、燃焼管の内部に可撓性を有する調整板を先端部
を中間部内壁に固定して配設し、この調整板の基部の自
由端を燃焼管の基側に位置させ、自由端を調整ねじで上
下に調整することにより、燃焼管の基側と先側に送られ
る燃焼用ガスの流量を調整して火力を調整できるように
したものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の方法では、次のような課題があった。 （ａ）炎口のピッチや口径を変えることにより火力の調
整を行うようにしたものは、ピッチや口径の各設定を燃
焼管の長さや口径の種類ごと行う必要があり、しかも調
整は試行錯誤を重ねるため、試作を何度も行わなければ
ならず、大変な手間のかかる作業であった。 （ｂ）燃焼管内部に設けた調整板で燃焼管の基側と先側
に送られる燃焼用ガスの流量を調整して火力を調整でき
るようにしたものは、調整ねじがガスオーブンの装置内
部にあるために、調整は燃焼を停止して装置内部の温度
が下がってから行わなければならない。すなわち、燃焼
中にリアルタイムでの調整ができず、調整に手間がかか
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第１の手段
にあっては、菓子、パンなどを焼成するガスオーブンに
使用されるガスバーナ装置であって、この装置は、基部
にガス流入口を有し、軸線方向に多数の炎口が設けてあ
る燃焼管と、燃焼管の内部を区画して設けてあり炎口を
複数の炎口群に区分する複数のガス通気道と、ガス流入
口からガス通気道へ流入するガス流量を調整するガス流
量調整手段と、温度検出手段を有し、その検出値を基に
してガス流量調整手段を制御する制御手段と、を備え
た、ガスバーナ装置である。

【０００７】第２の手段あっては、炎口群は、二つのガ
ス通気道により、燃焼管の長さ方向に実質的に二分の一
ずつに区分してある、第１の手段にかかるガスバーナ装
置である。

【０００８】第３の手段にあっては、第１または第２の
手段にかかるガスバーナ装置を備えた、ガスオーブンで
ある。

【０００９】第４の手段にあっては、菓子、パンなどを
焼成するガスオーブンに使用されるガスバーナの燃焼制
御方法であって、この方法は、燃焼管の内部を区画して
設けてある複数のガス通気道に、燃焼管の設置部の温度
検出値を基に燃焼用ガスの流量を制御して送ることによ
り、各ガス通気道に対応して設けてある炎口群の燃焼を
制御する、ガスバーナの燃焼制御方法である。

【００１０】

【作用】ガスバーナ装置の燃焼管に燃焼用ガスを送り点
火する。点火後、焼成室内が所定の温度に熱せられた
ら、菓子、パンなどの被焼成物が収容される。この際の
ドアの開放や被焼成物の位置の偏りなどにより、焼成室
内の温度がアンバランスになると、制御手段の温度検出
手段がそれを感知し、ガス流量調整手段を駆動して各ガ
ス通気道へのガス流量を調整する。

【００１１】これにより、炎口群の火力を燃焼管の全長
にわたりほぼ一定にしたり、被焼成物が密に収容されて
一時的に温度が低下している部分の炎口群に対応するガ
ス通気道へのガス送りを多くしたり、被焼成物が収容さ
れていない部分の炎口群へのガス送りを停止するなど、
様々な火力調整ができる。

【００１２】

【実施例】本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図１は本発明にかかるガスリールオーブ
ンの正面図、図２はガスリールオーブンの側面図であ
る。符号Ａはガスリールオーブンで、焼成室Ｂ内の複数
のゴンドラ７を循環させて被焼成物を焼成する構造であ
る。焼成室Ｂの正面側下部には、ガスバーナ装置Ｇが設
けてある。符号Ｄは焼成室ドア、Ｃはカウンターであ
る。なお、本実施例におけるガスリールオーブンＡは、
ガスバーナ装置Ｇ以外は常識的な構造を有しているの
で、ここでは構造の詳細な説明は省略する。

【００１３】図３は本発明にかかるガスバーナ装置の一
実施例を示す要部断面図、図４は左側面図、図５は燃焼
管の基部と調整盤の構造を示す説明図、図６は燃焼管の
構造を示す斜視図、図７は図６のＢ部の内部構造を示
し、仕切板の先部の状態を示す断面図である。

【００１４】図１を併せて参照する。ガスバーナ装置Ｇ
は、円管状で所要長さの燃焼管１と、ガス流量調整手段
であるガス流量調整装置５と、ガス流量調整装置５を制
御する制御手段である制御装置６を備えている。燃焼管
１の基部（図６において左側）は開口しており、口縁部
外周には螺合部１０が設けてある。また、反対側の燃焼
管１の先部は栓部材１１によって封鎖してある。

【００１５】燃焼管１の設置時における側部外面には、
燃焼管１基側の一部を除いて多数の炎口１２ａ、１２ｂ
が長手方向に沿って三列に設けてある。これら炎口１２
ａ、１２ｂの口径は同じに設定してあり、穿孔位置は各
列ごとに互い違いになるように設定してあり、炎の位置
がより細かく均一に分布するようにしてある。なお、炎
口１２ａ、１２ｂは後で説明する仕切板２の先部位置で
長手方向に二つの炎口群ａ、ｂに区分されている。

【００１６】燃焼管１の周壁両側には炎口１２ａ、１２
ｂを挟むようにして火移り板１３が各々三個の螺子１４
により複数（本実施例では片側八個）固定されている。
火移り板１３は燃焼管１の周壁に沿って湾曲させてある
胴板１３１と、胴板１３１の一方の端縁側に設けてある
傾板１３２を有している。各火移り板１３は、傾板１３
２が炎口１２ａ、１２ｂに隙間をおいて被さるように、
また、両側の火移り板１３の傾板１３２間に隙間を設け
るようにして取付けてある。

【００１７】燃焼管１の内部には平板状の仕切板２が取
付けてある。仕切板２は燃焼管１の内径とほぼ同じ幅を
有し、燃焼管１内に挿通してある。仕切板２の基部は二
段階に幅広く形成してあり、幅広部２８、２９は燃焼管
１から突出している（図４参照）。仕切板２の先部は、
燃焼管１の長さ方向のほぼ中間部（炎口１２ａと炎口１
２ｂの境界部分）にかけて設けてあり、先端部には半円
形の端板２１が直角に立ち上げて燃焼管１の内壁に当接
してある。

【００１８】これにより、燃焼管１の内部は仕切板２に
よって二つのガス通気道３、４に区画されている（図７
参照）。ガス通気道３には基部寄りの炎口群ａである各
炎口１２ａが対応しており、ガス通気道４には先部寄り
の炎口群ｂである各炎口１２ｂが対応している。また、
ガス通気道３、４のガス流入口３０、４０は共に燃焼管
１の基部に形成されている。

【００１９】燃焼管１はガス流量調整装置５に接続して
ある。ガス流量調整装置５には基管５０を有し、その両
端部には取着フランジ５１、５２が設けてある。取着フ
ランジ５１、５２の周縁部にはボルト孔５００がなど間
隔で八個設けてある。取着フランジ５１の外部側には、
後述する調整盤５８を収容する収容凹部５１０が設けて
ある。そして、基管５０の中央部には接続口５４が設け
てあり、接続口５４にはガス供給管５５が接続される。

【００２０】そして、取着フランジ５１には、取着フラ
ンジ５３０を有する接続管５３が取り付けてある。取着
フランジ５３０の外面側の内周縁には、後述する収容凹
部５１０に嵌合して調整盤５８を回動可能に押える押え
部５３１がやや突出して設けてある。また、その外側に
はリング状のパッキン５３２が埋め込んである。そし
て、取着フランジ５３０の内周壁には相対向して二箇所
に掛止溝５３３、５３４が設けてある。

【００２１】燃焼管１は、接続管５３に螺合部１０を螺
合して接続してある。また、上記仕切板２は、燃焼管１
の装着時に取着フランジ５３０側から差し入れられ、基
端部の幅広部２９を掛止溝５３３、５３４に掛止させて
ある。なお、幅広部２８は接続管５３の内周面に対応し
ている。仕切板２の基端部は、上記押え部５３１の端面
と面一になるようにしてある。そして、仕切板２の装着
によって、取着フランジ５３０の端部にはガス流入口３
０、４０が形成される。

【００２２】基管５０の取着フランジ５２には取着基体
５６が取り付けてある。取着基体５６はフランジ部５６
１と軸管部５６２を有している。フランジ部５６１の周
縁寄りにはボルト孔５００が他のフランジ部と同様に設
けてある。軸管部５６２の内部の両端部にはボールベア
リング５６３、５６４が設けてあり、ボールベアリング
５６３、５６４には制御軸５７が取り付けてある。

【００２３】制御軸５７の先端部には円形の調整盤５８
が固着してある。調整盤５８には、その面積の約半分を
占めるほぼ半円形の通気口５８０が設けてある。調整盤
５８は取着フランジ５１の収容凹部５１０に回動可能に
収容してある。制御軸５７の基側は取着基体５６から外
部に突出させてあり、その基端部にはリンク５９が固着
してある。

【００２４】基管５０の上部には台部６５を介し、制御
装置６を構成するコントロールモータ６０が取り付けて
ある。コントロールモータ６０は、駆動軸６０１の回転
角が制御可能なモータであり、その制御は温度比較計６
１により行なわれる。温度比較計６１は、ガスオーブン
の焼成室内の要所に配置される温度センサ６２、６３を
有している。

【００２５】コントロールモータ６０の駆動軸６０１に
はリンク６０２が固着してある。そして、リンク６０２
と上記リンク５９の間にはユニバーサルジョイント（図
示省略）を介してコネクティングロッド６４が取り付け
てある。これによると、駆動軸６０１の駆動によりリン
ク６０２が回動すれば、調整盤５８が回動する。なお、
調整盤５８の回動角は、ガス流入口３０、４０を全開か
ら全閉することができるように約１８０度に設定してあ
る。

【００２６】（作 用）図１ないし図７を参照して本実
施例の使用方法及び作用を説明する。まず、ガスオーブ
ンＡのガスバーナ装置Ｇに燃焼用ガスを送り、点火す
る。点火後、焼成室Ｂ内が所定の温度に熱せられたら、
菓子パンなどの被焼成物が各ゴンドラ７に収容される。
この際の焼成室ドアＤの開放や被焼成物の位置の偏りな
どにより、焼成室Ｂ内の温度がアンバランスになると、
温度比較計６１が温度センサ６２、６３によりそれを感
知して演算を行ない、コントロールモータ６０に指示を
送り、調整盤５８が回動して通気口５８０によりガス流
入口３０、４０の通気量が調整される。

【００２７】これにより、炎口群ａ、ｂの火力を燃焼管
１の全長にわたりほぼ一定にしたり、被焼成物が密に収
容されて一時的に温度が低下している部分の炎口群ａ、
ｂに対応するガス通気道３、４へのガス送りを多くした
り、被焼成物が収容されていない部分の炎口群ａ、ｂへ
のガス送りを停止するなど、様々な火力調整がリアルタ
イムでできる。なお、本発明は図示の実施例に限定され
るものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々
の変形が可能である。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。すなわち、本発明によれば、燃焼管に燃焼用ガス
を送り点火し、焼成室内の温度検出値を基に制御手段で
制御されるガス流量調整手段により各ガス通気道へのガ
ス流量を調整することにより、炎口群の火力を燃焼管の
全長にわたりほぼ一定にしたり、被焼成物が収容されて
いない部分の炎口群に対応するガス通気道へのガス送り
を停止するなど、様々な火力調整がリアルタイムででき
る。従って、被焼成物の焼きむらなどは生じにくく、高
品質の製品が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるガスリールオーブンの正面図。

【図２】ガスリールオーブンの側面図。

【図３】本発明にかかるガスバーナ装置の一実施例を示
す要部断面図。

【図４】ガスバーナ装置の左側面図。

【図５】燃焼管の基部と調整盤の構造を示す説明図。

【図６】燃焼管の構造を示す斜視図。

【図７】図６のＢ部の内部構造を示し、仕切板の先部の
状態を示す断面図。

【符号の説明】

Ａ ガスリールオーブン Ｇ ガスバーナ装置 １ 燃焼管 １２ａ、１２ｂ 炎口 ａ、ｂ 炎口群 ２ 仕切板 ３、４ ガス通気道 ３０、４０ ガス流入口 ５ ガス流量調整装置 ６ 制御装置 ６０ コントロールモータ ６１ 温度比較計 ６２、６３ 温度センサ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 菓子、パンなどを焼成するガスオーブン
   に使用されるガスバーナ装置であって、この装置は、 基部にガス流入口を有し、軸線方向に多数の炎口が設け
   てある燃焼管と、 この燃焼管の内部を区画して設けてあり上記炎口を複数
   の炎口群に区分する複数のガス通気道と、 上記ガス流入口から上記ガス通気道へ流入するガス流量
   を調整するガス流量調整手段と、 温度検出手段を有し、その検出値を基にして上記ガス流
   量調整手段を制御する制御手段と、 を備えた、 ガスバーナ装置。
2. 【請求項２】 炎口群は、二つのガス通気道により、燃
   焼管の長さ方向に実質的に二分の一ずつに区分してあ
   る、請求項１記載のガスバーナ装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載のガスバーナ装置
   を備えた、ガスオーブン。
4. 【請求項４】 菓子、パンなどを焼成するガスオーブン
   に使用されるガスバーナの燃焼制御方法であって、この
   方法は、 燃焼管の内部を区画して設けてある複数のガス通気道
   に、上記燃焼管の設置部の温度検出値を基に燃焼用ガス
   の流量を制御して送ることにより、各ガス通気道に対応
   して設けてある炎口群の燃焼を制御する、 ガスバーナの燃焼制御方法。